JP3780693B2 - アザチオキサンテン系化合物及びその製造方法 - Google Patents
アザチオキサンテン系化合物及びその製造方法Info
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なアザチオキサンテン系化合物に関する。本発明の化合物は機能性色素、特に赤色系蛍光性色素として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、蛍光性色素について種々の構造及び発光色の色素が知られているが、赤色に高輝度で発光し、更に堅牢性、溶解性等の優れた化合物は少ない。
例えば、特開昭50−101425及びDyes and Pigments3(1982)59−69頁には、下記構造のアザチオキサンテン系化合物が堅牢な蛍光性色素であることが記載されているが、その色調は何れも蛍光菫色(ポリメタクリレート中)である。
【0003】
【化4】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
蛍光性色素化合物については、その多様性、機能性等のより一層の拡大を求めて、常に新しい化合物の開発が求められている。本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、発光輝度が高く、堅牢で、且つ、溶解性の良好な赤色系蛍光性色素として有用な新規化合物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は種々検討の結果、前述の菫色のアザチオキサンテン系色素のアルコキシ基のアルキル基に更に置換基を導入することによって、赤色に高輝度で発光し、更に堅牢性、溶解性等の優れた化合物が得られることを知り、本発明を達成した。即ち本発明の要旨は、下記一般式(1)で示されるアザチオキサンテン系化合物に存する。
【0006】
【化5】
(式中、Rはアリール基、アルコキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1個の置換基を有するアルキル基を表す。)
【0007】
本発明の要旨は又、下記一般式(2)
【化6】
(式中、Rはアリール基、アルコキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1個の置換基を有するアルキル基を表す。)
で示される2−置換アルコキシ−1−アザ−3−ブロモベンゾアントロンを、不活性溶媒中で、塩基存在下、o−アミノチオフェノールと反応させ、得られる下記一般式(3)
【化7】
(式中、Rはアリール基、アルコキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1個の置換基を有するアルキル基を表す。)
で示される化合物をジアゾ化後、閉環させることを特徴とする一般式(1)で示されるアザチオキサンテン系化合物の製造方法にも存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(1)においてRは、置換アルキル基を表す。アルキルとしては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、n−ブチル等の炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基が好ましく、特に直鎖のアルキル基が好ましい。
これらアルキル基の置換基としては、例えばヒドロキシ基;フェニル、p−クロロフェニル等の置換されていても良いアリール基;メトキシ、エトキシ、2−エチルヘキシルオキシ等のアルコキシ基;メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、2−(n)−プロポキシエトキシ等のアルコキシアルコキシ基;フェネチルオキシ、ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ基;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、2−トリフルオロアセチルオキシ等のアシルオキシ基;メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ等のアルコキシカルボニル基;フリル、テトラヒドロフリル等のヘテロ環基、アリルオキシ等のアルケニルオキシ基;フェノキシ、p−クロロフェノキシ等の置換されていても良いアリールオキシ基;塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子等が挙げられる。置換基の数は1又は2以上である。蛍光性色素としての観点から好ましい置換基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子等である。
【0009】
特に好ましくは、2−メトキシエチル基、2−ベンジルオキシエチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等である。
一般式(1)で示される化合物の具体例を表−1に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
一般式(1)で示される本発明のアザチオキサンテン系化合物は、本発明方法に従って、下記一般式(2)
【0013】
【化8】
【0014】
(式中、Rは置換アルキル基を表す。)
で示される2−置換アルコキシ−1−アザ−3−ブロモベンゾアントロンを、不活性溶媒中で、塩基存在下、o−アミノチオフェノールと反応させて得られる下記一般式(3)
【0015】
【化9】
