JP3789992B2 - アンカー体の造成に用いるシール構造体 - Google Patents

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順三 樋口
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株式会社樋口技工
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンカー体の造成に用いるシール構造体に係り、詳しくは地盤中にアンカー体を造成していく際に、被圧水によるグラウト材の噴出を防止するシール構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、アースアンカーの施工に於て、ケーシング管をアンカー孔から引き抜き回収する際に、被圧水によるグラウト材の噴出を防止したアンカー体の造成方法とこれに用いるシール構造体を特願平6−237313号(特開平8−100426号)で開示した。
【0003】
この造成方法は、カップリング部を一端に有するケーシング管を削孔深さに応じ順次接続して地盤にアンカー孔を削孔した後、ケーシング管内に引張材を挿入し、接続したケーシング管を引き上げ乍らアンカー孔にグラウト材を加圧注入して最後端側に位置するケーシング管を順次回収していくアンカー体の造成方法に於て、最後端側のケーシング管の回収時に、当該ケーシング管の1本前のケーシング管のカップリング部を閉塞するようにシール構造体を予め引張材に取り付けて、これを引張材と共にケーシング管内に挿入,配置し、最後端側のケーシング管の回収時に、上記シール構造体でその1本前のケーシング管のカップリング部を閉塞して被圧水によるグラウト材の噴出を防止するものである。
【0004】
そして、上記造成方法に用いるシール構造体は、引張材が挿通し、カップリング部の内周に圧接するシール部材が外周に装着されたパイプ部材と、パイプ部材の先端に回動可能に取り付き、引張材が挿通する引張材挿通孔が形成された先端閉塞部材と、パイプ部材の後端に回動可能に取り付き、引張材が挿通する引張材挿通孔が形成された後端閉塞部材と、当該後端閉塞部材の引張材挿通孔に楔着される楔とで構成したもので、図20及び図21は斯かるシール構造体の一実施形態を示している。
【0005】
即ち、図20中、1はシール構造体3を構成する金属製のパイプ部材で、当該パイプ部材3は、図21に示すように同一の外径を有する4本の分割パイプ5,7,9,11を順次螺着して構成されている。
そして、パイプ部材1の先端に位置する分割パイプ5には、ケーシング管13のカップリング15の内周15aに圧接する2本のO−リング17が環状溝19に環装され、そして、当該分割パイプ5に接続される分割パイプ7の外周にも、カップリング15の内周15aに圧接可能な1本のO−リング17が環状溝21に環装されており、各O−リング17は、少なくともその2本が同時にカップリング15の内周15aに圧接するように所定間隔を以って配置されている。
【0006】
又、図21中、23は分割パイプ5の先端に回動可能に取り付く鋼製の先端閉塞部材で、当該先端閉塞部材23はテーパ状に成形された頭部23aと、分割パイプ5内に挿入可能な筒状の胴部23bとで構成されている。そして、当該胴部23bの外周には、分割パイプ5の先端側周壁に90°の間隔を開けて設けたねじ孔25に対応して環状のねじ溝27が設けられており、図20に示すように各ねじ孔25に螺着されたねじ29の軸部29aが上記ねじ溝27に夫々係合して、先端閉塞部材23が分割パイプ5に対し回動可能且つ分割パイプ5からの抜け止め保護が図られている。
【0007】
そして、シール構造体3の前方には、注入されたグラウト材で膨張してアンカー孔を閉塞する周知の袋状の布製パッカー(図示せず)が配置されており、上記先端閉塞部材23の中央には、当該布製パッカーにグラウト材を注入する注入ホース31が挿通する注入ホース挿通孔33が形成され、又、ケーシング管13内に挿入する引張材35の本数に応じた複数の引張材挿通孔37が、注入ホース挿通孔33を中心に設けられている。
【0008】
