JP3783295B2 - 車両の走行路区画線の検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の衝突防止等の目的に関連して車両の走行路を限定する例えば路面標識である区画線を複数対のイメージセンサにより捉えた視界内の映像から検出するための車両の走行路区画線の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真撮影や衝突防止のために被写体や先行自動車の距離を検出する方式には、大別して超音波,赤外線,電波等の検出対象による反射時間から距離を検出するいわゆるアクティブ方式と,イメージセンサ対により対象の映像を捉えたときの映像対間の視差から三角測量の原理を利用して距離を検出するいわゆるパッシブ方式とが知られているが、後者の方が遠距離まで正確に検出でき,距離検出上の指向性が良好で,妨害波や妨害光の影響を受け難い等の前者にない特長を備えており、自動焦点カメラ用にはかなり以前から実用化され、最近では自動車の衝突防止や車両の自動運転等の用途に対する将来性が囑目されている。
【0003】
ところが、自動焦点カメラでは検出対象がファインダを通して特定されるのに対し、他の用途では対象が必ずしも特定されず,しかもそれがイメージセンサの真正面にあると限らないので、対象がイメージセンサの視界内のどこにあるかを映像から探り出さねばならないが、視界内には対象のほかに種々な物体や背景が必ず混入するのでその映像が対象の映像と紛らわしくて区別を付けにくい問題がある。この余分な映像の混入の影響を極力避けるには、車両の走行路の区画線を検出するのがとくに有利である。すなわち、区画線を検出すれば走行路上の先行自動車を対向自動車と区別して検出でき、ガードレール等の走行路の側方にある物体の映像も除外でき、工場内の車両の無人運転にも利用できる。
【0004】
この区画線を複数個のイメージセンサがもつ視界内に捉えた映像から検出するためには、従来から区画線が白色等の明るい標識であることを利用してイメージセンサごとにそれを構成する各光センサが受ける光の強度を表す多数個のセンサデータ中からピークの幅や位置等を抽出し、それらが複数個のイメージセンサに亘って繋がり,しかも所定の順序ないし様子で順次変化していることを確認した上で検出すべき区画線と判定するのが通例である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような区画線の検出方法では、複数のイメージセンサについてそれぞれ少なくとも数百個以上のセンサデータからピークの幅や位置を抽出し、かつそれらが十数個以上のイメージセンサの相互間で繋がりかつ変化する様子を調べて行くのにかなり長い時間が掛かるので、自動車の衝突防止等の高速動作を必要とする用途向きにはあまり実用的でない問題がある。また、車両の走行路の区画線に横断歩道用等の標識が重なってくることが多いので、センサデータ中のピーク幅や位置のイメージセンサ間の繋がり具合や変化の様子を調べるだけでは区画線を誤検出してしまうおそれがある。
【0006】
このような実情に立脚して、本発明の課題は車両の走行路の区画線を従来より高速で,かつ正確に検出できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、複数対のイメージセンサを用いて捉えた視界内の映像から車両の走行路を限定する区画線を検出するため、イメージセンサ対ごとにその視界内に並べて設定した複数個の窓と複数対のイメージセンサとを組み合わせてイメージセンサの視界内に窓を二次元マトリックス状に配列した上で、前記イメージセンサ対の互いにイメージセンサ内の位置が略一致する部分から出力される前記窓に相当する映像データである窓部分を互いにシフトさせながら相関を計算した上で求めた最高相関に対応するシフト量である視差から距離の指標を検出する距離検