JP3789869B2 - 本の台割・割付システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は本の台割・割付システムに関し、特に、記事や広告などの掲載物を所定頁に割り当てる台割処理と、各頁ごとに文字や画像などを割り付ける割付処理と、を連係して行うことができる本の台割・割付システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な雑誌等は、頁ごとに様々な用紙が用いられており、色数や印刷方法なども頁ごとに様々である。このため、雑誌等は、同じ用紙,同じ色数,同じ印刷方法で形成される折丁という単位部品を組み合わせることにより製造される。すなわち、雑誌等を製造するには、その本の頁編成に応じて、まず、製版にて各折丁に必要な頁の版を揃え、この版によって各折丁を印刷し、これらをすべて揃えて製本することになる。ところが、1つの雑誌等について、これらの工程がまとまって行われるわけではない。掲載する記事や広告によっては、早くから内容が確定しているものもあれば、速報性を有するために発刊日直前まで原稿が得られないものもある。このため、印刷会社では、雑誌等の製造工程の進捗管理を、個々の記事や広告の単位で行っている。
【0003】
出版・印刷業界では、個々の掲載内容をどの折丁のどの位置に割り当てるかを決める作業を台割作業と呼んでおり、更に各掲載内容についての進捗状況(原稿の入稿,校正,校了,印刷などの段階)の管理までを含んだ作業を台割管理と呼んでいる。この台割管理は、通常、台割表に基づいて行われる。台割表は、1つの雑誌等に掲載される個々の記事や広告ごとに、折丁、頁数などを表の形式で指示したものであり、印刷会社の営業担当者は、自分の担当する本についての進捗状態の管理を、この台割表を参照して行っている。
【0004】
このような台割表を自動的に作成する装置は、たとえば、特開昭63−85559号公報に開示されている。また、このような台割表に関する情報と個々の内容ごとの進捗状況に関する情報とをコンピュータに格納し、このコンピュータによって進捗管理を行うシステムが、特開平6−328878号公報に開示されている。
【0005】
一方、記事や広告に含まれる文字あるいは画像を、各頁ごとに所定の態様で割り付ける処理をコンピュータを利用して行い、割付結果を示すデータに基づいて電子製版を行うシステムも、従来から利用されている。通常、文字と画像は、それぞれ文字データおよび画像データとして別個に入力され、割付作業を行う者は、ディスプレイ上に表示された割付画面を見ながら、個々の文字や画像を所望の位置に、所望の割付倍率、所望の割付角度で、配置する作業を行ってゆくことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
通常、雑誌等の本の作成は、出版社と印刷会社との分業によって行われる。すなわち、本の頁構成や掲載内容を決定する作業は出版社側の仕事であり、また、各頁にどのような態様でどのような文や画像を割り付けるかを決定する作業も出版社側(通常は、出版社の委託を受けたデザイナー)の仕事である。これに対して、印刷機を稼働させながら実際に印刷や製本を行う作業は印刷会社側の仕事である。
【0007】
このため、印刷会社側の営業担当者は、出版社側の編集担当者と緊密な連絡をとり、台割管理を行う必要がある。特に、月刊誌や週刊誌といった定期刊行物の場合、発行日に応じた納期が厳格に定められるため、個々の掲載内容ごとに、入稿、出校、校了といった進捗状況を把握し、必要に応じて原稿の催促などを行わねばならない。上述したコンピュータによって台割表を自動的に作成する装置や、このような台割表に基づいて進捗管理を行うシステムを利用すれば、このような台割管理をかなり効率的に行うことが可能になる。
【0008】
しかしながら、従来のこの種のシステムでは、台割作業と割付作業との効率的な連係をとることができないという問題がある。上述したように、台割表を作成するシステム自体や、割付作業を行うシステム自体は、従来から提案されているが、両システム間の連係をとることができないため、実用上、効率的な運用を図ることができなかった。
【0009】
そこで本発明は、台割作業と割付作業との連係を図ることにより、効率的な運用を可能にする本の台割・割付システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、同一のテーマを構成する単位掲載物を、それぞれ所定頁に割り当てる台割処理と、各頁ごとに、割り当てられた単位掲載物に含まれる文字や画像などの割付対象物を、それぞれ所定の態様で割り付ける割付処理と、を行う機能を有するコンピュータハードウエアを2台用意し、
各単位掲載物のそれぞれについて、少なくとも単位掲載物名およびノンブルの情報を入力する機能を有し、この入力した情報に基づいて、各頁ごとに掲載される単位掲載物名を表の形式で表現した台割表を作成してこれをディスプレイ上に表示する台割システムと、
各単位掲載物に含まれる割付対象物を各頁に割り付けた状態を示す割付画面を表示しながら、オペレータの指示に基づいて、各頁に所定の割付対象物を所定の態様で割り付ける割付処理を行い、各頁についての割付処理の結果を示す割付データを作成する割付処理システムと、
を設け、
台割システムと割付処理システムとを切り替えて使用できるように構成し、台割システムによって、ディスプレイ上に台割表が表示されている状態において、オペレータがこの台割表上の特定頁を指示する入力を行った場合に、割付処理システムへの切り替えが行われ、ディスプレイ上に、指示された特定頁についての割付画面が表示されるようにし、
これら2台のコンピュータハードウエアを、互いに異なる場所に設置するとともに、これら両ハードウエアを接続手段によりオンライン接続し、2台のコンピュータハードウエアを構成する第1のコンピュータハードウエアおよび第2のコンピュータハードウエアの双方において、台割システムおよび割付処理システムを動作できるように構成し、いずれか一方のコンピュータハードウエアで作成された台割表およびいずれか一方のコンピュータハードウエアで作成された割付データを、他方のコンピュータハードウエアでも共通して利用できるようにし、
第1のコンピュータハードウエアを操作する第1の操作者が、第1のコンピュータハードウエアに対して、割付対象物を構成するデジタルデータを入力し、台割表上で当該割付対象物を割り付けるべき特定頁を指示する作業を行った場合に、入力したデジタルデータとともに当該特定頁を示す情報が、接続手段を介して第2のコンピュータハードウエアに伝達されるようにし、第2のコンピュータハードウエアを操作する第2の操作者が、伝達されてきたデジタルデータが当該特定頁に割り付けられるべきデジタルデータであることを認識して割付処理を行うことができるようにし、
割付処理システムが、割付画面とは異なるレイヤーに属する校正画面を用意し、オペレータから「校正画面への書き込みを指示するコマンド入力」および「校正メッセージの書込操作入力」が与えられた場合に、校正メッセージを校正画面に書き込む処理を行い、割付画面と校正画面とを重複して表示させる機能を有するようにしたものである。
【0011】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る本の台割・割付システムにおいて、
割付処理システムによって、ディスプレイ上に割付画面が表示されている状態において、オペレータが台割表を表示させる旨のコマンド入力を行った場合に、台割システムへの切り替えが行われ、ディスプレイ上に台割表が表示されるようにしたものである。
【0012】
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る本の台割・割付システムにおいて、
割付処理システムが、各単位掲載物に含まれる割付対象物を、製版に利用可能なデジタルデータとして入力する機能を有し、この入力したデジタルデータを用いて各割付対象物の内容を表示した通常割付画面と、入力したデジタルデータを用いずに各割付対象物の位置指標を表示した簡略割付画面と、を選択的に表示する機能を有するようにしたものである。
【0013】
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3の態様に係る本の台割・割付システムにおいて、
割付処理システムが、通常割付画面および簡略割付画面を選択的にディスプレイ上に表示する機能を有するとともに、通常割付画面をプリンタにより紙面上に出力する機能を有するようにしたものである。
