JP3789701B2 - 携帯機器用音響部品の組込み構造 - Google Patents

携帯機器用音響部品の組込み構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話機、携帯無線機、携帯ラジオ、携帯テレビ等のように、レシーバやスピーカもしくはマイクロホン等の音響部品を備えた携帯機器において、筐体に対する音響部品の組込み手段を改良した携帯機器用音響部品の組込み構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の携帯機器は頓に小型・軽量化の傾向にあり、その小型・軽量化を意図して音響部品の組込みに際しては、狭小な実装スペースで良好な音響特性を発揮し、且つ製品間の音響特性のばらつきを抑えて、音響部品が精度よく確実に実装された固定構造とすること、また、音響部品の組込み精度を確保した上で、その組込み作業性を向上させること、さらには、万一の故障時に部品単体の交換が可能であることなど、高いメンテナンス性を確保することが強く要望されている。
【0003】
そこで、音響部品を携帯機器の筐体に組込み固定する際には、音響部品の前後に良好な音響特性を得るための気室を設けると共に、特に気室間の密閉性を確保する必要がある。その密閉性を確保できないと、音響部品前後の気室間に気流の漏れが生じるため、例えば、レシーバやスピーカなどの組込み状態では、出力音圧の低下、低域周波数特性の劣化等が生じ、また、マイクロホンの組込み状態では、周波数特性や指向性が変化するなど、所望の音響特性を得ることができないという問題が生じる。
【0004】
また、前記音響部品の組込み固定時には、音響部品の固定精度および固定強度を十分に確保する必要があり、これを満足できないと、製品間での音響特性のばらつきが大きくなったり、あるいは、音響部品自体に生じる振動に起因した径年変化で音響部品の固定部分が緩むなど、異音発生等の弊害が生じる結果となる。
【0005】
その弊害対策として、音響部品を携帯機器の前面筐体の内面に対して、固定用付属部品と共にネジ止めしたり、あるいは直に接着し、その音響部品を回路基盤上の音声・音響信号の入出力端子にリード線等で電気的に接続した携帯機器用音響部品の組込み構造は一般的なものとして知られるところである。
【0006】
かかる一般的な携帯機器用音響部品の組込み構造は、音響部品の固定精度および固定強度を確保することのみを主眼として実施されたもので、音響部品固定用の部品点数が多く、且つ電気配線用リード線の取り回し等が生じ、音響部品の組込み作業性が極めて悪いという問題点があった。
【0007】
そこで、上記問題点を解消する目的で発明された従来の携帯機器用音響部品の組込み構造として、例えば、特開平10−178285号公報および特開平10−42383号公報に開示されたものがある。
【0008】
図22は特開平10−178285号公報に開示された第1従来例に係る携帯機器用音響部品の組込み構造を示す分解斜視図、図23は図22の音響部品組込み状態を示す拡大断面図である。
図において、1は携帯機器の前面筐体、1aは前面筐体1の裏面に形成された環状リブ、1bはその環状リブ1a内にて前面筐体1に開口した放音孔、2は上記前面筐体1内に組込みセットする回路基板であり、この回路基板2は係合穴3およびレシーバ位置決め用の位置決め突起部4を有している。5は携帯機器の音響部品であるレシーバ、6はそのレシーバ5を嵌め込み収納するゴムホルダ、7はゴムホルダ6を介して上記レシーバ5を保持するレシーバ固定用のホルダ(以下、固定ホルダという)であり、この固定ホルダ7には、上記係合穴3に挿入係合させるための脚状係合爪8が設けられている。
【0009】
次に、レシーバ5の組込みについて説明する。
まず、レシーバ5をゴムホルダ6に嵌め込み収納した後、そのゴムホルダ6を固定ホルダ7内に挿入固定することにより、レシーバ5とゴムホルダ6と固定ホルダ7を一体的にユニット化する。次いで、固定ホルダ7の脚状係合爪8を回路基板2の係合穴3に挿入して弾性係合させることによりレシーバ5を回路基板2に実装し、その回路基板2を前面筐体1の内面に固定することでレシーバ5を前面筐体1の内面にゴムホルダ6を介して圧接保持させたレシーバ組込み構造としている。
【0010】
以上説明した第1従来例の携帯機器用音響部品の組込み構造によれば、レシーバ5がゴムホルダ6を介して嵌め込みセットされた固定ホルダ7を回路基板2に実装する際、回路基板2上の位置決め突起部4によって回路基板2に対する固定ホルダ7の位置決めが行えること、前面筐体1に対する回路基板2の固定位置に若干の誤差が生じた場合でも、前面筐体1内面の環状リブ1aがゴムホルダ6に食い込むことで上記誤差による音響特性のばらつきをなくし、安定した音響特性が得られること、ネジ等の締結部品を必要とせずに部品点数および組込み工数の削減が可能であること、などの効果が得られるというものである。
【0011】
図24は特開平10−42383号公報に開示された第2従来例に係る携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図であり、図22および図23と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図24において、9はゴム系材料で一体形成された弾性ホルダであり、この弾性ホルダ9はスピーカホルダ部10と表示部ホルダ部11とからなり、前記スピーカホルダ部10における前面筐体1への当接面側に環状凸部10aを設けた構造としている。
【0012】
すなわち、この第2従来例では、音響部品であるスピーカ5を弾性ホルダ9のスピーカホルダ部10に嵌め込み保持させ、その弾性ホルダ9を回路基板2上に組付け固定することにより、回路基板2と弾性ホルダ9とスピーカ5を予めユニット化し、そのユニットを前面筐体1の内面に圧接させてスピーカホルダ部10の環状凸部10aを前面筐体1の内面に密着させるようにしたものである。
【0013】
このような第2従来例によれば、スピーカホルダ部10の環状凸部10aによって音漏れを防止でき、且つ、回路基板2の固定位置に若干の誤差が生じてもそれを吸収でき、この結果、音響特性が安定したスピーカ5の組込みが可能で、且つ、部品点数の削減が図れるというものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の携帯機器用音響部品の組込み構造は以上のように構成されているので、ネジ止め等の締結部品を必要としないことにより部品点数の削減が図れるという反面、以下に述べるような幾多の課題があった。
(1)携帯機器の前面筐体1に音響部品(レシーバまたはスピーカ)5を組み込む際に、第1従来例の場合は、回路基板2にゴムホルダ6と固定ホルダ7を介してレシーバ5を予め組付けユニット化しておき、また、第2従来例の場合にあっても、回路基板2に弾性ホルダ9を介してスピーカ5を予め組み付けユニット化しておく必要があり、従って、第1、第2従来例のいずれの場合も音響部品5を前面筐体1に直接組込むことができず、このため、組込み工数が増えて生産性が低下する可能性が高いという課題がある。
(2)また、上述のように予め回路基板2にユニット化された音響部品5は、前面筐体1と回路基板2とを突き合わせ固定することで前面筐体1の内面側に押し付け固定されるが、上記突き合わせ固定時の音響部品5は前面筐体1の裏側に隠れるため、前面筐体1の内面に対する音響部品5の固定位置を目視で確認することが極めて困難であり、このため、上記突き合わせ固定時に音響部品5が回路基板2上の他の実装部品と干渉したり、前面筐体1に対する正規の固定位置から位置ずれしたまま固定される恐れがあり、さらには、上記突き合わせ固定後に前面筐体1の内面に対する音響部品5の圧接状態を直接目視できないため、音響部品5が正常に固定されたか否かの確認が容易でないという課題がある。
