JP3785098B2 - ファン装置を有する電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体パッケージを冷却する遠心式のファン装置を内蔵したポータブルコンピュータのような電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノート形のポータブルコンピュータは、キーボードを有する筐体と、この筐体の後端部に回動可能に支持されたディスプレイユニットとを備えている。筐体は、持ち運びに便利なように偏平な箱状をなしており、この筐体内にマイクロプロセッサが実装されたプリント配線板やハードディスク駆動装置が収容されている。
【0003】
ところで、上記マイクロプロセッサは、処理速度の高速化や多機能化に伴って消費電力が増加の一途を辿り、これに比例して発熱量が急速に増大する傾向にある。そのため、コンピュータの安定した動作を保障するためには、マイクロプロセッサの放熱性を高める必要がある。
【0004】
この熱対策として、従来のポータブルコンピュータは、マイクロプロセッサを強制的に空冷する冷却ユニットを内蔵している。冷却ユニットは、マイクロプロセッサに熱的に接続された放熱部と、この放熱部に冷却風を送風するための遠心式のファン装置とで構成され、上記筐体内の後部に収められている。
【0005】
ファン装置は、羽根車と、この羽根車を収容する偏平なケーシングとを備えている。羽根車は、放射状に配置された複数の羽根を有し、モータによって回転駆動されるようになっている。ケーシングは、羽根車の回転中心部に連なる吸込口と、上記羽根車の外周に配置された渦巻き室と、渦巻き室の巻き終わり側の下流端に連なる吐出口とを備えている。吸込口は、ケーシングの上面および底面に開口されており、羽根車を間に挟んで向かい合っている。
【0006】
羽根車が回転すると、筐体の内部の空気が吸込口からケーシング内に吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、遠心力により羽根車の外周から渦巻き室に吐き出されるとともに、この渦巻き室を通じて吐出口に送られ、この吐出口から冷却風となって上記放熱部に吹き付けられる。そのため、放熱部に伝えられたマイクロプロセッサの熱は、冷却風との熱交換により拡散されるとともに、この冷却風の流れに乗じて筐体の外部に排出される。
【0007】
一方、従来のポータブルコンピュータにおいて、筐体の後部にティルト用の脚を装備したものが知られている。この脚は、筐体の底面から下向きに突出されて、例えば机の水平な天板に接するようになっている。これにより、キーボードの手元側が低くなるように筐体が前下がりの姿勢に傾き、キーボードを指先で操作する際の操作性が良好となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のポータブルコンピュータによると、ファン装置は、横置きの姿勢で筐体内に収容されており、その羽根車の回転中心線が筐体の厚み方向に沿って起立している。この従来の構成において、ティルト用の脚を用いて筐体を前下がりの姿勢に傾斜させると、上記羽根車の回転中心線が鉛直線に対し筐体の上方に進むに従いオペレータに近づく方向に傾く。このため、ケーシングの上面の吸込口がオペレータと向かい合うように起き上がった状態となり、オペレータの方向から筐体を見た時の吸込口の投影面積が増える。
【0009】
したがって、羽根車が回転した時に、吸込口から発せられる空気の吸い込み音やこの吸込口から漏れるモータの作動音がオペレータに向けて放散されてしまう。この結果、吸い込み音や作動音がオペレータに聞こえ易くなり、騒音面で不利な構成となるといった問題がある。
【0010】
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、ファン装置から発せられる音がオペレータに届き難くなり、格別な遮音材を用いることなく騒音問題を解消できる電子機器の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る本発明の電子機器は、
上壁を有する筐体と、上記筐体内に収容された発熱部品と、上記筐体内に収容され、上記発熱部品を冷却するためのファン装置と、上記筐体の後端部に配置され、上記筐体を前下がりの姿勢に傾斜させるティルト手段とを具備している。
