JP3786833B2 - 顔料を作るための標識記号を保持する無機シート - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、特許請求の範囲の独立項の非特徴部分に示すような、物品の作成のための所定の寸法の塗料即ち顔料(pigment) を作るための少なくとも１つの標識記号を保持する無機シート、及びこのような無機顔料を形成する方法、及び、顔料に関する。
【０００２】
標識記号の形をした情報を保持する超小型のアルミニウム小板をコーティング組成物内へ組み込むことは米国特許第５，７４４，２２３号に既に記載されている。アルミニウム小板は、後に小板寸法に切断される薄いアルミニウム箔内にエンボシングされた区分として形成される。エンボシングされた小板は車両の密売や盗難を防止するための情報保持体として作用する。
【０００３】
アルミニウム小板が銀白色で不透明なので、１つの欠点はコーティング組成物内（特に、無色又は小板とは異なる色のいずれかの印刷インク内）でのその可視の視覚外観である。これは、物品がいかなる偽造者にとっても標識が施されているという事実をすぐに分からせる。一方、アルミニウム小板と同じ色のコーティング組成物においては、エンボシングされたアルミニウム小板の検出は極めて困難である。エンボシングによる箔への標識記号の適用は延性材料（アルミニウム、プラスチック等）に限定される。それ故、直接エンボシングにより脆くて非延性の材料に標識記号を施すことは不可能である。
【０００４】
エンボシング加工の別の欠点は、水の如き有害な影響物から粒子を保護するアルミニウム粒子の保護膜層を損傷させる危険性である。
本発明の目的は従来技術の欠点を回避すること、特に、顔料、並びに、種々の用途に対して改善された保全的特徴を有する顔料を作るための改善された手段及び方法を提供することである。
【０００５】
本発明の特殊な目的はコーティング組成物又は印刷インクの色に関して適合する色での標識記号保持顔料を提供することである。
別の目的は暗色又は強烈色を有するコーティング組成物内で容易に検出できる標識記号を保持する顔料を提供することである。
【０００６】
更なる目的は明白な模造防止特性及び隠れた模造防止特性の双方を有する顔料を提供することである。
他の目的はアルミニウム又はプラスチックの延性を有しない材料上に標識記号を施す方法を提供することである。
【０００７】
更なる目的は、直接エンボシング加工中に損傷することのある表面を有する任意の金属層を腐食から保護することである。
これらの目的は特許請求の範囲の独立項の特徴により解決される。
【０００８】
特に、これらの目的は、少なくとも１つの標識記号を保持する、所定の寸法の顔料を作るための無機シートであって、その物理的及び（又は）化学的な組成が異なる少なくとも２つの重なった層で構成されたシートを提供することにより、解決される。
【０００９】
無機シートで作られた顔料は普通薄片様の形状をしている。本発明の関係においては、少なくとも２つの重なった層からなり、無機シートから作られるすべての型式の光沢性又は効果性の顔料薄片が適している。特に、ドイツ工業規格５５９４３：１９９３−Ｍの定義に従った真珠光沢性の顔料及びドイツ工業規格５５９４４：１９９０−０４の定義に従った干渉顔料により良好な結果が得られる。異なる色の少なくとも２つの層を有する顔料もまた十分に適する。
【００１０】
例えば、少なくとも２つの重なった層のこの無機シートは、例えばドイツ国ヴァインハイム(Weinheim)のベルラーク・ケミー(Verlag Chemie) 発行の産業化学百科事典（第５版、第Ａ６巻、第６７頁）に記載されたような真空蒸発、物理蒸気蒸着、化学蒸気蒸着、スパッタリング又は湿式処理の如き、薄いフィルムを施すための任意の既知の技術により製造することができる。
【００１１】
