JP3788449B2 - 撮像装置及びその信号処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置及びその信号処理方法に関し、特に、撮像デバイスに電荷結合素子を用い、さらに、メカシャッタを備えた、たとえば、電子スチルカメラ等の撮像装置及びその信号処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体技術の発展に伴い、電子スチルカメラやノート型パソコン等のモバイルツールが普及している。特に、電子スチルカメラは、写真レンズを透過した被写体の像を二次元のイメージセンサにより電気信号に変換し、その電気信号に基づいて生成される画像データを液晶ディスプレイに表示したり、不揮発性の半導体メモリカードに記憶させ、さらに、パソコン等に取り込んで画像処理を施すことができるため、身近な画像編集機器として急速に普及している。
【0003】
従来の電子スチルカメラの概略構成及びその動作について、簡単に説明する。
一般に、電子スチルカメラは、撮像部、信号処理部、記憶部、表示部、操作部及び制御部を有して構成され、まず、撮像部において、アクチュエータによりメカシャッタを制御して開状態とし、写真レンズを介して、所望の被写体像をイメージセンサの受光面に結像させ、自動露出(AE)部からの出力に基づいて、ドライバ及びタイミング発生器(TG)により制御される露光時間に蓄積された電荷量に応じて被写体像の画像情報をアナログ電気信号として出力する。
そして、相関二重サンプリング回路(CDS)により、イメージセンサから時系列的に出力される電気信号をサンプリングするとともに、電気信号に含まれるノイズ成分を除去し、アナログ−ディジタル変換器(A/D)によりアナログ電気信号をディジタル信号に変換する。
【0004】
次いで、信号処理部において、γ補正回路により、所定の非線形(非リニア)特性を有するγ補正テーブルに基づいてγ補正処理を施し、カラープロセス回路により、たとえば、R、G、B3原色の補間処理、露出計算(AE)、ホワイトバランス処理(AWB)、ディジタル信号に変換された画像情報に基づいて輝度・色差マルチプレクス信号(YUV信号)の生成等の周知の色信号処理を行い、被写体像の画像データをビデオトランスファー回路を介して、バッファメモリやフラッシュメモリを備えた記憶部、液晶ディスプレイ(以下、LCDと略記する)等の表示部に出力する。なお、カラープロセス回路における色信号処理は、前述したγ補正回路を含む信号処理回路により実行するものであってもよいし、また、カラープロセス回路の後段に別の信号処理回路を設けて実行するものであってもよい。
【0005】
ビデオトランスファー回路は、撮像部の出口に位置するカラープロセス回路、記憶部への入り口に位置する圧縮・伸張回路、及び、表示部への入り口に位置するディジタルビデオエンコーダの各構成間を行き来するデータの流れをコントロールする。
上述した各部の制御は、CPU等により構成される制御部の内部ROMに格納されたプログラムにしたがって、あるいは、スイッチキー等により構成される操作部からの指示入力にしたがって実行される。
【0006】
ここで、上述した電子スチルカメラに搭載されるイメージセンサは、一般に電荷結合素子(Charged Coupled Device:以下、CCDと略記する)を原形とし、光ダイオードやMOSキャパシタなどからなる多数の光電変換素子を画素毎に配列して2次元的な感光部を構成したものである。このイメージセンサの画素信号の出力スタイルは、すべての画素信号を一気に出力するプログレッシヴ型(ノン・インターレース型ともいう)と、すべての画素信号を二回に分けて出力するインターレース型に分かれるが、40万画素以上の高解像度CCDはインターレース型が主流である。近年の数百万画素の高機能の電子スチルカメラに搭載されるCCDは、ほとんどがインターレース型であるので、以下、単にCCDという場合はインターレース型のCCDを指すことにする。詳しくは後述する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した電子スチルカメラに搭載されるCCDにおいては、入射光を遮蔽した状態においても出力電圧が生じる、いわゆる暗出力(暗電圧)特性を有し、これに伴って暗電流と呼ばれる微電流が発生することが知られている。このCCDにおける暗電圧は、概ね8℃の周囲温度の変化(上昇)により暗電圧が約2倍に増大するという、温度依存性を有している。また、同一の温度条件下においては、露光時間が長いほど、暗電圧が増加する傾向を示す露光時間(電荷蓄積期間)依存性を有している。
このCCDにおける暗電圧がノイズ成分となり、結果として、画像データに対して悪影響を及ぼし画質を劣化させる要因となっている。
したがって、従来の電子スチルカメラにおいては、CCDの上記特性により、以下のような問題点を有している。
【0008】
(1)たとえば、夜景の撮影等、暗い環境下で撮影を行う場合、被写体の照度(光量)を確保するために露光時間を長くすると、暗電圧が増加して画質の劣化が著しくなるため、シャッター速度を十分に遅くすることができず、暗い環境下での撮影に適さないという問題を有している。
そこで、このような問題を解決するために、CCDから出力される微弱な電気信号を増幅するアンプの利得(ゲイン)を大きくすると、本来微小であった暗電圧が増幅されてしまい、やはり画質の劣化を招くという問題を有していた。
【0009】
(2)また、暗電圧は本来、CCDを構成する各光電変換素子固有のものであるので、あらかじめ暗電圧の大きい画素の画面上でのアドレスを記憶しておき、撮影終了後に、該当するアドレスの画素データを隣接する画素データと置換することにより暗電圧の影響を抑制する手法が知られている。
しかしながら、暗電圧は、上述したように、周囲の温度や露光時間等の撮影条件に依存する特性を有しているため、置換の対象となる画素データの数が撮影環境に応じて大きく変動することになり、あらかじめ記憶された固定のアドレスの画素データを置換する方法では、十分な補正処理を実現することができないという問題を有している。
【0010】
(3)さらに、撮影終了後に1画面の画像データをスキャンして、周辺の画素データに比較してデータレベルが際立って突出している孤立点を検出し、隣接する画素データと置換することにより暗電圧の影響を抑制する手法が知られている。ここで、孤立点は、暗電圧の大きい画素であって、明時白黒キズや暗時白キズ等がある。一般に、黒を背景とする白キズが目立つため、明時白黒キズの白キズを対象とするものとし、以下、代表して「白キズ」と記す。
しかしながら、撮影環境により白キズが広い領域にわたって連続して発生した場合等には、孤立点としての検出が困難となり、十分な画像データの補正処理を実現することができないという問題を有している。
(4)さらに、メカシャッタを開いた状態で撮影した画像データ(暗出力成分を含む被写体像データ)から、メカシャッタを閉じた状態で撮影した画像データ(暗出力成分)を減算することにより、画像データからノイズ成分を除去する手法が知られている。
しかしながら、このような手法においては、非線形特性を有するγ補正処理を行なった後の画像データや飽和状態の画像データを用いて減算処理を行なったり、暗出力成分のレベルが低いにもかかわらず減算処理を行なったりすると、良好な画像データを得ることができないという問題を有している。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題点を解決し、画像データからノイズ成分を除去するための補正処理を画質を劣化させることなく行なって、良好な画像データを得ることが可能な撮像装置及びその信号処理方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の撮像装置は、入射光に応じた電荷を蓄積し、該蓄積電荷を画像データに変換して出力する撮像手段と、この撮像手段への入射光路を開とした状態で、前記撮像手段から出力された第1の画像データを取得する第1の撮影制御手段と、前記撮像手段への入射光路を閉とした状態で、前記撮像手段から出力された第2の画像データを取得する第2の撮影制御手段と、前記第1の撮影制御手段により取得された第1の画像データから前記第2の撮影制御手段により取得された第2の画像データを減算する処理を行うことにより、前記第1の画像データの補正を行う画像補正手段と、前記第2の撮影制御手段により取得された第2の画像データ中の各画素データについて所定レベル以上の画素データであるか否かを判断する判断手段と、この判断手段により所定レベル以上と判断された画素データを前記第1の撮影制御手段により取得された第1の画像データ中における対応する画素データから減算する処理を前記画像補正手段に行わせることにより、前記画像補正手段による前記第1の画像データの補正を実行させる制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0015】
請求項2記載の撮像装置は、請求項1記載の撮像装置において、前記画像補正手段により補正された第1の画像データ中に存在する孤立点の画素データを検出する検出手段と、この検出手段により検出された孤立点の画素データを補正する画素補正手段とを更に備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の撮像装置は、請求項2記載の撮像装置において、前記画素補正手段は、前記検出手段により検出された孤立点の画素データを隣接する画素データにより置換する手段を含むことを特徴としている。
【0018】
請求項4記載の撮像装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像装置において、前記第1及び第2の撮影制御手段による前記第1及び第2の画像データの取得を、連続的に行なわせる第3の撮影制御手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
請求項5記載の撮像装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置において、前記撮像手段への入射光路を開閉する光路開閉手段を備え、前記第1の撮影制御手段は、前記光路開閉手段を用いて前記撮像手段への入射光路を開とし、前記第2の撮影制御手段は、前記光路開閉手段を用いて前記撮像手段への入射光路を閉とすることを特徴としている。
【0020】
