JP3791185B2 - 直噴式多気筒ディーゼルエンジン - Google Patents

直噴式多気筒ディーゼルエンジン Download PDF

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各気筒に対してそれぞれ燃料噴射ノズルがシリンダ軸線方向上方からシリンダボアに臨むように配設された直噴式多気筒ディーゼルエンジンに関するものであり、特にシリンダヘッドに対して燃料噴射ノズルを固定するための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各気筒に対してそれぞれ燃料噴射ノズルがシリンダ軸線方向上方からシリンダボアに臨むように配設された直噴式の多気筒ディーゼルエンジンは一般に知られている。このディーゼルエンジンでは、シリンダボアのシリンダ軸線方向上方に燃料噴射ノズルを所定状態に固定する必要があるが、吸・排気弁の多弁化等によってシリンダボアまわりの吸・排気ポートや動弁系等の構造が複雑になると、これらとの干渉を避けるため燃料噴射ノズル固定用の部材の構造や配置に工夫を要する。
【0003】
このような点を考慮したものとして、例えば特開平8−326511号公報には、各気筒に2つの吸気弁と2つの排気弁とが設けられてこれらが1本のカムシャフトによりロッカーアームを介して駆動されるようになっているディーゼルエンジンエンジンにおいて、シリンダボアのシリンダ軸線方向上方に燃料噴射ノズルが配置されるとともに、燃料噴射ノズルに対しカムシャフト側とは反対側で吸気弁軸と排気弁軸との間の位置にノズル押え部材が配置され、このノズル押え部材の先端のフォーク状部分に燃料噴射ノズルの中間部が係止された状態で、ノズル押え部材がボルトでシリンダヘッドに固定されるようにした構造が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に示された構造では、吸気弁軸と排気弁軸との間(吸気ポートと排気ポートとの間)のスペースを利用してノズル押え部材を配置しているが、シリンダボアまわりの構造が変更された場合に、ノズル押え部材をこのような配置とすることが困難になることがある。例えば、極冷間時の始動促進のためのグロープラグを備える構造として、吸気ポートと排気ポートとの間にプラグ取付部が設けられる場合があり、このような場合、吸・排気ポート間に上記ノズル押え部材もしくはこれをシリンダヘッドに固定するボルトを配置するスペースが得られなくなることがある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑み、シリンダボアまわりに配設される吸・排気ポートや各種部材と燃料噴射ノズル固定用の部材との干渉を避け、かつ、構造を比較的簡単にしつつ、シリンダヘッドに対して燃料噴射ノズルを適度の押え付け力で固定することができる直噴式多気筒ディーゼルエンジンを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、各気筒に対してそれぞれ燃料噴射ノズルが、シリンダ軸線方向上方からシリンダボアに臨むように配設された直噴式多気筒ディーゼルエンジンにおいて、隣合う気筒の両燃料噴射ノズルの肩部をそれぞれ係止する係止部を両端部に有するとともに中央に締結部材挿通孔を有して、上記両燃料噴射ノズルに架け渡された架設部材と、この架設部材の締結部材挿通孔に挿通されて上下両端部が上記架設部材とシリンダヘッドとに結合された棒状の締結部材とを備え、この締結部材の下端部とシリンダヘッドとの結合部分あるいは締結部材の上端部と架設部材側の結合用部材との結合部分に、相対応する締着用ネジ部と、着座用の対面部分とが設けられるとともに、上記締結部材の中間部に両端部と比べて断面積が小さい小断面部が形成され、上記の相対応する締着用ネジ部が螺合されて着座用の対面部分が当接する状態まで締着されることにより上記締結部材の小断面部が弾性的に延びて所定の復元力が生じ、この復元力が上記架設部材を介し上記両燃料噴射ノズルに押え付け力として作用するように構成され、一方、各燃料噴射ノズル間のうちで架設部材が存在しない燃料噴射ノズル間に、ヘッドカバー取付け用のボルト孔ボスが設けられているものである。
【0007】
この構成によると、隣合う気筒の両燃料噴射ノズルの間に上記架設部材が架け渡されるとともに、上記締結部材が隣合う気筒の中間に位置するようになるため、これらの部材とシリンダボア周辺の各種部材等との干渉が避けられつつ、燃料噴射ノズルが固定される。そして、締結部材が締着されるに伴い上記小断面部が弾性変形することによりそれに応じた力で燃料噴射ノズルが固定されるが、この場合に上記着座用の対面部分が当接することで締結部材の弾性変形とそれに応じた力が適度に規制され、燃料噴射ノズルに作用する押え付け力や締結部材とシリンダヘッドとの結合部分からシリンダヘッドに作用する力が過大になることが避けられる。
【0008】
この発明において、上記締結部材の小断面部の径は締着用ネジ部の径以下とされていることが好ましく、このようにすると、締着用ネジ部の強度が確保されつつ、締着に伴って小断面部が比較的容易に弾性変形する。
【0009】
