JP3790378B2 - 金型中仕上げ加工用工具中心移動範囲抽出方法 - Google Patents

金型中仕上げ加工用工具中心移動範囲抽出方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、CAM(コンピュータ支援加工)システムによって金型を加工する際、スクエアエンドミルを用いた等高線加工による荒加工後、ボールエンドミルを用いた走査線加工等の3次元的な経路での仕上げ加工前にボールエンドミルを用いた等高線加工による中仕上げ加工を行うための、工具中心の移動範囲の抽出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鍛造型やプレス成形型等の、鋼材からの削り出しによって形成する金型の削り出し加工をCAMシステムで行う際には、加工の効率化を図るため、図6(a)に示す如きブロック状の金型素材Mに、先ず、所定高さ(Z値)毎に設定した等高線経路で2次元的に工具を移動させる等高線加工によって、金型の仕上げ形状の近くまで荒加工を行うのが通常であり、かかる荒加工において、図6(b)に示す如く、工具としてスクエアエンドミルSMを用いた場合には、その荒加工後の金型Dは、図6(c)に示すように、階段状の雛壇形状SFを持つものとなる。
【0003】
そして、その荒加工の後は通常、図7(a)に太線で示す如き、複雑な自由曲面からなる仕上げ形状FFを削り出すため、ボールエンドミルBMを用いて、図中矢印で示す如く3次元的な経路でその仕上げ形状FF沿いに(すなわち仕上げ形状FFに接する位置を辿らせながら)工具を移動させる、走査線加工等の仕上げ加工を行う。
【0004】
ところで、荒加工後の雛壇形状SFを残したままで上記仕上げ加工を行うと、図7(b)に示す断面形状において、仕上げ形状FFを仕上げ加工する工具経路CP上の二箇所の工具中心位置CP1, CP2でのZ方向(垂直方向)の切削範囲CA1, CA2を斜線でそれぞれ示すように、その雛壇形状SFの凹凸によりボールエンドミルBMの切削加工負荷が著しく変動してしまう。それゆえ、ボールエンドミルを用いた3次元的な経路での仕上げ加工の前に、加工負荷の変動防止のため、図8(a)に矢印で示すように、ボールエンドミルBMを用いた等高線加工による中仕上げ加工を行って、図7(b)と同様の図8(b)に示す断面形状においてZ方向の切削範囲CA3 を斜線で示すように、荒加工後の雛壇形状SFをある程度削り落としておくことが望ましい。
【0005】
すなわち、上記のようにボールエンドミルBMを用いた等高線加工による中仕上げ加工を行っておけば、図9(a)に示すように、仕上げ形状FFを削り出すためにボールエンドミルBMを用いて3次元的な経路での仕上げ加工を行う際に、図9(b)に断面で示すように、仕上げ形状FF沿いに工具を移動させても、ボールエンドミルで加工した比較的凹凸の少ない中仕上げ加工後形状MFに対する切削加工となるので、切削加工負荷の変動を僅かなものとすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来は、荒加工でスクエアエンドミルを用いていて削り残し形状が雛壇形状となっていると、スクエアエンドミルとボールエンドミルとで工具形状が異なるため、中仕上げ加工のボールエンドミルを用いた等高線加工を行おうとしても、どの範囲で工具を移動させて加工を行えば良いかわからず、単純に仕上げ形状沿いに移動させたのでは、取り代がばらついて加工負荷の変動が大きくなるため、加工速度が上げられないという問題があった。
【0007】
例えば図10(a)に示すように、ボールエンドミルBMを用いて、仕上げ形状FF沿いの等高線工具経路CPで、荒加工後の雛壇形状SFの上から一段目と二段目とを中仕上げ加工する場合、図10(b)の平面図に示すように、上から一段目の切削範囲CS1 でも二段目の切削範囲CS2 でも何れも、X,Y方向(水平方向)での切削量が不均一になり、それゆえ加工速度を上げることができなかった。