上記ファン装置は、モータによって回転駆動されるとともに、上記筐体の厚み方向に沿う回転中心線を有する羽根車と、この羽根車を収容するケーシングとを備えている。このケーシングは、上記筐体の上壁と向かい合うとともに、上記羽根車の回転中心部に連なる吸込口と、上記羽根車の外周に配置された渦巻き室と、この渦巻き室の下流端に連なる吐出口とを含み、上記羽根車の回転時に上記吸込口から吸い込まれた空気は、上記渦巻き室を通じて上記吐出口に送風される。上記ファン装置のケーシングは、上記ティルト手段を介して上記筐体を傾斜させた時に、上記羽根車の回転中心線が鉛直方向に沿うような姿勢に保持されている。
【0012】
また、上記目的を達成するため、請求項2に係る本発明の電子機器は、
上壁を有する筐体と、発熱部品が実装されるとともに、上記筐体内に横置きの姿勢で収容されたプリント配線板と、上記筐体内に収容され、上記発熱部品を冷却するためのファン装置と、上記筐体の後端部に配置され、上記筐体を前下がりの姿勢に傾斜させるティルト手段とを具備している。
【0013】
上記ファン装置は、モータによって回転駆動されるとともに、上記筐体の厚み方向に沿う回転中心線を有する羽根車と、この羽根車を収容するケーシングとを備えている。このケーシングは、上記筐体の上壁と向かい合うとともに、上記羽根車の回転中心部に連なる吸込口と、上記羽根車の外周に配置された渦巻き室と、この渦巻き室の下流端に連なる吐出口とを含んでいる。上記羽根車の回転時に上記吸込口から吸い込まれた空気は、上記渦巻き室を通じて上記吐出口に送風される。上記ファン装置のケーシングは、その羽根車の回転中心線を上記プリント配線板と直交する基準線に対し傾斜させた姿勢に保持され、上記ティルト手段を介して上記筐体を傾斜させた時に、上記羽根車の回転中心線が鉛直方向に沿って延びている。
【0014】
このような構成において、電子機器の使用時にティルト手段を介して筐体を傾斜させると、ケーシングの吸込口が鉛直方向に沿って筐体の上方を指向するような姿勢となる。そのため、オペレータが筐体を前の方向から見た時に、オペレータから見える吸込口の投影面積が従来よりも小さくなる。よって、吸込口から発せられる空気の吸い込み音や吸込口から漏れるモータの運転音がオペレータの耳に届き難くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を、ポータブルコンピュータに適用した図面にもとづいて説明する。
【0016】
図1および図2は、電子機器としてのポータブルコンピュータ1を開示している。ポータブルコンピュータ1は、コンピュータ本体2と、このコンピュータ本体2に支持されたディスプレイユニット3とで構成されている。
【0017】
コンピュータ本体2は、筐体4を備えている。筐体4は、底壁4a、上壁4b、前壁4cおよび左右の側壁4dを含む偏平な箱状をなしている。底壁4aと上壁4bとは、筐体4の厚み方向に向かい合っており、この上壁4bにキーボード5が配置されている。
【0018】
ディスプレイユニット3は、ディスプレイハウジング6と、このディスプレイハウジング6に収容された液晶表示パネル7とを備えている。液晶表示パネル7の表示画面7aは、ディスプレイハウジング6の前面の開口部8を通じて外方に露出されている。
【0019】
ディスプレイハウジング6は、その一端に脚部9を有している。脚部9は、ディスプレイハウジング6の幅方向の中央部に位置され、筐体4の後端部に図示しないヒンジ装置を介して連結されている。そのため、ディスプレイユニット3は、上壁4bやキーボード5を上方から覆うように倒される閉じ位置と、上壁4b、キーボード5および表示画面7aを露出させるように起立する開き位置とに亘って回動可能となっている。
【0020】
筐体4の後端部には、ティルト手段としてのティルト脚10が配置されている。ティルト脚10は、ポータブルコンピュータ1を例えば机の天板のような水平面Aの上に載せて使用する時に、筐体4を前下がりの姿勢に傾斜させるためのものであって、筐体4の後端部から下向きに突出されている。この筐体4の傾斜によりキーボード5の手元側が低くなり、このキーボード5を指先で操作する際の操作性が良好となる。
【0021】
図2および図3に示すように、筐体4は、プリント配線板11および冷却ユニット12を内蔵している。プリント配線板11は、筐体4の底壁4aと平行に配置されており、このプリント配線板11の上面に発熱部品としての半導体パッケージ13およびその他の図示しない複数の回路素子が実装されている。半導体パッケージ13は、ポータブルコンピュータ1の中枢となるマイクロプロセッサを構成するものであり、筐体4の後端右側部に位置されている。
