JP3779841B2 - 原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヤードに原料を積み付けたパイルへの散水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、製鉄所内においては、鉱石運搬船で運ばれた粉鉱石を原料ヤードに積み付け、この積み付けた鉱石を使用先に切出して搬送している。
焼結工程においては、この銘柄別に積山した粗鉱山の粉鉱石、雑原料及び、雑熱源等の数十種類を、所定割合でリクレーマー、及びブレンディングスタッカー(以下単にスタッカーと称す)を介して、均鉱ヤードに層状に積山して均鉱パイルを形成している。そして、この均鉱パイルに散水して所定の水分を粉鉱石に維持させる事が行われている。
この方法として、例えば、特開平3−232935号公報の提案がある。これは、前記均鉱ヤードで均鉱パイルを形成する際、スタッカーのブームコンベアの原料排出部に設けた散水ノズルにより、前記原料排出部から落下する粉鉱石に散水しつつ積み付ける方法である。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
しかし、均鉱パイルの水分を8〜9%に維持しようとする場合にはパイル表層全体に大量の水を均一に散水しなければならない。このため、上記特開平3−232935号公報の提案の方法では、スタッカーのブームコンベアの原料排出部に設けた散水ノズルにより、該原料排出部から落下する粉鉱石に多量の水を散布するため、乾燥したパイル表層に空気の皮膜が形成され、散布した水がパイルの内部に迅速に浸透する事が出来ず、例えば、500L/min程度の水を散布するとその水が、パイル表層を川状に流下する。このため、均鉱パイルの峰の部分の鉱石等が山裾に流下し、均鉱パイルの峰に比較して山裾の粒度が粗くなり、切り出した焼結原料の粒度が大きくバラツく問題を有するものである。
本発明は、原料排出部から粉鉱石を積み付ける直前の均鉱積山に事前散水する事でパイル表層を湿潤させ、スタッカーのブームコンベアの原料排出部から落下した鉱石に散水した水が、パイル表層を川状に流下する事を防止する原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法は、粉鉱石、雑原料、及び、雑熱源等の原料をヤードに積み付けてパイルを形成する際、ブレンディングスタッカーのブームコンベアから落下する前記原料に水を添加する方法において、前記ブームコンベアの原料排出部より前記ブレンディングスタッカーの進行方向前側の前記パイルの表面に散水して、該パイルの表層部を湿潤状態にした後、前記ブームコンベアの原料排出部から落下する前記原料に散水している。
また、本発明に係る原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法において、前記ブームコンベアの原料排出部より前記ブレンディングスタッカーの進行方向後側の前記パイルの表面に散水してもよい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態に係る原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法を図1、図2を参照して以下に説明する。
図1、図2において、1は粗鉱ヤード14に銘柄別に積山した粗鉱山PSの粉鉱石を所定割合で各々切り出すリクレーマー、B−1は各リクレーマー1で切り出した粉鉱石及び、その他の方法で搬送した雑原料、雑熱源等の原料を層状に積み付けて搬送するベルトコンベア、2はベルトコンベアB−1から送られてきた混合原料(焼結原料)を均鉱ヤード3に積み付けて均鉱パイルPKを形成するスタッカー、4はスタッカーのブームコンベア、5〜7はこのブームコンベア4の先端部に配置された散水ノズルである。散水ノズル5及び7はブームコンベア4の先端にある原料排出部15からそれぞれ1〜2m離れ、均鉱パイルPKの長手方向に平行な位置、すなわちスタッカー2の進行方向において原料排出部15より前側及び後側に配置され、原料排出部15より焼結原料が落下する前の均鉱パイルPKの表面と焼結原料落下後の均鉱パイルPKの表面に散水するものである。更に、散水ノズル6は原料排出部15に配置され、原料排出部15より落下する焼結原料に散水するものである。8〜10はスタッカー2の移動範囲と平行な位置に設けられた連続給水樋11から前記散水ノズル5〜7の各々に水を供給するために各々の配管11a に設けられ、各散水ノズル5〜7に供給する水量を調整する電磁弁であり、12はリクレーマー1から原料を払い出す際に得られる切出し位置信号を入力して、予め記憶している原料の銘柄を基に、積み付ける各焼結用原料の銘柄の持ち込み水分、積み付ける均鉱パイルPKの全体目標水分から、水分添加量を算出し、散水ノズル5〜7から各々散水する量を算出し、電磁弁8〜10の開度調整指令を出す計算機、13はベルトコンベアB−1上の荷の有無を検出する検知器である。計算機12は検知器13の信号により、スタッカー2のブームコンベア4に荷が到達する時のみ電磁弁8〜10を動作させ散水ノズル5〜7で散水を行う様に設定している。
