JP3777209B2 - 高周波スイッチ及び高周波スイッチ付き送受信装置 - Google Patents

高周波スイッチ及び高周波スイッチ付き送受信装置 Download PDF

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【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波を用いた衛星通信や自動車電話あるいは携帯電話等の無線通信システムにおいて、送受信系の切替等に用いて好適な高周波スイッチ及び高周波スイッチ付き送受信装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
現在、マイクロ波を用いた衛星通信や自動車電話あるいは携帯電話等の無線通信システムにおいて、図21に示すように、送信部Txと受信部Rx1,Rx2の切替やアイソレーションあるいはスペースダイバシティ用の切替等に高周波スイッチSW1〜SW3が用いられている。なお、図21中の符号AT1,AT2はアンテナである。
【0004】
ところで、上記の高周波スイッチとしては、従来より、PINダイオードを使用した高周波スイッチが使用されているが、一般的な高周波スイッチとして多く用いられている回路を図22〜図24に示す。
まず、図22に示す高周波スイッチは、PINダイオードDを伝送線路111に対して、直列に挿入し、PINダイオードDのDCバイアス線112(このDCバイアス線112には抵抗RとインダクタL101とが直列に接続されている)をオン(ON)オフ(OFF)することにより、信号のスイッチングを行なっている。すなわち、DCバイアス線112の制御端112Aを+にすると、PINダイオードDがインダクタL102を介して接地されることにより導通してスイッチONの状態になる一方、DCバイアス線112の制御端112Aを0又はオープンにすると、PINダイオードDが非導通状態となってスイッチOFFの状態になる。
【0005】
なお、図22において、C101,C102はDCカット用コンデンサである。
また、図23に示す高周波スイッチは、PINダイオードD′を伝送線路111に対して、並列に挿入し、PINダイオードD′のDCバイアス線112′(このDCバイアス線112′には抵抗R′とインダクタL101′とが直列に接続されている)をオン(ON)オフ(OFF)することにより、信号のスイッチングを行なっている。すなわち、DCバイアス線112′の制御端112′Aを+にすると、PINダイオードD′が非導通状態になってスイッチOFFの状態になり、DCバイアス線112′の制御端112′Aを0又はオープンにすると、PINダイオードD′が導通状態となってスイッチONの状態になる。
【0006】
なお、図23において、C101′,C102′はDCカット用コンデンサである。
そして、上記の図22,図23に示すスイッチは、例えばアイソレーション用のスイッチSW3に使用される。
また、図22に示すようなPINダイオードを直列に挿入したスイッチを図24に示すように2つ組み合わせると、切替スイッチ(図21のスイッチSW1,SW2参照)を構成することができる。
【0007】
このようにすれば、DCバイアス線112−1の制御端112A−1を+にするとともに、DCバイアス線112−2の制御端112A−2を0又はオープンにすると、PINダイオードD−1がインダクタL102−1を介し導通してスイッチONの状態になるとともに、PINダイオードD−2が非導通状態となり、スイッチOFFの状態になる。これにより、送信系あるいは一方のアンテナ側をオン状態にすることができる。
【0008】
また、DCバイアス線112−2の制御端112A−2を+にするとともに、DCバイアス線112−1の制御端112A−1を0又はオープンにすると、PINダイオードD−2がインダクタL102−2を介し導通してスイッチONの状態になるとともに、PINダイオードD−1が非導通状態となり、スイッチOFFの状態になる。これにより、受信系あるいは他方のアンテナ側をオン状態にすることができる。
【0009】
なお、C101,C102,C103,C104はDCカット用コンデンサであり、R−1,R−2は抵抗、L101−1,L101−2はインダクタである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高周波スイッチの特性で重要なものとして、挿入損失とアイソレーションがある。挿入損失が大きいと、送信系では効率の悪化、受信系では受信感度の悪化につながる。また、アイソレーションが小さいと、送信系ではスプリアスの増加、受信系では送信時の電力増幅器からのリークによる、受信デバイス劣化が起こる。そこで、低挿入損失で高アイソレーションの高周波スイッチが望まれる。
