JP3777325B2 - 磁場形成装置および磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

磁場形成装置および磁気共鳴撮影装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場形成装置および磁気共鳴撮影装置に関し、とくに、垂直方向に間隔をあけて互いに対向する一対のマグネット(magnet)をコの字状の磁石支持部材で支持した構造を有する磁場形成装置、および、そのような磁場形成装置を備えた磁気共鳴撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴撮影(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置では、マグネットシステム(magnet system)の内部空間、すなわち、撮影空間に撮影の対象を搬入し、静磁場、勾配磁場および高周波磁場を印加して対象内のスピン(spin)を励起して磁気共鳴信号を発生させ、その受信信号に基づいて画像を再構成する。
【0003】
マグネットシステムのひとつの形式として、開放型のマグネットシステムがある。開放型のマグネットシステムは、撮影空間を隔てて上下に対向する一対のマグネットをコの字状の磁石支持部材すなわちヨーク(yoke)で支持した構造になっている。このような構造のマグネットシステムは、垂直ヨークが片側にしかないので開放性が高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなマグネットシステムは、垂直ヨークが下側の水平ヨークから垂直に立ち上がり、この垂直ヨークに上側の水平ヨークが片持ちになっていることにより、床から伝わる振動等の影響で上側の水平ヨークが振動しやすいものとなる。
【0005】
主な振動のモード(mode)は垂直振動および水平振動である。垂直振動は、水平ヨークの自由端が垂直方向において振動するものであり、水平振動は水平ヨークが全体として水平に振動するものである。水平振動は水平ヨークを支えている垂直ヨークの自由端が水平方向において振動することによる。
【0006】
上側の水平ヨークがこのように振動すると、一対の水平ヨークで支持されて互いに対向している一対の磁石間の距離が変動し、それに伴って磁場が変動するので磁気共鳴撮影を正しく行うことができない。
【0007】
そこで、本発明の課題は、コの字状の磁石支持部材を使用しながらも振動の影響を受けにくい磁場形成装置、および、そのような磁場形成装置を備えた磁気共鳴撮影装置を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記の課題を解決するためのひとつの観点での発明は、垂直肢およびこの垂直肢の両端部から水平方向に延びる一対の水平肢を有する磁石支持部材と、前記一対の水平肢によってそれぞれ支持され垂直方向に間隔をあけて互いに対向する一対の磁石と、前記一対の水平肢のうち前記磁石支持部材の固有振動の自由端となるほうに設けられその固有振動数に近似する固有振動数を持つ振動系と、を具備することを特徴とする磁場形成装置である。
【0009】
(2)上記の課題を解決する他の観点での発明は、撮影の対象を受容する空間を有しこの空間に静磁場、勾配磁場および高周波磁場を形成する磁場形成手段と、前記磁場形成装置を通じて獲得した磁気共鳴信号に基づいて画像を生成する画像生成手段と、を有する磁気共鳴撮影装置であって、前記磁場形成手段は、垂直肢およびこの垂直肢の両端部から水平方向に延びる一対の水平肢を有する磁石支持部材と、前記一対の水平肢によってそれぞれ支持され垂直方向に間隔をあけて互いに対向する一対の磁石と、前記一対の水平肢のうち前記磁石支持部材の固有振動の自由端となるほうに設けられその固有振動数に近似する固有振動数を持つ振動系と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮影装置である。
【0010】
(1)および(2)に記載の各観点での発明では、磁石支持部材の固有振動数に近似する固有振動数を持つ振動系を、磁石支持部材の一対の水平肢のうち固有振動の自由端となるほうに設けたので、振動系が動吸振器となって磁石支持部材の振動を抑制する。
【0011】
前記振動系の垂直方向の固有振動数が前記磁石支持部材の垂直方向の固有振動数に近似することが、磁石支持部材の垂直振動を抑制する点で好ましい。
前記振動系の水平方向の固有振動数が前記磁石支持部材の水平方向の固有振動数に近似することが、磁石支持部材の水平振動を抑制する点で好ましい。
【0012】
前記振動系は、両端部が固定され中央部にウェイトおよび振動減衰部材を有する水平な梁であることが、単一の振動系で垂直振動および水平振動に対応する点で好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態に限定されるものではない。図1に磁気共鳴撮影装置のブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0014】