(3)従って、音響部品5の組込みに際しては、前面筐体1に対する音響部品5の圧接状態、特に圧接位置のずれを常に考慮しつつ、回路基板2と、これに実装されて音響部品5の周囲で密集する他の電子部品等が、前面筐体1内部の正常な固定位置に納まるまでの間、それらの全てが干渉しないような対策を考慮しなければならず、その対策として筐体内の部品配置を改善することも考えられるが、筐体内部品の高集積化が要求される小型・軽量化を前提とした携帯機器にあっては、各部品間の相対距離を可及的に近接せざるを得ないため、音響部品5の組込み作業性の面から部品配置を調整することは多くの労力を要するなど、幾多の問題点が生じるという課題がある。
(4)回路基板2は、音響部品5とゴムホルダ6および固定ホルダ7もしくは弾性ホルダ9を搭載可能な面積が必要で、且つ、その搭載に耐え得る剛性あるいは弾力性を持たせる必要があり、そのためには、回路基板2の材料として高弾性素材を用いることも考えられるが、高弾性素材は一般に体積密度が高いことから、小型・軽量化に対応し難く、音響部品設計上の自由度が狭められるという課題があった。
(5)また、音響部品5は比較的大きな部品であり、その音響部品5を回路基板2側に組付けたのでは、回路基板2の面積縮小化の妨げになるという課題があった。
【0015】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、携帯機器の筐体内部に対し回路基板に関係なく音響部品を簡単、且つ正確に直接組込むことができ、組込み作業性の向上が図れる携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0016】
また、この発明は、音響部品の押圧挿入するだけの簡単な操作で、音響部品を筐体内部の所定位置に確実、且つ堅固に固定することができる携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0017】
さらに、この発明は、音響部品の筐体内部への組込み固定時に音響部品の後部気室が形成されることにより、その後部気室の容積・通気量等を自由に設定可能で、音響部品の出力特性を調整するための設計自由度を増すことが可能な携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0018】
さらに、この発明は、音響部品の押圧挿入位置で音響部品を固定する機能によって、音響部品側電気接点と筐体側電気接点とを一層確実に接続させることが可能な携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0019】
さらに、この発明は、音響部品を挿入するための部品嵌合部を筐体とは別部品とし、その部品嵌合部を筐体に着脱可能に組付けることにより、音響部品の組込み作業性を向上させることが可能な携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0020】
さらに、この発明は、筐体とは別部材で形成された部品嵌合部を、筐体内面との間でクッション部材を圧縮する位置にて筐体内面に確実に組付け固定することができる携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0021】
さらに、この発明は、筐体の表面側から音響部品の挿入固定乃至交換を行うことができ、メンテナンス性が向上し、且つ設計自由度を高めることが可能な携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0022】
さらに、この発明は、音響部品の押圧挿入時に該音響部品を電気接点の接続位置に確実に誘導することができ、音響部品挿入方向のばらつきに起因した電気接点の接続不良を解消することができる携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0023】
さらに、この発明は、筐体内部における音響部品挿入個所の近傍に回路基板やその他のパーツ等が存在する場合でも、音響部品を筐体内部の所定位置に容易に挿入固定することが可能な携帯機器用音響部品の組込み構造を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造は、携帯機器の筐体と、この筐体内に組込む音響部品とを備えた携帯機器用音響部品の組込み構造において、上記筐体の内面に設けられ、上記音響部品を挿入する部品嵌合部と、この部品嵌合部に設けられた筐体側電気接点と、上記筐体の内面に設けられ、且つ、上記筐体側電気接点に接続された電気配線構造部と、上記部品嵌合部内に挿入されて上記筐体の内面と上記音響部品との間に配置され、その筐体内面と音響部品との間で前部気室を形成するクッション部材と、上記音響部品に設けられ、該音響部品の上記部品嵌合部内への挿入位置で上記筐体側電気接点に対して接離可能に接続される音響部品側電気接点と、上記部品嵌合部内に押圧挿入された音響部品を上記クッション部材の圧縮位置で固定するロック手段とを備えたものである。
【0025】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造は、部品嵌合部が筐体内面に一体形成されたスリーブからなり、そのスリーブ内に押圧挿入されてクッション部材を圧縮した状態の音響部品に係脱可能に係合して該音響部品を所定位置に固定するための係合爪をロック手段として有しているものである。
【0026】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造の部品嵌合部は、この内部に挿入された音響部品との間で後部気室を形成する蓋を備えているものである。
【0027】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造は、部品嵌合部内に挿入された音響部品を固定するための係合爪が、部品嵌合部の内部に挿入された音響部品に設けられている音響部品側電気接点と電気的に接続する筐体側電気接点を兼ねているものである。
【0028】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造の部品嵌合部は、筐体とは別部材のスリーブからなって筐体内面に着脱可能に組付けられているものである。
【0029】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造のスリーブおよび筐体は、前記スリーブ内に挿入された音響部品がクッション部材を前記筐体内面との間で圧縮する位置にて相互が係脱可能に係合する係合爪を一体に有しているものである。
【0030】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造は、部品嵌合部が、筐体内面に一体形成されて筐体表面に開口する断面凹状のスリーブからなり、このスリーブ内に挿入された音響部品との間でクッション部材を圧縮する蓋が上記スリーブの開口端に着脱可能に取付け固定されるようになっているものである。
【0031】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造は、音響部品と部品嵌合部の一方にキーが、且つ、他方にはそのキーを摺動可能に係合させるキー溝がそれぞれ設けられ、上記部品嵌合部に対する音響部品の挿入時における上記キーと上記キー溝との係合により音響部品側電気接点と筐体側電気接点とが接続する方向に上記音響部品を誘導するようになっているものである。
【0032】
この発明に係る携帯機器用音響部品の組込み構造は、部品嵌合部が、筐体内面に一体形成されて音響部品の外周を部分的に当接させる当接面以外が筐体内部で開放された音響部品取付壁からなり、その音響部品取付壁に開閉回動可能に軸支され、音響部品が備えるクッション部材を圧縮可能な押え蓋と、この押え蓋に設けられた蓋側係合爪と、上記筐体に内面に設けられて上記押え蓋の閉じ位置で上記蓋側係合爪を係脱可能に係合させる筐体側係合爪とを有しているものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す分解斜視図、図2は図1の要部拡大斜視図、図3は図1の組込み状態を示す断面図であり、図22から図24と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図1から図3において、5aはレシーバ(音響部品)5の外周面に一体突設されたキー、12はレシーバ5の外周面に設けられた音響部品側電気接点、13は前面筐体1の内面に設けられた環状の部品嵌合部であり、この部品嵌合部13は、後述するクッション部材14およびレシーバ5を挿入するもので、前面筐体1の内面に一体成形されたスリーブ、または、別途成形されて前面筐体1の内面に接着固定されたスリーブからなり、その周壁内面に軸方向へ沿って形成されたキー溝13aを有している。