【0014】
(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4の態様に係る本の台割・割付システムにおいて、
台割システムにおいて、第1のモード、第2のモード、第3のモードのいずれかのモードを指定できるようにし、
オペレータが台割表上の特定頁を指示する入力を行った際に、第1のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、特定頁についての通常割付画面がディスプレイ上に表示され、第2のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、特定頁についての簡略割付画面がディスプレイ上に表示され、第3のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、特定頁についての通常割付画面がプリンタにより紙面上に出力されるようにしたものである。
【0015】
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1〜第5の態様に係る本の台割・割付システムにおいて、
台割システムが、1頁を1つの矩形に対応させ、同一の折丁に属する頁についての矩形を同一の行に配置することにより台割表を作成し、単独頁に掲載される単位掲載物については、その掲載内容を、当該単独頁に対応した矩形内に表示し、連続した複数頁に掲載される単位掲載物については、その掲載内容を、当該複数頁に対応した複数の矩形を合成して構成される合成矩形内に表示するようにし、個々の矩形内の1点を指示する入力により、特定頁の指示を行えるようにしたものである。
【0017】
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る本の台割・割付システムにおいて、
第1のコンピュータハードウエアおよび第2のコンピュータハードウエアに、それぞれ独立した記憶装置を用意し、一方の記憶装置内に格納されている情報に対する修正が行われた場合に、他方の記憶装置内に格納されている情報に対しても同等の修正が行われるようにすることにより、双方のコンピュータハードウエアからの共通利用を可能にしたものである。
【0018】
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る本の台割・割付システムにおいて、
第1のコンピュータハードウエアに、サーバーとなる記憶装置を用意し、双方のコンピュータハードウエアによって共通利用される情報をサーバーとなる記憶装置内に格納するようにし、第2のコンピュータハードウエアが、オンライン接続を介して、サーバーとなる記憶装置内の情報を利用することができるようにしたものである。
【0019】
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第1〜第6の態様に係る本の台割・割付システムにおいて、
一方のコンピュータハードウエアによって、割付対象物を構成するデジタルデータを入力する作業を行うとともに、台割表上で当該割付対象物を割り付けるべき特定頁を指示する入力を行うことにより、入力したデジタルデータとともにこの特定頁に関する情報を、接続手段を介して他方のコンピュータハードウエアに伝達させる機能を有するようにしたものである。
【0020】
(10) 本発明の第10の態様は、コンピュータを、上述の第1〜第9の態様に係る本の台割・割付システムとして動作させるためのプログラムを、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録するようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。本発明に係る本の台割・割付システムは、台割システムと割付処理システムとから構成され、その特徴は、これら両システムの連係操作を可能にした点にある。そこで、以下、§1において台割システムについて述べ、§2において割付処理システムについて述べ、§3において両者の連係操作について述べることにする。なお、本発明は、雑誌、書籍、コミック、カタログ、教科書、マニュアル等の種々の本を作成する作業に適用可能であるが、ここでは、その代表的な適用形態として、雑誌の台割・割付システムを述べることにする。
【0022】
§1. 台割システム
図1は、本発明の一実施形態に係る雑誌の台割・割付システムの一部を構成する台割システムの基本構成を示すブロック図である。このシステムは、特願平10−014962号明細書に開示された雑誌の台割管理システムと同等の構成を有するシステムであり、記事と広告とが混在する雑誌についての台割を管理する機能を有する。このシステムは、図示のように、折丁一覧表作成手段10と、記事一覧表作成手段20と、広告一覧表作成手段30と、台割表作成手段40とによって構成されている。もっとも、このブロック図に示された各手段は、このシステムの機能に着目した構成要素に相当するものであり、実用上は、このシステムは汎用のパーソナルコンピュータに専用のソフトウエアを組み込むことにより実現することができる。
【0023】
折丁一覧表作成手段10は、各折丁ごとの頁構成および印刷条件の情報を入力する機能を有し、同一折丁に関する既入力情報を同一行に表示した折丁一覧表1を作成してこれを表示する手段である。図2に、こうして作成された折丁一覧表1の一例を示す。通常の雑誌は、色数や印刷方法などの条件が頁ごとに様々であり、また、頁ごとに用紙も異なることが多い。このため、雑誌は、同じ印刷条件で形成される折丁という単位部品を組み合わせることにより製造される。たとえば、図2の折丁一覧表1に示されている雑誌は、表紙/折丁A〜D/ハガキ/折丁E〜F/...といった複数の折丁から構成されている。より具体的には、図2において「表紙」なる折丁は、2頁(1枚の紙の表裏)から構成され、色数4色のオフセット印刷で印刷される。同様に、「折丁A」なる折丁は、4頁から構成され、色数4色のグラビア印刷で印刷される。また、「ハガキ」なる折丁は、2頁(1枚の紙の表裏)から構成され、色数1色のオフセット印刷で印刷される。
【0024】
なお、この図2には、説明の便宜上、非常に単純な例を示してあるが、実際には、印刷に用いる用紙の種類など、この他にも種々の条件を各折丁ごとに設定することができる。また、ここに示す例は、いわゆる「平綴」と呼ばれる製本形態の雑誌についての折丁構成であるが、いわゆる「中綴」と呼ばれる製本形態の雑誌の場合は、折丁構成が若干異なることになる。
【0025】
折丁一覧表作成手段10は、個々の折丁ごとに、折丁名と、色数や印刷方法などの印刷条件と、頁数とを入力し、図2に示すような折丁一覧表1を作成してこれを表示する機能を有する。この折丁一覧表1では、同一の折丁に関する既入力情報が同一行に表示されており、個々の折丁に関する情報を容易に確認することができる。なお、この実施形態では、ノンブルについては、各折丁ごとに頁数が設定されているので、この頁数と折丁の組み合わせ順に基づいて自動的に決定される(ハガキについては、ノンブルは付与しない設定になっている)。この図2に示す折丁一覧表1内の情報を利用すれば、たとえば、図3に示すような台割表を作成することができる。この図3に示す台割表では、雑誌の1頁が1つの矩形として表現されており、各矩形の上部にはノンブル(この例では、頁1〜42)が表示されている。同一の折丁に属する頁についての矩形は、同一の行に配置されているので、1行を1つの折丁に対応させることができる。左端に並んだ台割表示欄には、各折丁の折丁名、印刷方法、色数が表示されている。なお、この図3に示す台割表には、折丁情報のみが表示されているが、実際の台割表では、後述するように、各頁ごとに掲載内容が表示されることになる。
【0026】
ここに示す実施形態に係る台割システムでは、雑誌に掲載すべき内容を、「記事」と「広告」とに分けて取り扱うことができる。ここで、「記事」とは、雑誌の本来の掲載テーマを意味するものであり、広告主からのメッセージである「広告」以外の掲載内容を意味するものである。この台割システムでは、同一の雑誌に掲載される内容のうち、記事に関する情報は記事一覧表作成手段20を用いて入力して記事一覧表2を作成し、広告に関する情報は広告一覧表作成手段30を用いて入力して広告一覧表3を作成し、最終的に、台割表作成手段40によって、記事に関する情報と広告に関する情報とを合成して、台割表4を作成することができる。
【0027】