【0008】
また、図11(a)に示す如く、切削量が過多にならないよう仕上げ形状沿いの等高線CPを仕上げ形状から離れる方向に単純に一定距離だけオフセットさせてオフセット等高線工具経路OCP を設定した場合には、図11(b)の平面図に示すように、仕上げ形状沿いの等高線工具経路CPでの上から一段目の切削範囲CS1 に対しボールエンドミルBMが離間した位置から加工送り移動を開始することになるので、そのオフセット等高線工具経路OCP の最初の部分に加工送り移動で加工を行わない空振り部分MPが含まれてしまい、加工時間が不必要に増加してしまうという問題もあった。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
この発明は、上記課題を有利に解決した工具移動範囲の抽出方法を提供することを目的とするものであり、この発明の金型中仕上げ加工用等高線加工範囲抽出方法は、CAMシステムによる金型の加工の際、スクエアエンドミルを用いた等高線加工による荒加工後、ボールエンドミルを用いた仕上げ加工前にボールエンドミルを用いた等高線加工による中仕上げ加工を行うために、工具中心の移動範囲を抽出するに際し、前記中仕上げ加工の各等高線経路高さについて、その等高線経路高さとその高さの水平面内に工具中心が位置する前記中仕上げ加工用のボールエンドミルの下端との間の高さ範囲に含まれる前記荒加工後の雛壇形状の複数の段のうちから、前記水平面内に工具中心が位置する前記中仕上げ加工用のボールエンドミルが水平移動して前記金型の仕上げ形状に対し接近する時に最初に接触する段を選出して、その段への接触時の前記中仕上げ加工用のボールエンドミルの工具中心の位置を前記水平面内で連ねることにて雛壇沿い工具経路を求めるとともに、前記水平面内に工具中心が位置する前記中仕上げ加工用のボールエンドミルが前記金型の仕上げ形状に対し接触する時のその工具中心の位置を前記水平面内で連ねることにて仕上げ形状沿い工具経路を求め、前記雛壇沿い工具経路と前記仕上げ形状沿い工具経路との間に挟まれる範囲を前記中仕上げ加工を行うための工具中心の移動範囲として抽出することを特徴とするものである。
【0010】
かかる方法によれば、中仕上げ加工の各等高線経路高さについて、その高さに工具中心が位置するボールエンドミルが加工し得る、荒加工後の雛壇形状の複数の段のうち、最初に接触する段への接触時の工具中心位置を連ねた雛壇沿い工具経路と、仕上げ形状への接触時の工具中心位置を連ねた仕上げ形状沿い工具経路との間に挟まれる範囲を、中仕上げ加工を行うための工具中心の移動範囲として抽出するので、各等高線経路高さについてその抽出した移動範囲内を工具中心が移動するように工具経路を設定して例えば走査線加工等を行うことで、加工負荷の変動を抑え得て加工速度を高めることができるとともに、工具経路への空振り部分の発生をなくし得て加工時間の不必要な増加を防止することができる。
【0011】
なお、この発明においては前記最初に接触する段を選出するに際し、前記水平面内に工具中心が位置する前記中仕上げ加工用のボールエンドミルの、前記複数の段の各々の高さでの工具中心軸線からの半径を求め、前記各段の水平輪郭形状をその段に対応する前記半径分前記金型の仕上げ形状に対し水平に離間する方向へオフセットさせてオフセット輪郭形状を求め、それらのオフセット輪郭形状を共通の任意の水平面に投影して、前記オフセット輪郭形状が前記仕上げ形状沿い工具経路から最も離間している段を前記最初に接触する段として選出することとしても良く、このようにすれば、最初に接触する雛壇形状を容易かつ確実に選出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の金型中仕上げ加工用等高線加工範囲抽出方法の一実施例の実施手順を示すフローチャートであり、この実施例の方法は、通常のCAMシステムを構成するコンピュータの作動プログラムを改変することにて実施されるものである。
