JP3779720B1 - 傘の石突き装着具および傘 - Google Patents

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Abstract

【課題】石突きに装着しておけば、傘の自立が可能な傘の石突き装着具、それを用いた傘を提供する。
【解決手段】地面や床面に設置されるベース2aの中央に、傘20の石突き21を挿嵌して、傘20を自立した状態に保持する傘挿着部1を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、傘の石突きに装着して、傘を自立させるようにした傘の石突き装着具および、その装着具を取り付けた自立可能な傘に関するものである。
雨の日に電車やバスに乗車した場合、濡れた傘の処置がきわめて不便である。また、傘立てのない屋内では、濡れた傘の置き場に困ることもある。
この問題を解決するために、次の特許文献では、傘の石突き部に脚部を設けて自立させるようにした傘が提案されている。このものは、傘の石突き部分に脚部の開閉機構を設けて、必要に応じて操作により脚部を開閉するものである。
特開平10−225312号公報
しかしながら、雨が上がったときや屋内で傘を持ち歩くときには、石突きが地面に接触し、衝撃を受けると石突き自体が傷つきやすく、そこに設けた脚部や開閉機構も壊れやすい。
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、石突きに装着しておけば、傘の自立が可能な傘の石突き装着具、およびそれを用いた傘を提供することにある。
また第2の目的は、傘に付いた雨滴の流れ落ちを補集して床面を濡らせることのない傘の石突き装着具、およびそれを用いた傘を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の傘の石突き装着具は、地面や床面に設置されるベースの中央に、傘の石突きを挿嵌して、傘を自立した状態に保持する傘挿着部を設けた傘の石突き装着具であって、次の特徴を有している。すなわち、ベースは外周壁で取り囲まれた開口を有した滴受け空所を形成しており、その空所内に傘挿着部に挿嵌させた傘の傘布より落下する雨滴を捕集し、貯留する構造にしている。また、傘挿着部は傘の石突きを挟持保持する挟持手段を備え、この挟持手段は、それぞれに挟持突起を形成したバネ板を、底面を共通にして花弁状に起立させて筒状に構成した挟持具と、その挟持具の底面にスプリングを介して弾性支持された作動板とを組み合わせて構成され、作動板の押し下げによって挟持具の押し広げをさせる一方、スプリングの弾性力による作動板の上方復帰によって挟持具の復元動作をさせることを特徴としている。
請求項2では、傘挿着部は、所定の傾斜角度範囲で、挿嵌された傘を傾斜状態に保持できる傾斜保持機構を備えていることを特徴とする。
請求項3では、ベースに、それらの形状あるいは立設角度を自在に変えることができる複数の脚部をさらに備えていることを特徴とする。
請求項4に記載の傘は、石突き部分に、請求項1〜3のいずれかに記載の傘の滴受け具を装着している。
請求項1に記載の傘の石突き装着具によれば、傘の石突きを挿嵌して自立した状態に保持する傘挿着部を設けているため、地面、床面などで傘を自立させることができる。それによって、電車内などにおいて、手放しで傘を立たせることができ、両手が塞がる状態を解消することができる。また、自立させることができるため、傘立てのない屋内でも部屋の片隅に自立させて放置しても安定した状態に維持することができる。さらに、石突きを挟着する構造であるため、傘を差し込んだ状態で持ち歩くことができる。
また、滴受け空所をさらに形成しているため、傘布から伝って落ちる雨水を効果的に捕集することができる。また、滴受け空所は上方が開口しているので、捕集しやすいとともに捕集した水を簡単に排水することができ、水を排出してしまえば、取り付けたままで傘を持ち歩いても漏水するおそれが全くない。
さらに、それぞれに挟持突起を形成したバネ板を、底面を共通にして花弁状に起立させて筒状に構成した挟持具と、その挟持具の底面にスプリングを介して弾性支持された作動板とを組み合わせて石突きを挿着できるようにしている。そのため、傘が石突き装着具から離れにくく、装着したまま持ち歩くのに便利である。また、石突き装着具を傘に取り付けた状態で、石突きを下に向けて地面を突きながら持ち歩いても、石突き装着具によって保護されるため、傘自体は傷まない。また、石突きを挟持突起により確実に挟持できるとともに、石突きで作動板を押し下げれば簡単に傘を抜き出すこともできる。