出手段と,最も近い距離の指標を有する窓を最初の区画線追跡範囲とし、区画線の延伸状態を調べるための追跡範囲を各追跡範囲がその前の追跡範囲の少なくとも一部に対し所定の斜め方向に隣接する窓並びに該窓の距離指標よりも前記前の追跡範囲の距離指標に近いもしくはほとんど同じ距離指標を有しかつ前記前の追跡範囲に隣接する窓を含むように設定する追跡手段を用い、あるいは各窓を通して見た視野内の映像がもつ距離の指標と映像の明るさを検出する距離検出手段と,追跡範囲をその前の追跡範囲に対し所定の斜めないし横方向に隣接しかつ映像の明るさが所定の限界値を越える窓を含むように設定する追跡手段を用い、いずれの場合にも各追跡範囲に対応する距離指標が前の追跡範囲に対応する距離指標に対し所定方向に変化することを条件に追跡範囲を順次設定しながら走行路の区画線の延伸状態を追跡して行くことによって所期の課題を解決する。
【0008】
なお、本発明により検出すべき走行路の区画線は、例えば道路や通路の両側に設けられる白色の路側線,白色の走行路相互間の分離線,白色ないし黄色の中央分離線等の路面標識類を含むものとする。
本発明方法の実施の際には複数対のイメージセンサによる視界を中央部付近で左右に2分割し、追跡手段により追跡範囲を各分割視界の下部の窓から出発して視界の中央部分に向けて斜め方向ないし横方向にそれぞれ前の追跡範囲に対してもちろん隣接するように順次設定して行くのが最も合理的である。
【0009】
本発明では、従来のように複数対のイメージセンサで捉えた映像を表す多数のセンサデータから区画線を検出するかわりに、視界内を二次元マトリックス状に配列された窓に分割した上で、距離検出手段に各窓ごとに、イメージセンサ対の互いにイメージセンサ内の位置が略一致する部分から出力される窓に相当する映像データである窓部分を互いにシフトさせながら相関を計算した上で求めた最高相関に対応するシフト量である視差から距離の指標を検出させ、センサデータより個数が2桁以上少ない距離指標に基づいて区画線を検出することによりその際に必要な計算時間を大幅に短縮し、かつこの検出に当たっては追跡手段に区画線に対する各追跡範囲をその前の追跡範囲に必ず隣接するよう順次設定させて追跡の筋道を飛躍させることなく着実に区画線を追うことにより、横断歩道の標識等が区画線に重なった場合にもそれに惑わされることなく区画線だけを正確に検出できる。また、距離検出手段に距離指標とともに各窓内の映像の明るさを検出させれば、追跡手段に区画線をそれが湾曲したような場合にもより正確に追跡させることができる。
【0010】
なお、距離検出手段に距離指標を確実に検出させる上では、複数対のイメージセンサによる視界内に配列する窓を区画線とそれ以外との境目を捉え得るような広さに設定するのがよい。これに検出させる距離指標はもちろん距離そのものとしてもよいが、各窓を通して見た視野内の映像対がもついわゆる視差から距離を検出するのがふつうなので視差をそのまま用いるのが便利である。さらに、この視差は各視野内の映像パターンを表すセンサデータからなる窓部分データの対を互いに少しずつシフトさせながら両者間の相関値をそのつど計算した上で、最高相関点に対応するシフト値から求めるのが通例なので、視差はセンサデータ数で表した整数になるが、区画線を正確に追跡するためには視差を小数点以下を含む数値で表すのが望ましく、このためには最高相関点とその付近を含めた複数個の相関値から補間法を用いて小数点以下の値まで求めるのがよい。距離検出手段に窓内の映像の明るさを検出させるには、窓部分データ内のセンサデータの平均をとってもよいが、センサデータ中の最大値を求めて映像の明るさを表す近似的な指標として用いる方が簡単でかつ実際的である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を説明する。図1に本発明で用いる諸手段の具体構成例を,図2と図3に本発明により区画線を追跡しながら検出する要領例をそれぞれ示す。以下説明する実施態様では自動車の衝突防止のための距離検出に関連して区画線が検出されるものとする。
