JP3782781B2 - プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置に関するものである。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての帯電手段、現像手段又はクリーニング手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。及び、プロセス手段としての帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくともプロセス手段としての現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものをいう。
【0006】
【従来の技術】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体及び前記電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができた。そこでこのプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
【0007】
このような電子写真画像形成装置においては、画像形成装置本体あるいはプロセスカートリッジのメンテナンスを容易にする方法として次のような方法が採られている。プロセスカートリッジに記憶素子(記憶手段)を内蔵し、この記憶素子にサービス情報を登録しておく。そして、プロセスカートリッジを装置本体に装着した際に、装置本体側に設けられたコネクタとプロセスカートリッジ側に設けられたコネクタとを接続させる。そして、コネクタを介して記憶素子の情報を装置本体に取り込む。装置本体ではその情報に基づいて、プロセスカートリッジの交換時期などを判断してその旨を表示する。これによって、ユーザーに対して、装置本体あるいはプロセスカートリッジのメンテナンスを促している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
プロセスカートリッジに設けられた記憶素子と装置本体との電気的接続にコネクタを用いた場合、コネクタを取り付けるために、プロセスカートリッジの形状が複雑化する。このため、プロセスカートリッジが大型化する傾向がある。
【0009】
本発明は上記従来技術を更に発展させたものである。
【0010】
本発明の目的は、情報を記憶するための記憶素子を有し、前記記憶素子が記憶した情報をアンテナを介して装置本体に伝達することのできるプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、情報を記憶するための記憶素子を有し、前記記憶素子が記憶した情報を、装置本体とは電気的に非接触状態でもって、装置本体に伝達することのできるプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、情報を記憶するための記憶素子を有し、前記記憶素子が記憶した情報を、無線通信でもって、装置本体に伝達することのできるプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、情報を記憶するための記憶素子を有して、大型化することのないプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、情報を記憶するための記憶素子を有し、前記記憶素子を外的負荷や静電気の影響から保護することのできるプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るプロセスカートリッジの代表的な構成は、
本体アンテナ外装部材に覆われた本体アンテナを有する電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に作用するプロセス手段と、
基体と、
前記基体の裏面に設けられた、情報を記憶する記憶素子と、
前記基体の前記裏面とは反対の表面に設けられた、前記記憶素子に記憶された情報を前記装置本体に設けられた前記本体アンテナに送信するメモリーアンテナと、
前記基体と前記記憶素子と前記メモリーアンテナとを覆うメモリーアンテナ外装部材と、
を有し、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記基体の前記表面が前記本体アンテナと対向するようにして、前記メモリーアンテナ外装部材の外表面を前記本体アンテナ外装部材の外表面と接触させることによって、前記メモリーアンテナと前記本体アンテナ間の間隙位置を決めることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係る電子写真画像形成装置の代表的な構成は、
プロセスカートリッジを着脱可能であって、記録媒体に画像を形成するための電子写真画像形成装置において、
(a)本体アンテナ外装部材に覆われた本体アンテナと、
(b)電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に作用するプロセス手段と、
基体と、
前記基体の裏面に設けられた、情報を記憶する記憶素子と、
前記基体の前記裏面とは反対の表面に設けられた、前記記憶素子に記憶された情報を前記装置本体に設けられた前記本体アンテナに送信するメモリーアンテナと、
前記基体と前記記憶素子と前記メモリーアンテナとを覆うメモリーアンテナ外装部材と、
を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着するための装着部と、
(c)前記記録媒体を搬送するための搬送手段と、
を有し、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記基体の前記表面が前記本体アンテナと対向するようにして、前記メモリーアンテナ外装部材の外表面を前記本体アンテナ外装部材の外表面と接触させることによって、前記メモリーアンテナと前記本体アンテナ間の間隙位置を決めることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
【0019】
本発明の好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、カートリッジBの短手方向とは、プロセスカートリッジBを電子写真画像形成装置Aの画像形成装置本体14へ着脱する方向であり、記録媒体の搬送方向と一致している。またカートリッジBの長手方向とは、カートリッジBを画像形成装置本体14へ着脱する方向と交差する方向(略直交する方向)であり、記録媒体の表面と平行であり、且つ、記録媒体の搬送方向と交差(略直交)する方向である。又、カートリッジに関し左右とは記録媒体の搬送方向に従って記録媒体を上から見て右又は左である。また、カートリッジBの上面とは、カートリッジBを装置本体14へ装着した状態で上方に位置する面であり、下面とは下方に位置する面である。
【0020】
図1は本発明の実施の形態を適用した電子写真画像形成装置(レーザービームプリンタ)の構成説明図である。また図2〜図4は本発明の実施の形態を適用したカートリッジに関する図面である。図2はカートリッジの側断面図、図3はカートリッジの外観の概略を図示した外観斜視図、図4はカートリッジを上方(上面)から見た斜視図である。
【0021】
ここでは、説明の順序として、カートリッジ及びこれを用いる電子写真画像形成装置の全体構成を説明し、次にカートリッジの構成について説明する。
【0022】
〔全体構成〕
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態を適用する電子写真画像形成装置(レーザービームプリンタ)Aについて説明する。また図2にカートリッジBの側断面図を示す。
【0023】
この画像形成装置Aは、図1に示すように、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート、布等)2に画像を形成するものである。そしてドラム形状の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと称す)にトナー(現像剤)像を形成する。詳しくは、帯電手段によって感光体ドラムに帯電を行う。次いで、この感光体ドラムに光学手段から画像情報に応じたレーザ光を照射して、前記感光体ドラムに画像情報に応じた静電潜像を形成する。そしてこの静電潜像を現像手段によって現像してトナー像を形成する。そして前記トナー像の形成と同期して、給送ユニットとしての給紙カセット3aにセットした記録媒体2をピックアップローラ3b、搬送路3c及びレジストローラ対3eで反転搬送する。次いで、カートリッジBの有する前記感光体ドラム7に形成したトナー像を転写手段としての転写ローラ4に電圧を印加することによって記録媒体2に転写する。その後、トナー像の転写を受けた記録媒体2を搬送ガイド3fで定着ユニット5へと搬送する。この定着手段5は駆動ローラ(加圧ローラ)5c及びヒータ5aを内蔵する定着ローラ5bを有する。そして、通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して、転写されたトナー像を定着する。この記録媒体2を排出ローラ対3iで搬送し、排出トレイ6へと排出する。ここで、給紙カセット3aは、画像形成装置本体14に対し取り外し可能である。給紙カセット3aは、ユニットフレームとしてのカセットフレーム3a1を有し、前記カセットフレーム3a1内に記録媒体2を収納する。定着ユニット5は、ユニットフレームとしてのユニットフレーム5dを有する。そして、前記ユニットフレーム5dには、駆動ローラ5c及び定着ローラ5bが回転自在に保持されている。なお、図1において48は制御ユニットである。この制御ユニット48は、電子写真画像形成装置A全体をコントロールする。
【0024】
尚、本実施例では、現像手段9はプロセスカートリッジBに設けられている。しかしながら、現像手段9は、現像ユニットとして、独立して装置本体14に着脱可能であっても良い。
【0025】
〔プロセスカートリッジ〕
一方、前記カートリッジBは、電子写真感光体と、少なくとも1つのプロセス手段を備えたものである。ここでプロセス手段としては、例えば電子写真感光体を帯電させる帯電手段、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像する現像手段、電子写真感光体表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニング手段等がある。本実施の形態のカートリッジBは、図2乃至図4に示すように、感光層を有する感光体ドラム7を回転し、その表面を帯電手段である帯電ローラ8への電圧印加によって一様に帯電する。次いで光学手段としての露光装置1からの画像情報に応じたレーザービーム光を露光開口部1eを介して感光体ドラム7へ照射して静電潜像を形成する。そして、この静電潜像をトナーを用いて現像手段9によって現像する。尚、帯電ローラ8は感光体ドラム7に接触して設けられており、感光体ドラム7に帯電を行う。この帯電ローラ8は、感光体ドラム7に従動回転する。また、現像手段9は、感光体ドラム7の現像領域へトナーを供給して、感光体ドラム7に形成された静電潜像を現像する。
【0026】
ここで、前記現像手段9は、トナー容器11A内のトナーをトナー送り部材9bの回転によって、現像ローラ9cへ送り出す。そして、固定磁石を内蔵した現像ローラ9cを回転させると共に、現像ブレード9dによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ9cの表面に形成する。そして、そのトナーを感光体ドラム7の現像領域へ供給する。トナーを前記静電潜像に応じて感光体ドラム7へ転移させることによって、トナー像を形成して可視像化する。ここで現像ブレード9dは、現像ローラ9cの周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与するものである。また、この現像ローラ9cの近傍には、現像室内のトナーを循環させるトナー撹拌部材9eを回動可能に取り付けている。