上記締結部材は、例えばボルトからなる。この場合、シリンダヘッドの締結部材結合箇所には締着用雌ネジ部を有するボス部が形成され、上記締結部材は、下端部に締着用雄ネジ部と、この締着用雄ネジ部より断面積が拡大して上記ボス部の上端の座面に対面する着座部とを有するとともに、上端部に上記架設部材の上面への当接部を有し、かつ、この当接部と上記着座部との間に小断面部を有するように形成される。そして、シリンダヘッドに燃料噴射ノズルの先端近傍が着座するノズル着座位置から燃料噴射ノズルの肩部に架設部材の係止部が当接するノズル係止位置までの上下方向距離(L1)と、上記ノズル着座位置から上記ボス部の上端の座面までの上下方向距離(L2)と、上記締結部材が弾性変形していない状態での上記着座部から上記係止位置までの上下方向距離(L3)との関係が、[L1>L2+L3]となるように設定されていればよい。
【0010】
このようにすると、ボルトからなる締結部材がシリンダヘッドのボス部に締着され、その締着に伴い上記小断面部が適度に弾性変形してそれに応じた力が燃料噴射ノズルに作用する。
【0011】
上記締着用雌ネジ部を有するボス部はシリンダヘッドのデッキから上方に突出し、シリンダヘッドにおける上記デッキの下方にはウォータジャケットが形成されていることが好ましく、このようにすれば、ウォータジャケットの冷却水流通部分が制限されることがなく、かつ、締着に伴って締着用雌ネジ部からシリンダヘッド側に作用する力がボス部である程度吸収されて、上記デッキに加わる力が緩和される。
【0012】
また、このような構造とする場合に、シリンダヘッドの周辺部に設けられているヘッドカバー衝合面と、締着用雌ネジ部を有するボス部の上面とが同一面上に形成されていると、上記ヘッドカバー衝合面の加工時にこれと同時にボス部の上面を加工することができる。そして、この加工によってボス部上端の座面の寸法精度が高められる。
【0013】
上記シリンダヘッドがアルミ合金製、架設部材および締結部材はスチール製である場合に、シリンダヘッドのボス部上端の座面と締結部材の着座部との間にワッシャが介設されていることが好ましく、このようにすると、締結部材の締着時に上記ボス部が変形することが抑制される。
【0014】
また、上記締結部材はスタッドボルトで構成してもよい。この場合、締結部材は、下端がシリンダヘッドに固着され、上端に締着用雄ネジ部を有するとともに上端近傍に断面積が拡大したナット用座面部を有し、かつ、ナット用座面部の下方に小断面部を有するものであり、この締結部材の締着用雄ネジ部が架設部材の締結部材挿通孔より上方に突出した状態で、この締着用雄ネジ部に、結合用部材としてのナット部材が螺合し、このナット部材が架設部材の上面に当接してからさらに所定量締め付けられることで上記締結部材のナット用座面に当接するように設定されていればよい。
【0015】
このようにすると、スタッドボルトからなる締結部材の上端部にナット部材が締着され、その締着に伴い上記小断面部が適度に弾性変形してそれに応じた力が燃料噴射ノズルに作用する。
【0016】
シリンダヘッドに燃料噴射ノズルの先端近傍が着座するノズル着座部には、シリンダヘッドより弾性率が低いパッキングを介設しておくことが好ましく、このようにすると、押え付け力によって燃料噴射ノズルが固定されるときに安定性が高められる。
【0017】
また、本発明は、各気筒毎に2つの吸気弁と2つの排気弁とが設けられ、各吸気弁で開閉される吸気ポートおよび各排気弁で開閉される排気ポートがシリンダヘッドに形成されるとともに、シリンダヘッド上の一側部に1本のカムシャフトが配置され、上記各吸気弁および各排気弁が上記カムシャフトによりロッカーアームを介して駆動されるように構成されるとともに、各シリンダボアに対しカムシャフト側と反対側の側方にグロープラグ取付部が配設され、このグロープラグ取付部は、シリンダブロックに対するシリンダヘッド固定用のヘッドボルト孔ボスに隣接する位置から上記吸気ポートと排気ポートとの間を通ってシリンダボアに達するプラグ取付孔を有し、このプラグ取付孔を形成するプラグ取付孔ボスが吸気ポート壁と排気ポート壁とを連結するように形成されている構造に適用されることが効果的である。
【0018】
つまり、このような構造によると、吸・排気ポートや動弁系および極冷間時の始動促進のためのグロープラグ等が効果的に配置されるとともに、吸・排気ポート配設部分の剛性が高められるが、シリンダボア周辺のスペース的余裕が少なくて、シリンダボア周辺に燃料噴射ノズルを固定するための部材を配設することが困難になるが、このような場合でも、本発明によると、架設部材および締結部材が容易に配置され、燃料噴射ノズルの固定が有効に行われる。
【0019】
このような構造に加えてさらに、シリンダボアに対しグロープラグ取付部とは反対側において吸気ポートと排気ポートとの間の部位に、ウォータジャケットに冷却水を導くクロスドリル孔が形成されている場合にも、これと干渉することなく架設部材および締結部材が配置され、燃料噴射ノズルの固定が有効に行われる。
【0020】
また、カムシャフトを支承するカム軸受部がシリンダボア中央部に対応する軸方向位置でシリンダヘッド上に設けられていると、カム軸受部と上記締結部材等とが干渉することがない。
【0021】
上記燃料噴射ノズルに対する燃料供給管および燃料リターン用の配管の接続およびレイアウトとしては、架設部材に係止される肩部より下方位置に燃料供給管が接続されるとともに、上記肩部より上方位置に燃料リターン用の配管が接続され、この燃料リターン用の配管は締結部材の上端部を避けて配置されているようにすればよい。また、燃料供給管は吸気ポートと排気ポートとの間のグロープラグ取付部の上方を通るように配置されていればよい。
【0022】
また、シリンダヘッド上に取り付けられるヘッドカバーの側壁部に、燃料噴射ノズルに接続される燃料リターン用の配管と外部の配管とをつなぐための通路が形成されていれば、燃料噴射ノズルに接続される配管と外部配管との接続が簡単な構造で達成される。
