JP3780476B2 - 光ファイバ温度計測装置および熱媒体漏洩検出装置 - Google Patents

光ファイバ温度計測装置および熱媒体漏洩検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバ温度計測装置および熱媒体漏洩検出装置に係り、特に、発電所およびその関連施設,化学プラントや鉄鋼プラントなどの生産設備,送電設備/変電設備など広い領域に光ファイバを布設し、ガスケットや配管などの測定対象部位の温度変化を監視する光ファイバ温度計測装置と、温度変化に基づき熱媒体の漏洩および/または火災の発生などを検知する熱媒体漏洩検出装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
温度センサとしては、一般に熱電対が知られている。熱電対は、基本的に特定の1点の温度を測定するセンサである。
【0003】
これに対し、光ファイバを利用すると、光ファイバ自身が温度センサとなるので、長距離の温度分布を測定でき、数千点の温度計に相当するデータを得られる利点がある。
【0004】
図6は、従来の光ファイバ温度計測装置の系統構成の一例を示す図である。例えば、高温の液体または気体が熱媒体として配管68内を通過する場合に、測定対象部位62〜65に光ファイバ61を巻き付け、または、リング状に巻いた光ファイバ61を測定対象部位62〜65の配管側面に固定し、温度を検出する。
【0005】
光ファイバ温度測定装置66は、光ファイバ61にレーザパルスを照射して、光路から発生する散乱光強度と温度との間に相関があることを利用し、温度を計算する。また、レーザパルスの受信時刻から位置を正確に決定できるので、光ファイバ61に沿う温度分布が求められる。温度分布の計算結果は、コンピュータ67に送られ、データ処理される。
【0006】
図7は、測定対象部位62〜65の時間経過に伴う温度変化の一例を示すタイムチャートである。配管の亀裂などが原因で、例えば、測定対象部位64に配管68内の熱媒体が漏れ出していると、他の測定対象部位62,63,65と比べて、温度上昇の勾配θが大きくなるから、測定対象部位64に熱媒体の漏洩が発生していると判断できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、各測定対象部位の温度勾配を比較し、配管内の熱媒体が漏洩しているか否かを判断している。
【0008】
しかし、配管の熱媒体の漏洩量が微少の場合、温度勾配の違いがほとんど現れない。また、温度勾配が小さいと、検出時間が長くなる。
【0009】
本発明の目的は、温度勾配が小さい状態でも熱媒体の漏洩などによる温度変化を正確に検出する手段を備えた光ファイバ温度計測装置を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、配管やガスケットの亀裂などによる熱媒体の漏洩個所や火災の発生個所などを迅速かつ確実に検出する手段を備えた熱媒体漏洩検出装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、基準温度環境に置かれた基準温度光ファイバと複数の測定対象部位に置かれた光ファイバとを含み計測対象に布設された光ファイバと、光ファイバ温度測定装置とからなる光ファイバ温度計測装置であって、前記光ファイバ温度測定装置が、測定対象部位のそれぞれに対応して設置され、基準温度と測定対象部位の温度との差Aと所定時間t前の基準温度と測定対象部位の温度との差Bとの差(A−B)を算出し、その結果を増幅率G1で増幅し、所定時間tと先に算出した温度変化分G1(A−B)とから傾きθ1=G1(A−B)/tを演算し、同様の手順で所定時間後に演算された傾きθ2と傾きθ1の大きさを比較する差温度勾配演算部と、複数の差温度勾配演算部で演算された傾きθ1を相互比較するとともに、θ1が所定値Limθよりも大きいか否かを判定する第2比較器とを備え、前記第2比較器が、第2比較器の条件を満たすθ1が1点でも存在すると判断した場合には、差温度勾配演算部が、増幅率をG2に大きくし、所定測定時間t後の傾きθ2を算出し、他の測定対象部位と比較して傾きθ2が大きくかつ傾きθ2が傾きθ1よりも大きくなっている場合には、より大きな増幅率G3を設定し、傾きθ3を再度算出し、θ 2 >θ 1 ,θ 3 >θ 2 ,…,θ n+1 >θ n( n:自然数 ) と判定しG 1 →G 2 →G 3 …→G n( n:自然数 ) と増幅率設定を n( n:自然数 ) 回繰り返した場合は、温度異常と判断する光ファイバ温度計測装置を提案する。