記事一覧表作成手段20は、掲載対象となる複数の記事について、それぞれ記事名、折丁名、頁数、ノンブルの各情報を入力する機能を有し、同一記事に関する既入力情報を同一行に表示した記事一覧表を作成してこれを表示することができる。図4は、このようにして作成された記事一覧表2の一例を示す図である。図2に示す折丁一覧表1では、1つの折丁に関する情報が1行で表示されていたのに対して、図4に示す記事一覧表2では、1つの記事に関する情報が1行で表示されている。たとえば、図4の4行目には、折丁B、ノンブル7〜9、記事名「トレンド調査」、頁数3なる情報が表示されているが、これは「トレンド調査」なる全3頁からなるタイトルの記事が、折丁Bのノンブル7〜9に掲載されることを示す。同様に、図4の5行目には、折丁B、ノンブル12〜14、記事名「インタビュー」、頁数3なる情報が表示されているが、これは「インタビュー」なる全3頁からなるタイトルの記事が、折丁Bのノンブル12〜14に掲載されることを示す。本発明では、同一行に表示された1つの記事を、単位掲載物と呼ぶことにする。
【0028】
この記事一覧表2には、ノンブルに関する情報を示す欄として、現ノンブル欄と新ノンブル欄とが設けられている。これは、ノンブルの変更作業をディスプレイ画面上で行う機能を有しているためである。すなわち、現ノンブル欄には、当該記事に対して現時点で設定されているノンブル(現ノンブル)が表示され、新ノンブル欄には、ノンブルの変更が必要になった場合にのみ、新たなノンブル(新ノンブル)を入力することになる。このノンブルの変更機能に関しては、後に詳述する。なお、図4に示す例では、現ノンブル欄に表示されているノンブルに不連続部分があるが(たとえば、ノンブル10,11は存在しない)、これは、その部分に掲載すべき記事に関する情報が未入力の状態か、あるいは、その部分には記事ではなく広告が掲載されるためである。
【0029】
こうして、記事一覧表作成手段20は、その時点までに入力された情報に基づいて、同一の記事に関する既入力情報を同一行に表示した記事一覧表2を作成することになる。また、この実施形態では、ノンブルが複数頁に渡る場合、頁数の情報を利用することにより先頭ノンブルのみを入力すれば、末尾ノンブルが自動入力される機能と、逆に、先頭ノンブルと末尾ノンブルとを入力すれば、頁数が自動入力される機能とを付加してある。また、折丁名については、現ノンブルの情報から折丁一覧表1を参照することにより自動入力される機能を付加してある。したがって、たとえば、図4の6行目の情報を入力する場合、記事名の欄に「ヨーロッパ的生活環境」なる文字列を入力し、頁数の欄に「6」なる数字を入力しておけば、現ノンブルの欄には、「17」なる先頭ノンブルのみを入力すれば、自動的に「17〜22」なる入力が行われることになる。逆に、「17〜22」なるノンブル入力を行えば、自動的に「6」なる頁数が入力される。また、折丁名の欄には、折丁一覧表1を参照して、入力されたノンブル範囲に対応した「折丁C」なる文字列が自動入力されることになる。
【0030】
一方、広告一覧表作成手段30は、掲載対象となる複数の広告について、それぞれ広告名、折丁名、頁数、ノンブルの各情報を入力する機能を有し、同一広告に関する既入力情報を同一行に表示した広告一覧表を作成してこれを表示することができる。図5は、このようにして作成された広告一覧表3の一例を示す図である。図2に示す折丁一覧表1では、1つの折丁に関する情報が1行で表示されていたのに対して、図5に示す広告一覧表3では、1つの広告に関する情報が1行で表示されている。たとえば、図5の3行目には、折丁A、ノンブル3、広告名「○○化粧品」、頁数1なる情報が表示されているが、これは「○○化粧品」なる広告主の全1頁からなる広告が、折丁Aのノンブル3に掲載されることを示す。同様に、図5の4行目には、折丁A、ノンブル4、広告名「○○自動車」、頁数1なる情報が表示されているが、これは「○○自動車」なる広告主の全1頁からなる広告が、折丁Aのノンブル4に掲載されることを示す。なお、図5の6〜7行目などには、頁数やノンブルの欄に情報は入力されているが、まだ広告名の欄には情報は入力されていない。これは、この雑誌の15頁目、16頁目には広告を掲載することがわかっているものの、具体的にどの広告主の広告を掲載するかが決まっていないためである。なお、本発明では、同一行に表示された1つの広告も、単位掲載物と呼ぶことにする。すなわち、この実施形態に示す台割システムでは、1つの記事および1つの広告が、それぞれ単位掲載物になる。前述したように、本発明は雑誌に限らず一般の本に適用可能である。本発明における「単位掲載物」とは、同一のテーマを構成するひとまとまりの掲載物を言うものであり、ひとまとまりとして認識される1つの記事、1つの広告、1つの章などを広く含むものである。
【0031】
こうして、広告一覧表作成手段30は、その時点までに入力された情報に基づいて、同一の広告に関する既入力情報を同一行に表示した広告一覧表3を作成することになる。また、この実施形態では、やはりノンブルが複数頁に渡る場合、頁数の情報を利用することにより先頭ノンブルのみを入力すれば、末尾ノンブルが自動入力される機能や、その逆の機能を付加しており、折丁名については、ノンブルの情報から折丁一覧表1を参照することにより自動入力される機能を付加してある。
【0032】
さて、こうして記事一覧表作成手段20により記事一覧表2が作成され、広告一覧表作成手段30によって広告一覧表3が作成されたら、台割表作成手段40によって、この記事一覧表2および広告一覧表3の情報を合成し、この雑誌を構成する各頁の掲載内容を表の形式で表現した台割表4が作成される。台割表4の骨格は、図3に示したとおりであり、各折丁単位で1行の表示がなされる(同一の折丁に属する頁についての矩形が同一の行に配置される)。台割表作成手段40が作成する台割表4は、この図3に示す台割表の各頁の欄に(すなわち、個々の頁に対応する矩形内に)当該頁の掲載内容を表示したものである。
【0033】
このようにして作成された台割表4の一例を図6に示す。この図6の台割表4は、図4に示す記事一覧表2と図5に示す広告一覧表3とに基づいて作成されたものであり、各頁の欄には、それぞれ単位掲載物名(記事名あるいは広告名)が表示されている。ただ、単独頁に掲載される内容については、当該掲載内容を、当該単独頁に対応した矩形内に表示するが(たとえば、3頁目や4頁目の広告参照)、連続した複数頁に掲載される内容については、当該掲載内容を、当該複数頁に対応した複数の矩形(ここでは、各頁に対応したこれらの矩形を単位矩形と呼ぶ)を合成して構成される合成矩形内に表示するようにしたある(たとえば、7〜9頁目の記事や、10〜11頁目の広告参照)。このように、個々の単位掲載物(1つの記事もしくは広告)を、1つの矩形に対応させることにより、記事もしくは広告単位での把握を容易に行うことができ、頁数の認識を直観的に行うことができる。また、この実施形態では、記事を掲載する矩形と広告を掲載する矩形とを、互いに異なる表示態様で表示するようにし、記事と広告とを視覚的に容易に認識できるようにしている。図6に示す例では、広告についての矩形内だけをハッチング表示し、両者の表示態様を変えている。もちろん、表示色を変えたり、表示輝度を変えたりする方法により、表示態様を変えてもかまわない。また、図5の広告一覧表3において広告名が空欄となっている広告については、図5の台割表4上では、広告が掲載されることを示す記号「AD(Advertisement の略)」のみを矩形内に表示させている。
【0034】
既に述べたように、本実施形態では、折丁一覧表1,記事一覧表2,広告一覧表3,台割表4をすべて、汎用の表計算ソフトウエアで作成しているため、記事一覧表2および広告一覧表3に基づいて、台割表4を作成する処理も、この表計算ソフトウエアの基本機能を利用して実現することができる。更に、本実施形態では、この表計算ソフトウエアを利用して、以下に述べるような付加機能を用意してある。
【0035】
まず、第1の付加機能は、ノンブルが重複した場合の警告機能である。台割表作成手段40は、記事一覧表2の情報と広告一覧表3の情報とを合成して台割表4を作成する機能を有しているが、何らかの入力ミスにより、記事一覧表2上の特定の記事に割り当てられたノンブルと、広告一覧表3上の特定の広告に割り当てられたノンブルとが重複した場合、正しい台割表4を作成することができなくなる。そこで、本実施形態に係る台割システムでは、台割表作成手段40が台割表4を作成する際に、ノンブルの重複割り当てが生じていた場合には、オペレータに警告メッセージを提示するようにしている。オペレータは、この警告メッセージに基づいて、ノンブルが重複設定されていることを認識することができ、必要な修正作業を行うことができる。本実施形態に係るシステムでは、警告メッセージとして、台割表上のノンブル表示欄のノンブルを示す数字を特定の強調色(他のノンブルとは異なる色)で表示するようにしている。たとえば、図6に示す例において、ノンブル「12」に広告が重複して割り当てられていた場合には、ノンブル「12」が強調色表示されることになる(この様な重複割り当てが生じた場合には、台割表上では、たとえば記事を優先表示するというように決めておけばよい)。