【0027】
次いで、転写ローラ4に前記トナー像と逆極性の電圧を印加する。これによって、感光体ドラム7に形成されたトナー像を記録媒体2に転写する。その後に、クリーニング手段10によって感光体ドラム7上の残留トナーを除去する。ここで、クリーニング手段10は、感光体ドラム7に当接して設けられた弾性クリーニングブレード10aによって、感光体ドラム7に残留したトナーを掻き落として除去トナー溜め10bへ集める。
【0028】
なお、カートリッジBは、トナーを収納するトナー容器(トナー収納部)11Aを有するトナーフレーム11と、現像ローラ9c、現像ブレード9d等の現像部材を保持する現像フレーム12とを結合する。そして、結合されたフレーム11・12に感光体ドラム7、クリーニングブレード10a等のクリーニング手段10、及び、帯電ローラ8を取付けたクリーニングフレーム13を結合している。このカートリッジBは、操作者によって装置本体14に着脱可能である。
【0029】
このカートリッジBには画像情報に応じた光を感光体ドラム7へ照射するための露光開口部1e、及び、感光体ドラム7を記録媒体2に対向するための転写開口部13oが設けてある。詳しくは、露光開口部1eはクリーニングフレーム13に設けられている。また、転写開口部13oは現像フレーム12とクリーニングフレーム13との間に構成される。
【0030】
次に本実施の形態に係るカートリッジBのカートリッジフレームとしてのハウジングの構成について説明する。
【0031】
本実施の形態で示すカートリッジBは、トナーフレーム11と現像フレーム12とを結合している。そして結合したフレーム11・12にクリーニングフレーム13を回動可能に結合してハウジングを構成する。そしてこのハウジング内に前記感光体ドラム7、帯電ローラ8、現像手段9、及び、クリーニング手段10等を収納してカートリッジ化する。尚、このカートリッジBは、操作者によって、装置本体14に設けたカートリッジ装着手段に対して矢印X方向(図1参照)に取り外し可能に装着される。
【0032】
(カートリッジのハウジングの構成)
本実施の形態に係るカートリッジBは、前述したようにトナーフレーム11と現像フレーム12、及び、クリーニングフレーム13を結合してハウジングを構成している。次にその構成について説明する。
【0033】
図2に示すように、トナーフレーム11にはトナー送り部材9bを回動可能に取り付けてある。また現像フレーム12には現像ローラ9c及び現像ブレード9dを取り付けてある。更に、前記現像ローラ9cの近傍には、現像室内のトナーを循環させるトナー撹拌部材9eを回動可能に取り付けてある。また、現像フレーム12には、図2に示すように現像ローラ9cの長手方向と対向して、前記現像ローラ9cと略平行にアンテナ棒9hが取り付けられている。そして前記トナーフレーム11と現像フレーム12を溶着(本実施の形態では超音波溶着)して一体的な現像ユニットDを構成している。
【0034】
なお、カートリッジBを装置本体14から取り外した際に、感光体ドラム7を覆うドラムシャッタ部材18を現像ユニットDに取り付けている。このシャッタ部材18によって、感光体ドラム7が長時間光に晒される、あるいは、異物と接触する等から保護する。
【0035】
また、図2に示すように、クリーニングフレーム13には、感光体ドラム7、帯電ローラ8、及び、クリーニング手段10の各部材を取り付けてクリーニングユニットCを構成している。
【0036】
そして、上記現像ユニットDと上記クリーニングユニットCを結合部材(ピン)22によって互いに回動可能に結合している。これによって、カートリッジBを構成する。即ち、図2に示すように、現像フレーム12の長手方向(現像ローラ9cの軸線方向)両側にはアーム部19が設けてある。一方、クリーニングフレーム13の長手方向両側2箇所には前記アーム部19を進入するための凹部21が設けてある。この凹部21に前記アーム部19を挿入し、結合部材22をクリーニングフレーム13とアーム部19にそれぞれ設けた穴13e,20に圧入して取り付ける。これにより、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心に回動可能に結合される。このとき、アーム部19の根本に設けたダボ(不図示)に取り付けた圧縮コイルばね22aが、クリーニングフレーム13の凹部21の上壁に当る。これによって、ばね22aの弾性力によって現像フレーム12を下方へ付勢する。これにより、現像ローラ9cをスペーサコロ(不図示)を介して感光体ドラム7へ確実に押し付ける。
【0037】
(カートリッジのガイド手段の構成)
次に、カートリッジBを装置本体14に着脱する際のガイド手段について説明する。なおこのガイド手段については、図5、図6に示している。なお、図5はカートリッジBを装置本体14に装着する方向(矢印X)に見た場合(現像ユニットD側から見た場合)の左側の斜視図である。図6はその右側の斜視図である。
【0038】
さて、上記クリーニングフレーム13の両外側面には、図3及び図4に示すように、カートリッジBを装置本体14に着脱する際のガイドとなるガイド手段が設けられている。前記ガイド手段は、カートリッジの装置本体に対する位置を決めるためのガイド部材としての円筒形ガイド13aR,13aLと、カートリッジの着脱時の姿勢を保持するためのガイド部材としての回り止めガイド13bRを有する。
【0039】
図3に示すように前記ガイド13aRは中空の円筒状部材である。また、ガイド13bRは前記ガイド13aRと一体成形であり、ガイド13aRの円周から一体でほぼ放射方向へ突出している。ガイド13aRにはフランジ13aR1が一体に設けられている。このようにガイド13aR、ガイド13bR、及び、フランジ13aR1を有する右側ガイド部材13Rは、フランジ13aR1のネジ用穴を挿通してネジ(図示せず)をクリーニングフレーム13にねじ込むことによって固定されている。クリーニングフレーム13に固定された右側ガイド部材13Rのガイド13bRは現像フレーム12に固定された現像ホルダ40の側方へ延出するように現像フレーム12の側面側に配設されている。
【0040】
図4に示すように、クリーニングフレーム13の側面には平板状のフランジ29が位置決めピン13cに嵌合して回転止めされ、ねじ(図示せず)によってクリーニングフレーム13に固定されている。そしてこのフランジ29に外方(感光体ドラム7の軸線方向)へ向って、円筒形ガイド13aLが突設されている。
【0041】
次にクリーニングユニットCの上面13iに設けられた規制当接部13jについて説明する。ここで上面とは、カートリッジBを装置本体14に装着した際に、上方に位置する面である。
【0042】
本実施の形態では、図3及び図4に示すように、クリーニングユニットCの上面13iであって、カートリッジ装着方向に対して直交する方向の右側端13p、及び、左側端13qに各々規制当接部13jを設けている。この当接部13jは、カートリッジBを装置本体14に装着した際に、カートリッジBの位置を規定する。すなわち、カートリッジBを装置本体14に装着した際に、装置本体14に設けられた固設部材25(図5及び図6参照)に前記規制当接部13jが当接する。これによって、カートリッジBはガイド13aR,13aLを中心とする回動位置が規定される。
【0043】
次に装置本体14に設けられたガイド手段(装着手段)について説明する。装置本体14の開閉部材35を支点35aを中心に図1において反時計回りに回動すると、装置本体14の上部が開放される。これによってカートリッジBの装着部が見える(図5、図6)。装置本体14の左右両側の内壁にガイド部材16L,16Rが設けられている。
【0044】
ガイド部材16R,16Lは、カートリッジBの挿入方向の矢印Xから見て前下りになるように斜設したガイド部16a,16cと、このガイド部16a,16cに連がりカートリッジBのガイド13aR,13aLが丁度嵌入する半円形の位置決め溝16b,16dとを備えている。この溝16b,16dは周壁が円筒形をしている。この溝16b,16dの中心はカートリッジBを装置本体14に装着時、カートリッジBのガイド13aR,13aLの中心と一致する。従って、感光体ドラム7の中心線とも一致する。
【0045】
ガイド部16a,16cの幅は、カートリッジBの着脱方向から見てガイド13aR,13aLが遊嵌する幅を有する。ここで、ガイド13aRの直径よりも夫々せまい幅をもつガイド13bRは当然ゆるく嵌まり込む。しかしながら、ガイド13aR,13aL、及び、ガイド13bRは、ガイド部16aにより回動を制約される。これによって、カートリッジBは一定範囲の姿勢を保って装置本体14に装着される。そしてカートリッジBが装置本体14へ装着された状態において、カートリッジBのガイド13aR,13aLが夫々溝16b,16dに嵌合する。そして、前記当接部13jが装置本体14の固設部材25に当接する。
【0046】
上述したカートリッジBは、ガイド13aR,13aLの中心を結ぶ中心線に対して、この中心線を水平に保つと現像ユニットD側がクリーニングユニットC側よりも大きな一次モーメントを生ずるような重量配分になっている。
【0047】
カートリッジBを装置本体14へ装着する際に、操作者は、図2に示すトナーフレーム11の凹部17、及び、下側のリブ11cを片手でつかむ。そして前記ガイド13aR,13aLを前記ガイド部16a,16cへ挿入し、続いてガイド13bRを装置本体14のガイド部16cへ挿入する。そして、最終的には、感光体ドラム7の側端に固着したドラムギア(図示せず)に一体的に設けた駆動伝達部材36(図3参照)と、溝16bに設けた駆動伝達部材39(図6参照)とが結合した状態で、感光体ドラム7は装置本体14に対する位置が決まる。
【0048】
カートリッジBを装置本体14から取り外す工程は、上記と反対である。即ち、操作者が開閉部材35を開いてカートリッジBの把手部をなす前述の上下のリブ11cに手を掛け持ち上げる。そして、カートリッジBをガイド部16a・16bから引き出す。
【0049】
なお、カートリッジBの感光体ドラム7には、駆動伝達部材36の反対側の側端に平歯ギア(図示せず)が設けられている。この平歯ギアは、カートリッジBが装置本体14に装着された際に、装置本体14に設けられた転写ローラ4と同軸のギア(図示せず)と噛合して、転写ローラ4を回転させる駆動力をカートリッジBから前記転写ローラ4に伝達する。
【0050】
〔情報無線通信システム〕
次に、装置本体14とカートリッジBとの情報無線通信システムについて説明する。
【0051】
本実施の形態に係る無線通信システムは、カートリッジBに磁気コアを設けてこれを通信用アンテナとする。また、装置本体14にインダクタを設けてこれを通信用アンテナとする。そして、カートリッジBを装置本体14に装着した際に、装置本体14とカートリッジBとの情報通信を磁気コアを介したインダクタ誘導の電磁誘導による無線で行う。即ち、本実施形態においては、装置本体14とカートリッジBとの情報通信を電磁エネルギーを用いて、アンテナ間で行っている。これによって、前記情報通信を無線で行っている。これによって、カートリッジBの大型化や、装置本体14とカートリッジBに設けられた情報伝達のためのコネクタなどのメカ的な接触不良による通信の不具合を回避している。
【0052】
図1、図3、図4、図7、図8を用いて本実施の形態に係る無線通信システムの構成を説明する。
【0053】
図1、図3、図4、図7において、カートリッジ2にはメモリー部材としてのメモリユニット44が設けられている。また、装置本体14には本体通信手段としての通信ユニット47が設けられている。この通信ユニット47は、装置本体14に固定された通信制御ユニット45と、装置本体14に設けられたイコライザ機構70と、前記通信制御ユニット45に接続された本体アンテナとしてのアンテナユニット41とを有する。そして、カートリッジBに設けられたメモリユニット44と、装置本体14に設けられた通信ユニット47間で、通信を電気的に非接触状態で行う非接触通信機構を構成する。即ち、情報通信を無線で行う機構を構成する。カートリッジBが装置本体14に装着されると、図8に示すように、ユニット44の有する、メモリーアンテナとしての通信用アンテナ44b2と、アンテナユニット41の有する、本体アンテナとしての通信用アンテナ41cとがイコライザ機構70によって位置決めされた状態で対向する。即ち、外装部材としての枠部材44aがアンテナカバー41aと接触することによって、メモリーアンテナとしての通信用アンテナ44b2と本体アンテナとしての通信アンテナ41cとの間隙が規定される。そして、ユニット44の有する記憶素子44b1に電源が供給されユニット45と記憶素子44b1とが無線通信可能となる。そして、記憶素子44b1の情報の読み取りや書き込みが可能になる。
