JP3781300B2 - 半導体単結晶の製造方法及び半導体単結晶の製造装置 - Google Patents

半導体単結晶の製造方法及び半導体単結晶の製造装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、シリコン単結晶等の半導体単結晶の製造方法および装置に関し、詳しくは、ルツボ内の原料融液に磁場印加装置により磁場を印加しつつ、前記融液から単結晶を引き上げる磁場印加CZ法(magnetic field applied CZ法:以下MCZ法する)、及びこの方法の実施に好適な装置に関する。
背景技術
前記MCZ法が、通常のCZ法(Czochralski法)に比べて種々の点で優れていることは、よく知られている。このMCZ法の実施に使用する装置は、通常のCZ法の装置を改良したもので、ルツボ加熱用のヒータの外側に、磁場印加用の磁場印加装置(電磁石)を配備したものである。磁場印加方式としてよく用いられるものには、水平磁場方式とカスプ磁場方式との主に2種類がある。水平磁場方式は、ルツボ内のシリコン融液に対し水平な向きに磁場を印加するもので、巻き線方向が同一の1対のコイルを、軸線が水平となるように横置きして、ルツボを挟んで同軸的に対向配置する。他方、カスプ磁場方式は、シリコン融液に対しルツボ軸線を中心として放射状に磁場を印加するもので、放射状の磁場は、ルツボ内の融液を軸線方向に挟んで上下に同軸的に配置した、巻き線方向の異なる1対のコイルの同極反発磁場を利用して発生させる。
例えば、石英ルツボ内のシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる場合、上記のようなMCZ法によれば融液の熱対流が抑制され、融液表面近傍温度(引上げ単結晶の固液界面温度)の経時変動が低減されるので、転位や欠陥の発生が抑制され、均一かつ低酸素濃度のシリコン単結晶が容易に得られる利点がある。また、転位や欠陥の発生が抑制される結果、大口径の単結晶でも製造が容易である。さらに、対流が抑制される結果、ルツボ壁の劣化が生じにくいといった利点も生ずる。
ところで、従来のMCZ装置では、コイルの中心軸をルツボ内の融液面と一致させることにより、融液表面近傍の対流を抑制し、かつ該融液表面近傍より下部に熱対流を形成するようにした方式が多く用いられていた(例えば米国特許4,565,671号公報)。この装置では、引上げ中の単結晶と融液との境界層への熱伝達が高められ、ルツボ周囲と境界層との温度差を減少させることができ、かつ融液表面近傍より下方部分で十分に攪拌された融液が境界層に供給されるために、通常のCZ法に用いる装置に比べて均一な特性の単結晶が得られるのに加えて、熱応力によるルツボのクラックも防止できる利点があるとされている。また、融液量の減少に伴い、液面が低下すると磁場中心位置が融液面よりも上方にずれてしまい、効果が不十分となるので、例えば特開昭60−27682号公報には、融液面の低下に追従して磁場印加装置を下降させる技術も提案されている。
しかし、最近の単結晶の大直径化に伴い、使用する石英ルツボの口径が大きくなると、ルツボ内融液へのルツボ表面部の溶解量が増大して融液中の酸素濃度が高まるため、小型のルツボで得られた小直径の単結晶に比べて、大直径単結晶では酸素濃度が高くなりやすい新たな課題が浮上してきた。そこで、この課題の解決のため、融液に印加される水平磁場の均一度、すなわちルツボ内融液の対流抑制効果を一層高めるべく、磁場印加装置のコイル中心軸がルツボ内融液における最適位置(例えば深さ方向の中心部あるいはこれより下方)を通るように、これら磁場印加装置とルツボとの上下方向の相対位置を設定する方式が、特開平8−333191号公報に開示されている。
ところで、特開昭60−27682号公報では、融液減少による液面低下に合わせて磁場印加装置を移動させるようにしているが、CZ法では、液面が変動する方式を採用すると、育成中の結晶直径を一定に保つのが困難となる問題がある。従って、現在、CZ法を用いたほとんどのシリコン単結晶育成ラインでは、融液減少に合わせてルツボを押し上げ、融液面を常に一定位置に保持することが一般化している。
他方、特開平8−333191号公報に記載の方法を、ルツボの押し上げにより融液面を一定に保つ技術と組み合わせて用いようとした場合、シリコン単結晶の引き上げに伴いルツボ内の融液が減少したり、あるいは原料仕込み量の変更によりはじめからルツボ内に存在する融液量が変化したりすると、磁場印加装置の発生する磁場の中心位置が、融液深さ方向における最適位置からずれてしまい、ルツボ内融液の対流抑制効果が必ずしも十分に達成できなくなってしまう場合がある。
本発明の課題は、ルツボ内に存在する融液量が変化したような場合でも、対流抑制等に関する融液内の最適位置に磁場中心位置を常に保持することができ、ひいては大直径でも酸素濃度が低く均質な半導体単結晶が得られる半導体単結晶の製造方法と、その製造方法の実現に好適な半導体単結晶の製造装置とを提供することにある。
発明の開示
本発明の半導体単結晶の製造方法は、半導体単結晶等の半導体単結晶の育成炉内においてルツボに収容した原料融液に、磁場印加装置により磁場を印加しながら単結晶の引き上げを行なうMCZ法(磁界下引上げ法)により半導体単結晶を製造する方法に係り、上記の課題を解決するためにその第一の態様は、
半導体単結晶の育成炉内においてルツボに収容した原料融液に、磁場印加装置により磁場を印加しながら単結晶の引き上げを行なうMCZ法(磁界下引上げ法)により半導体単結晶を製造する方法において、半導体単結晶の引き上げ量増加に合わせて、融液の液面位置がほぼ一定となるようにルツボを上昇させるとともに、磁場印加装置を該ルツボに追従上昇させることを特徴とする。
また、本発明の半導体単結晶の製造装置は、半導体単結晶の育成炉内においてルツボに収容した原料融液に、磁場印加装置(例えばマグネット)により磁場を印加しながら単結晶の引き上げを行なうMCZ法(磁界下引上げ法)により半導体単結晶を製造する装置に係り、上記の課題を解決するためにその第一の態様は、
ルツボを昇降させるルツボ昇降機構と、
磁場印加装置を昇降させる磁場印加装置昇降機構と、
半導体単結晶の引き上げ量増加に伴い、融液の液面位置がほぼ一定となるように、ルツボを上昇させる一方、半導体単結晶の引き上げ量増加に合わせて、ルツボを磁場印加装置とともに上昇させる駆動制御部と、
を備えたことを特徴とする。
半導体単結晶の引き上げ量増加に合わせて、液面位置保持等のためにルツボを上昇させる場合、磁場印加装置を該ルツボに追従上昇させることで、磁場を常に対流抑制等に関する最適位置に保持することができ、ひいては酸素濃度が低く均質な半導体単結晶が得やすくなる。
また、本発明に係る製造方法の第二の態様は、磁場印加装置により融液に印加される磁場の磁場中心位置が、融液内に定められる目標位置に対してほぼ一定の関係が保持され、かつ半導体単結晶の引き上げ進行により融液の深さが小さくなるに従い刻々変化する目標位置に対して、磁場印加装置を追従移動させることを特徴とする。
