JP3787299B2 - 被検出体とマスクとの位置合わせ方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検出体とマスクとの位置合わせ方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、例えばはんだ印刷機における基板(被検出体)とマスクのように2枚の平板状の部材を重ね合わせるのに適した被検出体とマスクとの位置合わせ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
はんだ印刷機として、基板とマスクの間に、同一のカメラ軸上に配置した基板用カメラとマスク用カメラを設け、基板に設けられたフィディシャルマークの位置とマスクに設けられたフィディシャルマークの位置を認識して基板とマスクの位置合わせを行うタイプのものある。かかるタイプのはんだ印刷機には基板とマスクの位置合わせを調整するティーチング機能が用意されており、ティーチングを行って基板とマスクの位置合わせ精度を保証していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のはんだ印刷機は基本的にティーチングにて基板とマスクの位置合わせを行うことを前提にしており、ティーチングを行わないで基板とマスクの位置合わせ精度を明確に保証するものではなかった。これは予め決められた1種類のマスクと基板の位置合わせ繰り返し精度を保証しているだけであり、基板の大きさ、基板の温度変化を含めてマスクと基板の位置合わせ絶対精度を保証するものではなかった。
【0004】
本発明は、マスクと基板の位置合わせ絶対精度を保証する被検出体とマスクとの位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の被検出体とマスクとの位置合わせ方法は、被検出体とマスクとの位置合わせと同じ位置合わせ動作で絶対精度補正値測定用のマスタ被検出体と絶対精度補正値測定用のマスタマスクとの位置合わせを行うようにすると共に、マスタマスクに形成された2つの認識マークと、これらの認識マークのそれぞれと一致するマスタ被検出体上の位置に形成された2つの基準マークとをカメラで撮像し、当該カメラの撮像画像を参照し、2つの認識マークの中心と該認識マークと一致する基準マークの中心を結ぶ2つのベクトルが長さが等しく且つ方向が逆となるようにマスタ被検出体側を移動させ、位置合わせ後のマスタ被検出体の位置である初期値とマスタ被検出体を最終位置に移動した際の差を計算し、計算で求めた絶対精度補正値を記憶し、この絶対精度補正値に基づき、被検出体とマスクとの位置合わせの補正を行うものである。
【0006】
したがって、マスタマスクとマスタ被検出体を使用して求めた絶対精度補正値に基づいて被検出体とマスクとの位置合わせの補正を行うことができる。このため、ティーチングを行わずに位置合わせ精度を保証することができる。
【0007】
また、請求項2記載の被検出体とマスクとの位置合わせ方法は、位置合わせを行う被検出体の取付位置とマスクの取付位置とに、所定の間隔の格子が形成された透明の治具をそれぞれ配置し、被検出体の取付位置およびマスクの取付位置の格子毎の位置を位置合わせを行うカメラを用いて計測し、このカメラの倒れ補正値を求め記憶するカメラ倒れ補正工程を有するものである。したがって、被検出体とマスクとの位置合わせを行うカメラの傾斜を考慮して被検出体とマスクとの位置合わせを行うことができる。
【0008】
さらに、請求項3記載の被検出体とマスクとの位置合わせ方法は、温度変化によるカメラ倒れ補正工程を備えている。したがって、温度変化によるカメラの傾斜を考慮して位置合わせを行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0010】
本発明の被検出体とマスクとの位置合わせ方法は、例えば、はんだ印刷機1の被検出体(基板)2とマスク3との位置合わせに適用される。ただし、はんだ印刷機1の基板2とマスク3との位置合わせに限るものではなく、2枚の板状部材の位置合わせであれば適用可能である。例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の基板の位置合わせに適用しても良い。