本発明は、色の視野角度依存性変化を有し、顔料を作るための標識記号を保持する無機シートである。
色の視野角度依存性変化を有する顔料薄片は周知である。これらは、保全書類のための印刷インク内に組み込むことに対して特に重要である。角度依存性の色変化は写真複写機により再生できないので、これらの顔料薄片は強力な保全的特徴を備えた書面を提供する。顔料薄片、その製造及び種々の応用は多数の特許明細書、例えば、米国特許第４，４３４，０１０号、同第５，０５９，２４５号、同第５，０８４，３５１号、同第５，１３５，８１２号、同第５，１７１，３６３号及び同第５，２７９，６５７号各明細書に既に記載されている。
【００１２】
これらの光学的に可変の顔料薄片の加工原理は互いに平行で異なる光学特徴を備えた平坦な薄い層の配列に基づく。顔料薄片の色調、色シフト及び彩度即ちクロマ(chroma)は層を構成する材料、層の配列、層の数及び層の厚さに依存する。
【００１３】
色の視野角度依存性変化を有し、かつ標識記号を施すことができ、かつ所定寸法の顔料薄片に細分化できる単純な無機シートは、実質上互いに平行で、低屈折率材料（例えば、ＳｉＯ₂又はＭｇＦ₂）の層により分離された２つの平坦で部分反射性の、即ち半透明の金属層からなる。低屈折率材料はしばしば誘電材料として記載される。ファブリ・ペロー原理に基づくこの型式の顔料薄片はデュポン社により米国特許第３，４３８，７９６号として最初に特許を受けた。
【００１４】
半透明、透明、不透明、全反射性及び部分反射性という用語はすべて電磁スペクトルの可視範囲（即ち、約４００ｎｍから約７００ｎｍまで）の光に関する。 彩度（クロマ）及び角度依存性色変化は不透明で全反射性の薄い層を誘電性で部分反射性の層の積層体内に組み込むことにより達成された。これは、第１及び第２の表面を備えた不透明で全反射性の層を中央層として有する対称的な構造を与えることができる。不透明で全反射性の層の第１及び第２の表面上に対称的な多重層積層体を達成するため、誘電材料の薄い層が蒸着される；続いて、半透明で部分反射性の薄い層が両方の誘電層の頂部に施される。従って、対称的な構造の最小数は５層である。しかし、１つの不透明で全反射性の層と、１つの誘電層と、１つの部分反射性で部分透過性の層とからなる最小の３層を備えた非対称的な積層体も同様に製造できる。
【００１５】
不透明で全反射性の層は普通金属で作られ、好ましくは、３００ｎｍまでの厚さであるが、好ましくは５０−１５０ｎｍの範囲の厚さのアルミニウムからなる。代わりの金属として金、銅及び銀を適用できる。
【００１６】
誘電材料は１．６５よりも大きくない屈折率( すなわち低屈折率 )を有する透明体でなければならない。普通、ＳｉＯ２又はＭｇＦ２が誘電体として３００ないし５００ｎｍの厚さで蒸着される。
【００１７】
部分反射性で半透明の層（単数又は複数）は金属、金属酸化物又は金属硫化物で構成することができる。これは、アルミニウム、ニッケル、イノセル、クロム、ＭｏＳ ₂ 、Ｆｅ₂Ｏ₃等とすることができる。金属層の半透明性は層の厚さの関数である。普通、半透明の層の厚さは５ないし２０ｎｍである。
【００１８】
色の視野角度依存性変化を有する無機シートは好ましくは例えばＰＥＴの可撓性のウエブの如き支持材料上に製造される。大半の場合、第１の半透明層が可撓性のウエブ上に蒸着される。すべての引き続きの層を蒸着した後、多重層コーティングが可撓性のウエブから取り外され、もって、コーティングは典型的には不規則形状及び寸法の小さな部片に破断される。コーティング組成物特に印刷インクのために又はバルク材料内への組み込みのために適した所望の顔料薄片を得るためには、これらの部片を更に破砕する必要がある。
【００１９】
既述のように、色の視野角度依存性シフトを有する顔料は強力な複写防止特徴を備えた書面を提供する。この模造品防止特徴は、層のうちの少なくとも１つの上に標識記号を施すことにより、更に向上される。更に、このような顔料薄片はデータ保持体として機能することができる。