同図に示すように、本装置はマグネットシステム100を有する。マグネットシステム100は主磁場マグネット部102、勾配コイル部106およびRFコイル部108を有する。主磁場マグネット部102、勾配コイル部106およびRFコイル部108は、いずれも空間を挟んで互いに対向する一対のものからなる。また、いずれも概ね円盤状の形状を有し中心軸を共有して配置されている。マグネットシステム100については後にあらためて説明する。
【0015】
マグネットシステム100の内部空間(ボア:bore)に、対象1がテーブル500に搭載されて搬入および搬出される。テーブル500はテーブル駆動部120によって駆動される。
【0016】
主磁場マグネット部102はマグネットシステム100の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向は概ね対象1の体軸方向と直交する。すなわちいわゆる垂直磁場を形成する。主磁場マグネット部102は例えば永久磁石等を用いて構成される。なお、永久磁石に限らず超伝導電磁石あるいは常伝導電磁石等を用いて構成してもよいのはもちろんである。
【0017】
勾配コイル部106は、互いに垂直な3軸すなわちスライス(slice)軸、位相軸および周波数軸の方向において、それぞれ静磁場強度に勾配を持たせるための3つの勾配磁場を生じる。
【0018】
スライス軸方向の勾配磁場をスライス勾配磁場ともいう。位相軸方向の勾配磁場を位相エンコード(phase encode)勾配磁場ともいう。周波数軸方向の勾配磁場をリードアウト(read out)勾配磁場ともいう。このような勾配磁場の発生を可能にするために、勾配コイル部106は図示しない3系統の勾配コイルを有する。以下、勾配磁場を単に勾配ともいう。
【0019】
RFコイル部108は静磁場空間に対象1の体内のスピンを励起するためのRFパルス(radio frequency pulse)を送信する。RFコイル部108は、また、励起されたスピンが生じる磁気共鳴信号を受信する。RFコイル部108は、送信と受信を同一のコイルで行うものでも別々なコイルで行うものでもどちらでもよい。
【0020】
勾配コイル部106には勾配駆動部130が接続されている。勾配駆動部130は勾配コイル部106に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。勾配駆動部130は、勾配コイル部106における3系統の勾配コイルに対応して、図示しない3系統の駆動回路を有する。
【0021】
RFコイル部108にはRF駆動部140が接続されている。RF駆動部140はRFコイル部108に駆動信号を与えてRFパルスを送信し、対象1の体内のスピンを励起する。
【0022】
RFコイル部108にはデータ収集部150が接続されている。データ収集部150は、RFコイル部108が受信した受信信号をサンプリング(sampling)によって取り込み、それをディジタルデータ(digital data)として収集する。
【0023】
テーブル駆動部120、勾配駆動部130、RF駆動部140およびデータ収集部150には制御部160が接続されている。制御部160は、テーブル駆動部120ないしデータ収集部150をそれぞれ制御して撮影を遂行する。
【0024】
制御部160は、例えばコンピュータ(computer)等を用いて構成される。制御部160は図示しないメモリ(memory)を有する。メモリは制御部160用のプログラムおよび各種のデータを記憶している。制御部160の機能は、コンピュータがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0025】
データ収集部150の出力側はデータ処理部170に接続されている。データ収集部150が収集したデータがデータ処理部170に入力される。データ処理部170は、例えばコンピュータ等を用いて構成される。データ処理部170は図示しないメモリを有する。メモリはデータ処理部170用のプログラムおよび各種のデータを記憶している。
【0026】
データ処理部170は制御部160に接続されている。データ処理部170は制御部160の上位にあってそれを統括する。本装置の機能は、データ処理部170がメモリに記憶されたプログラムを実行することによりを実現される。
【0027】
データ処理部170は、データ収集部150が収集したデータをメモリに記憶する。メモリ内にはデータ空間が形成される。このデータ空間は2次元フーリエ(Fourier)空間を構成する。以下、フーリエ空間をkスペース(k−space)ともいう。データ処理部170は、kスペースのデータを2次元逆フ−リエ変換することにより対象1の画像を再構成する。データ処理部170は、本発明における画像生成手段の実施の形態の一例である。
【0028】