【0036】
もちろん、ノンブルを示す数字を特別なフォントで表示することにより警告メッセージを提示する等の方法も可能である。要するにオペレータに対して警告のメッセージが伝われば、どのような手法をとってもかまわない。
【0037】
ただ、記事や広告によっては、1頁に満たない部分記事あるいは部分広告というものが存在し、このような部分記事や部分広告を利用する場合には、ノンブルが重複設定されていても誤りではない。たとえば、1頁の上半分に部分記事を掲載し、下半分に部分広告を掲載する場合、記事一覧表2上の当該部分記事のノンブルと広告一覧表3上の当該部分広告のノンブルとが同一であっても誤りではない。そこで、本実施形態の台割システムでは、記事一覧表作成手段20に対して部分記事に関する情報を入力する際には、当該記事が部分記事である旨の情報を併せて入力するようにし、同様に、広告一覧表作成手段30に対して部分広告に関する情報を入力する際には、当該広告が部分広告である旨の情報を併せて入力するようにし、部分記事に割り当てられたノンブルと部分広告に割り当てられたノンブルとが重複する場合には、警告メッセージを出さないようにするような配慮も行っている。その記事が部分記事である旨の情報あるいはその広告が部分広告である旨の情報を入力するには、たとえば、頁数の欄に「0.5」とか「0」といった1未満の数値を入力すればよい。
【0038】
また、部分記事や部分広告の存在を、台割表上に明示する機能を付加してもよい。たとえば、図6に示す例において、ノンブル「12」に相当する頁の右1/3の領域に部分広告が割り当てられていたような場合、図6の台割表4のノンブル「12」に対応する内容表示欄の右1/3の領域に小矩形を表示して当該部分広告の存在を提示することができる。
【0039】
第2の付加機能は、ノンブルの変更機能である。本実施形態のシステムでは、記事一覧表作成手段20にノンブルの変更機能をもたせており、図4に示す記事一覧表2上において、特定の記事についてのノンブルを変更することができる。この変更作業の便宜を考慮して、記事一覧表2には現ノンブル欄と新ノンブル欄とが設けられていることは既に述べたとおりである。ここでは、この2つのノンブル欄を利用したノンブル変更作業の具体的な手法を述べる。図4に示す記事一覧表2において、現ノンブル欄に示されているノンブルは、その時点で設定されているノンブルである。オペレータが、このように既に設定されているノンブルに対して変更を行いたい場合は、新ノンブル欄に変更後のノンブルを入力すればよい。
【0040】
たとえば、記事「アジア人に聞く」と記事「連載小説」とをそっくり入れ替える場合の作業を考えてみよう。この場合、まず、図7に示すように、「アジア人に聞く」の行の新ノンブル欄に「35〜36」なる新ノンブルを入力し、「連載小説」の行の新ノンブル欄に「5〜6」なる新ノンブルを入力する。前述したように、新ノンブルを入力する際には、先頭ノンブルのみを入力すれば、末尾ノンブルは自動入力される。こうして、新ノンブルの入力がすべて完了したら、並び換え実行コマンドを入力する(たとえば、ディスプレイ画面上に「並び換え実行」ボタンを表示させて、このボタンをマウスなどでクリックする作業を行うようにすればよい)。すると、記事一覧表2の内容は、図8に示すように変更される。記事「アジア人に聞く」と記事「連載小説」とがそっくり入れ替わっていることがわかる。このとき、新ノンブル欄に入力したノンブルは、現ノンブル欄に移動しており、新ノンブルはいずれも空欄になっている。これは、新ノンブルによる並び換えが完了し、並び換え後のノンブルが現ノンブルになっていることを示している。
【0041】
結局、このような並び換え実行コマンドが与えられた場合、記事一覧表作成手段20は、新ノンブル欄に新ノンブルが入力されている行については当該新ノンブルを参照し、新ノンブル欄に新ノンブルが入力されていない行については現ノンブル欄に設定されている現ノンブルを参照して、ノンブル順に行の並び換えを行うとともに、新ノンブル欄に新ノンブルが入力されている行については当該新ノンブルを現ノンブル欄に移動して新ノンブル欄を空欄とする処理を行うことになる。このような手順でノンブル変更を行うと、図7に示すように、記事一覧表2上で新ノンブルと現ノンブルとを対比して確認することができるため、オペレータにとっての操作性が向上することになり、誤りのない確実なノンブル変更作業が期待できる。
【0042】
このようなノンブル変更を行った後に、台割表4を作成すると、図9に示すような台割表4が得られる。図9の台割表4と図6の台割表4と比較すると、記事「アジア人に聞く」と記事「連載小説」とがそっくり入れ替わっていることがわかる。もっとも、上の例では、2つの記事をそっくり入れ替える単純な作業を示したが、実際には、より複雑なノンブル変更作業が行われることも少なくない。このような複雑なノンブル変更作業を行う場合、同一ノンブルを重複設定してしまうミスが発生しやすくなる。そこで、本実施形態では、ノンブル順に行の並び換えを行う際に、参照すべきノンブル(新ノンブル欄に新ノンブルが入力されている行については当該新ノンブル、新ノンブル欄に新ノンブルが入力されていない行については現ノンブル欄に設定されている現ノンブル)が互いに重複しているのにもかかわらず、並び換え実行コマンドが与えられた場合には、並び換えを実行せずに、警告メッセージを出す機能を設けている。警告メッセージとしては、本実施形態では、記事/広告のノンブルが重複設定された場合と同様に、重複しているノンブルの数字を強調色表示するようにしている。オペレータは、この警告メッセージにより、新ノンブルの設定に誤りがあったことを認識することができるので、必要な修正を行った後、あらためて並び換え実行コマンドを与えればよい。
【0043】
また、ノンブル変更処理を、台割表4上でのいわゆるドラッグ&ドロップ操作により行うことができるようにしてもよい。たとえば、図6に示す台割表4上において、「5〜6」頁に割り当てられている「アジア人に聞く」なる記事名をマウスでクリックし、マウスボタンを押したまま、マウスを「35〜36」頁に割り当てられている「連載小説」の欄まで移動してマウスボタンを放すと、「アジア人に聞く」なる記事と「連載小説」なる記事とが、「35〜36」頁に重複して割り当てられるようにする(「連載小説」なる記事名と「アジア人に聞く」なる記事名とが同一欄内に表示されることになる)。このとき、「35〜36」なるノンブルの数字を強調色表示するようにし、重複設定が行われている旨が警告されるようにする。続いて、「連載小説」なる記事名をマウスでクリックし、マウスボタンを押したまま、マウスを「5〜6」頁の欄まで移動してマウスボタンを放すと、「連載小説」なる記事が、「5〜6」頁まで移動し、図9に示すような状態となるようにすればよい。
【0044】
なお、本実施形態では、新ノンブルに基づく並び換え機能を記事一覧表作成手段20に設け、記事一覧表2上での記事の並び換えが可能なようにしているが、必要があれば、広告一覧表作成手段30にも同様の機能を設け、広告一覧表3上での広告の並び換えが可能なようにしてもかまわない。
【0045】
また、記事一覧表2や広告一覧表3には、この他にも必要に応じて種々の欄を設けることができる。たとえば、図10に示す広告一覧表3には、担当者名および作業日程(この例では入稿日)を表示する欄を設けてある。この場合、個々の広告に関する担当者名および入稿日がわかった時点でこれらの情報を広告一覧表作成手段30に対して入力すれば、これらの情報が広告一覧表3内に表示されることになる。もちろん、記事一覧表2についても、記事一覧表作成手段20によって入力された担当者名および作業日程を表示する欄を設けてもよい。また、担当者名や作業日程を台割表4に表示するようにしてもよい。たとえば、図11に示す台割表4は、記事一覧表2に表示されている各記事ごとの担当者名を記事名とともに括弧書きで表示するようにした例である。
【0046】