【００２０】
標識記号は、光学特性好ましくは反射率の局部変化により、無機シートの層のうちの少なくとも１つ上に形成される。これは、少なくとも１つの層の少なくとも部分的な破壊により達成される。
【００２１】
標識記号の寸法及び数は、所望の顔料薄片寸法への破断及び破砕の後に刻印の適正な特定を許容するように選択しなければならない。第１の要求においては、標識記号は多すぎる顔料薄片にわたって延在してはならない。標識記号は好ましくは０．５ないし２０μｍ間の寸法を有し、更に一層好ましくは１ないし１０μｍの間の寸法を有する。本明細書の関係においては、寸法は標識記号のおよその幅を意味する。この寸法範囲は、平均して５ないし４０μｍの間であるが１００μｍよりも大きくない顔料薄片の寸法にぴったり合う。しかし、薄片はその色特徴を破壊することなく２ないし５μｍの寸法まで破砕できる。
【００２２】
第２の要求として、総数のなかの十分な量の顔料薄片が標識記号を保持しなければならない。一般原則として、インク組成物内に存在する顔料薄片の総重量の１重量％以上が情報の容易で迅速な検出及び読み取りを許容するために標識記号を保持すべきである。
【００２３】
顔料薄片の層のうちの最低１つに施された標識記号は好ましくは光又は電子顕微鏡法で読み取ることができる。
特に視野角度依存性色変化を示す顔料薄片の光学特性（であるが、他の光沢性又は効果性の顔料の光学特性でもある）は、刻印された情報を検索及び読み取りすべきバルク材料、コーティング又はインク組成物内での位置の容易で迅速な位置特定を可能にする。光学特性の局部変化が反射率の局部的な減少又は層の色の変化である場合は、いかなる型式の普通の顕微鏡でも検出が特に簡単である。印刷インクのコーティング組成物の色と適合するように又はこれに対してコントラストを持つように、顔料薄片は任意の色として製造できる。
【００２４】
例えば、真珠光沢性の顔料はその透明性に悪影響を及ぼすことなく透明なインク内へ組み込むことさえできる。これは、マーキング、検出及び読み取りを可能にするのに必要な顔料薄片の量が少ないためである。可能な顔料薄片の最少量はコーティング組成物又は印刷インクの総重量の約１重量％である。
【００２５】
１以上の標識記号を顔料薄片に施すことができる。本発明の好ましい実施の形態においては、標識記号はアルファベット文字及び（又は）ロゴ及び（又は）デジタル情報の配列からなる。このような配列は、例えば最終使用者に対して、製造場所、製造番号等を知らせるために使用できる。
【００２６】
標識記号は１２μｍよりも長くなく好ましくは１．５μｍよりも長くない波長を有する短波長高パワーレーザーによる層の少なくとも部分的な除去により特に容易に施すことができる。特に、パルスモードでの高パワーのＵＶ（紫外）エキシマーレーザー又はネオジミウムヤグ・レーザーが使用され、標識記号は投影マスク及び対応する光学素子により層の表面上にショット毎に「穴明け加工」される。現代モデルのこのようなエキシマーレーザーにより、ショット当り３ｃｍ²までの表面積をマーキングでき、１秒当り４００ショットまで発射することができる。
【００２７】
代わりに、既知の技術のプロセッサ制御偏向ユニットに結合した連続波（ＣＷ）レーザーを使用して、標識記号を層表面上に刻印できる。しかし、刻印処理は穴明け作業よりも一層多くの時間を要し、産業生産速度を容易に達成できない。
【００２８】
短波長、特にＵＶ（紫外）において、レーザー除去は化学結合を直接破壊するように作用する。大半の場合、処理により、蒸発温度への基体の加熱ではなくて、除去された物質の微粒化が生じる。これは、本発明の方法に利点を付加する。すなわち、基体は過剰な熱に晒されない。
【００２９】
本発明によれば、標識記号は無機シートの層の少なくとも１つに施される。これはシートの外側層の２つの外表面とすることができ又は内表面の１つとさえすることができる。シートの製造中に少なくとも１つの標識記号を施すことができる。
