JP3787215B2

JP3787215B2 - How to paint plastic materials

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Publication number: JP3787215B2
Application number: JP11164397A
Authority: JP
Inventors: 芳彦斎藤; 征嗣小林; 顕博金倉
Original assignee: Nippon Bee Chemical Co Ltd
Current assignee: Nippon Bee Chemical Co Ltd
Priority date: 1997-04-28
Filing date: 1997-04-28
Publication date: 2006-06-21
Anticipated expiration: 2017-04-28
Also published as: JPH10296171A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック素材の塗装方法の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
基材に着色塗料を塗り、クリヤー塗料を塗り重ねた後、着色塗料塗膜およびクリヤー塗料塗膜を同時に焼き付ける、いわゆる２コート１ベーク方式による塗装方式はよく知られている。この塗装方式は、一般に、ウェットオンウェット方式と呼ばれており、仕上がり外観や耐候性等に優れ、密着性および耐水性も良好な硬化塗膜を形成することができ、しかも、塗膜の焼き付けを２度行う必要がなく、塗装工程を短縮できることから、現在、塗装方法の主流になっている。
【０００３】
ところで、基材としてプラスチック素材を用いる場合、基材との密着性を向上させるため、着色塗料やクリヤー塗料等の上塗り塗料を塗る前に、プライマー塗料を塗ることが必要となる。このプライマー塗料として従来は溶剤型のものが用いられていた。溶剤型プライマー塗料を用いる場合は、着色塗料塗膜を形成する前に、プラスチック素材にプライマー塗料を塗ってプライマー塗料塗膜を形成した後、焼き付けを行っておくことが必要となる。すなわち、溶剤型プライマー塗料では、プライマー塗料塗膜の上に着色塗料塗膜を塗り重ねて同時に焼き付けるということが困難であった。その理由の１つは、着色塗料としては一般に溶剤型着色塗料が用いられるので、プライマー塗料塗膜の焼き付けを予め行っておかないと、溶剤を含んだプライマー塗料塗膜と溶剤性着色塗料塗膜とが混ざり合い、これらの境界がなくなって、目的とする仕上がり外観や密着性の向上効果が得られなくなることである。もう１つの理由は、塗料の塗装効率を上げるために、着色塗料は一般に静電塗装法を用いて塗られるが、溶剤を含んだプライマー塗料塗膜上に着色塗料を塗り重ねようとしても、溶剤が絶縁性であるため、プラスチック素材からなる被塗物の通電性が十分ではなく、静電塗装法を行うことができなくなることである。
【０００４】
このように、プラスチック素材に塗装を施す場合、従来は焼き付け工程を２度も行う必要があった。ところが、プラスチック素材は、その耐熱性が低いため、焼き付け時に熱変形が起き易い。これを防ぐために、焼き付け温度を中低温（１４０℃以下）に設定して、焼き付け時間を長くする必要があった。しかし、この場合、中低温で焼き付けるというものの、プラスチック素材は、鋼板等の金属素材と比較して熱容量が大きいので、結果として焼き付け時に多量の熱エネルギーが必要となる。このため、焼き付け時のエネルギーコストを削減することが強く求められている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、プラスチック素材の表面に密着性および耐水性が良好な硬化塗膜を形成するに当たり、塗装工程の全時間を短縮することができて、すなわち、焼き付け工程を１回省くことができて、エネルギーコストの低いプラスチック素材の塗装方法を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々の実験を重ねた結果、溶剤型プライマー塗料の代わりに水性プライマー塗料を用いると、溶剤型着色塗料と混じり合うことがなく、また、水性プライマー塗料は通電性が高いので、プライマー塗料塗膜を焼き付けなくても、プラスチック素材からなる被塗物に通電性を付与できることがわかったので、プライマー塗料塗膜を着色塗料塗膜と同時に焼き付けすることの目処が立ち、本発明を完成した。
【０００７】
すなわち、本発明のプラスチック素材の塗装方法は、
プラスチック素材表面にポリオレフィン樹脂エマルションを主成分とする水性プライマー塗料を塗ってプライマー塗料塗膜を形成し、このプライマー塗料塗膜上に着色塗料を塗り重ねて着色塗料塗膜を形成し、この着色塗料塗膜上にクリヤー塗料を塗り重ねてクリヤー塗料塗膜を形成する塗膜形成工程と、
前記プライマー塗料塗膜、着色塗料塗膜およびクリヤー塗料塗膜を同時に焼き付けて、前記プラスチック素材の表面に硬化塗膜を形成する焼き付け工程と、
を含む。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明のプラスチック素材の塗装方法は、塗膜形成工程と焼き付け工程とを含む。以下、この塗装方法を詳しく説明する。
塗膜形成工程
塗膜形成工程は、プラスチック素材表面に、水性プライマー塗料、着色塗料およびクリヤー塗料を、この順番に塗り重ねて、各塗料を含む３つの塗料塗膜をプラスチック素材表面に形成する工程である。
【０００９】
まず、塗膜形成工程で用いられる、プラスチック素材、水性プライマー塗料、着色塗料およびクリヤー塗料について、詳しく説明する。
本発明で用いられるプラスチック素材は、特に限定されないが、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ＡＢＳ、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ＰＰＯ、ポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【００１０】
本発明で用いられる水性プライマー塗料は、着色塗料およびクリヤー塗料を上塗りするのに先立って、プラスチック素材表面に直接塗られる塗料である。水性プライマー塗料は、プライマー用樹脂および水を主成分として含み、適宜、顔料等が含まれている。プライマー用樹脂は、後述の硬化塗膜とプラスチック素材とを密着させ、硬化塗膜の耐水性、耐溶剤性等を向上させるものであり、エマルションおよび／または水溶性樹脂組成物の形態で水性プライマー塗料に含まれる。
【００１１】
上記エマルションは、プライマー用樹脂が粒子状に水媒体中に分散し、その粒子表面が、乳化剤、界面活性剤、分散剤等で安定化されたものである。エマルションとしては、たとえば、プライマー用樹脂としてアクリル樹脂を用いたアクリル樹脂エマルションや、同様にプライマー用樹脂としてそれぞれの樹脂を用いた、ポリエステル樹脂エマルション、ポリウレタン樹脂エマルション、ポリオレフィン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、アミノ樹脂エマルション等が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。さらに必要に応じて、これらの樹脂を変性したものを含むものでもよく、諸性能を向上させるのに有効である。中でも、エマルションが、アクリル樹脂エマルション、ポリウレタン樹脂エマルションおよびポリオレフィン樹脂エマルションから選ばれる少なくとも１種のものであると、プライマー塗料塗膜が硬化した硬化塗膜と、プラスチック素材との密着性がさらに向上するため好ましい。
【００１２】
上記水溶性樹脂組成物は、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エーテル基等の極性官能基を有し、その親水性によって水媒体中に溶解することができる水溶性樹脂をプライマー用樹脂として含む組成物である。水溶性樹脂組成物に用いられるプライマー用樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、繊維素樹脂等を基本構造として有する水溶性樹脂が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。中でも、水溶性樹脂組成物に含まれるプライマー用樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびアミノ樹脂から選ばれる少なくとも１種を基本構造として有する水溶性樹脂であると、プラスチック素材に対する密着性をさらに向上させることができるため好ましい。