さらに、本発明の製造装置の第二の態様は、磁場印加装置を昇降させる磁場印加装置昇降機構と、磁場印加装置により融液に印加される磁場の磁場中心位置が、融液内に定められる目標位置に対してほぼ一定の関係が保持され、かつ半導体単結晶の引き上げ進行により融液の深さが小さくなるに従い刻々変化する目標位置に対して、磁場印加装置を追従移動させる駆動制御部とを備えたことを特徴とする。
なお、本明細書において磁場中心位置とは、水平磁場方式においては融液に印加される磁場の、その強度が最大となる位置をいう。磁場発生装置が水平に横置きされた電磁石コイルを含む場合、磁場中心位置はおおむねそのコイルの中心位置と一致する。他方、カスプ磁場方式では、上下のコイル間の中心での磁場強度がほぼゼロに近くなり、結晶成長界面近傍での磁界強度は水平磁場に比べ弱くなるが、ルツボ壁付近での磁場強度を大きくすることができるため、より融液外周部での対流抑制効果が得られるという利点がある。この場合、磁場中心位置は、上記のコイル間に挟まれた空間において、コイル対向方向における磁界強度最小となる位置として定義する。この場合、寸法やターン数など両コイルの仕様が略同じであり、かつコイルへの通電電流値が略同じであれば、磁場中心位置は、両コイル間の略中央に形成される。他方、両コイルの電流のバランスを崩すことで、磁場中心位置を両コイル間の中央位置からずらすことも可能である。
CZ法では、単結晶引き上げに伴いルツボ中の半導体融液量すなわち融液深さは減少するが、本発明者らが検討したところ、対流抑制等のために融液に磁場印加する際に、その磁場中心の最適位置は融液内にて刻々変化することがわかった。そこで、その最適位置を目標位置とし、融液の深さが小さくなるに従い刻々変化するその目標位置に対して、磁場印加装置を追従移動させることにより、磁場を常に対流抑制等に関する最適位置に保持することができ、ひいては酸素濃度が低く均質な半導体単結晶が得やすくなる。なお、磁場印加装置をルツボに追従移動させる際に、磁場印加装置の移動方向の位置は連続的に変化させても、段階的に変化させてもいずれでもよい。
また、本発明においては、製造する半導体単結晶の直径を一定に保ちやすくするために、半導体単結晶の引き上げ量増加に伴い、融液の液面位置がほぼ一定となるようにルツボを上昇させる。この場合、磁場印加装置は、ルツボ内に存在している融液に印加される磁場の磁場中心位置が、融液内に定められる目標位置に対してほぼ一定の関係が保持されるように上昇させることが、融液中に発生する対流を抑制する上で望ましく、具体的には、図8に示すように、ルツボ7内に存在している融液10の深さをHL、該融液10の液面から目標位置までの深さ方向の距離をHAとして、HA/HLがほぼ一定となるように目標位置を定めるのがよい。例えば、目標位置を、ルツボ内融液における深さ方向の中心部、又はこれより下方に位置するように(すなわちHA/HLが0.5もしくはこれよりも少し大きい値となるように)設定し、磁場中心を該目標位置に合わせることにより、単結晶引上げの全工程において、ルツボ内融液のほぼ全体に所望の強度範囲の磁場を印加することができる。換言すれば、従来のHMCZ法に比べて、単結晶引上げの全工程において、ルツボ内融液に印加する磁場の強度分布の均一性を向上させることができる。この結果、ルツボ内融液の対流抑制効果が著しく高まり、酸素濃度が低く均一で、しかも欠陥の少ない大直径の単結晶を安定して製造することができる。また、ルツボ底部での融液の対流が有効に抑制されるため、融液がルツボを浸食し難くなり、ルツボの寿命を延ばすことができ、引上げ単結晶量当たりに要するルツボ個数を減少させることができる。
この場合、液面位置を一定として、HA/HLを一定に保とうとすれば、図10A〜図10Cに示すように、半導体単結晶8を引き上げることにより融液10が減少すれば、融液深さHLが小さくなる分だけルツボ7の内底位置が上昇する。従って、HA/HLが目標位置条件を満足する位置も同様に上昇する。しかしながら、本発明の方法及び装置の第一によれば、磁場印加装置をこれに追従させて上昇させることができるから、このように移動する目標位置に対して磁場中心を常に合わせ続けることができ、融液中に生ずる対流を効果的に抑制することができる。
なお、移動する目標位置は、各時刻において一点に固定的に定めてもよいし、一定の幅を持たせて設定してもいずれでもよい。
次に、本発明の半導体単結晶の製造装置の構成においては、磁場印加装置を支持する磁場印加装置支持部と、
該磁場印加装置支持部の周方向において、磁場印加装置を挟んで対向する位置にて2ヶ所、及びそれら2ヶ所の対向方向に関する片側にのみ1ヶ所の計3ヶ所にて、それぞれ当該磁場印加装置支持部を支持しつつこれを昇降させる昇降駆動ユニットとを設けることができる。
上記の構成によると、HMCZ法において採用される磁場強度は、例えば実用的な範囲で10000G程度までの範囲であるが、このために使用されるマグネット(磁場印加装置)の総重量は10トン以上にも及ぶ場合がある。上記構成によれば、このような大きなマグネットを、ルツボに対して精度よく位置決めないし上昇駆動する上で好都合であり、しかも装置全体をコンパクトに構成することが可能である。具体的には、昇降駆動ユニットを、磁場印加装置をいわば取り囲む上記の配置形態にて3ヶ所に配したから、磁場印加装置を安定的に保持することができ、コイルの水平保持精度も高められるので、磁場の位置決め精度が向上する。さらに、対向する2組の昇降駆動ユニットに関して、残余の昇降駆動ユニットをその片側にのみ配したから、これが配置されない側のスペースを利用して育成炉の解体作業等を容易に行うことができ、メンテナンス性が向上する。
また、昇降駆動ユニットは、磁場印加装置支持部に一体化される雌ねじ部と、その雌ねじ部に螺合する上下方向のねじ軸と、各ねじ軸を回転させるためにこれに噛合うウォームホイールと、該ウォームホイールに対して、回転駆動源からの回転力を伝達するウォームとを含むねじ軸ユニットとして構成することができる。これにより、ねじ軸側のウォームホイールがウォームを逆回転させることが不能に構成されていることから、マグネットの自重によるずり下がり、ひいてはそれによる位置決め精度の低下を効果的に防止ないし抑制することが可能である。
また、ねじ軸ユニットが複数設けられる場合には。単一の回転駆動源からの回転駆動力を、各ねじ軸ユニットのウォームに分配する分配伝達軸機構を設けることができる。すなわちさらに、単一の回転駆動源からの回転駆動力を、各ねじ軸ユニットのウォームに分配伝達軸機構を介して分配するようにすれば、ねじ軸の駆動源を集中化でき、装置構成をより軽量かつコンパクトなものとすることができる。
発明を実施するための最良の形態
