JP3788132B2 - 空気調和機の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機の運転制御内容を、コンピュータにより演算処理する空気調和機の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、制御用として空気調和機に搭載しているマイクロコンピュータは、空気調和機の運転・停止に関わらず、制御装置を構成するマイクロコンピュータの演算装置(以下、CPUと称す)の動作速度が一定であり、空気調和機のファンモータや室外機などに電源を供給するリレーなどのアクチュエータの動作制御および、運転時間データなどの外部メモリ
への書き込みは、CPUの一定動作速度によって行なわれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の空気調和機では、CPUの動作速度が、空気調和機の運転・停止に関わらず一定であり、マイクロコンピュータで消費される電力は、空気調和機が停止している時でも運転中と変わらない条件で消費していた。
【0004】
このように、従来は、空気調和機の特に停止時における制御装置による消費電力(以下、待機電力と称す)を低減することが困難であった。
【0005】
本発明は、従来の課題に着目し、空気調和機の動作に影響なく待機電力の低減を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、空気調和機の運転制御操作信号を出力する遠隔操作装置と、前記遠隔操作装置からの信号を受信する受信部と、この受信部から取り込まれた信号を解読し、空気調和機のアクチュエータの動作、あるいは外部メモリへのデータ書き込みを行うコンピュータを具備した空気調和機において、前記コンピュータに、演算装置の動作速度を切り換える演算速度切換手段と、前記空気調和機の運転モード、停止モードを判定するモード判定手段を設け、さらに前記演算速度切換手段により、前記モード判定手段が空気調和機の運転停止を判定した時は、前記演算装置の動作速度を、遠隔操作装置からの信号解読を可能とする程度に遅く、また遠隔操作装置からの信号を解読して運転モードと判断した時、前記コンピュータの演算装置の動作速度を停止時より速くし、上記空気調和機の運転が停止している状態でも、外部メモリへ書き込みをしている間は、上記コンピュータの演算装置の動作速度を運転中と同じように速くすることを特徴とするものである。
【0007】
さらに、請求項2記載の発明は、上記コンピュータの演算装置の動作速度を、遅いモードから速いモードに切り換える処理は、制御プログラムの一定の場所で行なうことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、上記空気調和機の運転が停止し、上記コンピュータの演算装置の動作速度が遅い状態のときは、前記コンピュータ内部のA/D変換処理を実施しないよう制御プログラムで設定したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参考に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
本発明は、図1に示すように、空気調和機の運転制御操作信号を出力する遠隔操作装置6と、前記遠隔操作装置6からの信号を受信する受信部4と、この受信部4から取り込まれた信号を解読し、空気調和機のアクチュエータ(圧縮機・ファンモータなどの起動リレーなど)3を動作させたり、外部メモリ5にデータ書き込み等の制御を行なうマイクロコンピュター1を具備している。
【0011】
さらに、前記マイクロコンピュータ1は、演算装置1aの動作速度を切り換える演算速度切換手段1bと、前記空気調和機の運転モード、停止モードを判定するモード判定手段1cを具備している。
【0012】
そして、図2に示すように、前記演算速度切換手段1bにより、前記モード判定手段1
cが空気調和機の運転停止を判定した時(ステップ202)は、前記演算装置1aの動作速度を、遠隔操作装置6からの信号解読を可能とする程度に遅く(ステップ204)、また遠隔操作装置6からの信号を解読して運転モードと判断した時、前記マイクロコンピュータ1の演算装置1aの動作速度を停止時より速くする(ステップ203)。
【0013】
上記演算装置1aの動作速度を切り換えは、具体的にはマイクロコンピュター1のプログラムソフトで実施される。
【0014】
