JP3778646B2 - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大店舗や体育館等の冷房や暖房に供される空気調和機としては、装置構成および温湿度制御の簡素化や製作コストの低減等を図るべく、大容量の室外ユニットに多数の室内ユニットを接続した大空間型が多く用いられている。この種の空気調和機では、一台の室外ユニットに比較的大型の圧縮機が複数台内蔵されており、それら圧縮機の運転台数や電動ファンの送風量等を制御することにより、各室内ユニットに適量の液冷媒あるいはガス冷媒を供給する。
【0003】
大空間型空気調和機では、全ての圧縮機が運転される場合を考慮すると、室外ユニット側に大容量の熱交換器が必要となる。そこで、点検・保守用の外板(脱着式の化粧パネル)を除き、室外ユニットの外側面全体を熱交換面とし、室外ユニットの最大能力に応じた熱交換が行えるようにしたものが多い。そして、熱交換器は、製作および組立作業の容易化や効率および制御性の良さから、一般に複数(例えば、左右および中央の3つ)に分割したものが用いられる。
【0004】
このような複数の熱交換器を備えた空気調和機は、例えば、特開平7−19629号公報に開示されている。この種空気調和機においては、暖房運転時に各熱交換器の液冷媒が流入する側に電動膨張弁を設けている。そして、各熱交換器の出入口に設けた温度センサにより入口温度及び出口温度を検出し、検出された入口温度と出口温度の差に基づいて電動膨張弁の開度を制御することにより、各熱交換器への液冷媒の流入量を調節していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した空気調和機では、複数の熱交換器毎に温度センサや高価な電動膨張弁が必要であり、熱交換器を多数使用する大空間型の空気調和機においては、部品点数が増加しそれに伴いコストが増加するばかりでなく、制御が複雑になるという問題を有している。
【0006】
そこで、本発明は装置構成や制御の簡素化が図れる空気調和機の室外ユニットを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑み為されたものであり、能力が変更可能な圧縮装置と、複数の熱交換器と、前記各熱交換器に接続される開閉弁と、前記複数の熱交換器のうちの一つに設けられ、空気調和機の運転制御に供される温度センサと、前記圧縮装置の能力に応じて前記開閉弁の開閉を制御する制御装置とを備えた空気調和機の室外ユニットにおいて、前記制御装置は前記圧縮装置の運転時に、前記開閉弁のうち、前記温度センサが設けられた前記熱交換器に接続された開閉弁を少なくとも開放させることを特徴とする。開閉弁を開閉制御することにより、圧縮装置の運転能力に見合った熱交換容量の熱交換器が使用される。また、圧縮装置の運転時には常に温度センサが設けられた熱交換器が使用される。
【0008】
上記圧縮装置を複数の定格圧縮機で構成し、圧縮機の運転台数により能力を変更する場合は、圧縮機の運転台数に応じて開閉弁の開閉を制御する。
【0009】
また、温度センサは複数の熱交換器のうち熱交換容量が大きいものの一つに設けることが望ましい。。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、1台の室外ユニット1と多数台の室内ユニット2とからなる空気調和機の概略構成図であり、同図中には実線で冷媒回路を示し、一点鎖線で電気回路を示してある。
【0011】
室外ユニット1側には、第1〜第3圧縮機3〜5からなる圧縮装置、電磁式の四方弁6、流量調整器7と電磁式の第1〜第3開閉弁18,28,38とが付設された第1〜第3室外熱交換器9〜11、第1〜第3電動ファン12〜14、アキュムレータ15等が設置されている。また、室内ユニット2側には、電動膨張弁31、室内熱交換器32、電動ファン33等が設置されている。そして、室外ユニット1と室内ユニット2とを構成する機器は、ガス冷媒あるいは液冷媒の流通に供される冷媒配管41〜65により接続されている。図中、66は第1〜第3圧縮機3〜5のオイルパンを相互に連通する均油管であり、67,68は室外ユニット1側の冷媒配管53,58と室内ユニット2側の冷媒配管54,57との接続に供されるサービスバルブである。
