JP3779600B2 - Pcr用プライマーおよびpcr用プライマーの塩基配列決定法 - Google Patents

Pcr用プライマーおよびpcr用プライマーの塩基配列決定法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、PCR用プライマーおよびPCR用プライマーの塩基配列決定法に関し、特に、ターミナルトランスフェラーゼ活性を持つ耐熱性DNAポリメラーゼを用いるPCR時におけるアデニンの付加反応に好適な、PCR用プライマーおよびPCR用プライマーの配列決定法に関する。
【0002】
【従来の技術】
DNAあるいはRNAを検出するには、検体から得られたDNAやRNAの配列を増幅してから検出することが一般的であり、そのためにPCR増幅が行われるのが一般的である。PCR増幅したDNA断片を検出するには、DNA断片に放射性同位標識や化学発光、蛍光による標識を行い、ゲル電気泳動などでサンプルを分離した後標識物を検出する。最近DNA断片にインターカレートする蛍光体や合成DNAの末端蛍光標識が可能となり、よく用いられるようになってきている。インターカレートする蛍光体を用いる場合には、アガロースゲルで電気泳動したDNA断片を、エチジウムブロマイドやアクリジンオレンジ等のインターカレーターで標識して検出する。
【0003】
より正確な断片長の測定には、末端蛍光標識したDNA断片をポリアクリルアミドゲルで電気泳動して検出する。正確な断片長の測定が必要な方法として、RT−PCR(Revers Transcriptase-PCR, Nature Biotechnology, 1999, 17, 720-722,)、FDD(Fluorescent Differential Display, FEBS Letters,1994, 351, 231-236)、ATAC−PCR(Adaptor-Tagged competitive-PCR, Nucleic Acids Research, 1997, 25, 4694-4696)、SSCP(Single Strand Conformation Polymorism, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1989, 86, 2766-2770)などが挙げられる。これらは、PCR後に増幅産物を蛍光式DNAシークエンサーで分析する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在提案されているPCRと電気泳動に基づいたDNA断片増幅・検出について紹介したが、実用面では種々の問題がある。PCR時にDNAポリメラーゼによるDNA断片へのアデニンの付加反応が起こり、付加の起こった断片と付加の起こらなかった断片によって2つのピークが検出される。アデニン付加の起こる確率は試料DNAやPCR条件で変動する。このためピーク割れにより標的DNA断片のピーク面積を求めるといった分析が困難になっている。
【0005】
診断目的のSSCP解析に於いては、ピーク面積を求めて定量的な解析を行うことにより、従来法では判断できないLOH(Loss of Heterozygosity)の検出が可能となっている(K.Sugano, Y.Nakashima, K.Yamaguchi, N.Fukayama, M.Maekawa, H.Ohkura, T.Kakizoe and T.Sekiya, Genes, Chomosomes & Cancer, 1996, 15, 157-164, Sensitive Detection of Loss of Heterozygosity in the TP53 Gene in Pancreatic Adenocarcinoma by Fluorescence-Based Single Strand Conformation Polymorphism Analysis Using Blunt-End DNA Fragments)。しかし、高精度な診断を行うためには、本来のピーク面積に対する隣接するピークの面積の割合を10%以内に抑える必要がある。
【0006】
ピーク割れを防ぐには付加したアデニンを取り除くか、積極的に付加を起こして付加を100%とする2つの方法が考えられる。付加を取り除く方法では、PCR後に除去のための酵素処理を行わなければならない(F.Ginot, I.Bordelais, S.Nguyen and G.Gyapay, Nucleic Acids Research, 1996, 24540-541)。一方、付加を積極的に起こすためには、反応液中のMg2+イオンの濃度を調製したり、反応条件を変えることが必要であるが、アデニン付加したPCR産物を安定して得ることは難しいのが現状である。また、鋳型DNA断片の5’末端近傍の配列によってアデニンの付加効率が変化するという報告(V.L.Magnuson, D.S.Ally, S.J.Nyland, Z.E.Karanjawala, J.B.Rayman, J.I.Knapp, A.L.Lowe, S.Ghosh and F.S.Collins, Biotechniqes, 1996, 21, 700-709)があるが、その配列は一般的ではないし、配列の決定方法についての提案はない。