したがって、停止時に遠隔操作装置6から正規の信号(運転信号・設定温度信号など)を受信した時のみ演算装置(以下、CPUと称す)1aの動作速度を速くでき、例えば外乱等による信号を受信してもCPU1aの動作速度は遅い状態のままであり、いたずらにCPU1aの動作速度を速くすることがない。
【0015】
その結果、空気調和機が停止しているときのマイクロコンピュータ1による消費電力が低減でき、よって空気調和機の待機電力を低減する。
【0016】
(実施の形態2)
また、上記空気調和機の運転が停止している状態において、図3に示すように、例えば積算した運転時間などの時間情報のように、外部メモリ5への書き込みが必要なデータを、外部メモリ5へ書き込こんでいる間(ステップ301)は、上記マイクロコンピュータ1の演算装置1aの動作速度を、運転中と同じように速くする(ステップ302)ものである。
【0017】
かかる制御により、速い動作速度で外部メモリ5への書き込みを行い、書き込みを短時間で終了する。
【0018】
したがって、途中で電源が遮断するといった場合でも書き込み不良となる確率が少なくなり、信頼性が向上するという作用を有する。
【0019】
(実施の形態3)
さらに、上記マイクロコンピュータ1の演算装置1aの動作速度において、遅いモードから速いモードに切り換える処理を、図4に示すように制御プログラムの一定の場所(ステップ402)で行なうことにより、CPU1aの動作速度を、速いモードに切り換えて処理を行うため(ステップ403)、マイクロコンピュータ1の動作が不安定になることがない。
【0020】
(実施の形態4)
また、上記空気調和機の運転が停止し、上記マイクロコンピュータ1の演算装置1aの動作速度が遅い状態(ステップ501)のときは、前記マイクロコンピュータ1内部のA/D変換処理を実施しないよう(ステップ502)制御プログラムで設定することができる。
【0021】
これにより、A/D変換処理に要する電力を削減でき、停止時の待機電力を更に低減できる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例における空気調和機の制御装置の概略構成図である。図1にお
いて、1はコンピュータの一例としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)で、演算装置1aと、この演算装置1aの動作速度を切り換える演算速度切換手段1bと、空気調和機の運転モード、停止モードを判定するモード判定手段1cを具備している。この演算装置1aの動作速度を切り換えは、具体的にはマイクロコンピュター1のプログラムソフトで実施される。このマイコン1は、空気調和機の運転制御を行う回路を構成する制御基板2に搭載されている。この制御基板2により、空気調和機の送風機(ファンモータ)や室外機に電源を供給するリレーなどの各種アクチュエータ3が制御される。また4は赤外光による遠隔操作装置6からの信号を受信する受信部で、前記マイコン1に接続されている。5は外部メモリであり、必要なときに前記マイコン1より制御に必要なデータが書き込まれる。
【0024】
図2は上記空気調和機の制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
スタートの状態は停止中であり、マイコン1のCPU1aの動作速度は遅い状態(以下、低速モードと称す)にある。
【0025】
まず、受信部4より信号が受信されたかどうかを判定する(ステップ201)。受信ありと判断されると、その信号を解読し正規の運転信号かどうかを判断する(ステップ202)。
【0026】
正規の運転信号と判断すると、運転制御を行うためにマイコン1のCPU1aの動作速度を速くし(以下、高速モードと称す)、各種アクチュエータ3の駆動信号を出力する(ステップ203)。
【0027】
ステップ202で正規の運転信号と判断されなかった場合、あるいはステップ201で信号が受信されない場合は、低速モードを継続する(ステップ204)。
【0028】
この低速モードの動作速度は、少なくとも受信信号が解読可能な速度に設定している。たとえば、低速モード時のCPU1aの動作速度を、高速モード時の動作速度の1/8とすると、マイコン1の消費電力を約1/4程度に低減させることができる。
【0029】
このように、停止時に遠隔操作装置6から正規の信号を受信した時のみCPU1aの動作速度を高速モードとすることにより、外乱等による信号(ノイズ信号など)を受信しても、CPU1aの動作速度は低速モードのままであり、いたずらにCPU1aの動作速度を速くすることがないため、空気調和機が停止しているときのコンピュータ1の消費電力を低減できる。よって空気調和機の待機電力を低減することができる。
【0030】