【0011】
はんだ印刷機1の概略構成を図1に示す。はんだ印刷用のマスク3はマスク固定ユニット4に取り付けられている。被検出体である基板2はコンベア5によってマスク3の下方に搬送され、ストッパ6によって正確に位置決めされ停止される。マスク3の裏面(基板2対向面)には例えば2つのフィディシャルマーク3aが、基板2の表面(マスク3対向面)には例えば2つのフィディシャルマーク2aが設けられている。
【0012】
基板2とマスク3の間には、基板用カメラ(被検出体用カメラ)7とマスク用カメラ8が配置される。各カメラ7,8の本体は基板2及びマスク3に対して平行(水平)に配置されているが、各カメラ7,8の光軸は図示しないビームスプリッタによって基板2及びマスク3に対して直交するように反射される。このとき、各カメラ7,8の光軸が同軸上になるように(垂直に)反射される。また、各カメラ7,8には照明(LED)9,10が設けられている。基板用カメラ7とマスク用カメラ8は、図示しないX−Y移動装置に取り付けられており、水平で互いに直行するX軸方向及びY軸方向に移動可能になっている。
【0013】
はんだ印刷を行う場合、基板用カメラ7とマスク用カメラ8を基板2とマスク3の間から退避させた後、図示しない印刷テーブルを上昇させて基板2を持ち上げる。その際、例えば後述するアルゴリズムで基板2とマスク3の位置合わせを行い、さらに絶対精度補正を行っておく。このようにして基板2とマスク3を正確に重ね合わせた後、マスク3の上からはんだ印刷を行い、基板2の所定位置にはんだを載せる。
【0014】
位置合わせを行うアルゴリズムでは、マスク用カメラ(上カメラ)8と基板用カメラ(下カメラ)7の座標(カメラの軸座標)を、ガラス治具11の軸座標(ガラス治具座標)から印刷テーブルの軸座標(テーブル軸座標)に変換し、マスク3と基板2の位置合わせを可能にしている。このアルゴリズムは、以下の通りである。また、その概念を図2に示す。
【0015】
▲1▼ マスク用カメラ8でマスク3のフィディシャルマーク3aを測定し、メッシュ状に測定してあるガラス治具11の軸座標のデータから座標変換パラメータaを導出し、印刷テーブルの軸座標でのフィディシャルマーク3aの位置を示すM1ベクトルとM2ベクトルを得る。なお、メッシュ状に測定してあるガラス治具11の座標のデータから導出される座標変換パラメータa及びbは、例えばはんだ印刷機1の工場出荷時にカメラ倒れ補正工程を行って予め導出されている。カメラ倒れ補正工程については後述する。
【0016】
▲2▼ 基板用カメラ7で基板2のフィディシャルマーク2aを測定し、メッシュ状に測定してあるガラス治具11の座標のデータから座標変換パラメータを導出し、印刷テーブルの軸座標でのフィディシャルマーク2aの位置を示すB1ベクトルとB2ベクトルを得る。
【0017】
▲3▼ M1ベクトルとM2ベクトル、B1ベクトルとB2ベクトルの中間点M0、B0を求める。即ち、(M1+M2)/2=M0、(B1+B2)/2=B0とする。
【0018】
▲4▼ 中間点M0,B0の移動量(M0−B0)を求める。
【0019】
▲5▼ (M2−M1)ベクトルと(B2−B1)ベクトルの交差する角度θ0を求める。(図3参照)
【0020】
▲6▼ (B2−B1)ベクトルが印刷テーブル中心に角度θ0だけ回転したときに、ずれるベクトルΔAを求める。
【0021】
▲7▼ M0−B0+ΔAが求める移動ベクトル(印刷テーブル動作量)になる。
【0022】
次に、本発明を適用した被検出体とマスクの位置合わせ方法について説明する。この被検出体とマスクとの位置合わせ方法は、図4に示すように、はんだ印刷機1に絶対精度補正値測定用のマスタマスク14とマスタ基板(マスタ被検出体)15をセットして各々の認識マーク12と基準マーク13の中心ずれが最小になるように調整し、絶対精度補正値を求めて補正を行うものである。認識マーク12と基準マーク13は、マスタマスク14の上方に設けられた補正用カメラ16によって検出される。
【0023】
