JP3782168B2 - 粘着シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粘着シート及び粘着シートの製造方法に関する。具体的には、支持体上に粘着剤層が形成された粘着シートの構造及び当該粘着シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、薬物を生体内へ投与する手段として、薬物が含有された粘着シートを皮膚に貼付する経皮吸収方法が採用されている。このような薬物含有粘着シートは、ポリエステルやポリエチレンなどのプラスチック製の支持体の片面に、経皮吸収薬物を含有させた粘着剤層が積層され、当該粘着剤層の露出された面をセパレータで被覆されている。そして、この薬物含有粘着シートは、通常、含有された経皮吸収薬物の揮散防止や湿度に対する影響を防止するために、水分に対して不透過性の包材にて個別包装されている。
【0003】
しかし、このように個別包装された薬物含有粘着シートにあっては、薬物含有粘着シートの端面から粘着剤がはみ出し、包材の内面に付着したり、支持体の背面に粘着剤が回り込み、使用時に薬物含有粘着シートを取り出しにくくなる場合があった。
【0004】
特に、粘着剤層中に、可塑剤や粘着付与剤、液状成分などを含有させた場合には、これらの物質が粘着剤層の端面から滲み出して、支持体やセパレータの背面、更には包材の内面にまで付着(回り込み)し、その結果、包材の内面に薬物含有シートが貼り付いてしまい、薬物含有粘着シートを取り出しにくくなってしまうという問題があった。
【0005】
これらの問題点を解決する方法として、例えば、(1)セパレータの大きさを大きくする、(2)さらに大きくしたセパレータの外周縁に突起状部、いわゆる堤防を設けるという方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、上記(1)のセパレータを大きくする方法であれば、粘着剤のはみ出しやセパレータの背面への可塑剤などの付着(回り込み)は防げるが、支持体側への付着(回り込み)を防ぐことができなかった。
【0007】
また、(2)のいわゆる堤防を設ける方法は非常に効果的な方法ではあるが、製造工程で用いる剥離紙が大きくなるため歩留りを低下させ、また、セパレータの外周縁に突起状部を設けるために特殊な装置が必要となる結果、製造コストが高くなるという問題があった。
【0008】
本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、安価な方法で、包材内面への粘着シートの貼り付きを防ぎ、使用時に薬物含有粘着シートを至極容易に取り出せるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、支持体と薬物を含有させた粘着剤層との間にネット状の織布又は編布を挟み込み、当該支持体の粘着剤層側と反対面に凹凸を形成すると、薬物含有粘着シートと包材の内面との実質的な接触面積が少なくなって、薬物含有粘着シートの貼り付きが効果的に防止されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の粘着シートは、支持体上に経皮吸収薬物が含有された粘着剤層を形成した粘着シートにおいて、前記支持体と前記粘着剤層との間に多数の開口部を有する凹凸形成部材を挟み込み、前記支持体の背面に高さが130μm〜1mmの凹凸を形成したことを特徴としている。
【0011】
このとき、支持体の背面に形成する凹凸の凸部の全平面積を、支持体背面の全平面積の5〜40%にするのが好ましい。また、前記凹凸形成部材には、例えば多数の開口部を有するネット状の織布又は編布を用いることができ、織布又は編布の開口部の大きさが0.1mm〜20mmのものを用いるのがよい。
【0012】
本発明の粘着シートの製造方法は、支持体上に経皮吸収薬物が含有された粘着剤層を形成した粘着シートの製造方法であって、前記支持体と前記粘着剤層との間に多数の開口部を有する凹凸形成部材を挟み込み、前記支持体の背面に凹凸を形成することを特徴としている。そして、前記凹凸形成部材にネット状の織布又は編布を用いて製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例である粘着シート1を支持体側から示す一部破断した斜視図、図2は該粘着シート1をセパレータ5側から示す斜視図、図3は図1のA−A´線断面図、図4は粘着シート1を包材6で被包した状態を示す斜視図、図5は包材6で被包された粘着シート1を示す断面図である。以下、各図に従って詳細に説明する。
【0014】