請求項6記載の撮像装置の信号処理方法は、イメージセンサへの入射光路を開とした状態で、前記イメージセンサから出力された第1の画像データを取得する工程と、前記イメージセンサへの入射光路を閉とした状態で、前記イメージセンサから出力された第2の画像データを取得する工程と、前記第2の画像データ中の各画素データについて所定レベル以上の画素データであるか否かを判断する工程と、前記所定レベル以上と判断された画素データについては該画素データを前記第1の画像データ中における対応する画素データから減算する処理を行う工程と、前記所定レベル以上でないと判断された画素データについては該画素データを前記第1の画像データ中における対応する画素データから減算する処理を禁止する工程とからなることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明に係る撮像装置の第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図1において、11は写真レンズ、12はメカシャッタ、13はCCD(撮像手段、イメージセンサ)、14は相関二重サンプリング回路(CDS)、15は、アナログ−ディジタル変換器(A/D)、16はメカシャッタ12用のアクチュエータ、17はイメージセンサ13駆動用のドライバ、18はタイミング発生器(TG)、21はγ補正回路(非線形処理手段)、22はカラープロセス回路、23はビデオトランスファー回路、24は圧縮・伸長回路、25はディジタルビデオエンコーダ、31はバッファメモリ、32はフラッシュメモリ、40はLCD(表示手段)、50はキー入力部(撮影モード設定手段)、60はCPU(第1の撮影制御手段、第2の撮影制御手段、第3の撮影制御手段、画像補正手段、禁止手段、判定手段、第2の非線形処理手段)、70はバスをそれぞれ示している。
【0024】
これら各部の機能は、概ね以下の通りである。
・写真レンズ11:
CCD13の受光面上に被写体の像を結ばせるためのものであり、自動焦点機能のための焦点合わせ機構を備えている。なお、ズーム機能を備えたり、沈胴式であったりしてもよい。
・メカシャッタ12及びアクチュエータ16:
CCD13の受光面への入射光を機械的に遮断するもので、アクチュエータ16はCPU60からの制御信号に従ってメカシャッタ12を開閉駆動し、メカシャッタ12はその開状態時にCCD13の受光面への光路を開放し、閉状態時に同光路を閉鎖する。
【0025】
・CCD13:
前述したインターレース型のCCDであって、外部制御によってフィールド読み出しとフレーム読み出しを切替えることができるものである。フィールド読み出し時の露光時間は電子シャッタの開閉操作(SUBとXSGの印加タイミング)でコントロールされ、フレーム読み出し時の露光時間は電子シャッタの開操作(SUBの印加タイミング)と上記メカシャッタ12の閉操作でコントロールされる。なお、フィールド読み出し(フィールド蓄積ともいう)、及び、フレーム読み出し(フレーム蓄積ともいう)については、後述する。
【0026】
ここで、本実施形態に係る撮像装置に良好に適用されるCCDの具体的な構成について、図面を参照して説明する。
図2は、n列×m行の画素を有するCCDの概略構成図である。
図2に示すように、CCDは、入射光量に応じた電荷を蓄積するn×m個の光電変換素子131をマトリクス状に配列するとともに、各列間に1本ずつ、全部でn本の垂直転送部132を配置して撮像領域133を形成し、さらに、撮像領域133の図面に向かって下側に水平転送部134を配置して構成されている。光電変換素子131に蓄積された信号電荷は、図示を省略した駆動回路から印加される読み出し信号XSGに応答して隣接する垂直転送部132に取り込まれ、垂直転送部132の内部を垂直転送クロックφVに同期して図面下方向に順次転送される。
【0027】
すべての垂直転送部132の出力端は水平転送部134に接続されており、水平転送部134には、垂直転送クロックφVに同期して1ライン分の信号電荷が順次に取り込まれる。水平転送部134に取り込まれた信号電荷は、水平転送クロックφHに同期して図面左方向に順次転送され、水平転送部134の出力端に到達した信号電荷は、電荷検出部135で電気信号に変換され、アンプ136により増幅された後、端子137からCCD出力として外部に取り出される。なお、SUBはすべての光電変換素子131の蓄積電荷を基板に引き抜くための信号電圧(いわゆる電荷掃き出しパルス)である。このSUBの印加時点からXSGの印加時点までがCCDの電気的なシャッタ(以下「電子シャッタ」という)の露光時間になる。
上述したフィールド読み出しとは、図2に示したCCDにおいて、光電変換素子131の奇数ラインO1と偶数ラインE1、奇数ラインO2と偶数ラインE2、…のように、奇数ラインと偶数ラインの画素信号を混合して一度に出力する方式であり、フレーム読み出しとは、奇数フレーム(O1、O2、O3、…)と偶数フレーム(E1、E2、E3、…)の2回に分けてCCD出力を行う方式である。
【0028】
近年のLCD搭載型の電子スチルカメラでは、被写体の画像をLCD画面にスルー画像として映し出して構図を調整するスルー画モードが採用されているが、このような動作モードにおいては、電子シャッタによる露光時間毎に、スルー画像が更新される。
一方、スルー画モードにおいて、所望の構図が得られた場合には、シャッターキーを押して被写体の画像をキャプチャー画像としてメモリ等に記録するキャプチャー動作が実行される。キャプチャー動作においては、CCDに結像された被写体像を固定するために、CCDへの入射光を遮断するための機械的なシャッタ機構(上述したメカシャッタ)が不可欠となり、シャッターキー(キー入力部50)を押すことにより電子シャッタの露光が開始されてから、メカシャッタが閉じてCCDへの入射光が遮断されるまでの時間がメカシャッタの露光時間となる。
【0029】
・ドライバ17とTG18:
CCD13の読み出しに必要な駆動信号(たとえば、図2のφV、XSG、φH、SUBなど)を生成する部分であり、CCD13はこれらの駆動信号に同期して画像信号を出力する。
・CDS14:
CCD13から読み出された時系列の信号(この段階ではアナログ信号である)を、CCD13の解像度に適合した周波数で相関二重サンプリング処理を行うものである。なお、サンプリング後に自動利得調整を行うこともある。
・A/D15:
サンプリングされたアナログ信号をディジタル信号に変換するものである。
【0030】
・γ補正回路21:
デジタル変換された画像信号を、通常の非線形(非リニア)特性を有するγ補正テーブルに基づいて、γ補正処理(非線形処理)を行うとともに、本実施形態においては、CPU60からの制御信号にしたがって、γ補正テーブルを線形(リニア)特性に設定変更し、このγ補正テーブルに基づいてγ補正処理(線形処理)を行う機能を有している。
ここで、γ補正回路21は、後述するように、デジタルクランプ回路やホワイトバランス補正処理回路等の他の信号処理回路とともに、一体的な回路構成(たとえば、LSIとして)で提供されるものであってもよい。
【0031】
・カラープロセス回路22:
カラープロセス回路22は、γ補正回路21からの出力信号に基づいて、R、G、B3原色の補間処理、露出計算(AE)、ホワイトバランス処理(AWB)、ディジタル信号に変換された画像情報に基づいて輝度・色差マルチプレクス信号(YUV信号)の生成等の周知の色信号処理を行うものである。
ここで、YUV信号を生成する理由は、撮像系から出力される色データ(RGBデータ)のサイズが大きいため、限られたメモリ資源を有効に利用するとともに、処理時間の短縮を図る等の目的により、データ量削減信号として用いられるものである。なお、カラープロセス回路22における色信号処理は、γ補正回路21を含む信号処理回路により実行するものであってもよいし、また、カラープロセス回路22の後段に別の信号処理回路を設けて実行するものであってもよい。
【0032】
・ビデオトランスファー回路23:
ビデオトランスファー回路23は、カラープロセス回路22、バッファメモリ31、圧縮・伸張回路24及びフラッシュメモリ32、ディジタルビデオエンコーダ25及びLCD40の各構成間を行き来するデータの流れをコントロールするものである。
具体的には、圧縮・伸張回路24を介して、カラープロセス回路22により生成された画像データを保持するバッファメモリ31と、フラッシュメモリ32との間で、画像データを書き込み又は読み出す処理を実行し、また、ディジタルビデオエンコーダ25を介して、バッファメモリ31に保持された画像データをLCD40に表示出力する処理を実行する。
【0033】
・圧縮・伸長回路24:
たとえばJPEG符号化方式の圧縮処理と伸長処理を行う部分である。JPEGの圧縮パラメータは固定であっても、圧縮処理の都度CPU60から与えるものであってもよい。
・ディジタルビデオエンコーダ25:
ビデオトランスファー回路23を介してバッファメモリ31から読み出された画像データをアナログ電圧に変換するとともに、LCD40の走査方式に応じたタイミングで順次に出力するものである。
【0034】
・バッファメモリ31:
書き換え可能な半導体メモリの一種であるDRAMで構成されている。但し、本発明では、DRAMに限定しない。書き換え可能な半導体メモリであればよい。
・フラッシュメモリ32:
書き換え可能な読み出し専用メモリ(PROM:programmable read only memory)のうち、電気的に全ビット(又はブロック単位)の内容を消して内容を書き直せるものであり、フラッシュEEPROM(flash electrically erasable PROM)ともいう。本実施の形態におけるフラッシュメモリ32は、カメラ本体に内蔵された固定型のものであってもよいし、カード型やパッケージ型のように着脱可能型のものであってもよい。
【0035】
・CPU60:
所定のプログラムを実行してカメラ全体の動作を集中制御するものである。ここで、プログラムは、CPU60の内部のインストラクションROMに書き込まれており、記録モード時にはそのモード用のプログラムが内部RAMにロードされて実行されるほか、特に、シャッターキーを押す動作(半押し、全押し)に応じて、メカシャッタ12を開閉駆動する制御信号、CCD13を駆動する制御信号、γ補正処理回路21のγ補正テーブルの特性設定を変更する制御信号を出力する。
・バス70:
上述した各部の間で共有されるデータ(及びアドレス)の転送路である。
【0036】
次に、本実施形態に係る撮像装置の画像記録動作について、図面を参照して説明する。ここでは、上述したスルー画モードを備えた撮像装置(LCD搭載型の電子スチルカメラ)に、本実施形態に係る画像記録動作を適用した場合について、詳しく説明する。
<通常撮影モード>
まず、通常の撮影モードについて、図面を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る撮像装置における通常撮影モードの処理動作を示すフローチャートである。ここで、図3では、画像記録動作のポイントのみを簡略化した用語により示す。
【0037】
・スルー動作
まず、電子スチルカメラの使用者がキー入力部50に備えられたモードスイッチ(撮影モード設定手段)を記録(REC)モードに切り替えた後に、LCD40に表示されるメニューの中から通常撮影モードを選択すると、メカシャッタ12が開状態となり、CCD13の受光面に結像された被写体の画像情報が一定周期(露光時間)毎にLCD40にスルー画像として表示出力される。