【0011】
しかし、従来の高周波スイッチでは、低挿入損失で高アイソレーションを得ることが難しい。
また、PINダイオードD−3を直列に挿入したスイッチとPINダイオードD−4を並列に挿入したスイッチとを組み合わせて、図25のようにして使用することも考えられるが、このようなスイッチでも、ある程度は低挿入損失特性あるいは高アイソレーション特性を満足できるのであるが、それでももう少し、特性を改善したい場合には、この図25に示すスイッチを多段接続するしかなく、このようにすれば、挿入損失が悪化してしまう。
【0012】
なお、図25中、同じ符号は同様の機能を果たす素子を示している。
さらに、現在、携帯電話では800MHz帯が利用されているが、首都圏などトラフィックの大きい地域では1.5GHz帯の利用も始まっており、今後はこの2つの周波数帯で使用できる携帯端末が利用可能になる予定である。しかし、上記で説明した従来の高周波スイッチでは、挿入損失とアイソレーションのどちらかの特性を犠牲にしてシステムを構成しなければならず、このため、この2つの周波数帯(デュアルバンド)で使用可能な、低挿入損失且つ高アイソレーションの高周波スイッチの出現が望まれている。
【0013】
なお、上記図25に示す高周波スイッチを、デュアルバンドで使用すると、特性の劣化は避けられず、更に制御の仕方も複雑になり、又マイナス電源で制御しなくてはならなかったり、制御端子が多くなって回路の規模が大きくなってしまったりするという課題がある。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、低挿入損失且つ高アイソレーションの高周波スイッチを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段
【0016】
このため、本発明の請求項にかかる高周波スイッチは、波長λ1,λ2(λ1<λ2)の2種の高周波信号を伝送しうる信号伝送線路に直列に設けられたスイッチ部としての第1のPINダイオードと、この第1のPINダイオードをオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給すべく、上記信号伝送線路に並列に接続された制御電源付き制御線と、この制御線に対し上記第1のPINダイオードを挟んで上記信号伝送線路に並列に一端を接続され、波長λ1の高周波信号に対して、第1のPINダイオードがオン時に上記信号伝送線路と反対側の先端がショートとなって、その信号伝送線路側がオープンとなる一方、第1のPINダイオードがオフ時に上記信号伝送線路と反対側の先端がオープンとなって、その信号伝送線路側がショートとなる線路長がλ1/4の長さの第1線路と、この第1線路の他端側に接続されるべき第2のPINダイオードと、上記第1線路と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成し、波長λ2の高周波信号に対して、第1のPINダイオードがオン時に上記信号伝送線路と反対側の先端がショートとなって、第1線路の信号伝送線路側をオープンとする一方、第1のPINダイオードがオフ時に上記信号伝送線路と反対側の先端がオープンとなって、第1線路の該信号伝送線路側をショートとする第2線路と、この第2線路に直列に接続された第3のPINダイオードと、上記第1線路と上記第2線路,上記第2のPINダイオードとの間に介装されて、第1線路と第2のPINダイオードの接続または第1線路と第2線路との接続を選択的に切り替えるスイッチ部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0018】
また、本発明の請求項にかかる高周波スイッチは、波長の異なる2種の高周波信号を伝送しうる第1の信号伝送線路に直列に設けられたスイッチ部としての第1のPINダイオードと、この第1のPINダイオードをオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給すべく、第1の信号伝送線路に並列に接続された制御電源付き第1制御線と、この第1制御線に対し第1のPINダイオードを挟んで第1の信号伝送線路に並列に一端を接続され線路長が上記第1の信号伝送線路を伝送する上記高周波信号のうち波長の小さい方の波長の1/4の長さの第1線路と、この第1線路の他端に一端を接続されるべき第2のPINダイオードと、第1線路と協働して線路長が上記第1の信号伝送線路を伝送する上記高周波信号のうち波長の大きい方の波長の1/4の長さの線路を構成する第2線路