なお、上述した図5に示す例では、ノンブル欄はすべて入力されているのに、広告名欄の一部が空欄になっているケースを示したが、逆に、広告名欄は入力されているが、ノンブル欄が空欄になっているケースも起こりうる。このようなケースに該当する広告一覧表3の一例を図12に示す。この例では、たとえば、「○○運輸」や「○○旅行」なる広告についてのノンブル欄は未入力状態であり、当然、折丁名も決まっていない。このような場合、「○○運輸」や「○○旅行」といった広告名は台割表上には表示されない。
【0047】
§2. 割付処理システム
続いて、本発明に係る雑誌の台割・割付システムの一部を構成する割付処理システムについて述べる。コンピュータを利用した割付処理システムは、たとえば、特開平3−37649号公報、特開平3−39745号公報、特開平3−75644号公報、特開平3−75645号公報、特開平3−75646号公報、特開平3−75647号公報などに開示されており、印刷会社などで実用に供せられている。従来から用いられているこれらの割付処理システムでは、ディスプレイ上に割付画面が表示され、この割付画面上で、オペレータが所望の割付対象物を所望の態様で割り付ける作業を行うことになる。具体的には、オペレータはマウスなどの入力機器を操作しながら、画像や文字など、個々の割付対象物の割付位置、割付角度(割り付けの向き)、割付倍率(拡大/縮小率)などを指定する操作を行うことになる。
【0048】
図13は、このような割付処理システムにおけるディスプレイ画面上に表示された割付画面の一例を示す図である。図示の例は、図6に示す台割表4の第18〜第19頁に掲載されるべき単位掲載物の内容(ヨーロッパ的生活環境なる記事)を示す割付画面であり、この単位掲載物に含まれる割付対象物、すなわち、文字列T1,T2および画像P1,P2,P3を所望の態様で割り付ける作業を行った後の状態が示されている。このような割付画面を得るためには、オペレータは、個々の割付対象物について、それぞれ所定の割付態様を指定する操作を行うことになる。たとえば画像P1,P2,P3については、所定の大きさの矩形を所定位置に、所定の向きに配置することにより、割付位置、割付角度、割付倍率の指定を行うことができる。また、文字列T1,T2については、配置位置を同様に指定するとともに、必要に応じて、書体、フォント、サイズなどの指定して、割り付けを行うことができる。
【0049】
図13に示すような割付画面を表示するためには、予め、各割付対象物をデジタルデータとして取り込んでおく必要がある。通常、画像に関しては、写真原稿などからスキャナ装置を用いて画像データが取り込まれる。製版に利用可能な高解像度スキャナで画像データを取り込むようにすれば、取り込んだ画像データをそのまま製版工程で利用することが可能になる。また、文字列に関しては、通常、テキスト形式で文字データが取り込まれる。図13に示す割付画面は、こうして取り込んだ画像データおよび文字データに基づいて表示がなされることになる。オペレータは、ディスプレイ上に表示された割付画面を見ながら、割付態様を適宜修正することができる。このようにしてオペレータが割付処理を行うと、この割付処理の結果を示す割付データ(どの割付対象物を、どのような態様で割り付けるかを示すデータ)が作成され、コンピュータ内に格納される。
【0050】
図14は、図13に示すような割付画面を表示するために必要なデータの一例を示す図である。ここで、文字データD(T1),D(T2)は、図13に示す文字列T1,T2に対応するデジタルデータであり、コンピュータ内にテキスト形式で取り込まれたデータである。また、画像データD(P1),D(P2),D(P3)は、図13に示す画像P1,P2,P3に対応するデジタルデータであり、スキャナによって画像データとして取り込まれたデータである。一方、割付データD(N18),D(N19)は、オペレータによる割付処理操作によって作成されたデータであり、たとえば、割付データD(N18)は、第18頁に割り付けられている画像P1および文字列T1について、それぞれ割付位置、割付角度、割付倍率などを示すデータである。結局、この割付処理システムによる割付処理作業は、ディスプレイ上に表示された割付画面を見ながら実際の割付態様を指定し、このような割付データを作成するための作業ということができる。
【0051】
なお、本発明に係る割付処理システムには、割付画面上に校正画面を重複して表示させ、この校正画面上に校正情報を書き込める機能が付加されている。図15は、この機能を説明する図である。同図(a) は割付画面を示し、同図(b) は校正画面を示し、同図(c) は、これら両画面を重複して表示させた重複画面を示す。割付画面と校正画面とは、いわゆる異なるレイヤーに属する画面として構成されている。オペレータは、ディスプレイ上に同図(a) に示すような割付画面を表示させた状態において、校正画面への書き込みを指示するコマンドを入力した後、マウスやタブレットなどを用いて、画面上に書き込み操作を行うと、同図(c) に示すように、校正のためのメッセージを書き加えることができる。この校正のためのメッセージRは、同図(b) に示すように、校正画面上に書き込まれるため、このメッセージRの書き込みにより割付画面それ自体が変化することはない。このような校正のためのメッセージを書き込むための機能は、特に、複数のオペレータによって作業を分担して行う場合に有効である。
【0052】
§3. 台割システムと割付処理システムとの連係機能
続いて、本発明の本旨となる、台割システムと割付処理システムとの連係機能について述べる。
【0053】
図16は、このような連係機能の基本概念を示す図である。本発明に係る雑誌の台割・割付システムは、§1で述べた台割システムと§2で述べた割付処理システムとの双方を備えたシステムである。ここで、台割システムも割付処理システムも、汎用のコンピュータハードウエアに専用のソフトウエアを組み込むことによって実現できるシステムであり、この双方のシステムを備えた雑誌の台割・割付システムは、実用上は、1台のコンピュータハードウエアによって構成することが可能である。すなわち、同一のコンピュータハードウエアに、台割システムとして機能させるプログラムと、割付処理システムとして機能させるプログラムとを組み込んでおき、これらのプログラムを切り替えて使用するようにすれば、このコンピュータハードウエアを、台割システムとして利用することもできるし、割付処理システムとして利用することもできる。
【0054】
本発明の目的は、台割作業と割付作業との連係を図ることにより、効率的な運用を可能にする点にある。そこで、本発明に係る雑誌の台割・割付システムでは、上述したように、台割システムと割付処理システムとを切り替えて使用できるように構成するとともに、以下に述べる方法により、両システム間の連係を可能にしている。
【0055】
まず、図16の上段に示すように、台割システムによって、ディスプレイ上に台割表が表示されている状態において、オペレータがこの台割表上の特定頁を指示する入力を行うと、割付処理システムへの切り替えが行われ、同一のディスプレイ上に、指示された特定頁についての割付画面が表示される機能が付加されている。たとえば、図示の例では、上段に示す台割表における第18頁に対応する欄内の点Q(第18頁に相当する単位矩形内の点)をマウスでクリックすると、台割システムとしての機能を果たすプログラムから、割付処理システムとしての機能を果たすプログラムへと切り替わり、図の下段に示すように、第18頁についての割付画面が表示されることになる。なお、雑誌の割り付け作業は、通常、見開き2頁分の全体のバランスを考慮しながら行われるため、この実施形態では、台割表上で指示された第18頁を含む見開き2頁(すなわち、この例の場合、第18頁と第19頁)についての割付画面が表示されるようにしている。
【0056】
一方、この図16の下段に示すように、割付処理システムによって、ディスプレイ上に割付画面が表示されている状態において、オペレータが台割表を表示させる旨のコマンド入力を行った場合は、台割システムへの切り替えが行われ、ディスプレイ上に台割表が表示される。台割表を表示させる旨のコマンド入力は、たとえば、図示されていないコマンドメニューをマウスでクリックすることにより行うことができる。
【0057】
このように、本発明に係る雑誌の台割・割付システムでは、台割システムと割付処理システムとの間に、双方向の連係操作が可能になるため、両システムを併用した効率的な作業を行うことが可能になる。すなわち、オペレータは、図16上段に示すような台割表を見ながら、雑誌全体の構成を把握し、必要に応じて修正を加えることができる。しかも、特定の頁の内容を確認したい場合には、当該頁の欄をマウスでクリックする操作を行うだけで、図16下段に示すような当該頁についての割付画面を表示させることができる。当該頁の確認が完了したら、再び、図16上段に示す台割表を表示させることもできる。また、図16の下段に示す表示は、割付処理システムの機能による割付画面の表示であるから、割付態様に対して修正を施す必要がある場合には、その場で、修正操作を加えることが可能になる。