【００３０】
本明細書の関係においては、内表面はその物理的又は化学的な特徴が異なる２つの隣接する層間の接合面で積層体内に形成される。外表面は積層体内の２つの最後の層のうちの一方と取り巻き媒体との間の接合面又は顔料薄片の特殊な光学特徴（例えば、色又はクロマ）に関して機能を有する最後の層と単なる保護機能を有する層との間の接合面のいずれかである。
【００３１】
標識記号の深さは１つの層の厚さに適合させる即ち制限することができる。しかし、下側の層への延長も可能である。標識記号は次の層（単数又は複数）の蒸着前に材料に直接施すことができる。更に、標識記号は２つ以上の層に施すことができる。
【００３２】
ウェブへの標識記号の形成は、レーザー放射により標識記号を形成する代わりに、エンボシング又は印刷の如き他の手段により標識記号を施すことができる。好ましい実施の形態においては、これは、可撓性のウエブをエンボシングすることにより達成される。材料がウエブ上に蒸着されたとき、エンボシングされた標識記号は第１の層及び次の層へ移送( 伝達 )される。しかし、実際問題として、更なる層が重ねられるにつれて層の表面は平坦になる。
【００３３】
標識記号はまた、微細印刷を含む任意の蒸着技術によりウエブ上に形成することができる。
可撓性のウエブ上に標識記号を施すために使用される方法とは別に、その上に蒸着された多重層積層体の第１の層はウエブにより保持された標識記号の反転体を有する。
【００３４】
更なる代わりの方法においては、見えない標識記号、即ち、特殊な検出装置によってのみ可視となることのできる標識記号を形成することが考えられる。標識記号はまた、電気的、磁気的又は電磁的な特性の局部変化からなることができる。標識記号形成後のシートへ又は破砕後の粒子へ更なる層（即ち保護層）を施すことができる。付加的な層を設けても、情報の検索が阻害されない。
【００３５】
本発明に係る標識記号を保持する顔料薄片は任意の型式のコーティング組成物、バルク材料及び好ましくは印刷インク内に組み込むことができる。このようなコーティング又はインク組成物で被覆又は印刷された物品が適当な分析装置により分析される場合は、標識記号を読み取り、情報を検索することができる。これは、銀行通帳、小切手等又はブランド品のマーキング及び証明にとって特に有用である。
【００３６】
顔料薄片に施された標識記号により表される情報はまた、保全書類の機械による読み取り可能化を達成するために自動的に検索することができる。このようなコーティングを保持する物品又はこのようなコーティングは、局部可視マーキングの場合は顕微鏡の如き分析装置により、分析することができる。
【００３７】
グラビア印刷、フレクソグラフィック印刷、オフセット印刷又はスクリーン印刷の如き任意の既知の印刷技術は、添付図面を参照して以下の実施の形態について詳細に説明する本発明に係る顔料を含むインクに関連して適用できる。
【００３８】
図１は顔料薄片１５（図６、８）へと破砕する前の無機シート１０を示す。シートはその外表面１３上に標識記号２０を保持する第１の層１１と、外表面１３及び内表面１４を備えた第２の層１２とで構成される。
【００３９】
図２は第１の表面２９及び第２の表面２８を備えた誘電層２３で構成された無機シートを通る横断面を示す。誘電層の第１及び第２の表面２８、２９上には、半透明で部分反射性の層２１が蒸着される。第１及び第２の表面２８、２９は同時に多重層積層体１８の内表面１４でもある。複数の標識記号２０が外側層２１の外表面１３上及び外側層２１の内表面１４上に施される。
【００４０】
図３は本発明に係るシート１０上に標識記号を生じさせる方法を概略的に示す。無機シート１０は可撓性のウエブ１９上に形成され、可撓性のウエブ１９上の第１の部分反射性の層２１と、第１及び第２の表面（２８、２９）を備えた誘電層２３と、第１及び第２の表面（２６、２７）を備えた全反射性の層２２と、更なる誘電層２３と、第２の部分反射性の層２１とを有する。