【0013】
この実施例の方法では、CAMシステムによる金型の加工の際、スクエアエンドミルを用いた等高線加工による荒加工後、ボールエンドミルを用いた仕上げ加工前にボールエンドミルを用いた等高線加工による中仕上げ加工を行うために、工具中心の移動範囲を抽出するに際し、先ず図1中のステップ1で、あらかじめ金型仕上げ形状モデルと金型素材形状モデルと荒加工用スクエアエンドミル形状モデルとに基づき作成しておいた、スクエアエンドミルを用いた等高線加工による荒加工後の雛壇形状を示す中間形状モデルを上記コンピュータの記憶領域のデータファイルから呼び出して当該実施例の処理上にオープンし、次いで、中仕上げ加工を行うため設定した複数の等高線経路高さの各々につき、その高さの水平面内に工具中心が位置する中仕上げ加工用ボールエンドミルが金型の仕上げ形状に対し接触する時のその工具中心の位置を上記水平面内で連ねるようにあらかじめ金型仕上げ形状モデルと中仕上げ加工用ボールエンドミル形状モデルとに基づき通常の方法で作成しておいた仕上げ等高線経路(すなわち仕上げ形状沿い工具経路)に関して、最も上の仕上げ等高線経路から順に、図1中のステップ2からステップ10までの処理を繰り返し実行する。
【0014】
上記ステップ2では、図2に断面図で示すように、今回の処理の対象とする仕上げ等高線経路のZ値(高さ)と、上記中仕上げ加工に用いるボールエンドミルBMの工具半径Rとから、中間形状モデルの雛壇形状SFの、今回の処理で対象となる範囲の層、すなわち、上記等高線経路のZ値(高さ)とそのZ値の高さの水平面内に工具中心が位置する上記ボールエンドミルBMの下端との間の高さ範囲に含まれる層を求める。なお、この「層」とは、上記中間形状モデルの雛壇形状SFの各段の上端が位置する水平面のことであり、例えば図2に示す例では、雛壇形状SFの、互いに所定ピッチPだけ高さが異なる段S1〜S5の上端がそれぞれ位置する水平面が対象範囲の層となる。
【0015】
次いで、上記ステップ2で求めた対象範囲の層数分、最も上の層から順に、図1中のステップ3からステップ9までの処理を繰り返し実行するものとし、そのステップ3では、今回の処理の対象とする層のオフセット値を、上記工具半径RとZ値とから算出する。なお、この「オフセット値」とは、上記ボールエンドミルBMの工具中心(先端半球上部の中心点)が上記対象とする仕上げ等高線経路のZ値(高さ)の水平面内に位置し、かつそのボールエンドミルBMが上記対象とする層の段に接する時の、そのボールエンドミルBMの中心軸線と、上記対象とする層の段の角部との間の距離、すなわち、上記対象とする層のZ値の水平面でのボールエンドミルBMの断面輪郭円の半径のことであり、この断面輪郭円の半径Rnは次式、Rn=(R2 −Pn2 1/2 で求めることができる。ここに、RはボールエンドミルBMの工具半径であり、Pnは上記対象とする層から工具中心までの高さ方向距離である。例えば図2に断面図で示す例では、R1が、段S1の上端が位置する層のオフセット値となり、R2が、段S2の上端が位置する層のオフセット値となり、R3が、段S3の上端面が位置する層のオフセット値となり、R4が、段S4の上端面が位置する層のオフセット値となり、そしてR5が、段S5の上端面が位置する層のオフセット値となる。
【0016】