一方、図20中、39は分割パイプ11の後端に取り付く鋼製の後端閉塞部材で、図21に示すように当該後端閉塞部材39も、テーパ状に成形された頭部39aと、分割パイプ11内に挿入可能な筒状の胴部39bとで構成されている。そして、胴部39bの外周には、分割パイプ11の後端側周壁に90°の間隔を開けて設けたねじ孔41に対応して環状のねじ溝43が設けられており、各ねじ孔41に螺着されたねじ29の軸部29aが上記ねじ溝43に係合して、後端閉塞部材39が分割パイプ11に対し回動可能且つ当該分割パイプ11からの抜け止め保護が図られている。
【0009】
そして、図21に示すように上記後端閉塞部材39の中央には、上述した注入ホース31が挿通する注入ホース挿通孔45が形成されると共に、ケーシング管13内に挿入する複数本の引張材35のうち、2本の引張材35が挿通する2つの引張材挿通孔47が上記注入ホース挿通孔45を挟んで設けられている。そして、図20に示すように引張材35が挿通する当該引張材挿通孔45には、夫々、一対の楔49が楔着されており、斯様に引張材挿通孔45に楔49を楔着させることによって、シール構造体3が引張材35に固着されるようになっている。
【0010】
その他、図20中、51,53はO−リングである。
而して、上記シール構造体3によれば、パイプ部材1の外周に装着したO−リング17がケーシング管13のカップリング15の内周15aに圧接して、ケーシング管13の回収時に、被圧水によるグラウト材の噴出を防止する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上記シール構造体3にあっては、使用するケーシング管13の径を変えた場合、シール構造体3自体の形状やパイプ部材1の寸法等を変更しなければならず、又、パイプ部材1の前部にネジ止めされた先端閉塞部材23の引張材挿通孔37と注入ホース挿通孔33に引張材35と注入ホース31を夫々挿入した後、後端閉塞部材39に再び引張材35のうちの2本と注入ホース31を挿通させて、2本の引張材35を、各々、一対の楔49で楔着させなければならない煩わしさがあり、作業性の改善が望まれていた。
【0012】
然も、先端閉塞部材23には、引張材35と同数の引張材挿通孔37を設ける必要があり、又、逆に引張材35の本数も引張材挿通孔37の個数で制限を受けてしまう欠点も指摘されていた。
更に又、被圧水によるグラウト材が、引張材35や注入ホース31と引張材挿通孔37,47や注入ホース挿通孔33,45との隙間からパイプ部材1内に浸透してしまう虞があり、そして、内部に浸透したグラウト材の洗浄はシール構造体3を分解して行わなければならない等の欠点もあった。
【0013】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、上述の如きシール構造体に改良を加えて、使用効果,作業性、そして、使用部材の補修効率の向上を図ったアンカー体の造成に用いるシール構造体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、請求項1に係るシール構造体は、少なくとも3本以上の分割パイプ部材を順次螺着して構成されたパイプ部材と、パイプ部材の最先端及び最後端の分割パイプ部材を除く分割パイプ部材の外周に固定部材を介して交換可能に取り付き、ケーシング管のカップリング部の内周に圧接可能な外径寸法をもった複数のドーナツ状のラバーシール材とからなり、各分割パイプ部材は、パイプ部材の最先端に接続される分割パイプ部材を除き内管と外管とからなる二重管構造とされて、外管相互の螺着で内管相互が嵌合接続し、最後端に接続される分割パイプ部材の内管と外管に、夫々、内管及び当該内管と外管との間にグラウト材を送出するグラウト材注入孔が設けられ、最先端の分割パイプ部材内に、上記各内管及び当該各内管と外管との間から送出されたグラウト材の逆流防止機構を有する混合室が形成されると共に、当該混合室に連通するホースニップルがその先端に接続され、ラバーシール材が挿着された分割パイプ部材より先端側に位置する分割パイプ部材の外周に、複数本の引張材がスペーサと結束材を介して緊結されることを特徴とする。
【0015】
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載のシール構造体に於て、逆流防止機構は、最先端の分割パイプ部材内に突出する後続の分割パイプ部材の内管の先端側外周に着脱可能に取り付き、先端方向に広がって最先端の分割パイプ部材の内周に当接するスカート状のゴム製の弁と、当該弁より先端側の内管に設けたグラウト材放出孔を閉塞し、内管内から送出されたグラウト材の注入圧で当該グラウト材放出孔を開口するO−リングとからなり、上記弁で区画された最先端の分割パイプ部材内が、グラウト材の混合室となっていることを特徴とする。