粘着シート1は、シート状あるいはフィルム状をした支持体2上に、支持体2の背面に凹凸を形成するための凹凸形成部材として織布又は編布3が積層され、織布又は編布3を支持体2との間に挟み込むようにして粘着剤層4が積層されており、さらに積層された粘着剤層4上には、プラスチックシートや紙など粘着剤層4側の表面に易剥離処理が施されたセパレータ5が積層されている。この粘着シート1の支持体2の背面には、多数の凹部11が縦横方向に形成され、凹凸状となっている。
【0015】
支持体2は、ポリエチレンやポリエステルなどの各種のプラスチックや不織布、もしくはこれらを積層した複合シートなどから作製されており、特に、粘着剤層4に含有される経皮吸収薬物を透過しない材料から作製されたものが望ましい。支持体2の厚さは2μm〜10μm程度のものが望ましく、2μmよりも薄くなると支持体2の貼り合わせ作業が困難になり、すぐに破れたりするなど強度的な問題を生じる。また、10μmよりも厚くなると、積層された織布又は編布3によって支持体2の背面に十分な凹凸が形成されなくなる。
【0016】
粘着剤層4は、アクリル系やゴム系、シリコーン系あるいはビニルエーテル系などの重合体粘着剤を主成分としており、粘着剤層4中には各種の経皮吸収薬物が配合される。経皮吸収薬物として、全身性薬物や局所用薬物を問わず経皮吸収性を有するものであれば特に限定されず用いることができ、例えば、全身性麻酔薬、催眠・鎮静薬、抗てんかん薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮暈薬、精神神経用薬、骨格筋弛緩薬、自律神経用薬、鎮痙薬、抗パーキンソン薬、抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、血圧降下薬、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、動脈硬化用薬、循環器用薬、呼吸促進薬、鎮咳去痰薬、ホルモン薬、化膿性疾患用外用薬、鎮痛・鎮痒・収斂・消炎用薬、寄生性皮膚疾患用薬、止血用薬、痛風治療用薬、糖尿病用薬、抗悪性腫瘍用薬、抗生物質、化学療法薬、麻薬などを用いることができる。
【0017】
また、粘着剤層4中には、様々な添加剤を添加することができ、経皮吸収促進剤やその他の添加剤、例えば可塑剤や粘着付与剤などを用いることができる。経皮吸収促進剤としては、主として薬物溶解性を高める化合物として、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのグリコール類、主に薬物拡散性を高める化合物として、オリーブ油、スクアレン、ラノリンなどの油脂類、角質の保水能を高める化合物として、尿素、アラントインなどの尿素誘導体、主に角質透過性を高める化合物として、ジメチルデシルホスホキシド、メチルオクチルスルホキシド、ジメチルラウリルアミド、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドのような極性溶剤、主に角質軟化性を高めるサリチル酸、主に浸透助剤としてのアミノ酸、主に毛孔開孔剤としてのニコチン酸ベンジル、主に皮膚の界面状態を変える機能があるラウリル硫酸ナトリウム、経皮吸収性が良好な薬物と併用するサロコールなどが挙げられる。
【0018】
その他ジイソプロピルアジペート、フタル酸エステル、ジエチルセバケートのような可塑剤、流動パラフィンのような炭化水素類、各種乳化剤、エトキシ化ステアリルアルコール、オレイン酸モノグリセリド、カプリル酸モノグリセリド、ラウリル酸モノグリセリドのようなグリセリンモノエステル類、あるいはグリセリンジエステル、グリセリントリエステルまたはそれらの混合物、ミリスチン酸イソプロピルやパルミチン酸オクチルのような高級脂肪酸エステル、オレイン酸、カプリル酸のような高級脂肪酸などを加えることができる。特に本発明にあっては、ジイソプロピルアジペート等の可塑剤やロジン等の粘着付与剤、あるいはジエチレングリコールやオリーブ油のような液状成分を配合した場合に、特にその効果を発揮する。
【0019】
織布又は編布3は、特に材質的に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリエステルなどの各種のプラスチック製の糸あるいは綿糸などの糸が縦横に織り込まれたり編み込まれたネット状をしており、好ましくは一定の間隔(ピッチ)で開口部13が縦横に多数設けられている。
【0020】
織布又は編布3の厚さは、粘着剤層4の厚さによっても異なるが、支持体2の背面に、高さ130μm〜1mmの凹凸を形成できる程度の厚さがあればよく、例えば、一般的な厚さである70μm〜120μmの粘着剤層4に対しては、織布又は編布3の厚さは200μm〜350μmにするのが望ましい。織布又は編布3の厚さが200μmよりも薄くなると支持体2の背面に十分な凹凸が形成されず、350μmよりも厚くなると、粘着剤が織布又は編布3の開口部13から十分に滲み出さず、粘着剤層4に支持体2をきれいに貼り合わせることが難しくなったり、粘着シート1の柔軟性が損なわれる恐れがある。