すなわち、記録モードへの切り替えにより、CPU(第3の撮影制御手段)60においてスルー画モードが設定され(S101)、被写体の撮影環境から取得される照度、焦点距離等の種々の情報に基づいて、露出時間T0が設定される(S102)。スルー画モードにおいては、ドライバ17及びTG18により、露出時間T0の経過毎に(S103)、CCD13の電子シャッタが開閉駆動制御され、その都度CCD13から出力される電気信号(CCDデータ)を取り込んで(S104)、A/D15によるディジタル信号変換、及び、γ補正回路(非線形処理手段)21による非線形γ補正処理が行われる(S105)。
【0038】
次いで、カラープロセス回路22により、R、G、B3原色の補間処理、自動露出計算(AE計算)/ホワイトバランス(AWB)補正処理、輝度・色差マルチプレクス信号の生成等の色信号処理が実行され(S106、S107)、1画面分の画像データ(第3の画像データ)が生成される。
そして、カラープロセス回路22により生成された画像データは、ビデオトランスファー回路23によりバッファメモリ31に転送された後、ディジタルビデオエンコーダ25によりビデオ処理が施され(S108)、LCD(表示手段)40の表示方式に対応した信号形式に変換されてスルー画像(ファインダ画像)として表示出力される(S109)。
【0039】
・キャプチャー動作
スルー画像動作において、カメラ本体又は写真レンズの向きを変えると、LCD40に表示されているスルー画像の構図が変化する。そして、所望の構図を有するスルー画像が得られた時点で、キー入力部50に備えられたシャッターキーを“半押し”することにより(S110)、被写体の撮影環境から取得される情報に基づいて露出時間T1と焦点が設定され(S111)、“全押し”することにより電子シャッタを開駆動し(S112、S113)、ステップS111で設定された露出時間T1の経過後に(S114)、ドライバ17及びTG18によりメカシャッタ12を閉駆動し(S115)、CCD13から出力されるCCDデータを取り込んで(S116)、A/D15によるディジタル信号変換、及び、γ補正回路21による非線形γ補正処理が行われる(S117)。
【0040】
次いで、カラープロセス回路22により、R、G、B3原色の補間処理、AE計算/AWB補正処理等の色信号処理が実行され(S118)、1画面分の画像データが生成され、ビデオトランスファー回路23によりバッファメモリ31に転送される。このとき、バッファメモリ31に取り込まれる画像データは、メカシャッタ12を閉じた時点のCCD13に結像された被写体像で固定され、かつ、LCD40に表示されているスルー画像も同時点の画像で固定される。
さらに、ビデオトランスファー回路23により、圧縮・伸長回路23を介して、JPEG符号化等の圧縮処理が施された後(S119)、フラッシュメモリ32に1画面分のキャプチャー画像として記録される(S120)。引き続き撮影を継続する場合、つまり通常撮影モードを解除しない場合には(S121)、ステップS101に戻って、再度、メカシャッタ12が開状態となり、スルー画モードが設定され(S101)、上述したステップS101からS121の一連の処理動作が繰り返される。
このような一連の処理動作を有する撮像装置によれば、比較的明るい通常の撮影条件に適した露出時間(蓄積期間)T1が設定されて、被写体像の画像データが取り込まれた後、非線形γ補正処理等の所定の信号処理が実行されて、良好に撮影及び画像記録動作が行われる。
【0041】
<特殊撮影モード>
次に、夜景等の撮影に適した特殊撮影モードについて、図面を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る撮像装置における特殊撮影モードの処理動作を示すフローチャートである。ここで、図4では、画像記録動作のポイントのみを簡略化した用語により示す。
【0042】
・スルー動作
まず、電子スチルカメラの使用者がキー入力部50に備えられたモードスイッチ(撮影モード設定手段)を記録(REC)モードに切り替えた後に、LCD40に表示されるメニューの中から特殊撮影モードを選択すると、メカシャッタ12が開状態となり、CPU(第3の撮影制御手段)60においてスルー画モードが設定される(S201)。被写体の撮影環境から取得される照度、焦点距離等の種々の情報に基づいて、露出時間T0が設定され(S202)、スルー画モードにおいては、ドライバ17及びTG18により、露出時間T0の経過毎に(S203)、CCD13の電子シャッタが開閉駆動制御され、その都度CCD13から出力される電気信号(CCDデータ)を取り込んで(S204)、A/D15によるディジタル信号変換、及び、γ補正回路(非線形処理手段)21による非線形特性を有するγ補正テーブルに基づいて、通常の撮影モードと同様にγ補正処理が行われる(S205)。
【0043】
次いで、カラープロセス回路22により、R、G、B3原色の補間処理、自動露出計算(AE計算)/ホワイトバランス(AWB)補正処理、輝度・色差マルチプレクス信号の生成等の色信号処理が実行され(S206、S207)、1画面分の画像データ(第3の画像データ)が生成される。
そして、カラープロセス回路22により生成された画像データは、ビデオトランスファー回路23によりバッファメモリ31に転送された後、ディジタルビデオエンコーダ25によりビデオ処理が施され(S208)、LCD(表示手段)40の表示方式に対応した信号形式に変換されてスルー画像(ファインダ画像)として表示出力される(S209)。
【0044】
・キャプチャー動作
次いで、LCD40に所望の構図を有するスルー画像が表示された時点で、キー入力部50に備えられたシャッターキーを“半押し”することにより(S210)、CPU(第1の撮影制御手段、第2の撮影制御手段、禁止手段)60が記録動作の開始を検知して、γ補正回路21に制御信号を出力し、γ補正テーブルの特性設定を通常の非線形特性から線形特性に変更する(S211)。また、被写体の撮影環境から取得される情報に基づいて露出時間T1と焦点が設定される(S212)。
【0045】
さらに、シャッターキーを押し込んで、“全押し”することにより電子シャッタを開駆動し、ステップS212で設定された露出時間T1の経過後に(S215)、ドライバ17及びTG18によりメカシャッタ12を閉駆動し(S216)、CCD13から出力される被写体像のCCDデータ(DATA1:第1の画像データ)を取り込んで(S217)、A/D15によるディジタル信号変換、及び、ステップS211で線形特性に設定変更されたγ補正テーブルに基づいて、γ補正回路21による線形γ補正処理が行われる(S218)。なお、ステップS216、S217でメカシャッタ12を閉駆動し、CCD13からCCDデータ(DATA1)を取り込む際には、電子シャッタは閉駆動される。
【0046】
次いで、メカシャッタ12を閉じた状態で(S220)、再び電子シャッタを開駆動し(S214)、ステップS212で設定された露出時間T1を用いて、上述したステップS214からS218までの各処理を実行することにより、被写体像を含まず、今回の撮影条件においてCCD13が有する暗出力成分を含んだCCDデータ(DATA2:第2の画像データ)を取り込んで、先に取り込んだCCDデータ(DATA1)の場合と同様に、線形特性を有するγ補正テーブルに基づいて、γ補正回路21による線形γ補正処理を行う。なお、上述したステップS214からS218までの各処理により取り込まれ、γ補正処理を施されたCCDデータ(DATA1、DATA2)は、たとえば、バッファメモリ31に一時的に記憶されるものであってもよいし、後述する減算処理を実行するCPU60に付設されたRAM(図示を省略)に記憶されるものであってもよい。
【0047】
上述したように、2回のCCDデータ(DATA1、DATA2)の取り込みが終了すると(S219)、CPU(判定手段)60により、2回目に取り込んだCCDデータ(DATA2)中の画素データ(判定処理の対象となっている画素)が所定レベル以上の白キズであるか否かを判定し(S221)、さらに、その画素データが白キズであると判定された場合には、その画素に対応するDATA1中の画素データのレベルが飽和状態にあるか否かを判定する(S222)。
【0048】
このような一連の判定処理(S221、S222)により、2回目に取り込んだCCDデータ(DATA2)中の画素データが所定レベル以上の白キズではない場合には、DATA1中の対応する画素データを、補正処理を必要としない有効なデータとして取り扱う。また、2回目に取り込んだCCDデータ(DATA2)中の画素データが所定レベル以上の白キズである場合であっても、その画素に対応するDATA1中の画素データのレベルが飽和状態にある場合には、DATA1中の対応する画素データを、補正処理の対象とならないデータとして取り扱う。なお、ステップS221、S222における判定処理の詳細については、後述する。
【0049】
一方、2回目に取り込んだCCDデータ(DATA2)中の画素データが所定レベル以上の白キズであり、かつ、その画素に対応するDATA1中の画素データのレベルが飽和状態にない場合には、DATA1中の対応する画素データを、補正処理の対象となるデータと判定して、CPU(画像補正手段)60により、1回目に取り込んだCCDデータ(DATA1)から2回目に取り込んだCCDデータ(DATA2)を画素単位で減算する補正処理(減算処理)、すなわち、CCDデータ(DATA1)及びCCDデータ(DATA2)に共通して含まれる、CCD13が有する暗出力成分を除去する補正処理を実行する(S223)。
【0050】
以上の白キズの判定処理及び補正処理の対象となる画素を順次変更して(S225)、CCD13から出力される1画面分の全画素について実行した後(S224)、各画素データについて、非線形γ補正処理を実行し(S226)、さらに、R、G、B3原色の補間処理、AE計算/AWB補正処理等の色信号処理を実行し(S227)、ビデオトランスファー回路23によりバッファメモリ31に1画面分の画像データが転送される。ここで、ステップS226における非線形γ補正処理は、上述したγ補正処理回路21を用いるものではなく、たとえば、CPU(第2の非線形処理手段)60によりソフトウェア的に、スルー動作時と同等の非線形γ補正処理(S205)を実行するものである。
【0051】
さらに、ビデオトランスファー回路23により、圧縮・伸長回路24を介して、JPEG符号化等の圧縮処理が施された後(S228)、フラッシュメモリ32に1画面分のキャプチャー画像として記録される(S229)。引き続き撮影を継続する場合、つまり特殊撮影モードを解除しない場合には(S230)、ステップS201に戻って、再度、メカシャッタ12が開状態となり、スルー画モード(γ補正テーブルの非線形特性への設定変更を含む)が設定され(S201)、上述したステップS201からS230の一連の処理動作が繰り返される。
【0052】
次に、上述したγ補正処理の特性設定と減算処理(被写体像の画像データからCCDの暗出力成分を除去する補正処理)との関係について、図面を参照して説明する。