【0012】
それぞれの前記差温度勾配演算部は、より具体的には、基準温度と測定対象部位の温度との差を求める第1減算器と、第1減算器の演算結果を記憶する第1メモリと、現在の第1減算器の演算結果Aから第1メモリに記憶されていた所定時間前の演算結果Bを減算する第2減算器と、第2減算器の減算結果A−Bを増幅率G1で増幅する増幅器と、その結果G1(A−B)と測定時間tとより傾きθ1=G1(A−B)/tを演算する傾き演算部と、その結果θ1を記憶する第2メモリと、傾き演算部により演算された現在の傾きθ 2 と第2メモリに記憶されている所定時間前の傾きθ 1 の大きさを比較する第1比較器と、第1比較器がθ n+1 >θ n( n:自然数 ) と判定し増幅器の増幅率G n を大きくした回数を数えるカウンタと、カウンタのカウントが所定値以上になった場合は異常と判断する異常判断部とを備え、第1比較器がθ n+1 ≦θ n( n:自然数 ) と判断した場合はカウンタのカウント値をゼロに設定し増幅器の増幅率を初期値G 1 に設定する。
【0013】
前記差温度勾配演算部は、傾きθの要素である時間tを固定し、当該固定時間tにおける温度差ΔT=(A−B)を計測する手段を含む。
【0014】
前記差温度勾配演算部は、また、傾きθの要素である温度差ΔT=(A−B)を固定し、当該温度差に達するまでの時間tを計測する手段を含むようにしてもよい。
【0015】
前記差温度勾配演算部が、平常時は、傾きθの要素である時間tを固定し、当該固定時間tにおける温度差ΔT=(A−B)を計測し、第2比較器の条件を満たすθ1が1点でも生じたと判断した場合には、傾きθの要素である温度差ΔT=(A−B)を固定し、当該温度差に達するまでの時間tを計測する手段を含むことも可能である。
【0016】
上記いずれの光ファイバ温度計測装置においても、測定対象部位が、複数のエリアに分割されている場合は、基準温度環境に置かれた基準温度光ファイバが、各エリアごとに配置されることが望ましい。
【0017】
本発明は、上記他の目的を達成するために、上記いずれかの光ファイバ温度計測装置の計測対象が熱媒体の漏洩による温度変化である熱媒体漏洩検出装置を提案する。
【0018】
通常、熱媒体の漏洩が発生しなければ、時間が経過しても温度は変化しないので、勾配はゼロの一定値を示す。熱媒体の漏洩が発生すると、温度変化が現れ、温度変化分が増幅されるので、勾配θは、大きくなる。すべての測定対象部位において、基準点の温度との差をとると、各測定対象部位の勾配は、一定値を示すが、熱媒体の漏洩が発生した測定対象部位においては、他の測定対象部位と異なる勾配となる。
【0019】
そこで、本発明においては、多数の測定対象部位の温度勾配を算出した時に、相対的に勾配が大きい測定対象部位が1点でも存在する場合には、増幅率G1をG2に大きくする。同様に、所定時間後の勾配を算出しその点が他の測定対象部位と比較して大きく、かつ、その勾配が前回の勾配よりも大きくなっている場合には、より大きな増幅率G3を設定する。
【0020】
このように、増幅率Gを繰り返し大きくして、着目する測定対象部位と他の測定対象部位との温度勾配を相対的に比較すれば、配管やガスケットなど、測定対象部位の熱媒体の漏洩を短時間で検知でき、同時に熱媒体の漏洩個所を特定できる。
【0021】