即ち、この被検出体とマスクとの位置合わせ方法は、被検出体である基板2とマスク3との位置合わせと同じ位置合わせ動作で絶対精度補正値測定用のマスタ被検出体であるマスタ基板15と絶対精度補正値測定用のマスタマスク14との位置合わせを行うようにすると共に、マスタマスク14に形成された2つの認識マーク12と、これらの認識マーク12のそれぞれと一致するマスタ基板15の位置に形成された2つの基準マーク13とをカメラ16で撮像し、当該カメラ16の撮像画像を参照し、2つの認識マーク12の中心と該認識マーク12と一致する基準マーク13の中心を結ぶ2つのベクトルLが長さが等しく且つ方向が逆となるようにマスタ基板15側を移動させ、位置合わせ後のマスタ基板15の位置である初期値とマスタ基板15を最終位置に移動した際の差を計算し、計算で求めた絶対精度補正値を記憶し、この絶対精度補正値に基づき、基板2とマスク3との位置合わせの補正を行うものである。
【0024】
図5にマスタマスク14を、図6にマスタ基板15を示す。マスタマスク14の対角線上の2箇所には、認識マーク12として孔が形成されている。また、マスタ基板15の認識マーク12に対応する位置には、基準マーク13が設けられている。マスタ基板15の認識マーク12は例えば直径が2mmの孔であり、マスタ基板15の基準マーク13は例えば直径が0.6mmの黒丸である。このため、マスタ基板15とマスタマスク14を重ね合わせると、図7のように認識マーク12の中に基準マーク13を確認することができる。なお、実際には、2つの認識マーク12の間隔は2つの基準マーク13の間隔に比べて例えば200μm短くなっており、角度検証を見やすくしている。
【0025】
なお、上述のマスタ基板15(508×460mm)の他に、絶対位置合わせ検証用に2種類(250×250mm、50×50mm)のマスタ基板15を用意しておく。
【0026】
補正用カメラ16は、例えば図4に示すように、認識マーク12及び基準マーク13に対応して例えば2台設けられている。各補正用カメラ16は図示しない保持フレームに固定されており、認識マーク12及び基準マーク13の真上に配置されている。各補正用カメラ16の必要最低分解能は、例えば10μm/ピクセルである。
【0027】
具体的な動作は次の通りである。
【0028】
▲1▼ はんだ印刷機1にマスタマスク14とマスタ基板15を取り付けた後、実際のはんだ印刷と同じ位置合わせ動作を行う。即ち、上述の位置合わせアルゴリズムと同じアルゴリズムに従ってマスタマスク14とマスタ基板15の位置合わせを行う。そして、位置合わせ後の印刷テーブルの位置を初期値として記憶する。なお、上述のアルゴリズムではフィディシャルマーク2a,3aを用いていたが、今回の位置合わせでは認識マーク12と基準マーク13を用いる。
【0029】
▲2▼ この状態の2台の補正用カメラ16の視野を図8と図9に示す。もし、このように見えないときには印刷テーブルをジョグ操作して見えるようにする。
【0030】
▲3▼ 次に、印刷テーブルと2つの補正用カメラ16の座標間の変換パラメータを求める。印刷テーブルをX方向に微少量Δxだけ移動させて元の位置に戻し、Y方向に微少量Δyだけ移動させて元の位置に戻す。この動作の3つの位置を補正用カメラ16で測定することで、印刷テーブルの軸座標と補正用カメラ16の軸座標の変換パラメータを求めることができる。
【0031】
▲4▼ この後、自動的に絶対精度補正値を求める。マスタマスク14の認識マーク12の中心とマスタ基板15の基準マーク13の中心を結ぶベクトルをベクトルLとすると、図10に示すように、2つのベクトルLが対称(長さが等しく且つ方向が逆)になるようにビジョンフィードバック動作により印刷テーブルをX方向及びY方向に移動させる。そして、X方向にΔXだけ、Y方向にΔYだけ移動したとすると、この最終位置と上記▲1▼で記憶した初期値の差(ΔX,ΔY)が得られる。これは、基板2とマスク3の位置合わせを行う場合の上下のガラス治具11間のX方向とY方向のオフセット量となる。また、図10のように、認識マーク12間距離からΔθを計算する。これが、基板2とマスク3の位置合わせを行う場合の上下ガラス治具11間のΔθ誤差になる。即ち、上下のガラス治具11と印刷テーブルの間の座標変換パラメータのθ誤差である。