【0023】
シリンダヘッド上に取り付けられるヘッドカバーの側壁部に、グロープラグの配置を可能にする凹入部が設けられていることが好ましく、このようにすると外部からのグロープラグの挿脱が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は本発明の一実施形態による直噴式多気筒ディーゼルエンジンの、ヘッドカバーを外した状態(ただし後述の側壁部4bは取り付けた状態)の平面図、図2は同正面図、図3および図4はシリンダヘッドの平面図および断面図である。これらの図に示すエンジンは4気筒ディーゼルエンジンであって、その各気筒1A〜1Dを構成するシリンダボアが形成されたシリンダブロック2と、このシリンダブロック2上に取付けられるシリンダヘッド3と、このシリンダヘッド3上に取り付けられるヘッドカバー4とを備えている。
【0027】
上記シリンダヘッド3には、各気筒1A〜1Dのシリンダボアに開口する吸気ポート5および排気ポート6が形成され、その吸気ポート5および排気ポート6を開閉する吸気弁7および排気弁8が装備されており、当実施形態ではシリンダボアに対する吸気ポート5の開口部5aおよび排気ポート6の開口部6aが2つずつ設けられて、その各吸気ポート開口部5aおよび各排気ポート開口部6aをそれぞれ開閉するように、各気筒毎に2つの吸気弁7と2つの排気弁8とが装備されている。
【0028】
上記両吸気弁7は、エンジン長手方向(気筒配列方向)においてシリンダボアの後側(図1で右側)に位置し、平面視で両吸気弁7の中心を結ぶ直線がシリンダボア中心線(各気筒のシリンダボア中心を結ぶ直線)に対して所定の傾斜角をもつように、斜めに並んで配置されている。一方、上記両排気弁8は、エンジン長手方向においてシリンダボアの前側(図1で左側)に位置し、平面視で両排気弁8の中心を結ぶ直線が上記シリンダボア中心線に対して所定の傾斜角をもつように、斜めに並んで配置されている。こうして、両吸気弁7と両排気弁8とがエンジン長手方向に千鳥配置されている。
【0029】
上記吸・排気弁7,8を駆動する動弁系は、いわゆるSOHC(シングルオーバーヘッドカム)タイプであって、気筒配列部分に対してエンジン幅方向の片側に1本のカムシャフト11が配置されており、このカムシャフト11の前端部にはタイミングプーリ12が結合され、図外のクランクシャフトから駆動力がタイミングベルトを介してカムシャフト11に伝達されるようになっている。
【0030】
上記カムシャフト11と吸気弁7および排気弁8との間には、共通のロッカーシャフト13に支承された吸気弁用および排気弁用のロッカーアーム14,15と、ロッカーアーム14,15の揺動を両吸気弁7および両排気弁8に伝える押圧部材16,17とが設けられ、カムシャフト11の回転によりロッカーアーム14,15および押圧部材16,17を介して各吸気弁7および各排気弁8が駆動されるようになっている。
【0031】
すなわち、図2中に示すように上記排気弁用ロッカーアーム15は、その一端側にカムローラ18を有し、カムシャフト11に設けられた排気弁用カム11bに上記カムローラ18が当接する一方、他端側が押圧部材17に当接しており、押圧部材17はガイド軸19に案内されて上下往復動可能な状態で、両端が両排気弁8のバルブステム上端に当接している。そして、カムシャフト11の回転に応じて排気弁用ロッカーアーム15が揺動し、それに伴って押圧部材17が上下動することにより両排気弁8が同時に開閉されるようになっている。また、吸気弁用ロッカーアーム14も、その一端側のカムローラがカムシャフト11の吸気弁用カム11aに当接する一方、他端側が上下往復動可能な押圧部材16に当接しており、押圧部材16の両端が両吸気弁7のバルブステム上端に当接し、ロッカーアーム14の揺動に伴う押圧部材16の上下動により両吸気弁7が同時に開閉されるようになっている。
【0032】
上記カムシャフト11は複数箇所でカム軸受部20により回転可能に支承され、各カム軸受部20は、シリンダボア中央部に対応する軸方向位置でシリンダヘッド3上に設けられている。各カム軸受部20にはカムキャップ21が具備され、このカムキャップ21はカムシャフト11の上半部を囲う状態で一対のキャップボルト22,23によりシリンダヘッド3に取り付けられている。この一対のキャップ22,23のうちの一方は、ロッカーシャフト支持部の上に設置されたロッカーシャフト13を上下方向に貫通することにより、ロッカーシャフト13をカムキャップ21と共締めでシリンダヘッド3に固定している。
【0033】
また、上記各気筒1A〜1Dに対してそれぞれ燃料噴射ノズル25が設けられ、この燃料噴射ノズル25は、シリンダ軸線方向上方からシリンダボアに臨むように配置された状態で、架設部材50および締結部材60により固定されている。この架設部材50および締結部材60は、後に詳述するように、隣合う気筒の両燃料噴射ノズル25を同時に固定するようになっており、図示の4気筒エンジンでは第1,第2気筒間と、第3,第4気筒間とに配設されている。なお、各気筒間のうちで架設部材50および締結部材60が存在しない第2,第3気筒間には、ヘッドカバー取付け用のボルト孔ボス26が設けられている。
【0034】