データ処理部170には表示部180および操作部190が接続されている。表示部180は、グラフィックディスプレー(graphic display)等で構成される。操作部190はポインティングデバイス(pointingdevice)を備えたキーボード(keyboard)等で構成される。
【0029】
表示部180は、データ処理部170から出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操作部190は、使用者によって操作され、各種の指令や情報等をデータ処理部170に入力する。使用者は表示部180および操作部190を通じてインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
【0030】
図2、図3および図4にマグネットシステム100の構成を略図によって示す。図2は正面図、図3は右側面図、図4は図2についてのA−A断面である。なお、図示を省略するが、左側面図は図3に示したものの鏡像に相当する図となる。これらの図に示すように、マグネットシステム100は、基台部112、支柱部114および庇(ひさし)部116を有する。
【0031】
基台部112の上面は水平な面となっている。支柱部114は、正面から見て基台部112の奥において概ね垂直に立ち上がっている。庇部116は、支柱部114の上部から正面に向かって概ね水平に延びている。庇部116の下面は空間を隔てて基台部112の上面と対向する。このようなマグネットシステムは、内部にマグネット本体を有する。マグネット本体については後にあらためて説明する。
【0032】
マグネットシステム100の基台部112には、撮影の対象を載せるテーブル500が装架されている。テーブル500は、マグネットシステム100の正面から見て横長となるように基台部112に装架される。テーブル500の、撮影の対象を搭載する面は基台部112の上面と平行になる。
【0033】
基台部112へのテーブル500の装架は、マグネットシステム100の正面から見て、基台部112の左右両端部とそれらに対応するテーブル500の下面間にそれぞれ設けられた一対の装架機構310によって行われる。装架機構310はテーブル駆動部120の一部をなす。
【0034】
装架機構310の構成を図3によって説明する。同図に示すように、装架機構310は、テーブル500を腕314によって下から支えるようになっている。テーブル500は図示のように基台部112の上面からわずかに浮いた状態に保たれる。
【0035】
腕314の、マグネットシステム100の正面から見た奥の部分は、筒324内に水平方向の摺動が可能なように挿入されている。筒324は、筒334内に水平方向の摺動が可能なように挿入されている。筒324は、筒344内に水平方向の摺動が可能なように挿入されている。筒344は、マグネットシステム100の正面から見て基台部112の横の端部に固定的に取り付けられている。同図は、腕314および各筒324,334がそれらを収容する筒にそれぞれ最も深く挿入された状態を示す。
【0036】
筒324,334,344の内部には、それぞれ内側の腕ないし筒を例えば油圧等を利用して押し出しまた引き戻す機構を備えている。これによって、腕314および筒324,334,344からなる部分は全体として水平方向において伸縮可能な腕となる。以下、腕314および筒324,334,344からなる部分を伸縮腕ともいう。
【0037】
図5に、伸縮腕を最も伸ばした状態を示す。同図に示すように、この状態ではテーブル500が基台部112と庇部116の間の空間から完全に抜け出た状態となる。すなわち、テーブル500は、基台部112の上からはずれてマグネットシステム100の正面よりも手前に突出した状態となる。このため、撮影の対象はマグネットシステム100の庇部116に妨げられることなくテーブル500に乗り降りすることができる。
【0038】
図5に示した状態で対象を載せたテーブル500は、伸縮腕の短縮動作により基台部112と庇部116の間の空間内に引き戻される。伸縮腕が最も短縮した状態では、図3に示したように、テーブル500が基台部112と庇部116の間の空間の定位置に到達する。
【0039】
図6、図7、図8および図9にマグネット本体110の構成を略図によって示す。図6は正面図、図7は右側面図、図8は上面図、図9は図6についてのB−B断面である。なお、図示を省略するが、左側面図は図7に示したものの鏡像に相当する図となる。マグネット本体110は、本発明の磁場形成装置の実施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。マグネット本体110は、また、本発明における磁場形成手段の実施の形態の一例である。
【0040】
これらの図に示すように、マグネット本体110は、上側磁石部111、下側磁石部113およびヨーク115を有する。上側磁石部111および下側磁石部113は、本発明における磁石の実施の形態の一例である。ヨーク115は、本発明における磁石支持部材の実施の形態の一例である。
【0041】
