JP3784069B2 - 電気的輸送薬剤分配を増進する組成物 - Google Patents
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Description
この発明は電気的輸送(electrotransport)により体表面中を通過させての薬剤の分配(delivery)に関する。さらに特定的には本発明は特定組成物中への競合性イオンの添加を避ける一方で、pHをコントロールする該特定の組成物の助けにより薬剤の分配を増進することに関する。
背景技術
表皮中を通過して拡散することによる薬剤の経皮分配は皮下注射および経口投与のような多くの伝統的な分配以上の改良を提供する。受動的拡散による経皮薬剤分配によれば経口薬剤投与に伴う肝臓初回通過作用を避けることができる。経皮薬剤分配はまた皮下注射に伴う患者の不快感を排除する。また経皮分配は、或る種のパッチの継続してコントロールされた分配プロフィルに起因し、時間経過にわたって患者の血液流中の薬剤の濃度をいっそう均一にすることが出来る。用語“経皮”分配は、動物の皮膚、粘膜または爪のような体表面を通過させての薬剤の分配を広く包含する。
皮膚は体中への物質の経皮浸透に対する一時障壁としての機能を果たし医薬のような治療薬の経皮分配に対して主要な抵抗を表す体の部分である。今日まで、受動的拡散の手段による治療薬の分配のために、物理的抵抗を減少させるかまたは皮膚の浸透性を高めることに努力は集中されてきた。経皮薬剤拡散の速度を増大させるための種々の方法が使用されて来た。例えば、金属、プラスチックおよび他の材料から造られた薬剤不透過性裏材層が皮膚貼布において使用されてきており、これは皮膚からはずれて薬剤が拡散するのを防止したり、皮膚の水和を増大させそれにより皮膚を通過しての薬剤の拡散を増大させるためのものである。皮膚を通過する薬剤の吸収速度を増大させるために皮膚に隣接する雰囲気の温度および相対湿度を変えることが行なわれてきた。皮膚の最外側の層である角質層を機械的に破壊することにより皮膚を擦過または突き刺すことに他の努力が向けられて来た。化学吸収プロモーター(フラックス(flux)エンハンサーまたは浸透エンハンサーと称せられる)はまた、経皮治療薬分配装置および組成物の必須の成分としても使用されて来たしまた経皮貼布を適用する前の予備治療として皮膚に適用されて来た。
受動的経皮医薬分配における脂肪酸浸透増進剤の利用は以前から知られている(例えば米国特許第5,045,553号および同第5,023,085号(追加のシクロケトンと共に脂肪酸)参照)。同様に、米国特許第5,069,909号(アプレノルフィン(uprenorphin)について)、同第5,001,139号及び同第4,892,737号は他の増進剤との混合物として脂肪酸エステルを受動的経皮分配のために使用することを開示している。さらに一般的にはC5〜C30脂肪族モノカルボン酸がN−エトキシカルボニル−3−モルホリノシドノニミンの受動的分配の分配のために米国特許第4,731,241号において経皮医薬浸透増進剤として開示されている。米国特許第4,892,737号は薬剤の受動的経皮電気的輸送のために飽和及び不飽和脂肪族カルボン酸との第四級アンモニウム塩の混合物を使用することを開示している。米国特許第4,882,163号は少なくとも12個のC−原子のアルキル脂肪族酸の助けによりモノキシジン(monoxidine)を受動的に分配することを開示している。米国特許第4,637,930号においては、C6〜C12脂肪酸エステルがニカルジピン塩酸塩の分配のために使用されている。
脂肪族ジオール類、一価または多価のアルコールと飽和脂肪酸とのエステルを含む、サリチル酸の受動的分配のための組成物は公開されたPCT特許出願WO90/08507号において開示されている。サリチル酸、プロパンジオールまたはブタンジオールのような脂肪族1,2−ジオールおよびトリグリセリド類のような脂肪油およびそれらの脂肪酸誘導体を含有する組成物は公開されたPCT特許出願WO89/00853号において開示されている。また、米国特許第4,605,670号および同第5,128,376号は(1)C7〜C18脂肪族酸と、アルコール類、C8〜C26脂肪族モノアルコールまたはその混合物とのエステルおよび(2)ピロリドンのようなC4〜C6環式アミド、およびジオール類、トリオール類またはそれらの混合物、の混合物を含有する組成物中の活性剤の受動的経皮投与を開示している。
これらの受動的方法は医薬の経皮フラックスを有意義に増加させることにおいて一般にほんの限られてしかうまくいっていなかった。