さらに、各シリンダボアに対しカムシャフト11側とは反対側の側方にグロープラグ取付部27が配設されている。このグロープラグ取付部27は、プラグ取付孔ボス29に形成されたプラグ取付孔28を有し、シリンダヘッド3の側辺部においてヘッドボルト孔ボス31に隣接する位置に上端が開口し、この位置から吸気ポート5と排気ポート6との間を通ってシリンダボアに達するように形成されている。上記ヘッドボルト孔ボス31には、シリンダブロック2に対してシリンダヘッド3を固定するためのヘッドボルトを挿通するヘッドボルト孔32が形成されている。なお、ヘッドボルト孔ボス31はロッカーシャフト13の下方に相当する位置でカム軸受部20の間の部位にも配設されている。
【0035】
吸・排気ポート5,6とグロープラグ取付部27の位置関係を図4によって具体的に説明する。2つの吸気ポート5は気筒の一側方(カムシャフト11とは反対側の側方)より気筒の後側に回りこんで、その各端部がシリンダボアに開口するように形成され、一方、排気ポート6は気筒の他側方(カムシャフト側の側方)より気筒の前側に回りこみ、かつ分岐して、その各分岐端部がシリンダボアに開口するように形成されている。このようなポート配置に対し、一側方からシリンダボアに向けて形成されたプラグ取付孔28が吸気ポート5と排気ポート6との間を通っている。そして、プラグ取付孔28を形成するプラグ取付孔ボス29が吸気ポート壁と排気ポート壁とを連結するように形成されている。このようにすれば、プラグ取付孔ボス29によって吸・排気ポート間が効果的に補強される。
【0036】
また、シリンダボアに対しグロープラグ取付部27とは反対側において吸気ポート5と排気ポート6との間の部位には、ウォータジャケット33に冷却水を導くクロスドリル孔34が形成されている。このようにすると、吸・排気ポート付近にも冷却水が良好に流通されるとともに、クロスドリル孔34を形成するボス部によって吸・排気ポート間が補強される。なお、シリンダヘッド3の周辺にはヘッドカバー4との衝合面36が形成され、この衝合面36にはヘッドカバー取付用のボルト孔37が形成されている。
【0037】
燃料噴射ノズル25を固定する構造を、図5および図6を参照しつつ具体的に説明する。上記シリンダヘッド3には、各気筒のシリンダボア中央部の上方にノズル取付孔41が設けられ、ノズル取付孔41は後述のような燃料噴射ノズル25の下方部の形状に対応するように下端側所定範囲が小径、上部が大径とされ、その間にノズル着座用の段部42が形成されている。また、隣合う気筒の中間部の上方に、締結部材60を取り付けるためのネジ穴(締着用雌ネジ部)44を有するボス部43が設けられている。このボス部43は、シリンダヘッド3のミドルデッキ3aから上方に突出している。このボス部43の上端は締結部材の下部を着座させるための座面45とされ、この座面45は、シリンダヘッド3の周辺部に設けられたヘッドカバー衝合面36と同一面上に形成されている。
【0038】
燃料噴射ノズル25は、その大部分を占める胴部25aが概略円筒状に形成されるとともに、上端近傍部に両側面が平坦な偏平部分25bが形成されることにより、この偏平部分25bと胴部25aとの間に段状の肩部25cが形成されている。上記胴部25aの上部(肩部25cより下方位置)には燃料供給管46(図1参照)の接続部25eが設けられ、燃料噴射ノズル上端部(肩部25cより上方位置)には燃料リターン用の配管47の接続部25fが設けられている。
【0039】
上記燃料噴射ノズル25の下端部には胴部25aより径が小さい小径部分25dが設けられ、その先端に噴射口が形成されている。そして、燃料噴射ノズル25の下部が上記ノズル取付孔41に挿入され、胴部25aの下端が上記ノズル取付孔41内の段部42にパッキング48を介して着座されるようになっている。上記パッキング48はシリンダヘッド3と比べて弾性率が低い材料、例えば銅からなっている。なお、シリンダヘッド3は鋳鉄あるいはアルミ合金からなっている。
【0040】
上記架設部材50は、スチール等の高強度の素材により、隣合う気筒の燃料噴射ノズル25に架け渡されるように所定の長さの板状に形成され、その両端部に燃料噴射ノズル25の肩部25cを係止する係止部51を有している。この係止部51には、燃料噴射ノズル25の肩部25c上の偏平部分25bに嵌合する切り込み52が形成されている。また、この架設部材25の中央部には、円形の締結部材挿通孔53が形成されている。
【0041】
上記締結部材60は、スチール等の高強度の素材によりネジ付の棒状に形成されたものであり、当実施形態では下端部にシリンダヘッド3のネジ穴44に対応する締着用雄ネジ部61を有するとともに上端部に六角状等の頭部62を有するボルトからなっている。この締結部材60の下部における締着用雄ネジ部61の上側には、シリンダヘッド3の座面45に対面する着座部63が設けられ、この着座部63は締着用雄ネジ部44よりも断面積が拡大し、つまり径が大きくなっている。また、締結部材60の上部における頭部53の下側には、架設部材50の上面への当接部として大径の鍔部64が設けられている。
【0042】
上記架設部材50の締結部材挿通孔53は組付けの際に締結部材60の着座部63を通し得るようにこの着座部63より若干大径に形成されており、また、締結部材60における上記鍔部64の下側の部分65は、図示の組付状態において上記締結部材挿通孔53内でがたつかないようにこれより若干小径、つまり上記着座部63と略同径に形成されている。
【0043】
締結部材60の中間部には小断面部66が設けられている。この小断面部66は、着座部63および上側の部分65と比べて断面積が小さく、好ましくは上記締着用雄ネジ部61の径以下の径の円柱状に形成されている。
【0044】