【００１３】
水性プライマー塗料に含まれるエマルションおよび水溶性樹脂組成物の配合割合については、特に限定されないが、水性プライマー塗料が熱可塑性である場合は、エマルションを主成分として用いると、水の蒸発が速いので乾燥が容易となり、さらに、塗り重ねられる着色塗料との混ざり合いが少なく、外観、密着性や耐水性等の塗膜性能が発現し易いため好ましく、エマルションのみを用いるとさらに好ましい。一方、水性プライマー塗料が熱硬化性である場合は、必ずしもエマルションを主成分として用いなくても、密着性や耐水性等の塗膜性能を付与することができる。また、エマルションを併用してもよく、水溶性樹脂と硬化剤のみでもよい。しかし、水性プライマー塗料が熱硬化性である場合は、着色塗料およびクリヤー塗料を塗り重ねた後、焼き付け温度と時間とが重要となる。すなわち、水性プライマー塗料が十分硬化するのに必要な焼き付け条件を設定しなければならないが、過度に焼き付けるとプライマー塗料塗膜と、着色塗料塗膜およびクリヤー塗料塗膜との硬化性が異なるため、外観や密着性が低下することがある。
【００１４】
エマルションや水溶性樹脂組成物は、アミノ樹脂、イソシアネート樹脂、オキサゾリン樹脂やヒドラジン化合物等の硬化剤をさらに含む熱硬化性を有するものでもよい。
水性プライマー塗料は水を主成分として含み、その配合割合は、水性プライマー塗料全体に対して、好ましくは５０〜９０重量％、さらに好ましくは６０〜８０重量％である。水の配合割合が５０重量％未満であると、塗料粘度が高くなり、貯蔵安定性や、塗装作業性が低下する。他方、水の配合割合が９０重量％を超えると、水性プライマー塗料中の有効固形分量の割合が低下し、塗装効率が悪くなり、タレ、ワキ等の外観異状が生じやすくなる。なお、水性プライマー塗料は、有機溶剤をさらに含んでもよく、その配合割合は、通常、水性プライマー塗料に含まれる水に対して４０重量％以下である。
【００１５】
上記有機溶剤としては、たとえば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類；ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類；シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素類；酢酸エチル、酢酸ｎ−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル等のエステル類；ｎ−ブチルエーテル、イソブチルエーテル等のエーテル類；アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類；メタノール、エタノール、イソプロパノール、ｎ−ブタノール、２−ブタノール、ｎ−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール等のアルコール類；エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のセロソルブ類；ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のカービトール類；プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類；ジオキサン、Ｎ−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール等のその他の溶剤類等を挙げることができる。
【００１６】
水性プライマー塗料に含まれる顔料としては、たとえば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、紺青等の無機顔料；アゾ系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、インジゴ系、フタロシアニン系等の有機顔料等が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。
水性プライマー塗料は、必要に応じて、公知の補助配合剤を含有させることができる。補助配合剤としては、たとえば、導電性カーボン、導電性フィラー、金属粉等の導電性付与剤；無機充填剤；有機改質剤；安定剤；可塑剤；添加剤等が挙げられる。特に、水性プライマー塗料が導電性付与剤を含有したものであると、水性プライマー塗料から得られる塗膜の水分含有量にかかわらず導電性が付与され、着色塗料および／またはクリヤー塗料を容易に静電塗装法で塗り重ねることができるため好ましい。
【００１７】
本発明で用いられる着色塗料は、水性プライマー塗料を塗って形成したプライマー塗料塗膜を焼き付けて硬化させることなく、そのままプライマー塗料塗膜上に塗り重ねて着色塗料塗膜を形成させるのに用いられる塗料であり、クリヤー塗料に先立って使用される。着色塗料は、溶剤性着色塗料、水性着色塗料のいずれを用いてもよいが、最近の環境問題を考慮すると、水性着色塗料が好ましい。
【００１８】
上記溶剤性着色塗料に含まれる溶剤性着色塗料用樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、繊維素樹脂等が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。さらに、溶剤性着色塗料は、溶剤性着色塗料用樹脂と反応させて架橋硬化させるための硬化剤を含むものであってもよく、このような硬化剤として、たとえば、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン樹脂等が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。
【００１９】
上記水性着色塗料に含まれる水性着色塗料用樹脂としては、たとえば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、繊維素樹脂等が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。水性着色塗料用樹脂は、通常、エマルションおよび／または水溶性樹脂組成物の形態で塗料に配合される。なお、水性着色塗料は、溶剤性着色塗料と同様に、硬化剤をさらに含むものであってもよい。
【００２０】
着色塗料には、通常、メタリック顔料や着色顔料が含まれている。メタリック顔料としては、たとえば、アルミニウムフレーク、銅ブロンズフレーク、雲母状酸化鉄、マイカフレーク、金属酸化物を被覆した雲母状酸化鉄、金族酸化物を被覆したマイカフレーク等が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。着色顔料としては、たとえば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム、クロム酸鉛、カーボンブラック等の無機顔料；フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、アントラペロミジンイエロー、フラバンスロンイエロー、インダンストロンブルー、キナクリドンバイオレット等の有機顔料等が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。
【００２１】
着色塗料は、必要に応じて、公知の補助配合剤を含有させることができる。補助配合剤としては、たとえば、無機充填剤、有機改質剤、安定剤、可塑剤、添加剤等が挙げられる。
本発明で用いられるクリヤー塗料は、着色塗料塗膜を焼き付けて硬化させることなく、そのまま着色塗料塗膜上に塗り重ねてクリヤー塗料塗膜、つまり、３層塗膜のトップ層（最上層）を形成させるのに用いられる塗料であり、優れた耐候性や耐溶剤性等の物性を硬化塗膜に付与する。
【００２２】