【0054】
以下に、本実施の形態に係る無線通信システムについて、メモリユニット、メモリユニットの配置構成、メモリユニットとアンテナユニットの突き当て構成、無線通信機構の構成の順に説明する。
【0055】
I.[メモリユニット]
〔メモリユニット構成(1)〕
(第1の実施例)
メモリユニットの構成について図9を用いて説明する。図9はメモリユニットの分解斜視図である。
【0056】
ユニット44は、基板ユニット44bと、前記基板ユニット44bを覆う外装部材としての枠部材44aとからなる札状形状である。基板ユニット44bは、情報を記憶するための記憶素子44b1と、メモリーアンテナとしての磁気コアである通信用アンテナ44b2と、前記記憶素子44b1及び通信用アンテナ44b2を搭載する基体としての基板44b3とを一体的にユニット化したものである。記憶素子44b1はエポキシ樹脂からなる長方形の基板44b3上に設けられている。詳しくは、記憶素子44b1は、基板44b3の裏面(装置本体14に設けられたアンテナユニット41と対向する側とは反対側の面)44b31に設けられ、アンテナ44b2を構成する導通パターン44b21の外側に配置されている。記憶素子44b1にはFERAMを用いている。なお、記憶素子44b1は図15に示す送信部材としての送信回路44b11と一体に構成されている。この送信回路44b11は、記憶素子44b1が記憶する情報をアンテナ44b2に送信するものである。この送信回路44b11については後述する。アンテナ44b2は基板44b3上に基板44b3の長方形に沿った渦巻き形状の導通パターン44b21を有する。このパターン44b21はパターン焼き付けによって基板44b3の裏面44b31上、及び、表面44b32上にわたって形成してある。そして、このパターン44b21は、記憶素子44b1(例えば、FERAM)と接続されている。
【0057】
以上をまとめると、基板44b3の裏面44b31には、記憶素子44b1、送信回路44b11、及び、メモリーアンテナとしての導通パターン44b21が設けられている。そして、前記メモリーアンテナは、その一端と他端が前記送信回路44b11と電気的に接続している。
【0058】
このように構成された基板ユニット44bは、外装部材としての枠部材44aの内部に配置される。枠部材44aはポリスチレン樹脂からなる上外装部としての上枠44a1と、下外装部としての下枠44a2とで構成されている。上枠44a1と下枠44a2にはその周囲に突出部44a11,44a21が設けられている。そして、上枠44a1と下枠44a2は、各々の突出部44a11,44a21が接触して枠部材44aを構成する。上枠44a1と下枠44a2の突出部44a11,44a21は基板ユニット44bを挿入した後に接着剤、溶着、超音波溶着等により結合される。枠部材44aの材質としては、装置本体14側のユニット47の一部を構成するユニット41との突き当てに耐え得る物理的強度を有し、かつ静電的にシールド性を有するものが用いられている。具体的には、枠部材44aは、誘電率が2〜5の部材によって形成されている。ここで、上記の誘電率はASTM試験法(D150)における測定値である。前記外装部材(枠部材44a)の材質としては、前述したポリスチレン樹脂の他、例えばアクリルニトリルブタジエン樹脂やポリカーボネート樹脂などが適宜用いられる。
【0059】
このような構成のユニット44は、記憶素子44b1、通信用アンテナ44b2、及び、送信回路44b11を搭載した基板44b3を有する基板ユニット44bが、枠部材44aにより覆われている。このため、記憶素子44b1を外的負荷や電気的影響から保護することができる。また、基板ユニット44bを枠部材44aにより内包し、札状部材とすることにより、装置本体14やカートリッジBへの搭載スペースを効率的に配置出来る。さらに、基板ユニット44b、上枠44a1、下枠44a2の3部品からなるものであるため、組み立てを容易に行うことができる。
【0060】
(第2の実施例)
図10は第2の実施例を示すメモリユニットの斜視図である。
【0061】
本実施例においては、ユニット44bを覆う枠部材44aは樹脂の射出成形によって形成される。すなわち、本実施例のメモリユニット44は、樹脂の成形型に基板ユニット44bをインサートし、この状態で樹脂を射出するインサート成形によって形成される。
【0062】
このような構成のユニット44においても、第1の実施例で示したユニット44と同様な効果を得ることができる。
【0063】
(第3の実施例)
図11は第3の実施例を示すメモリユニットの断面図である。
【0064】
本実施例においては、ユニット44bを覆う枠部材(外装部材)44aは樹脂ケース44a3と、この樹脂ケース44a3に注入される樹脂又はエラストマー44a4で構成されている。すなわち、本実施例のユニット44は、樹脂ケース44a3にユニット44bを挿入し、この状態でケース44a3内にエラストマー44a4を注入、充填することにより構成される。
【0065】
このような構成のユニット44においても、第1の実施例で示したメモリユニット44と同様な効果を得ることができる。
【0066】
また、上述の各実施例においては、ユニット44bはエポキシ樹脂の基板44b3上に送信回路44b11を備えた記憶素子44b1と、通信用アンテナ44b2とを配置したものであった。しかしながら、これらは別々の基板上に配置され、その間を金属接点、またはリード線等によって接続されていても構わない。
【0067】
なお、上述の各実施例に係るメモリユニット44には、図示していないが、後述する面取り44a5、及び段差部44a6が適宜設けられる。
【0068】
なお、記憶素子44b1が記憶する情報とは、プロセスカートリッジ(ユニット)に関する情報である。例えば、感光体ドラムの回転数、帯電手段の帯電時間、現像剤の残量等である。
【0069】
〔メモリユニット構成(2)〕
(第1の実施例)
前述した各実施例では、記憶素子44b1をアンテナ44b2の外側に配置したユニット44bを有するメモリユニット44を説明した。本実施例では、記憶素子をアンテナの内側に配置した基板ユニットを有するメモリユニットを説明する。図12は本実施例に係るメモリユニットの分解斜視図である。図13は図12に示すメモリユニットの外観図であって、(a)はメモリユニットの平面図、(b)はメモリユニットの正面図、(c)はメモリユニットの底面図である。図14は図12に示すメモリユニットの断面図である。なお、前述したメモリユニットと共通する部材には同じ符号を付す。
【0070】
本実施例に係るユニット44は、図12及び図13に示すように、基板ユニット44bと、前記基板ユニット44bを覆う外装部材としての枠部材44aとからなる札状形状である。基板ユニット44bは、情報を記憶するための記憶素子44b1と、メモリーアンテナとしての磁気コアである通信用アンテナ44b2と、前記記憶素子44b1及び通信用アンテナ44b2を搭載する基体としての基板44b3とを一体的にユニット化したものである。記憶素子44b1はエポキシ樹脂からなる長方形の基板44b3上に設けられている。詳しくは、基板44b3の裏面(装置本体14に設けたアンテナユニット41に対向する側とは反対側の面)44b31に設けられて、アンテナ44b2の後述する導通パターン44b21の内側に配置されている。さらに詳しくは、基板44b3の裏面の略中央でパターン44b21の内側に設けられている。記憶素子44b1にはFERAMを用いている。記憶素子44b1は、図15に示す送信部材としての送信回路44b11と一体に構成されている。アンテナ44b2は、基板44b3の表面(装置本体14に設けたアンテナユニット41に対向する側の面)44b32上に設けられている。アンテナ44b2は、基板44b3の長方形に沿った巻き形状のパターン44b21を有する。このパターン44b21は、パターン焼き付けによって基板44b3上に形成してある。そして、このパターン44b21は、記憶素子44b1(FERAM)と接続されている。このように構成されたユニット44bは、枠部材44aの内部に配置される。枠部材44aはポリスチレン樹脂からなる上外装部としての上枠44a1と、下外装部としての下枠44a2とで構成されている。上枠44a1と下枠44a2にはその周囲に突出部44a11,44a21が設けられている。そして、上枠44a1と下枠44a2は各々の突出部44a11,44a21が接触して枠部材44aを構成する。上枠44a1と下枠44a2の突出部44a11,44a21はユニット44bを挿入した後に接着剤、溶着、超音波溶着等により結合される。なお、枠部材44aは、誘電率が2〜5の部材によって形成されている。この非導電性部材の材質としては、ポリスチレン樹脂の他、例えばアクリルニトリルブタジエン樹脂やポリカーボネート樹脂などが適宜用いられる。
【0071】
ここで、記憶素子44b1の内部構造について、図15を用いて説明する。
【0072】
図15は記憶素子の回路説明図である。図15に示すように、記憶素子44b1は基板44b3上に設けられた送信回路44b11と一体的に構成されている。回路44b11は、記憶素子44b1に記憶された情報をアンテナ44b2に送信する。アンテナ44b2は、コイル44b22とコンデンサ44b23と渦巻き状の導通パターン44b21とで構成される。このアンテナ44b2には、送信回路44b11の整流回路81、送信変調回路82、復調器82が接続される。整流回路81の出力は電源回路81に接続され、不揮発性メモリ88に電源を供給する。さらに、デコーダ84、プロトコルコントローラ85、エンコーダ86、メモリインターフェース回路87、およびEEPROMや強誘電体メモリなどの不揮発性メモリ88で構成されている。復調器83で高周波からベースバンド信号に復調されると、デコーダ84でプロトコルコントローラ85の制御にしたがってメモリ88に送るのに適した信号に変換される。そして、前記回路87でアドレスとデータに分けられて、かつ、リードライトのコマンドにしたがって前記メモリ88と読み出し書き込み動作が実行される。前記メモリ88から読み出されたデータは、前記回路87からエンコーダ86に送られて通信に適したプロトコルに変換され、送信変調回路82からアンテナ44b2に送られる。
【0073】
このような構成のメモリユニット44によれば、ユニット44を装置本体14に設けられたアンテナユニット41に突き当てる際に、ユニット44bのアンテナ44b2をユニット41に対向させることができる。このため、前記アンテナ41cと前記アンテナ44b2との距離を小さくする事が出来る。これによって、装置本体14に設けたアンテナユニット41の出力を小さくすることが出来る。また、前記アンテナ41cと前記アンテナ44b2間の無線による通信距離を小さくすることが出来る。そのため、無線による通信に対するノイズ等の外乱を受け難くなり、通信の信頼性を向上させる事が出来る。
【0074】
因みに、本実施例によれば、アンテナ41c(本体アンテナ)とアンテナ44b2(メモリーアンテナ)との距離を1.75mm〜3.25mmに維持することができる。尚、これに限定されることなく、本実施例によれば、両アンテナ41c・44b2間の距離を1mm〜10mmに維持することができれば、実用可能である。
【0075】
また、記憶素子44b1はアンテナ44b2の内側に配置されている。そのため、ユニット44bの面積を縮小する事が可能となる。これによって、メモリユニット44の小型化が可能となる。
【0076】