組付状態で上記小断面部66を弾性的に伸長させて復元力を持たせるようにするため、次のような寸法設定がなされている。なお、下記のノズル着座位置とはシリンダヘッド3のノズル取付孔41内の段部42に燃料噴射ノズル25の胴部下端が着座される位置であり、下記のノズル係止位置とは噴射ノズル25の肩部25cに架設部材50の係止部51が当接する位置である。
【0045】
ノズル着座位置から架設部材50によるノズル係止位置までの上下方向距離(L1)と、上記ノズル着座位置からボス部43の上端の座面45までの上下方向距離(L2)と締結部材60および架設部材50が弾性変形していない状態(締結部材60の鍔部64が架設部材50の上面に接しているが締着力が加わっていない状態)での上記着座部63の位置(図5中の二点鎖線の位置)から上記ノズル係止位置までの距離(L3)との関係が、[L1>L2+L3]となるように設定されている。つまり、締着力が加わっていない状態では、締結部材60の着座部63とシリンダヘッド3のボス部上端の座面45との間に所定の間隙C(=L1−L2−L3)が生じるように設定されている。
【0046】
なお、燃料噴射ノズル25の上端部に接続された燃料リターン用の配管47は、両噴射ノズル25間において締結部材60の上端の頭部62を避けて配置されている(図6参照)。また、燃料噴射ノズル25の胴部25aに接続される燃料供給管46はグロープラグ取付部27の上方を通るように配置されている。そして、上記燃料供給管46及び燃料リターン用の配管47は、図1および図7及び図8に示すように、シリンダヘッド3上に取り付けられたヘッドカバー4の一部をなす側壁部4bに設けられた接続部分を介し、外部の配管73,77と接続されるようになっている。
【0047】
すなわち、ヘッドカバー4は予めヘッドカバー本体4aと一側壁を構成する側壁部4bとに分割され、シリンダヘッド3上にヘッドカバー本体4aおよび側壁部4bがそれぞれボルトで取付けられるとともに、ヘッドカバー本体4aと側壁部4bとがボルトで相互に結合されるようになっている。そして上記側壁部4bには、各燃料噴射ノズル25に対応する位置に継手嵌挿孔71が形成され、この継手嵌挿孔71に嵌挿される継手72により、上記燃料供給管46が燃料供給用外部配管73に接続されるようになっている。
【0048】
また、上記側壁部4bの長手方向中央部の上端には燃料リターン用のコネクタ74が取り付けられ、このコネクタ74に通じる縦方向の通路75及びこの通路75に通じる横方向の通路76が側壁部4bに形成されており、通路76は側壁部4bの外面に開口している。そして、各噴射ノズル25に接続されたリターン用の配管47が上記コネクタ74に接続される一方、通路76に燃料リターン用外部配管77が接続されるようになっている。
【0049】
上記側壁部4bの外側面側の下部には、グロープラグの配置を可能にする凹入部78が設けられており、上記側壁部4bの外側においてグロープラグの挿脱が可能となっている。
【0050】
このような構造によると、燃料噴射ノズル25を固定するための部材とシリンダボア周辺に配設されている吸・排気ポート5,6や各種部材等との干渉が避けられつつ、燃料噴射ノズル25が確実に固定される。
【0051】
すなわち、当実施形態では、各気筒に吸気弁7および排気弁8がともに2個ずつ配設され、これらの弁7,8と気筒配列部分の一側方に位置するカムシャフト11との間にロッカーアーム14,15等が等が配設されるととも、シリンダボアに対しカムシャフト11とは反対側の側方にグロープラグ取付部27が配設され、さらにクロスドリル孔34等もシリンダボア周辺に配設されていることから、シリンダボア周辺にスペース的余裕が少ない。とくに、グロープラグ取付部27は吸気ポート5と排気ポート6との間を通るように形成されていて、プラグ取付孔ボス29が吸気ポート壁と排気ポート壁とを連結しており、また、クロスドリル孔34はシリンダボアに対しグロープラグ取付部27とは反対側で吸気ポート5と排気ポート6との間に配設されているため、燃料噴射ノズル25を固定するための部材を吸・排気ポート間等に配置することができない。
【0052】
これに対して当実施形態では、吸・排気ポート5,6やロッカーアーム14,15等より上方の位置で、隣合う気筒の両燃料噴射ノズル25間に架設部材50が懸け渡されるとともに、両気筒の中間の位置で架設部材50に挿通された締結部材60がシリンダヘッド3に対して締着されるようになっているため、吸・排気ポート5,6、ロッカーアーム14,15、グロープラグ取付部27等と干渉しない位置に架設部材50及び締結部材60を配設することができる。しかも、1組の部材で両側の気筒の燃料噴射ノズル25が同時に固定されるため、構造が比較的簡単になる。
【0053】
組付け時には、シリンダヘッド3のノズル取付孔41内に燃料噴射ノズル25の下部が挿入された状態で、架設部材50の両端の係止部51が隣合う気筒の両燃料噴射ノズル25の各肩部25c上に係合されるとともに、架設部材50の中央の締結部材挿通孔53に締結部材60が挿通され、この締結部材60の下端の締着用雄ネジ部61がシリンダヘッド3のボス部43のネジ穴44に螺合される。そして、ボルトからなる上記締結部材60が工具で回動操作されてボス部43に締着される。
【0054】
この締着に伴い、締結部材60の伸び方向の弾性変形および架設部材50の撓み方向の弾性変形が生じ、それに応じた復元力が両側の燃料噴射ノズルに押え付け力として作用し、燃料噴射ノズルがシリンダヘッドに固定される。
【0055】