【0034】
14は上記部品嵌合部13内に挿入されて前面筐体1の内面とレシーバ5との間に介在させるクッション部材であって、弾性変形可能な発泡ゴム等のように弾性を有するリング部材からなっている。かかるクッション部材14は、部品嵌合部13の内周面に密着可能な外径で、且つ、内径および厚みが、部品嵌合部13内におけるレシーバ5の固定位置でのクッション部材14の圧縮条件で所定の気室容積となるようなサイズに形成されている。図3において、14aはレシーバ5の前部気室であって、部品嵌合部13内に挿入固定されたレシーバ5と前面筐体1内面との間に介在する上記クッション部材14によって形成され、その前部気室14aは放音孔1bを介して外部に開放されている。
【0035】
15は部品嵌合部13の周壁部に一体形成されて該部品嵌合部13の内径方向に突出する複数の係合爪であり、この係合爪15は、上記部品嵌合部13内にクッション部材14およびレシーバ5を挿入し易くするためのテーパ面15aを有している。かかる係合爪15は、上記部品嵌合部13内へのレシーバ5の押圧挿入時に部品嵌合部13の拡径方向に弾性変形し、且つ、レシーバ5の挿入完了時に弾性復元してレシーバ5に係合することにより、部品嵌合部13の内面にクッション部材14を介してレシーバ5を押圧固定するロック手段となるものである。
【0036】
ここで、上記係合爪15の設定位置は、部品嵌合部13内でレシーバ5によって圧縮されたクッション部材14の弾発力およびそのクッション部材14によって前面筐体1の内面とレシーバ5との間に形成される気室の容積を予め勘案して設定されるものである。なお、上記係合爪15は、図1から図3において、部品嵌合部13の周壁部に2個所のみ配置する構成として図示したが、その数は2個所以上であればよい。
【0037】
16は部品嵌合部13の周壁部に設けられた筐体側電気接点であり、部品嵌合部13内におけるレシーバ5の固定位置で音響部品側電気接点12を電気的に接続させるものである。ここで、音響部品側電気接点12および筐体側電気接点16はいずれも金属板等で形成されるが、特に筐体側電気接点16は、音響部品側電気接点12を圧接させる方向の弾性を有しているものである。また、上記筐体側電気接点16は、部品嵌合部13の周壁部を貫通して外部での電気的接続が可能な構造となっており、このような構造は、例えば、部品嵌合部13を熱可塑性樹脂材料で射出成形する際に、金属製端子板を所定位置に封入固定することで容易に実現できる。
【0038】
17は前面筐体1の内面に一体的に設けられた筐体側電気コネクタ、18はその筐体側電気コネクタ17と筐体側電気接点16とを電気的に接続している電気配線であり、この電気配線18は、例えば前面筐体1の内面に貼付された銅箔回路パターンからなるものである。19は回路基板2上に一体的に設けられた基板側電気コネクタであり、この基板側電気コネクタ19は、前面筐体1に対する回路基板2の適正固定位置で筐体側電気コネクタ17と機構的に係合する位置に配置されている。また、筐体側電気コネクタ17と基板側電気コネクタ19は、両者の機構的係合によって電気的接続が可能となっており、さらに基板側電気コネクタ19は回路基板2の音声・音響出力回路(図示せず)に電気的に接続されているものである。なお、上記電気配線18は、銅箔の貼付パターンに限らず、その他のリード線やフレキシブル回路基板等であってもよく、要するにスリーブ側電気接点16と筐体側電気コネクタ17とを電気的に接続できるものであればよい。
【0039】
20は前面筐体1の内面に一体突設されたボスネジ部、21は回路基板2に設けられたネジ挿通孔、22はそのネジ挿通孔21を介して上記ボスネジ部20に螺合する止めネジである。
【0040】
次に、音響部品であるレシーバ5の組込みについて説明する。
まず、前面筐体1の部品嵌合部13内にクッション部材14を挿入した後、レシーバ5のキー5aを部品嵌合部13のキー溝13aに合わせながら、レシーバ5を係合爪15のテーパ面15aに沿わせて部品嵌合部13内に押圧挿入する。その挿入時過程では、少なくとも2個所の係合爪15がレシーバ5で押し広げられ、レシーバ5が上記係合爪15間を通過した時点で該係合爪15が弾性復元してレシーバ5に係合する。これによって、レシーバ5はクッション部材14を圧縮した状態で部品嵌合部13内に確実に固定保持される。次いで、筐体側電気コネクタ17と基板側電気コネクタ19とを係合させ、それを確認しながら回路基板2を前面筐体1に止めネジ22で締付け固定することによって、レシーバ5の組込みが完了する。
【0041】
以上説明した実施の形態1によれば、携帯機器の前面筐体1の内面に設けられたスリーブ状の部品嵌合部13に弾性変形可能な係合爪15を一体形成し、部品嵌合部13内にクッション部材14およびレシーバ5を順次挿入して該レシーバ5で上記クッション部材14を押圧圧縮させ、その押圧圧縮位置のレシーバ5に係合爪15を弾性復元力で係合させるように構成したので、クッション部材14が挿入された部品嵌合部13内にレシーバ5を押圧挿入するだけで、前面筐体1にレシーバ5を直接組込むことができ、このため、その組込みを回路基板2に関係なく容易に行うことができるという効果がある。そして、上記レシーバ5の組込み固定状態では、上述のように圧縮されたクッション部材14の弾発力によって、前面筐体1とクッション部材14の相互、およびクッション部材14とレシーバ5との相互が密着するため、上述のようなレシーバ5の押圧挿入だけで、レシーバ5の気室容積およびレシーバ5の押し付け力を正確に設定することが可能となり、従来例のように、回路基板2を保持しつつレシーバ5を間接的に組込む場合に比して、その組込みを手際よく容易、且つ正確に行うことができ、組込み作業性が向上するという効果がある。
【0042】
また、上記実施の形態1によれば、レシーバ5の外周にキー5aを設け、且つ部品嵌合部13の周壁部内面には上記キー5aを摺動自在に係合させるためのキー溝13aを設けるように構成したので、レシーバ5の組込み時に上記キー5aが上記キー溝13aに係合して摺動することにより、音響部品側電気接点12が筐体側電気接点16に接触する方向へレシーバ5を確実に誘導することができ、このため、レシーバ5の押圧挿入時において、レシーバ5の挿入方向のばらつきに起因した上記電気接点12,16相互の接続不良を解消することができるという効果がある。
【0043】
さらに、上記実施の形態1によれば、部品嵌合部13内に対するレシーバ5の押圧挿入および該挿入後の係合爪15によるロック固定時に音響部品側電気接点12と筐体側電気接点16とが接続し、且つ、前面筐体1に回路基板2をネジ止め固定することでコネクタ17,19の相互が接続するので、前面筐体1に対する回路基板2の取付け固定時にレシーバ5の固定位置を一切調整する必要がなく、このため、レシーバ5組込み時の部品取り回しについての不安定要因を排除することができ、組込み作業性が向上するという効果がある。また、レシーバ5の固定部となる部品嵌合部13と回路基板2とが独立し、且つ、回路基板2は部品嵌合部13を覆っていないので、万一の故障時に、レシーバ5または回路基板2の単品交換が可能となり、メンテナンスの点でも優れた効果がある。さらには、回路基板2にレシーバ5を組込む必要がないので、回路基板2の実装面積を小さく抑えることが可能となり、この結果、携帯機器の小型・軽量化に大きく寄与できるという効果がある。