経皮医薬浸透速度(フラックス(flux))はまた、電気的に補助することによって、即ち電気的輸送分配を使用することにより、受動的拡散で得られる場合よりも増大させることが出来る。本明細書において使用される用語としての用語“電気的輸送(electrotransport)”とは電界の助けにより体表面中を通過させての薬剤を分配させることを言う。したがって、電気的輸送は、体表面を通過する電流を適用することにより少なくとも部分的に誘導される、皮膚、粘膜または爪のような体表面中の薬剤の通過を一般的に言う。医薬を含む多くの治療薬は電気的輸送により人体中に導入されることが出来る。体表面中を通過させての薬剤の電気的輸送は、幾つかの既知現象の1つまたはそれ以上により達成されることが出来る。1つの広く使用される電気的輸送の現象は荷電されたイオンの電気的に誘導された輸送を包含するイオン泳動(イオン導入:iontophoresis)である。他のタイプの電気的輸送である電気浸透(electroosomosis)は電界の影響下に生物学的膜中を通過させての液体(この液体はその中に溶解された1種またはそれ以上の治療薬を含有する)の運動を包含する。なお他のタイプの電気的輸送であるエレクトロポーレーション(電気穿孔法:electroporation)は、電界の影響下に生物学的膜に形成された一時的形成の細孔中を通過しての薬剤の運動を包含する。いずれかの一定の薬剤が電気的に輸送されるとき、受動的拡散の現象を包含するこれらの現象の1つより多くが、ある程度同時に起こる可能性がある。本明細書において用いられる用語として、用語電気的輸送は薬剤(一種または複数種)が実際に輸送される特定のメカニズムとは無関係に、荷電された種、荷電されていない種またはそれらの混合物の電気的に誘導されたまたは高められた輸送を包含する、その最も広い解釈が与えられる。
電気的輸送装置は、少なくとも2つの電極を必要とし、両方の電極は皮膚、爪、粘膜または体の他の膜表面の或る部分と電気的に接触している。通常、“供与(donor)”電極または“活性”電極と称せられる1つの電極は、それから医薬またはプロドラッグのような治療薬が体中に送りだされる電極である。典型的には“対”電極と呼ばれまたは“もどり(return)”電極と呼ばれる場合もある他の電極は体中を通過する電気回路を閉じるのに役に立つ。例えばもしカチオン性(即ち、正に荷電された)薬剤が分配されるべきであるならば、アノードが活性または供与電極であり、一方ではカソードが対電極である。あるいは、もし分配されるべき薬剤がアニオン、即ち負に荷電されたイオンであるならば、カソードが供与電極であり、アノードが対電極である。アニオン性医薬とカチオン性医薬とが同時に分配されることが必要ならば、アノードとカソードとの両方がこの目的のために使用されることが出来そしてアニオン性医薬がカソードに置かれ、一方ではカチオン性医薬がアノードに置かれる。また、電気的輸送分配装置は典型的には1個またはそれ以上のバッテリーの形で電力源を含み、そして場合により電極中の電流の流れを規制し、それにより医薬分配の速度を規制する電気的制御回路を含む。あるいは、その電力は異なる材料から造られた2つの電極を接触させることにより形成されるガルバニー対により少なくとも一部分供給されることが出来る。完全電気回路は電力源の1つの極を供与電極に電気的に接触させ、供与電極を体の電気的に接触させ、体を対電極に電気的に接触させ、対電極を電力源の対向極に電気的に接触させることにより形成される。
供与電極は典型的には分配されるべき薬剤または医薬の溶液を含有する液貯め(reservoir)を含む。供与液貯め(donor reservoir)は、ポーチ、空洞(cavity)、多孔質スポンジ、パッドおよび予め形成されたゲル体の形を取ってよい。同様に、対電極は生体適合性電解質塩溶液を含有する液貯めを含む。これらの液貯めは1種またはそれ以上の治療薬または医薬の固定されたまたは再補充可能な源を提供するために電気的輸送装置のアノードまたはカソードに電気的に接続されている。
電気的輸送医薬フラックスは装置により供給される電流の水準におおよそ比例していることが知られている。しかしながら、患者が楽に耐えることが出来る電流密度(電流密度は装置により供給される電流(mA)を電極の皮膚接触面積(cm2)により割ったものである)には限界がある。患者が楽に耐えることが出来る電流密度の水準についての限界は、電気的輸送システムのサイズとしていっそう問題となり、それ故に、即ち着用出来るように設計されている電気的輸送システムのための電極では皮膚接触面積が減少される。したがって、一定の寸法の任意の電気的輸送装置により供給されることが出来る電流の水準には限界があり、そしてこの電流限界は装置の大きさまたは皮膚接触面積が減少されるにしたがって低くなる。或る場合においてこれらの電流限界で操作する電気的輸送装置では医薬の治療的に有効な量を分配することが不可能であった。これらの場合において電気的輸送装置中に浸透増進剤を導入すると分配される薬剤の量を適当な水準に増大させることが可能である。
この出願に関して、用語“浸透増進剤(permeation enhancer)”とは吸収促進剤および界面活性剤を包含しそして広くは通過する薬剤の通過に対する体表面の物理的抵抗を減少させ、体表面のイオン選択性を変化させ、体表面の電導度または透過度を増大させそして(または)通過する通路の数を増大させる化学種を含む。電気的輸送増進剤を使用すると、皮膚中を通過する電流(即ちmA)の特定の水準を生成するために必要な電位(即ち電圧)を減少させることにより電気的輸送装置の大きさを減少させることが出来、それにより装置を動かすのに必要とするバッテリーの大きさおよび(または)数を減少することが出来る。装置の大きさにおける減少はまた、患者の気楽さを改良しそしてバッテリーの数における減少は装置の費用を減少させる。
