JP3791686B2 - シールドケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主に基板用として利用されるシールドケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
基板には各種のものがある。たとえば、電源回路やフィルタ回路等を構成する部品が実装された基板がある。この基板をシールドする場合、回路部品が実装されている実装面を覆うように、金属製のシールドケースを取り付ける。また、回路に応じて部品数が増減する場合、基板のサイズ、例えば長さが変わる。この場合には、基板のサイズに応じて、シールドケースを用意する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のシールドケースには、次のような問題点がある。基板のサイズが変わる場合、基板に合わせてシールドケースを製作しなければならない。つまり、1つのサイズの基板には、このサイズに応じたシールドケースが必要であるので、基板のサイズが変わるごとに、この基板に合うシールドケースを製作して用意しなければならない。
【0004】
この発明は、前記の課題を解決し、各種サイズの基板に合わせることが可能なシールドケースを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、第1のケース保持部分が設けられ、コ字状をなす金属製の内側ケース部と、この内側ケース部の外側に重ね合わせて設けられ、かつ内側ケース部に対しスライド可能であって第2のケース保持部分が設けられた金属製の外側ケース部と、前記第1のケース保持部分に取り付けられる第1のケース固定部が一端側に設けられ、他端側には前記第2のケースの保持部分に取り付けられる第2のケース固定部が設けられ、回路部品が実装された基板とを備え、前記基板の長さに応じて前記外側ケースをスライドさせ基板を覆うことを特徴とした。
【0006】
請求項2の発明は、第1のケース保持部分が設けられ、コ字状をなす金属製の第1の枠部と、この第1の枠部と離間して配置され、第2のケース保持部分が設けられ、コ字状をなす金属製の第2の枠部と、この第2の枠部と前記第1の枠部との間に設けられ、コ字状をなす金属製の伸縮自在なジャバラ部と、前記第1のケース保持部分に取付けられる第1のケース固定部が一端側に設けられ、他端側には前記第2のケース保持部分に取り付けられる第2のケース固定部が設けられ、回路部品が実装された基板とを備え、前記基板の長さに応じて前記ジャバラ部を伸縮させ基板を覆うことを特徴とした。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳しく説明する。
【0008】
[実施の形態1]
実施の形態1によるシールドケースは、図1に示すように、内側ケース部1と外側ケース部2とで構成されている。
【0009】
内側ケース部1は金属製である。内側ケース部1の断面形状は、図2に示すようにコ字状である。つまり、内側ケース部1は、脚板1A、1Bと天板1Cとを備えている。脚板1A、1Bの端には、基板を取り付けるための、L字状の第1の保持部分1D、1Eが設けられている。第1の保持部分1D、1Eには、基板をネジ止めするための穴1D1、1E1が開けられている。天板1Cの端には、折り曲げ板1Fが設けられている。
【0010】
外側ケース部2は、内側ケース部1と同じ金属製である。外側ケース部2は、内側ケース部1と重なり合うので、外側ケース部2の断面形状は、内側ケース部1より大きなコ字状である(図2)。つまり、外側ケース部2は、脚板2A、2Bと天板2Cとを備えている。
【0011】
脚板2A、2Bの端には、基板の他端部を取り付けるための、L字状の第2の保持部分2D、2Eが設けられている。第2の保持部分2D、2Eには、基板をネジ止めするための穴2D1、2E1が開けられている。天板2Cの端には、折り曲げ板2Fが設けられている。脚板2A、2Bの縁には、内側ケース部1を移動可能に保持するための保持板2G、2Hが設けられている。
【0012】
以上の構造をしたシールドケースは、図3、図4に示すように、内側ケース部1と外側ケース部2とを重ね合わせ、内側ケース部1に設けられた基板取付用の第1の保持部分1D、1Eの穴1D1、1E1と外側ケース部2に設けられた基板取付用の第2の保持部分2D、2Eの穴2D1、2E2とを用い、内側ケース部1と外側ケース部2とをネジ111で基板101に固定する。すなわち、基板101の一端側には、図2、図3、図4等から明らかなように、内側ケース部1に設けられた第1の保持部分1D、1Eにネジ111を介して取り付けるための第1のケース固定部が設けられている。また、基板101の他端側には、外側ケース部2に設けられた第2の保持部分2D、2Eに同じくネジ111を介して取り付けるための第2のケース固定部が設けられている。このとき、サイズの異なる基板102、103がある場合、図4に示すように、外側ケース部2を内側ケース部1に沿ってスライドさせ、基板102、103のサイズに応じて内側ケース部1と外側ケース部2とが重なり合う位置を調整し、基盤101を被う。