【0021】
また、織布又は編布3の開口部13の大きさは0.1mm〜20mmであることが望ましい。開口部13の大きさが20mmよりも大きくなると、支持体2表面に形成された凹部11の面積が大きくなるため、実際には凹部11を維持できず、粘着シート1を包装する包材6内面との接触面積が大きくなる。その結果、粘着シート1が包材6の内面に付着しやすくなり、粘着シート1を包材6から取り出しにくくなる。また、開口部13の大きさが0.1mmより小さくなると、粘着剤が織布又は編布3の開口部13から十分に滲み出さないため、支持体2をきれいに貼り合わせることが難しくなり、粘着シート1の作製が困難になる。なお、粘着剤が開口部13から十分に滲み出さない場合には、予め支持体面に別途粘着剤層を形成したり、接着剤を塗布して貼り合わせることもできる。
【0022】
また、支持体2の背面に形成する凸部12の高さ、つまり、支持体2背面の凹部11の底面から凸部12頂上までの高さは、130μm〜1mmとする。130μm未満であるとほとんど凹凸の効果を発揮できず、1mmより高くするには、織布又は編布3の厚みを大きくしなければならず、そのため粘着剤層4の厚みを厚くする必要があり、経済的でない。
【0023】
この粘着シート1においては、支持体2の背面に形成された凸部12により、包材6の内面との接触面積が決められる。この凸部12が支持体2の背面に対して占める面積は、用いられる粘着剤の種類や組成によっても異なり、どの程度にするかは一概に定めることはできないが、凸部12の全平面積は、支持体2背面の平面積に対して5〜40%程度にするのが好ましい。凸部12の平面積が5%未満になると、支持体2背面に形成された凹部11が包材6内面と接触するようになり、その結果、粘着シート1を包材6から取り出しにくくなる。一方、40%を越えると、粘着剤が織布又は編布3の開口部13から十分に滲み出さないため、支持体2をきれいに貼り合わせることが難しくなる。ここで、凸部12の平面積は、具体的には凹部11の底面部分を除いた面積を言い、この面積の割合は、具体的には織布又は編布3の厚さ、つまり織布又は編布3に用いられる糸の太さ(径)と開口部13の大きさや粘着剤層4の厚さ等により決められる。したがって、粘着剤の種類に応じて適切な織布又は編布3を用いることにすればよい。
【0024】
この凸部12の全平面積はいろいろな求め方ができるが、例えば、次のようにして求めることができる。一定の大きさに切り取った粘着シート1の支持体2背面に、油性の絵の具又は塗料を塗布したのち、白色の用紙に転写させる。このとき、白色の用紙には、支持体2背面の凸部12に対応する領域には絵の具が転写され、凹部11に対応する領域は白色のままに残る。この絵の具が転写された面積を求めることによって、凸部12の全平面積を求めたり、あるいは、凹部11に対応した白色領域の面積を求めたのち、残る面積を凸部12の全平面積として求めることができる。もちろん、この絵の具が転写された面積あるいは絵の具が転写されなかった白色領域の面積は、種々の方法で求めることができるが、一般的には、ほぼ円形若しくは円環状に絵の具が転写されることが多く、ほぼ円の面積として算出することができる。
【0025】
セパレータ5としても、特に材質に制約を受けるものではないが、粘着剤層4に応じたものが選択され、例えば、表面に易剥離処理がされたプラスチック製や紙製のシートあるいはフィルムなどが用いられる。もちろん、粘着剤の種類によっては易剥離処理が不要な場合もある。
【0026】
この粘着シート1を作製するためには、まずセパレータ5の易剥離処理面上に、経皮吸収薬物や経皮吸収促進剤、可塑剤など混合した粘着剤を、一般的な粘着テープ製造用の塗工機を用いて塗布して、所定の厚さに粘着剤層4を形成する。次に、粘着剤層4上に織布又は編布3を貼り合わせ、さらにその上から支持体2を重ね、適当な圧力にて互いに貼り合わせると、織布又は編布3の開口部13から粘着剤が入り込み、さらには織布又は編布3と支持体2との間にまで粘着剤が滲み出て、支持体2の背面に凹凸が形成されるとともに、粘着剤層4と織布又は編布3及び支持体2がセパレータ5に貼り合わされ、本発明の粘着シート1を作製することができる。
【0027】
こうして作製された粘着シート1は、図4に示すように1枚1枚、あるいは数枚の粘着シート1が重ねられて、包材6によって包装され、包材6をヒートシールして密封される。この包材6も、シート状あるいはフィルム状のものであれば特に限定されるものではないが、ヒートシール可能なものが望ましく、具体的には、ポリエチレンやサーリン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ハイトロンなどのヒートシール性を有するプラスチックシートを用いた包装材料が適している。特に、粘着シート1に含有する経皮吸収薬物の揮散や分散などを防止するためには、ポリエステルフィルムや金属箔などのガス不透過性フィルムを積層したものを用いるのが好ましい。なお、揮散や分散などをしない経皮吸収薬物などを用いる場合には、紙や不織布などのガス透過性シートを積層してもよいのはいうまでもない。また、この包材6としては、通常10μm〜200μmの厚さのものが用いられる。