続くステップ4では、中間形状モデルの雛壇形状SFの上記対象とする層の段の角部(これをその層の水平面内で連ねたものがその段の水平輪郭形状となる)の位置データを、上記ステップ3で算出したその層のオフセット値分、仕上げ形状FFに対し水平に離間する方向へオフセットさせて、オフセット輪郭線(すなわちオフセット輪郭形状)の位置を求める。このオフセット輪郭線の位置が、上記対象とする仕上げ等高線経路のZ値(高さ)の水平面内に工具中心が位置するボールエンドミルBMがその対象とする層の段に接する時のボールエンドミルBMの中心軸線の位置となる。例えば図3に断面図で示す例では、段S1の角部をR1だけオフセットさせた位置AX1 が、その段S1に接する時のボールエンドミルBMの中心軸線位置であり、段S2の角部をR2だけオフセットさせた位置AX2 が、その段S2に接する時のボールエンドミルBMの中心軸線位置であり、段S3の角部をR3だけオフセットさせた位置AX3 が、その段S3に接する時のボールエンドミルBMの中心軸線位置であり、段S4の角部をR4だけオフセットさせた位置AX4 が、その段S4に接する時のボールエンドミルBMの中心軸線位置であり、そして段S5の角部をR5だけオフセットさせた位置AX5 が、その段S5に接する時のボールエンドミルBMの中心軸線位置である。
【0017】
続くステップ5では、今回の処理が最初の層についてのループ処理であって上記対象とする層が最初の層(最も上の層)であるのか否かを判断し、最初の層である場合にはステップ6へ進んで、上記オフセットさせた輪郭線の位置データひいてはオフセット輪郭線のデータをワークデータとして上記コンピュータの記憶領域に保存する。この一方、今回の処理が最初の層についてのループ処理でない場合には、ステップ7へ進む。
【0018】
上記ステップ7では、共通の任意の水平面としての上記水平面に共に投影した今回の処理で求めたオフセット輪郭線のデータと先に保存しておいたオフセット輪郭線のデータとの交差計算を行ってそれらのオフセット輪郭線の交点を求め、続くステップ8では、今回の処理で求めたオフセット輪郭線と先に保存しておいたオフセット輪郭線との各交点間および、それらのオフセット輪郭線の端点(始点,終点)とそこに最も近い交点との間のそれぞれにおける二本の区間のうちで上記仕上げ等高線から離れている方の区間を選択してその選択した区間同士を接続し、続くステップ9では、その接続によって得たオフセット輪郭線のデータを新たにワークデータとして上記コンピュータの記憶領域に保存する。そして次回のループ処理では、このワークデータをステップ7で用いる。
【0019】
例えば図4に平面図で示す例では、図4(a)に示す如く、仕上げ等高線経路FCP と二つの段の水平輪郭線(水平輪郭形状)SP1, SP2とがあり、図4(b)に示す如く、最初の回のステップ4の実行によって水平輪郭線SP1 がオフセット値R6だけオフセットされてオフセット輪郭線OP1 とされるとともに次回のステップ4の実行によって水平輪郭線SP2 がオフセット値R7だけオフセットされてオフセット輪郭線OP2 とされ、そして図4(c)に示す如く、続くステップ7〜9の実行によって仕上げ等高線経路FCP から離間している方の区間が選択されて、交点P1と一方の端点である始点との間はオフセット輪郭線OP2 が選択され、交点P1, P2間はオフセット輪郭線OP1 が選択され、交点P2, P3間はオフセット輪郭線OP2 が選択される。
【0020】
かかるステップ3〜ステップ9の処理を対象範囲の層数分繰り返すことで、上記対象とする仕上げ等高線経路に関して最終的に、例えば図4(d)に示すように、その仕上げ等高線経路の高さの水平面内に工具中心が位置する中仕上げ加工用のボールエンドミルBMが水平移動して仕上げ形状FFに対し接近する時に最初に接触する段への接触時のその中仕上げ加工用のボールエンドミルBMの工具中心の位置を上記水平面内で連ねた雛壇沿い工具経路SCP が求まり、ワークデータとして上記コンピュータの記憶領域に保存される。
