JP3785428B2 - プレフィルド注射器及びプレフィルド注射液の滅菌方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には注射器内に予め注射液を充填した状態で需要者に提供する形式のプレフィルド注射器、及びプレフィルド注射液の滅菌方法に関するものである。
さらに具体的には、先端部に針管取付部を有する針管ホルダの注出シリンダ部がシリンダの先端へ密封状態に連結され、前記針管取付部へ保護キャップが被せられ、この針管取付部と保護キャップとの接触部が気体又は液体は通過するが微生物等は通り難い状態になっており、前記シリンダ内へ間隔を離して順に挿入されている一つ又は複数のラバーストッパ及びプランジャ相互の間に、注射液が予め充填されている構造のプレフィルド注射器、及び、前述のように予め充填されているプレフィルド注射液の滅菌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6及び図7を参照しながら、従来のプレフィルド注射器の構造、及びその中に充填されているプレフィルド注射液の滅菌方法を説明する。
図6には従来の一般的なプレフィルド注射器が示されており、図7には従来の他の種のプレフィルド注射器が示されている。
【0003】
図6において、1は硬質ガラス製のシリンダであり、2はポリプロピレン又はポリブチレンテレフタレート等のプラスチックで一体に成形された針管ホルダである。
針管ホルダ2は、注出シリンダ部20と、この注出シリンダ部20の先端部へ一体に形成された針管取付部2aと、前記注出シリンダ部20の基端側へ一体に形成された継手部21とを備えており、外周がローレット成形された継手部21により、シリンダ1の先端部へ抜き止めされかつ密封状態に連結されている。
【0004】
この例の針管取付部2aは、注出シリンダ部20ヘそれぞれ一体に形成された中央の針管連通ハブ22と、その外周の針管固定部23とによって構成されている。
注射器が流通過程にあるとき又は使用されるまでは、前記の針管取付部2aには、ポリプロピレン又はポリエチレン等のプラスチックで一体成形された保護キャップ4が被せられている。この保護キャップ4の外周面には、手で摘むときに摘みやすいように適数のローレット条の凸条42が形成されている。
この例の保護キャップ4は、針管連通ハブ22へ被せられている。
この保護キャップ4は、これを針管連通ハブ22へ先端側から被せると、当該キャップ4の先端部外周の筒状鍔部47と針管固定部23の先端部内周とが凹凸係合して抜け止め状になり、ある程度の力で引き抜かなければ針管連通ハブ22から抜けないように構成されている。また、保護キャップ4の基端部内周には図示しない螺旋状凹凸が形成されており、保護キャップ4の内周面と針管連通ハブ22の外周面との間は、気体又は液体は通るが微生物等は通りにくいいわゆるラビリンス構造になっている。
【0005】
前述の保護キャップ4は注射器を使用する際には取り外され、針管3が前記針管連通ハブ22へ連通される。
この例では、針管3の針もとハブ30の端部外周には突起31を形成するとともに、針管固定部23の内周には前記突起31へ引っ掛かる螺旋凸条26を形成しており、針もとハブ30を前記針管固定部23へねじ込むと、針管3が前記針管連通ハブ22の孔と連通するように構成されている。
【0006】
シリンダ1内には、ラバーストッパ5とプランジャ6とが所定の間隔を介して挿入されており、ラバーストッパ5とプランジャ6との間には図示しない注射液が充填されている。
前記ラバーストッパ5及びプランジャ6は、ブチルゴム、ブタジエンゴム又はこれらのゴムに四佛化エチレン重合体(商標名「テフロン」)をラミネートしたもの等によって製造されている。
60はプランジャ6へねじ付けられたプランジャロッド、10はシリンダ1の基端部へ抜き止め状態に取付けられたフィンガーグリップであり、これらは、ポリプロピレン又はポリエチレン等のプラスチックで成形されている。
【0007】
前述のプレフィルド注射器は、保護キャップ4を取り外して針管3を所要の部分にセットし、プランジャロッド60によりプランジャ6をシリンダ1の先端方向に押すと、ラバーストッパ5が先端方向に押されて針管ホルダ2の注出シリンダ部20内へ移動する。
この状態でプランジャ6をさらに押すと、ラバーストッパ5とプランジャ6との間の注射液が、前記注出シリンダ部20の内壁へ液の流れ方向に沿って形成されている溝状の流路25を通じて針管3から注射されるようになっている。