また、ユニット44bが枠部材44aにより覆われている。そのため、上記効果に他に、前述した構成のメモリユニット44と同様な効果を得ることができる。
【0077】
(第2の実施例)
図16は第2の実施例を示すメモリユニットの斜視図である。
【0078】
本実施例においては、基板ユニット44bを覆う枠部材44aは樹脂の射出成形によって形成される。すなわち、本実施例のユニット44は、樹脂の成形型にユニット44bをインサートし、この状態で樹脂を射出するインサート成形によって形成される。
【0079】
このような構成のユニット44においても、第1の実施例で示したユニット44と同様な効果を得ることができる。
【0080】
(第3の実施例)
図17は第3の実施例を示すメモリユニットの断面図である。
【0081】
本実施例においては、基板ユニット44bを覆う枠部材44aは樹脂ケース44a3と、この樹脂ケース44a3に注入される樹脂又はエラストマー44a4とによって構成される。すなわち、本実施例のユニット44は、樹脂ケース44a3にユニット44bを挿入し、この状態でケース44a3内にエラストマー44a4を注入、充填することにより構成される。
【0082】
このような構成のユニット44においても、第1の実施例で示したユニット44と同様な効果を得ることができる。
【0083】
また、上述の各実施例においては、基板ユニット44bは、エポキシ樹脂の基板44b3上に回路44b11を有する記憶素子44b1と、アンテナ44b2と、を配置したものであった。しかしながら、これらは別々の基板上に配置され、その間を金属接点、またはリード線等によって接続されていても構わない。
【0084】
(第4の実施例)
前述の各実施例では、通信用アンテナ44b2を基板44b3の裏面44b31にのみ設けた。本実施例では、基板の表面、及び、裏面にわたって通信用アンテナを設けた基板ユニットを有するメモリユニット(メモリー部材)について、より詳細に説明する。図18に本実施例に係るメモリユニットの断面図を示す。なお、第1の実施例のメモリユニットと共通する部材には同じ符号を付してその説明を援用する。
【0085】
本実施例に係るメモリユニット44は、図18に示すように、前記アンテナ44b2の導通パターン44b21を基板44b3の表面(装置本体14のアンテナユニット41に対向する側の面)44b32と、前記表面とは反対側の裏面(アンテナユニット41に対向する側とは反対側の面、つまり記憶素子44b1が設けられている面)44b31とに設けている。詳しくは、アンテナ44b2の導通パターン44b21は、基板44b3の表面44b32を通過し、次いで、前記基板44b3を貫通して前記基体44b3の裏面44b31に至る。次いで、基板44b3の裏面44b31を通過し、次いで、再び前記基板44b3を貫通して前記基板44b3の表面44b32に至る経路を有するように設けられている。尚、44b4は基板44b3を貫通する穴である。この穴44b4によって、基板44b3の表面44b32と裏面44b31とにわたって設けられた導通パターン44b21は電気的に接続している。そして、この導通パターン44b21は、その一端と他端が記憶素子44b1の送信回路44b11と電気的に接続している。パターン44b21の形状は、第1の実施例と同様、基板44b3の長方形に沿った渦巻き形状である。尚、記憶素子44b1は基板44b3上に設けられた樹脂からなるボンディング44cに覆われて保護されている。これによって、基板ユニット44bの製造工程、あるいは上枠44a1、下枠44a2、基板ユニット44bとを組み立てるメモリユニット組立て工程において、記憶素子44b1に加わる外的負荷から記憶素子44b1を保護することができる。
【0086】
このような構成のユニット44によれば、第1の実施例のユニット44と同じように、ユニット44を装置本体14に設けられたアンテナユニット41とに突き当てる際に、基板ユニット44bに設けられたアンテナ44b2をアンテナユニット41に対向させることができる。このため、本体アンテナとしてのアンテナ41cとメモリーアンテナとしてのアンテナ44b2との距離を小さくする事が出来る。尚、本実施例によれば、両アンテナ41c・44b2間の距離は、1.75mm〜3.25mmである。これによって、無線通信のために装置本体14に設けられたアンテナユニット41の出力を小さくすることが出来る。また、アンテナ41cとアンテナ44b2間の通信距離を小さくすることが出来るため、通信に対するノイズ等の外乱を受け難くなる。これによって、無線通信の信頼性を向上させる事が出来る。また、基板44b3の表面44b32、及び、裏面44b31に設けたアンテナ44b2と、アンテナ41cとの無線通信が可能となるので、無線通信の信頼性をより向上させる事が出来る。尚、アンテナ44b2を基板44b3の表裏両面にわたって設けたことによって、アンテナ44b2の巻き数を増やすことができた。これによって、アンテナ44b2の出力、即ち、電磁界の強さを増加させることができた。
【0087】
また、記憶素子44b1は基板44b3上のアンテナ44b2の内側に配置されている。そのため、基板ユニット44bの面積を縮小する事が可能となる。これによって、メモリユニット44の小型化が可能となる。
【0088】
また、基板ユニット44bが枠部材44aにより覆われている。そのため、上記効果に他に、前述した構成のメモリユニット44と同様な効果を得ることができる。
【0089】
〔メモリユニット取り付け構成〕
次にメモリユニット取り付け構成について、図19、図20を用いて説明する。図19は面取り、及び、段差を施したメモリユニットの斜視図である。図20はカートリッジ側のメモリユニット取付部の説明図である。
【0090】
工場等でメモリユニット41をフレームに取り付ける際に、メモリユニット41が表裏反対に取り付けられたり、あるいは、メモリユニット44が取り付け方向を間違えて取り付けられたりすることを防止する必要がある。メモリユニット41が表裏反対に取り付けられた場合には、アンテナ41cとアンテナ44b2との距離が所定の距離からずれてしまい、通信の信頼性が損なわれる。また、メモリユニット44が取り付け方向を間違えて取り付けられた場合には、アンテナ41cとアンテナ44b2との対向位置がずれてしまい、やはり通信の信頼性が損なわれる。
【0091】
アンテナ41cとアンテナ44b2との通信の信頼性を確保するためには、アンテナ41cに対向するメモリユニット44の表裏、あるいは対向位置を規定する必要がある。
【0092】
そこで、本実施の形態では、アンテナ41cに対向するメモリユニット44の表裏、あるいは対向位置を規定する。即ち、メモリー部材を取り付ける際に、取り付け状態を規定するために、図19に示すように、メモリユニット44の枠部材44aの外周にある複数の角部44a7のうち、一つの角部に規定部としての面取り44a5を設けている。メモリユニット44は、図1〜図4に示すように、クリーニングユニットCに取り付けられる。クリーニングユニットCのクリーニングフレーム13には、図20に示すように、ユニット44を取り外し可能に取り付けるためのメモリユニット取付部13kが設けられている。メモリユニット取付部13kはカートリッジBの挿入方向においてメモリユニット44がアンテナユニット41と対向する位置に設けられている。即ち、メモリユニット取付部13kは、カートリッジ装着方向先端であって、クリーニングフレーム13に取り付けられている。取付部13kは内周にある複数の角部のうちの一つに、本体規定部としての面取り13k1を有する。すなわち、メモリユニット44の平面形状と略同じ形状に形成されている。メモリユニット取付部13kに設けられた面取り13k1はメモリユニット44の一つの角部に設けた面取り44a5に沿う形状に形成されている。
【0093】
メモリユニット44をメモリユニット取付部13kに取り付ける場合、メモリユニット44の組付け方向において、面取り44a5,13k1を一致させた状態で、メモリユニット取付部13kにメモリユニット44を嵌め込んで取り付ける。これにより、通信用アンテナ41cに対するメモリユニット44の表裏、あるいは対向位置を規定することができる。これによって、メモリユニット44が表裏反対に取り付けられることを防止できる。更に、メモリユニット44の取り付け方向を間違えて取り付けることが防止できる。尚、取付部13kの深さdは、ユニット44の厚みtと略同じである。
【0094】
〔メモリユニットの組み立て方法、及び搬送ガイド構成〕
メモリユニット44を自動組み立て装置(図示せず)を用いてクリーニングユニットCに取り付ける場合について説明する。この場合には、ユニット44を整列させる為のパーツフィーダーを使う場合がある。このパーツフィーダーは、多数のユニット44をその載置台に振動を加えるなどして移動させ、その際に、ガイドなどによってユニット44の表裏や向きなどを一定にし、自動組み立て装置のフィンガー部にユニット44を供給する為の装置である。本実施の形態では、ユニット44をパーツフィーダーを使って自動組み立て装置に供給できるようにしている。そのために、図19に示すように、ユニット44の裏面に搬送ガイドとなるガイド部としての段差部44a6を設けている。ここで、メモリユニット44の裏面とは、ユニット44が装置本体14に装着された際に、装置本体14に設けられたアンテナユニット41に対向する側の面とは反対側の面をいう。段差部44a6はユニット44の短手方向において、枠部材44aの一辺に設けられており、前記ユニット44の長手方向に延びている。即ち、略直方体形状のユニット44の外表面に、長手方向に沿って設けられている(図13・図14・図16〜図19・図21・図22)。
【0095】
図21にメモリユニットを搬送するためのパーツフィーダーの一例を示す。図22にパーツフィーダーの送りガイドの断面図を示す。パーツフィーダー46は、図21に示すように、多数のメモリユニット44を載置して振動を加えるなどして移動させる載置台としての送りガイド46aを有する。送りガイド46aはユニット44の長手方向外側面をガイドする凹状のガイド形状に形成されている(図22参照)。送りガイド46aの底面側にはユニット44の段差部44a6に対応するガイド段差部46a1が長手方向に設けられている。このガイド段差部46a1の形状はユニット44が裏面を下向きにして送りガイド46aに入り込んだ際に、前記ユニット44の段差部44a6を保持する形状である。
【0096】
ユニット44をフィーダー46で自動組み立て装置に供給する場合、ユニット44はフィーダー46のガイド46aに裏面側を下向きにして入り込むことで段差部44a6がガイド段差部46a1に保持される(図22参照)。これによって、メモリユニット44の整列方向や表裏の向きが一定となる。したがって、図21に示すように、複数のユニット44をガイド46aに沿って自動組み立て装置に供給することができる。このようにユニット44の一辺に段差部44a6を設けることで、ユニット44の整列方向や表裏の向きを一定にすることができる。したがって、自動組み立て装置での自動組み立てが可能となる。
【0097】
II.[メモリユニットの配置構成]
メモリユニット44は、図3及び図4に示すように、クリーニングユニットCに取り付けられている。そして、装置本体14に設けられたアンテナユニット41に突き当てた状態で無線通信を行う。そして、ユニット44は、カートリッジBから容易に取り外しができるように、両面テープ、接着剤、熱カシメ、超音波溶着、スナップフィット等の方法を用いて取り付けられている。当然のことながら、ユニット44にユーザーが触れた場合、あるいは、装置本体14にカートリッジBを装着した際、後述のユニット41との接触に対して外れない強度を有して取り付けてある。
【0098】
〔メモリユニット取り付け構成(メモリユニットの中央配置)〕
装置本体14に設けられたアンテナユニット41にメモリユニット44を突き当てて無線通信を行う場合、画像形成装置A付近にある他の電子機器(例えばCRT等)の電波の影響を受けにくい位置で無線通信を行うようにすることが望ましい。
【0099】