【００４１】
一層詳細には、無機シートは、Ｃｒ（２０ｎｍ）の層２１と、ＭｇＦ₂（４００ｎｍ）の層２３と、Ａｌ（６９ｎｍ）の層２２と、ＭｇＦ₂（４００ｎｍ）の層２３と、Ｃｒ（２０ｎｍ）の層２１とを備えて、対称的なＰＥＴ製のウエブ１９上に形成された。
【００４２】
標識記号２０は２４８ｎｍでの「ラムダ自然学」(Lambda Physics)ＫｒＦエキシマーレーザー３０により無機シート１０上に生じさせた。このレーザーは４００Ｈｚまでのパルス速度で５５０ｍＪ／ｃｍ²のパルスエネルギを送給することができる。標識記号２０は、２００ｍＪ／ｃｍ²の単一レーザーショットを使用して、無機シート１０の部分反射性の層２１の外表面１３内に「穴明け加工」された。このエネルギは表面クロム層２１を除去するのに十分である。高さ５．４μｍの標識記号２０が顕微鏡の下で完全に読み取ることができた。
【００４３】
図４ａ、４ｂは無機シート１０の標識記号保持表面（１３、１４）の拡大断面を示す。図４ａにおける標識記号２０は１１．４μｍの高さであり、図４ｂにおいては、標識記号は５．４μｍの高さである。
【００４４】
図５は顔料薄片１５からなるコーティング又は印刷インク１６で被覆された基体２５を示す。図５に示す基体２５の区分Ａを図６に拡大して示す。コーティング又はインク層１６内の顔料薄片１５は光学的に可変の特性を有する。顔料薄片１５からなるこのようなコーティング又は印刷画像を保持する基体２５は顕微鏡の下で観察でき、標識記号２０を読み取ることができる。顔料薄片１５の濃度が基体の被覆(coverage)の度合いを決定する。顔料薄片１５は、標識記号２０として、製造者を特定するようなインプリント「ＳＩＣＰＡ」、製造年を特定する「１９９７」及びロット番号としての「１２０１」を保持するシート１０（図３）から作られた。統計的には、薄片のいくつかが個々の標識記号２０の一部のみを含む場合でさえ、すべての完全な情報がある数の顔料薄片内に含まれる。
【００４５】
図７は微細エンボシング又は微細印刷により製作された標識記号２０を保持する可撓性のウエブ１９の拡大図を示す。その上に蒸着された第１の層１１は逆の方法で標識記号２０を保持する。
【００４６】
図８ａは所望の粒子寸法にするように図８ｂの無機シート１０を分離したり破砕したりすることにより得られた複数の顔料薄片１５を示す。顔料薄片１５は、これらが多数の標識記号２０（典型的には、２ないし１５個の標識記号）からなることができるような寸法を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 図８ｂに示すような本発明に係る標識記号を保持する無機シートの拡大横断面図である。
【図２】 視野角度依存性色変化を有し、標識記号を保持する無機シートの横断面図である。
【図３】 図２の無機シートの別の代わりの例を示す図である。
【図４】 図４ａ及び図４ｂは複数の標識記号を保持する層の１つの拡大図である。
【図５】 本発明に係るコーティングを保持する基体の概略図である。
【図６】 図５の基体の拡大図である。
【図７】 標識記号を保持し、その上に蒸着された第１の層を有する可撓性のウエブの拡大横断面図である。
【図８】 図８ａは本発明に係る図８ｂに示すシートから作られた複数の顔料薄片の概略図であり、図８ｂは標識記号を保持する無機シートを示す図である。

Claims (15)

1. 色の視野角度依存性シフトを有する無機シート（１０）において、上記シートが、i）第１（２８）及び第２（２９）の表面を備えた低屈折率材料（２３）の少なくとも１つの層と、ii）上記低屈折率層（２３）の上記表面（２８、２９）の１つの面上の少なくとも１つの半透明で部分反射性の層（２１）と、iii）上記低屈折率層(２３)の上記表面(２８，２９)の他の面上における半透明で部分反射性の層(２１)及び不透明で全反射性の層(２２)とからなる群から選ばれた少なくとも１つの層との積層体を有し、