【0016】
そして、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のシール構造体に於て、内管の外周に、芯出し用のスペーサが取り付けられていることを特徴としている。
【0017】
(作用)
各請求項に係るシール構造体によれば、被圧水のある地盤でケーシング管を引き抜き回収する度に、シール構造体のラバーシール材がケーシング管のカップリング部を完全に閉塞して、被圧水によるグラウト材の噴出を防止する。
【0018】
そして、請求項2に係るシール構造体では、スカート状のゴム製の弁とO−リングが、パイプ部材内へのグラウト材の逆流を防止し、又、請求項3に係るシール構造体では、分割パイプ部材の接続の際に、スペーサが内管の芯出しを行うこととなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は請求項1乃至請求項3に係るシール構造体の一実施形態を示し、図に於て、55はシール構造体57を構成する金属製のパイプ部材で、当該パイプ部材55は、図2に示すように5本の分割パイプ部材59,61,63,65,67が螺子構造で接続組立,分解でき、更に、各分割パイプ部材59,61,63,65,67は、図3に示すように螺子構造で接続組立,分解可能とされて、各部品の洗浄を容易にし、且つ損耗の激しい部品とそうでない部品を必要に応じて適宜交換できるようになっている。
【0021】
而して、上記各分割パイプ部材61,63,65,67は、夫々、内管61a,63a,65a,67aと外管61b,63b,65b,67bの二重管構造とされている。そして、最先端の分割パイプ部材59と分割パイプ部材61の外管61bがソケット69によって、又、分割パイプ部材61の外管61bと分割パイプ部材63の外管63bがソケット71で、そして、分割パイプ部材63の外管63bと分割パイプ部材65の外管65bがソケット73で各々螺着されており、この螺着部分は、ケーシング管75の左回転で緩むことがないように左螺子となっている。
【0022】
そして、外管61b,63b,65b,67b相互の螺着で内管61a,63a,65a,67a相互が嵌合接続できるように、例えば図4の如く内管61aの後端部61a′は後続の内管63aの先端部63a′が嵌合可能なソケット構造となっている。そして、内管63aの先端部63a′に施された溝に、接続部分の気密性を確保するO−リング77が環装されている。
【0023】
又、図3に示すように、内管61a,63a,65a,67aの外周には、ソケット69,71,73の内周に設けた環状の突起部69a,71a,73a及び外管67bの最小内径より大きな十字状のスペーサ79が所定の位置に取り付けられており、分割パイプ部材59,61,63,65,67をソケット69,71,73を介して接続したときに、これらのスペーサ79で内管61a,63a,65a,67aが中央に固定される構造となっている。更に又、内管61a,63a,65aの後端のソケット部分と、後続の内管63a,65a,67aの先端のセンターが容易に合わせられるように、図5の如く上記スペーサ79と同一形状のスペーサ81が、各内管61a,63a,65aの後端側外周に取り付けられている。
【0024】
そして、図1乃至図3に示すようにパイプ部材55の最後端に接続される分割パイプ部材67の外管67bにはグラウト材の注入孔83が設けられ、又、当該外管67bの後端を閉塞するキャップ85を貫通した内管67aの突出端がグラウト材の注入孔87として機能するようになっている。そして、各注入孔83,87から注入されたグラウト材が、後述する袋状の布製パッカーへ注入されるが、グラウト材は2液(A液「セメントペースト」及びB液「水ガラス」)の混合タイプが使用され、上記注入孔87から注入されたA液は、内管67a,65a,63a,61aを経て、図7に示すように内管61aの先端側に設けた放出孔89から分割パイプ部材59内に放出されるようになっている。
【0025】