【0028】
この粘着シート1にあっては、粘着剤層4と支持体2との間に挟み込まれた織布又は編布3によって、支持体2の背面側に凹凸が形成されているため、包材6により包装した場合、支持体2背面の凸部12と包材6とが接触するのみで、支持体2の背面と包材6との接触面積が少なくなり、両者の間に隙間を確保できる。したがって、粘着剤層4の端面から滲み出した接着剤等が、支持体2の背面に回り込んだとしても包材6の内面には支持体2背面の全面が付着せず、粘着シート1を簡単に取り出すことができる。
【0029】
また、織布又は編布3を粘着剤層4上に重ね合わせるだけであるので、製造工程も複雑にならず、外周縁に突起状部を形成したセパレータ5を用いる場合に比べ、材料費が安く付き、安価に提供できる。また、背面をエンボス加工した支持体2などを用いて、支持体2の背面に凹凸を形成する場合に比べても、材料コストや製造費が安価にできるメリットがある。
【0030】
上記実施例の粘着シート1では、凹凸形成部材として糸を編み込んだ織布又は編布3を用いた場合について説明したが、支持体2の背面に凹凸を形成できるものであれば、凹凸形成部材の材質や形状は特に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、一定の間隔で円形若しくは矩形状等にパンチ等で多数の開口部13が設けられたプラスチック製や布製のシート8などを用いることもできる。このシート8(凹凸形成部材)を用いることによっても、開口部13から粘着剤が入り込み、支持体2の背面に凹凸を簡単に形成することができ、包材6の内面との貼り付きを防ぐことができる。また、上記実施例では凹部11を縦横に配列したようになっているが、必ずしも縦横に配列する必要もなく、例えば、糸状の凹凸形成部材を、一定の間隔で並列させて、支持体2の背面に凹凸を形成することもできる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明の実施例である粘着シートについて作製し、本発明による効果を確かめた。
【0032】
(実施例1〜18)
2−エチルヘキシルアクリレート95重量部とアクリル酸5重量部を有機溶媒中で共重合して得たアクリル系粘着剤の溶液の固形分60重量部に、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)40重量部を混合したのち、粘着剤固形分100重量部に対してポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名、コロネートHL)0.14重量部を添加して架橋処理を行ない、酢酸エチルを加えて粘着剤固形分30w/w%の粘着剤溶液を得た。
【0033】
このようにして得た粘着剤溶液をポリエチレンテレフタレートからなるセパレータ上に、乾燥後の厚みが表1に示す厚さになる様に塗布し、その後乾燥して粘着剤層を作製した。次に、この粘着剤層上に、開口部の大きさが0.1〜0.3mm、厚さ220〜300μmのポリエステル製の織布を重ね、さらに厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートからなる支持体を貼り合わせ、実施例1〜18の粘着シートを作製した。なお、粘着剤が開口部から十分に滲み出さない場合には、必要に応じて支持体面に必要量の粘着剤を塗工して貼り合わせた。
【0034】
(実施例19〜22)
また、異なる粘着剤を用いて実施例19〜22の粘着シートを作製した。2−エチルヘキシルアクリレート95重量部とアクリル酸5重量部を有機溶媒中で共重合して得たアクリル系粘着剤溶液に酢酸エチルを加えて、固形分30w/w%の粘着剤溶液を得た。このようにして得た粘着剤溶液をポリエチレンテレフタレートからなるセパレータ上に、乾燥後の厚みが表2に示す厚みになる様に塗布し、その後乾燥して、粘着剤層を作製した。次に、この粘着剤層に、開口部の大きさが0.3mm、厚さ220μmの織布を重ね、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートからなる支持体を貼り合わせ、実施例19〜22の粘着シートを作製した。
【0035】
(比較例1〜6)
次に、比較例として表3に示すように、実施例1〜18と同様にして得た架橋されたアクリル系粘着剤を用いて粘着剤層を作製し、この粘着剤層上に開口部の大きさが0.3mm、厚さ100〜150μmの織布を重ねて、粘着剤層の厚みが80〜100μmである比較例1〜6の粘着シートを作製した。