図5は、前記DATA1とDATA2に対してγ補正回路21による非線形γ補正処理を施した場合、つまり図4のフローチャート中のステップS211においてγ補正回路21のγ補正テーブルをリニア特性に設定変更しなかった場合の減算処理の効果を示す図であり、図6は、前記DATA1とDATA2に対してγ補正回路21による線形γ補正処理を施した場合、つまり図4のフローチャート中のステップS211においてγ補正回路21のγ補正テーブルをリニア特性に設定変更した場合(本実施の形態)の減算処理の効果を示す図である。
まず、図5(a)に示すように、γ補正回路21における入出力信号特性が非線形の場合、入力レベル<a>、<b>に対する特性曲線上での傾きPa、Pbは、Pa<Pbの関係となる。
【0053】
一方、図5(b)に示すように、メカシャッタ12を開状態として1回目に取り込んだCCDデータ(DATA1)のデータレベルは、被写体像本来のデータ成分Cに加え、ランダムノイズ成分A及び暗電圧成分(又は、白キズ成分)Bを付加した総計[a]となる。また、メカシャッタ12を閉状態として2回目に取り込んだCCDデータ(DATA2)のデータレベルは、被写体のデータ成分Cを含まないので、ランダムノイズ成分A´及び暗電圧成分B´の総計[b]となる。
したがって、データレベルの大きいDATA1は、緩やかな傾き、すなわち小さいγ係数によりγ補正処理が行われるのに対して、データレベルの小さいDATA2は、急峻な傾き、すなわち大きいγ係数によりγ補正処理が行われるので、非線形γ補正処理により、暗電圧成分B、B´が不均一となり、上述したDATA1からDATA2を差し引く減算処理によっては、適正に暗電圧成分を除去することができないという問題が生じる。
【0054】
これに対して、図6(a)に示すように、γ補正回路21における入出力信号特性が線形の場合、入力レベル<a>、<b>に対する特性線上での傾きは、常に等しく一定の関係となる。
そのため、図6(b)に示すように、データレベルの大きいDATA1(総計[a])においても、また、データレベルの小さいDATA2(総計[b])においても、一定のγ係数によりγ補正処理が行われるので、暗電圧成分B、B´は常に均一となり、上述したDATA1からDATA2を差し引く減算処理によって、適正に暗電圧成分を除去することができる。
【0055】
次に、上述したγ補正処理回路21について、図面を参照して説明する。
図7は、γ補正処理回路を含む信号処理用LSIの概略構成を示すブロック図である。
上述したように、γ補正回路21は、γ補正テーブルの特性設定が可変に構成されたものであればよい。また、近年の電子スチルカメラ等の撮像装置においては、γ補正回路が他の信号処理回路とともに、1チップのLSIに組み込まれて提供されることが多くなっている。
【0056】
したがって、図7に示すように、信号処理用LSI20は、たとえば、CCD13から出力され、CDS14及びA/D15によりサンプリング、デジタル信号化された信号(図中、CCDデータ)を入力とし、所定の黒レベルにクランプするデジタル・クランプ処理部Aと、写真レンズ11等の光学系においてシェーディングが発生する場合にシェーディング補正を行うシェーディング補正処理部Bと、ホワイトバランス補正処理部Cと、特性設定を変更可能なγ補正テーブルEを備えたγ補正処理部Dを有して構成されている。そして、γ補正テーブルEは、LSI20外部(すなわち、CPU60)からの制御信号に基づいて、γ特性を非線形、あるいは、線形に設定変更する(又は切り替える)ことが可能なように構成されている。
【0057】
このような構成の信号処理用LSI20により、本実施の形態においては、スルー動作時及び通常撮影モードにおけるキャプチャー動作時にはCCDから出力されるCCDデータに対して通常の非線形γ補正処理を行う一方、特殊撮影モードにおけるキャプチャー動作時には線形γ補正処理を行うようにしている。さらに、上述したように、特殊撮影モードにおけるキャプチャー動作時には、後段の処理において、スルー動作時と同等の通常の非線形γ補正処理をソフトウェア的に実行している。
【0058】
なお、本実施形態において、減算処理の実行の要否を決定する条件として、DATA2中の白キズと判定された画素に対応する、DATA1中の画素のレベルが飽和状態にあるか否かを判別する理由は、DATA1における画素データの飽和状態に関わらず(たとえば、画素データのレベルが、飽和状態を判別するためのしきい値程度であっても、あるいは、しきい値を大きく越えている場合であっても)、上記減算処理においては、常に飽和レベルから対応するDATA2の白キズのレベルが減算されることになるため、飽和状態にある画素データから算出されるレベルが、画素データの本来のレベルよりも低くなって、周辺の画素に比較して階調が低く表示される等の、画質の劣化を招く問題を有しているためである。
【0059】
特に、人間の視覚は、黒い(階調の低い)背景に微小な白い(階調の高い)点が存在する場合に比較して、白い(階調の高い)背景に微小な黒い(階調の低い)点が存在する場合の方を敏感に感知する性質があるため、上述したような飽和状態にある画素データを減算処理することにより、画素のレベルが周辺の画素に比較して黒く(階調が低く)表示されて、より敏感に画質の劣化が感じられる。そのため、レベルが飽和状態にあるDATA1中の画素データを減算処理の対象から除外し、飽和状態にない画素データについてのみ、対応するDATA2の白キズ画素のレベルを減算することにより、DATA1中の画素データのレベルを適正に本来のレベルに補正して、画質の劣化を抑制するものである。
【0060】
このような一連の処理動作を有する撮像装置によれば、γ補正テーブルを線形特性に変更設定して、γ補正回路によるγ補正処理を実質的に禁止した状態(線形処理した状態)で、CCD13への入射光路(メカシャッタ12)を開状態として取り込んだCCDデータ(DATA1)から、入射光路を閉状態として取り込んだCCDデータ(DATA2)を減算処理することにより、露光時間の長い撮影であっても、暗電圧に起因するノイズ成分を良好に除去することができるので、夜景等の暗い環境下であっても良好に撮影を行うことができる。
また、撮影条件や撮影環境が変化した場合であっても、該条件や環境に応じたCCDデータ(DATA1、DATA2)を取り込むことができ、両者による減算処理により、変動する暗電圧成分を適正に除去する補正を行うことができるので、従来技術に示したようなCCDを構成する各光電変換素子毎のアドレスデータを保持、記憶する必要がなく、簡易な構成により適正な被写体像の撮影及び画像記録を行うことができる。
【0061】
さらに、CCDデータ(DATA1、DATA2)について、白キズの有無及びデータレベルの飽和状態を判定して、白キズが本来の被写体像の画像データに及ぼす影響を低減するように減算処理が行われるので、暗電圧に起因する孤立点(白キズ)が除去されて、適正な被写体像の撮影及び画像記録を行うことができる。
なお、上述した実施形態においては、画素データ単位で白キズ判定(S221)やデータレベルの飽和の有無の判定(S222)を行い、減算処理(S223)の実行の要否を決定するようにしたが、このような処理(S221〜S225)を行わずに単純に(直接)DATA1からDATA2を減算する処理を行うようにしてもよい。
【0062】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る撮像装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
図8は、本発明に係る撮像装置の第2の実施形態の要部構成を示すブロック図であり、図9は、本発明に係る撮像装置の第2の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。なお、上述した実施形態と同等の構成又は処理動作については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
本実施形態に係る撮像装置は、上述した第1の実施形態の構成(図1)において、γ補正回路21に代えて、図8に示すように、非線形処理を行うγ補正回路(非線形処理手段)21aを経由する信号経路Ln1と、γ補正回路21aを介さないバイパス経路Ln2と、信号経路Ln1とバイパス経路Ln2とを選択的に切り換えるスイッチSW1とを備えたことを特徴としている。
【0063】
ここで、スイッチSW1は、CPU(禁止手段)60からの制御信号により制御される。すなわち、通常撮影モード、及び、スルー画モードにおいては、γ補正回路21aを経由する信号経路Ln1が選択されるように制御され、また、CCD13の暗電圧成分を除去する補正処理に用いられるCCDデータ(DATA1、DATA2)を取り込む場合には、γ補正回路21aを含まないバイパス経路Ln2が選択されるように制御される。また、γ補正回路21aは、予め固定的に設定された非線形特性を有するγ補正テーブルに基づいて、γ補正処理を実行するように構成されている。
【0064】
以下に、特殊撮影モードにおける具体的な処理動作について、図9のフローチャートを参照して説明する。なお、必要に応じて、図4に示したフローチャートチャートを参照する。
・スルー動作
まず、電子スチルカメラの使用者がキー入力部50に備えられたモードスイッチ(撮影モード設定手段)を記録(REC)モードに切り替えた後に、LCD40に表示されるメニューの中から特殊撮影モードを選択すると、メカシャッタ12が開状態となり、CPU(第3の撮影制御手段)60においてスルー画モードが設定される。このとき、CPU60から制御信号が出力されて、スイッチSW1がγ補正回路21aを経由する信号経路Ln1側を選択するように切り換え設定される。そして、スルー画モードにおいては、図4に示した処理動作(S201からS209)と同様に、所定の露出時間T0の経過毎に、被写体像に基づくCCDデータが取り込まれ、γ補正回路21aによる非線形γ補正処理や、カラープロセス回路22による色信号処理等が施されて取得された1画面分の画像データ(第3の画像データ)が、LCD(表示手段)40にスルー画像(ファインダ画像)として表示出力される。
【0065】
・キャプチャー動作
次いで、LCD40に所望の構図を有するスルー画像が表示された時点で、キー入力部50に備えられたシャッターキーを“半押し”することにより(S210)、図9に示すように、CPU(第1の撮影制御手段、第2の撮影制御手段、禁止手段)60が記録動作の開始を検知して、スイッチSW1に制御信号を出力し、γ補正回路21aを経由しない第2の信号経路Ln2側を選択するように切り換え設定する(S301)。また、被写体の撮影環境から取得される情報に基づいて露出時間T1と焦点が設定される(S302)。
さらに、シャッターキーを押し込んで、“全押し”することにより(S303)電子シャッタを開駆動し(S304)、ステップS302で設定された露出時間T1の経過後に(S305)、ドライバ17及びTG18によりメカシャッタ12を閉駆動し(S306)、CCD13から出力される被写体像のCCDデータ(DATA1:第1の画像データ)を取り込んで(S307)、A/D15によるディジタル信号変換が行われる(S308)。なお、ステップS306、S307でメカシャッタ12を閉駆動し、CCD13からCCDデータ(DATA1)を取り込む際には、電子シャッタは閉駆動される。