図1は、本発明に係る半導体単結晶の製造装置の一例である、シリコン単結晶の製造装置(以下、単に単結晶製造装置ともいう)の全体概略を示す概略図である。該単結晶製造装置100は、育成炉1とその外側に磁場発生装置たるマグネット2を備えており、育成炉1の内部には、シリコン融液10を保持するための内側が石英製で外側が黒鉛からなるルツボ7と、前記ルツボ内のシリコンを加熱溶融するためのヒータ6と、ヒータ6からの輻射熱が育成炉1の内壁に直接当たらないように保護するための断熱材5等を有する。原料融液を満たしたルツボ7はルツボ軸14により下方で支えられており、ルツボ軸14の下端には単結晶8の育成に合わせてルツボを所望の値に回転できるようにルツボ駆動装置(不図示)が取り付けられている。
一方、単結晶製造装置100の育成炉上部には、ワイヤ式のCZ法単結晶製造装置であれば、原料融液10から単結晶8を育成しながら引上げるためのワイヤ9を巻き取るワイヤ巻取り巻出し機構(不図示)が設けられ、ワイヤ9の先端に取り付けられた種結晶13aを保持する為の種ホルダ13を単結晶育成時の各工程に応じて上下動および回転動できるような機構とされている。
そして、製造装置の育成炉内を清浄に保つことや、育成する単結晶中の不純物濃度を所望の値に調整することを目的とし、育成炉の上部には炉内に不活性ガスを導入するためのガス導入管11が取り付けられており、他方、炉下方にはガス導入管11から育成炉内に流入したAr(アルゴン)等の不活性ガスを育成炉外へ排出するための排ガス管12とが取り付けられている。この不活性ガス導入管より導入される不活性ガスの流量や育成炉内の圧力を、例えば流量制御器3とコンダクタンスバルブ4を含んだ流量圧力制御機構等により調整することによって、育成炉内部に付着するシリコンの酸化物を除去したり、融液から蒸発する酸素量を変化させ育成単結晶中に取り込まれる酸素量を制御したりすることができる。
さらに、MCZ法による単結晶製造装置では、製造装置育成炉1の外側に電磁石等の磁場発生装置(マグネット)2を配設してルツボ内の原料融液10に磁場を印加しながら単結晶8の育成ができる構造になっている。
この単結晶製造装置100を用いて単結晶棒を育成する際には、製造装置ワイヤ9の先端にある種ホルダ13の先端に取り付けられた種結晶13aを、図示しないワイヤ巻取り巻出し機構によりワイヤを巻き出してその先端を原料融液10に接融させ、その後、種結晶13aと原料融液を満たしたルツボ7とを互いに反対方向に回転させながらワイヤ9を静かに巻き取ることにより、種結晶の下方に単結晶8を形成する。単結晶8は、種結晶を原料融液面に接融させた際に熱衝撃によってもたられれるスリップ転位を消滅させるために形成する絞り部8aと、スリップ転位が消滅した後に絞り部直径を徐々に拡径して所望の直径となるまで単結晶径を広げる拡径部8bと、結晶を所望の直径まで拡大した後に一定の直径で単結晶棒を引上げた定径部8cと、単結晶の育成が終了し単結晶を融液から切り離す時にもたらされる熱衝撃や振動により結晶にスリップ転位が生じないように結晶直径を減少させることにより形作られた縮径部(不図示)から成っている。そして、この単結晶棒の中で最終的に半導体単結晶ウエーハにまで加工されるのは、半導体ウエーハとして必要とされる直径を有した定径部8cにあたる。
図2は、本発明の製造装置の要部を示すために、ルツボ7及びマグネット2の昇降機構等も含めた装置100の全体図の構成を模式的に示すものである(ヒータ6あるいは断熱材5等は省略して描いている)。すなわち、単結晶製造装置100は、ルツボ7を昇降させるルツボ昇降機構20と、磁場印加装置たるマグネット2を昇降させる磁場印加装置昇降機構としてのマグネット昇降機構50と、シリコン単結晶の引き上げ量増加に合わせて、ルツボ7をマグネット2とともに上昇させる駆動制御部200とを有している。なお、育成炉1にはモニタ窓部1aが形成されており、液面検出センサ45(例えばCCDカメラ等で構成される)によりルツボ7内の融液面位置が検出されるようになっている。融液面の検出方法としては、その他に結晶の育成にともない巻き取った引上げ用ワイヤの巻取り量や、引き上げた結晶重量からルツボ内に残されている原料融液の量を計算し融液面の位置を推定して、融液面位置を決める方法もある。
ルツボ昇降機構20は、前述のルツボ軸14の基端側を支持する昇降ブロック24に形成された、高さ方向の雌ねじ部24aと螺合するねじ軸21と、該ねじ軸を回転駆動する回転駆動源としてのサーボモータ23とを備えている。本実施形態では、サーボモータ23の回転出力がギア機構22によりねじ軸21に伝達されるようになっている。該ルツボ昇降機構20は、駆動制御部200により、シリコン単結晶の引き上げ量増加に伴い、融液10の液面位置がほぼ一定となるように、ルツボ7を上昇駆動される。なお、駆動制御部200は、ルツボ上昇駆動制御部とマグネット上昇駆動制御部(磁場印加装置上昇駆動制御部)とに兼用されるものである。
次に、マグネット昇降機構50は、マグネット2を昇降駆動させるためのもので、その目的は主に二つある。一つは、図5に示すように、作業者Wが作業枠70上にて、育成炉1の内部を開いて、ルツボ7内に原料を仕込んだり、あるいは製造されたシリコン単結晶8を台車71等により回収したり、さらには、ルツボ7の交換など、育成炉1の周辺に関したメンテナンス作業を行なうために、マグネット2を磁場印加位置S1からメンテナンス位置S0に待避させることができるようにするためである。本実施形態では、ルツボ7の、原料仕込位置が作業枠70の作業面よりも上方に存在している。他方、結晶引上げを行なうための引上位置は原料仕込み位置に比較的近接して設定されており、結果的にマグネット2も、ルツボ7内に向けて磁場を印加する際には作業枠70よりも上方に位置する形となる。そこで、マグネット2の少なくとも一部を作業枠70の作業面よりも下方に待避させることで、上記のメンテナンス作業を行ないやすくなる。本実施形態では、マグネット2の上面が、作業枠70の作業面とほぼ一致するようにメンテナンス位置S0が定めてあり、作業性が一層向上している。
マグネット2を移動させる第二の目的は、ルツボ7内に存在している融液10の対流抑制をより効果的に行なうために、これに印加される磁場の磁場中心位置が、融液10内に定められる目標位置に対してほぼ一定の関係が保持されるように、マグネット2を上昇移動させることにある。このとき、駆動制御部200は、シリコン単結晶の引き上げ進行によりルツボ7の底位置が上昇して融液の深さが小さくなるに伴い、目標位置を、ルツボ内の初期融液深さに基づいて予め定められた初期目標位置から上方に移動させる。また、マグネットをその上昇する目標位置に対して追従上昇させるように、具体的には、図8に示すように、ルツボ7内に存在している融液10の深さをHL、該融液10の液面から、磁場中心Hを合わせこむための目標位置Hまでの深さ方向の距離をHAとして、HA/HLがほぼ一定となるように、マグネット昇降機構50の動作を制御する。
本実施形態では、水平磁場方式を採用しており、ルツボ7内のシリコン融液10に対し磁場は水平に印加される。マグネット2は、巻き線方向が同一の1対のコイル2a,2bを含んで構成されている。マグネット2は、軸線が水平となるように横置きする形で、ルツボ7を挟んで同軸的に対向配置されている。