鋳型DNA5’末端の配列によって、アデニン付加効率を変化させる方法はテーリングと呼ばれている(M.J.Brownstein, J.D.Carpten and J.R.Smith、 Biotechniques, 1996, 20, 1004-1010)。本発明の目的は、リバースプライマーテーリングに於いて、どのような標的DNA断片を増幅するPCR用プライマーに対しても一般的にアデニン付加を高効率で起こす配列をデザインし、簡便に電気泳動分析可能なDNA断片を増幅できるプライマー配列を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、リバースプライマーの5’末端にアデニン付加を高効率で起こす配列をデザインしたアンカー配列をもつPCR用プライマーを用いる。アンカー配列とは、標的遺伝子に相補的なプライマー配列の5’末端に位置し、標的DNA配列と相補的でない配列である。アンカー配列はPCRの1サイクル目に於いては標的配列にハイブリダイズせず、反対側の相補鎖合成が進行した場合にのみハイブリダイズする。従ってアンカー配列は、PCRの2サイクル目以降に於いてハイブリダイズし、増幅断片は標的配列とアンカー配列を有する断片となる。アンカー配列は標的DNA配列と無関係に設計できるため、アデニン付加を高効率で起こすことができる配列を選ぶことができる。PCRでのアデニンの付加反応はプライマー5’末端の塩基種によりアデニンの付加効率が異なることが知られており、5’末端の5塩基程度でアデニンの付加効率が決定されている。
【0008】
本発明では2〜5塩基からなるアンカー配列のうちの1塩基だけを変化させたアンカー配列を持つプライマーを4種類用意し、PCRを行わせる。PCRの結果について4種類のアンカー配列のアデニン付加効率を測定することにより、アデニン付加しやすいアンカー配列をスクリーニングする。5’末端から1塩基目のアンカー配列で最も付加が起こる配列を決め、次に、アンカー配列の5’末端から2塩基目を変化させた4種類のプライマーを合成する。1塩基目と同様にPCRを行い、5’末端から2塩基目の配列でアデニン付加が起こりやすい塩基種を決める。この作業を繰り返し、アデニン付加の起こりやすい2〜5塩基からなるアンカー配列を決める。
【0009】
上述した方法で求めたアデニン付加の起こりやすいアンカー配列を有するプライマーを用いてPCRを行う。その結果、アデニン付加が起こった増幅産物が優先的に得られる。アデニン付加が起こらなかった増幅産物の割合が、アデニン付加の起こった増幅産物に対して10%以下であれば、定量的解析が要求される診断に使用することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施例を用いて説明する。
【0011】
(実施例1)
図1は本発明によるアンカー配列を有するPCR用プライマーを用いたPCRと、その結果の産物の態様および産物を電気泳動して標識の蛍光強度でアンカー配列を有するPCR用プライマーを評価することを模式的に示す図である。1は試料DNAである。2はPCR用フォワードプライマー、4はPCR用リバースプライマーである。それぞれのプライマーは、試料DNA1を二つの一本鎖1−1と1−2とに変性させたときに、それぞれに相補である12〜20塩基の塩基長を持つものとされる。フォワードプライマー2の5’末端は蛍光標識Fで標識されている。リバースプライマー4の5’末端にはアンカー配列3を接続したものとする。ここで、アンカー配列3は2〜5塩基の塩基長とされ、標的DNA配列とは相補的でない配列とされる。従って、アンカー配列3を含めたリバースプライマー4の塩基長は14〜25塩基となる。
【0012】
このようなプライマーを用意して、ターミナルトランスフェラーゼ活性を持つ耐熱性DNAポリメラーゼを用いてPCRを行うと、プライマー2、4がそれぞれ矢印に示すように伸長される。先にも述べたように、PCRの2サイクル目以降に於いては、増幅断片は標的配列とアンカー配列を有する断片となり、これを標的DNAとしてフォワードプライマー2の伸長反応が起こる。この際、PCR産物の3’末端にアデニン付加が起こらなかった断片5とアデニン付加が起こった断片6が増幅される。付加されたアデニンを図ではまるで囲ったAで表示している。
【0013】
このようにして得られたPCR産物を電気泳動して分析すると、エレクトロフェログラム9に示すように、アデニン付加が起こった断片6に由来するピーク8とアデニン付加が起こらなかった断片5に由来するピーク7が検出される。ここで、横軸は塩基長であり、ピーク8とピーク7の塩基長は付加されたアデニンがあるかないかのアデニン1塩基分しか違わないが、図を分かりやすくするためにそれぞれのピークを離して表示した。
アンカー配列3の5’末端がアデニンの付加反応を促進する塩基となっていれば、アデニン付加が起こった断片6に由来するピーク8を、アデニン付加の起こらなかった断片5に由来するピーク7に対して十分に大きくすることができ、分析の精度が向上する。