クリヤー塗料に含まれるクリヤー塗料用樹脂としては、たとえば、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、シリコン変性樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、１種のみ、または、２種以上を併用してもよい。クリヤー塗料が、メラミンホルムアルデヒド樹脂、イソシアネート樹脂、エポキシ樹脂および、オキサゾリン樹脂から選ばれる少なくとも１種の硬化剤をさらに含む熱硬化型塗料であると、優れた塗膜性能が得られるとともに、クリヤー塗料の高固形分化が可能となり、クリヤー塗料中に含まれる溶剤量を減少させることができる。
【００２３】
クリヤー塗料は、必要に応じて、公知の補助配合剤を含有させることができる。補助配合剤としては、たとえば、有機改質剤、安定剤、添加剤等が挙げられる。
次に、塗膜形成工程の操作について詳しく説明する。
塗膜形成工程は、さらに細分化すると、水性プライマー塗膜形成工程と、着色塗膜形成工程と、クリヤー塗膜形成工程とに分けられる。
【００２４】
まず最初に、水性プライマー塗膜形成工程は、プラスチック素材を準備し、この表面に水性プライマー塗料を塗って、プライマー塗料塗膜を形成させる工程である。水性プライマー塗料を塗るのに先立って、必要に応じて、プラスチック素材を洗浄、脱脂しておいてもよい。水性プライマー塗料は、たとえば、スプレー塗装、印毛塗り、ロール塗り、流し塗り等の手法で塗ることができる。水性プライマー塗料の塗布量（乾燥膜厚）は、特に限定されないが、２〜３０μｍであると、密着性、耐水性および耐溶剤性等が向上するため好ましい。
【００２５】
水性プライマー塗膜形成工程では、得られるプライマー塗料塗膜を焼き付けて硬化させずにそのままにしておき、次の着色塗膜形成工程で着色塗料がプライマー塗料塗膜上に塗り重ねられる。なお、プライマー塗料塗膜の平滑性を確保し、泡抜け等を促進するために、室温下または温風条件下、１〜２０分間乾燥してもよく、プラスチック素材の表面に形成される硬化塗膜の仕上がり外観を向上させることができるため好ましい。
【００２６】
次に、着色塗膜形成工程は、水性プライマー塗膜形成工程で得られたプライマー塗料塗膜上に、着色塗料を塗り重ねてプライマー塗料塗膜の表面に着色塗料塗膜を形成させる工程である。
着色塗料は、仕上がり外観を向上させ、優れた美粧性を得るために、通常は、エアースプレーまたはエアレススプレーを用いて、プライマー塗料塗膜の表面に塗り重ねられる。
【００２７】
プライマー塗料塗膜は水を含んでおり、水性プライマー塗料に導電性材料を配合しなくても、ある程度の導電性を有しているので、プライマー塗料塗膜の水分量を制御することにより、着色塗料を静電スプレーを用いて塗り重ねることができ、エネルギーコストをさらに低くし、環境汚染を防止できるため好ましい。なお、静電スプレーで着色塗料を塗り重ねる場合、水性プライマー塗料に導電性材料が配合されていると、導電性をプライマー塗料塗膜により確実に付与できるため好ましい。着色塗料の塗布量（乾燥膜厚）は、特に限定されないが、１０〜５０μｍであると、着色性（隠ぺい性）や耐溶剤性等が向上するため好ましい。
【００２８】
着色塗膜形成工程では、得られた着色塗料塗膜および水性プライマー塗膜形成工程で得られたプライマー塗料塗膜を焼き付けて硬化させずにそのままにしておく。そして、次のクリヤー塗膜形成工程でクリヤー塗料が着色塗料塗膜上に塗り重ねられる。なお、着色塗料塗膜の平滑性を確保し、泡抜け等を促進し、メタリック顔料を用いた場合にこれを配向させるために、室温下または温風条件下、１〜２０分間乾燥してもよく、プラスチック素材の表面に形成される硬化塗膜の仕上がり外観を向上させることができるため好ましい。
【００２９】
最後に、クリヤー塗料形成工程は、着色塗膜形成工程で得られた着色塗料塗膜の表面に、クリヤー塗料を塗り重ねて着色塗料塗膜上にクリヤー塗料塗膜を形成させる工程である。
クリヤー塗料は、通常は、エアースプレーまたはエアレススプレーを用いて、着色塗料塗膜の表面に塗り重ねられるが、静電スプレーを用いて塗り重ねることもでき、エネルギーコストをさらに低くし、環境汚染を防止できるため好ましい。クリヤー塗料の塗布量（乾燥膜厚）は、特に限定されないが、１５〜７０μｍであると、仕上がり外観、耐水性、耐溶剤性、耐候性等が向上するため好ましい。
【００３０】
以上のようにして、プラスチック素材の表面に、水性プライマー塗料、着色塗料およびクリヤー塗料をこの順番に塗り重ねて、各塗料成分を含む３つの塗料塗膜をプラスチック素材表面に形成し、次の焼き付け工程が行われる。
水性プライマー塗料、着色塗料およびクリヤー塗料の選択に当たっては、焼き付け工程で十分に硬化乾燥できる塗料を選択する必要がある。乾燥が不十分で水または溶剤が硬化塗膜内部に残存すると、硬化塗膜において、耐候性、耐水性および耐溶剤性等の性能が低下し易くなる。また、クリヤー塗料が熱硬化型塗料である場合は、その硬化反応を阻害しない水性プライマー塗料や着色塗料を選択する必要があり、たとえば、ラッカー型水性プライマー塗料／２液熱硬化型溶剤性着色塗料／２液熱硬化型溶剤性型クリヤー塗料、ラッカー型水性プライマー塗料／ラッカー型水性着色塗料／２液熱硬化型溶剤性クリヤー塗料等の塗料の組み合わせが挙げられる。
焼き付け工程
焼き付け工程は、前述の塗膜形成工程で形成された、プライマー塗料塗膜、着色塗料塗膜およびクリヤー塗料塗膜を同時に焼き付けて、プラスチック素材の表面に、プライマー塗料硬化塗膜、着色塗料硬化塗膜およびクリヤー塗料硬化塗膜の３層から構成される硬化塗膜を形成する工程である。
【００３１】
焼き付け条件については、プラスチック素材が熱変形せず、かつ、良好な塗膜性能が得られる温度と時間を選択するものであれば特に限定されない。
焼き付け温度は、通常、中低温である５０〜１４０℃であり、好ましくは７０〜１３０℃である。焼き付け温度が５０℃未満であると、水性プライマー塗料や着色塗料に含まれる水や溶剤の蒸発が遅く、焼き付けに時間がかかるとともに、クリヤー塗料塗膜が十分に硬化せず、硬化塗膜において、耐候性、耐水性および耐溶剤性等の性能が低下する。他方、焼き付け温度が１４０℃を超えると、水性プライマー塗料や着色塗料に含まれる水や溶剤が突沸し、クリヤー塗料塗膜が硬化した外観にワキやヘコミ等の異常を生じる。また、水や溶剤の蒸発や、各塗料塗膜の硬化によって塗料塗膜の体積収縮が急激におこるため、硬化塗膜の内部応力が高くなり、各硬化塗膜の層間で剥がれ等が生じ、密着性が低下する。
【００３２】
焼き付け時間は、通常１０〜１２０分間であり、好ましくは１５〜６０分間、さらに好ましくは２０〜４０分間である。焼き付け時間が１０分間未満であると、塗料に含まれる水や溶剤の蒸発が不十分であり、硬化塗膜において、耐候性、耐水性および耐溶剤性等の性能が低下する。他方、焼き付け時間が１２０分間を超えると、硬化しすぎで密着性等が低下し、塗装工程の全時間が長くなり、エネルギーコストが大きくなる。
【００３３】
塗料塗膜を同時に焼き付けるのに用いる加熱装置としては、たとえば、熱風、電気、ガス、赤外線等の加熱源を利用した乾燥炉等が挙げられ、また、これら加熱源を２種以上併用した乾燥炉を用いると、乾燥時間が短縮されるため好ましい。
このようにして、形成させた３層から構成される硬化塗膜では、各層間およびプライマー塗料硬化塗膜とプラスチック素材間の密着性、および、硬化塗膜の耐水性は良好である。また、この塗装方法では、３層から構成される塗料塗膜を１度の焼き付けでその硬化塗膜に変換することができるため、塗装工程の全時間を短縮することができ、エネルギーコストを低下させることができる。
【００３４】
【実施例】
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、部および％は、いずれも、重量部および重量％を意味する。
〔製造例１〕水性プライマー塗料の製造
水溶性ウレタン樹脂（三洋化成工業（株）製、ＮＶ３５％）３８部、カーボンブラック３部、酸化チタン２７部、消泡剤１部とブチルセロソルブ４部を予備混合した後、サンドグラインダーミルを使って顔料ペーストを作製した。
【００３５】
この顔料ペースト５０部に、特開平７−２６０８８に記載されたアクリル樹脂変性塩素化ポリプロピレンエマルション（ＮＶ３０％）１４０部とアクリル樹脂エマルション（日本ビー・ケミカル（株）製、ＮＶ２８％）２０部を加えた後、表面調整剤２部と増粘剤１部をさらに混合して水性プライマーを作製した。
〔製造例２〕水性着色塗料Ａの製造