また、現時点と所定時間前の温度差を増幅すると、熱媒体の漏洩量が微少であっても、検知できるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜図5を参照して、本発明による光ファイバ温度計測装置および熱媒体漏洩検出装置の実施形態を説明する。
【0023】
【実施形態1】
図1は、本発明による光ファイバ温度計測装置および熱媒体漏洩検出装置の実施形態1の系統構成を示すブロック図である。本実施形態1の光ファイバ温度計測装置および熱媒体漏洩検出装置は、光ファイバ61と、光ファイバ温度測定装置66と、コンピュータ67とからなる。
【0024】
本実施形態1の光ファイバ61は、高温の熱媒体が内部を通過する配管68の測定対象部位62〜65に巻き付けられた光ファイバと、基準温度光ファイバ21とを含んでいる。
【0025】
基準温度光ファイバ21は、測定対象部位62〜65の温度測定の基準となる温度を与える光ファイバである。基準温度光ファイバ21は、少なくとも測定対象部位62〜65の熱媒体からの熱的影響を受けない環境に設置すべきではあるが、例えば、0℃に正確に維持する必要はない。基準温度光ファイバ21の温度に対する測定対象部位62〜65の温度の差分を正確に検出できればよいからである。
【0026】
光ファイバ温度測定装置66は、少なくとも2つの差温度勾配演算部22とそれらの勾配演算結果を比較する第2比較器23とを備えている。
【0027】
図2は、実施形態1における差温度勾配演算部22の詳細な内部構成の一例および差温度勾配演算部22と第2比較器23との接続関係を示すブロック図である。
【0028】
差温度勾配演算部22は、測定対象部位62〜65の数だけ設置されている。それぞれの差温度勾配演算部22は、減算器101〜104を介して、基準温度光ファイバ21と測定対象部位62〜65との差分温度を入力する。
【0029】
差温度勾配演算部22は、基準温度21と測定対象部位62〜65温度との減算結果を一時保存する第1メモリ105と、減算器106と、増幅器107と、傾き演算部108と、傾き演算結果を一時保存する第2メモリ109と、傾きを比較する第1比較器110と、カウンタ111と、繰り返し回数を比較する第3比較器112と、異常判断部113とからなる。
【0030】
傾き演算部108による測定対象部位の差温度勾配演算方法には、下記実施形態2ないし実施形態4に示す3方法がある。
【0031】
【実施形態2】
図3は、傾き演算部108による測定対象部位の差温度勾配演算方法の実施形態を示す図である。本実施形態2においては、まず、減算器101が、測定対象部位62の温度から基準温度21を減算し、その結果Aを第1メモリ105に格納する。
【0032】
次に、所定時間前の測定対象部位62の温度から基準温度21を減算した結果Bを第1メモリ105から読み出す。
【0033】
減算器106は、ΔT1′[=(A−B)]を算出する。増幅器107は、ΔT1′に増幅率G1を掛けて、ΔT1(=G1・ΔT1′)を算出する。傾き演算部108は、ΔT1を測定時間tで割って、傾きθ1(=ΔT1/t=G1・ΔT1′/t)を算出し、その結果θ1を第2メモリ109に格納する。
【0034】
第2比較器23は、各測定対象部位62〜65の傾きθ1を監視しており、いずれか1つの測定対象部位(例えば、測定対象部位62)の傾きθ1が他の測定対象部位の傾きθ1と比較して大きく、しかも、傾きθ1の初期しきい値設定値Limθ114よりも大きい場合は、測定対象部位62〜65の差温度勾配演算部22の増幅器107の増幅率をG1からG2に設定(G2>G1)するように指示を出す。
【0035】
次の所定時間t後に、同様の処理を実行し、温度変化分ΔT2から傾きθ2を算出し、第2メモリ109から所定時間前の傾きθ1を読み出し、第1比較器110で傾きθ1とθ2とを比較する。その結果、傾きが大きく(θ2>θ1)、しかも、第2比較器23で測定対象部位62が他の測定対象部位と比較して大きい場合には、増幅器107の増幅率をG2からG3に設定(G3>G2)し、カウンタ111を更新する。
【0036】