【0058】
なお、§1で述べた台割システムには、付加機能としてノンブルの変更機能が備わっている。たとえば、図7に示すように、記事一覧表2上において、新ノンブル欄に新ノンブルを入力することにより、ノンブルの変更処理が行われることになる。このようなノンブルの変更が行われると、そのままでは、割付処理システム上でのノンブルとの整合性が失われることになる。そこで、本実施形態では、ノンブル変更があった場合には、その変更履歴をすべて残すようにし、特定頁(すなわち、特定ノンブル)を指定して割付処理システムへの切り替えを行う際には、このノンブル変更履歴を溯って最も古いノンブルを、割付処理システムへ引き渡すような処理を行うようにしている。
【0059】
たとえば、台割システムにおいて、図7に示すようなノンブル変更処理が行われた場合、新ノンブル35〜36は、旧ノンブル5〜6に対応し、新ノンブル5〜6は、旧ノンブル35〜36に対応する、という変更履歴がデータとして残されることになる。したがって、ノンブル変更後に、台割表上で第35頁が特定頁として指定され、割付処理システムへの切り替えが行われる場合、割付処理システムに対しては、旧ノンブルの第5頁という情報が引き渡されることになる。このような手法を採ることにより、両システム間でのノンブルに関する整合性が確保されることになる。
【0060】
既に、§2で述べたように、割付処理システムでは、取り込んだ文字データや画像データに基づいて、図13に示すような割付画面を表示することができる。ここで、画像データについては、高精度スキャナなどを用いて高解像度の取り込みを行っておけば、この画像データは製版工程においても利用可能である。ただ、実際の割付作業は、必ずしも、製版に利用可能な高精細な画像を表示させながら行う必要はなく、また、実際の文字を表示させながら行う必要もない。特に、本発明に係る雑誌の台割・割付システムを、一般のデザイナー事務所で利用するような場合、高精度スキャナなどを設置することは、コスト的に見合わない場合が多い。そこで、一般的な割付処理装置では、割付に必要な範囲で簡略化した割付画面を表示させながら、割付処理を行う機能が備わっている。図17には、このような簡略化した割付画面の一例を示す。
【0061】
ここでは、説明の便宜上、図13に示すように、画像については、製版に利用可能な高解像度で入力した画像データを用いて画像表示を行い、文字については、各文字を1文字ずつ認識可能な態様で表示を行った割付画面を「通常割付画面」と呼び、図17に示すように、割付に必要な範囲で簡略化した割付画面を「簡略割付画面」と呼ぶことにする。図17に示す簡略割付画面は、図13に示す通常割付画面と同等の割付内容を示すものであるが、画像P1〜P3の変わりに簡略画像PP1〜PP3が表示されており、文字列T1,T2の代わりに文字列配置線TT1,TT2(Z字状のシンボル)が表示されている。簡略画像PP1〜PP3は、画像P1〜P3の輪郭部分などをラフなスケッチとして示したものであり、デザイナーなどがフリーハンドで作成したスケッチを簡易スキャナで読み込んだデータに基づいて表示したものである。簡略画像PP1〜PP3上には、それぞれ画像を特定するためのコード「P1」〜「P3」が表示されている。文字列配置線TT1,TT2は、文字列T1,T2を構成する個々の文字の配置態様(配置位置および横書きか縦書きかの別)を示すものであって、個々の文字を認識することはできない。
【0062】
このように、簡略割付画面上に示された簡略画像PP1〜PP3や文字列配置線TT1は、各画像や文字の内容自身を正確に示すものではなく、位置指標を表示するものであるが、通常の割付処理を行う上では、これら位置指標を表示するだけで十分である。本発明に係る雑誌の台割・割付システムを構成する割付処理システムは、図13に示すような通常割付画面をディスプレイ上に表示する機能と、図17に示すような簡略割付画面をディスプレイ上に表示する機能とを有している。また、コンピュータに接続されたプリンタを用いて、図13に示すような通常割付画面を紙面上に出力する機能も有している。結局、本発明に係る割付処理システムは、割付画面を、ディスプレイ上への通常割付画面の表示という第1の形式による出力と、ディスプレイ上への簡略割付画面の表示という第2の形式による出力と、プリンタを用いた紙面上への通常割付画面の出力という3とおりの出力形式を有していることになる。
【0063】
このような3とおりの出力形式を、台割システムでも選択的に利用することができるようにするため、台割システムにおいて、第1のモード、第2のモード、第3のモードのいずれかのモードを指定できるようにし、図16上段に示すように、オペレータが台割表上の特定頁を指示する入力を行った際に、各モードに応じて、割付処理システム側での当該特定頁の出力形式が選択されるようにしている。図18の一点鎖線より上側半分は、台割システム側で設定されたモードを示し、一点鎖線より下側半分は、割付処理システム側での出力形式を示している。すなわち、台割システム側で第1のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、特定頁についての通常割付画面がディスプレイ上に表示される。また、台割システム側で第2のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、特定頁についての簡略割付画面がディスプレイ上に表示される。更に、台割システム側で第3のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、特定頁についての通常割付画面がプリンタにより紙面上に出力される。
【0064】
台割システム側でのモードは、たとえばコマンドメニュー上に3通りのモードを表示させ、マウスなどで所望のモードをクリックすることにより指定できるようにしておけばよい。予めモード指定を行っておけば、図16上段に示すように、特定頁を指示する点Qをクリックする操作を行うだけで、指定モードに応じた形式で、割付画面の出力が行われることになる。なお、第3のモードが指定されていた場合には、通常割付画面がプリンタによって紙面上に出力されることになるが、このとき、ディスプレイ上の表示は、台割表をそのまま表示させた状態にしてもよいし、通常割付画面を表示させた状態にしてもかまわない。
【0065】
§4. オンラインを利用した実施形態
本発明に係る雑誌の台割・割付システムは、一般の出版社あるいはこの出版社からの委託を受けたデザイン事務所内に設置し、出版社内の編集担当者やデザイン事務所内のデザイナー自身が操作するのに適している。通常、出版社では、記事に関する編集担当者と、広告に関する編集担当者とを別個におくことが多い。このような編集形態をとる出版社では、本発明に係るシステムにより極めて効率的な編集作業が可能になる。すなわち、記事に関する編集担当者は、記事一覧表作成手段20に対して必要な情報を入力し、記事一覧表2を作成する作業に専念することができ、広告に関する編集担当者は、広告一覧表作成手段30に対して必要な情報を入力し、広告一覧表3を作成する作業に専念することができる。そして、必要に応じて、台割表作成手段40を用いて台割表4を作成すれば、雑誌全体の台割構成を把握することが可能になる。また、各頁についての割付作業は、出版社からの委託を受けたデザイン事務所で行われることが多い。本発明に係る雑誌の台割・割付システムでは、台割システムと割付処理システムとを切り替えて利用することができるため、デザイン事務所では、出版社側で作成された台割表を参照しながら、実際の割付作業を行うことができる。
【0066】
このような利用形態を行う場合は、出版社側とデザイン事務所側とにそれぞれコンピュータハードウエアを設置し、各コンピュータハードウエアに本発明に係る雑誌の台割・割付システムとして機能するプログラムを組み込み、両ハードウエアをオンラインで接続して用いるようにすればよい。オンラインを介して、データを共用できるようにすれば、出版社とデザイン事務所とで並行して作業を進めてゆくことができる。
【0067】