   上記シートはＵＶ(紫外)エキシマレーザーにより生じる少なくとも部分的な除去により形成される1又はそれ以上の標識記号(２０)を保持することを特徴とする無機シート。
2. 少なくとも１つの標識記号（２０）が上記外側層（２１）の外表面（１３）上に位置することを特徴とする請求項１に記載の無機シート（１０）。
3. 少なくとも１つの標識記号（２０）が多重層からなる上記シート（１０）の内表面（１４）のうちの少なくとも１つの上に位置することを特徴とする請求項１又は２に記載の無機シート（１０）。
4. 少なくとも１つの標識記号（２０）が多重層積層体の内表面（１４）のうちの少なくとも１つの上及び上記シート（１０）の上記外表面（１３）上に位置することを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の無機シート（１０）。
5. 上記標識記号（２０）が０．５ないし２０μｍ間の寸法を有することを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載の無機シート（１０）。
6. 上記標識記号（２０）が１ないし１０μｍ間の寸法を有することを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載の無機シート（１０）。
7. 少なくとも１つの標識記号（２０）を保持しかつ色の視野角度依存性シフトを示す無機顔料（１５）を作る方法において、
   第１（２８）及び第２（２９）の表面を備えた低屈折率材料（２３）の少なくとも１つの層と、上記低屈折率層（２３）の上記表面（２８、２９）の１つの面上の少なくとも１つの半透明で部分反射性の層（２１）と、上記低屈折率層(２３)の上記表面(２８，２９)の他の面上における半透明で部分反射性の層(２１)及び不透明で全反射性の層(２２)とからなる群から選ばれた少なくとも１つの層との積層体からなる多重層シート(１０)を提供する工程と；
   ＵＶ(紫外)エキシマレーザにより生じる少なくとも部分的な除去により、上記層（２１，２２，２３）のうちの少なくとも一つの上に少なくとも１つの標識記号（２０）を施す工程と；
   上記多重層シート（１０）を、０．５ないし１００μｍの範囲の寸法の所望の顔料薄片（１５）へと破砕する工程と；
   を有することを特徴とする方法。
8. 上記顔料薄片の寸法は、５ないし４０μｍの範囲である請求項７に記載の方法。
9. 上記多重層のシート(１０)は可撓性のウェブ(１９)上に層(２１，２２，２３)を蒸着することにより形成され、上記少なくとも１つの標識記号（２０）を形成した後、上記多重層のシート（１０）を上記可撓性のウエブ（１９）から取り外し、上記多重層の無機シート（１０）を所望寸法の顔料薄片（１５）へと破砕することを特徴とする請求項７又は８に記載の方法。
10. １又はそれ以上の標識記号（２０）が、エンボシング及び（又は）微細印刷により上記第１の層（２１）の蒸着前に、上記可撓性のウエブ（１９）上に形成されることを特徴とする請求項９に記載の方法。
11. 請求項１ないし６のいずれかに記載の無機シート（１０）を破砕することにより作られた顔料。
12. 顔料の総重量の少なくとも１重量％の量の請求項１１に記載の顔料薄片（１５）と、結合剤とを含むことを特徴とするコーティング組成物。
13. コーティング組成物が印刷インクである請求項１２に記載のコーティング組成物。
14. 請求項１２又は１３に記載の組成物で被覆された基体。
15. 請求項１３に記載の印刷インクで印刷された保全書類。

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