さらに、次の所定時間t後に、同様の処理を実行し、温度変化分ΔT3から傾きθ3を算出し、メモリ2から所定時間前の傾きθ2を読み出し、第1比較器110で傾きθ2とθ3とを比較する。傾きが大きく(θ3>θ2)、しかも、第2比較器23で測定対象部位62が他の測定対象部位と比較して大きい場合には、カウンタ111を更新する。
【0037】
第3比較器112は、カウンタ111の値がしきい値Nと比較して大きくなった場合、すなわち、傾きθが大きい状態が所定回数Nを越えた場合は、異常判断部113に信号を送る。異常判断部113測定対象部位62に熱媒体の漏洩が発生したと判断し、操作員に異常の発生を知らせる。
【0038】
本実施形態2において、カウンタ111および第3比較器112は、ノイズなどが混入しθ2がθ1よりも偶然1回だけ大きくなったような場合の誤報を避け、本当に異常が生じたことを確認するために設けてあるので、ノイズなどの影響を無視し得る場合は、無くてもよい。
【0039】
なお、減算器101〜104は、所定時間ごとに温度データを読み込んで演算処理していたが、所定時間tの温度の平均値をとり、減算器101〜104で減算するとノイズの影響が軽減されるので、より精度の良い熱媒体の漏洩検出が可能である。
【0040】
一方、増幅器107の増幅度をG1からG3に段階的に大きくした過程で、傾きθが1つ前の測定時間の値と比較して小さくなった場合には、第1比較器110は第2比較器23に傾きが減少したことを通知し、第2比較器23は測定対象部位62〜65の差温度勾配演算部22の増幅器107の増幅率を初期値G1に設定し、カウンタ111の値をゼロに設定するように指示を出す。
【0041】
さらに、測定対象部位62〜65の差温度勾配演算部22の動作を待機状態にするように指示を出す。
【0042】
本実施形態2によれば、増幅率Gを繰り返し大きくし、着目する測定対象部位と他の測定対象部位との温度勾配を相対的に比較し、傾きが増加傾向を示した場合に、配管やガスケットなど測定対象部位の熱媒体の漏洩を短時間で検知でき、同時に熱媒体の漏洩個所を特定できる。
【0043】
また、現時点の温度と所定時間前の温度との差を段階的に増幅すると、熱媒体の漏洩量が微少であっても、検知可能になる。
【0044】
なお、光ファイバの測定距離は、数十km程度まで可能なので、測定対象部位は、測定距離範囲内であれば1個所から任意個所を測定できる。
【0045】
【実施形態3】
図4は、測定対象部位の差温度勾配演算方法の他の実施形態を示す図である。図3の実施形態2においては、傾きθの二つのパラメータ:測定時間t,温度変化分ΔTのうち、測定時間tを固定し、温度変化分ΔTを測定していた。
【0046】
これに対して、本実施形態3では、温度変化分をΔT1に固定し、この温度変化分ΔT1に達するまでの時間t1,t2,t3を測定する。
【0047】
このようにすると、異常が生じて温度が上昇した場合、全体の測定時間が短縮されるので、より迅速に異常を判定し、対処できる。
【0048】
なお、この実施形態3の場合は、実施形態2よりも測定時間が短くなる傾向にあるから、突発的ノイズの影響を受けやすくなる。したがって、カウンタ111および第3比較器112を設けることが望ましい。
【0049】
【実施形態4】
ここでは、図示しないが、実施形態2と実施形態3とを組み合わせた実施形態4を採用することも可能である。すなわち、平常状態では、実施形態2の測定時間t固定方式を採用し、一旦異常が発生したら、実施形態3の温度変化分ΔT1固定方式に移行する方法である。
【0050】
本実施形態4によれば、平常状態では、ノイズの影響を受けない一方で、一旦異常が発生したら、全体の測定時間を短縮し、より迅速に異常を判定できる。
【0051】
【実施形態5】
図5は、エリアA〜Cに区切られた部屋を通して光ファイバを布設し、各部屋ごとに特定測定対象部位の熱媒体の漏洩を監視する実施形態を示している。
【0052】