【0012】
図1の上部に車両に搭載されたイメージセンサによって捉えられる視界Vw内の映像の例を示す。距離を検出すべき先行する自動車1が走行路LN上にあり、この走行路LNを両側から限定する区画線DLを本発明方法により検出するものとする。区画線DLには、白色の路側線,白色の走行路間の分離線,白色ないし黄色の中央分離線や追越禁止線等の路面標識が含まれ、黒色や灰色の路面より通例のようにずっと明るい色に塗装されている。道路の両側部にはガードレールGR, 歩道WL, 樹木TR等の背景があり、それらの映像が距離の検出対象である自動車1の映像に混入してくるので検出距離が不正確になりやすい。区画線DLを検出すれば、その上側のガードレールGR, 歩道WL, 樹木TR等の映像を除いて検出範囲DAを合理的に設定できるようになるので、図のように自動車1を特定して, ないしそれだけに的をほぼ絞って距離を正確に検出することができる。
【0013】
図のような視界Vw内の映像を捉えるためにその下側に示すように光学手段10とイメージセンサ手段20を組み込んだ小形の映像検出モジュール30が用いられる。光学手段10は1対の小さなレンズ11と12からなり、その焦点距離fの位置にあるイメージセンサ手段20の複数対のイメージセンサ21と22の上に視界Vw内の映像を結像させる。視界Vw内の無限遠点にある物体ないし背景の映像はイメージセンサ21や22上のそれぞれレンズ11と12の光軸に対応する位置に結像されるが、有限の距離にある物体等の映像はこの基準位置から図のようにそれぞれσ1 とσ2 だけずれた位置に結像される。いまσ=σ1 +σ2 とおき、両レンズ11と12の光軸間距離であるいわゆる基線長をbとすると、簡単な三角測量の原理からその物体の距離dはd=bf/σなる式で計算できる。ここで、結像位置のずれσは物体を基線長bだけ離間したレンズ対11と12を通して見たときのいわゆる視差であり、距離dの値を上式からわざわざ計算するより実用上はこの視差σをそれにかわる距離の指標として用いる方が有利である。
【0014】
映像検出モジュール30にはレンズ対11と12に対応してイメージセンサ手段20が1対組み込まれ、かつそれぞれにイメージセンサ21や22としてふつう数百〜千個以上の光センサからなる例えばCCDが複数個作り込まれる。各イメージセンサ手段20はこれら複数個のイメージセンサ21や22とともにセンサ信号の切換部23, その増幅部24, AD変換部25等の付属回路が作り込まれた集積回路装置であり、そのAD変換部25から視界Vw内に捉えた映像がもつパターンを表す多数のセンサデータの集合である映像データを出力する。なお、レンズ11, 12の対とイメージセンサ21, 22の対を図示の都合から左右方向に配置した姿勢で示すが、実際には上下方向に配置するのがふつうである。
【0015】
映像検出モジュール30の下側に示すメモリ40はイメージセンサ手段20の出力を受けてイメージセンサ21,22による映像データID1, ID2として記憶する。なお、イメージセンサ21,22はそれぞれ複数個あるが、図示の都合から図にはその内の各1個による映像データID1, ID2の分だけを示す。本発明ではこれら映像データID1, ID2からそれぞれ図に符号W1, W2で示す窓に相当する窓部分を抽出し、距離検出手段50に窓W1, W2の対ごとにそれを通して見た部分的な視野内の映像がもつ距離ないしはその指標を計算させる。窓W1, W2は対応する視野がイメージセンサ21, 22の各対がもつ部分的視界内に並ぶよう設定されるので、複数対のイメージセンサによる視界Vw内に多数の窓が二次元マトリックス状の配列で設定される。なお、距離検出手段50に各窓を通して見た視野の映像から区画線DLの距離を確実かつ正確に検出させるために、各窓の広さを明るい区画線DLとそれ以外の映像の境目を必ず捉え得るように設定するのがよい。