また、本発明に係る雑誌の台割・割付システムは、印刷会社と出版社との双方で利用することも可能である。図19は、このような利用形態の一例を示すブロック図である。図示の例では、印刷会社側に第1のコンピュータハードウエア100が設置され、出版社側に第2のコンピュータハードウエア200が設置されている。これら両ハードウエアは、ネットワーク300によってオンライン接続されている。ここで、第1のコンピュータハードウエア100には、台割システム101として機能するプログラムと、割付処理システム102として機能するプログラムとが組み込まれており、第2のコンピュータハードウエア200には、台割システム201として機能するプログラムと、割付処理システム202として機能するプログラムとが組み込まれている。その結果、第1のコンピュータハードウエア100においても、第2のコンピュータハードウエア200においても、台割システムおよび割付処理システムを動作させることができる。また、第1のコンピュータハードウエアには、記憶装置150が接続されており、第2のコンピュータハードウエアには、記憶装置250が接続されている。図示の例では、記憶装置150,250の双方に、台割表の情報(台割システムで利用される情報)と、文字データ、画像データ、割付データなる各情報(割付処理システムで利用される情報)とが格納されている。
【0068】
ここで、いずれか一方のコンピュータハードウエアで作成された台割表や割付データは、他方のコンピュータハードウエアでも共通して利用できるような構成が採られており、また、いずれか一方のコンピュータハードウエアで台割表や割付データに対する修正が行われると、その修正が、他方のコンピュータハードウエアにも及ぶような構成が採られている。これは、記憶装置150,250のいずれか一方に格納されている情報に対する修正が行われた場合に、ネットワーク300を通じて、他方の記憶装置内に格納されている情報に対しても同等の修正が行われるような機能を付加しておけばよい。このような機能により、同一のデータを、双方のコンピュータハードウエアから共通して利用することが可能になる。
【0069】
もっとも、実用上は、必ずしも記憶装置150,250に同一の情報を格納する必要はなく、たとえば、第1のコンピュータハードウエア100をサーバーとして用い、記憶装置150をサーバーとなる記憶装置とすることもできる。この場合、双方のコンピュータハードウエア100,200によって共通利用される情報をサーバーとなる記憶装置150内に格納するようにし、第2のコンピュータハードウエア200は、ネットワーク300を介して、サーバーとなる記憶装置150内の情報を利用するような構成を採っておけばよい。たとえば、第2のコンピュータハードウエア200内に、ブラウザソフトウエアを用意しておき、このブラウザソウトウエアによって、サーバーとなる記憶装置150内のデータをアクセスすることができるようにすれば、記憶装置250内には、上述した種々の情報を格納する必要はなくなる。また、このブラウザソフトウエアによって、第1のコンピュータハードウエアに組み込まれた台割システム101や割付処理システムを、ネットワーク300を介して利用できるようにしておけば、第2のコンピュータハードウエアに、台割システム201や割付処理システム202を用意しておく必要もない。
【0070】
このように、出版社と印刷会社との双方に本発明に係る雑誌の台割・割付システムを設置し、双方のシステムをネットワーク300を介してオンライン接続しておけば、出版社と印刷会社との間のデータの受け渡し作業の効率を高めることができる。通常、台割表の作成や、各頁の割付作業は、出版社(もしくはその委託を受けたデザイン事務所)で行われることが多い。したがって、本発明に係る雑誌の台割・割付システムを用いた台割作業や割付作業は、主として出版社側で行われる作業になる。ただ、この作業の結果として得られる台割表や割付データは、印刷会社側のシステムでも利用できるため、印刷会社側の担当者も、台割表や割付処理結果を確認することができる。また、製版に利用可能な高解像度で画像データを入力することが可能な高解像度スキャナを出版社側に設置することは、コストや設置場所などの点で好ましくない。そこで、高解像度の画像データなどは、印刷会社側で入力し、印刷会社側の記憶装置にのみ格納しておくのが一般的である。このような場合でも、出版社側のシステムは、必要に応じて、ネットワーク300を介して、印刷会社側の高解像度画像データを利用することができる。また、§2で述べた割付処理装置は、校正画面を用いて校正のためのメッセージを書き込むことができるが、出版社側の担当者が書き込んだメッセージは、ネットワーク300を介して、印刷会社側の担当者にも伝わることになる。
【0071】
また、この図19に示すシステムでは、一方のコンピュータハードウエアにおいて、画像や文字などの割付対象物をデジタルデータとして入力し、これをネットワーク300を介して他方のコンピュータハードウエアに伝送することができるが、このとき、当該割付対象物を割り付けるべき特定頁に関する情報を付加して伝送することも容易にできる。たとえば、出版社側に設置された第2のコンピュータハードウエア200を用いて、特定頁に割り付けるべき文字列をデジタルデータとしてキーボードから入力した場合、この文字列のデジタルデータをネットワーク300を介して、印刷会社側に設置された第1のコンピュータハードウエア100へ伝送することが可能であるが、このとき、ディスプレイ上に台割表を表示させ、この台割表上の特定頁(当該文字列を割り付けるべき頁)をマウスでクリックする操作を行うことにより、この特定頁に関する情報を付加した伝送が行われるような機能を設けておけば、文字列のデータを受け取った印刷会社側では、当該文字列を割り付けるべき特定頁の情報を認識することができるので便利である。
【0072】
以上、本発明を図示する実施形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。特に、上述の実施形態では、雑誌を発行する場合の台割、割付処理を行う例を述べたが、本発明は、書籍、コミック、カタログ、教科書、マニュアル等の本にも広く適用可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上のとおり本発明に係る本の台割・割付システムによれば、台割作業と割付作業との連係を図ることにより、効率的な運用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る本の台割・割付システムの一部を構成する台割システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す台割システムにおける折丁一覧表作成手段10によって作成された折丁一覧表1の一例を示す図である。
【図3】図2に示す折丁一覧表1に基づいて得られる台割表を示す図である。
【図4】図1に示す台割システムにおける記事一覧表作成手段20によって作成された記事一覧表2の一例を示す図である。
【図5】図1に示す台割システムにおける広告一覧表作成手段30によって作成された広告一覧表3の一例を示す図である。
【図6】図1に示す台割システムにおける台割表作成手段40によって、図4に示す記事一覧表2および図5に示す広告一覧表3に基づいて作成された台割表4の一例を示す図である。
【図7】記事一覧表2上でのノンブルの変更作業の手順を示す図である。
【図8】図7に示すノンブルの変更作業後に得られる記事一覧表2を示す図である。
【図9】図8に示す記事一覧表2と図5に示す広告一覧表3とに基づいて作成された台割表4を示す図である。
【図10】担当者および入稿日の欄を付加した広告一覧表3の一例を示す図である。
【図11】担当者名を記事名とともに表示した台割表4の一例を示す図である。
【図12】ノンブル欄が未入力状態の広告一覧表の一例を示す図である。
【図13】本発明に係る本の台割・割付システムの一部を構成する割付処理システムにおけるディスプレイ画面上に表示された割付画面の一例を示す図である。
【図14】図13に示す割付画面を表示するために必要なデータの一例を示す図である。
【図15】本発明に係る本の台割・割付システムの一部を構成する割付処理システムにおける校正のためのメッセージの書き込み機能を説明する図である。
【図16】本発明に係る本の台割・割付システムにおいて、台割システムと割付処理システムとの連係機能の基本概念を示す図である。
【図17】本発明に係る本の台割・割付システムの一部を構成する割付処理システムによって表示された簡略割付画面の一例を示す図である。
【図18】本発明に係る本の台割・割付システムにおける台割システム上でのモードと、割付処理システム上での出力形式の対応関係を示すブロック図である。