水溶性アクリル樹脂（日本ペイント（株）製、ＮＶ２３％、樹脂酸価５５KOHmg/g ）１７０部とアルミペースト（東洋アルミニウム（株）製、ＮＶ５５％）１５部をよく攪拌混合する。そこにアクリル樹脂エマルション（日本ゼオン（株）製、ＮＶ３５％）８５部、サイメル２３５（三井サイアナミッド（株）製、ＮＶ１００％）１５部、増粘剤１部とドデシルベンゼンスルホン酸のブチルセロソルブ溶液０．４部を加えて混合することにより水性着色塗料Ａを得た。
〔製造例３〕水性着色塗料Ｂの製造
水溶性アクリル樹脂（日本ペイント（株）製、ＮＶ２３％、樹脂酸価５５KOHmg/g ）１３０部、タイペークＣＲ−９７（石原産業（株）製）７０部と脱イオン交換水３５部を予備混合したのち、ダイノーミルで顔料分散して白色顔料ペーストを作製した。そこにアクリル樹脂エマルション（日本ゼオン（株）製、ＮＶ３５％）８５部、ウレタン樹脂エマルション（ゼネカ（株）製、ＮＶ３４％）５５部と増粘剤０．５部を加えて混合することにより水性着色塗料Ｂを得た。
〔実施例１〕
（ラッカー型水性プライマー塗料／１液熱硬化型溶剤性着色塗料／１液熱硬化型溶剤性クリヤー塗料）
トリクロロエタンで蒸気洗浄したポリプロピレン素材に、製造例１で作製した水性プライマー塗料を乾燥膜厚１０μｍとなるように塗装した。水性プライマー塗料の塗装後、４０℃で１０分間放置したのち、日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−３３１溶剤性着色塗料を乾燥膜厚１５μｍとなるように塗装した。本塗装板を乾燥することなく直ちに日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−３４３溶剤性クリヤー塗料を乾燥膜厚３５μｍとなるよう塗装した。塗装板を室温で５分放置した後、１２０℃で３５分硬化乾燥して最終塗板（Ａ１）を得た。
〔実施例２〕
（ラッカー型水性プライマー塗料／１液熱硬化型水性着色塗料／１液熱硬化型溶剤性クリヤー塗料）
中性洗剤でよく洗浄したポリプロピレン素材に、製造例１で作製した水性プライマー塗料を乾燥膜厚１０μｍとなるように塗装した。水性プライマー塗料の塗装後、室温で１０分間放置したのち、製造例２で作製した水性着色塗料Ａを乾燥膜厚１５μｍとなるように塗装した。本塗装板を乾燥することなく直ちに日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−３４３溶剤性クリヤー塗料を乾燥膜厚３５μｍとなるよう塗装した。塗装板を室温で５分放置した後、１２０℃で３５分硬化乾燥して最終塗板（Ａ２）を得た。
〔実施例３〕
（ラッカー型水性プライマー塗料／１液熱硬化型水性着色塗料／１液熱硬化型溶剤性クリヤー塗料）
中性洗剤でよく洗浄したポリプロピレン素材に、製造例１で作製した水性プライマー塗料を乾燥膜厚１０μｍとなるように塗装した。水性プライマー塗料の塗装後、室温で１０分間放置したのち、製造例２で作製した水性着色塗料Ａを乾燥膜厚１５μｍとなるように塗装した。本塗装板を８０℃温風で２分乾燥後、直ちに日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−３４３溶剤性クリヤー塗料を乾燥膜厚３５μｍとなるよう塗装した。塗装板を室温で５分放置した後、１２０℃で３５分硬化乾燥して最終塗板（Ａ３）を得た。
〔実施例４〕
（ラッカー型水性プライマー塗料／ラッカー型水性着色塗料／２液熱硬化型溶剤性クリヤー塗料）
中性洗剤でよく洗浄したポリプロピレン素材に、製造例１で作製した水性プライマー塗料を乾燥膜厚１０μｍとなるように塗装した。水性プライマー塗料の塗装後、室温で１０分間放置したのち、製造例３で作製した水性着色塗料Ｂを乾燥膜厚２０μｍとなるように塗装した。本塗装板を乾燥することなく直ちに日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−２８８溶剤性クリヤー塗料を乾燥膜厚３５μｍとなるよう塗装した。塗装板を室温で５分放置した後、８０℃で３０分硬化乾燥して最終塗板（Ａ４）を得た。
〔実施例５〕
（ラッカー型水性プライマー塗料／２液熱硬化型溶剤性着色塗料／２液熱硬化型溶剤性クリヤー塗料）
中性洗剤でよく洗浄したポリプロピレン素材に、製造例１で作製した水性プライマー塗料を乾燥膜厚１０μｍとなるように塗装した。水性プライマー塗料の塗装後、室温で１０分間放置したのち、日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−２１２溶剤性着色塗料を乾燥膜厚１５μｍとなるように塗装した。本塗装板を乾燥することなく直ちに日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−２８８溶剤性クリヤー塗料を乾燥膜厚３５μｍとなるよう塗装した。塗装板を室温で５分放置した後、８０℃で３０分硬化乾燥して最終塗板（Ａ５）を得た。
〔実施例６〕
（ラッカー型水性プライマー塗料／２液熱硬化型溶剤性着色塗料／２液熱硬化型溶剤性クリヤー塗料）
中性洗剤でよく洗浄したポリプロピレン素材に、製造例１で作製した水性プライマー塗料を乾燥膜厚１０μｍとなるように塗装した。水性プライマー塗料の塗装後、室温で１０分間放置したのち、日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−２１２溶剤性着色塗料（塗料抵抗値０．３メガΩ）を乾燥膜厚１５μｍとなるように、ランズバーグ社製ベル型静電塗装機（印加電圧−５０ＫＶ）で静電塗装した。本塗装板を室温下で１０分間放置した後、日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−２８８溶剤性クリヤー塗料（塗料抵抗値０．３メガΩ）を乾燥膜厚３５μｍとなるように、上記塗装機（印加電圧−５０ＫＶ）で静電塗装した。塗装板を室温で５分放置した後、８０℃で３０分硬化乾燥して最終塗板（Ａ６）を得た。
〔比較例１〕
中性洗剤でよく洗浄したポリプロピレン素材に、製造例１で作製した水性プライマー塗料を乾燥膜厚１０μｍとなるように塗装した。水性プライマー塗料の塗装後、室温で５分間放置したのち８０℃で４５分乾燥した。製造例３で作製した水性着色塗料を乾燥膜厚２０μｍとなるように塗装した。本塗装板を室温で５分放置後、８０℃で３０分更に乾燥した。日本ビー・ケミカル（株）製Ｒ−２８８溶剤性クリヤー塗料を乾燥膜厚３５μｍとなるよう塗装した。塗装板を室温で５分放置した後、８０℃で３０分硬化乾燥して最終塗板（Ｂ１）を得た。
【００３６】
実施例１〜６および比較例１で作製した最終塗板（Ａ１）〜（Ａ６）および（Ｂ１）を１日放置した後、硬化塗膜の物性を下記の試験方法で評価した。その結果を表１に示す。
〔試験方法〕
外観 … 硬化塗膜について、ワキ、ハジキ、ムラなどの目視評価を行った。
【００３７】
密着性 … 最終塗板について、ＪＩＳＫ５４００の碁盤目テープハクリ試験を行った。
耐水性 … 最終塗板を４０℃温水に２４０時間浸漬後、１日室温乾燥してブリスター（水浸透による塗膜のフクレ）のＡＳＴＭＤ７１４による目視評価と碁盤目テープハクリ試験を行った。表１に示した結果において、分母の１００は碁盤目数であり、分子は碁盤目テープハクリ試験での残存数を示す。
【００３８】
耐湿性 … 最終塗板を５０℃、相対湿度９５％以上の環境で２４０時間放置後、１日室温乾燥してブリスターのＡＳＴＭＤ７１４による目視評価と碁盤目テープハクリ試験を行った。表１に示した結果は、耐水性と同様に記載した。
耐ガソリン性 … 最終塗板を２０℃のレギュラーガソリンに６０分浸漬後、ハガレ、フクレの有無について目視評価を行った。
【００３９】
【表１】

【００４０】
【発明の効果】
本発明のプラスチック素材の塗装方法は、硬化塗膜をプラスチック素材の表面に形成するに当たり、塗装工程の全時間を短縮することができ、エネルギーコストを低下させることもできる。また、得られる硬化塗膜を構成する各層間およびプライマー塗料硬化塗膜とプラスチック素材間の密着性、および、硬化塗膜の耐水性は良好である。さらに、プライマー塗料として、水性のものを用いているため、環境汚染を防止することも可能である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement in a method for painting a plastic material.