そこで、本実施の形態では、図3及び図4に示すように、カートリッジBの長手方向(感光体ドラム7の軸線方向)において、カートリッジフレームとしてのクリーニングユニットCの略中央にメモリユニット44を配置している。このユニット44はカートリッジBを装置本体14に挿入したとき、アンテナユニット41と前記装置本体14の中央付近で当接して通信を行う(図1参照)。即ち、ユニット44をカートリッジBの長手方向でユニットCの略中央に取り付けることで、装置本体14の外装面から最も遠い所に配置される。その結果、他の電子機器が画像形成装置Aの付近にあったとしても、前記電子機器の電波の影響を受けにくく、その電波の影響を最小限に留めることができる。
【0100】
また、ユニット44はカートリッジBの長手方向でユニットCの略中央に配置してある。そこで、ユニット41にユニット44を突き当てる際に、カートリッジBをスムーズに挿入できる。即ち、ユニット41にユニット44が当接したとき、カートリッジBを装置本体14に挿入する際、カートリッジBの長手方向で挿入抵抗に片寄りがない。このため、カートリッジBをスムーズに装着することができる。
【0101】
〔メモリユニット取り付け部の構成〕
次にメモリユニット44の取り付け部の構成について、図23〜図28を用いて説明する。
【0102】
カートリッジBのクリーニングフレーム13をリサイクル(容器再生、或いは、材料再生)するためには、クリーニングフレーム13を傷をつけることなくユニット44を取り外すことが望ましい。これは、電気部品からなる基板ユニット44bを内包するメモリユニット44を取り付けたままの状態では、樹脂材料からなるクリーニングフレーム13を容器再生、或いは、材料再生といったリサイクルができにくくなるためである。
【0103】
そこで、本実施の形態では、既に述べたメモリユニット取付部13kの構造をメモリユニット44が容易に取り外せる構造にした。また、ユニット44を取付部13kから容易に取り外せる構造にした。また、スナップフィットを利用して、ユニット44をクリーニングフレーム13に取り外し可能に取り付ける構造とした。これらの実施例を以下に詳述する。
【0104】
(第1の実施例)
取付部13kは、図23に示すように、ユニット44の側面と対向する一つの内面に、工具を挿入するため斜面13l(工具挿入部)を有する。斜面13lは取付部13kの底面から前記取付部13kの入口に向かって拡がるテーパ形状に形成されている。このような構造とすることにより、斜面13lからユニット44を容易に取り外せる。ユニット44は取付部13kの底面に接着部材としての両面テープで取り付けてある。メモリユニット44を取り外すための工具として、例えばマイナスドライバー等が用いられる。取り外し方法は、取付部13kの斜面13lに沿ってマイナスドライバーの先端を取付部13kの底面とユニット44の裏面との間に差し込み、ユニット44を取付部13kから浮き上がらせる。これによって、ユニット44をクリーニングフレーム13から取り外す。またカートリッジBの着脱時の不意な落下や輸送時等に物体がユニット44に直接接触することを防止するために、ユニット44の表面はクリーニングフレーム13の表面より一段下がった位置にあるか、或いは、ユニット44の表面の一部をクリーニングフレーム13が覆う構成になっている。
【0105】
(第2の実施例)
(1)取付部13kとしての凹部は、図24(a)、(b)に示すように、ユニット44よりもやや大きい形状に構成されている。これによって、取付部13kの内面とユニット44の外面との間に隙間を有する。
そして、メモリユニット44を固定する底面の幅13mを、メモリユニット44の幅13nに比べて短くしている。これによって前記底面の周囲に、工具を挿入するための溝部である引っかけ部(工具挿入部)13uを構成している。ユニット44は取付部13kの底面に両面テープで取り付けてある。取り外し方法は、取付部13kの引っかけ部13uにマイナスドライバー(工具)の先端を差し込み、ユニット44をてこの原理を利用して取付部13kの底面から浮き上がらせる。これによってユニット44をクリーニングフレーム13より取り外す。
【0106】
(2)取付部13kは、図25(a)、(b)に示すように、ユニット44の両端部と対向する内面の一部に工具を挿入するため段差部である凹み13v(工具挿入部)を設けている。凹み13vはクリーニングフレーム13側に窪ませるように形成してある。ユニット44は取付部13kの底面に両面テープで取り付けてある。取り外し方法は、凹み13vにマイナスドライバー(工具)の先端を差し込み、ユニット44をてこの原理を利用して取付部13kの底面から浮き上がらせる。これによってユニット44をクリーニングフレーム13より取り外す。
【0107】
(3)取付部13kは、図26に示すように、ユニット44の裏面と対向する底面に工具を挿入するためリブ13r(工具挿入部)が設けられている。リブ13rは取付部13kの底面より突出し、かつ縦横に交差して格子状に設けられている。このようにリブ13rを格子状に設けることでユニット44との接着面積を少なくすることができ、よって、ユニット44の取り外しが容易になる。ユニット44は取付部13kの格子状のリブ13rに両面テープで取り付けてある。取り外し方法は、ユニット44を取り付けたリブ13r間の空間部にマイナスドライバー(工具)を差し込み、ユニット44をてこの原理を利用して取付部13kの底面から浮き上がらせる。これによってユニット44をクリーニングフレーム13から取り外す。
【0108】
(第3の実施例)
本実施例はメモリユニットに加工を施したものである。図27に本実施例に係るメモリユニットを示す。メモリユニット44は、図27に示すように、クリーニングフレーム13に設けられた取付部13kの底面側の角部に工具を挿入するための傾斜部13s(工具挿入部)を有する。この傾斜部13sは面取り状に形成されている。ユニット44は取付部13kの底面に両面テープで取り付けてある。取り外し方法は、傾斜部13sにマイナスドライバー(工具)の先端を差し込み、ユニット44をてこの原理を利用して取付部13kの底面から浮き上がらせる。これによってユニット44をクリーニングフレーム13から取り外す。
【0109】
(第4の実施例)
本実施例はスナップフィットを利用してメモリユニット44をクリーニングフレーム13に取り外し可能に取り付ける例である。図27を用いて、スナップフィットを利用したメモリユニット取り付け部の構成を示す。メモリユニット44には、スナップフィット13tの一部を構成する弾性片としてのスナップ13t1が設けられている。クリーニングフレーム13には、取付部13kと、スナップフィット13tの一部を構成する係止部としての係止穴13t2と、係止穴13t2とスナップ13t1との係止を解除するためにドライバー(工具)を差し込む差込み溝(工具挿入部)13t3とが設けられている。ユニット44をクリーニングフレーム13に取り付ける場合には、ユニット44を取付部13kに嵌め込んでスナップ13t1を係止穴13t2に係止させる。ユニット44をクリーニングフレーム13から取り外す場合には、差込み溝13t3にドライバーの先端を差し込み、前記ドライバーの先端で係止穴13t2に係止しているスナップ13t1を押して係止穴13t2との係止を解除する。これによってユニット44をクリーニングフレーム13から取り外すことができる。
【0110】
(第5の実施例)
メモリユニット44のクリーニングフレーム13への他の取り付け方法としては、両面テープに限られるものでない。例えば、接着剤、熱カシメ、超音波溶着などでも良い。すなわち、クリーニングフレーム13の取付部13kからユニット44を工具、その他の方法で容易に取り外せる取り付け方法であれば、どのような方法であってもよい。
【0111】
図23〜図28に示した構成を用いることで、クリーニングフレーム13に傷をつけることなく、メモリユニット44を取り外すことができる。よって、クリーニングフレーム13の容器再生、或いは材料再生といったリサイクルが可能となる。
【0112】
〔メモリユニット保護構成〕
次にメモリユニット44の保護構成について、図29〜図33を用いて説明する。図29はメモリユニットを保護するための凹部を有するカートリッジの斜視図、図30は図29に示すカートリッジの断面図、図31はメモリユニットが保護される理由を説明するための説明図、図32はメモリユニットを保護するための凸部を有するカートリッジの斜視図、図33は図32に示すカートリッジの断面図である。
【0113】
ユニット44の記憶素子44b1には、画像形成装置Aにより画像形成を行う上で必要な情報が入力されている。それ故、画像形成装置Aを正常に作動させるためには、ユニット44に障害があってはならない。ユニット44に障害を与える原因の一つにユニット44が衝撃を受けることが挙げられる。ユニット44が衝撃を受けないようにするためには、ユニット44を保護する構成が必要である。
【0114】
そこで、本実施の形態では、図29に示すように、クリーニングユニットCのクリーニングフレーム13がアンテナユニット41と対向する位置に、メモリ部材を保護するための保護凹部13fを設けている。詳しくは、カートリッジBの長手方向において、カートリッジBが装置本体14に装着された際に、アンテナユニット41と対向するクリーニングフレーム13の略中央部に前記凹部13fを設けている。前記凹部13fの深さはユニット44の厚みよりも大きい。そして、この凹部13fの内部にメモリユニット44を取り付けている。すなわち、前記凹部13fの底面には、既に述べた取付部13kが設けられており、前記取付部13kにユニット44を両面テープなど適宜の取り付け方法を用いて取り付けている。凹部13fを設ける範囲(カートリッジBの長手方向での範囲)は、アンテナユニット41よりも大きい。それ故、カートリッジBが装置本体14に装着された際に、凹部13f内へアンテナユニット41が侵入することができる。したがって、アンテナユニット41の先端面41dの一部分が凹部13fに取り付けられているメモリユニット44の先端面44a7の全面に当接する。即ち、カートリッジBを装置本体14に装着する際に、メモリユニット44は装着方向X1の先端側でもってアンテナユニット41に突き当る。メモリユニット44とアンテナユニット41は突き当て面としての先端面41d、44a7が突き当たることによって、また、後述するイコライザ機構70によって、両アンテナ41c・44b2間の距離を維持する。ここで、ユニット41の先端面41dとは、カートリッジBの装着方向X1において、カートリッジBが装着される側に設けられた面である。即ち、先端面41dとは、前記装着方向X1において、下流側(後方側)に位置する面である。また、メモリユニット44の先端面44a7とは、カートリッジBを装置本体14に装着する装着方向X1において、先端に設けられた面である。即ち、メモリユニット44の先端面44a7とは、前記装着方向X1において、上流側(前方側)に位置する面である。
【0115】
尚、先端面44a7が本実施例のような平坦でない場合、例えば先端面が凹凸形状である場合には、先端面44a7の凸の部分が先端面41dに当接する。
【0116】
これによって、アンテナ41cとアンテナ44b2との距離が定まる。
【0117】
このようにクリーニングフレーム13に設けた凹部13fの内部にユニット44を配置することで、ユニット44が衝撃を直接受けないようユニット44を保護することができる。例えば、図31に示すように、カートリッジBのクリーニングユニットCが机60の角等に接触しても、ユニット44はクリーニングフレーム13の凹部13f内に設けられているので、ユニット44が直接衝撃を受けることがない。したがって、ユニット44の枠部材44aが破損したり、記憶素子44b1に書き込まれた情報が破壊されることはない。
【0118】
また、図32及び図33に示すように、クリーニングフレーム13がユニット41と対向する位置に、メモリ部材を保護するための保護凸部としてのリブ13gをユニット44の外周を囲むようにして設けてもよい。リブ13gの高さはメモリユニット44の厚みよりも大きい。このように、リブ13gをユニット44の外周を囲むようにして設け、前記リブ13gの内部にユニット44を取り付けることによって、上述の効果を得ることができる。