【0022】
半導体パッケージ13は、プリント配線板11の上面に半田付けされたベース基板14と、このベース基板14の上面中央部に実装されたICチップ15とを有している。ICチップ15は、動作中の発熱量が非常に大きく、安定した動作を維持するために冷却を必要としている。
【0023】
上記冷却ユニット12は、半導体パッケージ13を強制的に空冷するためのものである。冷却ユニット12は、熱移送部17、放熱部18および遠心式のファン装置19を備えている。冷却ユニット12は、一つのモジュールとして組み立てられており、プリント配線板11の上面に設置されている。さらに、この冷却ユニット12は、筐体4の後端右側部に位置され、上記半導体パッケージ13や筐体4の右側の側壁4dと隣り合っている。
【0024】
熱移送部17は、受熱ブロック21とヒートパイプ22とを有している。受熱ブロック21は、アルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。この受熱ブロック21は、熱伝導性のグリース(図示せず)を間に挟んで上記ICチップ15の上に重ねられており、これにより、受熱ブロック21とICチップ15とが熱的に接続されている。
【0025】
ヒートパイプ22の一端部は、受熱ブロック21の上面に熱的に接続されている。ヒートパイプ22の他端部は、受熱ブロック21の側方に向けて引き出されており、上記筐体4の右側の側壁4dに沿うようにして筐体4の奥行き方向に延びている。
【0026】
上記放熱部18は、アルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。この放熱部18は、複数の放熱フィン23を有している。放熱フィン23は、互いに間隔を存して平行に配置されており、これら放熱フィン23にヒートパイプ22の他端部が熱的に接続されている。
【0027】
図3ないし図7に示すように、ファン装置19は、金属製のケーシング25と、このケーシング25に収容された羽根車26とを備えている。ケーシング25は、ケーシング本体27と天板28とで構成され、偏平な箱状をなしている。ケーシング本体27は、底板29と、この底板29の周縁から立ち上がる起立板30とを有している。底板29および天板28は、夫々円盤状をなすとともに、ケーシング25の外壁を構成している。起立板30は、円弧状に湾曲されて、ケーシング25の周壁を構成している。天板28は、起立板30の上端部に固定されており、上記底板29と向かい合っている。
【0028】
ケーシング25は、一対の円形の吸込口32a,32bと一つの吐出口33とを有している。一方の吸込口32aは、天板28の中央部に開口されているとともに、他方の吸込口32bは、底板29の中央部に開口されている。吐出口33は、ケーシング25の周壁に開口されており、このケーシング25の径方向に延びる細長い開口形状を有している。
【0029】
上記羽根車26は、円筒状の胴部34と、この胴部34の外周面から放射状に突出する複数の羽根35とを有している。羽根車26は、ケーシング25の天板28と底板29との間に介在されているとともに、上記吸込口32a,32bに対し同軸状に配置されている。
【0030】
羽根車26は、その胴部34に駆動源としてのモータ37を内蔵している。図8に示すように、モータ37は、モータハウジング38を有している。このモータハウジング38は、ケーシング本体27の底板29に固定されている。モータハウジング38の中央部に上向きに突出するボス部39が形成されている。ボス部39は、上向きに開放された軸受孔40を有し、この軸受孔40の内側に回転軸41が収容されている。回転軸41は、円筒状の流体潤滑軸受42を介してボス部39に回転自在に支持されている。流体潤滑軸受42は、回転軸41の外周面との間に形成される潤滑膜(油膜)を介して回転軸41から加わる荷重を受け止めるようになっている。
【0031】
回転軸41の上端部は、ボス部39から上向きに突出されて、上記胴部34の上端壁34aに結合されている。この回転軸41は、羽根車26の回転中心線Xと同軸状に配置されており、上記筐体4の厚み方向に沿って延びている。
【0032】
ボス部39の外周囲に鉄心43が配置されている。鉄心43は、ボス部39を取り囲んでおり、この鉄心43にコイル44が巻き付けられている。さらに、鉄心43の外側に図示しないマグネットが配置されている。マグネットは、胴部34の内周面に固定されて、鉄心43の外周面と向かい合っている。