ここで、磁場中心の定義についてはすでに説明した通りであるが、例えば水平磁場の場合は、図1においてコイル2a,2bの中心軸線付近の磁場強度最大となる位置が磁場中心位置である。また、カスプ磁場の場合は、図12において、2つのコイル102a,102bの対向端面間距離の2等分位置付近にて磁場強度最小となる位置が磁場中心位置である。なお、本実施形態においては、水平磁場を採用する場合、磁場中心位置は、コイル2a,2bの中心軸位置と一致するものとみなし、カスプ磁場の場合は、コイル102a,102bの中心軸線と直交し、かつ2つのコイル102a,102bの対向端面間を2等分する面の位置と一致するものとみなす。
水平磁場及びカスプ磁場のいずれを採用する場合においても、磁場の強さは融液の体積や引き上げる単結晶の直径に応じて適宜設定されるが、例えば、直径200mm以上(例えば8インチ以上)の大型単結晶の育成に際しては高強度の磁場を印加して操業が行われ、磁場中心位置において例えば3000G(ガウス単位の磁束密度にて表した磁界強度により表示)以上に設定される。なお、磁場の値に特に上限はないが、実用的な範囲としては、コイルのサイズやランニングコスト等を考慮して10000G程度までの範囲にて選択するのがよい。マグネット2は、その総重量が10トン以上にも及ぶ場合がある。
図2に示すように、マグネット昇降機構50は、マグネット2を支持するマグネット支持部32と、そのマグネット支持部32に一体化される昇降ブロック31と、その昇降ブロック31に形成される雌ねじ部31aに螺合するねじ軸35と、該ねじ軸と連動回転するウォームホイール33と、当該ウォームホイール33に対して、回転駆動源としてのサーボモータ38からの回転力を伝達するウォーム34とを有するねじ軸ユニット30を、計3組含んで構成されている。
マグネット支持部32は、マグネット2を下側から支持するプレート状に形成されている。そして、図3に示すように、該プレート状のマグネット支持部32の外周縁に沿って複数箇所に昇降ブロック31が取り付けられ、それら各々の昇降ブロックに対応してねじ軸ユニット30が形成されている。図4A(平面図)及び図4B(正面図)に示すように、個々の昇降ブロック31には、該昇降ブロック31を高さ方向に貫通するガイド孔45が形成され、それらガイド孔45にそれぞれ、基端側が装置ベース46に固定されるガイドロッド47が挿通されている。ガイドロッド47を設けることにより、ねじ軸35のたわみあるいは挫屈を効果的に防止でき、そのスムーズな昇降と昇降駆動の位置精度とを向上させることができる。本実施形態では、ガイド孔45及びガイドロッド47の組が、ねじ軸35を取り囲む形態で4以上(ここでは、4組)形成されており、上記の効果が一層高められている。また、高価なねじ軸35の外径縮小も実現され、装置の軽量化とコスト削減にも寄与している。
なお、図4A及び図4Bの構成では、各ガイドロッド47の上端は上方支持ベース30bに、また、下端は下方支持ベース46にそれぞれ回転不能に固定されている。さらに、ねじ軸35の上端及び下端は、それぞれ上方支持ベース30b及び下方支持ベース46に埋設されたベアリング30c及び30dを介して回転可能に支持されている。さらに、ウォームホイール33は、ねじ山の形成されていない下端部に同軸的に一体化されており、下方支持ベース46上に固定されたギアボックス30a内に収容されている。他方、ウォームホイール33と係合するウォーム34は、ウォーム駆動軸58に取り付けられ、該ウォーム駆動軸58のウォーム取付け側の端部及びウォームホイール33とともにギアボックス30a内に収容されている。ウォーム駆動軸58の他方の端部はギアボックス30aの側面からほぼ水平に延出し、後述する伝達ジョイント57あるいは60に接続されている。
図3に戻り、プレート状のマグネット支持部32には、ルツボ7を収容する育成炉1との干渉を避けるための貫通部48が形成されるとともに、マグネット2はその貫通部48を挟んで対向する又は取り囲む形態で配置されている。具体的には図1の水平磁場方式の場合は、図3に一点鎖線で示すように、マグネット2を構成する2つのコイル2a,2bが、貫通部48を水平方向に挟んで対向する形態で、マグネット支持部32の上面に配置される。他方、カスプ磁場用のマグネット102(図12)を配置する場合は、図3に破線で示すように、中空のコイル102a,102bのキャビティが貫通部48と一致する形態で、該貫通部48を取り囲むように配置される。そして、複数の昇降ブロック31は、マグネット2あるいは102の外側において、貫通部48を取り囲む形に(すなわち、マグネットを取り囲む形に)配置されている。
次に、回転駆動源たるサーボモータ38からの回転駆動力は、各ねじ軸ユニット30のウォーム34(図4A及び図4B)に分配伝達軸機構51を介して分配されている。また、貫通部48は、プレート状のマグネット支持部32の縁部に開口する切欠き(以下、切欠き48という)とされている。この切欠き48の開口側にはねじ軸35は配置されていない(つまり、水平方向に対向するねじ軸35の組の片側にのみ残余のねじ軸35が配置されている)。これにより、育成炉1の解体作業を行なう際のメンテナンス性を向上させることができる。なお、剛性の比較的低いマグネット支持部32の切欠き48が開放する側の縁を、その切欠き48の開口部両側に各一つずつ配置された2組のねじ軸ユニット30により支持することで、マグネット支持の安定性及び水平性を良好に保つことができ、ひいては高重量のマグネットを精度よく移動させることができる。本実施形態では、剛性の比較的高い切欠き底側の縁を、該縁のほぼ中央位置にて1つのねじ軸ユニット30を配する3点支持構造とすることで、装置の一層のコンパクト化及び軽量化が図られている。
本実施形態では、マグネット支持部32は方形に形成され、切欠き48はその一縁に開放する形態に形成されている。また、マグネット支持部32の板面方向において、切欠き48の深さ方向における底側を後方側、開口側を前方側として、サーボモータ38は、平面視においてマグネット支持部32の、切欠き48の底側の縁(後方縁)に隣接して配置されている。分配伝達機構51は、回転駆動源38からの駆動出力軸52に伝達ジョイント53を介して接続されるとともに、マグネット支持部32の後方縁に沿って配置された後方伝達軸54と、その後方側伝達軸54の両端に基端部が伝達ジョイント55,55を介して接続されるとともに、先端側がそれぞれマグネット支持部32の両側縁に沿って伸びる1対の側方伝達軸56,56とを備える。
そして、マグネット支持部32の後方縁中間位置に対応して複数のねじ軸昇降機構30の少なくとも1つのものが配置され、後方伝達軸54の中間位置に配置された分岐ジョイント57から伸びるウォーム駆動軸58に、そのねじ軸昇降機構を構成するウォーム34(図4A及び図4B)が取り付けられる一方、切欠き48の開口部両側に配置されたねじ軸昇降機構30,30に含まれるウォーム34は、各側方伝達軸56の先端側に伝達ジョイント60,60を介して接続されるウォーム駆動軸58,58に取り付けられている。なお、伝達ジョイントあるいは分岐ジョイントは、本実施形態ではベベルギアジョイントとして構成されているが、他の方向変換継ぎ手機構、例えばユニバーサルジョイント等を用いてもよい。