【0044】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図であり、図1から図3と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図4において、17aは部品嵌合部13の周壁部に組込まれたコンタクト接点であり、このコンタクト接点17aは筐体側電気接点16に電気的に接続されている。19aは部品嵌合部13の周壁部に摺動可能に組込まれた可動接点であり、この可動接点19aは導電性の可動ピンからなって、上記コンタクト接点17aに対し常時電気的に接続されているものである。19bは上記可動接点19aを付勢するスプリングであり、このスプリング19bの付勢力によって、上記可動接点19aは、前面筐体1に取り付けられた回路基板2の回路パターンの接点ランド(図示せず)に当接して電気的に接続されるものである。
【0045】
すなわち、この実施の形態2では、上記実施の形態1の筐体側電気コネクタ17および基板側電気コネクタ19に代わる可動接点構造(コンタクト接点17a、可動接点19a、スプリング19b)を部品嵌合部13の周壁部に組込んだ構成としたものである。
【0046】
このように構成された実施の形態2によれば、上記実施の形態1における回路基板2上の貼り付け銅箔パターンからなる電気配線18を排除でき、従って、その電気配線による筐体側コネクタ17と筐体側電気接点16との電気的接続を行う必要がなく、より簡易な構造でレシーバ5の組込みが可能になるという効果がある。
【0047】
なお、上記実施の形態2における可動接点19aは、筐体側電気接点16に電気的に接続され、前面筐体1に取り付けられた回路基板2の接点ランドに圧接させる板バネ接点に代替してもよく、この場合、上記スプリング19bを不要化できるという効果がある。
【0048】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図であり、図1から図5と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図5において、23は部品嵌合部13の環状周壁の後部開放端に着脱可能に装着した蓋、24aはその蓋23とレシーバ5との間に形成された後部気室である。なお、上記蓋23はレシーバ5の出力音響特性を調整するための小孔が設けられたものであってもよく、この場合、その小孔は単一でも複数でもよい。
【0049】
すなわち、この実施の形態3では、上記実施の形態1の音響部品組込み構造において、部品嵌合部13の環状周壁の開放端部を単独の蓋23で塞ぐことによって、部品嵌合部13内にレシーバ5の後部気室24aが形成されるように構成したものである。なお、上記蓋23は、上記実施の形態2による音響部品組込み構造の部品嵌合部13にも同様に適用可能である。
【0050】
また、この実施の形態3において、蓋23は断面ほぼ平板状のものを部品嵌合部13の端面に装着する構造として図5に示したが、上記蓋23は、上記後部気室24aの容積を拡大可能な有底筒状のものであってもよい。
【0051】
以上説明した実施の形態3によれば、クッション部材14およびレシーバ5が挿入固定された部品嵌合部13の端部に蓋23を着脱可能に装着することによって、部品嵌合部13内に既に挿入固定されているレシーバ5と上記蓋23との間に後部気室24aが形成されるように構成したので、設計時点で上記後部気室24aの容積・通気量を自由に設定でき、これによって、レシーバ5の音響出力特性を操作できるので、上記実施の形態1および上記実施の形態2で得られる効果に加え、レシーバ5の筐体内組込み時におけるレシーバ出力の総合的な周波数特性を調整するための設計自由度を増すことが可能になるという効果がある。また、レシーバ5が万一故障した際には、蓋23を取り外すだけで、そのレシーバ5の単品交換を容易に行うことができるという効果がある。
【0052】
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す分解斜視図、図7は図6の音響部品組込み状態を示す拡大断面図であり、図1から図5と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。上記実施の形態3では、レシーバ5が挿入固定された部品嵌合部13の開放端部を、回路基板2とは分離した単独の蓋23で覆う構成としたが、この実施の形態4では、部品嵌合部13の開放端部を覆う位置まで回路基板2を延ばし、この回路基板2における部品嵌合部13との対向面上に後部気室24a形成用の蓋23aを一体的に配置する構成としたものである。
【0053】
ここで、上記蓋23aは、回路基板2とは別部材のものを回路基板2と部品嵌合部13との間で相互に係合固定が可能な構造としたものでもよく、その蓋23aに音響特性調整用の小孔を単一もしくは複数設ける場合には、それに対応する小孔を回路基板2にも設けることとする。また、上記蓋23aは、予め回路基板2上に一体形成されて部品嵌合部13に係合させる環状リブからなるものであってもよく、この場合、その環状リブ内にて回路基板2自体に音響特性調整用の小孔を設けることが可能である。
【0054】
以上説明した実施の形態4によれば、部品嵌合部13の開放端部を覆う位置まで回路基板2を延ばし、この回路基板2における部品嵌合部13との対向面上に後部気室24a形成用の蓋23aを一体的に配置するように構成したので、部品嵌合部13内へのレシーバ5の挿入固定後に回路基板2と蓋23aを別々に取り付ける必要がなく、前面筐体1に回路基板2を取り付け固定するだけで、回路基板2の開放端部を上記蓋23aで塞ぐことができ、携帯機器の組立作業性が向上すると共に、上記蓋23aによって後部気室24aが形成されることから、レシーバ5を含む前・後部気室14a,24aの容積および通気量等の音響系機構的構成要素を、第1,第2従来例の場合と全く同様に構成することが可能となり、この結果、上記実施の形態1の場合と同様に、第1,第2従来例に比較して優れた組込み構造による音響特性の安定化が図れるという効果がある。
【0055】
実施の形態5.
図8はこの発明の実施の形態5による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図であり、図において、12aはレシーバ5の外周面から後面に跨って設けられた音響部品側電気接点、16aは部品嵌合部13の周壁部に設けられた筐体側電気接点であり、この筐体側電気接点16aは、部品嵌合部13のレシーバ5挿入側となる開放端部から部品嵌合部13の内径方向に突出する内向き突出接片16bと、この内向き突出接片16bの先端に形成された先端屈曲部16cとを有している。
【0056】
ここで、上記先端屈曲部16cは、レシーバ5を部品嵌合部13内に挿入し易くするためのもので、上記筐体側電気接点16aは、部品嵌合部13内へのレシーバ5の押圧挿入時に外側に弾性変形して該レシーバ5の通過を許容し、その通過後に弾性復元することにより、上記内向き突出接片16bが音響部品側電気接点12aに圧接して電気的に接続されるものである。
【0057】
すなわち、上記実施の形態1から実施の形態4では、音響部品側電気接点12をレシーバ5の外周面に、且つ、筐体側電気接点16を部品嵌合部13の内周面にそれぞれ設けたが、この実施の形態5では、音響部品側電気接点12aをレシーバ5の外周面から後面に延ばすと共に、筐体側電気接点16aは上述のように内向き突出接片16bと先端屈曲部16cとを有する形状構成としたものである。
【0058】
このように構成された実施の形態5によれば、部品嵌合部13内へのレシーバ5の押圧挿入時において、音響部品側電気接点12aと筐体側電気接点16aとの接続状態を容易に目視確認することができ、このため、レシーバ5の組込み作業性が一層向上し、且つ、信頼性の向上が図れるという効果がある。また、この実施の形態5においても、上記実施の形態1の場合と同様に、レシーバ5にはキー5aを、且つ、部品嵌合部13の周壁内面にはキー溝13aを設けておくものであり、従って、それらのキー5aとキー溝13aとにより、音響部品側電気接点12aと筐体側電気接点16aとの接続方向にレシーバ5を容易、且つ確実に挿入することが可能になるという効果がある。なお、この実施の形態5の他の構成は上記実施の形態1から上記実施の形態4と同一のため、同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
実施の形態6.