【0066】
次いで、メカシャッタ12を閉じた状態で(S310)、再び電子シャッタを開駆動し(S304)、ステップS302で設定された露出時間T1を用いて、上述したステップS304からS308までの各処理を実行することにより、被写体像を含まず、今回の撮影条件においてCCD13が有する暗出力成分を含んだCCDデータ(DATA2:第2の画像データ)を取り込んで、ディジタル信号変換を行う。
上述したように、2回のCCDデータ(DATA1、DATA2)の取り込みが終了すると(S309)、図4に示した処理動作(S221からS230)と同様に、CPU(判定手段)60により2回目に取り込んだCCDデータ(DATA2)中の画素データが所定レベル以上の白キズであるか否か、その画素データに対応するDATA1中の画素データのレベルが飽和状態にあるか否かが判定され、CPU(画像補正手段)60による減算処理(暗出力成分を除去する補正処理)の実行の要否が決定される。
【0067】
以上の減算処理の実行要否に基づく暗出力成分の除去を、CCD13から出力される1画面分の全画素について判定、実行した後、CPU(第2の非線形処理手段)60によりソフトウェア的に非線形γ補正処理、及び、所定の色信号処理を実行し、JPEG符号化等の圧縮処理が施された後、フラッシュメモリ32にキャプチャー画像として記録される。引き続き撮影を継続する場合には、再度、スルー画モードが設定されることにより、スイッチSW1がγ補正回路21aを経由する第1の信号経路Ln1側を選択するように切り換え設定される。
これにより、暗電圧成分を除去する補正処理においては、γ補正回路21aを経由しない第2の信号経路Ln2側が選択されて、CCDデータ(DATA1、DATA2)へのγ補正処理が禁止され、上記図6において説明した場合と同様に、DATA1、DATA2への非線形処理が施されないので、DATA1からDATA2を差し引く減算処理により、暗電圧に起因するノイズ成分が良好に除去される。
【0068】
また、この場合、γ補正回路21aのγ補正テーブルを変更設定することなく、スイッチSW1を切り換える制御のみで、CCDデータ(DATA1、DATA2)へのγ補正処理を禁止することができるので、簡易な構成で暗電圧に起因するノイズ成分を除去する処理を良好に実行することができる。
なお、通常撮影モードにおいては、図3に示したフローチャートと同等の動作処理が実行され、スルー画モードが設定された時点(S101)で、CPU60から制御信号が出力されて、スイッチSW1がγ補正回路21aを経由する第1の信号経路Ln1側に固定的に設定されることにより、良好にスルー動作及びキャプチャー動作が実行される。
【0069】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る撮像装置の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
図10は、本発明に係る撮像装置の第3の実施形態の要部構成を示すブロック図であり、図11は、本発明に係る撮像装置の第3の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。なお、上述した実施形態と同等の構成又は処理動作については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
本実施形態に係る撮像装置は、上述した第1の実施形態の構成(図1)において、図10に示すように、暗電圧成分を除去した画像データ(DATA1からDATA2を減算した画像データ:補正された第1の画像データ)を、ビデオトランスファー回路23を介して非線形処理を行うγ補正回路(非線形処理手段、第2の非線形処理手段)21bに取り込む信号経路Ln3と、γ補正回路21bに取り込む信号(CCDデータ(DATA1、DATA2)、又は、信号経路Ln3を経由して取り込まれる暗電圧成分を除去した画像データ)を選択的に切り換えるスイッチSW2とを備えたことを特徴としている。
【0070】
ここで、CPU(禁止手段)60からの制御信号により、スイッチSW2が切り換え制御されるとともに、γ補正回路21bのγ補正テーブルの特性設定が変更制御される。すなわち、通常撮影モード、及び、スルー画モードにおいては、スイッチSW2がCCDデータを取り込む接点側に制御されるとともに、γ補正回路(非線形処理手段)21bのγ補正テーブルが非線形特性を有するように設定される。また、特殊撮影モードにおいて、暗電圧成分を除去する処理においては、スイッチSW2がCCDデータ(DATA1、DATA2)を取り込む接点側に制御されるとともに、γ補正回路21bのγ補正テーブルが線形特性を有するように設定される。さらに、暗電圧成分を除去した後においては、スイッチSW2が信号経路Ln3を介して入力される画像データを取り込む接点側に制御されるとともに、γ補正回路(第2の非線形処理手段)21bのγ補正テーブルが非線形特性を有するように設定される。
【0071】
以下に、特殊撮影モードにおける具体的な処理動作について、図11のフローチャートを参照して説明する。なお、必要に応じて、図4に示したフローチャートチャートを参照する。
・スルー動作
まず、図11(a)に示すように、電子スチルカメラの使用者がキー入力部50に備えられたモードスイッチ(撮影モード設定手段)を記録(REC)モードに切り替えた後に、LCD40に表示されるメニューの中から特殊撮影モードを選択すると、メカシャッタ12が開状態となり、CPU(第3の撮影制御手段)60においてスルー画モードが設定される(S401)。このとき、CPU60から制御信号が出力されて、スイッチSW2がCCDデータを取り込む接点側に制御される(S402)とともに、γ補正回路21bのγ補正テーブルが非線形特性を有するように設定される(S403)。そして、スルー画モードにおいては、図4に示した処理動作(S202からS209)と同様に、所定の露出時間T0の経過毎に、被写体像に基づくCCDデータが取り込まれ、γ補正回路21bによる非線形γ補正処理や、カラープロセス回路22による色信号処理等が施されて取得された1画面分の画像データ(第3の画像データ)が、LCD(表示手段)40にスルー画像(ファインダ画像)として表示出力される。
【0072】
・キャプチャー動作
次いで、図4に示したキャプチャー動作(S210からS225)と同様に、LCD40に所望の構図を有するスルー画像が表示された時点で、キー入力部50に備えられたシャッターキーを“半押し”することにより、CPU60(第1の撮影制御手段、第2の撮影制御手段、禁止手段)が記録動作の開始を検知して制御信号を出力し、γ補正回路21bのγ補正テーブルが線形特性を有するように変更設定する。また、被写体の撮影環境から取得される情報に基づいて露出時間T1と焦点が設定される。
以下、上述した第1の実施形態における処理動作と同様に、メカシャッタ12が開状態におけるCCDデータ(DATA1:第1の画像データ)と、閉状態におけるCCDデータ(DATA2:第2の画像データ)を取り込んで、γ補正回路21bにより線形γ補正処理を行い、さらに、CPU(判定手段)60により取り込んだCCDデータ(DATA2)中の画素データが所定レベル以上の白キズであるか否か、その画素データに対応するDATA1中の画素データのレベルが飽和状態にあるか否かを判定して、CPU(画像補正手段)60による減算処理(暗出力成分を除去する補正処理)の実行の要否を決定する。そして、減算処理の実行要否の判定に基づいて暗出力成分が除去された画像データは、ビデオトランスファー回路23を介して、たとえば、バッファメモリ31に一時的に記憶される。
【0073】
上記補正処理が1画面分の全画素について終了すると、図11(b)に示すように、CPU60から制御信号が出力されて、スイッチSW2が信号経路Ln3を介してバッファメモリ31に記憶された画像データを取り込む接点側に制御されるとともに(S411)、γ補正回路21bのγ補正テーブルが非線形特性を有するように変更設定される(S412)。バッファメモリ31に記憶された画像データは、ビデオトランスファー回路23及び信号経路Ln3を介して、γ補正回路(第2の非線形処理手段)21bに取り込まれ、ステップS412において非線形特性を有するように設定されたγ補正テーブルに基づいて、非線形γ補正処理(S413)が実行される。以後、図4に示したキャプチャー動作(S227からS230)と同様に、所定の色信号処理、JPEG符号化等の圧縮処理が施された後、フラッシュメモリ32にキャプチャー画像として記録される。引き続き撮影を継続する場合には、再度、スルー画モードが設定されることにより、図11(a)に示したように、スイッチSW2がCCDデータを取り込む接点側に制御されるとともに、γ補正回路21bのγ補正テーブルが非線形特性を有するように設定変更される。
【0074】
これにより、暗電圧成分を除去する補正処理の後に、γ補正テーブルが非線形特性に設定されたγ補正回路21baに、再び、画像データを取り込んで非線形γ補正を施すことができ、ソフトウェア的な非線形γ補正を行う必要がなくなるので、CPU60の制御処理上の負担を軽減することができる。
なお、通常撮影モードにおいては、図3に示したフローチャートと同等の動作処理が実行され、スルー画モードが設定された時点(S101)で、CPU60から制御信号が出力されて、スイッチSW2がCCDデータを取り込む接点側に固定的に制御されるとともに、γ補正回路21bのγ補正テーブルが非線形特性を有するように固定的に設定されることにより、良好にスルー動作及びキャプチャー動作が実行される。
【0075】
<第4の実施形態>
次に、本発明に係る撮像装置の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。
図12は、本発明に係る撮像装置の第4の実施形態の要部構成を示すブロック図であり、図13は、本発明に係る撮像装置の第4の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。なお、上述した実施形態と同等の構成又は処理動作については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
図12に示すように、本実施形態に係る撮像装置は、上述した第1の実施形態の構成(図1)に加え、被写体像の撮影時、又は、電気信号(CCDデータ)の取り込み時におけるCCD13周辺の温度情報を検出する温度センサ(温度検出手段)80を備えたことを特徴としている。
ここで、温度センサ80は、CCD13周辺の温度情報を検出してCPU60に出力し、CPU(補正制御手段)60は、検出された温度に基づいて、第1の実施形態に示した暗電圧成分を除去する補正処理(図4のステップS211からS225)を実行するか否かを制御する。
【0076】