ヨーク115は、垂直肢155およびこの垂直肢155の両端部から水平方向に延びる一対の水平肢151,153を有する。すなわち、ヨーク115は側面から見て概ねコの字状となる構造を有する。以下、垂直肢155が延在する方向をz方向とし、水平肢151,153の延在方向をx方向とする。上側磁石部111および下側磁石部113は、コの字状のヨーク115の上側の水平肢151の下面および下側の水平肢153の上面に、空間を隔てて互いに対向する関係でそれぞれ取り付けられている。なお、垂直肢155は互いに平行な複数(例えば2本)の柱であってよい。
【0042】
上側磁石部111および下側磁石部113は、いずれも概ね短円柱状の形状をなす。上側磁石部111および下側磁石部113は、いずれも前述の主磁場マグネット部102、勾配コイル部106およびRFコイル部108を含む。
【0043】
コの字状のヨークの水平肢151と上側磁石部111は、マグネットシステム100の庇部116の中にある。コの字状のヨークの垂直肢155は、マグネットシステム100の支柱部114の中にある。コの字状のヨークの水平肢153と下側磁石部113は、マグネットシステム100の基台部112の中にある。これによって、基台部112と庇部116が対向する空間は、主磁場マグネット部102、勾配コイル部106およびRFコイル部108による磁場が形成される空間となる。
【0044】
水平肢151の上には梁161が水平に取り付けられている。梁161は、水平肢151の両側から立ち上がる柱163,163’に両端が固定されている。梁161の下面はその全長にわたって水平肢151の上面と距離を隔てて対向する。梁161の長手方向(軸方向)は水平肢151の延在方向に垂直であり、また、垂直肢155の延在方向に垂直である。すなわち、梁161の軸方向はz方向およびx方向の垂直なy方向となる。梁161は、本発明における梁の実施の形態の一例である。
【0045】
梁161は、その中央部にウェイト(weight)165が取り付けられている。梁161およびウェイト165は非磁性の材料によって構成される。ウェイト165は、本発明におけるウェイトの実施の形態の一例である。梁161の中央部の下面には、水平肢151の上面との隙間に振動減衰部材167が設けられている。振動減衰部材167は、本発明における振動減衰部材の実施の形態の一例である。振動減衰部材167は、例えばゴム(rubber)等のような、弾性的に変形可能でありかつ変形に伴って機械的エネルギーを消費する材料によって構成される。振動減衰部材167を構成する材料も非磁性材料であることはもちろんである。なお、柱163,163’は、図10に示すように、水平肢151の上面に取り付けるようにしてもよい。
【0046】
梁161、ウェイト165および振動減衰部材167からなる部分は振動系600を構成する。振動系600は、本発明における振動系の実施の形態の一例である。振動系600の主な振動モード(mode)は2つある。そのひとつは図11に一点鎖線で示すように垂直振動すなわちz方向の振動であり、他のひとつは図12に一点鎖線で示すように水平振動すなわちx方向の振動である。なお、振幅を誇張してある。振動の周波数はそれぞれの方向における固有振動数となる。以下、z方向の振動を固有モード1の振動ともいい、x方向の振動を固有モード2の振動ともいう。
【0047】
マグネット本体110も主として2つの振動モードを持つ。振動の周波数はそれぞれの固有振動数である。ひとつモードの振動は図13に一点鎖線で示すような垂直振動すなわちz方向の振動(固有モード1の振動)である。なお、振幅は誇張してある。この振動は水平肢151が垂直肢155で片持ち支持されていることにより、支持側とは反対側が自由端となって垂直に振動することによる。他のひとつは図14に一点鎖線で示すような水平振動すなわちx方向の振動(固有モード2の振動)である。なお、振幅を誇張してある。この振動は垂直肢155の上端が自由端となって水平に振動することによる。なお、下側の水平肢153は、垂直肢155から上の構造を支持する基礎となっているので振動はしない。
【0048】
ただし、マグネットシステム100の構造によっては、上記とは逆に、上側の水平肢151が固定側となり、下側の水平肢153が自由側となることがあり得る。そのような場合は、振動系600は下側の水平肢153に取り付けられる。
【0049】
このような振動モードを持つマグネット本体110に対して、その振動の自由端となる水平肢151(または水平肢153)に、同じ振動モードを持つ振動系600が取り付けられているので、振動系600の2つの振動モードの固有振動数を、それぞれ、マグネット本体110の2つの振動モードの固有振動数に近づけることにより、振動系600はいわゆる動吸振器となってマグネット本体110の振動エネルギーを吸収し、それによってマグネット本体110の振動を抑制することができる。以下、振動系600を動吸振器600とも呼ぶ。
【0050】