[0002]
[Prior art]
A so-called two-coat one-bake coating method is well known, in which a colored paint is applied to a substrate, a clear paint is applied repeatedly, and then the colored paint film and the clear paint film are baked at the same time. This coating method is generally called a wet-on-wet method, and can form a cured coating film with excellent finished appearance, weather resistance, etc., good adhesion and water resistance, and baking of the coating film. Since the painting process can be shortened without having to perform the process twice, it is currently the mainstream painting method.
[0003]
By the way, when using a plastic material as a base material, in order to improve adhesiveness with a base material, it is necessary to apply a primer coating before applying a top coating such as a colored coating or a clear coating. Conventionally, a solvent-type primer paint has been used. In the case of using a solvent-type primer coating, it is necessary to perform baking after forming a primer coating film by applying a primer coating to a plastic material before forming a colored coating film. That is, with the solvent-type primer coating, it has been difficult to apply a colored coating film on the primer coating film and to bake it at the same time. One reason for this is that solvent-based colored paints are generally used as the colored paints. Therefore, if the primer paint film is not baked in advance, the primer paint film containing the solvent and the solvent-based colored paint film are used. Are mixed together, and the boundary between them disappears, and the intended finished appearance and adhesion improvement effect cannot be obtained. Another reason is that, in order to increase the coating efficiency of the paint, the colored paint is generally applied using an electrostatic coating method. However, even if the colored paint is applied over the primer paint film containing the solvent, Is insulative, so that the electrical conductivity of an object made of a plastic material is not sufficient, and the electrostatic coating method cannot be performed.
[0004]
As described above, when a plastic material is coated, it has been necessary to perform the baking process twice. However, since plastic materials have low heat resistance, thermal deformation tends to occur during baking. In order to prevent this, it was necessary to set the baking temperature to a medium low temperature (140 ° C. or lower) and to increase the baking time. However, in this case, although the baking is performed at a low temperature, the plastic material has a larger heat capacity than a metal material such as a steel plate, and as a result, a large amount of heat energy is required during baking. For this reason, there is a strong demand for reducing energy costs during baking.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the problem to be solved by the present invention is that the entire time of the coating process can be shortened in forming a cured coating film having good adhesion and water resistance on the surface of the plastic material, that is, the baking process. Is to provide a method of painting a plastic material with a low energy cost.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have conducted various experiments. As a result, when an aqueous primer paint is used instead of the solvent-based primer paint, the solvent-based colored paint does not mix with the aqueous primer paint. Since the paint has high electrical conductivity, it has been found that the electrical conductivity can be imparted to the object made of plastic material without baking the primer paint film, so the primer paint film should be baked at the same time as the colored paint film. As a result, the present invention was completed.
[0007]
  That is, the coating method of the plastic material of the present invention is
  On plastic material surfaceMainly based on polyolefin resin emulsionA primer paint film is formed by applying a water-based primer paint, a colored paint film is formed on the primer paint film to form a colored paint film, and a clear paint is applied on the colored paint film to form a clear paint. A coating film forming step for forming a coating film;
  A baking step of simultaneously baking the primer coating film, the colored coating film and the clear coating film to form a cured coating film on the surface of the plastic material;
including.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The plastic material coating method of the present invention includes a coating film forming step and a baking step. Hereinafter, this coating method will be described in detail.
Coating film formation process
The coating film forming process is a process in which an aqueous primer coating, a colored coating, and a clear coating are applied in this order on the surface of the plastic material to form three coating films including each coating on the surface of the plastic material.
[0009]
First, the plastic material, water-based primer paint, colored paint and clear paint used in the coating film forming step will be described in detail.
The plastic material used in the present invention is not particularly limited. For example, polyolefin such as polyethylene and polypropylene, polystyrene, ABS, vinyl chloride, polycarbonate, polyacetal, polyester, polyamide, polyurethane, PPO, polymethyl methacrylate, epoxy resin, phenol Examples thereof include resins and melamine resins.
[0010]
The water-based primer coating used in the present invention is a coating applied directly to the surface of a plastic material prior to overcoating the colored coating and the clear coating. The water-based primer coating contains a primer resin and water as main components, and appropriately contains pigments and the like. The primer resin is used to improve the water resistance and solvent resistance of the cured coating film by bringing a cured coating film and a plastic material, which will be described later, into close contact with each other, and is an aqueous primer in the form of an emulsion and / or water-soluble resin composition Included in paint.
[0011]
In the emulsion, the primer resin is dispersed in the form of particles in an aqueous medium, and the particle surface is stabilized by an emulsifier, a surfactant, a dispersant, or the like. As the emulsion, for example, an acrylic resin emulsion using an acrylic resin as a primer resin, and a polyester resin emulsion, a polyurethane resin emulsion, a polyolefin resin emulsion, an epoxy resin emulsion, an amino resin, each of which is also used as a primer resin. A resin emulsion etc. are mentioned, You may use together 1 type, or 2 or more types. Furthermore, if necessary, those containing modified resins may be included, which is effective in improving various performances. Among these, when the emulsion is at least one selected from an acrylic resin emulsion, a polyurethane resin emulsion, and a polyolefin resin emulsion, the adhesion between the cured coating film obtained by curing the primer coating film and the plastic material is further improved. Therefore, it is preferable.
[0012]
The water-soluble resin composition has a polar functional group such as a carboxyl group, a hydroxyl group, an amino group, and an ether group, and includes a water-soluble resin that can be dissolved in an aqueous medium due to its hydrophilic property as a primer resin. It is a thing. Examples of the primer resin used in the water-soluble resin composition include water-soluble resins having, as a basic structure, an acrylic resin, a polyester resin, a polyurethane resin, an amino resin, a vinyl resin, a fiber resin, and the like. Or you may use 2 or more types together. Above all, when the primer resin contained in the water-soluble resin composition is a water-soluble resin having, as a basic structure, at least one selected from an acrylic resin, a polyester resin, a polyurethane resin, and an amino resin, adhesion to a plastic material is improved. It is preferable because it can be further improved.
[0013]
The blending ratio of the emulsion and the water-soluble resin composition contained in the water-based primer paint is not particularly limited. However, when the water-based primer paint is thermoplastic, if the emulsion is used as a main component, water evaporates quickly, so that it is dried. It is preferable because it is easy to mix, and is less likely to be mixed with a colored paint to be reapplied, and easily develops coating film performance such as appearance, adhesion and water resistance. It is more preferable to use only an emulsion. On the other hand, when the water-based primer coating is thermosetting, coating properties such as adhesion and water resistance can be imparted without necessarily using an emulsion as a main component. Further, an emulsion may be used in combination, or only a water-soluble resin and a curing agent may be used. However, when the water-based primer coating is thermosetting, the baking temperature and time are important after repeatedly applying the colored coating and the clear coating. In other words, it is necessary to set the baking conditions necessary for the water-based primer coating to be sufficiently cured, but if the baking is excessive, the curability of the primer coating film, the colored coating film and the clear coating film will be different. Appearance and adhesion may be reduced.