具体的には、図4のステップS201からS210と同等のスルー動作が実行され、ステップS210のシャッターキーの半押しにより、図13のフローチャートに示すように、温度センサ80からの温度情報をCPU60が受け取り(S501)、検出された温度とあらかじめ設定された基準温度を比較する(S502)。そして、暗電圧が増大する程度の温度変化を検出した場合には、画像データに含まれる暗電圧成分の影響が大きいものと判定して、CPU(画像補正手段)60により暗電圧成分を除去する上記補正処理(図4のステップS211からS225)を実行する。
一方、温度変化がないか、あるいは、比較的小さく、暗電圧の影響が大きくない場合には、上記補正処理を実行せず、図3に示した通常撮影モードにおけるキャプチャー動作(図3のステップS111からS116)を実行する。
これは、前述したように、約8℃度の温度上昇により暗電圧が2倍に増大するという暗電圧の温度依存性の影響を抑制するためのものである。なお、白キズも同様の温度依存性を有していることが知られているので、かかる工夫により、白キズの影響も回避できる。したがって、撮影時の環境変化(温度変化)に応じて補正処理の有無を切り換えることができるので、CPU60の制御処理上の負担を軽減することができる。
【0077】
<第5の実施形態>
次に、本発明に係る撮像装置の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。
図14は、本発明に係る撮像装置の第5の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。なお、上述した実施形態と同等の構成又は処理動作については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
本実施形態に係る撮像装置は、上述した実施形態の構成(図1)において、CPU60にCCD13を駆動する電荷蓄積期間の監視機能(電荷蓄積期間判定手段)を設けたことを特徴としている。
CPU(補正制御手段)60は、撮影時のCCD13の電荷蓄積期間、すなわち、露光時間に基づいて、第1の実施形態に示した補正処理(図4のステップS211からS225)を実行するか否かを制御する。
【0078】
具体的には、図14のフローチャートに示すように、ステップS210のシャッターキーの半押し状態で露光時間T1を設定し(S601)、該露光時間T1とあらかじめ設定された基準時間を比較する(S602)。そして、設定された露光時間T1が暗電圧が増大する程度の露光時間の変化があると判定した場合には、画像データに含まれる暗電圧成分の影響が大きいものと判定して、γ補正回路21のγ補正テーブルを線形特性を有するように設定変更して(S603)、CPU(画像補正手段)60により暗電圧成分を除去する上記補正処理(図4のステップS213からS225)を含むキャプチャー動作(図4のステップS213からS230)を実行する。
一方、露光時間が基準値と同一か、あるいは、近似している場合には、上記補正処理を実行せず、図3に示した通常撮影モードにおけるキャプチャー動作(図3のステップS112からS121)を実行する。
これは、前述したように、暗電圧が露光時間に依存して増大するという特性の影響を抑制するためのものである。なお、白キズも同様の露光時間依存性を有していることが知られているので、かかる工夫により、白キズの影響も回避できる。したがって、撮影時の環境変化(露光時間の変化)に応じて補正処理の有無を切り換えることができるので、CPU60の制御処理上の負担を軽減することができる。
【0079】
<第6の実施形態>
次に、本発明に係る撮像装置の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。
図15は、本発明に係る撮像装置の第6の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。なお、上述した実施形態と同等の構成又は処理動作については、同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
本実施形態に係る撮像装置は、上述した実施形態の構成(図1)において、CPU60に、第1の実施形態に示した補正処理(図4のステップS211からS225)を施された画像データ中に存在する孤立点を検出する機能を設けたことを特徴としている。
CPU(判定手段)60は、上記補正処理(図4のステップS211からS225)後の画像データ中に含まれるデータレベルが突出した画素(孤立点;明時白黒キズ又は暗時白キズ)を検出し、その検出結果に基づいて、孤立点の画素データを補正する処理を行う。
【0080】
具体的には、図4のステップS221からS225のDATA1とDATA2の減算処理の後に生成される画像データに対して、図15のフローチャートに示すように、データレベルが周囲の画素に比較して突出した孤立点を検出する(S701)。そして、CPU60により検出された孤立点の画素データを不良データと判定して、当該孤立点のアドレスに基づいて隣接する画素データにより置換する処理を行う(S702)。以後、図4に示したキャプチャー動作(S226からS230)と同様に、非線形γ補正処理、所定の色信号処理、JPEG符号化等の圧縮処理が施された後、フラッシュメモリ32にキャプチャー画像として記録される。
これにより、上述した暗電圧成分を除去する補正処理(減算処理)の対象とならず、かつ、不良なデータレベルを有する画素データ、たとえば、DATA1の画素データが所定レベル以上であって、かつ、DATA1のデータレベルが飽和状態にあると判定された画素データについても、孤立点と判定されて補正処理(置換処理)され、適正な被写体像の撮影及び画像記録を行うことができる。
【0081】
なお、上述した各実施形態においては、DATA1に含まれる暗出力成分を除去する補正処理の手法として、CPU60によりγ補正処理を禁止した状態で、メカシャッタ12を開駆動して取り込んだ被写体像のCCDデータ(DATA1)から、メカシャッタ12を閉駆動して取り込んだCCDデータ(DATA2)を、CPU60内部で演算処理(減算処理)する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の補正処理の手法、たとえば、ソフトウェア的な処理や、減算回路を用いたハードウェア的な処理により暗出力成分を除去する処理方法を適用するものであってもよい。
【0082】
以上、説明したように、本発明に係る撮像装置及びその信号処理方法は、次のような特徴及び作用効果を有している。
すなわち、本発明に係る撮像装置は、入射光に応じた電荷を蓄積し、該蓄積電荷を電気信号に変換して出力するイメージセンサと、前記イメージセンサへの入射光路を開閉する光路開閉手段と、前記光路開閉手段の開閉動作を制御する開閉制御手段と、前記イメージセンサから出力される前記電気信号に、少なくとも所定の特性を有するγ補正テーブルに基づいてγ補正処理を行うとともに、前記電気信号に基づいて画素データを生成する信号処理手段と、1画面分の前記画素データを画像データとして格納する記憶手段と、を有する撮像装置において、前記開閉制御手段により、前記光路開閉手段を開状態に保持し、前記イメージセンサから出力される前記電気信号に基づいて生成される第1の画素データ(DATA1)と、前記光路開閉手段を閉状態に保持し、前記イメージセンサから出力される前記電気信号に基づいて生成される第2の画素データ(DATA2)とに基づいて、前記第1の画素データに含まれる、前記イメージセンサによる暗出力成分を除去する補正を行う補正処理手段を備えたことを特徴としている。
【0083】
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、光路開閉手段を開状態に保持し、イメージセンサから出力される電気信号に基づいて第1の画素データを生成し、電荷蓄積期間の経過後、光路開閉手段を閉状態に保持し、先の電荷蓄積期間と同一の電荷蓄積期間にイメージセンサから出力される電気信号に基づいて第2の画素データを生成し、第2の画素データにより第1の画素データに含まれる暗出力成分を除去する補正を行うように構成されているので、イメージセンサを構成する各光電変換素子が有する固有の暗出力成分を、撮影の度に除去して、暗出力に伴う表示画質の劣化を良好に抑制することができ、従来、電子スチルカメラにおいて適用が困難とされていた夜景の撮影や長時間の露光によっても、暗出力成分の画像データへの混入を抑制して、電子スチルカメラの動作特性の向上を図ることができる。
【0084】
また、本発明に係る撮像装置は、上記撮像装置の構成において、前記補正処理手段は、前記第1の画素データ(DATA1)から前記第2の画素データ(DATA2)を減算する処理を行い、前記第1の画素データに含まれる前記暗出力成分を除去することを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、第1の画素データから第2の画素データを減算するという簡易な処理方法により、CCDの暗出力の影響を抑制することができるので、CPU等への負荷を軽減しつつ、良好な表示画質を実現することができる。
【0085】
また、本発明に係る撮像装置は、上記撮像装置の構成において、前記補正処理手段は、前記第2の画素データ(DATA2)に白キズ成分が含まれるか否かを判定し、該判定結果に基づいて前記減算処理を行うことを特徴としている。
また、上記撮像装置の構成において、前記補正処理手段は、前記第1の画素データ(DATA1)のレベルが飽和状態にあるか否かを判定し、該判定結果に基づいて前記減算処理を行うことを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、第2の画素データに白キズ成分が含まれるか否か、また、第2の画素データの白キズに対応する第1の画素データのレベルが飽和状態にあるか否かを判定することにより、上記減算処理に先立って、暗出力成分を把握することができるので、不必要な補正処理を抑制して、CPUの負荷や処理時間の軽減を図ることができる。
【0086】
また、本発明に係る撮像装置は、上記撮像装置の構成において、前記信号処理手段は、前記第1及び第2の画素データ(DATA1、DATA2)の生成に際し、線形特性を有するγ補正テーブルに基づいて、前記電気信号にγ補正処理を行うことを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、第1及び第2の画素データの生成に際し、線形γ補正処理を行うことにより、第1及び第2の画素データに含まれる暗出力成分を均一化することができるので、上記減算処理により、第1の画素データから良好に暗出力成分を除去することができ、良好な表示画質を実現することができる。
【0087】
また、本発明に係る撮像装置は、上記撮像装置の構成において、前記信号処理手段は、前記γ補正テーブルの特性設定が変更可能に構成されていることを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、γ補正テーブルの特性設定を変更することにより、スルー動作時には非線形γ補正を行い、キャプチャー動作時には線形γ補正を行うことができるので、表示画質が重視されるキャプチャー動作時に画素データに含まれる暗出力成分を良好に除去することができる。