【0033】
モータ37の回転軸41は、鉄心43が励磁した時の電磁力により図3の反時計回り方向に回転駆動される。これにより、羽根車26が回転し、ケーシング25の外部の空気が吸込口32a,32bを通じて羽根車26の羽根35の間に吸い込まれる。この空気は、遠心力により羽根車26の外周から吐き出される。
【0034】
図3ないし図6に最も良く示されるように、ケーシング25は、羽根車26の外周に位置された渦巻き室46を有している。渦巻き室46は、羽根車26の外周から吐き出される空気の速度エネルギを圧力エネルギに変換するためのものである。
【0035】
渦巻き室46の渦巻き形状は、ケーシング本体27の起立板30によって定められている。この起立板30は、羽根車26を取り囲むようにケーシング25の内側に張り出す延長部30aを有している。延長部30aの先端は、渦巻き室46の巻き始めの位置P1となっており、この巻き始めの位置P1から渦巻き室46の周方向に360°離れた位置が渦巻き室46の巻き終わりの位置P2となっている。
【0036】
渦巻き室46のうち、その巻き始めの位置P1から巻き終わり位置P2に向けて少なくとも180°の範囲は、直径が一定に保たれた円形の平面形状を有している。さらに、起立板30と羽根車26の外周との間の距離dは、巻き始めの位置P1から巻き終わりの位置P2に進むに従い逐次増大している。ケーシング25の吐出口33は、渦巻き室46の巻き終わりの位置P2の下流端に連なっている。
【0037】
図4ないし図6に示すように、ケーシング25の天板28のうち上記渦巻き室46に対応する外周部分には、ケーシング25の底板29から遠ざかる方向に直線的に傾斜された第1の傾斜部47が形成されている。同様に、ケーシング25の底板29のうち上記渦巻き室46に対応する外周部分には、天板28から遠ざかる方向に直線的に傾斜された第2の傾斜部48が形成されている。そのため、ケーシング25の外周部分は、羽根車26の径方向外側に向かう程、この羽根車26の軸方向に沿う両側に向けて膨らんでいる。
【0038】
詳しく述べると、渦巻き室46は、羽根車26の外周に臨む内周端と、羽根車26の外周から最も遠ざかった外周端とを有している。そして、渦巻き室46の内周端における羽根車26の軸方向の高さ寸法をL1、渦巻き室46の外周端における羽根車26の軸方向の高さ寸法をL2とした時、上記渦巻き室46は、L2>L1の関係に規定されている。このことから、渦巻き室46は、その内周端から外周端の方向に進むに従い、羽根車26の軸方向の寸法が増大するような断面形状を有している。
【0039】
それとともに、渦巻き室46の高さ寸法L2は、渦巻き室46の巻き始めの位置P1から巻き終わりの位置P2に向けて逐次増大している。よって、渦巻き室46の容量は、巻き始めの位置P1から巻き終わりの位置P2に向けて連続的に増加している。
【0040】
さらに、本実施形態の場合、渦巻き室46の巻き始めの位置P1から180°の範囲、言い換えれば、渦巻き室46の直径が一定に保たれた部分では、その内周端の高さ寸法L1の平均値hが、
h=aθ+b
の関係を満足するように定められている。なお、上記式において、aは比例定数、bは定数、θは羽根車26の回転中心線Xを軸とする回転角を夫々示している。
【0041】
加えて、渦巻き室46の断面形状を規定する第1および第2の傾斜部47,48は、ケーシング25の吐出口33の開口端まで連続して形成されている。このため、図4に見られるように、吐出口33は、渦巻き室46の外周端に連なる端部が拡大されたような開口形状を有している。
【0042】
図9に渦巻き室46を展開して示すように、渦巻き室46は、一対の仕切り壁50a,50bによって上部渦室51a、下部渦室51bおよび中間渦室51cに仕切られている。仕切り壁50a,50bは、羽根車26の軸方向に間隔を存して配置されており、上記ケーシング25の第1および第2の傾斜部47,48の間に位置されている。
【0043】
これら仕切り壁50a,50bは、ケーシング本体27の起立板30の内面から羽根車26の外周に向けて張り出しているとともに、第1および第2の傾斜部47,48に沿うように傾いている。仕切り壁50a,50bの下流端は、巻き終わり位置P2を通り越して吐出口33の開口端に達している。この仕切り壁50a,50bの張り出し量Nは、渦巻き室46の巻き始め位置P1から吐出口33の方向に進むに従い逐次増加している。
【0044】