【0016】
各視野内の映像がもつ距離を検出するには若干の時間を要するので、距離検出手段50には図示のように複数個の単位回路51を作り込んだ集積回路装置を用い、これらの単位回路51を同時に並行して動作させるのが望ましい。各単位回路51はそれぞれ担当する窓W1, W2に対応して映像データID1, ID2から図では細線で示すように抽出した窓部分の対を受けて、それらを互いに少しずつシフトさせながらそのつど相関値を順次計算した上で最高相関に対応するシフト値を求め、それを視野の映像がもつ前述の視差σとする。この実施態様ではこの視差σを検出した距離を表す指標として用いるものとする。
【0017】
なお、この視差σはそのままではセンサデータの個数で表した整数であるが、区画線DLを正確に追跡するためにはこれを小数点以下を含む数値で表すのが最も望ましい。このためには、上述の最高相関を示したシフト値とその付近を含めた複数の相関値から補間法を用いて小数点以下の数値を求めるのがよい。例えば、相関値を通例のように映像データID1, ID2の対から抽出した窓部分対の対応するセンサデータの差の絶対値の和として求めてそれが最小値になるシフト値を最高相関点とする場合、最小相関値をr0とし, その前後の相関値を r-1, r1 としてΔσ=(r-1-r1)/2(r-1-2r0 +r1)により視差σの小数点以下の数値を計算することができる。さらに、距離検出手段50に窓W1, W2を通して見た視野内の映像の明るさを必要に応じて検出させるのが有利である。この明るさを示す指標として窓部分対内のセンサデータの平均値をとるのが本来であるが、実用的にはセンサデータ中の最大値を明るさの指標とすることで充分である。
【0018】
本発明で用いる追跡手段70はマイクロコンピュータ等のプロセッサ60にソフトウエアの形で装荷するのが有利であり、そのメモリ61内に上述のように距離検出手段50に検出させた各窓を通して見た視野内の映像の視差σや明るさを記憶しておいて追跡手段70にそれを読み込ませるのがよい。追跡手段70は図の視界Vw内の映像に重ねて細線の小さな方形で示すように1個ないし複数個の窓からなる追跡範囲PRを順次に設定しながら区画線DLの延伸状態を追跡するもので、本発明では視界Vwを中央部付近で左右に2分割して追跡範囲PRを矢印AやBのように各分割視界の下部の窓から出発して中央部分に向けて斜め方向ないしは横方向に, かつその前の追跡範囲に隣接するように設定して行くのが合理的である。
【0019】
以下、かかる追跡手段70の動作例を図2と図3を参照して説明する。いずれの図も図1の視界Vw内の左側の区画線DLについて追跡要領を説明するため視界Vwのごく一部を拡大して示すもので、正方形状の窓Wのマトリックス状配列が細線の枠組みで示され、区画線DLの輪郭が斜め方向の2本の細線で示されている。追跡範囲PRの各方形の枠内には設定される順序が 0,1,2等の小数字で示されている。これら追跡範囲PRは図1の左側の区画線DLについて図のように概ね右斜め方向に向けて延びるように順次設定されるが、右側の区画線DLに対しては左斜め方向に延びるように設定される点が異なるのみである。
【0020】
図2は追跡手段70により各追跡範囲PRをその前の追跡範囲の少なくとも一部に対して所定の斜め方向, 図の例では右斜め方向に隣接する窓と、それより距離の指標としての例えば前述の視差σが前の追跡範囲に近いかほぼ同じ隣接する窓を含むよう順次設定して行く場合を示す。図2(a) は区画線DLがほぼ45度の角度で延伸している場合であり、区画線DLに対する追跡範囲PRは左下の隅の単一の窓の0番範囲から出発し、1番範囲はその斜め右方向と右横の2個の窓からなるよう設定され、2番範囲は1番範囲の上側の窓の斜め右方向と右横にある2個の窓で設定され、3番範囲以降もこれと同じ要領で設定される。本発明ではこのように追跡範囲PRを順次設定しながら、各追跡範囲に対する距離指標が前の追跡範囲に対する距離指標に対し所定の方向, 図の例では距離が遠くなる方向に変化する, とくに連続的に変化することを条件に区画線DLに対する追跡を継続する。なお、2個の窓からなる1番範囲以降に対する距離指標には両窓の距離指標の平均値を用いることでよい。