【0013】
これによって、サイズの異なる基板102、103に対して、シールドケースを設けることができる。この結果、基板102、103のサイズに合わせてシールドケースを製作することが不要になる。なお、図3および図4の基板101〜103に設けられた接続金具121、122は、別の基板に接続するためのものである。この接続には、接続金具121と接続金具122とを挟んで、2つの金具121、122を電気的に接続する接続クリップ(図示を省略)を用いる。
【0014】
基板のサイズが変更される場合として、次の例がある。つまり、図5に示すように、基板1041〜104nがノイズフィルタ回路であり、このノイズフィルタ回路が例えば電源装置に用いられている。この例では、一方の基板1041に所定の第1のノイズフィルタ回路が構成され、他方の基板1042には第1のノイズフィルタ回路と組み合わされて使用可能な第2のノイズフィルタ回路が構成されている。同じようにして、基板1043〜104nにノイズフィルタ回路が構成されている。
【0015】
基板1043〜104nは、図3および図4に示した接続金具121、122と、接続金具121と接続金具122との間を接続する接続クリップ123とによって、電気的に接続される。なお、接続金具121、122と接続クリップ123とによって、基板間接続金具120が構成される。
【0016】
一般制御機器、NC制御機器、各種電子機器、その他の産業機器等には、EMI(Electromagnetic Interference)対策としてノイズフィルタを使用している。この場合、従前では市販のノイズフィルタを使用するか、あるいはカスタムで個別に回路構成を決めたノイズフィルタを使用しているが、次のような問題点がある。すなわち、市販のものでは、実機とのマッチングがあり、装置のEMI規格値を即満足できない場合が多い。モディファイ品では個別対応のため、コスト、納期、技術の開発工数等が問題となる。
【0017】
この対策として、あらかじめ幾つかの種々の回路構成の基板1041〜104n(ノイズフィルタユニット)を個々に組み上げて何種類も作製しておき、それらを適宜選択して組み合わせ、実機とマッチングする所望のノイズフィルタを構成するようにすると便利である。このために、基板1041〜104nの接続、分離が容易で、かつ、大電流を流すことができる基板間接続金具120が用いられる。
【0018】
ノイズフィルタ回路の例を図6に示す。図6のフィルタ回路は基板105に実装されている。図6では、Lx1、Lx2は一方の基板105に実装されたL(インダクタンスコイル)であり、Cx1、Cx2、Cy1、Cy2はコンデンサであり、これらによって第1のノイズフィルタ回路を構成している。なお、図6においてサフィクスのYはアース接続を表し、Xはライン接続を表している。一方の基板105には種々のインダクタンス値のLや容量値のCを取り付けることができるので、多様な基本のセル型ノイズフィルタを作製することができる。
【0019】
図6では、端子105Aに基板間接続金具120の接続金具121が接続され、端子105Bに接続金具122が接続されている。同じように、端子105C、105Dに接続金具122、121が接続されている。
【0020】
また、図7は他方の基板106に構成した第2のノイズフィルタ回路の一例であり、第1のノイズフィルタ回路(図6)からCx1を取り外して構成されている。また、回路構成が同じでも、LやCの回路定数を変えることにより、特性の異なるノイズフィルタ回路を作製しておくことができる。
【0021】
基板間接続金具120を用いれば、図6や図7のようなフィルタを任意に接続し、切断することができるので、任意の複数個のものの中から実機とマッチングするものを現場にて選択して組み合わせることにより、実機にあったEMI対策が簡単に行えて、納期が短縮でき、便利となる。
【0022】
[実施の形態2]
実施の形態2によるシールドケースは、図8に示すように、第1、第2の枠部11、12とそれらの間に設けられた伸縮自在なジャバラ部13とで構成されている。
【0023】
第1の枠部11は金属製であり、第1の枠部11の断面形状はコ字状である。つまり、第1の枠部11は、脚板11A、11Bと天板11Cとを備えている。脚板11A、11Bの端には、基板の一端側に設けられた第1のケース固定部を取り付けるための、L字状の第1の保持部分11D、11Eが設けられている。第1の保持部分11D、11Eには、基板の一端側の第1のケース固定部をネジ止めするための穴11D1、穴11E1が、それぞれ開けられている。天板11Cの端には、折り曲げ板11Eが設けられている。
【0024】