【0119】
尚、この実施例の場合には、カートリッジBが装置本体14に装着された際に、アンテナユニット41がリブ13gで囲まれた内部に侵入する。これによって、メモリユニット44とアンテナユニット41が突き当たる。
【0120】
更に、前述のように、ユニット44はクリーニングフレーム13に設けられた取付部13kに両面テープなど適宜の取り付け方法を用いて取り外し可能に取り付けられている。このため、ユニット41との接触でユニット44がクリーニングユニットCから外れてしまうこともない。
【0121】
III.[メモリユニットとアンテナユニットの突き当て構成]
アンテナユニット41にメモリユニット44を突き当てて無線通信を行うためには、アンテナ41cとアンテナ44b2を精度良く対向させる必要がある。
【0122】
そこで、本実施の形態では、図34に示すように、装置本体14に位置決め手段としてのイコライザ機構70を設けている。そして前記イコライザ機構70のアンテナユニット支持部材42にユニット41を回動可能に保持させている。
【0123】
ユニット41は、図34及び図35に示すように、アンテナ41cと、前記アンテナ41cを覆う外装部材としてのアンテナカバー41aとを有する。前記支持部材42には、アンテナカバー41aが支軸41bを中心に回動可能に取り付けられている。そして前記支持部材42は、装置本体14に支軸42aを中心に回動可能に取り付けられている。また、前記支持部材42は、装置本体14に他端を係止させた導電性を有するバネ(導電性部材)43により保持されている。そして、前記支持部材42は、バネ43の弾性力(引張り力)によって、支軸42aを中心にして、カートリッジBの挿入路55の方向(矢印F方向)に付勢されている。これにより、前記支持部材42は、カートリッジBが装置本体14に装着されていない場合に、ユニット41をカートリッジBの挿入路内に侵入させている。これによって、ユニット41は、カートリッジBが存在しない状態では、カートリッジBが装置本体14に装着された際に、メモリユニット44が位置する領域(カートリッジBが装置本体14に完全に挿入された際に、ユニット44が位置する領域)に侵入している。
【0124】
図34に示すように、カートリッジBが装置本体14に挿入されると、ユニット41がカートリッジBの凹部13f内へ侵入する。そして、カートリッジBが更に挿入されると、カートリッジBの挿入に従い、前記支持部材42がカートリッジBの挿入方向へ支軸42aを中心に回動する。そして、ユニット41がカートリッジBの挿入路から退避する。そして、カートリッジBが装置本体14に完全に挿入された状態で、詳述した通り、ユニット41がユニット44に突き当たる(図35参照)。このとき、上述の通り、ユニット41は支軸41bを中心にして、前記支持部材42に回動可能に取り付けられているので、ユニット41とユニット44の突き当て面(先端面41d・44a7)が互いに平行になるようにイコライズする。これにより、ユニット41はユニット44の位置に倣って、前記ユニット44との対向位置が決まる。即ち、メモリユニット44の突き当て面(先端面44a7)全面が、アンテナユニット41の突き当て面(先端面41d)の一部分と当接する。
【0125】
上記構成をとることで、カートリッジBが装置本体14に装着された際、精度良くユニット41とユニット44は位置決めされる。したがって、アンテナ41cとアンテナ44b2が精度良く対向する。
【0126】
また、前述の通り、カートリッジBの装置本体14への位置決めは、クリーニングユニットCの上面13iに設けられた規制当接部13jと、クリーニングユニットCに設けられた円筒形ガイド13aR,13aLによって行われる。従って、メモリユニット44をクリーニングユニットCに取り付けることによって、ユニット44は、装置本体14に設けられたアンテナユニット41に対して、長手、及び、短手方向を精度良く位置決めすることができる。
【0127】
尚、本実施の形態では、アンテナユニット41を回動可能に設けている。しかしながら、メモリユニット44を回動可能に設けても良い。具体的には、メモリユニット44とクリーニングユニットCとの間にバネ、スポンジ、ゴム等の弾性体を設けることで、メモリユニット44を回動可能に設けることができる。
【0128】
IV.[無線通信機構の構成]
次に、無線通信機構の構成について、図1、図7、図8、図36、図37を用いて説明する。
【0129】
(無線通信機構の全体構成)
無線通信機構は、通信ユニット47とメモリユニット41とで構成されている。ユニット47は、既に述べたように、アンテナユニット41と、前記ユニット41を制御するユニット45と、イコライザ機構70とを有する(図7、図8参照)。ユニット41とユニット45は信号線45aにより電気的に結合されている。ユニット41は、アンテナ基板41cと、前記アンテナ基板41cを覆う外装部材としてのアンテナカバー41aとを有する。アンテナカバー41aの材質としては、メモリユニット44との突き当てに耐え得る物理的強度を有し、かつ静電的にシールド性を有するものが用いられている(望ましくは、誘電率2〜5)。つまり、メモリユニット44の枠部材44aの材質と同じものが用いられる。ユニット41は、前記支持部材42によりカートリッジBの挿入路55内に位置するよう付勢され、ユニット44に突き当たることで位置決めされる。そして、メモリユニット44への情報の書き込み、及び、メモリユニット44からの情報の読み込みは、制御ユニット48(図1参照)からの指示で通信制御ユニット45がアンテナユニット41を介してメモリユニット44に作用して行う。
【0130】
(アンテナユニットの付勢機構、及び、位置決め機構)
ここで、アンテナユニットの付勢機構、及び、位置決め機構について、図36、図37を用いて更に詳しく説明する。
【0131】
図36において、50は装置本体14に設けられた本体フレームである。本体フレーム50は、カートリッジBの長手方向で対向する本体支持部材50a,50bを有している。前記支持部材50a,50bには、前記支持部材42の支軸42aが回転自在に支持されている。前記支持部材42は、ユニット41を支持する支持部42b,42cと、これらの支持部42b,42cを連結する連結部42dとを有している。そして、略コ字形状に構成されている。前記支持部42b,42cは、本体フレーム50に設けられた穴50c,50dを貫通している。そして、前記支持部材42は、一方の支持部42cが穴50dの略中央に設けられた一対の凸部50e間のギャップ50fによって、カートリッジBの長手方向に移動しないように位置決めされている。また、前記支持部材42の連結部42dには、バネ43の一端に設けたフック43aが係止片42d1に係止している。バネ43の他端43bは、本体フレーム50の下面に潜らせることで、本体フレーム50に固定されている。そして、前記バネ43の他端43bは、導電線49を用いて装置本体14の有する接地部に連結されている。このように、バネ43の両端を支持部材42と本体フレーム50とに連結することで、支持部材42をカートリッジBの挿入路55の方向に付勢する弾性力(引張り力)を得ている。ここで、バネ43は導電性を有し、かつ導電線49を介して接地されている。したがって、静電気の避雷針として機能する。
【0132】
また、前記支持部材42の支持部42a,42bには、図37に示すように、アンテナユニット41が支軸41bにより回動自在に支持されている。ユニット41は、バネ43により付勢された支持部材42に支持されることによって、カートリッジBが存在しない状態ではカートリッジBの挿入路55内に侵入している。また、ユニット41は、カートリッジBの挿入路55の反対側に、一対のフック41bを有する。これらのフック41bは、アンテナカバー41aに設けられている。そして、これらのフック41bは、アンテナユニット41が支持部材42によりカートリッジBの挿入路55内に侵入している状態で、本体フレーム50の有する一対の突起51に係合する。つまり、フック41bは支持部材42の回動方向(図8に示す矢印F方向)へのストッパーとなっている。前記アンテナカバー41aは、略箱型形状に構成され、前記アンテナ基板41cを覆って保護している(図8参照)。ユニット41のアンテナ基板41cと制御ユニット45を結ぶ信号線45aは、ユニット41のアンテナカバー41aの一部を構成する筒状形状部41a1の窓部41a2を通って両者を電気的に結合している。
【0133】
このような構成のイコライザ機構70を有する通信ユニット47においては、装置本体14にカートリッジBが挿入されていない状態では、アンテナユニット41がカートリッジBの挿入路55内に侵入している。そして、カートリッジBが装置本体14に挿入されると、詳述した通り、ユニット41がユニット44に突き当る。このとき、ユニット44は支持部材42が支軸41aにより回動自在に支持されている。そのため、カートリッジBが更に挿入されるに従い挿入路55から退避する。そして、カートリッジBが装置本体14に完全に挿入された状態でユニット41はユニット44の位置に倣って支軸42bを中心に回動する。これによって、アンテナユニット41はメモリユニット44の表面に平行に突き当たる。したがって、アンテナユニット41とメモリユニット44との対向位置が決まる。
【0134】
(アンテナユニットの付勢機構及び位置決め機構の他の例(1))
図38に本例のアンテナユニットの他の付勢機構及び位置決め機構を示す。図38は、メモリユニット44とアンテナユニット41との当接部拡大図である。
【0135】
本実施例は、イコライザ機構70に代えて前記本体フレーム50と前記アンテナユニット41との間に、弾性体60を設けたものである。弾性体60の片面は、前記本体フレーム50に接着され、反対面は前記アンテナカバー41aに接着されている。弾性体60はカートリッジBが装置本体14から取り外されると自由状態になる。これによって、カートリッジBが装置本体14に装着されていない場合には、アンテナユニット41は弾性体60によりカートリッジBの挿入路内に侵入した状態で保持される。カートリッジBが装置本体14に挿入されると、ユニット41がユニット44に突き当たって弾性体60が圧縮され、ユニット41がユニット44と平行に当接した状態で保持される。すなわち、カートリッジBが装置本体14に完全に挿入された状態で、アンテナユニット41はメモリユニット44の位置に倣って前記メモリユニット44との対向位置が決まる。
【0136】
(アンテナユニットの付勢機構及び位置決め機構の他の例(2))
図39にアンテナユニットの他の付勢機構、及び、位置決め機構を示す。図39はメモリユニット44とアンテナユニット41との当接部拡大図である。
【0137】
本実施例は、カートリッジBの位置決めに対して余計な力を加えることなく、アンテナユニット41とメモリユニット44との突き当てが可能な例である。
【0138】
前述の通り、カートリッジBの装置本体14への位置決めは、規制当接部13jと、円筒形ガイド13aR,13aLによって行われる。すなわち、カートリッジBは、装置本体14への位置決めの一つとして、感光体ドラム7と同軸線上に設けられた円筒形ガイド13aR,13aLにより保持されている。感光体ドラム7には装置本体14からT方向にトルクがかかっている。これにより、クリーニングユニットCの上面に設けられたメモリユニット44の近傍はM方向に付勢されている。従って、カートリッジBは、感光体ドラム7の軸線方向で本図平面方向の位置が決まる。また、カートリッジBの回転方向(M方向)はクリーニングユニットCが本体フレーム50の回転止め部53に突き当たって位置決めされる。本例では、アンテナユニット41を前記回転止め部53に設置している。これによって、カートリッジBの位置決めに対して余計な力を加えることなく、アンテナユニット41とメモリユニット44は突き当たる。
【0139】
本実施の形態では、イコライザ機構70を装置本体14に設けているが、このような機能を有するイコライザ機構をカートリッジB側に設けてもよい。例えば、アンテナユニット41を装置本体14に固定して設ける場合、クリーニングユニットCに、アンテナユニット41に倣ってメモリユニット44の位置が決まるような構成のイコライザ機構を介して、ユニット44を取り付ければよい。これによって、カートリッジBが装置本体14に完全に挿入された状態で、ユニット44はユニット41の位置に倣って前記ユニット41との対向位置が決まる。