【0021】
図2(b) は区画線DLが図の左右方向に対し図2(a) より小さな角度で延伸している場合を示す。2番範囲までを設定する要領は前と同じであるが、2番範囲の上側の窓の右斜めの窓では距離指標があまりにも飛躍的に変化してしまうので、下側の方の窓の右斜めと右横の窓が3番範囲として設定されている。これと同じ要領で5番範囲から6番範囲が設定されている。4番範囲, 5番範囲および7番範囲が設定される要領は図2(a) の場合と同じである。
【0022】
図3は距離検出手段50に窓の距離指標とともに対応する視野の映像の明るさを検出させた上で、追跡手段70により各追跡範囲PRを前の追跡範囲に対して所定の斜め方向に連続的に, ないしは横方向にそれぞれ隣接しかつ映像の明るさが所定限界値を越える窓を含むように設定して行く場合を示す。図3(a) は区画線DLが図2(b) と同じ角度で延伸している場合であり、従って追跡範囲PRが設定される様子も図からわかるように前とほぼ同様であるが、5番範囲が単一の窓からなる点だけが異なってきている。これはこの5番範囲の単一窓の上側の下側の窓では映像の明るさがいずれも所定の限界値より低かったためである。これからわかるようにこの図3に示す追跡手段70の動作態様では映像の明るさを検出する必要はあるが、区画線DLの延伸状態をかなり忠実に辿ることができる。
【0023】
図3(b) は区画線DLが図の左右方向に対して大きな角度で延伸している場合を示す。この場合の区画線DLの追跡は映像が明るい2個の窓からなる0番範囲から出発して、次に3個の窓からなる1番範囲が設定される。この1番範囲の中央の窓が0番範囲の上側窓の右斜め方向に当たるが、中央の窓に連続してその上側の窓の映像も限界値より明るいために1番範囲に含ませたものである。同様にして2番範囲の次に3番範囲が設定される。3個の窓からなる2番範囲と4番範囲, および2個の窓からなる5番範囲の設定要領はいままでと同じである。
【0024】
図3(c) は図1の走行路LNが右カーブのため区画線DLが右方に向けて湾曲している場合を示す。この場合の追跡範囲PRは各1個または2個の窓からなり、0番範囲〜9番範囲が区画線DLの湾曲状態を図示のようにほぼ忠実に辿りながら順次設定されている。図3(d) は走行路LNが逆に左カーブで区画線DLが上方に向けて湾曲している場合を示す。3個の窓からなる4番範囲の上側窓はその映像が3番範囲の右斜め方向に当たるその中央窓に連続して明るいため4番範囲に含ませたものである。同様にして次の5番範囲は区画線DLのほぼ垂直な延伸方向に応じて4個の窓を含むように設定される。これらからわかるように図3の実施態様では区画線DLが湾曲している場合にも追跡範囲PRをその延伸状態をかなり忠実に辿りながら順次設定することができる。なお、図3の実施態様でも各追跡範囲の距離指標が前の追跡範囲の距離指標に対し所定方向に変化することを条件に区画線を追跡して行く点は図2の実施態様と同じである。