【0016】
(式中、Rは置換アルキル基を表す。)
で示される化合物のアミノ基をジアゾ化後、閉環反応させることにより製造することができる。
使用される不活性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブまたは水などが挙げられるが、これらのうち、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンが好適である。溶媒の使用量は、一般式(2)のベンゾアントロンに対して10〜50重量倍、好ましくは20〜30重量倍程度である。
【0017】
o−アミノチオフェノールの使用量としては、一般式(2)のベンゾアントロンに対して1〜10倍モル、好ましくは1〜3倍モル程度である。
反応に用いる塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基の他、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの有機塩基が挙げられるが、これらのうち、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好適である。これら塩基の使用量は一般式(2)の化合物に対して1〜10倍モルの範囲、好ましくは1〜3倍モル程度である。
【0018】
反応温度は20℃から300℃の範囲でよいが、50℃から200℃の範囲が適当である。
反応終了後、反応物を冷却すると目的物が結晶として析出する場合には、析出した結晶を濾過し、メタノールまたは水で洗浄し、乾燥する。また、冷却しても結晶が析出しない場合には、反応液をメタノールまたは水で希釈後、析出した結晶を濾過し、メタノールまたは水で洗浄し、乾燥しても良い。生成物は必要に応じて再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の一般的手段により精製することができる。
【0019】
再結晶溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、水、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、ヘキサン、ペンタンなどが好適である。カラムクロマトグラフィー展開溶媒としてはヘキサン、ペンタン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、水、アセトニトリル、酢酸が好適である。カラムクロマトグラフィー担体としてはシリカ、アルミナ、フロリジール、セルロースなどが好適である。
【0020】
かくして得られた一般式(3)で示される化合物をさらに不活性溶媒中で常法によりジアゾ化し、引き続いて閉環反応を行うことにより本発明のアザチオキサンテン系化合物(1)を製造することができる。使用される不活性溶媒としては、蟻酸、酢酸、メタノール、エタノール、プロパノール、水、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンまたはジメチルスルホキシドなどが挙げられるが、これらのうち、酢酸が好適である。この溶媒の使用量は、一般式(3)の化合物に対して10〜50重量倍、好ましくは20〜30重量倍程度である。
ジアゾ化反応は通常亜硝酸ナトリウムを使用して実施できるが、その使用量は、一般式(3)の化合物に対して1〜3倍モル、好ましくは1〜1.5倍モル程度である。
【0021】
ジアゾ化反応の反応温度は−20℃から室温の範囲でよいが、−10℃から10℃が好適である。
ジアゾ化に引き続いて実施される閉環反応は、反応液に銅触媒を添加し、加熱することにより実施される。触媒として用いられる銅化合物としては銅粉、塩化第一銅、塩化第二銅、シュウ化銅、酢酸銅、硫酸銅、酸化銅などが挙げられ、特に硫酸銅が好適である。
反応に用いる銅触媒の使用量は、一般式(3)の化合物に対して1〜20倍モル、好ましくは1〜10倍モル程度である。
反応温度は室温から200℃の範囲でよいが、50℃から150℃の範囲が適当である。
【0022】
反応終了後は、反応液を冷却すると目的物が結晶として析出する場合には、析出した結晶を濾過し、メタノールまたは水で洗浄し、乾燥すれば良い。また、冷却しても結晶が析出しない場合には、反応液をメタノールまたは水で希釈後、析出した結晶を濾過し、メタノールまたは水で洗浄し、乾燥しても良い。生成物は必要に応じて再結晶またはカラムクロマトグラフィーにより精製することができる。
再結晶溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、水、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、ヘキサン、ペンタンなどが好適である。
カラムクロマトグラフィー展開溶媒としてはヘキサン、ペンタン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、水、アセトニトリル、酢酸が好適である。
カラムクロマトグラフィー担体としてはシリカ、アルミナ、フロリジール、セルロースなどが好適である。
【0023】
一般式(1)で示される本発明のアザチオキサンテン系化合物は、有機溶媒に溶解すると赤色で高輝度の蛍光を有する。従って、水不溶性の色素として用いるのが好ましく、各種樹脂、塗料、インクなどの着色、繊維の染色、その他レーザ、有機EL素子、蛍光標識試薬、蛍光コレクタ、蛍光センサ、シンチレータ、光ファイバ用増幅器など、特に樹脂の着色用に用いられる機能性赤色系蛍光性色素として工業的に極めて有用である。