治療薬の電気的輸送分配のためには限られた数の浸透増進剤しか、文献に開示されていない。エタノールはポリペプチド類のための電気的輸送増進剤として使用された来た。Srinivasan、等によるJ.Pharm.Sci.79(7):588〜591(1990)参照。Sanderson等への米国特許第4,722,726号において、皮膚を通過して外側に移動する組織イオンとの競合を減少させるために、皮膚表面はイオン性界面活性剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)で処理される。Francoeur等への米国特許第5,023,085号は、或る種の医薬のイオン泳動分配のためにケトン類と一緒に不飽和C14〜C20酸類、アルコール類、アミン類およびエステル類の使用を開示している。公開されたPCT特許出願WO91/16077号は医薬のイオン泳動分配のための浸透増進剤として、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸およびカプリル酸のような脂肪酸の使用を開示している。ヨーロッパ特許出願第93/300198.4号は、広く記載されたグループの“脂質変性剤”の助けを用いてのイオン泳動により治療薬を経皮的に分配することを開示している。それらの変性剤はC5〜C28脂肪族鎖、およびヘミアセタールアミド、アセタール、アルコール、カルボン酸、エステルおよびその他のような部分を有するがしかし50〜60個より多くない炭素原子を含有するとして一般に記載されている。2、3種のジオキソラン、脂肪族カーボネートおよびピロリドンだけが例示されている。
多くの医薬は遊離の酸/塩基形および塩の両方が存在する。例えば塩基の医薬は遊離の塩基形でまたは塩形、例えば酸付加塩で存在することが出来る。塩基医薬の1つの例はリドカインである。遊離の塩基形でリドカインは1種のアミンである。リドカインはまた、塩酸付加塩として手に入れることが出来る。逆に、酸医薬は、遊離の酸形でまたは塩形、例えば塩基付加塩で存在することが出来る。酸医薬の1つの例はサリチル酸である。この医薬はまた、塩、即ちサリチル酸ナトリウムとして存在する。一般に塩形はいっそう良好な水溶性を有しておりそして水の優れた生体適合性に起因して水は電気的輸送分配のための好ましい液体溶媒であるので、一般に医薬の塩形は電気的輸送分配のために遊離の酸形または遊離の塩基形よりも好ましい。本明細書に用いられるものとして、医薬または他の治療薬の“酸形”とはルイス酸である薬剤の形、即ち電子の非共有対を有する分子にそれ自体結合することが出来る薬剤の任意の形を言う。同様に、本明細書において用いられるものとして、医薬または他の治療薬の“塩基形”とは電子の非共有対を持っている薬剤の形を言う。
一般に、多くの医薬は(1)塩形および(2)遊離の塩基形または遊離の酸形のいずれか、の両方が存在する。例えばアミノ基を有する医薬はR3N塩基形、例えば、リドカインあるいは水素原子がアミノ部分の窒素原子と組み合わされているかまたはそれに弱く結合されているR3N・HCl酸付加塩形、例えばリドカイン塩酸塩を有することが出来る。塩基形は一般に貧弱な水溶性を有している。これは、水が電気的輸送により分配されるべき医薬の溶液を形成するための好ましい液体溶媒であるので、電気的輸送システムにおいて望ましくない。医薬の塩形はおそらくは高い水溶性を有すると思われるけれども、医薬の塩形から生成されるpHは経皮医薬フラックスの観点から最適ではない可能性がある。例えば、ヒトの皮膚は電気的輸送装置の供与溶液のpHにより左右される荷電されたイオンに対してある程度の選択性透過度を示す。アノードの供与液貯めの溶液について、カチオン性種(即ちカチオン性医薬)の経皮電気的輸送フラックスは、供与溶液のpHが約6〜9、そしてさらに好ましくは約7.5〜8である場合に最適化される。カソードの供与液貯めの溶液について、アニオン性種(即ちアニオン性医薬)の経皮電気的輸送フラックスは、供与溶液のpHが約3〜6そしてさらに好ましくは約3.5〜5である場合に最適化される。
電気的輸送装置において医薬溶液にpHを変化させる種(例えば酸または塩基)の添加により生ずる問題は医薬と同じ電荷(即ち同じ符号の電荷)を有する外からのイオンが溶液中に導入されることである。これらのイオンは体表面中を通過する電気的輸送のための治療薬イオンと一般に競合する。例えば、カチオン性医薬含有溶液のpHを低下させるための水酸化ナトリウムの添加は該溶液にナトリウムイオンを導入し、これは患者中への電気的輸送による分配のためのカチオン性医薬と競合しそしてそれにより、一定量の医薬を分配するために一層多くの電流を要することになるので、電気的輸送分配をいっそう効率の低いものとする。同様な競合性イオンによる効果は塩の形で浸透性増進剤の添加する場合にも見ることが出来る。例えばカチオン性医薬含有液貯めの組成物に対する浸透増進剤としてのラウリン酸ナトリウムの添加は2つの対向する効果を有する。ラウリン酸イオン基は皮膚浸透性を増大し、そしてしたがって医薬分配を増大させる。他方、ナトリウムイオンは体表面中を通過する電気的輸送のためのカチオン性医薬と競合し、したがって医薬分配の効率を減少させる。これに関してナトリウムイオンは“競合性イオン”と呼ばれる。本明細書において用いられるものとして、用語“競合性イオン(competing ion)”とは電気的輸送により分配されるべき薬剤と同じ電荷を有し、該薬剤の場所を取って、該薬剤の代わりに体表面中を通過して分配される可能性があるイオン種を言う。同様に、供与液貯め溶液のpHを緩衝するために用いられる薬剤は、供与液貯め中に競合性イオンを生じさせ、これは低い効率の電気的輸送分配を生ずる、即ち医薬イオンに対抗して電流を運ぶ競合性イオンに起因して装置により適用された電流の単位当たりより少ない医薬しか分配されないことになる。