この放出孔89は、内管61aの先端に螺着した筒状の閉塞部材91の周壁に穿設されて、その周囲をO−リング(ゴム製のシール部材)93で閉塞された構造となっている。
O−リング93は放出孔89の周囲に施された溝95に環装されており、注入孔87から注入されたA液は、その注入圧で放出孔89とO−リング93の隙間から放出され、注入を停止すると、O−リング93が再び放出孔89を塞いで内管61a内へのA液の逆流を防ぐようになっている。
【0026】
一方、B液は上記注入孔83より注入されて、外管67b,65b,63b,61bと内管67a,65a,63a,61aの間を通り、最先端の分割パイプ部材59内で上記A液と混合するようになっている。そして、この時、B液及び混合されたグラウト材の逆流防止手段として、上記O−リング93に加え、スカート状のゴム製の弁97が内管61aの先端に装着されている。
【0027】
この弁97は、図3に示すように内管61aへの閉塞部材91の螺着時に装着されるようになっている。そして、図7に示すように上記弁97は先端方向に拡開して分割パイプ部材59の内周に接しており、B液の注入時はその注入圧で先端方向に押されて変形することでB液が通過し、B液の注入が終わると、弁97はゴムの復元力と後述する布製パッカーの膨張圧の復元によるグラウト材の逆流圧で再び元の形状に戻って、分割パイプ部材59の内周に接し、B液の逆流を防止するようになっている。
【0028】
そして、図2に示すように上記分割パイプ部材65の外周に、複数のドーナツ状のラバーシール材99が、略円錐状のラバーシール固定部材101,103を介して挿着されている。
図3に示すように上記分割パイプ部材65の外管65bは、ソケット73及びラバーシール固定部材101が挿入可能な小径部65b′と、後端側を除いて外周が螺刻された大径部65b″とからなり、当該大径部65b″にラバーシール固定部材103が螺着できるようになっている。そして、斯様にラバーシール固定部材103を螺着した後、ラバーシール材99を大径部65b″に挿入し、小径部65b′にラバーシール固定部材101を挿入してソケット73を螺着することで、ラバーシール固定部材101の抜け止め保持が図られると共に、両ラバーシール固定部材101,103によってラバーシール材99が一定の位置に保持されるようになっている。
【0029】
尚、ラバーシール固定部材101は、ケーシング管75の回転に伴い回転可能な構造とするため螺子構造となっておらず、又、小径部65b′もラバーシール固定部材101の装着される部分は螺刻されてなく、ラバーシール固定部材101が自由に回動できるようになっている。そして、上述したこれらの螺着部分は、ケーシング管75の回転方向(左回転)に対し緩みや抜け止めを考慮して、全て左螺子構造となっている。
【0030】
又、上記ラバーシール材99は、被圧水圧に応じて枚数を任意に増減することができ、この時の位置の固定もラバーシール固定部材103を螺着すればよい。更に又、図9の如く使用するケーシング管を図1のケーシング管75(径φ1)から大径のケーシング管105(径φ2)に変えた時には、当該ケーシング管105のカップリング107の径に合わせたドーナツ状のラバーシール材109に交換し、その補強部材として図10に示すようなリングワッシャー状の補強プレート111をラバーシール材109の前後に取り付けることで、ラバーシール材99以外の部品の形状や寸法を変えずにシール構造体57が使用できるようになっている。
【0031】
そして、本実施形態に係るシール構造体57は、図1及び図8に示すようにソケット71の外周に固着した星型のスペーサ113に複数本の引張材115を跨がせてその前後を番線等の結束材117で緊結すれば、引張材115がシール構造体57に固着されるようになっている。
又、図11に示すように引張材115には、上記注入孔83,87から注入されたグラウト材で膨張してアンカー孔118を閉塞する従来周知の袋状の布製パッカー119がシール構造体57の前方に予め取り付けられており、当該布製パッカー119とシール構造体57との間に所定の長さを持った注入ホース121が接続されている。
【0032】
その他、図1に於て、123は上記注入ホース121が接続されるホースニップルで、当該ホースニップル123は、図2に示すように弁97で区画された分割パイプ部材59内のグラウト材の混合室125内に開口して、分割パイプ部材59の先端に螺着されている。