なお、図11に示すように、マグネット昇降機構50の回転駆動源38の回転数を、シリコン単結晶を引き上げる際の低速モードと、メンテナンス等のためにマグネット2を低速モードにおける昇降速度よりも高速にて昇降させる高速モードとの間で切り替える変速機構65を設けることができる。変速機構65により、高速モードに切り替えることで、メンテナンス時におけるマグネットの待避や、単結晶引き上げ工程に移行する際のマグネットの上昇開始位置へのセット等を迅速に行なうことが可能となる。変速機構65自体は公知のギア式のものを使用できる。なお、図11では、変速機構65はモータ38の出力軸に取り付けられ、駆動制御部200からの指令を受けた変速コントローラ66により、ギアチェンジ動作するようになっている。
図6は、シリコン単結晶装置100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。駆動制御部200は出入力インターフェース201、制御の主体となるCPU202、制御プログラムを格納したROM204及び制御プログラム実行のワークエリアとなるRAM203を有したコンピュータ(以下、制御コンピュータ200ともいう)にて構成されている。出入力インターフェース201には、シリコン単結晶製造の制御パターンデータベースを記憶したハードディスクドライブ等の記憶装置205と、制御情報の入出力等を行なうためのモニタ206及びマウスやキーボード等の入力部207が設けられている。制御パターンデータベースは、例えばシリコン単結晶の製造種別特定データ、例えば製造品番と制御パターンデータ(動作スケジュールパターン)とが互いに対応付けた形で記憶されており、入力部207により製造種別特定データを入力(ないし、モニタ206に表示された品番リストからのマウスクリック等による選択)により、対応するものが読み出されて使用される。
他方、制御コンピュータ200には、ルツボ昇降機構20及びマグネット昇降機構50の駆動用のサーボモータ23及び38が、それぞれサーボコントローラ214及び210を介して接続されている。また、ルツボ7及びマグネット2の現在位置を検出する位置検出センサとしてのパルスジェネレータ(PG)26及び42がそれぞれパルスカウンタ212,208を介して接続されている。これらPG26,42は、本実施形態ではいずれもサーボモータ23,38の回転軸の回転を検出する回転センサとしてのロータリーエンコーダが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばルツボ7及びマグネット2の位置を直接検出するリニアエンコーダ等で構成してもよい。
本実施形態では、PG26,42は、サーボモータ23及び38の回転速度検出部の役割を兼ねており、それらのパルス出力に基づいてモータ回転速度を演算する速度演算部213,209に入力されている。そして、各サーボコントローラ214,210は、制御コンピュータ200からD/A変換器215,211を介して入力される各モータの速度指示値を受け、速度演算部213,209からのモータの現在速度値を参照して、サーボモータ23,38を指示値通りの回転速度となるようにフィードバック制御する役割を果たす。
なお、本実施形態では、各サーボモータ23,39は、重量の大きいマグネットを、単結晶引き上げ時の微速移動からメンテナンス時の高速移動まで安定して駆動できるように、広い回転速度範囲にて高トルクが得られ、さらにインバータ制御により始動時に大電流が流れにくく、過負荷状態を生じにくい交流誘導モータを使用している。各サーボコントローラ214,210は、これら交流誘導モータを、インバータによる周波数変更により速度制御することとなる。なお、本実施形態では、各サーボモータ23,38の出力は、図示しない減速機を用いてトルク変換した後、ねじ軸ユニット30に分配されるようになっている。
なお、各サーボモータ23,38には、停電時あるいは回転異常等のその他の異常が発生したときに、その回転駆動を停止させるブレーキ216,19が設けられている。例えば、高重量のマグネット2を駆動するためのモータ38には、図2に示すように、モータ出力軸と直結された電磁ブレーキ19が使用されている。これら電磁ブレーキはノーマルクローズ方式の無励磁作動型のものが使用されており、装置の作動電源から分配されたブレーキ励磁電源に接続されている。例えば、停電時等においてブレーキ励磁電圧が低下した場合に自動的に作動するほか、回転異常等が発生した場合は、制御コンピュータ200からのブレーキ作動信号を受ける形でも作動するようにしてある。
以下、制御プログラム(図6)によるシリコン単結晶装置100の動作について説明する。まず、図7Aに示すように、マグネット2は待避位置S0(図5も参照)、ルツボ7は原料仕込み位置に位置させた状態としておく。この状態でルツボ7内に原料RMを仕込み、育成炉1のチャンバーを閉塞する。次いで、制御パターン選択のため、製造品番を入力する。
次に、その入力された製造品番に対応する制御パターンデータがデータベースから読み出されて、RAM203(図6)にロードされる。制御パターンデータは、初期ルツボ位置YC0、初期マグネット位置YM0、ルツボ移動速度VC、マグネット移動速度VM、ルツボ停止位置YCt、マグネット停止位置YMt等を含む。ルツボ移動速度VC及びマグネット移動速度VMは一定値をセットしてもよいし、時間的に変化させる必要があるときは、各時刻の速度値データとして与えることができる。なお、時刻計測は、例えば図示しないクロック回路からのクロックパルスを直接受けてカウントアップするクロックタイマーカウンタにより計測できる。
次いで、図7Bに示すように、ルツボ7とマグネット2とを、それぞれ昇降駆動機構20,30の動作により、初期位置YC0及びYM0へ移動・位置決めする。ルツボ7の初期位置YC0は、単結晶育成開始時の融液量(以下、初期融液量という)とルツボ寸法とから見積もられる、初期融液深さから予測される初期液面位置が、予め定められた保持液面位置LAと一致するように定められる。また、初期融液深さHLに対する液面から初期磁場中心位置Hまでの距離HAの比HA/HLが、予め定められた値(例えば0.5)と等しくなる位置を初期目標位置CAとして、磁場中心位置が該初期目標位置CAと一致するように、マグネット2をルツボ7に対して位置決めする。なお、初期融液量は、例えば空のルツボに多結晶シリコン原料を所定量投入して溶融させた場合には、投入した多結晶シリコン原料の量に略等しくなる。他方、初期融液量を確保するために必要な量の多結晶シリコン原料を一括溶融することが困難な場合は、投入原料を複数のバッチに分割し、先のバッチの溶融が完了したら次のバッチを投入する形で、逐次的に溶融を行うこともできる。他方、先の単結晶引き上げ完了後に、ルツボ内に融液が残留している場合には、その残融液に多結晶シリコン原料を追加投入して、全体として初期融液量が確保されるようにしてもよい。