図9はこの発明の実施の形態6による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図であり、図1から図8と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施の形態6では、レシーバ5を実耳近接受話用とした場合に好適な音響部品の組込み構造として、上記実施の形態1から上記実施の形態5における係合爪15がレシーバ5への電気接点を兼ねる構成としたものである。図9において、16dは係合爪15に設けられて当該係合爪15の表面を覆う筐体側電気接点であり、この筐体側電気接点16dは係合爪15と一体に弾性変形可能なものである。すなわち、部品嵌合部13内へのレシーバ5の押圧挿入時において、係合爪15と筐体側電気接点16dは、レシーバ5の通過を許容する方向に弾性変形し、その通過後に弾性復元することにより、筐体側電気接点16dが音響部品側電気接点12aに圧接し、その筐体側電気接点16dを介して係合爪15がレシーバ5に係合するものである。
【0060】
この実施の形態6において、図9では上記筐体側電気接点16dを1つしか示していないが、この筐体側電気接点16dは、音響部品の動作・制御に必要な接点数(例えばレシーバの場合は最低2個所)に応じて、部品嵌合部13の開放端部の複数個所に配置することが可能である。また、部品嵌合部13は、筐体側電気接点16dを有する係合爪15と、筐体側電気接点16dを有していない係合爪15とを併せ持つ構造とすることも可能で、且つ、上記接点数や接点位置とレシーバ5の保持強度およびその保持上の安定性を考慮して上記筐体側電気接点16dの配置を自由に設定することも可能である。なお、上記筐体側電気接点16dは、上記実施の形態1から上記実施の形態3で筐体側電気接点16の場合と同様に、例えば、前面筐体1を熱可塑性樹脂で射出成形する際に、部品嵌合部13の成形領域に封入固定することで実現できる。
【0061】
以上説明した実施の形態6によれば、上記実施の形態1から上記実施の形態3と同様に係合爪15による効果に加え、部品嵌合部13内へのレシーバ5の押圧挿入後におけるクッション部材14の弾発力と係合爪15の弾性とによって、音響部品側電気接点12aと筐体側電気接点16dとを、より一層確実に圧接させることが可能になるという効果がある。また、この実施の形態6においても、上記実施の形態1の場合と同様に、レシーバ5にはキー5aを、且つ、部品嵌合部13の周壁内面にはキー溝13aを設けておくものであり、従って、それらのキー5aとキー溝13aとにより、音響部品側電気接点12aと筐体側電気接点16aとの接続方向にレシーバ5を容易、且つ確実に挿入することが可能になるという効果がある。
【0062】
実施の形態7.
図10はこの発明の実施の形態7による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図、図11は図10の底面図、図12は図10の分解断面図、図13は図12中の前面筐体の裏面図であり、図1から図9と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図において、25は前面筐体1の裏面に着脱可能に組み付けられる音響部品挿入用のスリーブからなるホルダであり、このホルダ25は、内向き鍔状の環状底部26を有するスリーブからなっている。27は上記ホルダ25の前端部(前面筐体1に対する取付面側の端部)に形成された嵌合溝、28は上記ホルダ25の周壁部に一体形成された外向きの係合爪(以下、ホルダ側係合爪という)であり、このホルダ側係合爪28は、上記ホルダ25の周壁部における上記ホルダ側係合爪28の周囲に設けられた間隙溝29によって、ホルダ25の内径方向に弾性変形可能となっている。
【0063】
30は前面筐体1の裏面に放音孔1bを中心として一体突設された環状リブであり、この環状リブ30はホルダ25の嵌合溝27を嵌め込み係合させるものである。31は前面筐体1の裏面に一体突設されて上記環状リブ30の外側に位置する係合爪(以下、筐体側係合爪という)であり、この筐体側係合爪31は上記ホルダ側係合爪28を係脱可能に係合させるものである。
【0064】
すなわち、上記実施の形態1から上記実施の形態6では、レシーバ5挿入用の部品嵌合部13を前面筐体1と一体構造にしたが、この実施の形態7では、その部品嵌合部13に代えて前面筐体1とは別体のホルダ25を前面筐体1に着脱可能に組付ける構造としたものである。なお、この実施の形態7において、上記ホルダ25の周壁内面には、図1、図2および図6に示すように、レシーバ5に設けられたキー5aを嵌め込むためのキー溝13aが設けられているものである。
【0065】
次にレシーバ5の組込みについて説明する。
まず、レシーバ5の片側端面にはクッション部材14を予め貼付しておき、そのレシーバ5をクッション部材14の反対側からホルダ25内に挿入する。この場合、レシーバ5のキー5aをホルダ25のキー溝13aに嵌め込んでレシーバ5をホルダ25内に挿入し、そのホルダ25の環状底部26にレシーバ5を当接させることにより、音響部品側電気接点12と筐体(ホルダ)側電気接点16とが接触して両者の電気的接続が必然的に行われる。ここで、ホルダ25内に挿入されたレシーバ5がホルダ25の環状底部26に当接した状態では、レシーバ5に貼付のクッション部材14がホルダ25内から突出して前面筐体1の内面に圧接可能な状態となるようにしておくものである。
【0066】
次いで、クッション部材14のホルダ25内から突出部を、前面筐体1の環状リブ30内に嵌め込んで前面筐体1の内面に当接させ、上記環状リブ30にホルダ25の嵌合溝27が嵌め込まれるようにホルダ25を押し込むと、クッション部材14が圧縮されて前面筐体1の内面にホルダ25の端面が当接し、且つ、ホルダ側電気接点16が前面筐体1裏面の電気配線18に圧接接続された時点で筐体側係合爪31とホルダ側係合爪28とが係合することにより、ホルダ25が前面筐体1に固定されてレシーバ5の組込みが完了する。
【0067】
なお、上記実施の形態7において、ホルダ側係合爪28と筐体側係合爪31は、図11および図13に示すように、環状リブ30の外側でその周方向に沿った3個所に等間隔で位置する配置構成としたが、それらの配置点数は任意に設定し得るものであり、また、それぞれの形状についても、前面筐体1にホルダ25を安定して固定可能なものであれば任意に設計変更し得るものである。
【0068】
以上説明した実施の形態7によれば、予めクッション部材14が一体的に装着されたレシーバ5を、前面筐体1とは別部品のホルダ25に挿入し、このホルダ25を前面筐体1に対して着脱可能に直接組付けるように構成したので、上記レシーバ5を実耳近接受話用として回路基板に関係なく前面筐体1に組込むことができ、このため、その組込み作業性が向上すると共に、レシーバ5を寸法や形状が異なるものと置き換える場合にも、ホルダ25の内径寸法や内部形状のみを変更すればよく、このため、携帯機器の筐体機構部品の設計自由度がさらに向上するという効果がある。また、レシーバ5が万一故障した際には、前面筐体1からホルダ25を取り外すだけでレシーバ5を容易に交換できるという効果がある。
【0069】
実施の形態8.