供与液貯めにおけるpHを調節するための試みがなされた。例えば、WO−A−95/06497は、アミノ酸、選ばれた有機酸、双性イオンの酸および重合体酸を添加することにより、供与溶液を緩衝することを開示している。
本発明の開示
本発明は供与溶液に競合性イオンの実質的な量の望ましくない導入をすることなしに、皮膚の選択性透過度を最大にする水準にまで電気的輸送装置の供与溶液のpHを調節するかまたは設定する組成物および方法を提供する。アノード供与溶液の場合において、経皮電気的輸送フラックスを最大にするために溶液のpHは、好ましくは約6〜9の範囲そしてさらに好ましくは約7.5〜8の範囲にある。所望の範囲に塩基医薬の酸付加塩のアノード供与溶液のpHを高めるために、供与液貯め中に競合性カチオン(例えばNa+またはK+)を導入する慣用の塩基(例えばNaOHまたはKOH)を加える代わりに、該塩基医薬それ自体が該塩溶液に加えられる。その塩基医薬はプロント受容体として働き、それにより競合性イオンを導入することなしに供与溶液のpHを上昇させる。勿論、プロトン化塩基医薬は正味(net)の正の電荷を有するがしかしそれが電気的輸送により分配される医薬と化学的に同一であるので、それは“競合性”とは考えられない。溶液に加えられる塩基医薬および医薬塩の相対的量は、溶液中の特定の医薬塩、溶液中の医薬の所望の濃度、医薬塩のpKおよび供与溶液の最終の所望のpHに依存して変化する。当業者は、この後での特定の記載にしたがって日常の実験により塩基医薬および医薬塩の適当な相対的量を決定することが出来る。
カソード供与溶液の場合において、溶液のpHは、経皮電気的輸送フラックスを最大にするために好ましくは約3〜6の範囲そしてさらに好ましくは約3.5〜5の範囲にある。酸医薬の塩の供与溶液のpHを所望の範囲に低下させるために、供与液貯め中に競合性アニオン(例えばCl-またはSO4 -2)を導入する慣用の酸(例えばHClまたはH2SO4)の代わりに該塩溶液に該酸医薬それ自体が添加される。酸医薬はプロトン供与体として働き、それにより競合性イオンを導入することなしに供与溶液のpHを低下させる。勿論、いったんプロトンが与えられたならば、残留“対”イオンは正味(net)の負電荷を有するが、しかしそれが電気的輸送により分配される医薬と化学的に同一であるのでそれは“競合性”とは考えられない。溶液に加えられる酸医薬および医薬塩の相対的量は、溶液中の特定の医薬塩、溶液中の医薬の所望の濃度、医薬塩のpKおよび供与溶液の最終の所望のpHに依存して変化する。当業者はこの後での特定の記載にしたがって日常の実験により酸医薬および医薬塩の適当な相対的量を決定することが出来る。
本発明はまた、供与液貯めが本発明の組成物を含有する、供与電極および対電極を含む電気的輸送分配装置を意図している。
図面の簡単な記載
さて、本発明は添付図面を参照してさらに詳細に記載されるだろう。
図1は本発明の一態様を表す電気輸送薬剤分配装置の断面図である。
図2は遠隔電力源に接続された供与電極および対電極を有する、断片で示される部分を有する電気的輸送システムの概略図である。
本発明を実施するための態様
本発明によれば、供与液貯め組成物のpHを調節するために、皮膚のような体表面中を通過する電気的輸送のための治療薬イオンと競合するイオン種を導入する酸または塩基を用いる必要がない。したがって、本発明に従えば、電気的輸送分配装置において供与液貯め溶液のpHを調節且つ維持するために使用される酸、塩基および(または)緩衝剤(これらの酸、塩基および(または)緩衝剤は分配されるべき薬剤に構造的に関連していない)は避けられるかまたは最小にされる。
本発明に従って、化学的に関連していない酸、塩基および緩衝剤の使用を避ける一方で、電気的輸送装置の供与液貯めにおける医薬含有配合物のpHはコントロールされそして薬剤の分配は高められる。pHはまた、少なくとも一部分、供与液貯めにおける分配薬剤の種々の形の比を変化させることにより、即ち薬剤の酸/塩基形および薬剤の塩形においてのその薬剤の濃度を変化させることにより変化させることが出来る。
場合により、アノードまたはカソード供与溶液はまた、体表面(例えば皮膚)浸透増進剤を含有している。任意の公知の電気的輸送浸透増進剤が本発明の酸/塩基および塩の配合物と一緒に使用されることが出来る。適当な浸透増進剤の例は、エタノールのようなアルコール類;1994年11月14日に出願された米国特許出願シリアル第339,092号において開示されたアルコール混合物のような低級アルコールおよび高級アルコールの混合物;Sanderson等の米国特許第4,722,726号に開示されているようなグリコール類、界面活性剤;Francoeur等の米国特許第5,023,085号に開示されているような脂肪酸類;1994年11月14日に出願された米国特許出願シリアル第338,924号において開示されているような固体/半固体浸透増進剤;1994年11月17日に出願された米国特許出願シリアル第341,246号に開示されているような非イオン性および双性イオン性界面活性剤を包含する。上に挙げられた特許および特許出願の開示はそれらを参照することにより本明細書に組み入れられる。
分配組成物中の浸透増進剤の濃度は各分配薬剤および(または)使用される増進剤に関連し、使用される特定の分配条件に関連して変化させることが出来る。広く言えば、浸透増進剤は供与溶液の約25重量%までの量で存在することが出来る。