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明では、複数対のイメージセンサと対ごとに設定した複数の窓により視界内に窓をマトリックス状に配列し、イメージセンサ対の互いにイメージセンサ内の位置が略一致する部分から出力される前記窓に相当する映像データである窓部分を互いにシフトさせながら相関を計算した上で求めた最高相関に対応するシフト量である視差から距離指標を距離検出手段に検出させ, 追跡手段に追跡範囲を前の追跡範囲の一部に斜め方向に隣接する窓とそれより距離指標が前の追跡範囲に近い窓を含むよう設定させ、あるいは距離検出手段に視野内の映像がもつ距離指標と明るさを検出させ,追跡手段に各追跡範囲を前の追跡範囲に斜めや横方向に隣接し映像の明るさが限界値を越える窓を含むよう設定させ、いずれの場合にも各追跡範囲の距離指標が前の追跡範囲に対し所定方向に変化することを条件に追跡範囲を順次設定しながら区画線を追跡するにより、以下に述べる効果が得られる。
【0026】
(a) 従来のように複数のイメージセンサ対で捉えた映像を表す多数個のセンサデータから区画線を検出するかわりに、これらイメージセンサ対がもつ視界内にマトリックス状に配列された各窓ごとにイメージセンサ対の互いにイメージセンサ内の位置が略一致する部分から出力される窓に相当する映像データである窓部分を互いにシフトさせながら相関を計算した上で求めた最高相関に対応するシフト量である視差から距離の指標を求めた上でセンサデータより個数が2桁以上少ない距離指標に基づいて区画線を検出するので、検出に必要な時間を従来の数分の1以下に短縮できる。
【0027】
(b) 検出に際して追跡手段に区画線に対する各追跡範囲を前の追跡範囲に必ず隣接するように順次設定させて追跡の筋道を飛躍させることなく着実に区画線を追うので、区画線に横断歩道の路面標識類が重なった場合にもそれに惑わされることなく区画線だけを正確に検出できる。
(c) 距離検出手段に窓内の映像の距離指標と明るさを検出させることにより、区画線が延伸する角度が種々変化したり, 走行路がカーブして区画線が湾曲しているような場合にも、追跡手段によって区画線をその延伸方向をほぼ忠実に辿りながら正確に検出することができる。
【0028】
本発明方法で検出された区画線により、例えば距離を検出すべき対象としての先行自動車を対向自動車と明確に弁別し、あるいは区画線の上側の余分な映像を排除して対象を検出すべき映像範囲を設定することにより、広い視界内で対象を容易に特定してその距離を正確に検出することができる。
なお、複数のイメージセンサ対の視界内に配列する窓を区画線とそれ以外との境目を捉え得るような広さに設定する本発明の実施態様は区画線を見落としなく検出できる効果があり、視界を中央部付近で左右に分割し、追跡手段により追跡範囲を分割視界の下部の窓から出発して視界の中央部に向け斜め方向や横方向に順次設定する実施態様は、区画線を見落としなく効率的にかつ正確に検出できる効果を有する。また、距離検出手段により各窓に対応する視野内の映像対がもつ視差を検出してそのまま距離指標として用いる実施態様は距離検出を容易にする利点があり、さらにこの距離指標を補間法を用いて小数点以下の値をもつ数値に補正する実施態様は距離指標だけに基づいて区画線を検出する際の追跡の精度を向上できる効果を有する。視野内の映像の明るさを検出する場合に映像データの窓部分データ内のセンサデータの最大値を求めて明るさの指標として用いる実施態様は距離検出手段の構成を簡単化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に用いる諸手段の構成例と複数のイメージセンサ対の視界とともに示す模式構成図である。
【図2】本発明方法で用いる追跡手段によって追跡範囲を距離指標に基づいて設定する要領例を示し、同図(a) は区画線がほぼ45度の角度で延伸する場合の追跡範囲の設定図、同図(b) は区画線が図の左右方向に対して小さな角度で延伸する場合の追跡範囲の設定図である。
【図3】本発明方法で用いる追跡手段により追跡範囲を距離指標および映像の明るさに基づいて設定する要領例を示し、同図(a) は区画線が図2(b) とほぼ同じ角度で延伸する場合の追跡範囲の設定図、同図(b) は区画線が左右方向に対して大きな角度で延伸する場合の追跡範囲の設定図、同図(c) は図の右方に向けカーブした走行路の湾曲した区画線に対する追跡範囲の設定図、同図(d) は図の左方に向けカーブする走行路の湾曲した区画線に対する追跡範囲の設定図である。