図14はこの発明の実施の形態8による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図、図15は図14の底面図、図16は図14の分解図であり、図1から図13と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図において、32は前面筐体1に一体に設けられた音響部品挿入用の部品嵌合部であり、この部品嵌合部32は、前面筐体1に一体形成されて当該前面筐体1の表面に開口する断面凹形状をなした有底筒部からなっている。32aは部品嵌合部32の内周壁に設けられた内段部、32bは部品嵌合部32の開口端部に形成された蓋取付け用の凹陥部、32cはその凹陥部32bに設けられた係合孔、33は上記凹陥部32bに嵌め込んで前面筐体1の表面と面一に保持させる蓋、33aはその蓋33の下面に一体突設されて上記係合孔32cに係脱可能に挿入係合させる係合爪である。
【0070】
次にレシーバ5の組込みについて説明する。
まず、上記実施の形態7の場合と同様に、クッション部材14が予め貼付されたレシーバ5を、前面筐体1の表面側からキー5aとキー溝13aとを合わせながらクッション部材14の反対側から部品嵌合部32内に挿入して内段部32aに当接させることにより、音響部品側電気接点12と筐体側電気接点16とが電気的に接続されると共に、後部気室24aが形成される。次いで、部品嵌合部32の係合孔32cに蓋33の係合爪33aを部品嵌合部32の係合孔32cに対する挿入位置に合致させ、且つ、クッション部材14上に上記蓋33を当接させた状態で当該蓋33を押圧すると、上記係合爪33aが上記係合孔32cを通過して前面筐体1の内面に係合する。これにより、部品嵌合部32内に挿入されたレシーバ5は、クッション部材14が蓋33で圧縮され、且つ、前部気室14aが形成された状態で確実堅固に固定される。
【0071】
なお、上記係合孔32cと係合爪33aは、図15に示すように、部品嵌合部32の開口縁部に沿って3個所に等間隔で位置する配置構成としたが、それらの配置点数は任意に設定し得るものであり、また、それぞれの形状についても蓋33を安定して確実に固定し得るものであればよく、任意に設定変更可能である。また、有底筒状をなす部品嵌合部32の底部には、前部・後部気室14a,24aの容量および通気量を調整するための小孔を設けておくことが可能である。
【0072】
以上説明した実施の形態8によれば、上記実施の形態1から上記実施の形態6の場合と同様の効果を得ることが可能であると共に、前面筐体1の表面側からレシーバ5を組込むことができ、携帯機器組立て後の完成品であっても、レシーバ5の交換時に前面筐体1を上記完成品から脱着することなくレシーバ5を交換することが可能で、メンテナンス性が向上するという効果がある。また、蓋33を前面筐体1とは別材料あるいは別色調で形成することが可能となり、製品の設計自由度を高めることが可能になるという効果がある。
【0073】
実施の形態9.
図17はこの発明の実施の形態9による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図、図18は図17の上面図であり、図1から図3と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。図において、5bはレシーバ5の外周面に設けた接点取付用の突起部であり、この突起部5bの先端に音響部品側電気接点12が装着されている。34は前面筐体1の裏面に一体突設された音響部品取付壁であり、この音響部品取付壁34は、レシーバ5の略半円周を当接させるべく形成された平面略半円弧状の凹状曲面34aを有してレシーバ挿入用の部品嵌合部を構成しているものである。
【0074】
35は上記音響部品取付壁34に設けられて凹状曲面34aの略中央部に開口する接点収容用の凹部(以下、筐体側凹部という)であり、この筐体側凹部35は上記突起部5bを嵌込み係合可能に形成されている。36は上記凹部35内に組付け収容されたコイルスプリングからなる可動接点であり、この可動接点36は電気配線18に電気的に接続され、且つ、上記筐体側凹部35に対する上記突起部5bの嵌挿時に音響部品側電気接点12に圧接接続されるものである。37は前面筐体1の裏面に形成されてクッション部材14を嵌め込む嵌合溝、38は同じく前面筐体1の裏面に一体突設された筐体側係合爪である。
【0075】
39は音響部品取付壁34の上端中間部にヒンジピンPを介して開閉回動可能に取り付けられた押え蓋であり、この押え蓋39は裏側に一体形成された切欠状円筒部40を有して、閉蓋時にレシーバ5を上記凹状曲面34aとの間で抱え込み、且つ、押圧するものである。すなわち、上記切欠状円筒部40は、押え蓋39の閉蓋時にレシーバ5をクッション部材14の圧縮方向に押圧して上記凹状曲面34aに略半周が当接整合するレシーバ押え用の円筒部40aと、この円筒部40aにおける上記凹状曲面34aへの当接面側の反対側で上記円筒部40に一連に連なって軸方向に延び、押え蓋39の閉蓋時にレシーバ5を上記凹状曲面34aとの間で抱え込む半円筒部40bとからなるものである。
【0076】
41は押え蓋39の半円筒部40b側の外周に一体に設けられた蓋側係合爪であり、この蓋側係合爪41は押え蓋39の閉蓋時に筐体側係合爪38に対して係脱可能に係合させるものである。従って、上記筐体側係合爪38と上記蓋側係合爪41は、押え蓋39を閉じ位置で固定するロック手段を構成するものである。
【0077】
次にレシーバ5の組込みについて説明する。
図19は図17の動作説明図、図20は図19におけるレシーバの挿入動作説明を兼ねた前面筐体の裏面図である。
まず、押え蓋39を開いた状態で、クッション部材14が貼付されたレシーバ5の突起部5bを筐体側凹部35に嵌め込みつつ上記クッション部材14を前面筐体1裏面の嵌合溝37に嵌め込むことにより、可動接点36が自らの弾発力で音響部品側電気接点12に圧接して電気的接続が行われ、その電気的接続位置にてレシーバ5がクッション部材14と嵌合溝37との嵌合によって仮固定状態に位置決めされる。次いで、ヒンジピンPを中心にして押え蓋39を閉じ方向に回動・押圧すると、蓋側係合爪41が筐体側係合爪38に係合することにより、レシーバ5は、前面筐体1と一体の音響部品取付壁34の凹状曲面34aと、押え蓋39の切欠状円筒部40とで形成される部品嵌合部に収納され、且つ、クッション部材14を圧縮した状態に固定される。これによって、レシーバ5の組込みが完了する。
【0078】
以上説明した実施の形態9によれば、携帯機器の筐体内部に組込むべきレシーバ5を、前面筐体1と一体の音響部品取付壁34に形成した平面略半円弧状の凹状曲面34aに当接させるように構成したので、レシーバ5の組込みに際して、前面筐体1側に対するレシーバ5の挿入方向が垂直方向(前面筐体1内面に対する直角方向)に特定されるようなことがなく、このため、音響部品取付壁34の近傍に回路基板やその他のパーツ等が存在する場合であっても、それらが干渉しないようにレシーバ5を容易に組込むことが可能で、且つ、レシーバ5の挿入方向の自由度を高めることが可能になるという効果がある。
【0079】
また、上記実施の形態9によれば、上記音響部品取付壁34に形成され、且つ、コイルスプリングからなる可動接点36を内蔵した接点収容用の凹部35に対し、レシーバ5に一体突設されて先端に音響部品側電気接点12が装着された突起部5bを着脱可能に嵌め込み係合させるように構成したので、レシーバ5の挿入方向のばらつきに起因した電気接点の接続不良を防止することが可能になるという効果がある。さらには、押え蓋39を閉じ方向に押圧するだけで筐体側係合爪38と蓋側係合爪41が係合することにより、上記押え蓋39の閉蓋状態では、レシーバ5に貼付のクッション部材14が前面筐体1裏面の嵌合溝37に嵌合し、且つ、音響部品取付壁34の凹状曲面34aと、押え蓋39の切欠状円筒部40とで形成される部品嵌合部にレシーバ5が収納されるため、コイルスプリングからなる可動接点36の反発力でレシーバ5の固定位置が位置ずれするようなことがなく、従って、押え蓋39を閉じるだけの簡単な操作でクッション部材14が圧縮された状態にレシーバ5を確実、且つ堅固に固定することができるという効果がある。
【0080】
実施の形態10.