そして、育成炉1内を真空減圧し、マグネット2を励磁して必要な磁場を発生させ、この状態でヒータ6によりルツボ7内の原料の加熱を開始する。このようにすると、結晶引き上げ工程に移行する前の段階、すなわち原料溶解の段階から、磁場中心Hを融液中の目標位置に合わせ込んでおく形になるため、対流抑制による酸素濃度低減効果をより顕著に発揮させることができる。
なお、図9A及び図9Bに示すように、ルツボ7内の融液量に応じて初期融液深さが変化する場合がある。この場合、育成炉1が炉毎に固有の温度分布を有していることを考えれば、初期融液深さとは無関係に融液高さを一定の値とすることが、引き上げる単結晶の直径制御の精度を高める上でより望ましい。この場合、初期融液深さが変われば、ルツボ7の初期位置も融液面を一定とするために変更する必要が生じる。そこで、マグネット2の初期位置YM0を変更することにより、その変更された初期目標位置に磁場中心位置を合致させることができ、ひいては初期融液深さがどのような値になっても、磁場中心Hを常に最適の位置に設定することができる。
他方、マグネット2を、図12に示すようなカスプ磁場用のマグネット102に交換することもできる。カスプ磁場用のマグネット102は、水平磁場用のマグネット2とは寸法も配置形態も全く異なる。従って、ルツボ7内の液面位置を一定とする以上、マグネット支持部32の位置が固定になっていると(すなわち、マグネットの移動が不能になっていると)、磁場中心は最適位置から大幅にずれてしまうため、単結晶引き上げの全工程においてルツボ内融液の対流抑制効果を得ることは困難になる。こうした事情のため、従来の装置では、同じ装置でマグネット交換により、水平磁場用のマグネットとカスプ磁場用のマグネットとの双方を使用可能とすることは実質的に不可能であったといえる。しかしながら、本実施形態のように、マグネット昇降機構によりマグネット支持部32の位置が昇降可能かつ任意の位置を保持可能となっていれば、カスプ磁場用のマグネット102に交換しても、その磁場中心位置を最適位置に簡単に変更することができる。
原料が溶解して融液温度が目標値に達したら、シリコン単結晶の引き上げ工程に移る。シリコン単結晶8の育成は、以下のようにして実施される。まず、図7Cに示すように、ワイヤ9(前述の通り、育成炉1の上方に位置するワイヤ巻上げ機構から巻き出されたものである)の先端の種ホルダ13に種結晶Eを取り付けておく。そして、原料の溶融が完了したら、ワイヤ9を静かに巻き出して種結晶先端をシリコン融液10に着液させ、回転させながら静かにワイヤ9を巻き取ることによって、種結晶の先端に単結晶を育成させていく。このとき、ルツボ7は育成している結晶と反対方向に回転させているが、シリコン単結晶中に導入される酸素量を所望の値とするために、ルツボ7の回転を適宜調整して、ルツボ7の内側にある石英ルツボからの酸素の溶出速度を制御している。また、育成中の結晶直径を一定に保つために融液面を常に一定位置に保持する必要があるので、図10A〜図10Cに示すように、結晶力が引き上げられたことにより融液面が下がった分だけルツボ7をルツボ昇降機構20により押し上げ、融液面を常に一定に保つようにする。なお、図10A〜図10Cでは、ルツボ底位置の変化をわかりやすくするために、ルツボ7の内面のみを示している。
そして、このヒータ6により融解されたシリコン融液10には、マグネット2によって磁場が印加されている。融液10へ磁場を印加することによりルツボ7内での融液の対流が抑制され、ルツボ7の内側にある石英ルツボ壁の劣化を抑制することができる。また、対流が抑制されていることにより、融液10の温度バラツキも抑えられ操業を安定した状態で行なうことができることから、磁場を融液10に印加しながら単結晶の育成を行なうMCZ法は大口径、長尺の単結晶棒を育成するのに適している。
ここで、磁場中心位置Hは、融液に発生する対流の抑制効果を高めるために、先にも述べたように、HA/HLがある決められた値になるように、融液10に対して位置決めされている。シリコン単結晶8の引き上げが進行するに伴い、ルツボ7内の融液量すなわち融液深さHLは減少する。ここで、ルツボ7の位置を固定したままでは液面が次第に低下するから、これを相殺するために、見込まれる液面低下速度と同じ速度VCにてルツボ7をルツボ昇降機構20により上昇させている。
他方、融液10に対する磁場中心Hの位置合わせ位置は、先にも説明した通り、融液深さHLを基準として、液面からの距離HAとの比HA/HLが一定となる目標位置に保持しなければならない。この最適位置は、液面一定の条件のもとで、融液深さHLの減少、すなわちルツボ底位置の上昇とともに刻々上方へ移動する。そこで、マグネットを、この最適位置の移動に追従する速度VMにて上昇させるのである。
ここで、目標位置はHA/HLが一定となるように設定される一方、ルツボ底位置は、単位時間あたりにルツボ上昇速度VCと等しい速度で上昇する。すなわち、融液深さHLは、単位時間あたりにルツボ上昇速度VCと等しい速度で減少する。従って、時間t当たりの融液深さHLの減少量は、
ΔHL=VC・t……▲1▼
と表すことができる。従って、初期融液深さHLをHL0とすれば、時間tが経過したときの融液深さHL(t)は、
HL(t)=HL0−ΔHL=HL0−VC・t……▲2▼
で表すことができる。一方、液面からの目標位置までの距離を表すHAの時間t当たりの減少量ΔHAは、目標位置にマグネットを追従させて動かすのであるから、マグネット移動速度VMとHAの初期値HA0を用いて、同様に、
HA(t)=HA0−ΔHA=HA0−VM・t……▲3▼
と表すことができる。ここで、▲2▼を▲3▼に代入し、HA/HL=一定に注意して、▲3▼式をVMについて解くと、
VM=(HA/HL)・VC……▲4▼
が得られる。つまり、マグネット移動速度VMは、ルツボ移動速度VCよりもHA/HLに相当する比率にて小さく設定しなければならない。
そこで、図6のブロック図の構成では、駆動制御部たる制御コンピュータ200は、ルツボ7とマグネット2とを同時上昇させる際に、個別に定められた動作スケジュールパターンに基づいてルツボ昇降機構20とマグネット昇降機構50とを上昇駆動制御するようにしている。つまり、速度指示値として、ルツボ駆動用のサーボモータ23に対しては、そのサーボコントローラ214に対し、ルツボ移動速度VCを指令し、マグネット駆動用のサーボモータ38に対しては、そのサーボコントローラ210に対し、先のVCとは異なるマグネット移動速度VMを指令するようにしている。このようにすることで、互いに異なる速度にて上昇すべきマグネット2とルツボ7との上昇制御をよりきめ細かく行なうことができ、また、メンテナンス等のためマグネットのみを単独で制御したい場合に、余分な周辺回路やプログラムルーチンを設けなくてすむ利点がある。