【0008】
図7のプレフィルド注射器は、針管取付部2aを構成する針管連通ハブ22と針管固定部23とが兼用されており、針管3は針管連通ハブ22内へ挿入された状態で固定してある。
保護キャップ4は前記針管連通ハブ22へ押し込み状に被せられている。
【0009】
次に、図6のプレフィルド注射器における注射液の滅菌方法を、注射器の組み立て要領とともに説明する。
先ず、フィンガーグリップ10を含むシリンダ1、保護キャップ4(図7の場合は針管3及び保護キャップ4)を取り付けた針管ホルダ2、針管3、ラバーストッパ5、プランジャ6を滅菌する。これら部品は組み立てない状態で滅菌されるか、あるいは、プランジャ6を除く各部品は図示のように組み立てた状態で滅菌される。
プランジャ6を除く部品を図示の状態にセットし、シリンダ1内に基端側から注射液を注入した後、プランジャ6をシリンダ1内にセットする。
この状態で注射器を図示しない滅菌室へ供給し、蒸気あるいは熱水シャワー(80〜130℃)加熱による雰囲気中で5〜30分保持して内部の注射液を滅菌する。
その後、注射器を冷却(多くは水冷)する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のプレフィルド注射器によれば、針管ホルダ2の針管取付部2aには保護キャップ4が被せられているが、針管ホルダ2の針管取付部2aは保護キャップ4によって密封されているわけではない。
したがって、前述のように蒸気又は熱水シャワーによる加熱雰囲気中に前記注射器を保持している間に、保護キャップ4と針管取付部2aとの微細な隙間を通じて、蒸気ないし蒸気を含む熱水が針管ホルダ2の注出シリンダ部20内に侵入し、凝縮する。
これらの内部で凝縮した水滴は、容易に乾燥せずに注射器を使用するときまで残っていることが少なくない。使用時にシリンダ部20内に残っている水滴は、注射時に注射液と混合されて共に生体内へ注射されるという問題があった。
【0011】
この発明の目的は、注射器内に充填されている注射液を蒸気又は熱水によって滅菌するときに、針管ホルダの注出シリンダ部内に蒸気や熱水が侵入することのないプレフィルド注射器、及び、その注射液の滅菌方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明によるプレフィルド注射器は、前述の課題を解決のために以下のように構成している。
請求項1のプレフィルド注射器は、シリンダ1と、前記シリンダ1内へ所定の間隔を離して順に挿入されている少なくとも一つのラバーストッパ5及びプランジャ6と、前記シリンダ1の先端へ密封状態に連通され、前記ラバーストッパ5が入った状態において内周に注射液の流れ方向に沿う流路25が形成される注出シリンダ部20の先端部に針管取付部2aを一体に有する針管ホルダ2と、前記針管ホルダ2の針管取付部2aに被せられた保護キャップ4とを備え、前記針管取付部2aと保護キャップ4との接触部は気体又は液体は通過するが微生物等は通り難い状態になっており、前記シリンダ1内のラバーストッパ5とプランジャ6との間に注射液が予め充填されている注射器において、前記針管ホルダ2の針管取付部2aと前記保護キャップ4との最も外側の接触部は着脱可能なゴム製のカバー7により密封されていることを特徴としている。
なお、この発明でいう「密封」とは日本薬局方に定義された「密封容器」の「密封」と同義である。
【0013】
請求項2のプレフィルド注射器は、請求項1に記載の注射器において、前記ゴム製のカバー7は前記保護キャップ4の露出部の全体を覆っていることを特徴としている。
【0014】
請求項1の発明で用いられるゴム製のカバー7のゴムの材質としては、天然ゴム及び合成ゴム(ブチル、ブタジエン、シリコン、ネオプレン、ポリウレタン、フッソ、アクリル、エチレンプロピレン、ニトリルブタジエン、イソブチレン−イソプレン、スチレン−ブタジエン、ポリ塩化ビニル)等があげることができる。好ましくは、ブチルゴム、ブタジエンゴム及びシリコンゴムが用いられる。また、カバー7のゴムの厚さとしては0.1〜5mmが好ましい。
【0015】
