JP3787327B2 - 支持体特に自動車の車体部分と板要素特にドア表張り又は壁表張りとの結合装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、板要素に固定可能な上部部分と、及び支持体と結合可能な下部部分とを備えた結合要素を有し、この場合、上部部分と下部部分との間に、係止要素を設け且つ首部形状に形成された中間領域が設けられ、中間領域は支持体開口内にはめ込み可能な係合部分を貫通する、支持体特に自動車の車体部分と板要素特にドア表張り又は壁表張りとの結合装置に関するものである。
【０００２】
次の従来技術は、中間領域が支持体の上側において中間部分により包囲され、中間部分は係止要素とロック可能であり、この場合、中間部分と係合部分との間に、支持体の上側に当接するシール要素が配置されている結合要素である（ドイツ実用新案登録第２９８１０４３７号）。
【０００３】
他の従来技術は、上部部分の係合領域が、上下に配置され且つ横ウェブにより相互に分離されたポケットからなる、支持体と板要素との間の結合である（ドイツ特許公開第１９５０４６９２号）。
【０００４】
さらに、保持要素が２つのフランジの間に第３の弾性フランジを有する、支持体と板要素との間の結合が既知である（ドイツ実用新案登録第２９７１８４８７号）。
【０００５】
冒頭記載の従来技術から出発して、組立ないし分解において押込力及び引出力を正確に調整できる、支持体と板要素との結合装置を提供することが本発明の課題であり、即ち、組立における微調整が、できるだけ小さな力のばらつきで保証されるべきである。
【０００６】
この課題は、本発明により、結合要素の中間領域が係止要素の第１の領域及び第２の領域を有することと、仮組立においては第１の領域が、及び最終組立においては第２の領域が、中間部分の相手係止要素とロックされていることと、及び最終組立において、結合要素の端部領域により、同時に係合部分の広がり要素が支持体開口の領域内で広げられていることとにより解決される。
【０００７】
これにより簡単に組み立てられる構造が得られ、それにもかかわらず、この構造は仮組立及び最終組立において正確な押込力及び引出力を保証するので、全体として本発明による装置は高い効果を有している。
【０００８】
本発明の他の実施態様において、係止要素の第１及び第２の領域がそれぞれ周囲溝として形成されていてもよく、この場合、第１及び第２の領域が中間首部により相互に隔てられていてもよい。
【０００９】
本発明の他の特徴により、結合要素が対角方向に相互に向かい合っている少なくとも２つのウェブを有していてもよく、ウェブは最終組立において中間部分のスリット内にはめ込まれている。
【００１０】
さらに、中間部分が、結合要素の中間領域のための貫通開口の領域内に、相手係止要素と、及びその間に配置されたスリットとを備えた中心領域を有し、及び対角方向に相互に向かい合っている切欠部を備えた周囲領域を有して、ディスク形状に形成されていてもよい。
【００１１】
有利な変更態様が従属請求項から得られる。
以下に本発明を図面に示す実施態様により詳細に説明する。
図１−図３に、図１２に示されている支持体２、特に自動車の車体部分と、詳細には示されていない板要素、特にドア表張り又は壁表張りとの本発明による結合装置が示されている。装置はプラスチックから製造されている。
【００１２】
本発明による装置は、本質的に、図７に示す結合要素１、図８に示す中間部分１５、図９に示すシール要素２０、図１０に示す係合部分１２及び図１１に示すキャップ５０からなっている。結合部分１は相互に間隔をなして位置する２つのフランジ７０及び７１を有し、フランジ７０及び７１は例えば図５及び図６に示されているロック部分６２と協働し、即ちロック部分６２内に挿入可能である。
【００１３】
図７のａ、ｂ、ｃに示すように、結合要素１の中間領域５は係止要素１０の第１の領域Ｉ及び第２の領域ＩＩを有し、この場合、第１の領域Ｉ及び第２の領域ＩＩは中間首部２８により相互に分離されている。上記の２つの領域はそれぞれ周囲溝３２及び３４として形成されている。
【００１４】