【0032】
▲5▼ 求めたΔX、ΔY、Δθを絶対精度補正値として記憶する。
【0033】
このようにして絶対精度補正値ΔX、ΔY、Δθを求めた後、はんだ印刷機1からマスタマスク14とマスタ基板15を取り外し、マスク固定ユニット4にはんだ印刷を行うマスク3を取り付け、実際にはんだ印刷を行う。基板用カメラ7とマスク用カメラ8によって実際にはんだ印刷を行う基板2のフィディシャルマーク2aと当該基板2用のマスク3のフィディシャルマーク3aを測定しながら、上述の位置合わせアルゴリズムに従って基板2とマスク3の位置合わせを行った後、さらに上述の絶対精度補正値ΔX,ΔY,Δθだけ印刷テーブルを移動させて補正を行う。これにより、基板2とマスク3が正確に位置合わせされる。
【0034】
この後、基板用カメラ7とマスク用カメラ8を基板2とマスク3の間から退避させ、そして印刷テーブルを上昇させて基板2をマスク3に重ね合わせた後、はんだ印刷を行う。
【0035】
はんだ印刷機1では、基板用カメラ7とマスク用カメラ8を図示しないX−Y移動装置によって光軸を垂直に保ったまま水平移動させているが、組付誤差や部品間ギャップ等に起因して基板用カメラ7とマスク用カメラ8の移動に応じてその光軸が傾くことがある。このカメラ倒れによる測定誤差を補正するために、このはんだ印刷機1では、例えば工場出荷時に被検出体とマスクとの位置合わせ方法としてカメラ倒れ補正工程を行っている。
【0036】
このカメラ倒れ補正工程は、例えばガラス治具方式のもので、マスク面(マスク3の取付位置)と基板面(基板2の取付位置)に、例えば図11及び図12に示すガラス治具11をセットして、ガラス治具11の各ドット毎の位置を基板用カメラ(下のカメラ)7とマスク用カメラ(上のカメラ)8で測定する。これによりカメラの軸座標は、歪みのない理想的な上下のガラス治具の座標に変換できる。その結果、上述したマスク3と基板2の位置合わせは、上下のガラス治具11の位置合わせに計算上置き換えることが可能になり、カメラ倒れによるカメラ軸座標の歪みを排除した、即ちカメラ倒れを補正した位置合わせを実現することができる。
【0037】
つまり、本発明の被検出体とマスクの位置合わせ方法では、位置合わせを行う基板(被検出体)2の位置とマスク3の位置とに、所定の間隔の格子が形成された透明の治具(ガラス治具11)をそれぞれ配置し、基板2の位置およびマスク3の位置における格子毎の位置を位置合わせを行うカメラ(基板用カメラ7とマスク用カメラ8)を用いて計測し、このカメラの倒れ補正値を求め記憶するカメラ倒れ補正工程を行っている。
【0038】
具体的に説明すると、まず、マスク固定ユニット4と印刷テーブルにガラス治具11をそれぞれセットする。ガラス治具11を図11に示す。はんだ印刷を行う基板2の最大のものの寸法が例えば510×460mmであるとすると、ガラス治具11はこの寸法よりも例えば縦横10mmずつ大きくなっており、周囲に取り付け枠11aが設けられている。これにより、マスク固定ユニット4や印刷テーブルにセットすることができる。ガラス治具11には、図12に示すように、例えば直径0.8mmのドットが、例えば10mm間隔の格子状に全面に設けられている。ドットはガラスの蒸着面にエッチングによって形成されている。蒸着面はガラスの下面になっている。
【0039】
次に、セットしたガラス治具11の全てのドットを測定し、メッシュ状のデータ(ガラス治具11の座標とカメラ7,8の軸座標の対応表)を測定する。このとき、マスク用カメラ8でマスク固定ユニット4に取り付けたガラス治具(上のガラス治具)11のドットを測定し、基板用カメラ7で印刷テーブルに取り付けたガラス治具(下のガラス治具)11のドットを測定する。これにより、図13の座標変換パラメータa,cが求められる。
【0040】
次に、印刷テーブルの軸座標と基板用カメラ7の軸座標の間の変換パラメータbを求める。印刷テーブルの中心に基板用カメラ7で検出できる治具17をセットし、印刷テーブルを図14に示すようにXY方向に3点動作させ、基板用カメラ7で各々の位置を測定することにより、印刷テーブルの軸座標と基板用カメラ7の軸座標の変換パラメータbを求めることができる。なお、マスク用カメラ8と基板用カメラ7の光軸は同軸となっているため、座標変換パラメータbはマスク用カメラ8と印刷テーブルの軸座標の変換パラメータにもなる。