請求項3に記載のプレフィルド注射液の滅菌方法は、前述の課題を解決するため、シリンダ1と、前記シリンダ1内へ所定の間隔を離して順に挿入されている少なくとも一つのラバーストッパ5及びプランジャ6と、前記シリンダ1の先端へ密封状態に連通され、前記ラバーストッパ5が入った状態において内周に注射液の流れ方向に沿う流路25が形成される注出シリンダ部20の先端部に針管取付部2aを一体に有する針管ホルダ2と、前記針管ホルダ2の針管取付部2aに被せられた保護キャップ4とを備え、前記針管取付部2aと保護キャップ4との接触部は気体又は液体は通過するが微生物等は通り難い状態になっており、前記シリンダ1内のラバーストッパ5とプランジャ6との間に注射液が予め充填されている注射器を、蒸気加熱又は熱水加熱することにより前記注射液を滅菌処理する際に、前記針管ホルダ2の針管取付部2aと前記保護キャップ4との接触部を密封した状態で前記注射器を加熱することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜図5を参照しながら、この発明によるプレフィルド注射器の実施形態及びプレフィルド注射液の滅菌方法の好ましい実施形態を説明する。
なお、以下の説明において図6で説明した従来のプレフィルド注射器と同じ構成部分は、同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0017】
第1実施形態
図1には、請求項1,2に対応するプレフィルド注射器の実施形態が示されている。
この実施形態の注射器において、針管ホルダ2の針管取付部2aは、注出シリンダ部20と連通する針管連通孔27を有する針管連通ハブ22と、その外周へ同心円状に形成された円筒状の針管固定部23とから構成されている。
針管連通ハブ22には、下部内周面に螺旋凹凸47を有するラビリンス構造の保護キャップ4が被せられている。この保護キャップ4は、先端外周部の筒状鍔部48が針管固定部23の先端部内周へ凹凸係合しており、ある程度の力で引き抜かなければ針管固定部23から引き抜けないようにしてある。
保護キャップ4の外周部には鍔44が形成され、この鍔44は針管固定部23の端部へ突き当たった状態で接触している。
【0018】
円筒状の針管固定部23には、前記保護キャップ4及び当該保護キャップ4の鍔44と針管固定部23との接触部を覆うように、ブチルゴム製のキャップ状のカバー7が被せられており、このカバー7により、前記保護キャップ4の鍔44と針管固定部23との接触部は密封されている。
前記カバー7の基端側内周面には軸線方向に所定の間隔をおいた複数の環状の凹凸70を形成することにより、当該カバー7へ針管固定部23を挿入するときに挿入し易く、かつ、保護キャップ4と当該針管固定部23との接触部が確実に密封できるようにしている。
針管固定部23の外径は、カバー7の最小内径(環状凸部の最小内径)以上であることが好ましい。環状凸部の高さは、好ましくは0.1〜2.0mmであり、環状凸部の数は好ましくは1〜4個である。
前記保護キャップ4及びカバー7は、注射器を使用する際には針管取付部2aから取り外され、当該部分には図6と同様な要領により針管3が取り付けられる。
【0019】
第1実施例
シリンダ1のラバーストッパ5とプランジャ6との間に、図示しない注射液を充填した第1実施形態のプレフィルド注射器サンプルと、図6の構造の従来の注射器サンプルとをそれぞれ100本製造した。
これらをそれぞれ50本ずつに分け、各50本は110℃の熱水シャワー室に15分間保持し、他の各50本は流通蒸気雰囲気内に20分間保持し、それぞれ熱水シャワー及び蒸気の加熱によりシリンダ1内のプレフィルド注射液を滅菌処理した。
その結果、従来のプレフィルド注射器サンプルでは100本全部について針管ホルダ2の注出シリンダ部20内、及びキャップ4内に水滴が認められたが、第1実施形態の注射器サンプルでは、100本全部について前記部分での水滴は認められなかった。
【0020】
この実施形態の注射器は、前述のように蒸気加熱又は熱水加熱による滅菌時に、注出シリンダ部20内及び保護キャップ4に蒸気ないし熱水が侵入するのを防止することができ、それらの部分に水滴は生じない。
したがって、プレフィルド注射液の滅菌に最適である。
この実施形態におけるのカバー7は、図7のように針管取付部2aが針管連通ハブ22のみによって構成されている場合にも取り付けることができる。この場合のカバー7の作用は、図1の注射器と同様である。
【0021】
第2実施形態
図2には、請求項1に対応するプレフィルド注射器の他の実施形態が示されている。
この実施形態の注射器において、ブチルゴム製のカバー7は、図1のようにキャップ状でなく、保護キャップ4の先端部はカバー7から突出している。
この実施形態の注射器の他の構成や作用・効果は、第1実施形態の注射器とほぼ同様であるのでそれらの説明は省略する。