実施例1では、出芽酵母野生株から抽出したRNAからcDNAを作製し、試料DNA1として用いた。また、PCR用フォワードプライマー2として、(配列1)を持ち、5’末端を蛍光体HEXで標識したフォワードPCR用プライマーを用いた。(配列1)
5’−HEX−agaagagggc tccaatttct c−3’
一方、PCR用リバースプライマー4のうち試料DNAに対して相補である部分の配列が(配列2)であるPCR用プライマーを用いた。
(配列2)
5’−gtgagcaata cacaaaattg ta−3’
上記のプライマーペアを用いて出芽酵母野生株由来の試料DNA1のPCRを行うと、187bpの長さのPCR産物が増幅される。Ex−Taqポリメラーゼ(宝酒造)を用いて、94°Cで30秒、60°Cで60秒、72°Cで30秒からなるサイクルを25回繰りかえし、その後72°Cで2分間保温する条件でPCRを行った。PCR産物を3.5%ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動分析した。得られた泳動データは電気泳動装置付属のソフトウェアでベースライン補正を行い、エレクトロフェログラムを作製した。
【0014】
図2(A)はアンカー配列を持たないリバースプライマーによるPCRにおける増幅産物のエレクトロフェログラム10を示し、図2(B)はアンカー配列を持つリバースプライマーによるPCRにおける増幅産物のエレクトロフェログラム13を示す。図2(A)のエレクトロフェログラム10では、アデニン付加が起こった断片6によるピーク11とアデニン付加が起こらなかった断片5によるピーク12とを比較して分かるように、ピーク11の方がピーク12より小さい。また、両者のピークの比率は1:4程度である。一方図2(B)のエレクトロフェログラム13では、アデニン付加が起こった断片6によるピーク11とアデニン付加が起こらなかった断片5によるピーク12とを比較して分かるように、ピーク11の方がピーク12より圧倒的に大きい。すなわち、本実施例によるPCRでは、アンカー配列を持つリバースプライマーによるアデニンの付加反応が促進され、アデニン付加の起こらなかった断片5は、アデニン付加の起こった断片6の10%以下に抑止されたことが分かる。
図3(A)−(D)は本発明によるアデニンの付加反応を促進するアンカー配列のスクリーニング法の概念をフローチャートで示したものである。図1で説明したように、試料DNA1と、これを一本鎖にしたときのそれぞれを鋳型としてPCRを行うためのPCR用フォワードプライマー2とPCR用リバースプライマー4とを用意する。PCR用フォワードプライマー2は標的DNA断片を増幅するため、標的配列に相補的な配列を持ち、蛍光体Fで標識されている。PCR用リバースプライマー4は標的配列に相補である配列4と、標的配列に相補でない4塩基からなるアンカー配列3−1,3−2,3−3および3−4とから構成されている。
【0015】
ここで、アンカー配列3−1,3−2,3−3および3−4の5’末端に注目して明らかなように、5’末端がそれぞれA、C、G、Tの4種類の塩基とされている。なお、NNNの塩基配列はA,C,G,T全ての組み合わせからなる64(=4×4×4)種類の塩基配列ということになる。3−1,3−2,3−3および3−4は64種類のオリゴヌクレオチドの混合物であるが、実質的には5'末端がそれぞれA、C、G、Tの塩基である4種類のオリゴヌクレオチドとして扱うことができる。図3(A)では、アンカー配列3−1の5’末端がAとされたPCR用リバースプライマーによって図1と同様にしてPCRを行い、その結果、アデニン付加の起こらなかったDNA断片5と、アデニン付加の起こったDNA断片6とが得られてエレクトロフェログラム9に示すように、アデニンが付加しなかった増幅DNA断片5に由来するピーク7の面積とアデニンが付加した増幅DNA断片6に由来するピーク8の面積を区別して検出できる。64種類のオリゴヌクレオチドの内の1つは標的DNA断片と相補な配列を持つものとなりうるが、残りの63種類は非相補であるので、実質的には非相補なアンカー配列として扱って良い。その結果、末端に塩基Aを持つアンカー配列を持つ折後ヌクレオチドとしてピーク面積を計算する。図3(B)−(D)でも同様にして、アデニンが付加しなかった増幅DNA断片5に由来するピーク7の面積とアデニンが付加した増幅DNA断片6に由来するピーク8の面積を区別して検出できる。
【0016】
アデニンが付加しなかった増幅DNA断片5に由来するピーク7の面積Sとアデニンが付加した増幅DNA断片6に由来するピーク8のピーク面積SAを求め、ピーク面積の割合からアデニンの付加反応の効率(SA/(SA+S))を算出する。高アデニン付加効率を与えるPCR用リバースプライマーの5’末端の塩基をアンカー配列として採用する。
【0017】