【0021】
しかる後、ステップ10で、例えば図4(e)に示すように、上記保存したワークデータである雛壇沿い工具経路SCP と上記対象とする仕上げ等高線経路 FCP とで挟まれる部分、すなわち、雛壇沿い工具経路SCP と仕上げ等高線経路 FCP との始点同士および終点同士を繋いで囲んだ範囲を、中仕上げ加工用の工具中心移動範囲MRとして出力する。そして、かかる処理を仕上げ等高線経路の本数分繰り返し実行し、図5に断面図で示すように、各仕上げ等高線経路高さについて、その高さに工具中心が位置する中仕上げ加工用ボールエンドミルBMが仕上げ形状FFに対し接点PC1 で接触する時のその工具中心の位置CPF を上記水平面内で連ねた上記仕上げ等高線経路FCP と、上記高さに工具中心が位置する中仕上げ加工用ボールエンドミルBMが雛壇形状SFに対し最初に接点PC2 で接触する時のその工具中心の位置CPS を上記水平面内で連ねた上記雛壇沿い工具経路SCP との間の範囲である中仕上げ加工用工具中心移動範囲MRを抽出した後、ステップ11で、中間形状モデルを当該実施例の処理上でクローズする。
【0022】
かくして上記実施例の方法によれば、中仕上げ加工の各等高線経路高さについて、その高さに工具中心が位置するボールエンドミルBMが加工し得る、荒加工後の雛壇形状SFの複数の段のうち、最初に接触する段への接触時の工具中心位置を連ねた雛壇沿い工具経路SCP と、仕上げ形状FFへの接触時の工具中心位置を連ねた仕上げ等高線経路(仕上げ形状沿い工具経路)FCP との間に挟まれる範囲を、中仕上げ加工用工具中心移動範囲MRとして抽出するので、各等高線経路高さについてその抽出した移動範囲MR内を工具中心が移動するように等高線工具経路を設定して例えば走査線加工等を行うことで、中仕上げ加工の際に加工負荷の変動を僅かなものとし得て加工速度を高めることができるとともに、工具経路への空振り部分の発生をなくし得て加工時間の不必要な増加を防止することができる。
【0023】
しかも上記実施例の方法によれば、最初に接触する段を選出するに際し、中仕上げ加工の各等高線経路高さについて、その高さの水平面内に工具中心が位置する中仕上げ加工用のボールエンドミルBMの、雛壇形状SFの対象範囲の複数の段、例えば段S1〜S5の各々の高さでの工具中心軸線からの半径、例えば半径R1〜R5を求め、各段の水平輪郭形状をその段に対応する上記半径分仕上げ形状FFに対し水平に離間する方向へオフセットさせてオフセット輪郭線の位置、例えばAX1 〜AX5 を求め、それらのオフセット輪郭形状を水平面に投影して交点を求めて、交点間の区間毎にオフセット輪郭線が仕上げ形状沿い工具経路から最も離間している段を最初に接触する段として選出しているので、雛壇形状の最初に接触する段を容易かつ確実に選出することができる。
【0024】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、雛壇形状の各段の間のピッチPは、荒加工の等高線経路間の間隔のばらつきが小さくなるよう水平面に対する仕上げ形状の傾斜角が小さくなる程小さくされている場合等のように、段毎に異なっていても良く、その場合でも上記実施例と同様にして、金型の中仕上げ加工用の工具中心移動範囲を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の金型中仕上げ加工用等高線加工範囲抽出方法の一実施例の実施手順を示すフローチャートである。
【図2】 上記実施例の方法におけるオフセット値の求め方を断面図で示す説明図である。
【図3】 上記実施例の方法における各段の水平輪郭線のオフセット方法を断面図で示す説明図である。
【図4】 上記実施例の方法における雛壇沿い工具経路および中仕上げ加工用工具中心移動範囲の求め方を平面図で示す説明図である。