【0041】
このようにして、図13の座標変換パラメータa,b,cが求められる。この結果、位置合わせに必要な変換パラメータ▲1▼,▲2▼を間接的に求めることができる。即ち、これによりマスク3と基板2の位置合わせは、上下のガラス治具11の位置合わせに計算上置き換えることが可能になり、カメラ倒れによるカメラ軸座標の歪みを排除した位置合わせを行うことができる。
【0042】
また、本発明の被検出体とマスク3との位置合わせ方法は、温度変化によるカメラ倒れ補正工程を備えている。この温度変化によるカメラ倒れ補正工程は、例えば図15に示す温度補正治具18を使って行われる。温度補正治具18は、一体構造であり、温度の影響を受け難い材料で造られている。また、その形状から、温度変化によって伸縮しても上板18aと下板18bの孔19の位置関係は変化し難い。温度補正治具18をはんだ印刷機1の所定位置に取り付けておき、例えば一定時間毎に基板用カメラ7とマスク用カメラ8を上板18aと下板18bの間に移動させ、基板用カメラ7とマスク用カメラ8で上板18aと下板18bの孔19の位置を測定することにより、温度によるカメラ軸(カメラの光軸)の傾きを測定することができ、その測定値に基づいて補正をかけることができる。なお、温度補正治具18を使用した補正を、例えば一定時間毎に行っても良いし、あるいは所定枚数の基板2にはんだ印刷を行う毎に行っても良い。
【0043】
1種類の基板2を使用して絶対精度補正値を求めて位置合わせを行い、上記ベクトルLを計測して検証を行った結果を図16に示す。一方のベクトルLのXY座標と、他方のベクトルLのXY座標をプロットしてある。これらの2点の中点位置と原点(0,0)の差が絶対精度位置ずれ量である。図16より、絶対精度位置ずれ量が許容範囲である±25μmの範囲内であることが確認できた。また、図16のθが、基板2に設けられた2つのフィディシャルマーク2aが基板2の辺となす角度と一致することが確認できた。
【0044】
本発明は、上述の通り絶対精度補正、カメラ倒れ補正、温度補正の3つの機能を有しており、ある一定以上の精度で製造されている基板2とマスク3については全くティーチングを行わなくても、マスク3と基板2の位置合わせ精度を保証することができる。また、温度にも依存しないので、品質が安定したはんだ印刷を保証することができる。
【0045】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、カメラ倒れ補正工程をガラス治具方式としていたが、必ずしもこの方式に限るものではない。例えば、図17に示すように、カメラ軸の倒れを直接測定することにより、ずれ量Dを求め、実際のカメラの軸座標に測定したずれ量Dを加えることにより、カメラ倒れ補正を行うようにしても良い。なお、図17の例では、カメラが中心を基準に傾いていると仮定している。
【0046】
また、上述の説明では、温度変化によるカメラ倒れ補正工程を温度補正治具18を使用して行っていたが、必ずしもこの方法に限るものではない。例えば、予め温度とその温度のカメラ倒れ角度との対応関係を測定して記憶しておくと共に、はんだ印刷機1に温度センサを設置し、定期的に測定した温度に基づいてカメラの倒れ角度を推定し、この推定値に基づいて補正を行うようにしても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の被検出体とマスクとの位置合わせ方法では、被検出体とマスクとの位置合わせと同じ位置合わせ動作で絶対精度補正値測定用のマスタ被検出体と絶対精度補正値測定用のマスタマスクとの位置合わせを行うようにすると共に、マスタマスクに形成された2つの認識マークと、これらの認識マークのそれぞれと一致するマスタ被検出体上の位置に形成された2つの基準マークとをカメラで撮像し、当該カメラの撮像画像を参照し、2つの認識マークの中心と該認識マークと一致する基準マークの中心を結ぶ2つのベクトルが長さが等しく且つ方向が逆となるようにマスタ被検出体側を移動させ、位置合わせ後のマスタ被検出体の位置である初期値とマスタ被検出体を最終位置に移動した際の差を計算し、計算で求めた絶対精度補正値を記憶し、この絶対精度補正値に基づき、被検出体とマスクとの位置合わせの補正を行うので、ティーチングを行わずに被検出体とマスクとの位置合わせ精度を保証することができる。