図4(A)−(D)に、4種類のアンカー配列3−1,3−2,3−3および3−4を持ったPCR用リバースプライマーを使用したPCR産物についての電気泳動結果の具体例をエレクトロフェログラム41、42、43および44で示す。各エレクトロフェログラムからアデニンが付加した増幅DNA断片6に由来するピークの面積SAおよびアデニンが付加しなかった増幅DNA断片5に由来するピーク面積Sを求め、各PCR用リバースプライマーについてアデニン付加効率(SA/(SA+S))を求めた結果を比較するグラフ45を図5に示す。図の場合、グラフ中の(c)のアンカー配列が最も高いアデニンの付加効率を与えたため、(c)のアンカー配列を選定した。(c)のアンカー配列は塩基Gであったため、アンカー配列の5’末端の塩基はGを採用した。
【0018】
以上のように、アンカー配列のうちの5’末端の1塩基を4種類の塩基としたアンカープライマーを用い、4種類のうち最も効果の高いアンカー配列を、まず、選定する。次いで、アンカー配列のうちの5’末端を選定した塩基とするとともに、5’末端から二つ目の1塩基を4種類の塩基としたアンカープライマーを用い、4種類のうち最も効果の高いアンカー配列を選定する。この操作を繰り返してスクリーニングをしていけば、例えば、4つの塩基からなるアンカー配列3の全ての塩基を決定することができる。
【0019】
図6に、図3に続くアンカー配列の5’末端から2番目の塩基の決定の流れを示す。まず、5’末端の塩基がGとされたアンカー配列3−5,3−6,3−7および3−8を持つPCR用リバースプライマーを用意する。PCR用リバースプライマーのアンカー配列3−5,3−6,3−7および3−8の塩基配列においてNはA、C、G、Tの混合塩基である。従って、図6におけるPCR用リバースプライマーのアンカー配列3−5,3−6,3−7および3−8のNNの塩基配列はA,C,G,T全ての組み合わせからなる16(=4×4)種類の塩基配列ということになる。用意した4種類のアンカー配列3−5,3−6,3−7および3−8を持つPCR用リバースプライマーと蛍光標識したPCR用フォワードプライマー2の組み合わせで標的DNAをPCRにより増幅する。増幅DNA断片をゲル電気泳動で分析し、アデニンが付加しなかったDNA断片5とアデニンが付加したDNA断片6とのピーク面積を求め、最も効果の高いアンカー配列を5’末端の二つの塩基種として選定する。
【0020】
図7に、4種類のアンカー配列3−5,3−6,3−7および3−8を持ったPCR用リバースプライマーを使用したPCR産物についての電気泳動結果の具体例をエレクトロフェログラム80、81、82および83に示す。各エレクトロフェログラムからアデニンが付加した増幅DNA断片6に由来するピークの面積SAおよびアデニンが付加しなかった増幅DNA断片5に由来するピーク面積Sを求め、各PCR用リバースプライマーについてアデニン付加効率(SA/(SA+S))を求めた結果を比較するグラフ84を図8に示す。図の場合、グラフ中の(c)のアンカー配列が最も高いアデニンの付加効率を与えたため、(c)のアンカー配列を選定した。(c)のアンカー配列は塩基Gであったため、アンカー配列の5’末端から2塩基目の塩基としてGを採用した。すなわち、アンカー配列は5’末端から2塩基目までの塩基はGGとするのが良いことが示された。
なお、図8に於いては、最も効果の低かった(b)のアンカー配列以外の(a)、(d)についても検討した結果以下のことが分かった。図8(a)、(d)ともにアデニンの付加効率は図8(C)とそれほど遜色はないが、(d)については図7に示すエレクトロフェログラム83に於いて、アデニンが付加しなかった増幅産物5由来のピークとアデニンが付加した増幅産物6由来のピークを分離して検出してしまうため、採用しないこととした。(a)については図7に示すエレクトロフェログラム80のピークはアデニンが付加しなかった増幅産物5由来のピークとアデニンが付加した増幅産物6由来のピークとが、図7に示すエレクトロフェログラム82のピークと同一ピークと認識されたため、採用することとした。(a)のアンカー配列の塩基はAであるため、アンカー配列の5’末端から2塩基目の塩基としてAを採用した。すなわち、アンカー配列は5’末端から2塩基目までの塩基はGAとするのが良いことが示された。
この結果、本実施例では、アンカー配列は5’末端から2塩基目までの塩基はGGまたはGAとするのが良いことが示されたことになる。
図9に、図6に続く5’末端から3番目の塩基の決定の流れを示す。この例では、アンカー配列の5’末端から2塩基目までの塩基はGGとした場合について述べるが、これをGAとしたときはGGをGAと読み替えれば良い。まず、5’末端からの二つの塩基がGGとされたアンカー配列3−9,3−10,3−11および3−12を持つPCR用リバースプライマーを用意する。PCR用リバースプライマーのアンカー配列3−9,3−10,3−11および3−12の塩基配列においてNはA、C、G、Tの塩基である。従って、図9におけるPCR用リバースプライマーのアンカー配列3−9,3−10,3−11および3−12のNの塩基配列はA,C,G,Tの4種類の塩基配列ということになる。用意した4種類のアンカー配列3−9,3−10,3−11および3−12を持つPCR用リバースプライマーと蛍光標識したPCR用フォワードプライマー2の組み合わせで標的DNAをPCRにより増幅する。増幅DNA断片をゲル電気泳動で分析し、アデニンが付加しなかったDNA断片5とアデニンが付加したDNA断片6とのピーク面積を求め、最も効果の高いアンカー配列を5’末端の三つの塩基種として選定する。