[0014]
The emulsion or water-soluble resin composition may have thermosetting properties further including a curing agent such as an amino resin, an isocyanate resin, an oxazoline resin, or a hydrazine compound.
The water-based primer paint contains water as a main component, and the blending ratio thereof is preferably 50 to 90% by weight, more preferably 60 to 80% by weight, based on the whole water-based primer paint. When the mixing ratio of water is less than 50% by weight, the viscosity of the coating is increased, and the storage stability and the coating workability are lowered. On the other hand, when the blending ratio of water exceeds 90% by weight, the ratio of the effective solid content in the aqueous primer coating is decreased, the coating efficiency is deteriorated, and appearance abnormalities such as sagging and armpits are liable to occur. The water-based primer paint may further contain an organic solvent, and the blending ratio is usually 40% by weight or less with respect to the water contained in the water-based primer paint.
[0015]
Examples of the organic solvent include aromatic hydrocarbons such as toluene and xylene; aliphatic hydrocarbons such as hexane, heptane, and octane; alicyclic hydrocarbons such as cyclohexane, methylcyclohexane, and cyclopentane; ethyl acetate , Esters such as n-butyl acetate, isobutyl acetate and amyl acetate; ethers such as n-butyl ether and isobutyl ether; ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone and cyclohexanone; methanol, ethanol, isopropanol and n-butanol , 2-butanol, n-propylene glycol, isopropylene glycol and other alcohols; ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol monoethyl ether acetate Carbitols such as diethylene glycol monoethyl ether; Propylene glycol alkyl ethers such as propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monoethyl ether, propylene glycol monobutyl ether; Dioxane, N-methylpyrrolidone, dimethylformamide, diacetone alcohol And other solvents.
[0016]
Examples of pigments contained in the aqueous primer coating include inorganic pigments such as carbon black, titanium oxide, iron oxide, chromium oxide, and bitumen; organic compounds such as azo, anthraquinone, perylene, quinacridone, indigo, and phthalocyanine A pigment etc. are mentioned, Only 1 type may be used or 2 or more types may be used together.
The water-based primer paint can contain a known auxiliary compounding agent as necessary. Examples of the auxiliary compounding agent include conductivity imparting agents such as conductive carbon, conductive filler, and metal powder; inorganic fillers; organic modifiers; stabilizers; plasticizers; In particular, when the water-based primer paint contains a conductivity imparting agent, conductivity is imparted regardless of the water content of the coating film obtained from the water-based primer paint, and the colored paint and / or clear paint can be easily and statically removed. This is preferable because it can be applied repeatedly by the electropainting method.
[0017]
The colored paint used in the present invention is used to form a colored paint film by recoating the primer paint film as it is without baking and curing the primer paint film formed by applying the aqueous primer paint. It is a paint and is used prior to the clear paint. As the colored paint, either a solvent-based colored paint or an aqueous colored paint may be used. However, in view of recent environmental problems, an aqueous colored paint is preferable.
[0018]
Examples of the solvent-based colored paint resin contained in the solvent-based colored paint include acrylic resin, polyester resin, polyurethane resin, epoxy resin, amino resin, vinyl resin, and fiber resin. Two or more kinds may be used in combination. Furthermore, the solvent-based colored paint may contain a curing agent for reacting with the solvent-based colored paint resin to cause crosslinking and curing. Examples of such a curing agent include melamine resin, isocyanate resin, and epoxy. Examples thereof include resins and oxazoline resins, and only one type or two or more types may be used in combination.
[0019]
Examples of the water-based colored paint resin contained in the water-based colored paint include acrylic resin, polyester resin, polyurethane resin, epoxy resin, amino resin, vinyl resin, fiber resin, and the like. More than one species may be used in combination. The resin for water-based colored paint is usually blended in the paint in the form of an emulsion and / or a water-soluble resin composition. In addition, the water-based coloring paint may further contain a curing agent, like the solvent-based coloring paint.
[0020]
The colored paint usually contains a metallic pigment or a colored pigment. Examples of the metallic pigment include aluminum flake, copper bronze flake, mica-like iron oxide, mica flake, mica-like iron oxide coated with a metal oxide, mica flake coated with a metal oxide, and the like. Or you may use 2 or more types together. Examples of the color pigment include inorganic pigments such as titanium dioxide, iron oxide, chromium oxide, lead chromate, and carbon black; phthalocyanine blue, phthalocyanine green, carbazole violet, anthraceromidine yellow, flavanthrone yellow, indanthrone blue, Examples thereof include organic pigments such as quinacridone violet, and one kind alone or two or more kinds may be used in combination.
[0021]
The coloring paint may contain a known auxiliary compounding agent as necessary. As an auxiliary | assistant compounding agent, an inorganic filler, an organic modifier, a stabilizer, a plasticizer, an additive etc. are mentioned, for example.
The clear paint used in the present invention is not directly baked and cured, but is applied directly to the colored paint film to form a clear paint film, that is, the top layer (uppermost layer) of the three-layer paint film. It is a paint used for forming, and imparts excellent physical properties such as weather resistance and solvent resistance to the cured coating film.
[0022]
Examples of the clear coating resin contained in the clear coating include alkyd resins, polyester resins, acrylic resins, silicon-modified resins, fluororesins, urethane resins, and the like, and only one type is used or two or more types are used in combination. Also good. When the clear coating is a thermosetting coating further comprising at least one curing agent selected from melamine formaldehyde resin, isocyanate resin, epoxy resin, and oxazoline resin, excellent coating film performance can be obtained, and clear coating High solid differentiation is possible, and the amount of solvent contained in the clear paint can be reduced.
[0023]
The clear coating material can contain a known auxiliary compounding agent, if necessary. As an auxiliary | assistant compounding agent, an organic modifier, a stabilizer, an additive etc. are mentioned, for example.
Next, the operation of the coating film forming process will be described in detail.
When the coating film forming process is further subdivided, it is divided into an aqueous primer coating film forming process, a colored coating film forming process, and a clear coating film forming process.
[0024]
First, the water-based primer coating film forming step is a step of preparing a plastic material and applying a water-based primer coating to the surface to form a primer coating film. Prior to applying the water-based primer paint, the plastic material may be washed and degreased if necessary. The water-based primer coating can be applied by a technique such as spray coating, mark coating, roll coating, or flow coating. The coating amount (dry film thickness) of the aqueous primer coating is not particularly limited, but is preferably 2 to 30 μm because adhesion, water resistance, solvent resistance, and the like are improved.
[0025]
In the water-based primer coating film forming step, the obtained primer coating film is left as it is without being baked and cured, and in the next colored coating film forming process, the colored coating material is applied over the primer coating film. In addition, in order to ensure the smoothness of the primer coating film and promote bubble removal, etc., it may be dried at room temperature or under hot air conditions for 1 to 20 minutes, and a cured coating formed on the surface of the plastic material. This is preferable because the finished appearance of the film can be improved.
[0026]
Next, the colored coating film forming step is a step of forming a colored coating film on the surface of the primer coating film by repeatedly applying the colored coating on the primer coating film obtained in the aqueous primer coating film forming process. .
In order to improve the finished appearance and to obtain excellent cosmetic properties, the colored paint is usually applied over the surface of the primer paint film using air spray or airless spray.