マグネット本体110の、固有モード1および2の振動におけるモード質量をそれぞれM1,M2、モード剛性をそれぞれK1,K2、モード減衰をそれぞれC1,C2とし、振動系600の、固有モード1および2の振動におけるモード質量をそれぞれm1,m2、モード剛性をそれぞれk1,k2、モード減衰をそれぞれc1,c2、とすると、振動系600がマグネット本体110の動吸振器として機能するための条件は下記のようになる。なお、モード質量、モード剛性およびモード減衰は、振動解析上のモードパラメータ(mode parameter)である。また、モード減衰c1,c2は、主として振動減衰部材167によって定まるモードパラメータである。
【0051】
【数1】
Figure 0003777325
【0052】
【数2】
Figure 0003777325
【0053】
【数3】
Figure 0003777325
【0054】
【数4】
Figure 0003777325
【0055】
ここで、
【0056】
【数5】
Figure 0003777325
【0057】
【数6】
Figure 0003777325
【0058】
図15に、磁気共鳴撮影に用いるパルスシーケンス(pulse sequence)の一例を示す。このパルスシーケンスは、スピンエコー(SE:Spin Echo)法のパルスシーケンスである。
【0059】
すなわち、(1)はSE法におけるRF励起用の90°パルスおよび180°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーMRのシーケンスである。なお、90°パルスおよび180°パルスはそれぞれ中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0060】
同図に示すように、90°パルスによりスピンの90°励起が行われる。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。90°励起から所定の時間後に、180°パルスによる180°励起すなわちスピン反転が行われる。このときもスライス勾配Gsが印加され、同じスライスについての選択的反転が行われる。
【0061】
90°励起とスピン反転の間の期間に、リードアウト勾配Grおよびフェーズエンコード勾配Gpが印加される。リードアウト勾配Grによりスピンのディフェーズ(dephase)が行われる。フェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。
【0062】
スピン反転後、リードアウト勾配Grでスピンをリフェーズ(rephase)してスピンエコーMRを発生させる。スピンエコーMRはデータ収集部150によりビューデータ(view data)として収集される。このようなパルスシーケンスが周期TR(repetition time)で64〜512回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、64〜512ビューのビューデータが得られる。
【0063】
磁気共鳴撮影用パルスシーケンスの他の例を図16に示す。このパルスシーケンスは、グラディエントエコー(GRE:Gradient Echo)法のパルスシーケンスである。
【0064】
すなわち、(1)はGRE法におけるRF励起用のα°パルスのシーケンスであり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーMRのシーケンスである。なお、α°パルスは中心信号で代表する。パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0065】
同図に示すように、α°パルスによりスピンのα°励起が行われる。αは90以下である。このときスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択励起が行われる。
【0066】
α°励起後、フェーズエンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが行われる。次に、リードアウト勾配Grにより先ずスピンをディフェーズし、次いでスピンをリフェーズして、グラディエントエコーMRを発生させる。グラディエントエコーMRはデータ収集部150によりビューデータとして収集される。このようなパルスシーケンスが周期TRで64〜512回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これによって、64〜512ビューのビューデータが得られる。
【0067】
図15または図16のパルスシーケンスによって得られたビューデータが、データ処理部170のメモリに収集される。なお、パルスシーケンスはSE法またはGRE法に限るものではなく、例えばファーストスピンエコー(FSE:Fast Spin Echo)法やエコープラナーイメージング(EPI:Echo Planar Imaging)等、他の適宜の技法のものであってよいのはいうまでもない。データ処理部170は、メモリに収集したビューデータに基づいて画像を再構成する。
【0068】