【0021】
図10に4種類のアンカー配列3−9,3−10,3−11および3−12を持つPCR用リバースプライマーを用いてPCRを行った増幅産物を電気泳動して得たエレクトロフェログラムである。各エレクトロフェログラムから各PCR用リバースプライマーについてアデニン付加効率を求める。
【0022】
図11は4種類のアンカー配列3−9,3−10,3−11および3−12を持つPCR用リバースプライマーを用いてPCRを行った増幅産物についてのアデニン付加効率を比較したグラフ90を示す。先の例と同様に、最も効果の高いアンカー配列を5’末端から3塩基目の塩基種として選定することになるが、実施例1の場合、3塩基目のスクリーニングの結果アデニン付加効率に差はなく、どのアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーでもアデニン付加が起こった断片しか検出されなかった。従って、3塩基目の選定は行う必要がないことになる。
【0023】
このように、本実施例では、5’末端から2塩基目までの塩基によりアデニン付加効率を必要な値にできるアンカー配列を決定できる。従って、必ずしもアンカー配列を4塩基とする必要はない。すなわち、実施例1では、アンカー配列は5’末端にGAあるいはGGの配列を有するアンカー配列とすれば良いことが分かった。一般的には、5塩基以上スクリーニングを行うとアデニン付加効率の差は小さくなるため、実用上、アンカー配列の長さは5塩基程度とすれば十分である。
【0024】
図12(A),(B)に、本実施例により決定されたアンカー配列をもつPCR用リバースプライマーの構造を模式的に示す。アンカー配列をもつPCR用リバースプライマー91は標的DNAにハイブリダイズする配列部分95と、配列95の5’末端側に隣接し、標的DNAと非相補なアンカー配列94から構成されている。アンカー配列の5’末端2塩基はGAの塩基配列もしくはGGの塩基配列となっている。
【0025】
アンカー配列を3塩基とするときは、前述したように、アンカー配列は合計4×4×4=64通りの配列がありうるが、実施例1では3回のスクリーニングで64通りの配列から高いアデニン付加効率を与えるアンカー配列を決定することができた。以上のように高アデニン付加効率を与えるアンカー配列を決定し、決定したアンカー配列を標的DNAに相補な配列の5’末端側に持つようにPCR用リバースプライマーの塩基配列を決定した。本実施例のように高アデニン付加効率を与えるアンカー配列を持つプライマーを用いたPCRを行い、増幅産物を電気泳動により検出する解析方法ではアデニン付加した増幅産物のピークだけを検出することができ、高い分解能の解析結果を得ることができる。
【0026】
(実施例2)
本発明はSSCPに適用できる。図3−図11を参照しながら説明したのと同様にして、標的DNAを、蛍光標識したPCR用フォワードプライマーとアデニン付加を高効率で起こす組み合わせの塩基を5’末端側に配列されたアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーを用いてPCR増幅した。PCRによってアデニン付加の起こった断片とアデニン付加の起こらなかった断片が増幅される。PCR産物を熱変性、急冷した後に、10%グリセロールを含む6%ポリアクリルアミドゲルをSSCP用電気泳動ゲルとして用いて電気泳動する。電気泳動バッファーは10%グリセロールを含む1×TBEバッファーを用いた。
【0027】
図13(A)、(B)はアデニン付加のSSCPにおける影響を評価した一例であり、図2に対応する図である。図13(A)はアンカー配列を持たないリバースプライマーによるPCRにおける増幅産物の解析結果のエレクトロフェログラム140を示し、図13(B)はアンカー配列を持つリバースプライマーによるPCRにおける増幅産物の解析結果のエレクトロフェログラム141を示す。図13(A)のエレクトロフェログラム140では、父性由来のDNAから増幅されアデニン付加が起こった断片に由来するピーク142と、アデニン付加が起こらなかった断片に由来するピーク143と、母性由来のDNAから増幅されアデニン付加が起こった断片に由来するピーク144と、アデニン付加が起こらなかった断片に由来するピーク145が検出される。エレクトロフェログラム140ではアデニン付加の起こらなかった断片とアデニン付加の起こった断片が3:1であり、アデニン付加した断片が10%以上混じっている。一方、図13(B)のエレクトロフェログラム141では、父性由来のDNAから増幅されアデニン付加の起こった断片に由来するピーク142と、母性由来のDNAから増幅されアデニン付加の起こったピーク144が検出されている。図から分かるように、エレクトロフェログラム141では、アデニン付加の起こらなかった断片はほとんど検出されていない。
【0028】