[0027]
Since the primer paint film contains water and has a certain level of conductivity even if no conductive material is added to the water-based primer paint, it can be colored by controlling the water content of the primer paint film. It is preferable because the paint can be reapplied using electrostatic spray, energy cost can be further reduced, and environmental pollution can be prevented. In addition, in the case of repeatedly applying a colored paint by electrostatic spraying, it is preferable that a conductive material is blended in the aqueous primer paint because conductivity can be reliably imparted by the primer paint film. The coating amount (dry film thickness) of the colored paint is not particularly limited, but it is preferably 10 to 50 μm because the colorability (hiding property) and solvent resistance are improved.
[0028]
In the colored coating film forming process, the obtained colored coating film and the primer coating film obtained in the aqueous primer coating film forming process are left without being baked and cured. Then, in the next clear coating film forming step, the clear coating is applied over the colored coating film. In addition, in order to ensure the smoothness of the colored paint coating film, promote bubble removal, and orientate the metallic pigment, it may be dried at room temperature or in warm air conditions for 1 to 20 minutes. It is preferable because the finished appearance of the cured coating film formed on the surface of the plastic material can be improved.
[0029]
Finally, the clear paint forming step is a step of forming a clear paint film on the colored paint film by repeatedly applying the clear paint onto the surface of the colored paint film obtained in the colored paint film forming process.
Clear paint is usually applied over the surface of the colored paint film using air spray or airless spray, but it can also be applied using electrostatic spray, further reducing energy costs and reducing environmental pollution. Since it can prevent, it is preferable. The coating amount (dry film thickness) of the clear coating is not particularly limited, but is preferably 15 to 70 μm because the finished appearance, water resistance, solvent resistance, weather resistance and the like are improved.
[0030]
As described above, the surface of the plastic material is coated with water-based primer paint, colored paint and clear paint in this order to form three paint films containing each paint component on the surface of the plastic material. A process is performed.
In selecting the water-based primer paint, the colored paint, and the clear paint, it is necessary to select a paint that can be sufficiently cured and dried in the baking process. If the drying is insufficient and water or solvent remains in the cured coating film, performances such as weather resistance, water resistance and solvent resistance are likely to deteriorate in the cured coating film. When the clear coating is a thermosetting coating, it is necessary to select an aqueous primer coating or a coloring coating that does not inhibit the curing reaction. For example, a lacquer type aqueous primer coating / two-component thermosetting solvent-based coloring coating Combinations of paints such as / 2 liquid thermosetting solvent-borne clear paint, lacquer water-based primer paint / lacquer water-based colored paint / 2 liquid thermosetting solvent-based clear paint, and the like.
Baking process
In the baking process, the primer paint film, the colored paint film and the clear paint film formed in the above-mentioned coating film forming process are simultaneously baked, and the primer paint cured film and the colored paint cured coating are applied to the surface of the plastic material. This is a step of forming a cured coating film composed of three layers of a film and a clear paint cured coating film.
[0031]
The baking conditions are not particularly limited as long as the plastic material is not thermally deformed and the temperature and time at which good coating film performance is obtained are selected.
The baking temperature is usually 50 to 140 ° C., which is a medium to low temperature, and preferably 70 to 130 ° C. When the baking temperature is less than 50 ° C., the evaporation of water and solvent contained in the water-based primer coating and the colored coating is slow, and it takes time to bake, and the clear coating film is not sufficiently cured. Performances such as weather resistance, water resistance and solvent resistance are reduced. On the other hand, when the baking temperature exceeds 140 ° C., the water and solvent contained in the water-based primer coating and the colored coating suddenly boil, and the appearance of the cured clear coating film becomes abnormal, such as cracks and dents. In addition, since the volume shrinkage of the paint film suddenly occurs due to the evaporation of water and solvent, and the hardening of each paint film, the internal stress of the cured film increases, causing peeling between the layers of each cured film, Adhesion decreases.
[0032]
The baking time is usually 10 to 120 minutes, preferably 15 to 60 minutes, more preferably 20 to 40 minutes. When the baking time is less than 10 minutes, water and solvent contained in the paint are not sufficiently evaporated, and the performance such as weather resistance, water resistance and solvent resistance is lowered in the cured coating film. On the other hand, when the baking time exceeds 120 minutes, the adhesiveness and the like are lowered due to excessive curing, the total time of the coating process is increased, and the energy cost is increased.
[0033]
Examples of the heating device used for simultaneously baking the paint coating film include a drying furnace using a heating source such as hot air, electricity, gas, and infrared, and a drying furnace using two or more of these heating sources in combination. Is preferable because drying time is shortened.
Thus, in the cured coating film comprised from the three layers formed, the adhesion between each interlayer and the primer coating cured coating film and the plastic material and the water resistance of the cured coating film are good. In addition, this coating method can convert a paint film composed of three layers into a cured film with a single baking process, thus reducing the total time required for the painting process and reducing energy costs. Can be made.
[0034]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to production examples, examples and comparative examples. Parts and% mean parts by weight and% by weight.
[Production Example 1] Production of water-based primer paint
After premixing 38 parts of water-soluble urethane resin (Sanyo Chemical Industries, NV35%), 3 parts of carbon black, 27 parts of titanium oxide, 1 part of antifoaming agent and 4 parts of butyl cellosolve, using a sand grinder mill A pigment paste was prepared.
[0035]
To 50 parts of this pigment paste, 140 parts of an acrylic resin-modified chlorinated polypropylene emulsion (NV 30%) described in JP-A-7-26088 and 20 parts of an acrylic resin emulsion (NV 28%, manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd.) are added. Thereafter, 2 parts of a surface conditioner and 1 part of a thickener were further mixed to prepare an aqueous primer.
[Production Example 2] Production of water-based colored paint A
170 parts of water-soluble acrylic resin (Nippon Paint Co., Ltd., NV 23%, resin acid value 55 KOHmg / g) and 15 parts of aluminum paste (Toyo Aluminum Co., Ltd., NV 55%) are thoroughly mixed. There, 85 parts of acrylic resin emulsion (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd., NV 35%), 15 parts of Cymel 235 (manufactured by Mitsui Cyanamid Co., Ltd., NV 100%), 1 part of thickener and butyl cellosolve solution of dodecylbenzenesulfonic acid 0. 4 parts was added and mixed to obtain an aqueous colored paint A.
[Production Example 3] Production of water-based colored paint B
130 parts of water-soluble acrylic resin (Nippon Paint Co., Ltd., NV23%, resin acid value 55 KOHmg / g), 70 parts of Taipei CR-97 (Ishihara Sangyo Co., Ltd.) and 35 parts of deionized water were premixed. Thereafter, the pigment was dispersed with a dyno mill to prepare a white pigment paste. Aqueous by adding 85 parts of acrylic resin emulsion (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd., NV35%), 55 parts of urethane resin emulsion (manufactured by Zeneca Co., Ltd., NV34%) and 0.5 part of thickener and mixing. A colored paint B was obtained.
[Example 1]
(Lacquer-type water-based primer coating / one-component thermosetting solvent-based colored coating / one-component thermosetting solvent-based clear coating)
The water-based primer paint produced in Production Example 1 was applied to a polypropylene material that had been steam-washed with trichloroethane so as to have a dry film thickness of 10 μm. After the aqueous primer coating was applied, it was allowed to stand at 40 ° C. for 10 minutes, and then an R-331 solvent-based colored coating manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. was applied to a dry film thickness of 15 μm. Immediately without drying, the coated plate was coated with R-343 solvent-based clear paint manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. so as to have a dry film thickness of 35 μm. The coated plate was allowed to stand at room temperature for 5 minutes and then cured and dried at 120 ° C. for 35 minutes to obtain the final coated plate (A1).