【0006】
また、前記計算機12は、スタッカー2の車輪駆動軸の回転数と回転方向を入力しており、この車輪駆動軸の回転数が零になった時点、即ち、スタッカー2の走行折り返し点(端部)a、bを判断し、更に、前記車輪の回転方向でスタッカー2の走行方向を判断出来るようにしている。そして、計算機12が走行折り返し点a、bに到達したことを検知すると、スタッカー2の走行進行方向前側にある散水ノズル5(又は7)の散水を停止(例えば、矢印A方向の走行で折り返し点aに到達した場合には、散水ノズル5からの散水を停止、一方、矢印B方向の走行で折り返し点bに到達した場合には、散水ノズル7からの散水を停止)するために、電磁弁8(又は10)を閉止する。そして、再び、スタッカー2の走行車輪駆動軸の回転数が上がり、計算機12が走行折り返しを開始したことを検知すると、電磁弁10(又は8)を開き、スタッカー2の走行進行方向前側にある散水ノズル7(又は5)からの散水を開始する。これにより、折り返し点(端部)a、bの散水過多による焼結原料の流下を防止する。
【0007】
このように本実施の形態では、原料排出部15より進行方向前側にある散水ノズル5(又は7)から均鉱パイルPKの表面に散水して、均鉱パイルPKの表層部を湿潤状態にした後に、散水ノズル6によって原料排出部15から落下する原料に散水している。
また、ブームコンベア4の原料排出部15よりスタッカー2の進行方向後側の散水ノズル7(又は5)からの散水は、該ブームコンベア4先端部からの原料が積山された均鉱パイルPKの表層の散水ムラによる未湿潤部分を補うために散水している。
前記スタッカー2の均鉱パイルPKへの散水量の調整割合は、3ヶ所で散水する事で、1ヶ所での散水による保水限界以上の散水を可能とするもので、原料排出前と原料排出後の散水ノズル5及び7による散水量は、均鉱パイルPKの山裾まで均一に散水される散水量、すなわち各々50〜200L/minに任意に調整し、残りの散水量0〜200L/minを散水ノズル6で原料排出部15から散水する水分量とするものである。
【0008】
【発明の効果】
請求項1及び2記載の原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法は、鉱石山に多量の水を添加しつつ積み付ける際に、散水した水が川状に流下することがなくなり、鉱石山の峰の部分の鉱石が山裾に流下することがなくなり、鉱石山の峰と山裾との品質バラツキを防止することが出来るので、焼結原料の場合には、該焼結原料の成分変動を抑制し、焼結操業を安定させて、焼結後の焼結歩留、燃料比、生産率等が向上し、焼結鉱の製造コストを安く出来る等の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法を実施するための設備を示す側面図である。
【図2】同設備を示す平面図である。
【符号の説明】
B−1:ベルトコンベア、PK:均鉱パイル、PS:粗鉱山、a、b:折り返し点、1:リクレーマ、2:ブレンディングスタッカー、3:均鉱ヤード、4:ブームコンベア、5、6、7:散水ノズル、8、9、10:電磁弁、11:連続給水樋、11a:配管、12:計算機、13:検知部、14:粗鉱ヤード、15:原料排出部
Claims (2)
- 粉鉱石、雑原料、及び、雑熱源等の原料をヤードに積み付けてパイルを形成する際、ブレンディングスタッカーのブームコンベアから落下する前記原料に水を添加する方法において、
前記ブームコンベアの原料排出部より前記ブレンディングスタッカーの進行方向前側の前記パイルの表面に散水して、該パイルの表層部を湿潤状態にした後、前記ブームコンベアの原料排出部から落下する前記原料に散水することを特徴とする原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法。 - 前記ブームコンベアの原料排出部より前記ブレンディングスタッカーの進行方向後側の前記パイルの表面に散水することを特徴とする請求項1記載の原料ヤードに積み付けたパイルへの散水方法。
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