図9A及び図9Bに戻り、ルツボ7とマグネット2とは、単結晶の引き上げが終了し、ルツボ7とマグネット2とが停止位置YCt及びYMtに到達するまで継続される。そして、停止位置に到達すれば、ルツボ昇降機構20とマグネット昇降機構50とによるルツボ7及びマグネット2の上昇動作を停止する。停止位置に到達したか否かは、図6のパルスカウンタ208あるいは212から出力されているPG42及び26のパルスカウント値が、停止位置YCt及びYMtに対応する値に到達したか否かにより知ることができる。そして、単結晶の切り離しを行い、ヒータによる加熱を停止して炉内を冷却し、その冷却を完了すればマグネット2を図5の待避位置へ移動させる。そして、ルツボ7を解体位置へ移動させ、チャンバーを開放してメンテナンス作業に入る。
なお、マグネット(磁場印加装置)2の移動は、図15Aに示すように、時間とともに連続的に位置変化させる形で行なうことができる。このようにすれば、刻々変化する目標位置をマグネット2が精密に追跡しつつ移動する形になるので、磁場を対流抑制等に関する最適位置に保持する効果が一層高められる形となる。他方、図15Bに示すように、マグネット2を時間とともに段階的に位置変化させる形で行なうこともできる。例えば、融液中の最適位置が実質的には一定の幅を持って存在しており、融液に対する磁場印加位置が多少ずれても、対流抑制等の効果には大きな変動を生じないと考えられる。そこで、その最適位置の幅に対応した移動幅により、マグネット2の位置を段階的に変更する方式を採用することが可能である。該方式は、特に重量の大きいマグネットにおいて、移動時の位置決め精度をそれほど高く確保できないような場合に有効であると考えられる。
以下、上記装置100の制御形態の種々の変形例について説明する。
まず、図6のブロック図による構成では、ルツボ7とマグネット2との移動速度(すなわち、サーボモータ23及び38の回転速度)を制御パラメータとする形で、制御パターンデータを与えていたが、ルツボ7とマグネット2との刻々変化する目標位置そのものを制御パラメータとする形で、制御パターンデータを与えてもよい。この場合、現在のマグネット2の位置が目標位置よりも低ければマグネット2の移動速度を増加させる制御を行い、目標位置よりも高ければ移動速度を逆に減少させる制御を行なうことができる。この場合、現在のマグネット2の位置の目標位置からの隔たりに応じて、マグネット2の移動速度の増分ないし減少分を調整すること、具体的には目標位置からの隔たりが大きくなるほど、移動速度の増分ないし減少分を大きくする制御を行なうことができる。
また、刻々変化する目標位置は、各時刻毎に固定的に定めてもよいが、前述のように、最適位置に幅が存在することを考量して、一定の幅を持たせて設定することも可能である。この場合、マグネット2の移動方向において、上限位置と下限位置とを有した目標位置区間を時刻毎に設定し、例えばマグネット位置が下限位置よりも下側に外れていればマグネットの移動を加速し、逆に上限位置よりも上側に外れていればマグネットの移動を減速する制御を行なうことができる。また、目標位置区間内にマグネット位置が存在する場合は、移動速度を一定に保持するように制御を行なうことができる。このようにすると、目標位置区間が制御上の一種の不感帯の役割を果たし、制御の安定化を図ることができる。この場合、前述のHA/HLの値は、厳密に一定となるのではなく、目標位置に付与された幅の範囲内で変動することもありえる。
なお、制御パターンデータを、移動速度を制御パラメータとする形で用意しておき、これを制御用コンピュータ200にて、時刻毎の位置情報に変換して出力するようにしてもよい。
また、図6のブロック図の構成では、ルツボ7とマグネット2とを、個別に定められた動作スケジュールパターンに基づいて上昇駆動制御していたが、ルツボ移動速度VCとマグネット移動速度VMとの間には、前述の▲4▼式のような一定の関係が成り立っていることから、共通に定められた動作スケジュールパターンに基づいてルツボ昇降機構20とマグネット昇降機構50とを上昇駆動制御するようにしてもよい。例えば速度を制御パラメータとして使用する場合は、図13に示すように、共通速度指示パラメータVGを、速度指示値変換部(演算増幅器等により簡単に構成できる)220,221にて、マグネット昇降機構50側とルツボ昇降機構20側とにてそれぞれ必要とされる速度指示値VM,VCに変換して、各サーボコントローラ210,214に与えるようにする。この場合、制御コンピュータ200では、停止制御等のために、マグネット2かルツボ7のいずれか一方の位置だけをモニタするように構成することができる。なお、位置を制御パラメータとして用いる場合は、速度指示値変換部220,221を位置指示値変換部に変更すればよい。
さらに、図2では、液面検出センサ45は、突発的な液面変化や乱れ等が生じないかどうかを単に監視する目的で設けていたが、液面位置を検出してこれが一定となるように、ルツボ昇降機構20とマグネット昇降機構50との作動をフィードバック制御することもできる。この場合のブロック図の一例を図14に示す。液面センサ45からの出力を解析回路230にて解析することにより液面位置出力を生成し、これを制御コンピュータ200からの液面指示値(一定値とされる)と比較部231(差動増幅器にて構成できる)に入力する。比較部231は、液面位置のずれ量に応じて速度指示値信号を生成し、ルツボ昇降機構20のサーボコントローラ214にこれを出力する。サーボモータ23の回転速度を検出するPG26のパルス出力は、速度演算部213において現在速度値に変換され、サーボコントローラ214に入力される。サーボコントローラ214は、比較部231から指示された速度指示値に現在速度値が近づくように、サーボモータ23の回転速度を調整する。これによりルツボ7の上昇速度は、液面位置が一定となるように調整される。
次に、ルツボ7の現在上昇速度を示す速度演算部213の出力は、マグネット2をこれに追従移動させるために、マグネット昇降機構50側のサーボコントローラ210にも速度指示値として分配される。ただし、マグネット移動速度VMとルツボ移動速度VCとの間には、前述の▲4▼式のような関係があるため、速度変換部232にてマグネット移動速度VMに対応した速度指示値に変換した後、サーボコントローラ210に入力される。サーボコントローラ210は、PG42からの出力から速度演算部209が演算した、マグネット昇降機構50側のサーボモータ38の現在回転速度が、速度変換部232からの速度指示値に近づくように、サーボモータ38の回転速度を調整する。これによりマグネット2の上昇速度は、ルツボ7内の前述の目標位置に追従するように調整される。なお、ルツボ7やマグネット2の上昇停止を指令するために、ルツボ7及びマグネット2の少なくともいずれか、ここではルツボ7の現在位置が、ルツボ昇降機構20側のPG26からのパルスをパルスカウンタ212によりカウントすることでモニタされ、そのカウンタ出力を参照して制御コンピュータ200は上昇停止指示信号を出力する。