本実施形態5においては、例えば、エリアBが温度調節されていて、他のエリアAおよびCと温度が異なると仮定する。エリアAに対してはA0,エリアBに対してはB0,エリアCに対してはC0を基準温度として測定し、実施形態2〜4に示す方法で熱媒体の漏洩を監視する。
【0053】
この監視方法により、1本の光ファイバで温度の異なるエリアごとに、測定対象部位の温度変化を監視でき、熱媒体の漏洩個所を特定することが可能となる。
【0054】
本実施形態5では、温度が異なるエリアごとに基準温度を設けることにより、各エリアごとに熱媒体の漏洩を精度良く監視し、熱媒体の漏洩個所を特定できる。
【0055】
また、プラント設備など広範囲の熱媒体の漏洩を監視する場合でも、1本の光ファイバを長距離に布設して、基準温度を所定区画ごとに設けて温度を検出し、熱媒体の漏洩を精度良く監視し、熱媒体の漏洩個所を迅速かつ正確に特定できる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、配管やガスケットなど測定対象部位の熱媒体の漏洩を短時間で検知でき、同時に熱媒体の漏洩個所を特定できる。また、熱媒体の漏洩量が微少であっても、検知可能である。さらに、温度が異なるエリアが存在する建屋や広範囲のプラント設備の測定対象部位の熱媒体の漏洩を各エリアごとおよび所定距離ごとに監視できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバ温度計測装置および熱媒体漏洩検出装置の実施形態1の系統構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1における差温度勾配演算部22の詳細な内部構成の一例および差温度勾配演算部22と第2比較器23との接続関係を示すブロック図である。
【図3】傾き演算部108による測定対象部位の差温度勾配演算方法の実施形態2を示す図である。
【図4】傾き演算部108による測定対象部位の差温度勾配演算方法の実施形態3を示す図である。
【図5】エリアA〜Cに区切られた部屋を通して光ファイバを布設し、各部屋ごとに特定測定対象部位の熱媒体の漏洩を監視する実施形態5を示す図である。
【図6】従来の光ファイバ温度計測装置の系統構成の一例を示す図である。
【図7】測定対象部位62〜65の時間経過に伴う温度変化の一例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
21 基準温度光ファイバ
22 差温度勾配演算部
23 現在傾き同士の第2比較器
61 光ファイバ
62 測定対象部位光ファイバ
63 測定対象部位光ファイバ
64 測定対象部位光ファイバ
65 測定対象部位光ファイバ
66 光ファイバ温度測定装置
67 コンピュータ
68 配管
101 差分温度減算器
102 差分温度減算器
103 差分温度減算器
104 差分温度減算器
105 差分温度一時保存第1メモリ
106 新旧差分温度減算器
107 増幅器
108 傾き演算部
109 傾き演算結果一時保存第2メモリ
110 現在傾きと所定時間前傾きとの第1比較器
111 カウンタ
112 繰り返し回数の第3比較器
113 異常判断部
114 初期しきい値設定器

Claims (7)

  1. 基準温度環境に置かれた基準温度光ファイバと複数の測定対象部位に置かれた光ファイバとを含み計測対象に布設された光ファイバと、光ファイバ温度測定装置とからなる光ファイバ温度計測装置であって、
    前記光ファイバ温度測定装置が、
    前記測定対象部位のそれぞれに対応して設置され、基準温度と測定対象部位の温度との差Aと所定時間t前の基準温度と測定対象部位の温度との差Bとの差(A−B)を算出し、その結果を増幅率G1で増幅し、前記所定時間tと先に算出した温度変化分G1(A−B)とから傾きθ1=G1(A−B)/tを演算し、同様の手順で所定時間後に演算された傾きθ2と前記傾きθ1の大きさを比較する差温度勾配演算部と、
    複数の前記差温度勾配演算部で演算された傾きθ1を相互比較するとともに、前記θ1が所定値Limθよりも大きいか否かを判定する第2比較器とを備え、