【0048】
また、請求項2記載の被検出体とマスクとの位置合わせ方法では、位置合わせを行う被検出体の取付位置とマスクの取付位置とに、所定の間隔の格子が形成された透明の治具をそれぞれ配置し、被検出体の取付位置およびマスクの取付位置の格子毎の位置を位置合わせを行うカメラを用いて計測し、このカメラの倒れ補正値を求め記憶するカメラ倒れ補正工程を有しているので、被検出体とマスクとの位置合わせを行うカメラの傾斜を考慮して被検出体とマスクとの位置合わせを行うことができる。
【0049】
さらに、請求項3記載の被検出体とマスクとの位置合わせ方法は、温度変化によるカメラ倒れ補正工程を備えているので、温度変化によるカメラの傾斜を考慮して位置合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被検出体とマスクとの位置合わせ方法を実施するはんだ印刷機の概略構成図である。
【図2】基板とマスクの位置合わせを行うアルゴリズムを示す概念図である。
【図3】ベクトルΔAを求める概念を示す説明図である。
【図4】マスタマスクとマスタ基板を用いて絶対精度補正を行う様子を示す概念図である。
【図5】マスタマスクを示す平面図である。
【図6】マスタ基板を示す平面図である。
【図7】認識マークから基準マークが覗く様子を示す概念図である。
【図8】一方の補正用カメラの視野を示す概念図である。
【図9】他方の補正用カメラの視野を示す概念図である。
【図10】絶対精度補正値を求める概念を示す説明図である。
【図11】ガラス治具の平面図である。
【図12】ガラス治具のドットを示す概念図である。
【図13】各座標系間の関係を示す概念図である。
【図14】印刷テーブルを3点動作させる様子を示す概念図である。
【図15】温度補正治具を示す斜視図である。
【図16】絶対精度位置ずれ量を検証した結果を示す図である。
【図17】カメラ軸の傾斜を示す概念図である
【符号の説明】
2 基板(被検出体)
3 マスク
7 基板用カメラ
8 マスク用カメラ
12 認識マーク
13 基準マーク
14 マスタマスク
L 認識マークと基準マークとの中心間とからなるベクトル
Claims (3)
- 被検出体とマスクとの位置合わせと同じ位置合わせ動作で絶対精度補正値測定用のマスタ被検出体と絶対精度補正値測定用のマスタマスクとの位置合わせを行うようにすると共に、上記マスタマスクに形成された2つの認識マークと、これらの認識マークのそれぞれと一致する上記マスタ被検出体上の位置に形成された2つの基準マークとをカメラで撮像し、当該カメラの撮像画像を参照し、上記2つの認識マークの中心と該認識マークと一致する基準マークの中心を結ぶ2つのベクトルが長さが等しく且つ方向が逆となるように上記マスタ被検出体側を移動させ、上記位置合わせ後の上記マスタ被検出体の位置である初期値と上記マスタ被検出体を最終位置に移動した際の差を計算し、計算で求めた絶対精度補正値を記憶し、この絶対精度補正値に基づき、上記被検出体と上記マスクとの位置合わせの補正を行うことを特徴とする被検出体とマスクとの位置合わせ方法。
- 位置合わせを行う被検出体の取付位置とマスクの取付位置とに、所定の間隔の格子が形成された透明の治具をそれぞれ配置し、上記被検出体の取付位置および上記マスクの取付位置の上記格子毎の位置を位置合わせを行うカメラを用いて計測し、このカメラの倒れ補正値を求め記憶するカメラ倒れ補正工程を有することを特徴とする請求項1記載の被検出体とマスクとの位置合わせ方法。
- 温度変化によるカメラ倒れ補正工程を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の被検出体とマスクとの位置合わせ方法。
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