【図19】本発明に係る本の台割・割付システムを、印刷会社と出版社とで利用する利用形態の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:折丁一覧表
2:記事一覧表
3:広告一覧表
4:台割表
10:折丁一覧表作成手段
20:記事一覧表作成手段
30:広告一覧表作成手段
40:台割表作成手段
100:第1のコンピュータハードウエア
101:台割システム
102:割付処理システム
150:記憶装置
200:第1のコンピュータハードウエア
201:台割システム
202:割付処理システム
250:記憶装置
300:ネットワーク
D(N18),D(N19):割付データ
D(P1)〜D(P3):画像データ
D(T1),D(T2):文字データ
P1〜P3:画像
PP1〜PP3:簡略画像
Q:マウスによる指定点
R:校正のためのメッセージ
T1,T2:文字列
TT1,TT2:文字列配置線
Claims (10)
- 同一のテーマを構成する単位掲載物を、それぞれ所定頁に割り当てる台割処理と、各頁ごとに、割り当てられた単位掲載物に含まれる文字や画像などの割付対象物を、それぞれ所定の態様で割り付ける割付処理と、を行う機能を有するコンピュータハードウエアであって、
各単位掲載物のそれぞれについて、少なくとも単位掲載物名およびノンブルの情報を入力する機能を有し、この入力した情報に基づいて、各頁ごとに掲載される単位掲載物名を表の形式で表現した台割表を作成してこれをディスプレイ上に表示する台割システムと、
各単位掲載物に含まれる割付対象物を各頁に割り付けた状態を示す割付画面を表示しながら、オペレータの指示に基づいて、各頁に所定の割付対象物を所定の態様で割り付ける割付処理を行い、各頁についての割付処理の結果を示す割付データを作成する割付処理システムと、
を備え、
前記台割システムと前記割付処理システムとを切り替えて使用できるように構成され、前記台割システムによって、ディスプレイ上に台割表が表示されている状態において、オペレータがこの台割表上の特定頁を指示する入力を行った場合に、前記割付処理システムへの切り替えが行われ、前記ディスプレイ上に、前記特定頁についての割付画面が表示されるように動作する2台のコンピュータハードウエアを、
互いに異なる場所に設置するとともに、これら両ハードウエアを接続手段によりオンライン接続し、前記2台のコンピュータハードウエアを構成する第1のコンピュータハードウエアおよび第2のコンピュータハードウエアの双方において、前記台割システムおよび前記割付処理システムを動作できるように構成し、いずれか一方のコンピュータハードウエアで作成された台割表およびいずれか一方のコンピュータハードウエアで作成された割付データを、他方のコンピュータハードウエアでも共通して利用できるようにし、
前記第1のコンピュータハードウエアを操作する第1の操作者が、前記第1のコンピュータハードウエアに対して、割付対象物を構成するデジタルデータを入力し、台割表上で当該割付対象物を割り付けるべき特定頁を指示する作業を行った場合に、前記デジタルデータとともに前記特定頁を示す情報が、前記接続手段を介して前記第2のコンピュータハードウエアに伝達されるようにし、前記第2のコンピュータハードウエアを操作する第2の操作者が、伝達されてきた前記デジタルデータが前記特定頁に割り付けられるべきデジタルデータであることを認識して割付処理を行うことができるようにし、
前記割付処理システムが、前記割付画面とは異なるレイヤーに属する校正画面を用意し、オペレータから「前記校正画面への書き込みを指示するコマンド入力」および「校正メッセージの書込操作入力」が与えられた場合に、前記校正メッセージを前記校正画面に書き込む処理を行い、前記割付画面と前記校正画面とを重複して表示させる機能を有することを特徴とする本の台割・割付システム。 - 請求項1に記載の本の台割・割付システムにおいて、
割付処理システムによって、ディスプレイ上に割付画面が表示されている状態において、オペレータが台割表を表示させる旨のコマンド入力を行った場合に、台割システムへの切り替えが行われ、前記ディスプレイ上に台割表が表示されるようにしたことを特徴とする本の台割・割付システム。 - 請求項1または2に記載の本の台割・割付システムにおいて、
割付処理システムが、各単位掲載物に含まれる割付対象物を、製版に利用可能なデジタルデータとして入力する機能を有し、この入力したデジタルデータを用いて各割付対象物の内容を表示した通常割付画面と、前記デジタルデータを用いずに各割付対象物の位置指標を表示した簡略割付画面と、を選択的に表示する機能を有することを特徴とする本の台割・割付システム。 - 請求項3に記載の本の台割・割付システムにおいて、
割付処理システムが、通常割付画面および簡略割付画面を選択的にディスプレイ上に表示する機能を有するとともに、通常割付画面をプリンタにより紙面上に出力する機能を有することを特徴とする本の台割・割付システム。 - 請求項4に記載の本の台割・割付システムにおいて、
台割システムにおいて、第1のモード、第2のモード、第3のモードのいずれかのモードを指定できるようにし、
オペレータが台割表上の特定頁を指示する入力を行った際に、前記第1のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、前記特定頁についての通常割付画面がディスプレイ上に表示され、前記第2のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、前記特定頁についての簡略割付画面がディスプレイ上に表示され、前記第3のモードが指定されていた場合には、割付処理システムによって、前記特定頁についての通常割付画面がプリンタにより紙面上に出力されるようにしたことを特徴とする本の台割・割付システム。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の本の台割・割付システムにおいて、
台割システムが、1頁を1つの矩形に対応させ、同一の折丁に属する頁についての矩形を同一の行に配置することにより台割表を作成し、単独頁に掲載される単位掲載物については、その掲載内容を、当該単独頁に対応した矩形内に表示し、連続した複数頁に掲載される単位掲載物については、その掲載内容を、当該複数頁に対応した複数の矩形を合成して構成される合成矩形内に表示するようにし、個々の矩形内の1点を指示する入力により、特定頁の指示を行えるようにしたことを特徴とする本の台割・割付システム。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の本の台割・割付システムにおいて、
第1のコンピュータハードウエアおよび第2のコンピュータハードウエアに、それぞれ独立した記憶装置を用意し、一方の記憶装置内に格納されている情報に対する修正が行われた場合に、他方の記憶装置内に格納されている情報に対しても同等の修正が行われるようにすることにより、双方のコンピュータハードウエアからの共通利用を可能にしたことを特徴とする本の台割・割付システム。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の本の台割・割付システムにおいて、
第1のコンピュータハードウエアに、サーバーとなる記憶装置を用意し、双方のコンピュータハードウエアによって共通利用される情報を前記サーバーとなる記憶装置内に格納するようにし、第2のコンピュータハードウエアは、オンライン接続を介して、前記サーバーとなる記憶装置内の情報を利用するようにしたことを特徴とする本の台割・割付システム。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の本の台割・割付システムにおいて、
一方のコンピュータハードウエアによって、割付対象物を構成するデジタルデータを入力する作業を行うとともに、台割表上で当該割付対象物を割り付けるべき特定頁を指示する入力を行うことにより、前記デジタルデータとともに前記特定頁に関する情報を、接続手段を介して他方のコンピュータハードウエアに伝達させる機能を有することを特徴とする本の台割・割付システム。 - コンピュータを、請求項1〜9のいずれかに記載の本の台割・割付システムとして動作させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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