一般式(1)の化合物は樹脂に対する溶解性が良好で、光や熱に対する堅牢性も優れている。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、以下の実施例における化合物No.は表−1記載のNo.に対応する。
【0025】
実施例1 化合物No.5の合成
2−ベンジルオキシ−1−アザ−3−ブロモベンゾアントロン1.7g、炭酸ナトリウム1.3gをジメチルホルムアミド(DMF)50mlに溶解し、o−アミノチオフェノール0.9mlを加えた。100℃で2時間攪拌した後、反応液を水500mlに加えた。析出した固体を濾別し、固体をメタノールで洗浄し、赤茶色の固体である粗生成物1.8gを得た。
得られた固体の分析結果は次の通りであり、前記一般式(3)においてR=ベンジル基である化合物であることが確認された。
【0026】
1HNMR(300MHz CDCl3 δ(ppm))
4.20(brs,2H),5.68(s,2H),6.53−6.61(m,2H),7.03(t,1H),7.22(dd,1H),7.32−7.38(m,5H),7.64(t,1H),7.79(t,1H),7.90(dd,1H),8.39(dd,1H),8.51(dd,1H),8.77(dd,1H),8.96(dd,1H)
【0027】
この固体1.8gを酢酸50mlに溶解し、130℃で2時間攪拌した。80℃に冷却し、濃塩酸0.8mlを加え、さらに0℃まで冷却して亜硫酸ナトリウム0.4gを加えた。0℃で2時間攪拌した後、硫酸銅3.4gを加え、100℃で2時間攪拌した。反応液を水600mlに加え、析出した固体を濾別した。固体をメタノールで洗浄し、更に塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン溶液は強い赤色の蛍光を示した。塩化メチレンを減圧下除去して粗生成物1.7gを得た。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)で精製し、赤紫色の固体0.5gを得た。
得られた固体の分析結果は次の通りであり、化合物No.5であることが確認された。
【0028】
1HNMR(300MHz CDCl3 δ(ppm))
5.85(s,2H),7.20−7.50(m,7H),7.54−7.88(m,3H),8.20−30(m,2H),8.50(d,1H),8.66(d,1H),8.91(d,1H)
蛍光スペクトル:λmax =629nm(塩化メチレン)
吸収スペクトル:λmax =564nm(塩化メチレン)
【0029】
実施例2 化合物No.7の合成
2−フェネチルオキシ−1−アザ−3−ブロモベンゾアントロン1g、炭酸ナトリウム0.7gをDMF50mlに溶解し、o−アミノチオフェノール0.5mlを加えた。100℃で4時間攪拌した後、反応液を水300mlに加えた。析出した固体を濾別し、固体をメタノールで洗浄し、赤茶色の固体である粗生成物1gを得た。
得られた固体の分析結果は次の通りであり、一般式(3)においてR=フェネチル基である化合物であることが確認された。
【0030】
1HNMR(300MHz CDCl3 δ(ppm))
3.15(t,2H),4.25(brs,2H),4.86(t,2H),6.56−6.63(m,2H),7.03(t,1H),7.28−7.35(m,5H),7.64(t,1H),7.78(t,1H),7.87(dd,1H),8.39(d,1H),8.49(d,1H),8.77(d,1H),8.90(d,1H)
【0031】
この固体0.9gを酢酸50mlに溶解し、100℃で2時間攪拌した。80℃に冷却し、濃塩酸0.4mlを加え、さらに0℃まで冷却して亜硫酸ナトリウム0.2gを加えた。80℃に冷却し、濃塩酸0.4mlを加え、さらに0℃まで冷却して亜硝酸ナトリウム0.2gを加えた。0℃で2時間攪拌した後、硫酸銅1.9gを加え、100℃で1時間半攪拌した。反応液を水100mlに加え、析出した固体を濾別した。固体をメタノールで洗浄し、更に塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン溶液は強い赤色の蛍光を示した。塩化メチレンを減圧下除去して粗生成物1.7gを得た。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム:トルエン=9:1)で精製し、赤紫色の固体0.6gを得た。
得られた固体の分析結果は次の通りであり、化合物No.7であることが確認された。
【0032】
1HNMR(300MHz CDCl3 δ(ppm))
3.30(t,2H),4.92(t,2H),7.26−7.50(m,8H),7.62(t,1H),7.79(t,1H),8.18−8.23(m,2H),8.46(d,1H),8.60(d,1H),8.83(d,1H)
蛍光スペクトル:λmax =630nm(塩化メチレン)
吸収スペクトル:λmax =566nm(塩化メチレン)
【0033】
実施例3 化合物No.8の合成
2−(2−メトキシエトキシ)−1−アザ−3−ブロモベンゾアントロン0.6g、炭酸ナトリウム0.5gをDMF50mlに溶解し、o−アミノチオフェノール0.4mlを加えた。100℃で2時間攪拌した後、反応液を水300mlに加えた。析出した固体を濾別し、固体をメタノールで洗浄し、赤茶色の固体である粗生成物0.6gを得た。
得られた固体の分析結果は次の通りであり、一般式(3)においてR=2−メトキシエチル基である化合物であることが確認された。
【0034】
1HNMR(300MHz CDCl3 δ(ppm))