図6に示すように、ファン装置19のケーシング25は、プリント配線板11の上面に据え付けられている。この際、ケーシング25は、その底板29の外周部に下向きに張り出す第2の傾斜部48を有するので、この傾斜部48をプリント配線板11の上面に沿わせた横置きの姿勢で筐体4の内部に収められている。このため、羽根車26の回転中心線Xは、筐体4の厚み方向に沿うとともに、プリント配線板11の上面と直交する基準線Yに対し筐体4の後方に向けて角度αだけ傾いている。
【0045】
この結果、上記ティルト脚10を用いて筐体4を前下がりの姿勢に傾斜させると、羽根車26の回転中心線Xは、図5に見られるように、ポータブルコンピュータ1が置かれた水平面Aと直交する鉛直線上に位置するようになっている。
【0046】
図3に示すように、ファン装置19の吐出口33は、筐体4の右側の側壁4dに開口された複数の排気口53と向かい合っている。吐出口33の開口端には、導風ダクト54が接続されている。導風ダクト54は、吐出口33に連なる第1の開口54aと、この第1の開口54aは反対側の第2の開口54bとを有している。第1の開口54aは、吐出口33の開口形状と合致するとともに、第2の開口54bは長方形状をなしている。この第2の開口54bの長辺は、プリント配線板11の上面と略平行となっている。
【0047】
そのため、導風ダクト54は、第1の開口54aから第2の開口54bの方向に進むに従い、その断面形状が逐次変化しているとともに、ファン装置19の傾斜方向とは逆方向にねじれている。この結果、導風ダクト54は、プリント配線板11に対するファン装置19の傾斜および吐出口33の特殊な開口形状を吸収する機能を果している。この導風ダクト54は、ケーシング25と同じ金属材料で形成しても良いが、形状の複雑化に対応し得るように、合成樹脂やゴムのような材料を射出成形することにより構成しても良い。
【0048】
図3に示すように、上記冷却ユニット12の放熱部18は、筐体4の排気口53と導風ダクト54の第2の開口54bとの間に介在されている。このため、ファン装置19の吐出口33は、導風ダクト43および放熱部18を間に挟んで筐体4の排気口53に連なっている。
【0049】
このような構成において、半導体パッケージ13のICチップ15が発熱すると、このICチップ15の熱は、受熱ブロック21からヒートパイプ22を介して放熱部18に移送される。この放熱部18に移された熱は、放熱フィン23の表面から筐体4の内部に放出される。
【0050】
半導体パッケージ13の温度が予め決められた上限値に達すると、ファン装置19のモータ37が作動し、羽根車26が回転する。この羽根車26の回転により、ケーシング25の吸込口32a,32bに負圧が作用し、筐体4の内部の空気が吸込口32a,32bから吸い込まれる。
【0051】
この空気は、遠心力により羽根車26の外周から渦巻き室46に吐き出され、この渦巻き室46において空気の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。そのため、渦巻き室46内での空気の圧力は、巻き始めの位置P1よりも巻き終わりの位置P2の方が大きくなる。
【0052】
本実施の形態では、渦巻き室46が仕切り壁50a,50bによって上部渦室51a、下部渦室51bおよび中間渦室51cに仕切られている。このため、羽根車26の外周から吐き出された空気は、三つの領域51a〜51cに流れ込むことになり、この空気が羽根車26の軸方向に均一に分散される。よって、エネルギの変換時の損失が少なく抑えられ、吐出口33に送られる空気の圧力を効率良く高めることができる。
【0053】
渦巻き室46から吐出口33に送られた空気は、冷却風となって放熱部18に送られるとともに、この放熱部18の放熱フィン23の間を通過する。これにより、放熱部18が強制的に冷やされ、この放熱部18に移送されたICチップ15の熱が冷却風との熱交換により持ち去られる。この熱交換により暖められた冷却風は、排気口53から筐体4の外部に排出される。
【0054】
上記構成のポータブルコンピュータ1によれば、ファン装置19の羽根車26の回転中心線Xは、プリント配線板11の上面と直交する基準線Yに対し筐体4の後方に向けて角度αだけ傾いている。このため、図2や図5に示すように、筐体4を前下がりの姿勢に傾斜させて使用すると、羽根車26の回転中心線Xが鉛直方向に沿って起立し、ケーシング25の吸込口32aが鉛直方向に沿って筐体4の上方を指向するような姿勢となる。
【0055】