請求項2に記載の傘の石突き装着具によれば、傘挿着部が傘を所定の傾斜角度範囲で傾斜状態に保持できる構造であるため、容易に片手で角度調整ができ、また傘をベースに対して斜めにして、まっすぐ起立させることもできる。
請求項3に記載の傘の石突き装着具によれば、ベースに複数の脚部を設けているので、傘をより安定して自立させることができる。また、これらの脚部は形状あるいは立設角度を自在に変えることができるので、傾斜があるところでも傘を自立させることができる。
請求項4に記載の傘によれば、上記請求項1〜3と同様の効果を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、添付図面とともに説明する。なお、以下の実施例には、傘の石突き装着具として雨滴受け具を示している。
図1(a)は本発明の雨滴受け具の斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
雨滴受け具10はプラスティックなどにより製され、底面を平らにしたベース2a上の中央に配置した、傘20(図3参照)の石突き21(図3参照)を挿嵌して、装着するための傘挿着部1と、その傘挿着部1を、ベース2aより垂直方向に連設された外周壁2bで取り囲み、上方に開口2cを有し、傘布22(図3参照)から流れ落ちる雨滴を捕集するために空所を備えた滴受け部2とよりなる。
また傘挿着部1は、上部を開口し略円筒状に形成され、外殻となる本体部1aと、石突き収容部1bと、該本体部1aの内側に形成され、石突き21を挟持固定するようにした挟持手段7と、挿嵌された傘21を傾斜可能に保持する傾斜保持機構3とを備えている。
石突き21の挟持は、石突き21を石突き収容部1bに挿入したときに、石突き収容部1bの、径を小さくした下方の内壁によって石突き21を外方から圧迫して固定してもよいし、図1に示すように、内壁に弾性部材で製された複数の挟持突起1cによって固定するようにしてもよい。
また、挟持手段7として挟持具70(図2参照)などの別部材を利用して、挟持固定するようにしてもよい。このような挟持手段7と傾斜保持機構3の詳細構造については、図2で説明する。
なお、本例に記載の雨滴受け具10は、傘挿着部1の本体部1aを先細のペンシルキャップ状、滴受け部2を円筒形状としているが、このような形状には限定されない。
次に、傘挿着部1の詳細構造について図2を参照しながら説明する。図2(a)は傘挿着部1の拡大平面図である。また図2(b)、(c)は、(a)の平面図のY−Y線縦断面を示したもので、挟持手段7による石突き21の挟持と開放を説明するための図である。
挟持手段7は挟持具70を含んで構成され、その挟持具70は、本体部1aの石突き収容部1bに装着され、石突き21を挿嵌しない状態では、上端開口部では、挟持具70と本体部1aとの間には所定の隙間Sを有している。
挟持具70は、図2に示すように、中間部に挟持突起71aを形成した4枚のバネ板71を、底部74を共通にして、花弁状に起立させており、それぞれのバネ板71の上端71bは、外側に重合させて挿入口70aを形成している。挟持具70は、底部74から挿入口70aに向かってラッパ状に広がった筒体を形成しており、その中間部の内壁面に形成した挟持突起71aで規定された空隙は、傘20の石突き21よりも小さくなっており、さらに、筒体の底部74の上方に形成された筒体内部には、スプリング73で筒体の上方向に弾性力が付勢された作動板72が、その筒体の内壁に対してほとんど隙間を生じない状態に収容されている。
また、ベース2aにはボール軸受けの支持殻3bが設けられ、その支持殻3b内には、ボール3aが任意の方向に摩擦回動可能に収容支持され、ネジ部を形成したボール軸3cによって、ボール3aと、本体部1aの底部と挟持具70の底部74とをネジ着している。これらボール3a、支持殻3b等によって、傘20を傾斜させて保持する傾斜保持機構3を構成している。
したがって、傘20の石突き21を傘挿着部1の開口から、筒体の挿入口70aに挿入すると、図2(b)に示したように、石突き21は、バネ板71の挟持突起71aで四方より挟まれるので、傘20を自立状態に保持することができる。このときには、バネ板71が広がるため、挟持具70と本体部1aとの間の隙間Sは少し狭まるが、接触しない状態に保持される。