又、図1中、75aはケーシング本体、75bはカップリングで、当該ケーシング本体75aとカップリング75bとで1本のケーシング管75が構成されている。
【0033】
本実施形態に於けるシール構造体57はこのように構成されており、特願平6−237313号で開示したアンカー体の造成方法と同様、斯かるシール構造体57を用いてアンカー体は以下の如く造成される。
先ず、図11に示すように、削孔深さに応じケーシング管751 ,752 ,753 ・・・を順次接続して地盤127にアンカー孔118を削孔した後、シール構造体57と布製パッカー119を取り付けた引張材115をケーシング管751 ,752 ,753 ・・・内に挿入して、図12に示すようにシール構造体57を最後端のケーシング管751 の後端部に配置し、カップリング75b1 をラバーシール材99で閉塞させる。
【0034】
尚、この時、布製パッカー119がアンカー孔118の開口付近(保護壁129の近傍)に位置するようになっている。又、本実施形態では、ケーシング管751 ,752 ,753 ・・・の接続に当たって、図11に示すようにカップリング75b1 ,75b2 ,75b3 ・・・をケーシング本体75a1 ,75a2 ,75a3 ・・・の後端側に接続する逆カップリング構造としている。
【0035】
上述の如くシール構造体57を所定の位置に配置した後、最後端側のケーシング管751 の後端にスイベル(図示せず)を接続して、図13の如くケーシング管751 ,752 ,753 ・・・を徐々に上方(矢印A方向)へ引き抜き乍ら、スイベルを介してケーシング管751 ,752 ,753 ・・・内にグラウト材Gを加圧注入すれば、図示するようにカップリング75b1 がシール構造体57のラバーシール材99から移動するため、グラウト材Gはシール構造体57とケーシング管751 の間を通過して地盤127中のアンカー定着部に注入され、アンカー体がアンカー定着部に徐々に造成されることとなる。
【0036】
そして、上述の如くケーシング管751 ,752 ,753 ・・・を徐々に引き抜いて、図14に示すように最後端のケーシング管751 の後続のケーシング管752 のカップリング75b2 が所定の位置、即ち、シール構造体57が配置されている位置に来た所で、ケーシング管751 ,752 ,753 ・・・の引き抜き及びグラウト材Gの加圧注入を停止して、図15の如く最後端のケーシング管751 をネジ切り回収すればよく、このとき、図14に示すようにシール構造体57のラバーシール材99がカップリング75b2 の内周に圧接して被圧水によるグラウト材Gの噴出を防止する。
【0037】
而して、以下同様に、最後端に位置するケーシング管752 の後端にスイベルを再び接続して、ケーシング752 ,753 ,754 ・・・を徐々に引き抜き乍ら、スイベルを介してケーシング管752 ,753 ,754 ・・・内にグラウト材Gを加圧注入すれば、グラウト材Gはシール構造体57とケーシング管752 の間を通過して地盤127中のアンカー定着部に注入されていく。そして、図示しないが、後続のケーシング管753 のカップリング75b3 がシール構造体57が配置されている位置に来た所で、ケーシング管752 ,753 ,754 ・・・の引き抜き及びグラウト材Gの加圧注入を停止して、最後端側のケーシング管752 を同様にネジ切り回収すればよく、このとき、シール構造体57のラバーシール材99がカップリング75b3 の内周に圧接して被圧水によるグラウト材Gの噴出を防止する。
【0038】
以後、再びケーシング管753 の後端にスイベルを接続して同じ作業を順次繰り返すことで、地盤127中のアンカー定着部にアンカー体が次第に造成されていくこととなる。
そして、アンカー体の造成が進んで、図16及び図17に示すように最終のケーシング管75n が残った状態で、既述した注入孔83,87に夫々、B液供給ホース131とA液供給ホース133を接続して夫々にA液とB液を注入すると、A液は内管67a,65a,63a,61aを経て、図17に示すように内管61aの先端側に設けた放出孔89から分割パイプ部材59内の混合室125に放出され、又、B液は外管67b,65b,63b,61bと内管67a,65a,63a,61aの間を通って混合室125内でA液と混合した後、この混合グラウト材G′が注入ホース121を介して布製パッカー119に注入されていく。