【0140】
上述の如き構成の無線通信機構を用いることにより、アンテナユニット41とメモリユニット44は、物理的強度を満たし、静電破壊に耐える必要最低限の保護層たるアンテナカバー41a、及び、枠部材44aによって当接される。これにより、無線通信に必要な電力を最小限にでき、微弱な出力によって確実な無線通信を行うことができる。これによって、漏れ電波を防ぐためのシールドが不要になる。このように無線通信のための出力を最小限にできる。また、出力が微弱で済むので消費電力が抑えられ電気回路も小さく安くなる。
【0141】
さらに、無線通信機構を電子写真画像形成装置Aに応用するにあたり、無線通信機構をカートリッジBに取り付けたメモリユニット44と、装置本体14に設けた通信ユニット47の一部(本実施の形態ではアンテナユニット41)との付き当て部に設けることで、カートリッジBの位置決めを阻害することなく、通信ユニット47とメモリユニット44との当接が確実になる。したがって、必要な情報の読み書きが精度良く実現する。また、揺動、イコライザ可能にアンテナユニット41を保持することにより、メモリユニット44との当接を確実にし、当接圧を最小限にすることができる。このため、カートリッジBの位置決めを阻害することなく確実な通信を確立することができる。
【0142】
また、通信ユニット47は、アンテナユニット41と制御ユニット45の2体に分けられている。このため、軽微な力でアンテナユニット41をメモリユニット44に密着させることができる。これによって、カートリッジBの着脱性、及び、位置決め精度を低下させることなく、メモリユニット44とアンテナユニット41の相対的な位置決めを実現できた。このように、メモリユニット44とアンテナユニット41の相対位置の精度が高く保てるため、通信のための出力(電磁界の強さ)を最小限にできる。これによって、磁気的シールドなどを必要としない微弱な出力でもって、無線通信が可能になる。また、着脱可能なカートリッジBと接する箇所にアンテナユニット41を露出させる場合には静電気対策を施こさなくてはいけないが、2体化することによりアンテナユニット41だけを被覆すれば良い。このため経済的である。
【0143】
また、アンテナユニット41が静電気的に安全な箱形にカプセル化されている。これによって、装置本体14内での配置自由度が増し、ユニット化されたアンテナとしてユーザーに触れられる場所に露出させることができた。このため、メモリユニット44とアンテナユニット41を当接させることができた。アンテナユニット41を当接させることができたことにより、通信のための出力は最小限にでき、磁気的シールドなどを必要としない微弱な出力で通信が可能になった。シールドが必要であると、無線通信機構の用途が極めて限定されるが、シールドが不要になったことで、シールドのコストが削減できた。そのうえ、無線通信機構の使用がスペースの限られた装置本体14内で実現できた。また、出力が微弱で済むので消費電力が抑えられ電気回路も最小化する事ができた。また、コネクタのような差込み方式ではなく当接させるだけで良いためカートリッジBの着脱性を損なうことはない。
【0144】
本実施の形態では、アンテナユニット41を静電気的に安全な箱形にカプセル化した例を説明したが、通信ユニット47全体を静電気的に安全な箱形にカプセル化しても上述と同様な効果を得ることができる。
【0145】
また、アンテナユニット41の周囲に配されたバネ43は導電性を有し、かつ他端43bが導電線49を介して接地されている。そのため、バネ43は避雷針として働く。それ故、アンテナユニット41を保護するアンテナカバー41aの絶縁耐圧が低くても、ユーザーの身体からの放電がユニット41を直撃することがない。したがって、静電破壊に対して強くなる。このため、着脱可能なカートリッジBを装置本体14から取り外した際に、手で触れられるような位置にアンテナユニット41を設けること、すなわち、カートリッジBに最大限に近接させて配置することが可能になる。アンテナカバー41aの絶縁耐圧を低くできることは、アンテナカバー41aを薄くできる、もしくは接合、はめ合わせで構成できる。従って、アンテナユニット41の組立性が良くなりコストを抑えることができた。また、接地されたバネ43(導電性部材)によって、アンテナユニット41をカートリッジBに突き当てている。そのため、余計な力がアンテナユニット41にかからずカートリッジBの挿入がスムーズになる。また、アンテナユニット41の回りに付勢用のバネを特別設けなくて済む。そのため、付勢バネによる電気的干渉などの問題が起きにくくなる。
【0146】
さてここで、前述した実施例をまとめると次の通りである。
【0147】
電子写真画像形成装置Aに用いられるメモリー部材(メモリユニット44)において、
基体(基板44b3)と、
前記基体に設けられた、情報を記憶するための記憶素子44b1と、
前記メモリー部材が前記電子写真画像形成装置の装置本体14に装着された際に、前記記憶素子44b1に記憶された情報を前記装置本体14に設けられた本体アンテナ(通信用アンテナ41c)に送信するための、前記基体に設けられたメモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)と、
前記記憶素子44b1、送信部材(通信回路44b11)、及び前記メモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)の設けられた基体(基板44b3)を覆う外装部材(枠部材44a)と、
を有する。
【0148】
また、記録媒体に画像を形成するための電子写真画像形成装置本体14に取り外し可能に取り付けられるユニット(給送カセット3a、定着ユニット5、現像ユニット)において、(a)ユニットフレームと、(b)基体(基板44b3)と、
前記基体に設けられた、情報を記憶するための記憶素子44b1と、
前記ユニットが前記装置本体14に装着された際に、前記記憶素子44b1に記憶された情報を前記装置本体14に設けられた本体アンテナ(通信用アンテナ41c)に送信するための、前記基体に設けられたメモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)と、
前記基体に設けられた、前記記憶素子44b1に記憶された情報を前記メモリーアンテナに送信するための送信部材(通信回路44b11)と、
前記記憶素子44b1、送信部材(通信回路44b11)、及び、前記メモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)の設けられた基体を覆う外装部材(枠部材44a)と、
を有する、前記ユニットフレームに設けられたメモリー部材(メモリユニット44)と、
を有する。
【0149】
また、記録媒体に画像を形成するための電子写真画像形成装置本体14に着脱可能なプロセスカートリッジBにおいて、(a)電子写真感光体(感光体ドラム7)と、(b)前記電子写真感光体に作用するプロセス手段(帯電手段8、現像手段9、クリーニング手段10)と、(c)基体(基板44b3)と、
前記基体に設けられた、情報を記憶するための記憶素子44b1と、
前記プロセスカートリッジBが前記装置本体14に装着された際に、前記記憶素子44b1に記憶された情報を前記装置本体14に設けられた本体アンテナ(通信用アンテナ41c)に送信するための、前記基体に設けられたメモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)と、
前記基体に設けられた、前記記憶素子に記憶された情報を前記メモリーアンテナに送信するための送信部材(通信用回路44b11)と、
前記記憶素子44b1、送信部材(通信用回路44b11)、及び、前記メモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)の設けられた基体(基板44b3)を覆う外装部材(枠部材44a)と、
を有する、メモリー部材(メモリユニット44)と、
を有する。
【0150】
ここで、前記メモリー部材(メモリユニット44)が前記装置本体14に装着された際に、前記メモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)は前記本体アンテナ(通信用アンテナ41c)とは非接触状態で、前記記憶素子44b1に記憶された情報を前記装置本体14に設けられた前記本体アンテナに送信する。
【0151】
また、前記記憶素子44b1と前記送信部材(通信用回路44b11)は一体に構成されている。
【0152】
また、前記外装部材(枠部材44a)は、各々別体の上外装部(上枠44a1)と下外装部(下枠44a2)とが組み合わさって構成されている、そして、前記基体(基板44b3)は、前記メモリー部材(メモリユニット44)が前記装置本体14に装着された際に、前記メモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)が前記本体アンテナ(通信用アンテナ41c)と対向するように、前記本体アンテナ(通信用アンテナ41c)と対向する上外装部(上枠44a1)に取り付けられている。
【0153】
また、前記上外装部(上枠44a1)と下外装部(下枠44a2)には突出部44a11,44a21が設けられている、そして、前記上外装部と下外装部は各々の突出部が接触して外装部材を構成している。
【0154】
また、前記上外装部と下外装部の突出部は、接着剤、溶着、超音波溶着のいずれかによって結合している。
【0155】
また、前記外装部材は樹脂製である。
【0156】
また、前記外装部材は、誘電率が2〜5の部材によって形成されている。
【0157】
なお、前記部材の材質は、ポリスチレン樹脂、アクリルニトリルブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂である。
【0158】
また、前記外装部材には、前記メモリー部材(メモリユニット44)を取り付ける際に、取り付け状態を規定するための規定部(面取り44a5)が設けられている。
【0159】
また、前記外装部材は複数の角部(44a7)を有し、前記複数の角部のうちの一つの角部を前記規定部としている。
【0160】
ここで、前記規定部は面取りである。
【0161】
また、前記メモリー部材(メモリユニット44)が前記装置本体14に装着された際に、前記外装部材(枠部材44a)が前記装置本体に設けられたアンテナカバー41aと接触することによって、前記メモリーアンテナ(通信用アンテナ44b2)と本体アンテナ(通信用アンテナ41c)との間隙が規定される。
【0162】
また、前記メモリー部材(メモリユニット44)は、前記装置本体14に取り外し可能に取り付けられるユニット(給送カセット3a、定着ユニット5、現像ユニット)に取り付けられる、あるいは、前記装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジBに取り付けられる、そして、前記ユニットあるいはプロセスカートリッジBが前記装置本体に取り付けられることによって、前記メモリー部材は前記装置本体に装着される。
【0163】
〔他の実施の形態〕
前述した実施の形態では、通信ユニットとメモリユニットからなる無線通信機構をカートリッジに適用した場合を例示したが、この無線通信機構は装置本体に取り外し可能であって、カセット本体(ユニットフレーム)に記録媒体を収納する給送カセットにも好適に適用することができる。また、装置本体に対し取り外し可能であって、加圧ローラと定着ローラとをユニットフレームに保持してトナー画像を記録媒体に定着させる定着ユニットにも好適に適用できる。また、装置本体に着脱可能であって、現像剤容器と現像手段とをユニットフレームに有し、電子写真感光体に形成された静電潜像を現像剤により現像する現像ユニットにも好適に適用することができる。即ち、ユニットとして、給送カセット、定着ユニット、及び、現像ユニットが挙げられる。