また、本発明に係る撮像装置は、上記撮像装置の構成において、前記補正処理手段は、前記第1の画素データ(DATA1)に含まれる前記暗出力成分を除去する補正処理を行った後、前記第1の画素データ(DATA1)に非線形特性を有するγ補正テーブルに基づいて、前記電気信号にγ補正処理を行うことを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、第1の画素データに含まれる暗出力成分を除去した後、第1の画素データに通常の非線形γ補正を行うことにより、補正処理を行った画素データと、補正処理を行わなかった画素データとを同等に扱うことができるので、従来と同等の処理により画像データを表示出力することができる。
【0088】
また、本発明に係る撮像装置は、上記撮像装置の構成において、前記イメージセンサ周辺の温度を検出する温度検出手段を備え、前記イメージセンサから前記電気信号を出力する際に、前記温度検出手段により検出された前記温度に基づいて、前記補正処理手段による補正処理を実行するか否かを制御することを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、イメージセンサ周辺の温度を検出する温度検出手段を備え、撮影時に検出された温度に基づいて、上記補正処理を実行するか否かを制御することにより、暗出力成分の温度依存性に対応することができるので、不必要な補正処理を抑制して、CPUの負荷や処理時間の軽減を図ることができる。
【0089】
また、本発明に係る撮像装置は、上記撮像装置の構成において、前記イメージセンサの電荷蓄積期間を判定する蓄積期間判定手段を備え、前記イメージセンサから前記電気信号を出力する際に、前記蓄積期間判定手段により判定された前記電荷蓄積期間に基づいて、前記補正処理手段による補正処理を実行するか否かを制御することを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、イメージセンサの電荷蓄積期間を判定する蓄積期間判定手段を備え、判定された電荷蓄積期間に基づいて、上記補正処理を実行するか否かを制御することにより、暗出力成分の露出時間依存性に対応することができるので、不必要な補正処理を抑制して、CPUの負荷や処理時間の軽減を図ることができる。
【0090】
また、本発明に係る撮像装置は、上記撮像装置の構成において、前記補正処理手段により前記第1の画素データ(DATA1)に含まれる前記暗出力成分を除去する補正処理を行った後、前記画像データを構成する1画面分の前記第1の画素データ(DATA1)のうち、突出したデータレベルを有する画素データを検出する孤立点検出手段を備え、前記孤立点検出手段により検出された前記画素データを隣接データにより置換する処理を行うことを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置によれば、補正処理後の画像データに含まれる孤立点を検出する孤立点検出手段を備え、検出された孤立点を隣接データにより置換する処理を行うことにより、上記補正処理の対象にならなかった画素データを検出して補正することができるので、より一層表示画質の向上を図ることができる。
【0091】
そして、本発明に係る撮像装置の信号処理方法は、入射光に応じた電荷を蓄積し、該蓄積電荷を電気信号に変換して出力するイメージセンサと、前記イメージセンサへの入射光路を開閉する光路開閉手段と、前記光路開閉手段の開閉動作を制御する開閉制御手段と、前記イメージセンサから出力される前記電気信号に、少なくとも所定の特性を有するγ補正テーブルに基づいてγ補正処理を行うとともに、前記電気信号に基づいて1画面分の画素データを生成する信号処理手段と、前記画像データを格納する記憶手段と、を有する撮像装置の信号処理方法において、前記開閉制御手段により、前記光路開閉手段を開状態に保持し、電荷蓄積期間に前記イメージセンサから出力される前記電気信号に基づいて第1の画素データ(DATA1)を生成する第1のステップと、前記電荷蓄積期間の経過後、前記光路開閉手段を閉状態に保持し、前記電荷蓄積期間と同一の電荷蓄積期間に前記イメージセンサから出力される前記電気信号に基づいて第2の画素データ(DATA2)を生成する第2のステップと、前記記憶手段に格納された前記第1及び第2の画素データ(DATA1、DATA2)に基づいて、前記第1の画素データ(DATA1)に含まれる、前記イメージセンサによる暗出力成分を除去する補正を行う第3のステップと、を含むことを特徴としている。
【0092】
したがって、本発明に係る撮像装置の信号処理方法によれば、光路開閉手段を開状態に保持し、イメージセンサから出力される電気信号に基づいて第1の画素データを生成し、電荷蓄積期間の経過後、光路開閉手段を閉状態に保持し、先の電荷蓄積期間と同一の電荷蓄積期間にイメージセンサから出力される電気信号に基づいて第2の画素データを生成し、第2の画素データにより第1の画素データに含まれる暗出力成分を除去する補正を行うので、イメージセンサを構成する各光電変換素子が有する固有の暗出力成分を、撮影の度に除去して、暗出力に伴う表示画質の劣化を良好に抑制することができ、従来、電子スチルカメラにおいて適用が困難とされていた夜景の撮影や長時間の露光によっても、暗出力成分の画像データへの混入を抑制して、電子スチルカメラの動作特性の向上を図ることができる。
【0093】
また、本発明に係る撮像装置の信号処理方法は、上記信号処理方法において、前記第3のステップは、前記第1の画素データ(DATA1)から前記第2の画素データ(DATA2)を減算する処理を行い、前記第1の画素データに含まれる前記暗出力成分を除去することを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置の信号処理方法によれば、第1の画素データから第2の画素データを減算するという簡易な処理方法により、CCDの暗出力の影響を抑制することができるので、CPU等への負荷を軽減しつつ、良好な表示画質を実現することができる。
また、本発明に係る撮像装置の信号処理方法は、上記信号処理方法において、前記第3のステップは、前記第2の画素データ(DATA2)に含まれる白キズ成分に基づいて、前記減算処理を実行するか否かが制御されることを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置の信号処理方法によれば、第2の画素データに白キズ成分が含まれるか否か、また、第2の画素データの白キズに対応する第1の画素データのレベルが飽和状態にあるか否かを判定することにより、上記減算処理に先立って、暗出力成分を把握することができるので、不必要な補正処理を抑制して、CPUの負荷や処理時間の軽減を図ることができる。
【0094】
また、本発明に係る撮像装置の信号処理方法は、上記信号処理方法において、前記第1及び第2のステップに先立って、前記信号処理手段に線形特性を有するγ補正テーブルを設定するステップを含むことを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置の信号処理方法によれば、第1及び第2の画素データの生成に際し、線形γ補正処理を行うことにより、第1及び第2の画素データに含まれる暗出力成分を均一化することができ、上記減算処理により、第1の画素データから良好に暗出力成分を除去することができるので、良好な表示画質を実現することができる。
【0095】
また、本発明に係る撮像装置の信号処理方法は、上記信号処理方法において、前記第3のステップによる、前記第1の画素データ(DATA1)に含まれる前記暗出力成分を除去する補正処理を行った後、前記第1の画素データ(DATA1)に非線形特性を有するγ補正テーブルに基づいて、前記電気信号にγ補正処理を行うステップを含むことを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置の信号処理方法によれば、第1の画素データに含まれる暗出力成分を除去した後、第1の画素データに通常の非線形γ補正を行うことにより、補正処理を行った画素データと、補正処理を行わなかった画素データとを同等に扱うことができるので、従来と同等の処理により画像データを表示出力することができる。
【0096】
また、本発明に係る撮像装置の信号処理方法は、上記信号処理方法において、前記第1及び第2のステップに先立って、前記イメージセンサから出力される前記電気信号に基づいて画像データを生成するステップを含み、該ステップは、前記信号処理手段に非線形特性を有するγ補正テーブルに基づいて、前記電気信号にγ補正処理を行うことを特徴としている。
したがって、本発明に係る撮像装置の信号処理方法によれば、スルー動作時には、画像データの生成に際し、非線形γ補正を施すことにより、被写体の構図を設定するためのスルー画像へのCPUの負荷や処理時間の軽減を図ることができ、動作特性に優れた電子スチルカメラを提供することができる。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、撮像手段(イメージセンサ)への入射光路を開とした状態で、非線形処理手段による画像データに対する非線形処理を禁止することにより、非線形処理が施されていない第1の画像データを取得するとともに、撮像手段への入射光路を閉とした状態で、非線形処理手段による画像データに対する非線形処理を禁止することにより、非線形処理が施されていない第2の画像データを取得し、該第2の画像データに基づいて、第1の画像データに含まれる暗出力成分を除去する補正を行うように構成されているので、第1及び第2の画像データに含まれる暗電圧成分が非線形処理により不均一化されることなく、適正に除去され、良好な画像データを得ることができる。したがって、露光時間の長い特殊な撮影条件であっても、暗電圧に起因するノイズ成分を良好に除去することができ、夜景等の暗い環境下であっても良好に撮影を行うことができる。
【0098】
また、撮像手段から出力された画像データに対して、非線形特性を有するγ補正テーブルを用いることにより非線形処理を行い、γ補正テーブルを線形特性を有するγ補正テーブルに変更して線形処理を行うことにより、上記非線形処理を禁止するように構成されているので、単一の非線形処理手段を用い、その処理特性を変更するという簡易な構成及び方法により、非線形処理が施されていない第1及び第2の画像データを取得することができ、第1の画像データに含まれる暗電圧に起因するノイズ成分を良好に除去する補正を行うことができる。請求項4記載の発明によれば、撮像手段から出力された画像データを、非線形処理を行うγ補正回路を迂回させることにより、上記非線形処理を禁止するように構成されているので、γ補正回路のγ補正テーブルを固定的に非線形特性を有するように設定し、画像データを取り込む信号経路を切り換えるという簡易な構成及び方法により、非線形処理が施されていない第1及び第2の画像データを取得することができ、第1の画像データに含まれる暗電圧に起因するノイズ成分を良好に除去する補正を行うことができる。
【0099】