この結果、ポータブルコンピュータ1の使用時において、オペレータQは、筐体4の前方に位置するので、羽根車26の回転中心線Xがプリント配線板11の上面と直交する基準線Yの上に位置する従来との比較において、オペレータQの方向から見える吸込口32aの投影面積が小さくなる。
【0056】
したがって、ファン装置19の動作中に吸込口32aから発せられる空気の吸い込み音や吸込口32aから漏れるモータ37の運転音がオペレータQの耳に届き難くなる。よって、ファン装置19からの音が気にならないレベルまで低減され、格別な遮音材を用いなくともファン装置19の作動に伴う騒音問題を解消することができる。
【0057】
さらに、上記構成によると、モータ37の回転軸41は、羽根車26の回転中心線Xと同軸状に配置されている。そのため、筐体4を前下がりの姿勢に傾斜させて使用する時、回転軸41は重力の作用方向に沿うように起立することになり、流体潤滑軸受42内での重力による回転軸41の偏りを回避することができる。この結果、回転軸41の外周面と流体潤滑軸受42との間に形成される潤滑膜(油膜)が局部的に薄くなったり、途切れるのを防止でき、回転軸41の軸受部分の寿命が長くなるといった利点がある。
【0058】
加えて、ファン装置19の渦巻き室46は、羽根車26の外周からこの羽根車26の径方向外側に進むに従い、羽根車26の軸方向の寸法が増大するように膨らんでおり、特に渦巻き室46の外周端の高さ寸法L2は、渦巻き室46の巻き始めの位置P1から巻き終わりの位置P2に進むに従い逐次大きくなっている。
【0059】
このため、羽根車26の径方向に沿うケーシング25の寸法を一定としたまま渦巻き室46の断面積を増やすことができ、羽根車26の外周から渦巻き室46に吐出された空気の速度エネルギを効率良く圧力エネルギに変換しつつ、プリント配線板11の上面に対するケーシング25の占有面積を小さく抑えることができる。よって、ケーシング25とプリント配線板11上の回路素子との干渉を回避することができ、ポータブルコンピュータ1を設計するに当っての寸法的な制約が緩和される。
【0060】
それとともに、ファン装置19のケーシング25がプリント配線板11に対し傾いているので、ケーシング25の外周部分が羽根車26の軸方向に膨らんでいるにも拘わらず、プリント配線板11の上方へのケーシング25の張り出しを少なく抑えることができる。そのため、筐体4の内部にファン装置19を無理なく収めることができるとともに、筐体4の薄形化が妨げられることもない。
【0061】
なお、上記実施の形態においては、渦巻き室を一対の仕切り壁によって三つの領域に仕切るようにしたが、本発明はこれに限らず、渦巻き室を一つの仕切り壁によって二つの領域に仕切るようにしても良い。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、ファン装置の動作中に吸込口から発せられる空気の吸い込み音や吸込口から漏れるモータの運転音がオペレータの耳に届き難くなる。このため、ファン装置からの音が気にならないレベルまで低減され、格別な遮音材を用いることなくファン装置の作動に伴う騒音問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】筐体を前下がりの姿勢に傾斜させた状態を示すポータブルコンピュータの側面図。
【図3】ファン装置を有する冷却ユニットを筐体内に収容した状態を示すポータブルコンピュータの平面図。
【図4】ファン装置の斜視図。
【図5】筐体を前下がりの姿勢に傾斜させた時の羽根車の回転中心線の向きを示すポータブルコンピュータの断面図。
【図6】図3のF6−F6線に沿う断面図。
【図7】図3のF7−F7線に沿う断面図。
【図8】羽根車に内蔵されたモータの断面図。
【図9】渦巻き室と仕切り壁との位置関係を渦巻きの方向に方向に展開して示す断面図。
【符号の説明】
4…筐体
4b…上壁
10…ティルト手段(ティルト脚)
11…プリント配線板
13…発熱部品(半導体パッケージ)
19…ファン装置
25…ケーシング
26…羽根車
32a…吸込口
33…吐出口
37…モータ
46…渦巻き室
X…回転中心線
Y…基準線

Claims (10)

  1. 上壁を有する筐体と、
    上記筐体内に収容された発熱部品と、
    上記筐体内に収容され、上記発熱部品を冷却するためのファン装置と、
    上記筐体の後端部に配置され、上記筐体を前下がりの姿勢に傾斜させるティルト手段と、を具備し、