【0039】
すると、布製パッカー119は膨張してアンカー孔118の内壁に圧接し、アンカー孔118を閉塞する。そして、供給された混合グラウト材G′は水分が布地から滲み出て速やかに固まり、斯かる状態で最終のケーシング管75n を引き抜き回収することでアンカー体の造成作業が終了し、このとき、アンカー孔118は布製パッカー119によって閉塞されているので、アンカー孔118内のグラウト材Gが被圧水によって噴出することがない。
【0040】
この後、図18及び図19の如く最先端の分割パイプ部材59をソケット69の部分から切り離して、注入孔83,87に接続した注入ホース135,137から清水Wを流し込んで、パイプ部材55内に残ったA液とB液のグラウト材を洗浄すればよい。そして、図3に示すように各分割パイプ部材61,63,65,67の螺着部分を外せば、これらは各部品に分解可能であるから、損耗した部品だけを必要に応じて交換すればよい。
【0041】
このように、本実施形態に係るシール構造体57によっても、図20に示す従来のシール構造体3と同様、被圧水のある地盤127でケーシング管751 ,752 ,753 ・・・75n-1 を引き抜き回収する度に、シール構造体57のラバーシール材99がカップリング75b2 ,75b3 ,・・・75bn-1 を完全に閉塞するので、当該シール構造体57により被圧水によるグラウト材Gの噴出を確実に防止することができ、その結果、グラウト材Gの噴出によってアンカー定着部のグラウト材Gの濃度が薄まってしまうといった不具合が解消できる。
【0042】
そして、既述したように、従来のシール構造体3にあっては、使用するケーシング管13の径を変えた場合、シール構造体3自体の形状やパイプ部材1の寸法等を変更しなければならなかったが、本実施形態にあっては、図9の如く使用するケーシング管を図1のケーシング管75(径φ1)から大径のケーシング管105(径φ2)に変えても、単にケーシング管105のカップリング107の径に合わせてラバーシール材109に交換するだけで足り、ラバーシール材99以外の部品の形状や寸法を変えずにシール構造体57が使用できる利点を有する。
【0043】
又、本実施形態によれば、図1及び図8に示すようにソケット71の外周に固着した星型のスペーサ113に複数本の引張材115を跨がせてその前後を番線等の結束材117で緊結すれば、引張材115がシール構造体57に固着されるので、上記シール構造体3に比し作業性が飛躍的に向上すると共に、引張材115の本数が制約を受けてしまうこともない。
【0044】
更に又、従来のシール構造体3では、被圧水によるグラウト材が、引張材35や注入ホース31と引張材挿通孔37,47や注入ホース挿通孔33,45との隙間からパイプ部材1内に浸透してしまう虞があり、内部に浸透したグラウト材の洗浄はシール構造体3全体を分解して行わなければならなかったが、本実施形態に係るシール構造体57では、グラウト材はパイプ部材55の外周に付着する程度であり、シール構造体57の使用後、パイプ部材55内部の洗浄も極めて容易に行うことができるし、図3の如く各分割パイプ部材61,63,65,67の螺着部分を外せば、各部品に分解可能であるから、損耗した部品だけを必要に応じて交換すればよく、保守,交換の効率も従来に比し向上することとなった。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように、各請求項に係るシール構造体によれば、本出願人が先に提案したシール構造体と同様、被圧水のある地盤でケーシング管を引き抜き回収する度に、シール構造体がケーシング管のカップリング部を完全に閉塞するので、被圧水によるグラウト材の噴出を確実に防止することが可能であり、又、本発明によれば、斯かる従来のシール構造体に比し使用効果,作業性,使用部材の補修効率等が著しく向上することとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至請求項3に係るシール構造体の一実施形態の断面図である。
【図2】図1に示すシール構造体のパイプ部材を構成する分割パイプ部材の分解断面図である。
【図3】図1に示すシール構造体を構成する各部品の分解断面図である。