3.46(s,3H),3.82(t,2H),4.58(brs,2H),4.79(t,2H),5.60(t,1H),6.66(d,1H),7.04(t,1H),7.38(d,1H),7.63(t,1H),7.77(t,1H),7.79(t,1H),7.88(dd,1H),8.38(d,1H),8.49(d,1H),8.75(d,1H),8.94(d,1H)
【0035】
この固体0.6gを酢酸30mlに溶解し、100℃で2時間攪拌した。80℃に冷却し、濃塩酸0.3mlを加え、さらに0℃まで冷却して亜硫酸ナトリウム0.2gを加えた。0℃で2時間攪拌した後、硫酸銅1.4gを加え、100℃で1時間半攪拌した。反応液を水300mlに加え、析出した固体を濾別した。固体をメタノールで洗浄し、更に塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン溶液は強い赤色の蛍光を示した。塩化メチレンを減圧下除去して粗生成物1.7gを得た。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)で精製し、赤紫色の固体0.2gを得た。
得られた固体の分析結果は次の通りであり、化合物No.8であることが確認された。
【0036】
1HNMR(300MHz CDCl3 δ(ppm))
3.54(s,3H),3.93(t,2H),4.79(t,2H),7.26−7.34(m,3H),7.55(t,1H),7.69(t,1H),8.04(d,1H),8.36(d,1H),8.43(d,1H),8.66(d,1H)
蛍光スペクトル:λmax =629nm(塩化メチレン)
吸収スペクトル:λmax =565nm(塩化メチレン)
【0037】
実施例4 化合物No.35の合成
2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−アザ−3−ブロモベンゾアントロン0.2g、炭酸ナトリウム0.2gをDMF10mlに溶解し、o−アミノチオフェノール0.1mlを加えた。100℃で2時間攪拌した後、反応液を水200mlに加えた。析出した固体を濾別し、固体をメタノールで洗浄し、赤茶色の固体である粗生成物0.2gを得た。
得られた固体の分析結果は次の通りであり、一般式(3)においてR=2,2,2−トリフルオロエチル基である化合物であることが確認された。
【0038】
1HNMR(300MHz CDCl3 δ(ppm))
5.35−5.45(m,4H),6.42(t,1H),6.67(d,1H),6.94(t,1H),7.16(d,1H),7.76(t,1H),7.93(t,1H),8.03(t,1H),8.25(d,1H),8.41(d,1H),8.83−8.87(m,2H)
【0039】
この固体0.2gを酢酸10mlに溶解し、100℃で2時間攪拌した。80℃に冷却し、濃塩酸0.1mlを加え、さらに0℃まで冷却して亜硫酸ナトリウム0.05gを加えた。0℃で2時間攪拌した後、硫酸銅0.4gを加え、100℃で1時間半攪拌した。反応液を水200mlに加え、析出した固体を濾別した。固体をメタノールで洗浄し、更に塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン溶液は強い赤色の蛍光を示した。塩化メチレンを減圧下除去して粗生成物1.7gを得た。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒塩化ロチレン−クロロホルム)で精製し、赤紫色の固体0.06gを得た。
得られた固体の分析結果は次の通りであり、化合物No.35であることが確認された。
【0040】
1HNMR(300MHz CDCl3 δ(ppm))
5.02(q,2H),7.01−7.16(m,3H),7.16−7.96(m,3H),8.38(d,1H),8.53(d,1H),8.67(d,1H),8.97(d,1H)
蛍光スペクトル:λmax =611nm(塩化メチレン)
吸収スペクトル:λmax =552nm(塩化メチレン)
【0041】
実施例5 化合物No.5による樹脂の着色
実施例1で製造された化合物0.05gをポリメチルメタクリレート(「アクリペットMD」三菱レーヨン株式会社製品)100gに混合し、押し出し機を用いて200℃で処理し、着色ペレットを作製した。このペレットを射出成形機で200℃×5分間で成形し、着色成形板を作製した。得られた着色板は非常に強い蛍光性の赤色を示し、耐光性、耐移行性が優れていた。
【0042】
実施例6 化合物No.5による樹脂の着色
射出成形の際、250℃で10分間滞留させたこと以外は実施例5と同様にして成形した着色板の色調は、200℃×5分間で成形した着色板と同色調を示し、色素の熱分解による変化はなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明のアザチオキサンテン系化合物は発光輝度が高く、堅牢性が良好で、かつ、樹脂に対する溶解性が良い新規赤色系蛍光性色素化合物であり、蛍光性色素の種々の用途に利用することができ、工業的に極めて有用である。
Claims (5)
- 一般式(1)におけるRが、置換基を有する炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項1記載のアザチオキサンテン系化合物。
- 一般式(1)におけるRが、ベンジル基、フェネチル基、2−メトキシエチル基、又は2,2,2−トリフルオロエチル基であることを特徴とする請求項1又は2記載のアザチオキサンテン系化合物。
- 請求項1乃至3の何れかに記載のアザチオキサンテン系化合物からなる色素。
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