[Example 2]
(Lacquer-type water-based primer coating / one-component thermosetting water-based colored coating / one-component thermosetting solvent-based clear coating)
The aqueous primer paint produced in Production Example 1 was applied to a polypropylene material that had been thoroughly washed with a neutral detergent so as to have a dry film thickness of 10 μm. After the water-based primer coating was applied, it was allowed to stand at room temperature for 10 minutes, and then the water-based colored coating A prepared in Production Example 2 was applied to a dry film thickness of 15 μm. Immediately without drying, the coated plate was coated with R-343 solvent-based clear paint manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. so as to have a dry film thickness of 35 μm. The coated plate was allowed to stand at room temperature for 5 minutes and then cured and dried at 120 ° C. for 35 minutes to obtain the final coated plate (A2).
Example 3
(Lacquer-type water-based primer coating / one-component thermosetting water-based colored coating / one-component thermosetting solvent-based clear coating)
The aqueous primer paint produced in Production Example 1 was applied to a polypropylene material that had been thoroughly washed with a neutral detergent so as to have a dry film thickness of 10 μm. After the water-based primer coating was applied, it was allowed to stand at room temperature for 10 minutes, and then the water-based colored coating A prepared in Production Example 2 was applied to a dry film thickness of 15 μm. The coated plate was dried at 80 ° C. with warm air for 2 minutes, and immediately coated with R-343 solvent-based clear paint manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. so as to have a dry film thickness of 35 μm. The coated plate was allowed to stand at room temperature for 5 minutes and then cured and dried at 120 ° C. for 35 minutes to obtain the final coated plate (A3).
Example 4
(Lacquer-type water-based primer paint / lacquer-type water-based colored paint / two-component thermosetting solvent-based clear paint)
The aqueous primer paint produced in Production Example 1 was applied to a polypropylene material that had been thoroughly washed with a neutral detergent so as to have a dry film thickness of 10 μm. After the water-based primer coating was applied, it was allowed to stand at room temperature for 10 minutes, and then the water-based colored coating B prepared in Production Example 3 was applied to a dry film thickness of 20 μm. Immediately without drying, the coated plate was coated with R-288 solvent-based clear paint manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. so as to have a dry film thickness of 35 μm. The coated plate was allowed to stand at room temperature for 5 minutes, and then cured and dried at 80 ° C. for 30 minutes to obtain the final coated plate (A4).
Example 5
(Lacquer-type water-based primer coating / two-component thermosetting solvent-based colored coating / two-component thermosetting solvent-based clear coating)
The aqueous primer paint produced in Production Example 1 was applied to a polypropylene material that had been thoroughly washed with a neutral detergent so as to have a dry film thickness of 10 μm. After the water-based primer coating was applied, it was allowed to stand at room temperature for 10 minutes, and then an R-212 solvent-based colored coating manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. was applied to a dry film thickness of 15 μm. Immediately without drying, the coated plate was coated with R-288 solvent-based clear paint manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. so as to have a dry film thickness of 35 μm. The coated plate was allowed to stand at room temperature for 5 minutes and then cured and dried at 80 ° C. for 30 minutes to obtain the final coated plate (A5).
Example 6
(Lacquer-type water-based primer coating / two-component thermosetting solvent-based colored coating / two-component thermosetting solvent-based clear coating)
The aqueous primer paint produced in Production Example 1 was applied to a polypropylene material that had been thoroughly washed with a neutral detergent so as to have a dry film thickness of 10 μm. After the water-based primer coating is applied, it is allowed to stand at room temperature for 10 minutes, and then R-212 solvent-based colored coating (paint resistance value 0.3 megaΩ) manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. is set to a dry film thickness of 15 μm. Electrostatic coating was performed with a bell-type electrostatic coating machine (applied voltage -50 KV) manufactured by Lansburg. After leaving this coated plate to stand at room temperature for 10 minutes, R-288 solvent-based clear paint (paint resistance value 0.3 megaΩ) manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. is applied so that the dry film thickness is 35 μm. Electrostatic coating was performed with a machine (applied voltage -50 KV). The coated plate was allowed to stand at room temperature for 5 minutes and then cured and dried at 80 ° C. for 30 minutes to obtain the final coated plate (A6).
[Comparative Example 1]
The aqueous primer paint produced in Production Example 1 was applied to a polypropylene material that had been thoroughly washed with a neutral detergent so as to have a dry film thickness of 10 μm. After the application of the water-based primer paint, it was left at room temperature for 5 minutes and then dried at 80 ° C. for 45 minutes. The water-based colored paint produced in Production Example 3 was applied to a dry film thickness of 20 μm. The coated plate was allowed to stand at room temperature for 5 minutes and further dried at 80 ° C. for 30 minutes. An R-288 solvent-based clear paint manufactured by Nippon Bee Chemical Co., Ltd. was applied to a dry film thickness of 35 μm. The coated plate was allowed to stand at room temperature for 5 minutes and then cured and dried at 80 ° C. for 30 minutes to obtain the final coated plate (B1).
[0036]
The final coated plates (A1) to (A6) and (B1) prepared in Examples 1 to 6 and Comparative Example 1 were allowed to stand for 1 day, and then the physical properties of the cured coating film were evaluated by the following test methods. The results are shown in Table 1.
〔Test method〕
Appearance: The cured coating film was visually evaluated for flares, repellencies, unevenness, and the like.
[0037]
Adhesiveness ... The final coated plate was subjected to a cross-cut tape peeling test of JISK5400.
Water resistance: The final coated plate was immersed in warm water at 40 ° C. for 240 hours, dried at room temperature for 1 day, and subjected to a visual evaluation by ASTM D714 and a cross-cut tape peeling test of a blister (the swelling of the coating film by water penetration). In the results shown in Table 1, 100 of the denominator is the number of grids, and the numerator is the number of remaining in the grid tape peel test.
[0038]
Moisture resistance: The final coated plate was allowed to stand for 240 hours in an environment of 50 ° C. and a relative humidity of 95% or more, dried at room temperature for 1 day, and subjected to a visual evaluation by Blister ASTM D714 and a cross-cut tape peeling test. The results shown in Table 1 are described in the same manner as the water resistance.
Gasoline resistance: The final coated plate was immersed in regular gasoline at 20 ° C. for 60 minutes, and then visually evaluated for the presence of peeling and swelling.
[0039]
[Table 1]

[0040]
【The invention's effect】
The method for coating a plastic material of the present invention can shorten the total time of the coating process and reduce the energy cost when forming a cured coating film on the surface of the plastic material. Moreover, each interlayer which comprises the cured coating film obtained, adhesion between primer coating cured coating film and plastic material, and water resistance of the cured coating film are good. Furthermore, since the primer paint is water-based, it is possible to prevent environmental pollution.

Claims

An aqueous primer coating mainly composed of a polyolefin resin emulsion is applied to the surface of the plastic material to form a primer coating film, and a colored coating film is formed on the primer coating film by coating the colored coating film repeatedly. A coating film forming process for forming a clear coating film by repeatedly applying a clear coating on the coating film;
A baking step of simultaneously baking the primer coating film, the colored coating film and the clear coating film to form a cured coating film on the surface of the plastic material;
Including the method of coating a plastic material.

The colored coating and / or clear coating, recoated with electrostatic coating, plastic materials The method of coating of claim 1.

Wherein at baking temperature is 50 to 140 ° C. baking step, baking the time 10 to 120 minutes, plastic materials The method of coating according to claim 1 or 2.

The method for coating a plastic material according to any one of claims 1 to 3 , wherein the clear paint is a thermosetting paint.