【0164】
また、前述した実施の形態で示したカートリッジは単色画像を形成する場合を例示したが、本発明に係るカートリッジは現像手段を複数設け、複数色の画像(例えば2色画像、3色画像あるいはフルカラー等)を形成するカートリッジにも好適に適用することができる。
【0165】
また、電子写真感光体としては、前記感光体ドラムに限定されることなく、例えば次のものが含まれる。先ず感光体としては光導電体が用いられ、光導電体としては例えばアモルファスシリコン、アモルファスセレン、酸化亜鉛、酸化チタン及び有機光導電体(OPC)等が含まれる。また前記感光体を搭載する形状としては例えばドラム状またはベルト状のものが用いられており、例えばドラムタイプの感光体にあっては、アルミ合金等のシリンダ上に光導電体を蒸着或いは塗工を行ったものである。
【0166】
また現像方法としても、公知の2成分磁気ブラシ現像法、カスケード現像法、タッチダウン現像法、クラウド現像法等の種々の現像法を用いることが可能である。
【0167】
また帯電手段の構成も、前述した実施の形態では所謂接触帯電方法を用いたが、他の構成として従来から用いられているタングスワイヤーの三方周囲にアルミ等の金属シールドを施し、前記タングスワイヤーに高電圧を印加することによって生じた正または負のイオンを感光体ドラムの表面に移動させ、前記ドラムの表面を一様に帯電する構成を用いても良いことは当然である。
【0168】
なお、前記帯電手段としては前記ローラ型以外にも、ブレード(帯電ブレード)、パッド型、ブロック型、ロッド型、ワイヤ型等のものでも良い。
【0169】
また感光体ドラムに残存するトナーのクリーニング方法としても、ブレード、ファーブラシ、磁気ブラシなど用いてクリーニング手段を構成しても良い。
【0170】
また前述したプロセスカートリッジとは、例えば電子写真感光体と、少なくともプロセス手段の1つを備えたものである。従って、そのプロセスカートリッジの態様としては、前述した実施形態のもの以外にも、例えば、電子写真感光体と帯電手段とを一体的にカートリッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの。電子写真感光体と現像手段とを一体的にカートリッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの。電子写真感光体とクリーニング手段とを一体的にカートリッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの。更には電子写真感光体と、前記プロセス手段の2つ以上のものを組み合わせて一体的にカートリッジ化し、装置本体に着脱可能にするもの等がある。
【0171】
即ち、前述したプロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段又はクリーニング手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを装置本体に対して着脱可能とするものである。及び帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つと電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能とするものである。更に少なくとも現像手段と電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して装置本体に着脱可能とするものをいう。そして、このプロセスカートリッジは、使用者自身が装置本体に着脱することができる。そこで、装置本体のメンテナンスを使用者自身で行うことができる。
【0172】
更に、前述した実施の形態では、電子写真画像形成装置としてレーザービームプリンタを例示したが、本発明はこれに限定する必要はなく、例えば、電子写真複写機、ファクシミリ装置、或いはワードプロセッサ等の電子写真画像形成装置に使用することも当然可能である。
【0173】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無線通信を可能とするプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを着脱可能な電子写真画像形成装置の提供を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子写真画像形成装置の側断面図である。
【図2】 プロセスカートリッジ側断面図である。
【図3】 プロセスカートリッジ斜視説明図である。
【図4】 プロセスカートリッジ斜視説明図である。
【図5】 装置本体のプロセスカートリッジ装着部斜視図である。
【図6】 装置本体のプロセスカートリッジ装着部斜視図である。
【図7】 プロセスカートリッジを装置本体に挿入する過程おけるメモリユニットと通信ユニットの位置関係を示す説明図である。
【図8】 通信ユニットのアンテナユニットがメモリユニットに当接した状態の説明図である。
【図9】 通信用アンテナの外側に記憶素子を配したメモリユニットの分解斜視図である。
【図10】 図9に示すメモリユニットの組み立て後の斜視図である。
【図11】 図9に示すメモリユニットの他の実施例を示す断面図である。
【図12】 記憶素子を基板の裏面において通信用アンテナの略中央に配したメモリユニットの分解斜視図である。
【図13】 (a)はメモリユニットの平面図、(b)はメモリユニットの正面図、(c)はメモリユニットの底面図である。
【図14】 図12に示すメモリユニットの断面図である。
【図15】 記憶素子の電気回路図である。
【図16】 図12に示すメモリユニットの他の実施例を示す断面図である。
【図17】 図12に示すメモリユニットのさらに他の実施例を示す断面図である。
【図18】 面取り、及び段差を施したメモリユニットの斜視図である。
【図19】 プロセスカートリッジ側の取付部の説明図である。
【図20】 メモリユニットの搬送ガイドの説明図である。
断面図である。
【図21】 パーツフィーダーによるメモリユニットの搬送形態を示す説明図である。
【図22】 図21に示すパーツフィーダー及びメモリユニットの断面図である。
【図23】 工具挿入部を有するメモリユニット取付部の第1の実施例を示す説明図である。
【図24】 工具挿入部を有するメモリユニット取付部の第2の実施例を示す説明図である。
【図25】 工具挿入部を有するメモリユニット取付部の第3の実施例を示す説明図である。
【図26】 工具挿入部を有するメモリユニット取付部の第4の実施例を示す説明図である。
【図27】 工具挿入部を有するメモリユニットの説明図である。
【図28】 メモリユニットをクリーニングフレームに取り付けるスナップフィットの説明図である。
【図29】 メモリユニット保護用の凹部を有するプロセスカートリッジの一例を示す説明図である。
【図30】 図28に示すプロセスカートリッジの断面図である。
【図31】 メモリユニットの保護説明図である。
【図32】 メモリユニット保護用の凸部を有するプロセスカートリッジの一例を示す説明図である。
【図33】 図32に示すプロセスカートリッジの断面図である。
【図34】 メモリユニットとアンテナユニットの突き当て構成の説明図である。
【図35】 図34に示すメモリユニットとアンテナユニットとの突き当て部分の拡大断面図である。
【図36】 イコライザ機構の要部詳細図である。
【図37】 アンテナユニットとメモリユニットの当接した状態での分離図である。
【図38】 アンテナユニットの付勢機構及び位置決め機構の他の例を示す説明図である。
【図39】 アンテナユニットの付勢機構及び位置決め機構の更に他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
A…電子写真画像形成装置、B…プロセスカートリッジ、C…クリーニングユニット(カートリッジフレーム)、D…現像ユニット
2…記録媒体、
3a…給紙カセット、
5…定着ユニット、
7…感光体ドラム、
8…帯電ローラ、
9…現像手段、
10…クリーニング手段
14…画像形成装置本体、
41…アンテナユニット、41a…アンテナカバー、41b…支軸、41c…通信用アンテナ(本体アンテナ)
43…バネ、
44…メモリユニット(メモリー部材)、44a…枠部材(外装部材)、44a1…上枠、44a2…下枠、44a5…面取り部、44a6…段差部、44a7…先端面、44b1…記憶素子、44b11…送信回路(通信部材)、44b2…通信用アンテナ(メモリーアンテナ)、44b3…基板(基体)、44b31…基板の裏面、44b32…基板の表面、
45…通信制御ユニット
46…パーツフィーダー、46a…ガイド部、46a1…ガイド段差部
47…通信ユニット、
70…イコライザ機構
Claims (4)
- 本体アンテナ外装部材に覆われた本体アンテナを有する電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に作用するプロセス手段と、
基体と、
前記基体の裏面に設けられた、情報を記憶する記憶素子と、
前記基体の前記裏面とは反対の表面に設けられた、前記記憶素子に記憶された情報を前記装置本体に設けられた前記本体アンテナに送信するメモリーアンテナと、
前記基体と前記記憶素子と前記メモリーアンテナとを覆うメモリーアンテナ外装部材と、
を有し、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記基体の前記表面が前記本体アンテナと対向するようにして、前記メモリーアンテナ外装部材の外表面を前記本体アンテナ外装部材の外表面と接触させることによって、前記メモリーアンテナと前記本体アンテナ間の間隙位置を決めることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 前記記憶素子と前記メモリーアンテナは、基体に設けられており、更に、前記基体には、前記記憶素子に記憶された情報を前記メモリーアンテナに送信するための送信部材が設けられており、そして、前記メモリーアンテナ外装部材は前記送信部材も覆っていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記プロセスカートリッジの有する前記プロセス手段は、少なくとも、前記電子写真感光体に帯電を行うための帯電手段、前記電子写真感光体に形成された静電潜像を現像するための現像手段と、前記電子写真感光体に残留する現像剤を除去するためのクリーニング手段のいずれか一つであることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
- プロセスカートリッジを着脱可能であって、記録媒体に画像を形成するための電子写真画像形成装置において、
(a)本体アンテナ外装部材に覆われた本体アンテナと、
(b)電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に作用するプロセス手段と、
基体と、
前記基体の裏面に設けられた、情報を記憶する記憶素子と、
前記基体の前記裏面とは反対の表面に設けられた、前記記憶素子に記憶された情報を前記装置本体に設けられた前記本体アンテナに送信するメモリーアンテナと、
前記基体と前記記憶素子と前記メモリーアンテナとを覆うメモリーアンテナ外装部材と、
を有するプロセスカートリッジを取り外し可能に装着するための装着部と、
(c)前記記録媒体を搬送するための搬送手段と、
を有し、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記基体の前記表面が前記本体アンテナと対向するようにして、前記メモリーアンテナ外装部材の外表面を前記本体アンテナ外装部材の外表面と接触させることによって、前記メモリーアンテナと前記本体アンテナ間の間隙位置を決めることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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