図13(A)、(B)から分かるように、アンカー配列を持つリバースプライマーによりアデニンの付加反応を促進することにより、PCR産物をアデニン付加の起こらなかった断片とアデニン付加の起こった断片の混合物からアデニン付加の起こらなかった断片を除外したものとすることができる。この結果、SSCPによる診断をより高精度なものにできる。
(実施例3)
本発明はマルチプレックスPCRにも適用することができる。実施例1と同様、蛍光標識したPCR用フォワードプライマーとアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーを用いて標的DNAをRCR増幅する。実施例1では1つの反応チューブにて1つの標的DNAを増幅することを前提として説明したが、マルチプレックスPCRでは1つの反応チューブにて複数の標的DNAを同時に増幅し、PCR産物を電気泳動分離して同時に検出することができる。アンカー配列は標的DNAの配列とは相補でないという条件を満たせば良く、標的DNAの配列とは無関係に設計できるため、全てのPCR用リバースプライマーに対して同じアンカー配列を使用できる。
【0029】
図14(A)は標的DNAを蛍光標識したPCR用フォワードプライマー群とアンカー配列を持たないPCR用リバースプライマー群を用いてPCRを行い、PCR産物を電気泳動分析した場合のエレクトロフェログラム150を示す図であり、図14(B)は標的DNAを蛍光標識したPCR用フォワードプライマー群とアンカー配列を持つPCR用リバースプライマー群を用いてPCRを行い、PCR産物を電気泳動分析した場合のエレクトロフェログラム151を示す図である。図14(A)に示すように、アデニン付加効率を促進するアンカー配列を用いずにマルチプレックスPCRを行った場合、エレクトロフェログラム150では、ピークが近接し、定量的解析が困難になる場合がある。しかし、図14(B)に示すように、アデニン付加効率を促進するアンカー配列を持つPCR用プライマーを用いてマルチプレックスPCRを行うと、エレクトロフェログラム151のように、ピークの近接が緩和される。このため、高度なマルチプレックス化が可能となる。実施例3では、アデニン付加が起こらなかった断片由来のピークが検出されないため、高度なマルチプレックス化が可能となる。
【0030】
(アンカー配列を求めるソフトウェアの実施例)
PCRに用いるプライマー配列を決める段階に於いて、簡便にアンカー配列を持つPCR用プライマーの塩基配列を設計できるソフトウェアがあると有用である。図15に、そのために工夫されたソフトウェアのフローチャートの実施例を示す。ステップ101では、アンカー配列を持つPCR用リバースプライマー1からアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーnについて、図3−図11で説明した手順でPCRを行う。ステップ102では、ステップ101で行われたPCRの産物から、それぞれのアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーについて、アデニン付加効率を計算する。ステップ103では、ステップ102の結果から、アデニン付加効率を比較し、より高いアデニン付加効率を与えるアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーを判断し、選択する。ステップ104では、ステップ103の結果から、高アデニン付加効率を与えるアンカー配列をファイルに格納しておく。ここで、注目すべきなのは、ステップ103では、より高いアデニン付加効率を与えるアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーを選択するが、本ソフトウェアは、任意の標的DNAに適用するためのアンカー配列を選択するためのものであるから、選択されたアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーから、アンカー配列のみを切り出してファイルに格納することである。
ここで、ステップ104までは、本ソフトウェアにとっては、いわば、準備段階とも言うべきものであって、標的DNAに対するPCR用プライマーの決定の処理はステップ105以降である。
ステップ111では、標的DNAの配列を導入する。ステップ112では標的DNAの増幅領域を決定する。ステップ113では、標的DNAの増幅領域の配列に対応して、従来法に従い適当なTm値を持ち、プライマー内あるいはプライマー間で二次構造を形成しないようなPCR用フォワードプライマーとPCR用リバースプライマーの塩基配列を設計する。次に、ステップ114では、ステップ104までで予め準備されファイルに格納されているアンカー配列の一つ(アンカー配列の候補)を取り出して、ステップ113で設計されたPCR用リバースプライマーの5'末端に結合してアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーを仮決定する。ステップ115では、アンカー配列を付け加えた結果ステップ113で二次構造を形成しないように設計されたPCR用リバースプライマーが、二次構造を形成するものとなったか否かを評価して、もし、二次構造やプライマーダイマーを形成するものとなった場合には、別のアンカー配列の候補を選択して、別のアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーを仮決定する。二次構造を形成するものとなっていなければ、ステップ117で、この仮決定されたものをアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーとして決定する。