上記のような磁気共鳴撮影の最中に、マグネットシステム100の設置場所の床振動等がマグネット本体110に伝わるようなことがあっても、動吸振器600によってマグネット本体110の振動が抑制され、それによってマグネットシステム100の磁場変動が抑制されるので、再構成画像は品質の良いものとなる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、コの字状の磁石支持部材を使用しながらも振動の影響を受けにくい磁場形成装置、および、そのような磁場形成装置を備えた磁気共鳴撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】マグネットシステムの構成を示す略図である。
【図3】マグネットシステムの構成を示す略図である。
【図4】図15におけるA−A断面を示す略図である。
【図5】テーブル押し出し状態を示す略図である。
【図6】マグネット本体の構成を示す略図である。
【図7】マグネット本体の構成を示す略図である。
【図8】マグネット本体の構成を示す略図である。
【図9】図7におけるB−B断面を示す略図である。
【図10】マグネット本体の構成を示す略図である。
【図11】振動系の振動を示す略図である。
【図12】振動系の振動を示す略図である。
【図13】マグネット本体の振動を示す略図である。
【図14】マグネット本体の振動を示す略図である。
【図15】撮影のパルスシーケンスを示す略図である。
【図16】撮影のパルスシーケンスを示す略図である。
【符号の説明】
1 対象
100 マグネットシステム
102 主磁場マグネット部
106 勾配コイル部
108 RFコイル部
120 テーブル駆動部
130 勾配駆動部
140 RF駆動部
150 データ収集部
160 制御部
170 データ処理部
180 表示部
190 操作部
500 テーブル
112 基台部
114 支柱部
116 庇部
310 装架機構
115 ヨーク
151,153 水平肢
155 垂直肢
111 上側磁石部
113 下側磁石部
161 梁
163,163’ 柱
165 ウェイト
167 振動減衰部材

Claims (8)

  1. 垂直肢およびこの垂直肢の両端部から水平方向に延びる一対の水平肢を有する磁石支持部材と、
    前記一対の水平肢によってそれぞれ支持され垂直方向に間隔をあけて互いに対向する一対の磁石と、
    前記一対の水平肢のうち前記磁石支持部材の固有振動の自由端となるほうに設けられその固有振動数に近似する固有振動数を持つ振動系と、
    を具備することを特徴とする磁場形成装置。
  2. 前記振動系の垂直方向の固有振動数が前記磁石支持部材の垂直方向の固有振動数に近似する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁場形成装置。
  3. 前記振動系の水平方向の固有振動数が前記磁石支持部材の水平方向の固有振動数に近似する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁場形成装置。
  4. 前記振動系は、両端部が固定され中央部にウェイトおよび振動減衰部材を有する水平な梁である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の磁場形成装置。
  5. 撮影の対象を受容する空間を有しこの空間に静磁場、勾配磁場および高周波磁場を形成する磁場形成手段と、
    前記磁場形成装置を通じて獲得した磁気共鳴信号に基づいて画像を生成する画像生成手段と、
    を有する磁気共鳴撮影装置であって、
    前記磁場形成手段は、
    垂直肢およびこの垂直肢の両端部から水平方向に延びる一対の水平肢を有する磁石支持部材と、
    前記一対の水平肢によってそれぞれ支持され垂直方向に間隔をあけて互いに対向する一対の磁石と、
    前記一対の水平肢のうち前記磁石支持部材の固有振動の自由端となるほうに設けられその固有振動数に近似する固有振動数を持つ振動系と、
    を具備することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  6. 前記振動系の垂直方向の固有振動数が前記磁石支持部材の垂直方向の固有振動数に近似する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の磁気共鳴撮影装置。
  7. 前記振動系の水平方向の固有振動数が前記磁石支持部材の水平方向の固有振動数に近似する、
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の磁気共鳴撮影装置。
  8. 前記振動系は、両端部が固定され中央部にウェイトおよび振動減衰部材を有する水平な梁である、
    ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載の磁気共鳴撮影装置。
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