本組成物の薬剤の濃度はその薬剤の効力、適用された電流の大きさおよび期間、増進剤の濃度および本組成物のpHを包含する種々の要因により左右される。一般に、本組成物中の薬剤の濃度は約10〜100,000μg/mlそしてさらに好ましくは約100〜50,000μg/mlの範囲にわたる。同様に、本組成物における薬剤の異なる形態の好ましい比はまた、特定の分配条件の関数である。一般に合計薬剤濃度の1〜99重量%、そしてさらに好ましくは約10〜90重量%が塩の形態で添加される。
供与配合物の最も好ましいpHは、治療薬イオンの電荷(即ちその薬剤がカチオン性であるかまたはアニオン性であるか)に加えて、分配される特定の治療薬、その薬剤のpKおよび液体溶媒(たとえば水性溶媒)中のその溶解度、電気的輸送分配速度を最大にする必要性、およびその薬剤の電気的輸送中に出会う刺激および感作の程度を包含する多くの要因により左右される。しかしながら、一般的にカチオン性治療薬は、約6〜9のpHそしてさらに好ましくは約7.5〜8のpHを有する供与液貯めから分配され、しかるに、アニオン性薬剤は好ましくは約3〜6のpHそしてさらに好ましくは約3.5〜5のpHで分配される。
この発明は、皮膚、粘膜および爪を含む体表面および膜中を通過させて分配出来る、広いクラスの薬剤の分配のために有用である。本発明にしたがって電気的輸送により分配されることが出来るカチオン性治療薬の例は、取り分けリドカイン、フェンタニル、メトクロプラミド、オンダンセトロン、ベラパミルおよびテルブタリンを包含する。本発明にしたがって分配されることが出来るアニオン性治療薬の例は、取り分けケトプロフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、クロモリンおよびサリチル酸塩を包含する。上に挙げられた治療薬は本発明に従って分配されることが出来る多くの医薬および他の治療薬の中の単なる例示に過ぎない。本明細書において用いられるものとして、表現“薬剤(agent)”とは生体に分配(投与)されて所望のそして通常有益な効果を生ずる、医薬またはプロドラッグのような任意の製薬的に供与出来る薬剤そして好ましくは治療的に活性な物質として、その最も広い意味として、意図されている。一般にこれは抗生物質および抗ウィルス剤のような抗感染薬;フェンタニル、サフェンタニルおよびブプレノルフィンのような鎮痛薬および鎮痛薬組み合わせ;麻酔薬;食欲抑制薬;抗関節炎;テルブタリンのような喘息治療薬;抗けいれん薬;抗うつ薬;抗糖尿病薬;下痢止め;抗ヒスタミン薬;抗炎症剤;抗片頭痛製剤;スコポラミンおよびオンダンセトロンのような乗物酔治療製剤;制吐薬;抗腫瘍薬;抗パーキン症薬;かゆみ止め;抗精神病薬;解熱剤;胃腸および尿を包含する抗けいれん薬;抗コリン作動薬;交感神経作用薬;キサンチン誘導体;ニフェジピンのようなカルシウムチャネル遮断薬を含む心臓血管製剤;ドブタミンおよびリトドリンのようなベータ作用薬;ベータ遮断薬;抗不整脈薬;アテノロールのような抗高血圧薬;ラニチジンのようなACE抑制製剤;利尿薬;一般の血管、冠状血管、末梢血管および脳血管を包含する、血管の拡張薬;中枢神経系刺激剤;咳および感冒製剤:充血除去薬;診断薬;副甲状腺ホルモンのようなホルモン類;催眠薬;免疫抑制剤;筋肉弛緩薬;副交感神経遮断薬;副交感神経作動薬;プロスタグランジン;たんぱく質類;ペプチド類;精神興奮薬;鎮静薬;およびトランキライザーを包含するが、それらに限定されない、主要な治療領域のすべてにおける治療薬を包含する。
さらに特定的には、この発明は酸/塩基形と塩形との両方で生成されることが出来る薬剤の電気的輸送分配において有用である。本明細書において用いられるものとして、治療薬の“酸形”とはルイス酸である薬剤の形、即ち電子の非共有対を有する化学的部分にそれ自体結合することが出来る薬剤の任意の形を言う。本明細書において用いられるものとして、治療薬の“塩基形”とは電子の非共有対を持っている薬剤の形を言う。本明細書において用いられるものとして、治療薬の“塩形”とは極性溶媒、例えば水中に溶解されたときに正味(net)の正電荷または負電荷を担持する薬剤の任意の形を言う。
それ故に、本発明は(i)遊離の酸形または遊離の塩基形と(ii)塩形との両方を有する広い種類の薬剤に適用されることが出来る。本発明の好ましい適用はアミン基を有する医薬の電気的輸送分配において特別の有用性を有する。典型的には、アミノ基を有する薬剤は塩基形であるR3N、例えばリドカイン、あるいは水素原子が窒素原子に組み合わされているかまたはそれに弱く結合している、酸付加塩形であるR3N−H+、例えばリドカイン塩酸塩を有する。したがって、好ましいグループの薬剤は塩基形およびプロトン化形を有する。本発明のこの態様に従うプロトン化形を有する好ましいアミン含有薬剤の例は、限定されることなしに、取り分けブスピロン、ジルチアゼム、エンカイニド、フェンタニル、リドカイン、メトクロプラミド、ミダゾラム、ニカルジピン、プラゾシン、スコポラミン、テトラカインおよびベラパミルを包含する。例えば、本発明に従う、リドカインの電気的輸送分配のための有用な組成物は、リドカイン塩基、その塩酸塩のようなリドカイン塩および場合によりラウリン酸のようなアルキル酸増進剤を含む組成物である。さらに好ましくはその組成物はエタノールおよび水のような溶媒をさらに含む。