【図5】 上記実施例の方法における雛壇沿い工具経路および中仕上げ加工用工具中心移動範囲の求め方を断面図で示す説明図である。
【図6】 荒加工による金型素材の形状の変化状態を示す説明図である。
【図7】 荒加工後の中間形状に直接的に3次元的経路で仕上げ加工を行う場合の問題点を示す説明図である。
【図8】 荒加工後の中間形状に等高線経路で中仕上げ加工を行う場合を示す説明図である。
【図9】 中仕上げ加工後の形状に3次元的経路で仕上げ加工を行う場合を示す説明図である。
【図10】 単純に仕上げ形状沿い等高線工具経路で中仕上げ加工を行う場合の問題点を示す説明図である。
【図11】 仕上げ形状沿い等高線工具経路を単純にオフセットさせた工具経路で中仕上げ加工を行う場合の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
BM ボールエンドミル
SM スクエアエンドミル
FF 仕上げ形状
MF 中仕上げ加工後形状
SF 荒加工後の雛壇形状
CP1, CP2 工具中心位置
CA1, CA2, CA3 Z方向切削範囲
CS1, CS2 X,Y方向切削範囲
OCP オフセット等高線工具経路
CP 仕上げ形状沿い等高線工具経路
MP 空振り部分
S1〜S5 雛壇形状の段
R 工具半径
R1〜R7 オフセット値
AX1 〜AX5 オフセット位置
FCP 仕上げ等高線経路
SP1, SP2 段の水平輪郭線
OP1, OP2 オフセット輪郭線
P1〜P3 交点
SCP 雛壇沿い工具経路
PC1, PC2 接点
CPF 仕上げ形状への接触時の工具中心位置
CPS 雛壇形状への最初の接触時の工具中心位置
MR 中仕上げ加工用工具中心移動範囲

Claims (2)

  1. CAMシステムによる金型の加工の際、スクエアエンドミルを用いた等高線加工による荒加工後、ボールエンドミルを用いた仕上げ加工前にボールエンドミルを用いた等高線加工による中仕上げ加工を行うために、工具中心の移動範囲を抽出するに際し、
    前記中仕上げ加工の各等高線経路高さについて、その等高線経路高さとその高さの水平面内に工具中心が位置する前記中仕上げ加工用のボールエンドミルの下端との間の高さ範囲に含まれる前記荒加工後の雛壇形状の複数の段のうちから、前記水平面内に工具中心が位置する前記中仕上げ加工用のボールエンドミルが水平移動して前記金型の仕上げ形状に対し接近する時に最初に接触する段を選出して、その段への接触時の前記中仕上げ加工用のボールエンドミルの工具中心の位置を前記水平面内で連ねることにて雛壇沿い工具経路を求めるとともに、
    前記水平面内に工具中心が位置する前記中仕上げ加工用のボールエンドミルが前記金型の仕上げ形状に対し接触する時のその工具中心の位置を前記水平面内で連ねることにて仕上げ形状沿い工具経路を求め、
    前記雛壇沿い工具経路と前記仕上げ形状沿い工具経路との間に挟まれる範囲を前記中仕上げ加工を行うための工具中心の移動範囲として抽出することを特徴とする、金型中仕上げ加工用工具中心移動範囲抽出方法。
  2. 前記最初に接触する段を選出するに際し、前記水平面内に工具中心が位置する前記中仕上げ加工用のボールエンドミルの、前記複数の段の各々の高さでの工具中心軸線からの半径を求め、前記各段の水平輪郭形状をその段に対応する前記半径分前記金型の仕上げ形状に対し水平に離間する方向へオフセットさせてオフセット輪郭形状を求め、それらのオフセット輪郭形状を共通の任意の水平面に投影して、前記オフセット輪郭形状が前記仕上げ形状沿い工具経路から最も離間している段を前記最初に接触する段として選出することを特徴とする、請求項1記載の金型中仕上げ加工用工具中心移動範囲抽出方法。
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