と、この第2線路に直列に一端を接続された第3のPINダイオードと、第1線路と第2線路,第2のPINダイオードとの間に介装されて、第1線路と第2のPINダイオードの接続または第1線路と第2線路との接続を選択的に切り替える第1切替スイッチ部とをそなえるとともに、第1の信号伝送線路に接続され波長の異なる2種の高周波信号を伝送しうる第2の信号伝送線路に直列に第1のPINダイオードとは反対の向きに設けられたスイッチ部としての第4のPINダイオードと、この第4のPINダイオードをオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給すべく、第2の信号伝送線路に並列に接続され上記第1の信号伝送線路に接続された制御電源と共通の制御電源付き第2制御線と、この第2制御線に対し第4のPINダイオードを挟んで第2の信号伝送線路に並列に一端を接続され線路長が上記第2の信号伝送線路を伝送する上記高周波信号のうち波長の小さい方の波長の1/4の長さの第3線路と、この第3線路の他端に一端を接続されるべき第2のPINダイオードとは反対の向きに設けられた第5のPINダイオードと、この第5のPINダイオードの他端に接続された電源及び第1コンデンサと第3線路と協働して線路長が上記第2信号伝送線路を伝送する上記高周波信号のうち波長の大きい方の波長の1/4の長さの線路を構成する第4線路と、この第4線路の他端に直列に一端を接続されるべき第3のPINダイオードとは反対の向きに設けられた第6のPINダイオードと、この第6のPINダイオードの他端に接続された電源及び第2コンデンサと、第3線路と第4線路,第5のPINダイオードとの間に介装されて、第3線路と第5のPINダイオードの接続または第3線路と第4線路との接続を選択的に切り替える第2切替スイッチ部とをそなえて構成されたことを特徴としている
さらに、本発明の請求項にかかる高周波スイッチ付き送受信装置は、送信部と第1受信部及び第2受信部と、上記送信部と上記第1受信部のための第1アンテナ部と、上記第2受信部のための第2アンテナ部と、上記第1アンテナ部と上記送信部と上記第1受信部との接続部に設けられた第1高周波スイッチと、上記第1受信部と第2受信部との接続部に設けられた第2高周波スイッチとをそなえ、上記第1高周波スイッチが請求項に記載の高周波スイッチで構成され、上記第2高周波スイッチが請求項に記載の高周波スイッチで構成されたことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明あるいは本発明に関連するものの実施形態を説明する。
(a)本発明の高周波スイッチを適用しうる装置の説明
図6はマイクロ波を用いた衛星通信や自動車電話あるいは携帯電話等の無線通信システムにおける基地局あるいは移動端末の送受信系の一部を示すブロック図であるが、この図6に示すように、スペースダイバシティ用の一対のアンテナAT1,AT2が設けられており、一方のアンテナAT1には、切替用の高周波スイッチSW1を介して、送信部Txと受信部Rx1とが接続されており、更に他方のアンテナAT2に接続された受信部Rx2と、受信部Rx1とが切替用の高周波スイッチSW2を介して、感度等の良好な受信部出力が選択されるようになっている。
【0020】
なお、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に、更に高周波スイッチSW3を介装することも可能である。
(b)第1実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第1実施形態を図1に示す。この図1に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、波長がλの高周波信号(例えばRF信号)を伝送する信号伝送線路1に直列に設けられたスイッチ部としての第1のPINダイオードD1をそなえており、更にこの第1のPINダイオードD1をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)2付き制御線3(この制御線3にはインダクタL1が接続されている)が、信号伝送線路1に並列に接続されている。
【0021】
また、この制御線3に対し第1のPINダイオードD1を挟んだ信号伝送線路1には、線路長がλ/4の長さのストリップ線路(λ/4線路)4の一端が並列に接続されている。更に、このλ/4線路4の他端には、第2のPINダイオードD2のアノードが接続されている。なお、第2のPINダイオードD2のカソードが接地されている。
【0022】
なお、C1,C2はDCカット用コンデンサである。