図２、図１２及び図１３に示す仮組立Ｖにおいては、係止要素１０の第１の領域Ｉが中間部分１５（図８）の相手係止要素２２とロックされ、一方、最終組立Ｅ（図１５）においては、第２の領域ＩＩが中間部分１５の同じ相手係止要素２２とロックされている。同時に、最終組立Ｅの状態において、結合要素１の端部領域４（図８のｃ）により、係合部分１２の広がり要素２５は支持体開口７の領域内で広げられる（図１７）。
【００１５】
図１−図４に示すように、仮組立ユニットＶにロック部分６２が設けられ、ロック部分６２は図５及び図６に詳細に示されている。このロック部分６２はスリット６５を有し、スリット６５はロック部分１の上部フランジ７０を受け入れるために使用される。下部フランジ７１はロック部分６２の下側に当接している。ロック部分６２は上側に渦巻状に伸長するそれ自身既知の複数の保持リブ６７を有している。
【００１６】
図７に、結合要素１が側面図、平面図及び中央断面図で詳細に示されている。図からわかるように、係止要素１０の第１の領域Ｉ即ち溝３２及び第２の領域ＩＩ即ち溝３４は中間首部２８により相互に隔てられている。
【００１７】
下側へ溝３２に平らな面５９が続き、これにより横断面においてこの領域内で回転防止として働く正方形が存在するので、係止ノーズ２２もまたここに滑らかにはめ込まれる。
【００１８】
この平らな面に４つの斜面５７が続き、斜面５７ははめ込み領域５５に移行する。このはめ込み領域の範囲内にウェブ２４が存在し、溝３４の上側の範囲内にウェブ３０が設けられている。
【００１９】
はめ込み領域５５と境を接する結合要素１の下部部分４にノッチ５２が形成されている。
図８のａ、ｂ及び断面図ｃ−ｃに中間部分１５が詳細に示されている。この中間部分１５は、結合要素１の中間領域５のための貫通開口３６の領域内に相手係止要素２２及びその中に配置されたスリット３１（図８ｂ）を備えた中心領域を有して、ディスク形状に形成されている。さらに、直径方向に相互に対向する切欠部３８を有する周囲領域が設けられ、切欠部３８は係止ノーズ１８に対するロックとして使用される。中間部分１５の切欠部３８の間に、図９に詳細に示されているシール要素の少なくとも１つの舌片４１をはめ込むための係合領域３３が存在する。
【００２０】
仮組立において、ロック要素１の第１の領域Ｉ即ち溝３２は中間部分１５の相手係止要素２２とロックされている。これに対して、最終組立Ｅにおいては、中間部分１５の相手係止要素２２は結合部分１の係止要素１０の第２の領域ＩＩ即ち周囲溝３４内に係合している。
【００２１】
図９ａ、ｂ及び断面図ｃ−ｃに上記シール要素２０が詳細に示されている。これは、少なくとも１つの舌片４１及び直径方向に相互に反対側にある貫通開口２１並びに中央開口２７を有して、例えばゴム・ディスクとして形成されている。
【００２２】
図１０は係合部分１２を側面図、平面図及び断面図ｃ−ｃで示している。この係合部分１２は直径方向に相互に対向している例えば４つのウェブ１８を有し、ウェブ１８は、特に図２０に示すように、中間部分１５の切欠部３８の後側に係合し且つ切欠部３８の後側でロックされている。
【００２３】
係合部分１２は、反対側に、直径方向に相互に対向している例えば４つの広がり要素２５を有し、広がり要素２５は円錐状に伸長し且つスリットにより相互に分離されている。係合部分１２のこの広がり要素２５は、例えば図２及び図７に示すように、結合要素１のはめ込み領域５５内に、しかも仮組立Ｖにおいてはめ込まれている。
【００２４】
これに対して、最終組立Ｅの状態においては、この広がり要素２５は結合要素１の斜面５７により広げられ且つ結合要素１の４つの平らな面５９に当接しているので特に図１７に示す状況が得られ、したがって、装置全体は支持体２の支持体開口７内に確実にロックされている。
【００２５】
図１１はキャップ５０を側面図、平面図及び断面図ｃ−ｃで示している。このキャップ５０は貫通開口５１を有し、且つ特に図１、２、４、１２、１７及び２０に示すように、結合要素１の下部部分４とロックされている。この場合、上記の図に示すように、キャップ５０の周囲領域は、仮組立位置Ｆにおいて係合部分１２の広がり要素２５の下部外側領域を包囲している。最終組立Ｅののちに、特に図１７に示すように、上記のこの領域はキャップ５０の周囲面から離れている。