【0012】
本実施形態の場合、第1〜第3圧縮機3〜5は、いずれも容量が10馬力のスクロール型定速圧縮機であり、それぞれにオイルセパレータ21が付設されている。また、第1〜第3電動ファン12〜14のうち、第1,第3電動ファン12,14は三相モータを備えた定速型であるが、第2電動ファンは単相モータを備えた可変速型である。図1中、22は四方弁6と室外熱交換器7〜9との間に介装された手動式の冷媒遮断弁であり、23は各圧縮機3〜5への液冷媒の逆流を防止する逆止弁である。また、24,25は圧縮機冷却用の第1,第2リキッド弁である。そして、26はアキュムレータ15の下流に配設された低圧スイッチであり、27は各圧縮機3〜5の下流に配設された高圧スイッチである。
【0013】
また、S1は第3室外熱交換器11の温度を検出するために取り付けられた第1温度センサである。この第1温度センサS1は圧縮装置の運転停止時に外気温度を検出するのにも使用される。S2は暖房運転時に第3室外熱交換器11に流入する液冷媒の温度を検出するために第3室外熱交換器11の暖房運転時の冷媒入口側に取り付けられた第2温度センサである。尚、第1及び第2室外熱交換器9,10には温度センサは付設されていない。
【0014】
室外ユニット1内には、CPUを始め、入出力インタフェースやROM、RAM等から構成された室外側コントロールユニット(制御装置)71(以下、室外側ECUと記す)が設置されている。室外側ECU71は、内蔵した制御プログラムや低圧スイッチ26、高圧スイッチ27、第1温度センサS1、第2温度センサS2を始めとする各種センサ等からの入力情報に基づき、各圧縮機3〜5、各開閉弁18,28,38、四方弁9、各電動ファン12〜14等を駆動制御する。
【0015】
一方、室内ユニット2内には、CPUを始め、入出力インタフェースやROM、RAM等から構成された室内側コントロールユニット(以下、室内側ECUと記す)72が設置されている。室内側ECU72は、内蔵した制御プログラムや図示しないリモートコントローラおよび各種センサ等からの入力信号に基づき、電動膨張弁21や電動ファン25の駆動制御を行うと共に、室外側ECU71との間で相互に信号の授受を行う。
【0016】
以下、室外ユニット1の構造について図2〜図5に基づき説明する。
【0017】
図2は室外ユニット1の平面図であり、図3は同正面図である。これらの図に示したように、室外ユニット1は、その外観形状が横長の直方体となっており、基板81と天板82との間には室外熱交換器9〜11(図3には第1,第2室外熱交換器9,11のみを示す)と脱着自在な化粧パネル(外板)83とが配設されている。図中、84は熱交換器9〜11を保護する吸込グリルである。また、天板81には円形の吹出口85が3箇所等間隔に形成されており、これら吹出口85には同心円形状の吹出グリル86が装着されている。そして、外気は、図2に示したように室外ユニット1内には化粧パネル83を除く外周全面から流入した後、図3に示したように各吹出口85から排出される。図中、87は室外ユニット1の四隅に配置された端部支持ピラーである。
【0018】
図4は天板82を外した状態の室外ユニット1の平面図であり、図5は化粧パネル83を外すと共に第1,第2室外熱交換器9,11の前面部分を切り欠いた状態の室外ユニット1の正面図である。これらの図に示したように、第1〜第3圧縮機3〜5は基板81の中央部分に載置され、第1〜第3電動ファン12〜14は各吹出口85の下方に配設されている。また、室外ユニット1には、その前面中央部に室外側ECU71等を収納した電装ボックス91が配設されており、化粧パネル83を外すことにより各種スイッチ類等にアクセスできる。図中、92,93は化粧パネル83および電装ボックス91の支持に供される左右一対の前部支持ピラー(外板)であり、基板81と天板82とに接合されている。
【0019】