このとき、上記締結部材60の締着に伴い、ボス部43が設けられているシリンダヘッド3のミドルデッキ3aには上向きの力が作用し、この力が過大になるとミドルデッキ3aにクラックが生じてシリンダヘッド3の耐久性を低下させるので、燃料噴射ノズル25を確実に固定するために要求される押え付け力を確保しつつ、シリンダヘッド3のミドルデッキ3aに過大な力が作用しないように、架設部材50および締結部材60から燃料噴射ノズル25やミドルデッキ3aに作用する力を適正に調整することが要求される。この要求に対し、当実施形態の構造では、締結部材60に小断面部66が設けられるとともに、ボス部43の座面45に対する着座部63が設けられていることにより、燃料噴射ノズル25やミドルデッキ3aに作用する力の調整が容易に可能となる。
【0056】
すなわち、上記架設部材50は両燃料噴射ノズル25からの反力に耐えるようにかなり剛性を高くする必要があるので、架設部材50の撓みによる復元力だけで押え付け力を適正に調整することは難しいが、上記締結部材60には引っ張り力が作用するだけなので小断面部66を設けても強度的に問題はなく、この小断面部66が引っ張り力に応じて伸び方向に弾性変形し、これと架設部材50の撓み方向の弾性変形とにより、両燃料噴射ノズル25に適度の押え付け力を付与することができる。
【0057】
また、締結部材60がある程度締め付けられると上記着座部63がボス部43の座面45に当接し、それ以上に締め付け力が加えられてもボス部43のねじ穴44周辺が圧縮されるだけでミドルデッキ3aに加わる力は増大しないため、ミドルデッキ3aに過大な力が加わることが避けられ、クラックの発生が防止される。
【0058】
そして、設計段階で、締着力が加わる前の状態での着座部63、座面45間の間隙Cを管理し、つまりこの間隙Cに関係する上記L1,L2,L3の各寸法を管理することにより、締結部材60の軸力(延びに応じた復元力)を適正に調整することができる。この場合、図10のように上記軸力は締着力が加わる前の上記間隙Cの大きさに比例し、かつ、締結部材60の剛性を低くした場合(直線A)は剛性が高い場合(直線B)よりも間隙Cの変化に対応した軸力の変化が緩やかになるので、軸力を一定の適正範囲内に調整するための上記間隙Cの許容範囲は剛性を低くした場合の方が広くなり、上記L1,L2,L3の寸法の製作上の誤差があっても上記間隙Cを許容範囲内とするように管理することが容易に可能となり、上記軸力を適正に調整することができる。
【0059】
また、上記締結部材60を締着するためのボス部がミドルデッキ3aから上方に突設されていると、ミドルデッキ3a下方に形成されているウォータジャケット33内の冷却水流通空間が制限されることがなく、かつ、締結部材60の締着に伴う力がある程度ボス部43で吸収され、ミドルデッキ3aに加わる力を緩和する作用が得られる。
【0060】
さらに、ボス部43の上端の座面45がヘッドカバー衝合面36と同一面上に形成されていることにより、ヘッドカバー衝合面36の仕上げ加工の際にボス部上面も同時加工され、工数の増大が避けられつつ上記座面45の位置の寸法精度が高められる。
【0061】
また、ノズル取付孔41内の段部42と燃料噴射ノズル25の胴部25a下端との間にはパッキング48が介装されているので、燃料噴射ノズル25が安定良く固定される。
【0062】
なお、燃料噴射ノズル25を固定するための架設部材25および締結部材60の具体的構造は上記実施形態に限定されず、種々変更可能である。
【0063】
例えば、図11に示すように、シリンダヘッド3が軽量化等のためにアルミ合金で形成されている場合、ボルトからなる締結部材60の着座部63とシリンダヘッド3のボス部上端の座面45との間にワッシャー68を介装させるようにすることも効果的である。なお、架設部材50、締結部材60およびワッシャー68はスチール製である。
【0064】
このようにすると、コンパクト化を図りつつ、締着時のボス部43の変形を抑制するのに有効である。つまり、アルミ合金製のシリンダヘッド3は鋳鉄製のものと比べて剛性が低いため、コンパクト化および軽量化のためボス部43および締結部材60を比較的小径にしておくと、締結部材60の着座部63が座面45に当接してからさらに強く締結部材60が締め付けられた場合に着座部63がボス部43に埋まり込むようにボス部43が変形する懸念があるが、スチール製のワッシャー68が介装されることでこのような事態が防止される。
【0065】
また、上記実施形態では締結部材60がボルトからなっているが、図12に示すように、下端部81がシリンダヘッド3のボス部43に予め固着されるとともに上端部に締着用雄ネジ部82を有するスタッドボルトにより締結部材80が構成され、その雄ネジ部82に、架設部材側の結合用部材としてのナット部材85が螺合されるようにしてもよい。
【0066】
この場合、スタッドボルトからなる締結部材80の上端近傍(雄ネジ部82の下側)に断面積が拡大したナット用座面部83が形成され、かつ、ナット用座面部83の下方に小断面部66が形成される。そして、締結部材80の締着用雄ネジ部82が架設部材50の締結部材挿通孔53より上方に突出した状態で、この締着用雄ネジ部82に、ナット部材85が螺合し、このナット部材85が架設部材50の上面に当接してからさらに所定量締め付けられることで上記締結部材80のナット用座面83に当接するようになっている。
【0067】
この構造によっても、ナット部材85が架設部材50の上面に当接してからナット用座面83に当接するまでの距離が図5中のCの寸法に相当するようにしておくことにより、前記実施形態と同様の作用が得られる。