【0022】
滅菌方法の発明の他の実施形態
前述の各実施形態は、注射器の所要部分にゴム製のカバー7を被せてプレフィルド注射液を加熱滅菌するための注射器及び滅菌方法に関するものであるが、図3及び図4には、加熱滅菌時にのみ注射器における針管ホルダ2の針管取付部2aを密封する滅菌方法の実施例が示されている。
【0023】
図3及び図4においてaはプレフィルド注射器であり、多数の注射器aは移送プレート80の上に並べて設置されたカップ状の受け具8によって逆さの状態で支持されている。
各受け具8は、移送プレート80の上に並べて設置された短い円筒状のガイド81によって動きが規制されている。
各プレフィルド注射器aは、図4で示すように図6の注射器とほぼ同様に構成されており、針管ホルダ2における針管取付部2aの針管連通ハブ22には保護キャップ4が被せられている。
【0024】
プレフィルド注射器aは、前記保護キャップ4及び針管取付部2aの部分が前記カップ状の受け具8内に収まるように逆姿勢で支持されており、注出シリンダ部20の先端外面の肩の部分が、前記受け具8の上端内周部に取り付けたパッキングその他のシールリング8aへ接触している。
注射器aは、図6のプランジャロッド60が取り外された状態であり、ゴムシート9を介して上方の押え部材90によって所定の圧力で下方の受け具8へ押し付けられている。
【0025】
前述のように各受け具8によって支持された各注射器aは、移送プレート80及び押え部材90とともに、図示されていない蒸気流通室ないし熱水シャワー室に移送される。
そして、前記蒸気流通室ないし熱水シャワー室内(約110℃)において20分間前後保持され、この間にシリンダ1内のラバーストッパ5とプランジャ6の間に充填されている注射液が滅菌される。
【0026】
第2実施例
移送プレート80上へ図示の要領で100本のプレフィルド注射器aを並べて支持させ、これらを約110℃の熱水シャワー室内で20分間程度保持した後、これらを冷却したところ、いずれの注射器aにも注出シリンダ部20内及び保護キャップ4内に水滴は認められなかった。
【0027】
この実施例の滅菌方法によれば、針管ホルダ2における針管取付部2a側が前記シールリング8aによってシールされた状態で蒸気加熱ないし熱水加熱されるために、滅菌工程において針管ホルダ2の注出シリンダ部20や保護キャップ4内に蒸気や熱水が侵入しない。
したがって、注出シリンダ部20内に水滴は発生しない。
また、シリンダ1内のプランジャ6より上方の部分にも蒸気や熱水が入らず、この部分が濡れないのでその後の処理を非常に行い易い。
【0028】
その他の実施形態
図5には他の実施形態のプレフィルド注射器の構造が示されている。
この注射器のシリンダ1の内部には、それぞれ所定の間隔離してラバーストッパ5,5a及びプランジャ6が挿入され、ラバーストッパ5,5a相互の間には図示しない注射液又は薬物(液体に限らない)が充填されており、ラバーストッパ5aとプランジャ6との間には注射液が充填されている。
【0029】
図5の注射器は、シリンダ1内の二つの空間にそれぞれ異なる注射液が充填されており、プランジャロッド60でプランジャ6を注射方向に押すと、ラバーストッパ5,5aが針管ホルダ2の注出シリンダ部20の方向に進み、先頭のラバーストッパ5が注出シリンダ部20内に入る。
この状態でプランジャ6をさらに押すと、ラバーストッパ5,5a間の注射液が注射され、やがてラバーストッパ5aも注出シリンダ部20内に入る。そして、さらにプランジャ6を押すことにより、ラバーストッパ5aとプランジャ6との間の注射液が注射されるようになっている。
【0030】
この発明による前記各実施形態の注射器の構造、及び各実施例の滅菌方法は、図5のようなダブルプレフィルド形式の注射器にも実施することができるものである。
なお、図5の注射器において、ラバーストッパ5,5aの間に薬物が充填されている場合には、プランジャ6を押すとラバーストッパ5、薬物及びラバーストッパ5aが注出シリンダ部20内に入る。この状態でプランジャ6をさらに押すと、ラバーストッパ5aとプランジャ6の間の注射液が流路25を通じて注出シリンダ部20内に流れ、この注射液によって前記薬物が溶かされ、この薬物が溶解した注射液が注射される。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、針管取付部2aに被せられた保護キャップ4と前記針管取付部2aとの最も外側の接触部を覆う着脱可能なゴム製のカバー7によって、針管ホルダ2の針管取付部2a側が密封されているので、注射器を蒸気加熱又は熱水加熱して当該注射器内に予め充填されている注射液を加熱滅菌する際、針管ホルダ2の注出シリンダ部20内に蒸気又は熱水が侵入することはない。