さらに、その状態から石突き21で作動板72を押し下げると、図2(c)に示したように、作動板72はスプリング73の弾性力に抗して押し下げられ、バネ板71で構成された筒体を押し広げて、挟持具70の上端と本体部1aの上端とが接触するまで挿入口70aを拡大させるので、挟持突起71aは石突き21を開放し、石突き21を上方に抜き出すことができる。また、このようにして石突き21を開放した後は、作動板72は、スプリング73の弾性力を受けて上方に復帰し、これによって、バネ板71は、挿入口を縮小させるので、再び、石突き21を挿入すると、バネ板71の挟持突起71aで四方より挟み傘20を自立状態に保持する。
なお、開放時に石突き21を確実に抜き出せるようにするため、スプリング73、作動板72、バネ板71などを調整することにより、復元を遅くするようにすればよい。たとえば、スプリング73に戻りの遅いものを使用してもよいし、作動板72とバネ板71との接触面積を大きくして、その摩擦によって作動板72が持ち上がりにくくしてもよい。
このような構造によれば、挟持具70に手を触れることなく、傘20の石突き21を傘挿着部1に差し込む操作をすることで、挟持具70に対する装脱ができるので、すこぶる利便である。
図2の例では、外殻となる本体部1aと挟持具70の二重構造であるが、外殻を設けずに、傘挿着部1を、挟持手段7と傾斜保持手段3とにより構成するようにしてもよい。また、挟持手段7としては図示するものに限らず、例えばスポンジを本体部1aの内部に充填し、スポンジ上面中央に切込を入れて、そこに石突き21を突き刺すようにしたものでもよい。
図3は、本発明の雨滴受け具の利用態様を示す図で、(a)は平坦地で使用する場合、(b)は傾斜地で使用する場合を示している。
雨滴受け具10は、閉じた傘20の石突き21を傘挿着部1に差し込んだ状態で利用する。雨に濡れた傘20を閉じた状態で、図3(a)に図示するように雨滴受け具10に指し込んで、石突き21を下にした状態で立て、あるいは持ち歩くと、傘布22に付着した雨水は傘布22を伝って、雨滴受け具10の開口2cより滴受け空所2の空間に流れ込む。
滴受け部2の上部が開口されているため、雨滴受け具10を傘20より取り外せば、その開口部2cより溜まった水を簡単に排出することができる。また、雨滴受け具10は、上述したように傘20から簡単に取り外すことができるので、屋内に入るつど、溜まった水を捨てればよく、溜まったままの状態で持ち歩く必要がない。もちろん、石突き21を挟み込んでいるため、普通に持ち歩く分には容易に外れず、また付けたまま傘をさしても全く支障がない。また、雨滴受け具10を傘20に取り付けた状態で、石突き21を下に向けて地面に突いて持ち歩いても、雨滴受け具10によって石突き21が保護されるため、石突き21は傷まない。
さらに、この雨滴受け具10はベース2aを有しているため、ベース2aの底面を平らにするなどすれば、傘20を挿着した状態で自立させることができる。例えば電車内で、傘20を足元に置き、手放しで立たせておくことができる。特に、傾斜保持手段3を設けて、傘挿着部1を回動自在に角度を変えて固定できるようにしているため、傾斜のある場所でも、図3(b)に示すように、傘がまっすぐになるように傘挿着部1の角度を変えれば傘を自立させることができる。また、図2で詳述したように、ボール軸受けによる傾斜保持機構3を設ければ、このような操作を片手で簡単にすることができる。
なお、本実施例では、雨滴受け具10のベース2a底面を平らにして地面に接地するようにしているが、ベース2aの下方に複数の脚部を設けて安定接地できるようにしてもよい。
以上のように傘20を自立させることができるため、傘立てのない屋内でも部屋の片隅に自立させて放置しておけば、倒れることがないので濡れた傘布22で床面を濡らすことがなく、かつ雨水を自然に溜めることができる。
本実施例では、傘の石突き装着具として雨滴受け具10を示したが、単なる傘を自立させることが可能な石突き装着具であってもよい。つまり、外周壁2bを構成に含まない、つまり滴受け空所2を形成せずに、ベース2aと、傾斜保持機構3と、傘挿着部1とよりなるものであってもよい。
図4は、本実施例の雨滴受け具の全体を示した斜視図である。なお、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略する。