上記実施の形態1から上記実施の形態9では、携帯機器の前面筐体1に組込む音響部品を実耳近接受話用のレシーバ5として説明したが、そのレシーバ5を拡声受話用のスピーカに置き換えて実施することも可能である。
【0081】
このように、実耳近接受話用のレシーバ5を拡声受話用のスピーカに置き換えた場合でも、上記実施の形態1から上記実施の形態9の場合と同様の効果が得られる。
【0082】
実施の形態11.
図21はこの発明の実施の形態11による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。この実施の形態11は、上記実施の形態5によるレシーバの組込み構造をマイクロホンの組込み構造として適用した場合であり、従って、図8と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
図21において、1cは集音孔、50はマイクロホン、51はマイクロホン50を嵌合させたマイクロホンホルダであり、このマイクロホンホルダ51は、圧縮変形可能な発泡ゴム等の弾性材料で筒状に一体形成されたもので、部品嵌合部13内面への当接位置で上記集音孔1cに連通させるための開口部51aを有している。なお、この実施の形態11においても、上記実施の形態1で述べたキー5aをマイクロホン50に、且つ、キー溝13aをマイクロホンホルダ51にそれぞれ設けておくものとする。なお、図21において、回路基板2およびその取付け構造は図1から図3と同一のため、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0083】
この実施の形態11によれば、上記実施の形態5による携帯機器用音響部品の組込み構造の場合と同様の方法でマイクロホン50を前面筐体1と一体の部品嵌合部13内に簡単、且つ確実に組込み固定することができるという効果がある。
【0084】
なお、この実施の形態11では、上記実施の形態5によるレシーバの組込み構造をマイクロホンの組込み構造として適用する場合について説明したが、上記実施の形態1から上記実施の形態4および上記実施の形態6から上記実施の形態10の携帯機器用音響部品の組込み構造を、上記実施の形態11と同様のマイクロホンの組込み構造として適用することも可能である。
【0085】
実施の形態12.
上記実施の形態1から上記実施の形態10によるレシーバまたはスピーカ等の受話用音響部品の組込み構造と、上記実施の形態11によるマイクロホン等の送話・録音用音響部品の組込み構造は、それらを単一の携帯機器の筐体内部に組込んでもよく、また、その組込み数を複数とすることも可能である。
【0086】
この実施の形態12によれば、部品嵌合部13,32内へのレシーバ5とクッション部材14の挿入・固定、あるいはマイクロホンホルダ51へのマイクロホン50の嵌合と、その組合せユニットの部品嵌合部13内への挿入・固定、および止めネジ22による回路基板2の取付け固定と同時に、全ての音響部品に関しての電気的接続が必然的に完了するという効果がある。回路基板2の取付け固定時には、上記実施の形態1の場合と同様に、レシーバやスピーカおよびマイクロホン等の音響部品の固定位置を一切考慮する必要がなく、従来例のような音響部品組込み時における部品取り回しについての不安定要因を解消可能であることから、音響部品の組込み作業性が大幅に向上するという効果がある。また、音響部品の固定部(部品嵌合部13,32)と回路基板2の取付け固定部とが独立した構成となるので、万一の故障時には、音響部品または回路基板の単品交換が可能となり、この点でもメンテナンス性が向上するという効果がある。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、携帯機器の筐体内面に音響部品挿入用の部品嵌合部を設け、この部品嵌合部内に音響部品を挿入・固定するように構成したので、音響部品を筐体内部に対し回路基板に関係なく簡単、且つ正確に直接組込むことができ、このため、音響部品の組込み作業性が向上するという効果がある。
また、上記部品嵌合部に挿入された音響部品をクッション部材の圧縮位置でロック手段によって固定するように構成したので、上記音響部品は上記クッション部材の弾発力に抗してロック手段で固定されることとなり、このため、音響部品を確実堅固に固定することが可能になるという効果がある。
さらには、上記部品嵌合部に筐体側電気接点を設け、且つ、音響部品には、上記部品嵌合部内への音響部品挿入位置で上記筐体側電気接点と電気的に接続させる音響部品側電気接点を設けるように構成したので、音響部品を部品嵌合部内に挿入するだけで音響部品側電気接点と筐体側電気接点とを電気的に接続させることができるという効果がある。
さらには、上述のように、筐体内面に設けた部品嵌合部に音響部品を挿入するので、音響部品の組込みに際して、予め回路基板に音響部品を組付けておく必要がなく、このため、筐体内部に組付ける回路基板が上記部品嵌合部を覆わない構造とすることができ、従って、万一の故障時に、音響部品等の単品交換が可能となってメンテナンス性が向上し、且つ、回路基板の実装面積を小さく抑えることが可能となり、この結果、携帯機器の小型・軽量化に大きく寄与できるという効果がある。
【0088】
この発明によれば、部品嵌合部が筐体内面に一体形成されたスリーブからなり、そのスリーブ内に押圧挿入されてクッション部材を圧縮した状態の音響部品に係脱可能に係合して該音響部品を所定位置に固定するための係合爪を有する部品嵌合部を構成としたので、音響部品をスリーブ内に対してクッション部材の圧縮位置まで挿入するだけの簡単な操作で、音響部品を確実、且つ堅固に固定することができるという効果がある。
【0089】
この発明によれば、部品嵌合部の内部に挿入された音響部品との間で後部気室を形成する蓋を上記部品嵌合部が備えるように構成したので、上記蓋を閉じるだけで音響部品の後部気室を形成することができ、その後部気室の容積・通気量等を自由に設定可能で、音響部品の出力特性を調整するための設計自由度を高くすることが可能になるという効果がある。
【0090】
この発明によれば、部品嵌合部に設けられて音響部品をクッション部材の圧縮位置で係合固定する係合爪が筐体側電気接点を兼ねるように構成したので、上記係合爪の係合力と上記クッション部材の弾発力とによって、上記筐体側電気接点と音響部品側電気接点とを強力に接触させることが可能となり、より一層確実で信頼性の高い電気接点構造を得ることができるという効果がある。
【0091】
この発明によれば、音響部品を挿入するための部品嵌合部が筐体とは別部材のスリーブからなり、そのスリーブを筐体に着脱可能に組付けるように構成したので、音響部品を例えば実耳近接受話用として単品のスリーブ内に挿入することができ、このため、音響部品を寸法や形状の異なるものと置き換える場合に、スリーブの内径寸法や内部形状のみを変更すればよく、従って、携帯機器の筐体機構部品の設計自由度がさらに向上するという効果がある。
また、音響部品が万一故障した場合でも、上記スリーブを取り外すことができるので、音響部品を容易に交換できるという効果がある。
【0092】
この発明によれば、筐体および該筐体とは別部材のスリーブに相互が係脱可能な係合爪をそれぞれ設け、それらの係合爪を係合させることにより、スリーブ内に挿入された音響部品が筐体内面との間でクッション部材を圧縮した状態に上記スリーブが筐体内面に組付け固定されるように構成したので、筐体とスリーブのそれぞれの係合爪を互いに係合させるだけで、スリーブを筐体に組付け固定することができ、その組付け固定状態ではクッション部材が圧縮されていることにより、そのクッション部材の弾発力で上記係合爪相互の係合力が強力となるため、音響部品を所定の位置に確実、且つ堅固に組込むことができるという効果がある。
【0093】
この発明によれば、音響部品を挿入する部品嵌合部が、筐体内面に一体形成されて筐体表面に開口する断面凹状のスリーブからなり、このスリーブ内に挿入された音響部品との間でクッション部材を圧縮する蓋が上記スリーブの開口端に着脱可能に取付け固定されるように構成したので、筐体の表面側から音響部品の挿入固定乃至交換を等位に行うことが可能となり、メンテナンス性が向上すると共に、設計自由度を高めることが可能になるという効果がある。
【0094】