ステップ115で、32回以上二次構造を形成するアンカー配列と判定されたとき、すなわち、ステップ116がYesとなったときは、ステップ112に戻り、標的DNAの増幅領域を決定し直したうえで上述したようにしてアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーとして決定する。なお、本実施例の場合では、アンカー配列が5’末端側のGAに続く2塩基全てのアンカー配列について調べることで16回、5’末端側のGGに続く2塩基全てのアンカー配列について調べることで16回のチェックが行われるが、これら全ての場合で二次構造を形成する場合にはステップ112に戻ることにした。
【0031】
以上のようにソフトウェアを用いると、複数のアンカー配列から高アデニン付加効率を与えるアンカー配列を簡単に決定できる。また、高アデニン付加効率を与えるアンカー配列をファイルに格納しておくことができ、さまざまなプライマーに対してアンカー配列候補として選択できる。アンカー配列を付け加えたプライマーが二次構造を形成するかどうかをチェックすることで、アンカー配列を持つPCR用プライマーを簡単に設計し、塩基配列を決定できる。ユーザーから標的DNA配列と増幅産物のおおよその塩基長の情報を得て、アンカー配列を持つPCR用プライマーをデザインするサービスも可能である。
【0032】
(その他)
上述の実施例においては、PCR用フォワードプライマーを蛍光標識することを前提としてPCR用リバースプライマーにアンカー配列を付け加えるものとして説明したが、逆にPCR用リバースプライマーを蛍光標識するものとした場合にも本発明が適用できることは言うまでもない。この場合、PCR用フォワードプライマーの5'末端にアンカー配列を付け加えれば良いのである。
PCR用フォワードプライマーとPCR用リバースプライマー両方にアンカー配列を付け加えても良い。
【0033】
【発明の効果】
標的DNA配列に対するPCRで増幅したDNA断片の末端に付加するアデニンを高効率で付加させることができ、高分解能の解析が可能となる。
【配列表】
Figure 0003779600
配列表フリーテキスト
(1)配列番号1の配列に関する他の関連する情報の記載
酵母遺伝子(YGR281W)を増幅するフォワードプライマー。
(2)配列番号2の配列に関する他の関連する情報の記載
酵母遺伝子(YGR281W)を増幅するリバースプライマーの酵母遺伝子(YGR281W)に相補な配列。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアンカー配列を有するPCR用プライマーを用いたPCRと、その結果の産物の態様および産物を電気泳動して標識の蛍光強度でアンカー配列を有するPCR用プライマーを評価することを模式的に示す図。
【図2】(A)はアンカー配列を持たないリバースプライマーによるPCRにおける増幅産物のエレクトロフェログラムを示し、(B)はアンカー配列を持つリバースプライマーによるPCRにおける増幅産物のエレクトロフェログラムを示す図。
【図3】(A)−(D)は本発明によるアデニンの付加反応を促進するアンカー配列のスクリーニング法の概念を示すフローチャート。
【図4】(A)−(D)は4種類のアンカー配列を持ったPCR用リバースプライマーを使用したPCR産物についての電気泳動結果の具体例を示すエレクトロフェログラム。
【図5】4種類のアンカー配列を持ったPCR用リバースプライマーを使用したPCR産物についての電気泳動結果のアデニン付加効率(SA/(SA+S))を求めた結果を比較するグラフ。
【図6】図3に続くアンカー配列の5’末端から2番目の塩基の決定の流れを示す図。
【図7】4種類のアンカー配列を持ったPCR用リバースプライマーを使用したPCR産物についての電気泳動結果の具体例を示すエレクトロフェログラム。
【図8】4種類のアンカー配列を持ったPCR用リバースプライマーを使用したPCR産物についての電気泳動結果のアデニン付加効率(SA/(SA+S))を求めた結果を比較するグラフ。
【図9】図6に続くアンカー配列の5’末端から3番目の塩基の決定の流れを示す図。
【図10】4種類のアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーを用いてPCRを行った増幅産物を電気泳動して得たエレクトロフェログラム。
【図11】4種類のアンカー配列を持つPCR用リバースプライマーを用いてPCRを行った増幅産物についてのアデニン付加効率を比較したグラフ。
【図12】(A),(B)は本実施例により決定されたアンカー配列をもつPCR用リバースプライマーの構造を模式的に示す図。