(実施例2)
図3は、他の実施例を示す上記空気調和機の制御装置の制御方法を示すフローチャートである。なお、制御回路の構成については、先の実施例1と同じであるため、説明を省略する。
【0031】
本実施例は、空気調和機の運転が停止している状態でも、外部メモリへ書き込みが必要な場合の制御内容を示すものである。
すなわち、運転時間の積算結果を記録する場合のように、継続して使用するデータ内容を、前記CPU1の動作速度が遅いまま書き込みを行うと、その書き込みに時間がかかり、途中で電源が遮断するといったことが発生した場合、書き込み不良となる。本実施例ではこのような不具合を解消する。
【0032】
同図において、スタートの状態は停止中であり、マイコン1のCPU1aの動作速度は遅い状態、すなわち、低速モードにある。
【0033】
そして、外部メモリ5への書き込みが発生したかどうかを判断し(ステップ301)、書き込み発生の場合はマイコン1のCPU1aの動作速度を高速モードに移行させる(ステップ302)。
【0034】
一方、ステップ301で外部メモリ5への書き込みが発生せずと判断された場合は、低速モードを継続する(ステップ303)。
【0035】
このように、本実施例は、速い動作速度、すなわち、高速モードで外部メモリ5への書き込みを行うことで、書き込みが短時間で終了し、途中で電源が遮断するといった場合でも書き込み不良となる確率が少なくなり、信頼性が向上する。
【0036】
(実施例3)
図4は、さらに他の実施例を示す上記空気調和機の制御装置の制御方法を示すフローチャートである。なお、制御回路の構成については、先の実施例1と同じであるため、説明を省略する。
【0037】
制御データ処理において、遠隔操作装置6からの信号を受けて、正規の運転信号であると判断された場合に、プログラムのどの場所にいるのか関係なくCPU1の動作速度を高速モードに切り換えると、タイマーカウント等の値が不安定になる場合がある。
【0038】
このようなことを回避するために、本実施例においては、CPU1の動作速度を切り換える処理は制御プログラムの一定の場所でのみ実施するようにしている。
【0039】
図4において、スタートの状態は停止中であり、マイコン1のCPU1aの動作速度は遅い状態、すなわち、低速モードにある。
【0040】
そして、タイマーカウント等の一連の処理を実施するといったプログラムのあとに(ステップ401)、受信信号を解読して運転モードと判断されてCPU1aの動作速度が、高速モード移行と指示されているかどうかを判断する(ステップ402)。
【0041】
ここで、高速モードの指示が出ている場合は、CPU1の動作速度を高速モードに切り換える(ステップ−403)。
【0042】
また、指示が出ていない場合は、低速モードのままである(ステップ−404)。 なお、ステップ402は、基本的に制御プログラム一巡のなかで定められた位置に一回しか発生しない。
このように、CPU1の動作速度を、低速モードから高速モードに切り換える処理を制御プログラムの中で一定の場所で行なうことにより、CPU1の動作速度の切り換え処理時に発生の可能性があるコンピュータ動作の不安定を防止することができる。
【0043】
(実施例4)
図5は、さらに他の実施例を示す上記空気調和機の制御装置の制御方法を示すフローチャートである。なお、制御回路の構成については、先の実施例1と同じであるため、説明を省略する。
【0044】
同図において、ステップ501でCPU1aの動作速度が低速モードかどうか判断する。そこで低速モードと判断された場合は、マイコン1のA/D変換処理を停止させる(ステップ502)。
【0045】
また、低速モードでないときは、A/D変換処理を実施する(ステップ503)。
【0046】
このように、本実施例によると、空気調和機の運転が停止してCPU1aの動作速度が低速モード状態のときは、マイコン1のA/D変換処理を実施しないよう制御プログラムを設定することで、A/D変換処理に要する電力を削減することができ、停止時の待機電力を更に低減できる。
【0047】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1記載の発明によれば、空気調和機の運転停止時に、遠隔操作装置から正規の信号(運転信号・設定温度信号など)を受信した時のみ演算装置の動作速度を速くし、例えば外乱等による信号を受信しても演算装置の動作速度は遅い状態のままにあるため、いたずらに演算装置の動作速度を速くすることがなく、空気調和機が停止しているときのマイクロコンピュータによる消費電力が低減でき、その結果、空気調和機の待機電力が低減できる。