この信号は、現在位置を示すカウンタ212の出力とともに制御信号発生部233に入力される。両信号が一致すれば、制御信号発生部233が各サーボコントローラ214,210に停止信号出力し、各サーボコントローラ214,210はこれを受けて各サーボモータ23及び38の動作を停止させる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様の作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。例えば、本発明はシリコン単結晶の育成についてのみ説明を行なってきたが、CZ法を用いて単結晶を育成する方法であれば、本発明のシリコン以外の結晶成長に利用可能なことは言うまでもなく、GaAs結晶等の化合物半導体の製造及び装置においても、本発明を適用することは十分可能なものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のシリコン単結晶の製造装置の要部を示す模式図。
図2は、図1の装置の全体構成を示す模式図。
図3は、マグネット昇降機構の構成例を示す平面図。
図4Aは、ねじ軸ユニットの構成例を示す平面部分断面図。
図4Bは、ねじ軸ユニットの構成例を示す正面部分断面図。
図5は、マグネット昇降機構の作用の一つを説明する図。
図6は、図2の装置の電気的構成の一例を示すブロック図。
図7Aは、図2の装置によるシリコン単結晶の製造方法の一例を示す工程説明図。
図7Bは、図7Aに続く工程説明図。
図7Cは、図7Bに続く工程説明図。
図8は、磁場中心に対する目標位置の説明図。
図9Aは、原料仕込み量により初期目標位置が変化する様子を示す説明図。
図9Bは、図9Aに続く説明図。
図10Aは、図9Bに続く工程説明図。
図10Bは、図10Aに続く工程説明図。
図10Cは、図10Bに続く工程説明図。
図11は、変速機構の一例を示す模式図。
図12は、カスプ磁場発生用マグネットの一例を示す模式図。
図13は、図2の装置の電気的構成の、第二変形例を示すブロック図。
図14は、同じく第三変形例を示すブロック図。
図15Aは、マグネットを移動させる際に、その位置変更を連続的に行なう場合を例示して示す概念図。
図15Bは、マグネットを移動させる際に、その位置変更を段階的に行なう場合を例示して示す概念図。

Claims (9)

  1. 半導体単結晶の育成炉内においてルツボに収容した原料融液に、磁場印加装置により磁場を印加しながら単結晶の引き上げを行なうMCZ法(磁界下引上げ法)により半導体単結晶を製造する方法において、半導体単結晶の引き上げ量増加に合わせて、前記融液の液面位置がほぼ一定となるように前記ルツボを上昇させるとともに、
    前記ルツボの上昇速度をVC、前記ルツボ内に存在している融液の深さをHL、該融液の液面から前記目標位置までの深さ方向の距離をHAとして、前記磁場印加装置の移動速度VMが、ルツボ移動速度VCよりもHA/HLに相当する比率にて小さく設定された形で、該磁場印加装置を前記ルツボに追従上昇させることを特徴とする半導体単結晶の製造方法。
  2. 半導体単結晶の育成炉内においてルツボに収容した原料融液に、磁場印加装置により磁場を印加しながら単結晶の引き上げを行なうMCZ法(磁界下引上げ法)により半導体単結晶を製造するための装置において、
    前記ルツボを昇降させるルツボ昇降機構と、 前記磁場印加装置を昇降させる磁場印加装置昇降機構と、 前記半導体単結晶の引き上げ量増加に伴い、前記融液の液面位置がほぼ一定となるように前記ルツボを上昇させる一方、前記半導体単結晶の引き上げ量増加に合わせて、前記ルツボの上昇速度をVC、前記ルツボ内に存在している融液の深さをHL、該融液の液面から前記目標位置までの深さ方向の距離をHAとして、前記磁場印加装置の移動速度VMが、ルツボ移動速度VCよりもHA/HLに相当する比率にて小さく設定された形で、該磁場印加装置を前記ルツボとともに上昇させる駆動制御部と、
    を備えたことを特徴とする半導体単結晶の製造装置。
  3. 前記駆動制御部は、前記ルツボと前記磁場印加装置とを同時上昇させる際に、個別に定められた動作スケジュールパターンに基づいて前記ルツボ昇降機構と前記磁場印加装置昇降機構とを上昇駆動制御するものである請求の範囲第2項に記載の半導体単結晶の製造装置。
  4. 前記駆動制御部は、前記ルツボと前記磁場印加装置とを同時上昇させる際に、共通に定められた動作スケジュールパターンに基づいて前記ルツボ昇降機構と前記磁場印加装置昇降機構とを上昇駆動制御するものである請求の範囲第2項又は第3項に記載の半導体単結晶の製造装置。
  5. 前記磁場印加装置を支持する磁場印加装置支持部と、 該磁場印加装置支持部の周方向において、前記磁場印加装置を挟んで対向する位置にて2ヶ所、及びそれら2ヶ所の対向方向に関する片側にのみ1ヶ所の計3ヶ所にて、それぞれ当該磁場印加装置支持部を支持しつつこれを昇降させる昇降駆動ユニットと、
    を備える請求の範囲第2項ないし第4項のいずれかに記載の半導体単結晶の製造装置。
  6. 前記磁場印加装置を支持する磁場印加装置支持部と、 前記磁場印加装置支持部を支持しつつこれを昇降させる昇降駆動ユニットとを備え、
    前記昇降駆動ユニットは、前記磁場印加装置支持部に一体化される雌ねじ部と、その雌ねじ部に螺合する上下方向のねじ軸と、各ねじ軸を回転させるためにこれに噛合うウォームホイールと、該ウォームホイールに対して、回転駆動源からの回転力を伝達するウォームとを含むねじ軸ユニットとして構成されている請求の範囲第2項ないし第5項のいずれかに記載の半導体単結晶の製造装置。
  7. 単一の回転駆動源からの回転駆動力を、複数設けられた前記ねじ軸ユニットの各ウォームに分配する分配伝達軸機構を備える請求の範囲第6項に記載の半導体単結晶の製造装置
  8. 前記磁場印加装置支持部は、コイルを下側から支持するプレート状に形成されるとともに、その外周縁に沿って複数箇所に前記昇降ブロックが取り付けられ、それら各々の昇降ブロックに対応して前記雌ねじ部が形成されるとともに、
    個々の昇降ブロックには、該昇降ブロックを高さ方向に貫通するガイド孔が形成され、それらガイド孔にそれぞれ、基端側が装置ベースに固定されるガイドロットが挿入されてなり、かつ前記ガイド孔及び前記ガイドロットの組が、前記ねじ軸を取り囲む形態で4箇所以上に配置されている請求の範囲第6項又は第7項に記載の半導体単結晶の製造装置。
  9. 前記磁場印加装置昇降機構の回転駆動源の回転数を、前記半導体単結晶を引き上げる際の低速モードと、メンテナンス等のために前記磁場印加装置を該低速モードにおける昇降速度よりも高速にて昇降させる高速モードとの間で切り替える変速機構が設けられている請求の範囲第2項ないし第8項のいずれかに記載の半導体単結晶の製造装置。
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