上述の構成により、スイッチON時、つまりプラス電源印加時には、各PINダイオードD1,D2がONとなり、伝送線路1がスルー状態となり、λ/4線路4の先端(伝送線路1と反対側)がショート(短絡)となるため、λ/4線路4の伝送線路1側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD1の挿入損失のみが見えることになる。これは図2に示すスイッチON時の出力インピーダンスS22特性,入力インピーダンスS11特性,通過インピーダンスS21特性を参照すれば、その効果は明らかである。
【0023】
また、スイッチOFF時、つまり制御電圧が0Vまたはオープン時には、各PINダイオードD1,D2がOFFとなり、直列のPINダイオードD1は高抵抗状態となり、又このときλ/4線路4の先端がオープンなので、λ/4線路4の伝送線路1側はショートとなり、この2つの減衰原因(PINダイオードD1が高抵抗状態で且つλ/4線路4の伝送線路1側がショートとなっている状態)で高アイソレーション状態となる。これは図3に示すスイッチOFF時の出力インピーダンスS22特性,入力インピーダンスS11特性,通過インピーダンスS21特性を参照すれば、その効果は明らかである。
【0024】
このように従来の高周波スイッチでは、挿入損失またはアイソレーションのどちらかの特性を犠牲にしなければならなかったが、この第1実施形態の高周波スイッチのように、λ/4線路4を伝送路1に並列に接続し、その先端のグランド(GND)側にPINダイオードD2を配置するとともに、2つのPINダイオードD1,D2を制御するために別々の制御端子を必要とすることなく、1つの制御端子(単電源)でON,OFF制御を可能としたことによって、低挿入損失及び高アイソレーションの両方を実現することができる。
【0025】
すなわち、PINダイオードD1,D2を直列と並列に配置し、並列のPINダイオードD2を使用周波数のλ/4線路4で接続することで、PINダイオードD1のバイアスを共用できるようにしており、このような回路構成にすることで、プラス電源2のみでスイッチのON,OFFを行なうことができ、これにより、低挿入損失、高アイソレーションを実現し、更にはλ/4線路4の周波数特性で使用周波数以外のスプリアス等を減衰させることもできるのである。
【0026】
(c)第2実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第2実施形態を図4に示すが、この図4に示す高周波スイッチも、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、PINダイオードD1′,D2′を上記の第1実施形態と反対向きに実装し、伝送線路1に対し並列に接続されたPINダイオードD2′のアノード側をインダクタL2を介しプラス電源電圧Vccで固定しておき、この箇所をコンデンサC3を用いて高周波的にショートしておくことで、第1実施形態の動作を実現したものである。
【0027】
なお、図4中の符号3′は制御電源(プラス電源)2′付き制御線であり、この制御線3′にはインダクタL1′が接続されている。また、C1′,C2′はDCカット用コンデンサである。
そして、この回路の利点は、上記第1実施形態とは逆の制御動作で、上記第1実施形態の特性が得られることにある。
【0028】
すなわち、スイッチON時、つまり制御電圧が0Vまたはオープン時には、各PINダイオードD1′,D2′がONとなり、伝送線路1がスルー状態となり、λ/4線路4′の先端(伝送線路1と反対側)がショート(短絡)となるため、伝送線路1側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD1′の挿入損失のみが見えることになる。
【0029】
また、スイッチOFF時、つまりプラス電源印加時には、各PINダイオードD1′,D2′がOFFとなり、直列のPINダイオードD1′は高抵抗状態となり、又このときλ/4線路4′の先端がオープンなので、伝送線路1側はショートとなり、この2つの減衰原因(PINダイオードD1が高抵抗状態で且つ、λ/4線路4の伝送線路1側がショートとなっている状態)で高アイソレーション状態となるのである。
【0030】
このようにこの第2実施形態では、制御電圧の逆転(例えば+5V時ON,0V時OFFを+5V時OFFを0V時ONに変更すること)を制御回路側で行なうことなく、PINダイオードのアノード側をON時の電圧に固定しておき、カソード側の電圧を制御することで、制御電圧の逆転を可能として、前述の第1実施形態のものと同様の効果ないし利点が得られるようにしたものということができる。
【0031】