【0068】
当実施形態のように締結部材80をスタッドボルトとする場合と前記実施形態のように締結部材60をボルトとする場合とを比較すると、スタッドボルトではボス部43に埋め込む予備作業を要するとともに、ナット部材85が必要となるので、部品点数および工数の削減のためにばボルトが有利である。一方、スタッドボルトによる場合は、ボルトの場合のように締着時にボス部の圧縮による変形等が問題となることはなく、強度確保のためにボス部を大径化する必要がないことなどから、コンパクト化等に有利となる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明は、直噴式多気筒ディーゼルエンジンにおいて、隣合う気筒の両燃料噴射ノズルの間に架設部材が架け渡されて架設部材の両端の係止部で両燃料噴射ノズルの肩部が係止された状態で、この架設部材の中央部に形成された締結部材挿通孔に締結部材か挿通されて、その上下両端部が架設部材とシリンダヘッドとに結合されるようにしているため、シリンダボア周辺に配設される吸・排気ポートや動弁系等の各種部材と上記架設部材および締結部材との干渉を避けつつ、比較的簡単な構造で燃料噴射ノズルを固定することができる。
【0070】
しかも、上記締結部材の下端部とシリンダヘッドとの結合部分あるいは締結部材の上端部と架設部材側の結合用部材との結合部分に、相対応する締着用ネジ部と、着座用の対面部分とが設けられるとともに、上記締結部材の中間部に両端部と比べて断面積が小さい小断面部が形成され、上記の相対応する締着用ネジ部が螺合されて着座用の対面部分が当接する状態まで締着されることにより上記締結部材の小断面部が弾性的に延びて所定の復元力が生じ、この復元力が上記架設部材を介し上記両燃料噴射ノズルに押え付け力として作用するように構成しているため、燃料噴射プラグの固定を良好に行うことができるとともに、締着時にシリンダヘッドに過大な力が加わることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直噴式ディーゼルエンジンの、ヘッドカバーを取り除いた状態における平面図である。
【図2】同要部断面図である。
【図3】シリンダヘッドの平面図である。
【図4】シリンダヘッドの水平断面図である。
【図5】燃料噴射ノズル固定部分の拡大断面図である。
【図6】同部分の拡大平面図である。
【図7】ヘッドカバーの側壁部の側面図である。
【図8】ヘッドカバーの側壁部における燃料リターン用配管接続部分の断面図である。
【図9】ヘッドカバーの側壁部を前端側から見た図である。
【図10】締結部材に締着力が加わる前の状態での着座部、座面間の間隙と締結部材の軸力との関係を示す図である。
【図11】燃料噴射ノズル固定部分の別の実施形態を示す拡大断面図である。
【図12】燃料噴射ノズル固定部分のさらに別の実施形態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1A〜1D 気筒
3 シリンダヘッド
4 ヘッドカバー
4b 側壁部
5 吸気ポート
6 排気ポート
7 吸気弁
8 排気弁
11 カムシャフト
14,15 ロッカーアーム
20 カム軸受部
25 燃料噴射ノズル
25c 肩部
27 グロープラグ取付部
33 ウォータジャケット
34 クロスドリル孔
41 ノズル取付孔
43 ボス部
44 ネジ穴
45 座面
46 燃料供給管
47 燃料リターン用配管
48 パッキング
50 架設部材
51 係止部
53 締結部材挿通孔
60 締結部材
61 締着用雄ネジ部
62 頭部
63 着座部
64 当接部
66 小断面部
68 ワッシャー
74 コネクタ
75,76 通路
80 締結部材
82 締着用雄ネジ部
85 ナット部材

Claims (15)

  1. 各気筒に対してそれぞれ燃料噴射ノズルが、シリンダ軸線方向上方からシリンダボアに臨むように配設された直噴式多気筒ディーゼルエンジンにおいて、隣合う気筒の両燃料噴射ノズルの肩部をそれぞれ係止する係止部を両端部に有するとともに中央に締結部材挿通孔を有して、上記両燃料噴射ノズルに架け渡された架設部材と、この架設部材の締結部材挿通孔に挿通されて上下両端部が上記架設部材とシリンダヘッドとに結合された棒状の締結部材とを備え、この締結部材の下端部とシリンダヘッドとの結合部分あるいは締結部材の上端部と架設部材側の結合用部材との結合部分に、相対応する締着用ネジ部と、着座用の対面部分とが設けられるとともに、上記締結部材の中間部に両端部と比べて断面積が小さい小断面部が形成され、上記の相対応する締着用ネジ部が螺合されて着座用の対面部分が当接する状態まで締着されることにより上記締結部材の小断面部が弾性的に延びて所定の復元力が生じ、この復元力が上記架設部材を介し上記両燃料噴射ノズルに押え付け力として作用するように構成され、一方、各燃料噴射ノズル間のうちで架設部材が存在しない燃料噴射ノズル間に、ヘッドカバー取付け用のボルト孔ボスが設けられていることを特徴とする直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  2. 