    前記第2比較器が、前記第2比較器の条件を満たすθ1が1点でも存在すると判断した場合には、前記差温度勾配演算部が、増幅率をG2に大きくし、所定測定時間t後の傾きθ2を算出し、他の測定対象部位と比較して傾きθ2が大きくかつ傾きθ2が前記傾きθ1よりも大きくなっている場合には、より大きな増幅率G3を設定し、傾きθ3を再度算出し、θ 2 >θ 1 ,θ 3 >θ 2 ,…,θ n+1 >θ n( n:自然数 ) と判定しG 1 →G 2 →G 3 …→G n( n:自然数 ) と増幅率設定を n( n:自然数 ) 回繰り返した場合は、温度異常と判断することを特徴とする光ファイバ温度計測装置。
  2. 請求項1に記載の光ファイバ温度計測装置において、
    それぞれの前記差温度勾配演算部が、
    前記基準温度と測定対象部位の温度との差を求める第1減算器と、
    前記第1減算器の演算結果を記憶する第1メモリと、
    現在の第1減算器の演算結果Aから前記第1メモリに記憶されていた所定時間前の演算結果Bを減算する第2減算器と、
    前記第2減算器の減算結果A−Bを増幅率G1で増幅する増幅器と、
    その結果G1(A−B)と測定時間tとより傾きθ1=G1(A−B)/tを演算する傾き演算部と、
    その結果θ1を記憶する第2メモリと、
    前記傾き演算部により演算された現在の傾きθ 2 と前記第2メモリに記憶されている所定時間前の傾きθ 1 の大きさを比較する第1比較器と、
    前記第1比較器がθ n+1 >θ n( n:自然数 ) と判定し前記増幅器の増幅率G n を大きくした回数を数えるカウンタと、
    前記カウンタのカウントが所定値以上になった場合は異常と判断する異常判断部とを備え、
    前記第1比較器がθ n+1 ≦θ n( n:自然数 ) と判断した場合は前記カウンタのカウント値をゼロに設定し前記増幅器の増幅率を初期値G 1 に設定することを特徴とする光ファイバ温度計測装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバ温度計測装置において、
    前記差温度勾配演算部が、前記傾きθの要素である時間tを固定し、当該固定時間tにおける温度差ΔT=(A−B)を計測する手段を含む
    ことを特徴とする光ファイバ温度計測装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバ温度計測装置において、
    前記差温度勾配演算部が、前記傾きθの要素である温度差ΔT=(A−B)を固定し、当該温度差に達するまでの時間tを計測する手段を含む
    ことを特徴とする光ファイバ温度計測装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバ温度計測装置において、
    前記差温度勾配演算部が、平常時は、前記傾きθの要素である時間tを固定し、当該固定時間tにおける温度差ΔT=(A−B)を計測し、前記第2比較器の条件を満たすθ1が1点でも生じたと判断した場合には、前記傾きθの要素である温度差ΔT=(A−B)を固定し、当該温度差に達するまでの時間tを計測する手段を含む
    ことを特徴とする光ファイバ温度計測装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の光ファイバ温度計測装置において、
    前記測定対象部位が、複数のエリアに分割され、
    前記基準温度環境に置かれた基準温度光ファイバが、前記各エリアごとに配置される
    ことを特徴とする光ファイバ温度計測装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の光ファイバ温度計測装置の計測対象が熱媒体の漏洩による温度変化である熱媒体漏洩検出装置。
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