第2の枠部12は、第1の枠部11と同じであり、基板の他端側の第2のケース固定部をネジ止めするための第1の保持部分11D、11Eと同様の第2の保持部分が設けられている。第1の枠部11と第2の枠部12との間には、ジャバラ部13が設けられている。ジャバラ部13は、断面コ字状の金属製であり、かつ、伸縮自在なジャバラである。この実施の形態では、ジャバラ部13が伸縮部である。
【0025】
以上の構成をしたシールドケースは、図9に示すように、第1の枠部11と第2の枠部12との間に基板101がネジ111で固定される。このとき、図10に示すように、サイズの異なる基板107、108がある場合、基板107、108のサイズに応じてジャバラ部13の長さを調整する。
【0026】
これによって、サイズの異なる基板107、108に対して、シールドケースを設けることができる。この結果、基板107、108のサイズに合わせてシールドケースを製作することが不要になる。なお、図9および図10の基板107、108に設けられた接続金具121、122は、実施の形態1と同じである。
【0027】
以上、この発明の実施の形態1、2を詳述してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。たとえば、内側ケース部1および外側ケース部2と、枠部11、12およびジャバラ部13との断面形状がそれぞれコ字状であったが、断面形状がこれに限定されることはない。また、実施の形態1によるシールドケースは、内側ケース部1と外側ケース部2との2段重ねであったが、重ね合わせる数は2段に限定されることがない。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、基板に取り付けられる複数のケース部がそれぞれ重ね合わされる。また、枠部の間に設けられた伸縮部が伸縮自在である。これによって、本発明によるシールドケースを1つ用意すれば、各種サイズの基板に合わすことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1によるシールドケースを示す斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】実施の形態1によるシールドケースを基板に実装した様子を示す斜視図である。
【図4】実施の形態1によるシールドケースを、異なるサイズの基板に実装する様子を示す斜視図である。
【図5】基板間接続金具を用いた基板間の接続の様子を示す図である。
【図6】フィルタ回路の一例を示す回路図である。
【図7】フィルタ回路の他例を示す回路図である。
【図8】実施の形態2によるシールドケースを示す斜視図である。
【図9】実施の形態2によるシールドケースを基板に実装した様子を示す斜視図である。
【図10】実施の形態2によるシールドケースを、異なるサイズの基板に実装する様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 内側ケース部
1A、1B 脚板
1C 天板
1D、1E 保持部分
1D1、1E1 穴
1F 折り曲げ板
2 外側ケース部
2A、2B 脚板
2C 天板
2D、2E 保持部分
2D1、2E1 穴
2F 折り曲げ板
2G、2H 保持板
11、12 枠部
11A、11B 脚板
11C 天板
11D、11E 保持部分
11D1、11E1 穴
13 ジャバラ部
101〜103、1041〜104n、105〜108 基板
105A〜105D 端子
111 ネジ
120 基板間接続金具
121、122 接続金具
123 接続クリップ
Claims (2)
- 第1のケース保持部分が設けられ、コ字状をなす金属製の内側ケース部と、この内側ケース部の外側に重ね合わせて設けられ、かつ内側ケース部に対しスライド可能であって第2のケース保持部分が設けられた金属製の外側ケース部と、前記第1のケース保持部分に取り付けられる第1のケース固定部が一端側に設けられ、他端側には前記第2のケースの保持部分に取り付けられる第2のケース固定部が設けられ、回路部品が実装された基板とを備え、前記基板の長さに応じて前記外側ケースをスライドさせ基板を覆うことを特徴とするシールドケース。
- 第1のケース保持部分が設けられ、コ字状をなす金属製の第1の枠部と、この第1の枠部と離間して配置され、第2のケース保持部分が設けられ、コ字状をなす金属製の第2の枠部と、この第2の枠部と前記第1の枠部との間に設けられ、コ字状をなす金属製の伸縮自在なジャバラ部と、前記第1のケース保持部分に取付けられる第1のケース固定部が一端側に設けられ、他端側には前記第2のケース保持部分に取り付けられる第2のケース固定部が設けられ、回路部品が実装された基板とを備え、前記基板の長さに応じて前記ジャバラ部を伸縮させ基板を覆うことを特徴とするシールドケース。
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