上記締結部材の小断面部の径は締着用ネジ部の径以下とされていることを特徴とする請求項1記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  3. シリンダヘッドの締結部材結合箇所には締着用雌ネジ部を有するボス部が形成され、上記締結部材は、下端部に締着用雄ネジ部と、この締着用雄ネジ部より断面積が拡大して上記ボス部の上端の座面に対面する着座部とを有するとともに、上端部に上記架設部材の上面への当接部を有し、かつ、この当接部と上記着座部との間に小断面部を有するボルトからなるものであり、シリンダヘッドに燃料噴射ノズルの先端近傍が着座するノズル着座位置から燃料噴射ノズルの肩部に架設部材の係止部が当接するノズル係止位置までの上下方向距離(L1)と、上記ノズル着座位置から上記ボス部の上端の座面までの上下方向距離(L2)と、上記締結部材が弾性変形していない状態での上記着座部から上記係止位置までの上下方向距離(L3)との関係が、[L1>L2+L3]となるように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  4. 締着用雌ネジ部を有するボス部はシリンダヘッドのデッキから上方に突出し、シリンダヘッドにおける上記デッキの下方にはウォータジャケットが形成されていることを特徴とする請求項3記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  5. シリンダヘッドの周辺部にヘッドカバー衝合面が設けられ、このヘッドカバー衝合面と、締着用雌ネジ部を有するボス部の上面とが同一面上に形成されていることを特徴とする請求項3または4記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  6. シリンダヘッドはアルミ合金製、架設部材および締結部材はスチール製であり、シリンダヘッドのボス部上端の座面と締結部材の着座部との間にワッシャが介設されていることを特徴とする請求項3乃至4のいずれかに記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  7. 締結部材は、下端がシリンダヘッドに固着され、上端に締着用雄ネジ部を有するとともに上端近傍に断面積が拡大したナット用座面部を有し、かつ、ナット用座面部の下方に小断面部を有するスタッドボルトからなるものであり、この締結部材の締着用雄ネジ部が架設部材の締結部材挿通孔より上方に突出した状態で、この締着用雄ネジ部に、結合用部材としてのナット部材が螺合し、このナット部材が架設部材の上面に当接してからさらに所定量締め付けられることで上記締結部材のナット用座面に当接するように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  8. シリンダヘッドに燃料噴射ノズルの先端近傍が着座するノズル着座部に、シリンダヘッドより弾性率が低いパッキングを介設したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  9. 各気筒毎に2つの吸気弁と2つの排気弁とが設けられ、各吸気弁で開閉される吸気ポートおよび各排気弁で開閉される排気ポートがシリンダヘッドに形成されるとともに、シリンダヘッド上の一側部に1本のカムシャフトが配置され、上記各吸気弁および各排気弁が上記カムシャフトによりロッカーアームを介して駆動されるように構成されるとともに、各シリンダボアに対しカムシャフト側と反対側の側方にグロープラグ取付部が配設され、このグロープラグ取付部は、シリンダブロックに対するシリンダヘッド固定用のヘッドボルト孔ボスに隣接する位置から上記吸気ポートと排気ポートとの間を通ってシリンダボアに達するプラグ取付孔を有し、このプラグ取付孔を形成するプラグ取付孔ボスが吸気ポート壁と排気ポート壁とを連結するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  10. シリンダボアに対しグロープラグ取付部とは反対側において吸気ポートと排気ポートとの間の部位には、ウォータジャケットに冷却水を導くクロスドリル孔が形成されていることを特徴とする請求項9記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  11. カムシャフトを支承するカム軸受部がシリンダボア中央部に対応する軸方向位置でシリンダヘッド上に設けられていることを特徴とする請求項9または10記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  12. 燃料噴射ノズルの、架設部材に係止される肩部より下方位置に燃料供給管が接続されるとともに、上記肩部より上方位置に燃料リターン用の配管が接続され、この燃料リターン用の配管は締結部材の上端部を避けて配置されていることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  13. 燃料供給管は吸気ポートと排気ポートとの間のグロープラグ取付部の上方を通るように配置されていることを特徴とする請求項12記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  14. シリンダヘッド上に取り付けられるヘッドカバーの側壁部に、燃料噴射ノズルに接続される燃料リターン用の配管と外部の配管とをつなぐための通路が形成されていることを特徴とする請求項12または13記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
  15. シリンダヘッド上に取り付けられるヘッドカバーの側壁部に、グロープラグの配置を可能にする凹入部が設けられていることを特徴とする請求項14記載の直噴式多気筒ディーゼルエンジン。
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