この発明によれば、音響部品と部品嵌合部の一方にキーを、且つ、他方にそのキーを摺動可能に係合させるためのキー溝をそれぞれ設け、音響部品の挿入時に、それらのキーとキー溝との係合によって、音響部品側電気接点と筐体側電気接点とが接続する方向に音響部品が誘導されるように構成したので、音響部品を部品嵌合部内に挿入するだけで、音響部品側電気接点と筐体側電気接点との接続位置に音響部品を確実に誘導することができ、このため、音響部品挿入方向のばらつきに起因した電気接点の接続不良を解消することができるという効果がある。
【0095】
この発明によれば、筐体内面に一体形成されて音響部品の外周を部分的に当接させる当接面を有し、この当接面以外が筐体内部で開放された音響部品取付壁を部品嵌合部とするように構成したので、音響部品の挿入方向が筐体面の直角方向のみに限定されるようなことがなく、このため、筐体内部における音響部品挿入個所の近傍に回路基板やその他のパーツ等が存在する場合でも、音響部品を筐体内部の所定位置に容易に挿入固定することが可能になるという効果がある。
また、上記音響部品取付壁には音響部品が備えるクッション部材を圧縮可能な押え蓋を開閉回動可能に軸支し、この押え蓋に蓋側係合爪を設けると共に、上記筐体には上記押え蓋の閉じ位置で上記蓋側係合爪に係脱可能に係合させる筐体側係合爪を設けるように構成したので、上記押え蓋を閉じるだけの簡単なワンタッチ操作で、その押え蓋をクッション部材が圧縮された閉じ位置で確実に固定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す分解斜視図である。
【図2】 図1の要部拡大斜視図である。
【図3】 図1の組込み状態を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す分解斜視図である。
【図7】 図6の音響部品組込み状態を示す拡大断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態5による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態6による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態7による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【図11】 図10の底面図である。
【図12】 図10の分解断面図である。
【図13】 図12中の前面筐体の裏面図である。
【図14】 この発明の実施の形態8による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【図15】 図14の底面図である。
【図16】 図14の分解図である。
【図17】 この発明の実施の形態9による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【図18】 図17の上面図である。
【図19】 図17の動作説明図である。
【図20】 図19におけるレシーバの挿入動作説明を兼ねた前面筐体の裏面図である。
【図21】 この発明の実施の形態11による携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【図22】 第1従来例の携帯機器用音響部品の組込み構造を示す分解斜視図である。
【図23】 図1の音響部品組込み状態を示す拡大断面図である。
【図24】 第2従来例の携帯機器用音響部品の組込み構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 筐体(前面筐体)、1b 放音孔、1c 集音孔、2 回路基板、5 レシーバ(音響部品)、5a キー、5b 突起部、12,12a 音響部品側電気接点、13 部品嵌合部、13a キー溝、14 クッション部材、14a 前部気室、15 係合爪、15a テーパ面、16,16a,16d 筐体側電気接点、16b 内向き突出接片、16c 先端屈曲部、17 筐体側電気コネクタ、17a コンタクト接点、18 電気配線、19 基板側電気コネクタ、19a 可動接点、19b スプリング、20 ボスネジ部、21 ネジ挿通孔、22 止めネジ、23,23a 蓋、24a 後部気室、25 ホルダ、26環状底部、27 嵌合溝、28 ホルダ側係合爪、29 間隙溝、30 環状リブ、31 筐体側係合爪、32 部品嵌合部、32a 内段部、32b 凹陥部、32c 係合孔、33 蓋、33a 係合爪、34 音響部品取付壁、34a 凹状曲面、35 接点収容用凹部、36 可動接点、37 嵌合溝、38 筐体側係合爪、39 押え蓋、40 切欠状円筒部、40a 円筒部、40b 半円筒部、41 蓋側係合爪、50 マイクロホン(音響部品)、51 マイクロホンホルダ、P ヒンジピン。

Claims (9)

  1. 携帯機器の筐体と、この筐体内に組込む音響部品とを備えた携帯機器用音響部品の組込み構造において、上記筐体の内面に設けられ、上記音響部品を挿入する部品嵌合部と、この部品嵌合部に設けられた筐体側電気接点と、上記筐体の内面に設けられ、且つ、上記筐体側電気接点に接続された電気配線構造部と、上記部品嵌合部内に挿入されて上記筐体の内面と上記音響部品との間に配置され、その筐体内面と音響部品との間で前部気室を形成するクッション部材と、上記音響部品に設けられ、該音響部品の上記部品嵌合部内への挿入位置で上記筐体側電気接点に対して接離可能に接続される音響部品側電気接点と、上記部品嵌合部内に押圧挿入された音響部品を上記クッション部材の圧縮位置で固定するロック手段とを備えたことを特徴とする携帯機器用音響部品の組込み構造。
  2. 部品嵌合部は、筐体内面に一体形成されたスリーブからなり、そのスリーブ内に押圧挿入されてクッション部材を圧縮した状態の音響部品に係脱可能に係合して該音響部品を所定位置に固定するための係合爪をロック手段として有していることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用音響部品の組込み構造。
  3. 部品嵌合部は、この内部に挿入された音響部品との間で後部気室を形成する蓋を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の携帯機器用音響部品の組込み構造。
  4. 係合爪は、部品嵌合部の内部に挿入された音響部品に設けられている音響部品側電気接点と電気的に接続する筐体側電気接点を兼ねていることを特徴とする請求項2記載の携帯機器用音響部品の組込み構造。
  5. 部品嵌合部は、筐体とは別部材のスリーブからなって筐体内面に着脱可能に組付けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用音響部品の組込み構造。
  6. スリーブおよび筐体は、前記スリーブ内に挿入された音響部品がクッション部材を前記筐体内面との間で圧縮する位置にて相互が係脱可能に係合する係合爪を一体に有していることを特徴とする請求項5記載の携帯機器用音響部品の組込み構造。
  7. 部品嵌合部は、筐体内面に一体形成されて筐体表面に開口する断面凹状のスリーブからなり、このスリーブ内に挿入された音響部品との間でクッション部材を圧縮する蓋が上記スリーブの開口端に着脱可能に取付け固定されるようになっていることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用音響部品の組込み構造。
  8. 音響部品と部品嵌合部の一方にキーが、且つ、他方にはそのキーを摺動可能に係合させるキー溝がそれぞれ設けられ、上記部品嵌合部に対する音響部品の挿入時における上記キーと上記キー溝との係合により音響部品側電気接点と筐体側電気接点とが接続する方向に上記音響部品を誘導するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の携帯機器用音響部品の組込み構造。
  9. 部品嵌合部は、筐体内面に一体形成されて音響部品の外周を部分的に当接させる当接面以外が筐体内部で開放された音響部品取付壁からなり、その音響部品取付壁に開閉回動可能に軸支され、音響部品が備えるクッション部材を圧縮可能な押え蓋と、この押え蓋に設けられた蓋側係合爪と、上記筐体に内面に設けられて上記押え蓋の閉じ位置で上記蓋側係合爪を係脱可能に係合させる筐体側係合爪とを有していることを特徴とする請求項1記載の携帯機器用音響部品の組込み構造。
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