また、第1の画像データから第2の画像データを減算する処理を行うことにより、上記第1の画像データの補正を行うように構成されているので、非線形処理が施されていない第1及び第2の画像データを減算処理するという簡易な構成及び方法により、第1の画像データに含まれる暗電圧に起因するノイズ成分を良好に除去する補正を行うことができる。
また、上記第1の画素データに含まれる暗出力成分を除去する補正を行った後、第2の非線形処理手段により第1の画素データに非線形処理を行うようにしているので、第1及び第2の画像データを取得する際に、画像データに対する非線形処理を禁止したことによる被写体像の画質の劣化を抑制することができる。
また、上記非線形処理手段及び第2の非線形処理手段は、単一のγ補正回路を用いて、画素データに対して非線形処理を行うようにしているので、簡易な構成及び方法により、第1及び第2の画像データに対する非線形処理を禁止したことによる被写体像の画質の劣化を抑制することができる。
【0100】
また、撮影モード設定手段により特殊撮影モードが設定されている場合に、第1及び第2の画像データを取得するようにしているので、撮影モードを簡易かつ任意に切り換え設定して非線形処理が施されていない第1及び第2の画像データを取得することができ、第1の画像データに含まれる暗電圧に起因するノイズ成分を良好に除去する補正を行うことができる。
また、撮像手段への入射光路を開とした状態で、非線形処理された第3の画像データを取得するようにし、また、取得された第3の画像データをファインダ画像として表示手段に表示するようにしているので、スルー画モードにおいて、被写体像の取り込み状態を表示手段を通して確認することができ、簡易かつ確実に任意の構図を有する画像を撮影(記録)することができる。
また、撮影モード設定手段により通常撮影モードが設定されている場合に、上記第3の画像データを取得するようにしているので、撮影モードを簡易かつ任意に切り換え設定して非線形処理が施された第3の画像データを取得することができ、暗電圧に起因するノイズ成分の影響が少ない通常撮影モードにおける被写体像の画質の劣化を抑制することができる。
【0101】
また、撮像手段(イメージセンサ)への入射光路を開とした状態で、撮像手段から出力された第1の画像データを取得するとともに、撮像手段への入射光路を閉とした状態で、撮像手段から出力された第2の画像データを取得し、該第2の画像データに孤立点が含まれるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、第1の画像データに含まれる暗出力成分を除去する補正を行うように構成されているので、上記第1の画像データの補正(例えば、第1及び第2の画像データを減算する処理)を行った場合に、孤立点において生じる不適正な処理結果を防止することができ、被写体像の画質の劣化を抑制することができる。
また、撮像手段(イメージセンサ)への入射光路を開とした状態で、撮像手段から出力された第1の画像データを取得するとともに、撮像手段への入射光路を閉とした状態で、撮像手段から出力された第2の画像データを取得し、該第1の画像データのレベルが飽和状態にあるか否かを判定し、その判定結果及び第2の画像データに基づいて、第1の画像データに含まれる暗出力成分を除去する補正を行うように構成されているので、上記第1の画像データの補正(例えば、第1及び第2の画像データを減算する処理)を行った場合に、飽和状態にある画素データにおいて生じる不適正な処理結果を防止することができ、被写体像の画質の劣化を抑制することができる。
【0102】
また、撮像手段(イメージセンサ)への入射光路を開とした状態で、撮像手段から出力された第1の画像データを取得するとともに、撮像手段への入射光路を閉とした状態で、撮像手段から出力された第2の画像データを取得し、イメージセンサ周辺の温度が所定の条件を満たす場合に、第2の画像データに基づいて、第1の画像データに含まれる暗出力成分を除去する補正を行うように構成されているので、暗電圧や白キズの温度依存性による画質の劣化を抑制して、良好な被写体像の画像データを得ることができる。また、撮影時の環境変化(温度変化)に応じて画像データの補正の有無を切り換えることができるので、制御処理上の負担を軽減することもできる。
【0103】
また、撮像手段(イメージセンサ)への入射光路を開とした状態で、撮像手段から出力された第1の画像データを取得するとともに、撮像手段への入射光路を閉とした状態で、撮像手段から出力された第2の画像データを取得し、イメージセンサの電荷蓄積期間が所定の条件を満たす場合に、第2の画像データに基づいて、第1の画像データに含まれる暗出力成分を除去する補正を行うように構成されているので、暗電圧や白キズの露光時間依存による画質の劣化を抑制して、良好な被写体像の画像データを得ることができる。また、撮影時の環境変化(露光時間の変化)に応じて画像データの補正の有無を切り換えることができるので、制御処理上の負担を軽減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮像装置の第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る撮像装置に適用されるn列×m行の画素を有するCCDの概略構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る撮像装置における通常撮影モードの処理動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係る撮像装置における特殊撮影モードの処理動作を示すフローチャートである。
【図5】非線形γ補正処理を施した場合の減算処理の効果を示す図である。
【図6】線形γ補正処理を施した場合の減算処理の効果を示す図である。
【図7】γ補正処理回路を含む信号処理用LSIの概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る撮像装置の第2の実施形態の要部構成を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る撮像装置の第2の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る撮像装置の第3の実施形態の要部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係る撮像装置の第3の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る撮像装置の第4の実施形態の要部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明に係る撮像装置の第4の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る撮像装置の第5の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係る撮像装置の第6の実施形態の主要処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 写真レンズ
12 メカシャッタ
13 CCD(撮像手段、イメージセンサ)
14 CDS
15 A/D
16 アクチュエータ
21、21a γ補正回路(非線形処理手段)
21b γ補正回路(第2の非線形処理手段)
22 カラープロセス回路
23 ビデオトランスファー回路
24 圧縮・伸長回路
25 ディジタルビデオエンコーダ
31 バッファメモリ
32 フラッシュメモリ
40 LCD(表示手段)
50 キー入力部(撮影モード設定手段)
60 CPU(第1の撮影制御手段、第2の撮影制御手段、第3の撮影制御手段、画像補正手段、禁止手段、判定手段、第2の非線形処理手段、補正制御手段、電荷蓄積期間判定手段)
80 温度センサ(温度検出手段)
Claims (6)
- 入射光に応じた電荷を蓄積し、該蓄積電荷を画像データに変換して出力する撮像手段と、
この撮像手段への入射光路を開とした状態で、前記撮像手段から出力された第1の画像データを取得する第1の撮影制御手段と、
前記撮像手段への入射光路を閉とした状態で、前記撮像手段から出力された第2の画像データを取得する第2の撮影制御手段と、
前記第1の撮影制御手段により取得された第1の画像データから前記第2の撮影制御手段により取得された第2の画像データを減算する処理を行うことにより、前記第1の画像データの補正を行う画像補正手段と、
前記第2の撮影制御手段により取得された第2の画像データ中の各画素データについて所定レベル以上の画素データであるか否かを判断する判断手段と、
この判断手段により所定レベル以上と判断された画素データを前記第1の撮影制御手段により取得された第1の画像データ中における対応する画素データから減算する処理を前記画像補正手段に行わせることにより、前記画像補正手段による前記第1の画像データの補正を実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記画像補正手段により補正された第1の画像データ中に存在する孤立点の画素データを検出する検出手段と、
この検出手段により検出された孤立点の画素データを補正する画素補正手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。 - 前記画素補正手段は、前記検出手段により検出された孤立点の画素データを隣接する画素データにより置換する手段を含むことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
- 前記第1及び第2の撮影制御手段による前記第1及び第2の画像データの取得を、連続的に行なわせる第3の撮影制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像装置。
- 前記撮像手段への入射光路を開閉する光路開閉手段を備え、
前記第1の撮影制御手段は、
前記光路開閉手段を用いて前記撮像手段への入射光路を開とし、
前記第2の撮影制御手段は、
前記光路開閉手段を用いて前記撮像手段への入射光路を閉とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。 - イメージセンサへの入射光路を開とした状態で、前記イメージセンサから出力された第1の画像データを取得する工程と、
前記イメージセンサへの入射光路を閉とした状態で、前記イメージセンサから出力された第2の画像データを取得する工程と、
前記第2の画像データ中の各画素データについて所定レベル以上の画素データであるか否かを判断する工程と、
前記所定レベル以上と判断された画素データについては該画素データを前記第1の画像データ中における対応する画素データから減算する処理を行う工程と、
前記所定レベル以上でないと判断された画素データについては該画素データを前記第1の画像データ中における対応する画素データから減算する処理を禁止する工程と、
からなる撮像装置の信号処理方法。
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