    上記ファン装置は、モータによって回転駆動されるとともに、上記筐体の厚み方向に沿う回転中心線を有する羽根車と、この羽根車を収容するケーシングとを備え、上記ケーシングは、上記筐体の上壁と向かい合うとともに、上記羽根車の回転中心部に連なる吸込口と、上記羽根車の外周に配置された渦巻き室と、この渦巻き室の下流端に連なる吐出口とを含み、上記羽根車の回転時に、上記吸込口から吸い込まれた空気を上記渦巻き室を通じて上記吐出口に送るようにした電子機器であって、
    上記ファン装置のケーシングは、上記ティルト手段を介して上記筐体を傾斜させた時に、上記羽根車の回転中心線が鉛直方向に沿うような姿勢に保持されていることを特徴とする電子機器。
  2. 上壁を有する筐体と、
    発熱部品が実装されるとともに、上記筐体内に横置きの姿勢で収容されたプリント配線板と、
    上記筐体内に収容され、上記発熱部品を冷却するためのファン装置と、
    上記筐体の後端部に配置され、上記筐体を前下がりの姿勢に傾斜させるティルト手段と、を具備し、
    上記ファン装置は、モータによって回転駆動されるとともに、上記筐体の厚み方向に沿う回転中心線を有する羽根車と、この羽根車を収容するケーシングとを備え、上記ケーシングは、上記筐体の上壁と向かい合うとともに、上記羽根車の回転中心部に連なる吸込口と、上記羽根車の外周に配置された渦巻き室と、この渦巻き室の下流端に連なる吐出口とを含み、上記羽根車の回転時に、上記吸込口から吸い込まれた空気を上記渦巻き室を通じて上記吐出口に送るようにした電子機器であって、
    上記ファン装置のケーシングは、その羽根車の回転中心線を上記プリント配線板と直交する基準線に対し傾斜させた姿勢に保持され、上記ティルト手段を介して上記筐体を傾斜させた時に、上記羽根車の回転中心線が鉛直方向に沿って延びていることを特徴とする電子機器。
  3. 請求項1又は請求項2の記載において、上記羽根車の回転中心線は、上記筐体を水平面上で前下がりの姿勢に傾斜させた時に、上記水平面と直交する方向に延びていることを特徴とする電子機器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか記載において、上記ファン装置のモータは、上記羽根車の回転中心線と同軸に配置された回転軸と、この回転軸を回転自在に支持する流体潤滑軸受とを有することを特徴とする電子機器。
  5. 請求項1又は請求項2の記載において、上記筐体は、上記発熱部品に熱的に接続された放熱部を内蔵しており、この放熱部は、上記ケーシングの吐出口に配置されていることを特徴とする電子機器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかの記載において、上記ファン装置の渦巻き室は、上記羽根車の外周からこの羽根車の径方向外側に進むに従い、上記羽根車の軸方向に沿う寸法が増大するような断面形状を有することを特徴とする電子機器。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかの記載において、上記ファン装置の渦巻き室は、その羽根車の外周に臨む内周端と、上記羽根車から最も遠ざかった外周端とを有し、上記内周端における上記羽根車の軸方向の高さ寸法をL1、上記外周端における上記羽根車の軸方向の高さ寸法をL2とした時、
    L2>L1
    の関係に規定されていることを特徴とする電子機器。
  8. 請求項7の記載において、上記渦巻き室の高さ寸法L2は、上記渦巻き室の巻き始めの位置から巻き終わりの位置に向けて逐次増大していることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項7又は請求項8の記載において、上記ファン装置のケーシングは、上記渦巻き室を上記羽根車の軸方向に複数の領域に仕切る少なくとも一つの仕切り壁を備えていることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項7ないし請求項9のいずれかの記載において、上記ケーシングは、上記羽根車を間に挟んで向かい合う一対の円盤状の外壁を有し、これら外壁のうち上記渦巻き室に対応する外周部分は、上記羽根車の径方向外側に進むに従い上記羽根車の軸方向に沿って互いに離間する方向に傾斜された傾斜部をなしていることを特徴とする電子機器。
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