すなわち、この第2実施形態の場合も、PINダイオードD1′,D2′を直列と並列に配置し、並列のPINダイオードD2′を使用周波数のλ/4線路4′で接続することで、PINダイオードD1′のバイアスを共用できるようにしており、このような回路構成にすることで、プラス電源2′のみでスイッチのON,OFFを行なうことができ、これにより、低挿入損失、高アイソレーションを実現し、更にはλ/4線路4′の周波数特性で使用周波数以外のスプリアス等を減衰させることもできるのである。
【0032】
(d)第3実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第3実施形態を図5に示すが、この図5に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1,SW2に使用されるものである。即ち、この高周波スイッチは、上記の第1実施形態の回路(図1参照)および第2実施形態の回路(図4参照)を組み合わせることにより、上記のアンテナ切替スイッチなどに適用可能なSPDTスイッチ(シングルポールダブルスロースイッチ)として構成したものである。
【0033】
まず、この高周波スイッチでは、伝送線路1に直列に相互に反対向きにPINダイオードD1,D1′をそなえており、更にこのPINダイオードD1,D1′をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)2を共通とする制御線3,3′(制御線3,3′にはそれぞれインダクタL1,L1′が接続されている)が、伝送線路1に並列に接続されている。
【0034】
また、制御線3に対しPINダイオードD1を挟んだ伝送線路1には、λ/4線路4が並列に接続され、更にこのλ/4線路4の他端には、カソードが接地されたPINダイオードD2のアノードが接続されるともに、制御線3′に対しPINダイオードD1′を挟んだ伝送線路1には、λ/4線路4′が並列に接続され、更にこのλ/4線路4′の他端には、カソードが接地されたPINダイオードD2′のアノードが接続されている。
【0035】
さらに、PINダイオードD2′のアノード側はインダクタL2を介しプラス電源電圧Vccで固定されており、この箇所は更にコンデンサC3を用いて高周波的にショートされている。
なお、C4〜C7はDCカット用コンデンサである。
上述の構成により、この高周波スイッチをアンテナ切替スイッチSW1として使用した場合は、まず、制御線3,3′にプラス電源を印加すると、各PINダイオードD1,D2がONとなるとともに、各PINダイオードD1′,D2′がOFFとなる。これにより、高周波スイッチが受信部側に切り替わって、アンテナと受信部とが接続される。このとき、λ/4線路4の先端(伝送線路1と反対側)がショート(短絡)となるため、λ/4線路4の伝送線路1側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD1の挿入損失のみが見えることになる。
【0036】
さらに、このプラス電源印加時には、上記のように各PINダイオードD1′,D2′がOFFとなっているので、直列のPINダイオードD1′は高抵抗状態となり、又このときλ/4線路4′の先端がオープンなので、λ/4線路4′の伝送線路1側はショートとなり、その結果、送信部に対しては、高アイソレーション状態となるのである。
【0037】
一方、制御電圧を0Vまたはオープンにすると、各PINダイオードD1,D2がOFFになるとともに、各PINダイオードD1′,D2′がONになる。これにより、直列に接続されたPINダイオードD1は高抵抗状態となり、又このときλ/4線路4の先端がオープンなので、λ/4線路4の伝送線路1側はショートとなって、今度は、受信部側が高アイソレーション状態となる。
【0038】
さらに、この制御電圧の0Vまたはオープン時には、各PINダイオードD1′,D2′がONとなっており、これにより、高周波スイッチが送信部側に切り替わって、アンテナと送信部とが接続される。このとき、λ/4線路4′の先端(伝送線路1と反対側)がショート(短絡)となるため、λ/4線路4′の伝送線路1側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD1′の挿入損失のみが見えることになる。
【0039】
このように本実施形態では、上記の第1実施形態のものと第2実施形態のものとを組み合わせてSPDTスイッチを構成することで、1つの制御端子で切替制御を可能としており、これにより、このスイッチをアンテナスイッチに適用した場合は、送信側ではロスを少なくすることができ、その結果、電力の高効率化に寄与することができ、更にはλ/4線路の周波数特性による、スプリアスの減衰が期待できる。