【００２６】
図１２に示すように、本発明による装置は、仮組立Ｖの間に支持体２の支持体開口７内に挿入され、即ち中間部分１２の広がり要素２５はまだ広げられていない。この位置においては、特に図１３及び１４に示すように、中間部分１５の相手係止要素２２は結合要素１の溝３２即ち第１の領域Ｉ内にはめ込まれている。結合要素１のフランジ７１の下側と中間部分１５の上側との間に、図１２に示すように間隔ａが設けられている。
【００２７】
ここで、図１３に示すように、本発明による装置に圧力Ｐが加えられた場合、相手係止要素２２は、図１８に示すように、結合部分１の領域Ｉから領域ＩＩに到達する。したがって、相手係止要素２２は結合部分１の溝３４内にはめ込まれる。同時に、係合部分１２の広がり要素２５は結合要素１のはめ込み領域５５から斜面５７を超えて平らな面５９に移動し、したがって支持体２の開口７の後側で広げられる。この位置が特に図１７−２０に詳細に示されている。したがって、装置全体は最終組立Ｅにおいて支持体２の支持開口７内に確実にロックされるので、詳細には示されていない板要素特に自動車の壁表張りは、ロック部分６２を介して支持体２例えば自動車のドアと確実且つ効果的に結合されている。
【００２８】
この位置においてシール要素２０は支持体２の上側に当接し、したがって支持体開口７を確実にシールする。ユニット全体は相互に確実にロックされ、しかも支持体２の厚みとは無関係である。
【００２９】
本発明による装置が再び分解されるべき場合、ロック部分６２から引張作用が与えられ、これにより中間部分１５の相手係止要素２２は結合要素１の領域ＩＩから抜け出し且つ領域Ｉに到達する。同時に、広がり要素２５の広がりが戻され、図２に示すように、広がり要素２５は再び結合部分１のはめ込み領域５５内にはめ込まれる。これにより、広がり要素２５の外周はシール・キャップ５０の外周より大きくないので、装置全体を支持体開口７から取り出すことができる（特に図２及び１３参照）。
【００３０】
装置全体は簡単に組み立てられ且つ高い効果を有し、この場合特に、個々の部分が損傷されることなく、何回でも組立ないし分解が可能である。押込力及び引出力の設定が正確であるという利点が得られるので、きわめて良好な微調整が保証されている。したがって、前記力は支持体材料の厚さとは無関係である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図１は仮組立状態における本発明による装置の略側面図を示す。
【図２】 図２は図１の線ＩＩ、ＩＩによる断面図を示す。
【図３】 図３は図１に示す本発明による装置の平面図を示す。
【図４】 図４は図１の線ＩＩＩＩ、ＩＩＩＩによる断面図を示す。
【図５】 図５は図１に示す装置のロック部分の側面図を示す。
【図６】 図６は図５に示すロック部分の平面図を示す。
【図７】 図７ａ、ｂ、ｃは結合要素を側面図、平面図及び中央断面図で示す。
【図８】 図８ａ、ｂ、ｃは中間部分１５を側面図、平面図及び断面図ｃ−ｃで示す。
【図９】 図９ａ、ｂ、ｃはシール要素を側面図、平面図及び断面図ｃ−ｃで示す。
【図１０】 図１０ａ、ｂ、ｃは係合部分を側面図、平面図及び断面図ｃ−ｃで示す。
【図１１】 図１１ａ、ｂ、ｃはキャップを側面図、平面図及び断面図ｃ−ｃで示す。
【図１２】 図１２は支持体開口内に挿入されたのちの仮組立された本発明による装置を側面図で示す。
【図１３】 図１３は図１２の線ＸＩＩＩ−ＸＩＩＩによる断面図を示す。
【図１４】 図１４は図１３の拡大図Ｙを断面図で示す。
【図１５】 図１５は最終組立Ｅの状態における本発明による装置を示す。
【図１６】 図１６は支持体開口内に装置を挿入したのちの最終組立状態における図１５に類似の図を示す。
【図１７】 図１７は図１６に示す最終組立された装置の中央断面図を示す。
【図１８】 図１８は図１７の拡大図Ｘを示す。
【図１９】 図１９は本発明による装置の平面図を示す。