図4に示したように、室外ユニット1の背面中央部には平板の第2室外熱交換器10が配置され、更に、第2室外熱交換器10の左右端から前部支持ピラー92,93の近傍に連続するように、略コ字形状の第1,第3室外熱交換器9,11が配置されている。本実施形態の場合、第1,第3室外熱交換器9,11は、前部支持ピラー92,93の近傍で後方に向けて直角に曲げられて室外ユニット1の内方に延設された延設部94を有している。そして、第1,第3室外熱交換器9,11は同一の熱交換容量であり、第2室外熱交換器10の熱交換容量はそれらに比べて小さい。これら第1〜第3室外熱交換器9〜11の合計熱交換容量は第1〜第3圧縮機3〜5が全て運転された際の能力に見合う熱交換容量に設定されている。
【0020】
また、両前部支持ピラー92,93の外側端部は、後方に折り曲げられた後、延設部94の先端に向けて傾斜することにより、ガイド部95を形成している。なお、97は第1室外熱交換器9と第2室外熱交換器10との間に介装された第1連結板であり、98は第2室外熱交換器10と第3室外熱交換器11との間に介装された第2連結板である。
【0021】
以下、上記のように構成された空気調和機の動作について図1に基づいて説明する。
【0022】
先ず、冷房運転時における冷媒の流れを説明する。アキュムレータ15から冷媒配管60〜63を経由して第1〜第3圧縮機3〜5に吸引されたガス冷媒は、断熱圧縮されることにより高温の高圧ガス冷媒となって吐出される。吐出された高圧ガス冷媒は、冷媒配管41〜44を経由して、四方弁9により進路を制御された後、冷媒配管46〜49を経由して第1〜第3室外熱交換器9〜11に流入する。高温高圧のガス冷媒は、これら室外熱交換器9〜11内を通過する間に外気により冷却され、凝縮することによって液冷媒となった後、各開閉弁18,28,38を通り冷媒配管50〜55を経由して各室内ユニット2の電動膨張弁31に流入する。
【0023】
この際、室外側ECU71は、全ての室内側ECU72からの要求馬力に応じて、第1〜第3圧縮機3〜5の運転台数を0〜3台に制御して圧縮装置の能力を変更する。また、第1温度センサS1により検出された外気温度もしくは第3室外熱交換器11の温度(凝縮温度)に応じて第1〜第3電動ファン12〜14の送風量を制御する。さらに、第1温度センサS1により検出された室外熱交換器11の温度(凝縮温度)が所定温度以上になった場合に、検出温度に応じて運転中の圧縮機を1台若しくは全て停止させる。また、第1〜第3圧縮機3〜5のいずれかがオーバヒートした際には、第1,第2リキッド弁24,25を適宜開放し、冷媒配管64,65を介して第1〜第3圧縮機3〜5に冷却用液冷媒を供給する。尚、空調運転を行わない場合、室外側ECU71は、第1〜第3開閉弁18,28,38を全て閉鎖することにより、各圧縮機3〜5や各室外熱交換器9〜11内での冷媒の寝込み(凝縮)を防止する。
【0024】
液冷媒は、電動膨張弁31で流量を制御された後、室内熱交換器32に流入し、室内熱交換器32内を通過する間に気化してガス冷媒となり、気化潜熱により電動ファン33が送風した室内空気を冷却する。この際、室内側ECU72は、設定温度と室温との偏差に基づき電動ファン33の回転数を制御すると共に、室内熱交換器23の入口側冷媒温度と出口側冷媒温度との偏差が所定値(例えば、0〜1度C)となるように電動膨張弁21の開弁量(弁体駆動用ステップモータのステップ数)を制御する。
【0025】
室内熱交換器32で気化したガス冷媒は、冷媒配管56〜58、四方弁6、冷媒配管59を経由してアキュムレータ15に流入し、冷媒配管60〜63から再び第1〜第3圧縮機3〜5に吸引される。
【0026】
一方、暖房運転時には、四方弁6が破線で示すように切り換えられ、破線の矢印で示すように、冷媒の流れも冷房運転時とは逆になる。すなわち、第1〜第3圧縮機3〜5から吐出された高温の高圧ガス冷媒は、室内熱交換器32に導入された後、室内熱交換器32内を通過する間に凝縮して液冷媒となり、凝縮潜熱により電動ファン33が送風した室内空気を加熱する。次に、液冷媒は、第1〜第3室外熱交換器9〜11に流入し、その内部を通過する間に外気により加熱され、気化することによってガス冷媒となった後、アキュムレータ15から第1〜第3圧縮機3〜5に再び吸入される。
【0027】