本発明の他の好ましい適用は、他の様式ではその寸法に起因して経皮的にまたは経粘膜的に分配することが困難であるペプチド類、ポリペプチド類、たんぱく質類および他の巨大分子のコントロールされた分配にある。これらの巨大分子の物質は典型的に少なくとも約300ダルトンの分子量そしてさらに典型的には約300〜40,000ダルトンの範囲の分子量を有する。しかしながら、より小さいおよびより大きいペプチド類がこの発明に従ってまた分配される。本発明にしたがって分配されることが出来るペプチド類およびたんぱく質類は限定されることなしに、LHRH、ブセレリン(buserelin)、ゴナドレリン、ナフレリン(naphrelin)およびロイプロリドのようなLHRH類似体、GHRH、GHRF、インシュリン、インシュリノトロピン(insulinotropin)、カルシトニン、オクトレオチド(octreotide)、エンドルフィン、TRH、NT−36(化学名:N−〔〔(s)−4−オキソ−2−アゼチジニル〕カルボニル〕−L−ヒスチジル−L−プロリナミド)、リプレシン(liprecin)、下垂体ホルモン類、例えばHGH、HMG、酢酸デスモプレシン、フォリクルルテオイド類(follicle luteoids)、α−ANF、成長因子放出因子(GFRF)、β−MSH、ソマトスタチン、ブラジオキニン、成長ホルモン、血小板由来成長因子、アスパラキナーゼ、キモパパイン、コレシストキニン、絨毛性ゴナドトロピン、コルチコトロピン(ACTH)、エリトロポイエチン、エポプロステニール(血小板凝集抑制剤)、グルカゴン、HCG、ヒルログ(hirulog)、ヒルジン類似体、ヒアルロニダーゼ、インターフェロン、インターロイキン、メノトロピン類、例えば尿性卵胞性刺激ホルモン(FSH)およびLH、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン活性剤、ウロキナーゼ、バソプレシン、デスモプレシン、ACTH類似体、ANP、ANPクレアランス抑制剤、アンギオテンシンII拮抗薬、抗利尿ホルモン作動薬、抗利尿ホルモン拮抗薬、ブラジキニン拮抗薬、CD4、セレダーゼ(ceredase)、CSF類、エンケファリン、FABフラグメント、免疫グロブリンEペプチド抑制剤、IGF−1、神経栄養因子、コロニー刺激因子、上皮小体ホルモンおよび作動薬、上皮小体ホルモン拮抗質、プロスタグランジン拮抗薬、ペンチゲチド(pentigetide)、プロティンC、プロティンS、レニン抑制剤、サイモシンアルファ−1、血栓溶解剤、TNF、ワクチン類、バソプレシン拮抗質類似体、アルファー1抗トリプシン(組み換え体)およびTGF−ベター、のそれらの塩基形および酸形でまたは薬剤−増進剤化合物として、包含する。
さて図1を参照すれば、本発明に従って有用である単一の電気的輸送装置10の一例が例示される。装置10は導電性の材料から造られた2つの電流分配部材、即ち供与電極(donor electrode)12および対電極(counter electrode)14として本明細書において称される電極を有する。それらの電極は、限定されることなしに銀、塩化銀、亜鉛、スティンレススチールを包含する、十分に導電性である任意の材料から構成されていてよい。それらの電極は、例えば銀または炭素の粉末化金属のような導電性充填剤を詰めた金属ホイル、スクリーン、コーティング及び、重合体マトリックスを包含する種々の形を有してよい。そのようなマトリックスは、押し出し、カレンダー掛け、フィルム蒸発またはスプレー塗装のような慣用の方法により形成されることが出来る。図1において、供与電極12は供与液貯め(donor reservoir)16に隣接してそれと電気的に接触して配置され、対電極14は対液貯め(counter reservoir)18に隣接してそれと電気的に接触して配置される。供与液貯め16は分配されるべき薬剤を含有し、一方では対液貯め18は生体適合性電解塩を含有する。それらの液貯めは電気的輸送によりそこを通過させての薬剤の通過を可能にするために、その中に十分な量の液体を吸収し且つ保持することに適合された任意の材料から形成される。好ましくは、それらの液貯めはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールまたはポリエチレングリコールのような1種またはそれ以上の親水性重合体そして場合によりポリイソブチレン、ポリエチレンまたはポリプロピレンのような1種またはそれ以上の疎水性重合体を含有する。供与電極12および供与液貯め16は、電気絶縁体20により対電極14および任意の対液貯め18から分離されている。絶縁体20は空気間隙であってよく、あるいはそれは実質的な程度まで電子もイオンも導かない材料から構成されてもよく、装置が適用される体表面100を包含しない電気的通路による短絡から装置10を防ぐ。装置10は場合により防水性、好ましくは電気絶縁性の材料から形成された裏材層22を含む。装置10は、中に電力源、例えば1つまたはそれ以上のバッテリーを含む、電子回路層24として図1において図式的に例示される電子回路を有する。典型的には、電子回路層24は比較的に薄く、好ましくは、例えばフィルムまたは重合体ウェブのような薄い可撓性の基材上に印刷された、塗装された、さもなくば付着された導電性通路から構成され、例えば電子回路層24は印刷された可撓性回路である。電力源に加えて、電子回路層24はまた、装置10により適用される電流のレベル、波形の形、極性、タイミング、等を制御する1つまたはそれ以上の電子部品を含んでよい。