【図２０】 図２０は図１９の線ＸＸ−ＸＸによる断面図を示す。
【図２１】 図２１は最終組立状態における本発明による装置の斜視図を示す。

Claims (11)

1. 支持体（２）特に自動車の車体部分と板要素特にドア表張り又は壁表張りとの結合装置であって、
   板要素に固定可能な上部部分（３）と、及び支持体（２）と結合可能な下部部分（４）とを備えた結合要素（１）を有し、この場合、
   上部部分（３）と下部部分（４）との間に、係止要素（１０）を設け且つ首部形状に形成された中間領域（５）が設けられ、中間領域（５）は支持体開口（７）内にはめ込み可能な係合部分（１２）を貫通し、
   中間領域（５）が支持体（２）の上側において中間部分（１５）により包囲され、中間部分（１５）は係止要素（１０）とロック可能であり、
   結合要素（１）の中間領域（５）が係止要素（１０）の第１の領域（Ｉ）及び第２の領域（ＩＩ）を有し、仮組立においては第１の領域（Ｉ）が、及び最終組立においては第２の領域ＩＩが、中間部分（１５）の相手係止要素（２２）とロックされ、及び
   最終組立（Ｅ）において、結合要素（１）の端部領域（４）により、同時に係合部分（１２）の広がり要素（２５）が支持体開口（７）の領域内で広げられている、前記結合装置において、
   中間部分（１５）と係合部分（１２）との間に、支持体（２）の上側と当接するシール要素（２０）が配置されていることと、
   係止要素（１０）の第１及び第２の領域（Ｉ、ＩＩ）がそれぞれ周囲溝（３２、３４）として形成されていることと、
   係止要素（１０）の第１及び第２の領域（Ｉ、ＩＩ）が中間首部（２８）により相互に隔てられていることと、及び
   結合要素（１）が直径方向に相互に反対側にある少なくとも２つのウェブ（３０）を有し、ウェブ（３０）は最終組立（Ｅ）において中間部分（１５）のスリット（３１）内にはめ込まれていることと、
   を特徴とする支持体特に自動車の車体部分と板要素特にドア表張り又は壁表張りとの結合装置。
2. 中間部分（１５）が、結合要素（１）の中間領域（５）のための貫通開口（３６）の領域内に、相手係止要素（２２）と、及びその間に配置されたスリット（３１）とを備えた中心領域を有し、直径方向に相互に対向している切欠部（３８）を備えた周囲領域を有して、ディスク形状に形成されている（図８ａ−８ｃ）ことを特徴とする請求項１の装置。
3. 結合要素（１）の下部部分（４）の端部側にキャップ（５０）が固定されていることを特徴とする請求項１の結合要素。
4. キャップ（５０）が下部部分（４）のノッチ（５２）内にはめ込まれていることを特徴とする請求項３の装置。
5. 結合要素（１）の下部部分（４）が、ノッチ（５２）の後側に、仮組立（Ｖ）における係合部分（１２）の広がり要素（２５）のためのはめ込み領域（５５）を有する（図１３）ことを特徴とする請求項４の装置。
6. 結合要素（１）の下部部分（４）のはめ込み領域（５５）がウェブ（２４）により相互に隔てられていることを特徴とする請求項５の装置。
7. 結合要素（１）が仮組立（Ｖ）から最終組立（Ｅ）へ移動したときに係合部分（１２）の広がり要素（２５）を広げるために、下部部分（４）のはめ込み領域（５５）に、円錐状に伸長する斜面（５７）が続く（図１７）ことを特徴とする請求項６の装置。
8. 最終組立（Ｅ）において、広げられた広がり要素（２５）が結合要素（１）の下部部分（４）の平らな面（５９）に当接することを特徴とする請求項７の装置。
9. 係合部分（１２）が広がり要素（２５）の上側にウェブ（１８）を有し、ウェブ（１８）は中間部分（１５）の切欠部（３８）内にはめ込み可能であることを特徴とする請求項１ないし８の１つ又は複数の装置。
10. 中間部分（１５）の切欠部（３８）の間に、仮組立及び最終組立（Ｖ；Ｅ）においてシール要素（２０）の少なくとも１つの舌片（４１）をはめ込むための係合領域（３３）が配置されていることを特徴とする請求項９の装置。
11. シール要素（２０）が係合部分（１２）の広がり要素（２５）のための貫通開口（２１）を有することを特徴とする請求項９及び１０の装置。

Images