【符号の説明】
1 距離の検出対象としての先行自動車
10 光学手段
11,12 光学手段のレンズ対
20 イメージセンサ手段
21,22 イメージセンサの対
30 映像検出モジュール
40 映像データを記憶するメモリ
50 距離検出手段
51 距離検出手段を構成する単位回路
60 プロセッサ
61 距離指標等を記憶するメモリ
70 追跡手段
A,B 追跡範囲を順次設定して行く方向
b 基線長
d 検出対象の距離
DL 区画線
f レンズの焦点距離
ID1,ID2 映像データの対
LN 走行路
PR 追跡範囲
Vw 複数対のイメージセンサによる視界
W 窓ないしはそれに対応する視野
W1,W2 窓の対
σ1,σ2 距離指標としての映像がもつ視差の成分
Claims (3)
- 複数対のイメージセンサにより捉えた視界内の映像から車両の走行路を限定する区画線を検出する方法であって、イメージセンサ対ごとにその視界内に並べて設定した複数個の窓と複数対のイメージセンサとを組み合わせて複数対のイメージセンサの視界内に窓を二次元マトリックス状に配列し、前記イメージセンサ対の互いにイメージセンサ内の位置が略一致する部分から出力される前記窓に相当する映像データである窓部分を互いにシフトさせながら相関を計算した上で求めた最高相関に対応するシフト量である視差から距離の指標を検出する距離検出手段と、最も近い距離の指標を有する窓を最初の区画線追跡範囲とし、区画線の延伸状態を調べるための追跡範囲を各追跡範囲がその前の追跡範囲の少なくとも一部に対して所定の斜め方向に隣接する窓並びに該窓の距離指標と比して前記前の追跡範囲の距離指標に近いもしくはほとんど同じ距離指標を有しかつ前記前の追跡範囲に隣接する窓を含むよう設定する追跡手段とを用い、各追跡範囲に対応する距離指標がその前の追跡範囲に対応する距離指標に対し所定の方向に変化することを条件に追跡範囲を順次に設定しながら走行路の区画線の延伸状態を追跡するようにしたことを特徴とする車両の走行路区画線の検出方法。
- 複数対のイメージセンサにより捉えた視界内の映像から車両の走行路を限定する区画線を検出する方法であって、イメージセンサ対ごとにその視界内に並べて設定した複数個の窓と複数対のイメージセンサとを組み合わせて複数対のイメージセンサの視界内に窓を二次元マトリックス状に配列し、前記イメージセンサ対の互いにイメージセンサ内の位置が略一致する部分から出力される前記窓に相当する映像データである窓部分を互いにシフトさせながら相関を計算した上で求めた最高相関に対応するシフト量である視差から距離の指標と前記窓部分の明るさとを検出する距離検出手段と、最も近い距離の指標を有する窓を最初の区画線追跡範囲とし、区画線の延伸状態を調べるための追跡範囲を各追跡範囲がその前の追跡範囲に対し所定の斜め方向ないし横方向に隣接しかつ映像の明るさが所定の限界値を越える窓を含むよう設定する追跡手段とを用い、各追跡範囲に対応する距離指標がその前の追跡範囲に対応する距離指標に対して所定の方向に変化することを条件に追跡範囲を順次設定しながら走行路の区画線の延伸状態を追跡するようにしたことを特徴とする車両の走行路区画線の検出方法。
- 請求項1または2に記載の方法において、視界を中央部付近で左右に2分割し、追跡手段により各分割視界の下部の窓から出発して追跡範囲を視界の中央部分に向けた斜めないし横方向に順次設定して行くようにしたことを特徴とする車両の走行路区画線の検出方法。
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1996
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