【0040】
また、受信側では、ロスが少ないので、受信感度の向上及びλ/4線路の周波数特性による、スプリアス・レスポンス特性の改善、ならびにローカル信号等のアンテナ端輻射を抑制できる効果がある。
さらに、送信時の電力増幅器からアンテナスイッチを通って漏れてくる電力による受信デバイスの保護という面でも、高アイソレーションが有効となる。
【0041】
(e)第4実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第4実施形態を図7に示す。この図7に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、上述の第1実施形態の回路のλ/4線路の部分を、PINダイオードスイッチを用いて、2つ以上の周波数f1,f2(f1>f2:例えばf1は1.5GHz,f2は800MHz)のλ/4線路を切り替えて実現することで、マルチバンド(デュアルバンド)対応としたスイッチである。
【0042】
すなわち、波長λ1,λ2(λ1<λ2)の2種の高周波信号f1,f2(f1>f2)を伝送しうる信号伝送線路11に直列に、スイッチ部としての第1のPINダイオードD11が設けられている。
また、第1のPINダイオードD11をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、信号伝送線路11に並列に、制御電源12付き制御線13(この制御線13にはインダクタL11が接続されている)が接続されている。
【0043】
さらに、制御線13に対し第1のPINダイオードD11を挟んで信号伝送線路11に並列に、線路長がλ1/4の長さの第1線路14−1の一端がコンデンサC14−1を介して接続されており、更にこの第1線路14−1の他端側には、第2のPINダイオードD12−1のアノードが接続されている。また、第2のPINダイオードD12−1のカソードに接続された一端接地型のコンデンサC13が設けられている。
【0044】
また、コンデンサC13に対し並列に、第1線路14−1と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成する第2線路14−2がコンデンサC14−2を介して接続されるとともに、この第2線路14−2に直列に、カソード接地の第3のPINダイオードD12−2が接続されている。
さらに、第1線路14−1とコンデンサC14−1との間には、インダクタL12付き制御線14が接続されており、更にこの制御線14付きの電源12−1は、周波数f2の信号を扱うときは、+となって、制御線14をONにし、周波数f1の信号を扱うときは、0又はオープンとなって、制御線14をOFFにするように構成されている。
【0045】
また、第線路14−2とコンデンサC14−2との間には、インダクタL14付き制御線15が接続されており、更にこの制御線15付きの電源12−2は、周波数f2の信号を扱うときであって、スイッチON時は、+となって、制御線14をONにし、周波数f2の信号を扱うときであって、スイッチOFF時は、0又はオープンとなって、制御線14をOFFにするように構成されている。
【0046】
なお、PINダイオードD12−1とコンデンサC13との接続点と、C14−2との間は、インダクタL13を介して接地されている。
また、一端が接地されたインダクタL15が信号伝送線路11に並列に接続されている。
なお、C11,C12はDCカット用コンデンサである。
【0047】
このような構成により、例えば高い方の周波数f1の信号を扱うときは、電源12−1を0又はオープンにして、制御線14をOFFにした状態で、制御線13をON,OFFする。
すなわち、スイッチON時は、制御線13にプラス電源を印加する。これにより、PINダイオードD11がインダクタL15を介してONとなり、伝送線路11がスルー状態となり、第1線路14−1の先端(伝送線路11と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路14−1の伝送線路11側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD11の挿入損失のみが見えることになる。
【0048】
また、スイッチOFF時は、制御線13の制御電圧を0Vまたはオープンにする。これにより、PINダイオードD11がOFFとなり、直列のPINダイオードD11は高抵抗状態となり、又このとき第1線路14−1の先端がオープンなので、第1線路14−1の伝送線路11側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0049】