【0036】
これら実施例1〜18及び実施例19〜22並びに比較例1〜6の各粘着シートを、ポリエチレンシートからなる包材でヒートシールし、粘着シートの支持体背面に形成された凹凸状態に問題がないか、包材からの取り出しがスムースに行なえたかどうかについて評価を行ない、その結果を表1及び表2並びに表3に示した。なお、表中の評価欄の○印は、支持体の背面に十分な凹凸が形成され、包材からの取り出し性が良好であったことを示し、×印は包材の内面に粘着シートが付着し、取り出し性が悪かったことを示している。なお、凸部の面積は、凸部の部分がほぼ円形若しくは円環状であると仮定して、円形(もしくは円環)の大きさを求め、概算により算出した。
【0037】
【表1】
Figure 0003782168
【0038】
【表2】
Figure 0003782168
【0039】
【表3】
Figure 0003782168
【0040】
表1〜表3から分かるように、凸部の高さを130μm以上に形成した場合には、支持体の背面に十分な凹凸が形成され、包材からの取り出し性も良好であり、130μmよりも低い凸部では包材からの取り出し性が悪かった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の粘着シートにあっては、支持体上に経皮吸収薬物を含有した粘着剤層を形成した粘着シートにおいて、支持体と粘着剤層との間に多数の開口部を有する凹凸形成部材を挟み込み、支持体の背面に特定の高さの凹凸を形成しているので、包材内面との接触面積が少なくなり、粘着剤層の端面から粘着剤が支持体の背面に回り込んだとしても、粘着剤が包材内面に付着しにくくなる。したがって、粘着シートを個別包装した場合にも、包材から簡単に取り出すことができる。また、2枚3枚と積み重ねた場合でも、粘着シート同士が貼り合わされず、1枚1枚剥がして、簡単に取り出すこともできる。
【0042】
また、支持体の背面に形成される凸部の全平面積を、支持体背面の全平面積の5〜40%にしておくと特に好ましく、包材からの取り出しが容易になる。
【0043】
凹凸形成部材として、例えば多数の開口部を有するネット状の織布又は編布を用いることにより、安価に支持体の背面に凹凸を形成することができる。このとき、織布又は編布の開口部の大きさを0.1mm〜20mmとすることにより、効果的に凹凸を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である粘着シートの支持体側から示す一部破断した斜視図である。
【図2】 同上の粘着シートをセパレータ側から示す斜視図である。
【図3】 図上の粘着シートの図1のA−A´線断面図である。
【図4】 同上の粘着シートを包材で包装した状態を示す斜視図である。
【図5】 包材で被包された同上の粘着シートの断面図である。
【図6】 本発明の粘着シートに使用可能な別な凹凸形成部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 粘着シート
2 支持体
3 織布又は編布(凹凸形成部材)
4 粘着剤層
5 セパレータ
8 開口部が設けられたシート(凹凸形成部材)
11 支持体背面に形成された凹部
12 支持体背面に形成された凸部
13 開口部

Claims (6)

  1. 支持体上に経皮吸収薬物が含有された粘着剤層を形成した粘着シートにおいて、
    前記支持体と前記粘着剤層との間に多数の開口部を有する凹凸形成部材を挟み込み、前記支持体の背面に高さが130μm〜1mmの凹凸を形成したことを特徴とする粘着シート。
  2. 前記支持体の背面に形成された凹凸の凸部の全平面積は、支持体背面の全平面積の5〜40%であることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記凹凸形成部材は、ネット状の織布又は編布であることを特徴する請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. 前記織布又は編布の開口部の大きさが0.1mm〜20mmであることを特徴とする請求項3に記載の粘着シート。
  5. 支持体上に経皮吸収薬物が含有された粘着剤層を形成した粘着シートの製造方法であって、
    前記支持体と前記粘着剤層との間に多数の開口部を有する凹凸形成部材を挟み込み、前記支持体の背面に凹凸を形成することを特徴とする粘着シートの製造方法。
  6. 前記凹凸形成部材は、ネット状の織布又は編布であることを特徴する請求項5に記載の粘着シートの製造方法。
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