したがって、冷却しても注出シリンダ部20内に水滴が生じないのでプレフィルド注射液の加熱滅菌に好適である。
【0032】
請求項2の発明によれば、保護キャップ4の露出部分全体が前記ゴム製のカバー7によって覆われているので、請求項2の注射器と同様な効果のほかに、注射器を使用する際にカバー7を取り外すとき外し易いという効果を奏する。
【0033】
請求項3の発明によれば、蒸気加熱又は熱水加熱によりプレフィルド注射液を滅菌処理する際に、前記針管ホルダ2の針管取付部2aと前記保護キャップ4との接触部を密封した状態で前記注射器を加熱するので、滅菌の際に蒸気ないし熱水が針管ホルダ2の注出シリンダ部20内に侵入しない。
したがって、注射器の注出シリンダ部20内に水滴は生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるプレフィルド注射器の1実施形態を示す部分断面図である。
【図2】 この発明によるプレフィルド注射器の他の実施形態を示す部分断面図である。
【図3】 この発明による滅菌方法の実施例を説明するための注射器群の一部省略正面図である。
【図4】 図3の矢印A−Aに沿う部分拡大断面図である。
【図5】 ダブルプレフィルド注射器の一例を示す部分正面図である。
【図6】 従来のプレフィルド注射器の一例を示した部分断面図である。
【図7】 従来のプレフィルド注射器の他の例を示した部分断面図である。
【符号の説明】
a プレフィルド注射器
1 シリンダ
10 フィンガーグリップ
2 針管ホルダ
2a 針管取付部
20 注出シリンダ部
21 ソケット部
22 針管連通ハブ
23 針管固定部
25 流路
26 螺旋凸条
27 連通孔
3 針管
30 針もとハブ
4 保護キャップ
42 凸条
44 鍔
47 筒状鍔部
48 螺旋凹凸
5,5a ラバーストッパ
6 プランジャ
60 プランジャロッド
7 ゴム製のカバー
70 環状の凹凸
8 受け具
8a シールリング
80 移送プレート
81 円筒状のガイド
9 ゴムシート
90 押え部材
Claims (3)
- シリンダ1と、
前記シリンダ1内へ所定の間隔を離して順に挿入されている少なくとも一つのラバーストッパ5及びプランジャ6と、
前記シリンダ1の先端へ密封状態に連通され、前記ラバーストッパ5が入った状態において内周に注射液の流れ方向に沿う流路25が形成される注出シリンダ部20の先端部に針管取付部2aを一体に有する針管ホルダ2と、
前記針管ホルダ2の針管取付部2aに被せられた保護キャップ4とを備え、
前記針管取付部2aと保護キャップ4との接触部は気体又は液体は通過するが微生物等は通り難い状態になっており、
前記シリンダ1内のラバーストッパ5とプランジャ6との間に注射液が予め充填されている注射器において、
前記針管ホルダ2の針管取付部2aと前記保護キャップ4との最も外側の接触部は着脱可能なゴム製のカバー7により密封されていることを特徴とする、
プレフィルド注射器。 - 前記ゴム製のカバー7は前記保護キャップ4の露出部の全体を覆っている、請求項1に記載のプレフィルド注射器。
- シリンダ1と、
前記シリンダ1内へ所定の間隔を離して順に挿入されている少なくとも一つのラバーストッパ5及びプランジャ6と、
前記シリンダ1の先端へ密封状態に連通され、前記ラバーストッパ5が入った状態において内周に注射液の流れ方向に沿う流路25が形成される注出シリンダ部20の先端部に針管取付部2aを一体に有する針管ホルダ2と、
前記針管ホルダ2の針管取付部2aに被せられた保護キャップ4とを備え、
前記針管取付部2aと保護キャップ4との接触部は気体又は液体は通過するが微生物等は通り難い状態になっており、
前記シリンダ1内のラバーストッパ5とプランジャ6との間に注射液が予め充填されている注射器を、蒸気加熱又は熱水加熱することにより前記注射液を滅菌処理する際に、
前記針管ホルダ2の針管取付部2aと前記保護キャップ4との接触部を密封した状態で前記注射器を加熱することを特徴とする、
プレフィルド注射液の滅菌方法。
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