この際、室内側ECU71は冷房運転時と同様に第1〜第3圧縮機3〜5の運転台数を制御し、運転台数に対応して第1〜第3開閉弁18,28,38を駆動制御する。すなわち、全ての圧縮機3〜5を停止する場合、室外側ECU71は、第1〜第3開閉弁18,28,38を全て閉鎖する。第1〜第3圧縮機3〜5のうち1台を運転させる場合は、第3開閉弁38を開放して第1及び第2開閉弁18,28を閉鎖する。2台の圧縮機を運転させる場合は、第1及び第3開閉弁18,38を開放して第2開閉弁28を閉鎖する。3台の圧縮機を運転させる場合は、第1〜第3開閉弁18,28,38を全て開放する。従って、圧縮機が1台運転されている場合には第3室外熱交換器11のみが蒸発器として使用され、2台運転されている場合には第1、第3室外熱交換器9,11が蒸発器として使用され、3台全てが運転されている場合には、全ての室外熱交換器9〜11が蒸発器として使用される。このように圧縮機3〜5のうち何れかの圧縮機が運転されているときは第1,第2温度センサS1,S2が付設された第3室外熱交換器11を常に使用する。また、室内側ECU71は、第1温度センサS1で検出された第3熱交換器11の温度(蒸発温度)と第2温度センサS2で検出された第3熱交換器11に流入する液冷媒の温度との温度差が所定値以上になった場合に、ガス欠状態になったとして室内ユニット2の電動膨張弁31を開くように各室内側ECU72に指令を与える。
【0028】
このように暖房運転時には、圧縮機3〜5の運転台数に応じて第1〜第3開閉弁18,28,38を開閉制御することで、蒸発器として使用する室外熱交換器9〜11の数を変えて熱交換容量を変更することにより、冷媒の蒸発圧力の異常上昇及び過剰加熱を防止すべく冷媒の蒸発量を適切に調整している。そして、温度センサS1,S2を付設した第3室外熱交換器11を常に使用するよう開閉弁18,28,38を開閉制御するので、全ての室外熱交換器9〜11に温度センサを付設する必要がなく、このため電気回路および室外側ECU71の制御プログラムが簡易になる。また、容量の大きな第1,第2室外側熱交換器から使用するよう開閉弁18,28,38を開閉制御するので、圧縮機を1台または2台運転している際に室外側熱交換器の熱交換容量に余裕をもたせることができる。
【0029】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれに限られるものではない。例えば、上記実施形態は本発明を3台の圧縮機と3つの熱交換器とを有する室外ユニットに適用したものであるが、本発明は圧縮機の台数や熱交換器の数に拘わらず適用可能である。その他、各部材の形状や取付態様等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、空気調和機の各種運転制御に供される温度センサを複数の室外側熱交換器のうち1つのみに付設すればよく、さらには安価な電磁式の開閉弁を使用するので、電気回路および制御装置の制御が簡易化できコストの低減が図れる。、
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気調和機の概略構成図である。
【図2】室外ユニットの一実施形態を示す平面図である。
【図3】室外ユニットの一実施形態を示す正面図である。
【図4】天板82を外した状態の室外ユニットの平面図である。
【図5】化粧パネルを外し状態の室外ユニットの正面図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット
3〜5 第1〜第3圧縮機
9〜11 第1〜第3室外熱交換器
18 第1開閉弁
28 第2開閉弁
38 第3開閉弁
71 室外側ECU(制御装置)
S1 第1温度センサ
S2 第2温度センサ
Claims (1)
- 複数の圧縮機と、複数の熱交換器と、前記各熱交換器に接続される開閉弁と、前記複数の熱交換器のうち熱交換容量が大きいものの一つに設けられ、空気調和機の運転制御に供される温度センサと、前記圧縮機の運転台数に応じて前記開閉弁の開閉を制御する制御装置とを備えた空気調和機の室外ユニットにおいて、前記制御装置は前記複数の圧縮機の何れかの運転時に、前記開閉弁のうち、前記温度センサが設けられた前記熱交換器に接続された開閉弁を少なくとも開放させることを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
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