【図13】(A)、(B)はアデニン付加のSSCPにおける影響を評価した一例であり、(A)はアンカー配列を持たないリバースプライマーによるPCRにおける増幅産物の解析結果のエレクトロフェログラムを示し、(B)はアンカー配列を持つリバースプライマーによるPCRにおける増幅産物の解析結果のエレクトロフェログラムを示す図。
【図14】(A)は標的DNAを蛍光標識したPCR用フォワードプライマー群とアンカー配列を持たないPCR用リバースプライマー群を用いてPCRを行い、PCR産物を電気泳動分析した場合のエレクトロフェログラムを示し、(B)は標的DNAを蛍光標識したPCR用フォワードプライマー群とアンカー配列を持つPCR用リバースプライマー群を用いてPCRを行い、PCR産物を電気泳動分析した場合のエレクトロフェログラムを示す図。
【図15】簡便にアンカー配列を持つPCR用プライマーの塩基配列を設計できるソフトウェアの実施例を示す図。
【符号の説明】
(実施例1)
1:試料DNA、1−1,1−2:試料DNA1の二つの一本鎖、2:PCR用フォワードプライマー、3:アンカー配列、4:PCR用リバースプライマー、F:蛍光標識、5:PCR産物の3’末端にアデニン付加が起こらなかった断片、6:PCR産物の3’末端にアデニン付加が起こった断片、7,12:アデニン付加が起こらなかった断片5に由来するピーク、8,11:アデニン付加が起こった断片6に由来するピーク、9,10,13,41,42,43,44,80,81,82,83,85,86,87,88,140,141,150,151:エレクトロフェログラム、45,84,90:グラフ、91:アンカー配列を持つリバースプライマー、92:GAの塩基配列、93:GGの塩基配列、94:アンカー配列、95:リバースプライマー、101−105及び111−116:処理ステップ、142:父性由来のDNAから増幅されアデニン付加の起こった断片に由来するピーク、143:父性由来のDNAから増幅されアデニン付加の起こらなかった断片に由来するピーク、144:母性由来のDNAから増幅されアデニン付加が起こった断片に由来するピーク、145:母性由来のDNAから増幅されアデニン付加が起こらなかった断片に由来するピーク。

Claims (2)

  1. 標的DNAの一本鎖の一つに相補な所定の塩基長の第1の配列と、前記第1の配列の5’末端側に隣接して設けられ前記一本鎖に非相補な所定の塩基長の第2の配列とを備え、かつ前記第2の配列の5’末端の1塩基の種類が互いに異なる第1の4種類のプライマーを用いて第1のPCRを行う工程と、
    前記第1のPCRで得られた増幅産物の解析結果からアデニン付加効率を求める工程と、
    前記第1の4種類のプライマーの中からアデニン付加の起こり易い配列を決定する第1の決定工程と、
    前記第1の配列と前記第2の配列とを備え、5’末端の1塩基が前記第1の決定工程で決定されたアデニン付加の起こり易い配列であり、5’末端から2番目の1塩基の種類が互いに異なる第2の4種類のプライマーを用いて第2のPCRを行なう工程と、
    前記第2のPCRで得られた増幅産物の解析結果からアデニン付加効率を求める工程と、
    前記第2の4種類のプライマーの中からアデニン付加の起こり易い配列を決定する第2の決定工程とを有することを特徴とするプライマーの塩基配列決定方法。
  2. 標的DNAの一本鎖の一つに相補な所定の塩基長の第1の配列と、前記第1の配列の5’末端側に隣接して設けられ前記一本鎖に非相補な所定の塩基長の第2の配列とを備え、かつ前記第2の配列の5’末端の1塩基の種類が互いに異なる第1の4種類のプライマーを用いて第1のPCRを行う工程と、
    前記第1のPCRで得られた増幅産物の解析結果からアデニン付加効率を求める工程と、
    前記第1の4種類のプライマーの中からアデニン付加の起こり易い配列を決定する第1の決定工程と、
    前記第1の配列と前記第2の配列とを備え、5’末端の1塩基が前記第1の決定工程で決定されたアデニン付加の起こり易い配列であり、5’末端から2番目の1塩基の種類が互いに異なる第2の4種類のプライマーを用いて第2のPCRを行なう工程と、
    前記第2のPCRで得られた増幅産物の解析結果からアデニン付加効率を求める工程と、
    前記第2の4種類のプライマーの中からアデニン付加の起こり易い配列を決定する第2の決定工程と、
    前記第1の配列と前記第2の配列とを備え、5’末端の1塩基が前記第1の決定工程で決定されたアデニン付加の起こり易い配列であり、5’末端から2番目の1塩基が前記第2の決定工程で決定されたアデニン付加の起こり易い配列であり、5’末端から3番目の1塩基の種類が互いに異なる第3の4種類のプライマーを用いて第3のPCRを行なう工程と、
    前記第3のPCRで得られた増幅産物の解析結果からアデニン付加効率を求める工程と、
    前記第3の4種類のプライマーの中からアデニン付加の起こり易い配列を決定する第3の決定工程とを有することを特徴とするプライマーの塩基配列決定方法。
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