例えば電子回路層24は電流コントローラー、例えば抵抗器またはトランジスターをベースとする電流コントロール回路、開/閉スイッチおよび(または)時間経過にわたって電力源の電流出力を制御するのに適合されたマイクロプロセッサーのような1つまたはそれ以上の電子制御回路を含有してもよい。回路層24のアウトプットは電極12および電極14に電気的に接続されて各電極は回路層24内で電力源の対向極と電気的に接触している。この態様において、装置10は周辺接着剤層28により体表面100に接着する。場合により、その装置はイン−ライン(in−line)接着剤層、即ち電気的輸送装置の全体的表面をカバーする接着剤層を含有してもよい。次にこの表面は体表面に適用される。イン−ライン接着剤はイオン伝達性でなければならない、即ち供与薬剤イオンはその接着剤層を透過して体表面100に到達することが出来なければならない。フラックスコントロール膜30を、体表面100への薬剤の受動的、即ち電気的に助けられていない、流動量を制限するかまたはコントロールするための供与液貯め16と体表面との間に任意に配置してもよい。
かくして本発明および本発明の或る種の好ましい態様が一般的に記載されたが本発明は次の詳細な例に関連することによりさらに記載されるだろう。
実施例
例 1:
pHおよび経皮電気的輸送リドカインフラックス上への塩基:塩薬剤比の影響:
次の実験において、リドカインのインビトロ経皮電気的輸送流動(フラックス)を測定するためにリドカインのpH調節された水溶液を供与溶液として用いた。ヒトの死体の大腿部および胸部から得られた熱で剥離されたヒトの表皮の数片を、図2おいて例示される2−区画電気的浸透セルに入れた。セル40はボルトおよびナット76で一緒に保持されたポリカーボネートピース72から主として構成された。セル40は銀ホイルアノード供与電極48、およびカソード受容電極70としてAg/AgCl充填エチレン酢酸ビニル重合体を有した。供与電極48および受容電極70は、126μAの一定電流を適用するように設定されたガルバノスタット(galvanostat)(図示せず)に電気的に接続された。電気的輸送に露出される各皮膚サンプル42の面積は約1.26cm2でありそして供与区画44および受容区画46の各々の容量は約2mlであった。区画44および46はO−リング74を用いてシールされた。リドカインHClとリドカイン塩基との選ばれた組み合わせを含有する溶液は供与区画44に入れられた。ダルベッコ(Dulbecco)の燐酸塩緩衝化塩水(pH7.0に緩衝された、少量の他のイオン類を有する0.15NのNaCl水溶液)が受容区画46に加えられた。浸透セル40は各フラックス実験を通じて約32℃に維持した。医薬の経皮電気的輸送の速度は受容溶液を定期的にサンプル取り出しを行い、そしてリドカイン含有量を検量することにより決定した。適用された電流の影響下の皮膚の抵抗のオームの法則(Rskin=ΔV/i(但し、下付きのskin=皮膚))を用いて、ガルバノスタットにより適用された電圧から計算した。
リドカイン(塩酸塩形と遊離塩基形との両方)の水性供与溶液が供与区画中に入れられそのモル量はすべての実験において約198ミリモルに本質的に一定に維持した。供与溶液のpHはリドカイン塩基対リドカインHClの比を変化させることにより修正した。リドカインのフラックスを4時間の期間にわたって測定し、その間、126μAの一定電流を適用した。pH4.95およびpH7.35で2つの同一の実験を行い、pH6.85で一回、そしてpH6.25で3回行った。得られたフラックス値を平均化して下の表に示す。
上記表1において提供されたデータから分かるように、経皮電気的輸送リドカインフラックスは、試験された4つの配合物の中で、配合物がリドカイン塩基の最大量(即ち、20.3ミリモル)を含有したとき、すなわちpH7.35で最も大きかった。
例 2:
リドカイン供与ゲル配合物
13の別々のリドカイン供与液貯め配合物が、下の表2に示される含有量を用いて造られた。
1.6mm(1/16インチ)の厚さおよび1.3cm(1/2インチ)の直径を有するポリビニルアルコールをベースとするヒドロゲルを、パドルタイプのミキサーを有するビーカー中で50℃で、予め形成されたポリビニルアルコール(PVOH)原料水溶液中に成分を混合して配合物#1〜配合物#11の各々を得ることにより調製した。配合物#10は、第四級アンモニウム官能基を有するスチルジビニルベンゼン共重合体からなる塩化物形にある強い塩基性イオン交換親水性樹脂である、5重量%コレスチラミン樹脂(ペンシルバニア州、フィラデルフィアのRhom & Haas社により販売)をまた、含有した。次に配合物の各々は円筒形状の空洞を有するフォーム型にピペットで入れそして−20℃で一夜硬化させた。ゲルを型から取り出し、放置して室温に到達させた。配合物#12および配合物#13はゲルを−80℃で硬化させた以外は配合物#1〜配合物#11と同じ方法で造られた。
ダルベッコの燐酸塩緩衝化塩水(PBS)溶液は59.61gの10xDPBSをpH7.39の水45.0gと混合し、pH6.91の1MのHClの1.00mlを加え、次に水を加えてpH6.92〜6.93、500.01gにすることにより造られた。その溶液を4℃で貯蔵しそして受容電極の液貯めにおいて使用した。