また、上記空気調和機の運転が停止している状態において、例えば積算した運転時間などの時間情報のように、外部メモリへの書き込みが必要な場合、マイクロコンピュータの演算装置の動作速度を、運転中と同じように速くするもので、速い動作速度で外部メモリへの書き込みを行うため、書き込みを短時間で終了することができ、途中で電源が遮断するといった場合でも書き込み不良となる確率が少なくなり、信頼性が向上する。
【0048】
さらに、請求項2記載の発明は、上記マイクロコンピュータの演算装置の動作速度において、遅いモードから速いモードに切り換える処理を、制御プログラムの一定の場所で行なうことにより、演算装置の動作速度を、速いモードに切り換えて処理を行うため、マイクロコンピュータの動作が不安定になることがない。
【0049】
さらにまた、請求項3記載の発明は、上記空気調和機の運転が停止し、上記マイクロコンピュータの演算装置の動作速度が遅い状態のときは、前記マイクロコンピュータ内部のA/D変換処理を実施しないように設定することにより、A/D変換処理に要する電力が削減でき、停止時の待機電力を更に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す空気調和機の制御装置の概略構成図
【図2】 本発明の一実施例における空気調和機の制御方法の制御内容を示すフローチャート
【図3】 本発明の他の実施例における空気調和機の制御方法の制御内容を示すフローチャート
【図4】 本発明のさらに他の実施例における空気調和機の制御方法の制御内容を示すフローチャート
【図5】 本発明のさらに他の実施例における空気調和機の制御方法の制御内容を示すフローチャート
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ
1a 演算装置
1b 演算速度切換手段
1c モード判定手段
2 制御基板
3 各種アクチュエータ
4 受信部
5 外部メモリ
6 遠隔操作装置
Claims (3)
- 空気調和機の運転制御操作信号を出力する遠隔操作装置と、前記遠隔操作装置からの信号を受信する受信部と、この受信部から取り込まれた信号を解読し、空気調和機のアクチュエータの動作、あるいは外部メモリへのデータ書き込みを行うコンピュータを具備した空気調和機において、前記コンピュータに、演算装置の動作速度を切り換える演算速度切換手段と、前記空気調和機の運転モード、停止モードを判定するモード判定手段を設け、さらに前記演算速度切換手段により、前記モード判定手段が空気調和機の運転停止を判定した時は、前記演算装置の動作速度を、遠隔操作装置からの信号解読を可能とする程度に遅く、また遠隔操作装置からの信号を解読して運転モードと判断した時、前記コンピュータの演算装置の動作速度を停止時より速くし、上記空気調和機の運転が停止している状態でも、外部メモリへ書き込みをしている間は、上記コンピュータの演算装置の動作速度を運転中と同じように速くすることを特徴とする空気調和機の制御方法。
- 上記コンピュータの演算装置の動作速度を、遅いモードから速いモードに切り換える処理は、制御プログラムの一定の場所で行なうことを特徴とする請求項1記載の空気調和機の制御方法。
- 上記空気調和機の運転が停止し、上記コンピュータの演算装置の動作速度が遅い状態のときは、前記コンピュータ内部のA/D変換処理を実施しないよう制御プログラムで設定したことを特徴とする請求項1または2記載の空気調和機の制御方法。
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JP27239399A JP3788132B2 (ja) | 1999-09-27 | 1999-09-27 | 空気調和機の制御方法 |
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JP2001091032A JP2001091032A (ja) | 2001-04-06 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012083090A (ja) * | 2010-10-15 | 2012-04-26 | Hitachi Appliances Inc | 電子機器 |
-
1999
- 1999-09-27 JP JP27239399A patent/JP3788132B2/ja not_active Expired - Fee Related
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