【図4】分割パイプ部材の接続部分の断面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図1のVI−VI線断面図である。
【図7】シール構造体の先端側の要部断面図である。
【図8】図1のVIII−VIII線断面図である。
【図9】管径の異なるケーシング管に変更した場合に対応するシール構造体の断面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】ケーシング管へのシール構造体の挿入状態を示すアンカー体の造成方法の一工程図である。
【図12】ケーシング管へのシール構造体の挿入完了状態を示すアンカー体の造成方法の一工程図である。
【図13】ケーシング管の引き抜き状態を示すシール構造体とケーシング管の断面図である。
【図14】シール構造体によるカップリングの閉塞状態を示すシール構造体とケーシング管の断面図である。
【図15】最後端のケーシング管の回収状態を示すアンカー体の造成方法の一工程図である。
【図16】最終のケーシング管の回収前の布製パッカーへのグラウト材注入状態を示すアンカー体の造成方法の一工程図である。
【図17】布製パッカーへのグラウト材注入状態を示すシール構造体の断面図である。
【図18】シール構造体の切り離し及びパイプ部材内部の洗浄状態を示すアンカー体の造成方法の一工程図である。
【図19】シール構造体の切り離し及びパイプ部材内部の洗浄状態を示すシール構造体の断面図である。
【図20】従来のシール構造体の断面図である。
【図21】図20に示すシール構造体の分解斜視図である。
【符号の説明】
55 パイプ部材
57 シール構造体
59,61,63,65,67 分割パイプ部材
61a,63a,65a,67a 内管
61b,63b,65b,67b 外管
75,105 ケーシング管
75a ケーシング本体
75b,107 カップリング
79,81,113 スペーサ
83,87 注入孔
89 放出孔
93 O−リング
97 弁
99,109 ラバーシール材
101,103 ラバーシール固定部材
111 補強プレート
115 引張材
117 結束材
118 アンカー孔
119 布製パッカー
121 注入ホース
125 混合室
127 地盤
G グラウト材
G′ 混合グラウト材
W 清水

Claims (3)

  1. 少なくとも3本以上の分割パイプ部材を順次螺着して構成されたパイプ部材と、
    パイプ部材の最先端及び最後端の分割パイプ部材を除く分割パイプ部材の外周に固定部材を介して交換可能に取り付き、ケーシング管のカップリング部の内周に圧接可能な外径寸法をもった複数のドーナツ状のラバーシール材とからなり、
    各分割パイプ部材は、パイプ部材の最先端に接続される分割パイプ部材を除き内管と外管とからなる二重管構造とされて、外管相互の螺着で内管相互が嵌合接続し、
    最後端に接続される分割パイプ部材の内管と外管に、夫々、内管及び当該内管と外管との間にグラウト材を送出するグラウト材注入孔が設けられ、
    最先端の分割パイプ部材内に、上記各内管及び当該各内管と外管との間から送出されたグラウト材の逆流防止機構を有する混合室が形成されると共に、当該混合室に連通するホースニップルがその先端に接続され、
    ラバーシール材が挿着された分割パイプ部材より先端側に位置する分割パイプ部材の外周に、複数本の引張材がスペーサと結束材を介して緊結されることを特徴とするアンカー体の造成に用いるシール構造体。
  2. 逆流防止機構は、最先端の分割パイプ部材内に突出する後続の分割パイプ部材の内管の先端側外周に着脱可能に取り付き、先端方向に広がって最先端の分割パイプ部材の内周に当接するスカート状のゴム製の弁と、
    当該弁より先端側の内管に設けたグラウト材放出孔を閉塞し、内管内から送出されたグラウト材の注入圧で当該グラウト材放出孔を開口するO−リングとからなり、
    上記弁で区画された最先端の分割パイプ部材内が、グラウト材の混合室となっていることを特徴とする請求項1記載のアンカー体の造成に用いるシール構造体。
  3. 内管の外周に、芯出し用のスペーサが取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアンカー体の造成に用いるシール構造体。
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