リドカインのインビトロ経皮電気的輸送フラックスを上記表2において記載されたゲル配合物#6および#8を用いて測定した。各々の配合物について2つのゲルを試験した。
インビトロフラックス実験を行うために用いられた装置を図3に示す。装置は、導電性ポリイソブチレン接着剤55の片をリード60の末端に置くことにより組み立てた。リード59、60はガルバノスタットに電気的に接続されている。ガルバノスタットは予め定められたレベルのDC電流をリード60、61および電極49、56に配送するのに必要な電圧を適用し、これにより、各電極はガルバノスタットの対向極と電気的に接触する。接着剤55上に、塩化銀充てんエチレン酢酸ビニルフィルム56が置かれ、そのフィルム56上にO−リング53が置かれ、これはまたダルベッコの燐酸塩緩衝化塩水の溶液を含有する空洞54aを有する受容液貯めハウジング54と接触している。ハウジング54の他方の側上に両面テープ58aを置き、これに皮膚サンプル52を固着させた。さらに追加して支持するために開放織ポリプロピレン織布59に対して皮膚サンプルを置いた。皮膚サンプルの他方の面上に、試験されるべき配合物を有するゲル51を置いた。ゲル51はフォーム支持体63により適所に維持され、ゲルの反対側に両面テープ58bで適所に保持された銀ホイル供与電極49が置かれた。導電性接着剤50の第2片は、銀電極49の他の側上に置かれ、次に第2末端片57bは、接着剤50がガルバノスタットに接続された第2リード61と接触するように適所に置かれた。全体の装置は片57a、片57bおよびハウジング54中を通過しているボルト(図示せず)を用いて、一緒に確実に固定された。2つのリドカイン配合物(#6および#8)を含有する異なるゲル51が用いられた。
ガルバノスタットをセットし127μAの電流を適用した。電流適用後、2分、10分、30分および60分後に受容液貯めからサンプルを取り出した。60分で電流を切りその受容液貯めに再充填はしなかった。ゲル配合物#6および#8の各々を三回づつ試験し結果を図4にプロットした。
第2のフラックス実験を、上記と同じ装置を用いて上記と同じ条件下で行った。結果は図5にプロットした。
例 3:
リドカイン/エピネフリン比較フラックス実験:
例2において記載された方法を用いてポリビニルアルコールをベースとするヒドロゲルを調製した。下記表3に記載された組成を有する2つの異なる配合物を調製した。組成物#14はリドカイン塩酸塩だけを含有し(即ちリドカイン塩基を含有しない)、3.68のpHを有し、しかるに、配合物#15はリドカインHClとリドカイン塩基との混合物を含有し、高いpH(即ちpH6.42)を有した。
配合物14および15は、例2および図3において記載された電気的輸送浸透セルを用いて、ヒトの死体からの乳房部および胸部の熱によって剥離された皮膚を用いて経皮フラックス実験に付された。電気的輸送電流の適用開始後、10分、30分、60分および90分で、測定はセルの受容区画から行われた。リドカインおよびエピネフリンの両方の経皮フラックスは、配合物14と配合物15との間に有意義な満足出来る差を有しなかった。これについての説明は、供与配合物のpHが約pH7以上に上昇するまで、リドカイン経皮フラックスが有意義な増大を示さないことであると信じられる。例えば、最初の3つの欄と第4欄と比較して、表1に提供されたフラックスデータを参照。リドカインは、約7以上のpHで増大された経皮電気輸送フラックスを示すと思われる一方で、他のカチオン性医薬は約pH6〜pH9の一般的範囲内でやや異なる“最小pHフラックス増大”を有すると思われる。
したがって、本発明および本発明の或る好ましい態様を記載したが、この発明の範囲を離れることなしに、本発明の種々の変更を行うことが出来ることは、当業者に容易に明らかであろう。
Claims (9)
- 組成物として、
(a)塩基治療薬の塩のアノード供与液貯め溶液であって前記塩は溶液中に単独で存在する場合6以下のpHを有し、さらに6〜9の水準にまで該アノード供与液貯め溶液のpHを上昇させるのに十分な量の該塩基治療薬を含有することを特徴とするアノード供与液貯め溶液および/または
(b)酸治療薬の塩のカソード供与液貯め溶液であって前記塩は溶液中に単独で存在する場合6以上のpHを有し、さらに3〜6の水準にまで該カソード供与液貯め溶液のpHを低下させるのに十分な量の該酸治療薬を含有することを特徴とするカソード供与液貯め溶液を含有してなる
電気的輸送治療薬分配装置のための供与液貯め組成物。 - 該アノード供与液貯め溶液が水溶液からなる請求項1の組成物。
- 該カソード供与液貯め溶液が水溶液からなる請求項1の組成物。
- 該塩基治療薬が7.5〜8の範囲の水準に該アノード供与液貯め溶液のpHを上昇させるのに十分な量で存在する請求項1の組成物。
- 該酸治療薬が3.5〜5の範囲の水準に該カソード供与液貯め溶液のpHを低下させるのに十分な量で存在する請求項1の組成物。
- 供与液貯め溶液中に浸透増進剤を含む請求項1の組成物。
- 該塩基治療薬の塩がリドカイン塩酸塩からなる請求項1の組成物。
- 治療薬のための共溶媒をさらに含む請求項1の組成物。
- 装置(10)が請求項1の組成物、請求項4の組成物または請求項5の組成物を含有する供与液貯め(16)を含む、体表面(100)中を通過させて治療薬を分配させるための電気的輸送分配装置(10)。
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