本例に記載の雨滴受け具10Aには、外周壁2aの上端より内向に連設された鍔部4をさらに備えている。また、外周壁2aと内向鍔部4との境界部に水抜き孔5を設けている。この内向鍔部10Aにより、雨水を溜めたまま雨滴受け具10Aを持ち歩いても、揺れにより雨水が外に飛び出すことがなく利便性が高い。また、水抜き孔5を設けているため、鍔部4によって水が排出しにくくなることもない。
図5(a)は、本実施例の雨滴受け具の全体を示した斜視図、(b)は利用態様を示した説明図である。なお、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略する。また、傘挿着部1は不図示とする。
本例に記載の雨滴受け具10Bは、自由に折り曲げて形状を変形できるようにした複数の脚部6をさらに備えている。図例では3本の脚部6、6、6を備えているが、4本以上であってもよい。脚部6は、中央部での折り曲げと、その状態で固定することを可能としたものである。
したがって、複数の脚部6、6、6のそれぞれを所望の高さになるよう折り曲げ調節すれば、傾斜地でも傘20を自立させることができる。また、脚部6が不要なときは折り畳んでおけばよい。
また、図6に示した雨滴受け具10Cのように、脚部6、6、6を外周壁2bに形成した脚収容部8に収容可能とし、必要なときにこれを取り出すようにしてもよい。なお、脚部6の収容時および開脚時は、複数段階に立設角度を変更できるようにした係合手段(不図示)により固定させる。なお、図6(a)は収容時、(b)は開脚時の状態を示す図である。
(a)は本発明の雨滴受け具の斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図である。 (a)は傘挿着部の拡大平面図、(b)、(c)は、(a)の平面図のY−Y線縦断面を示したもので、挟持手段による石突きの挟持と開放を説明するための図である。 本発明の雨滴受け具の利用態様図である。 本発明の実施例2の雨滴受け具を示す斜視図である。 本発明の実施例3の雨滴受け具の説明図で、(a)は斜視図、(b)は利用態様図である。 本発明の実施例3の別例の雨滴受け具の説明図で、(a)は脚部収容時、(b)は開脚時の斜視図である。
符号の説明
10、10A、10B 雨滴受け具(石突き装着具)
20 傘
21 石突き
22 傘布
1 傘挿着部
1a 本体部
1b 石突き収容部
1c 挟持突起
2 滴受け部(滴受け空所)
2a ベース
2b 外周壁
2c 開口
3 傾斜保持機構
4 内向鍔部
5 水抜き孔
6 脚部
7 挟持手段
70 挟持具
71 バネ板
71a 挟持突起
72 作動板
73 スプリング

Claims (4)

  1. 地面や床面に設置されるベースの中央に、傘の石突きを挿嵌して、傘を自立した状態に保持する傘挿着部を設けた傘の石突き装着具であって、
    上記ベースは、外周壁で取り囲まれた開口を有した滴受け空所を形成しており、その空所内に上記傘挿着部に挿嵌させた傘の傘布より落下する雨滴を捕集し、貯留する構造にしており、
    上記傘挿着部は、傘の石突きを挟持保持する挟持手段を備え、
    この挟持手段は、それぞれに挟持突起を形成したバネ板を、底面を共通にして花弁状に起立させて筒状に構成した挟持具と、その挟持具の底面にスプリングを介して弾性支持された作動板とを組み合わせて構成され、
    上記作動板の押し下げによって上記挟持具の押し広げをさせる一方、上記スプリングの弾性力による上記作動板の上方復帰によって上記挟持具の復元動作をさせることを特徴とする傘の石突き装着具。
  2. 請求項1において、
    上記傘挿着部は、所定の傾斜角度範囲で挿嵌された傘を傾斜状態に保持できる傾斜保持機構をさらに備えていることを特徴とする傘の石突き装着具。
  3. 請求項1または2のいずれかにおいて、
    上記ベースには、それらの形状あるいは立設角度を自在に変えることができる複数の脚部をさらに備えていることを特徴とする傘の石突き装着具。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の傘の石突き装着具を、石突きに装着してなる傘。
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