次に、低い方の周波数f2の信号を扱うときは、電源12−1を+にして、制御線14をONにした状態で、制御線13,15をON,OFFする。
すなわち、スイッチON時は、制御線13,15にプラス電源を印加する。これにより、PINダイオードD11がインダクタL15を介してONとなり、伝送線路11がスルー状態となる。このとき、第2線路14−2の先端(伝送線路11と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路14−1の伝送線路11側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD11の挿入損失のみが見えることになる。
【0050】
また、スイッチOFF時は、制御線13,15の制御電圧を0Vまたはオープンにする。これにより、PINダイオードD11がOFFとなり、直列のPINダイオードD11は高抵抗状態となり、又このとき第2線路14−2の先端がオープンなので、第1線路14−1の伝送線路11側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0051】
このようにλ/4線路を2つのPINダイオードおよびコンデンサを用いることで、マルチバンド(デュアルバンド)に対応させながら、低挿入損失、高アイソレーションを実現し、更には使用周波数以外のスプリアス等を減衰させることができる。
(f)第5実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第5実施形態を図8に示すが、この図8に示す高周波スイッチも、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、上記の第4実施形態とは逆の制御でスイッチをON,OFFできるようにしたものである。
【0052】
すなわち、波長λ1,λ2(λ1<λ2)の2種の高周波信号f1,f2(f1>f2)を伝送しうる信号伝送線路11に直列に、上記第4実施形態のものとは逆向きにスイッチ部としての第1のPINダイオードD11′が設けられている。
また、第1のPINダイオードD11′をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、信号伝送線路11に並列に、制御電源12′付き制御線13′(この制御線13′にはインダクタL11′が接続されている)が接続されている。
【0053】
さらに、制御線13′に対し第1のPINダイオードD11′を挟んで信号伝送線路11に並列に、線路長がλ1/4の長さの第1線路14′−1の一端がコンデンサC14′−1を介して接続されており、更にこの第1線路14′−1の他端側には、第2のPINダイオードD12′−1のアノードが接続されている。また、第2のPINダイオードD12′−1のカソードに接続された一端接地型のコンデンサC13′が設けられている。
【0054】
また、コンデンサC13′に対し並列に、第1線路14′−1と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成する第2線路14′−2がコンデンサC14′−2を介して接続されるとともに、この第2線路14′−2に直列に、カソード接地の第3のPINダイオードD12′−2が接続されている。
さらに、第1線路14′−1とコンデンサC14′−1との間には、インダクタL12′付き制御線14′が接続されており、更にこの制御線14′付きの電源12′−1は、周波数f2の信号を扱うときは、+となって、制御線14′をONにし、周波数f1の信号を扱うときは、0又はオープンとなって、制御線14′をOFFにするように構成されている。
【0055】
また、第線路14′−2とコンデンサC14′−2との間には、インダクタL14′付き制御線15′が接続されており、更にこの制御線15′付きの電源12′−2は、周波数f2の信号を扱うときであって、スイッチON時は、+となって、制御線15′をONにし、周波数f2の信号を扱うときであって、スイッチOFF時は、0又はオープンとなって、制御線15′をOFFにするように構成されている。
【0056】
なお、PINダイオードD12′−1とコンデンサC13′との接続点と、C14′−2との間は、インダクタL13′を介して接地されている。
また、一端に電圧Vccが印加されたインダクタL15′が信号伝送線路11に並列に接続されている。
なお、C11′,C12′はDCカット用コンデンサである。
【0057】
このような構成により、例えば高い方の周波数f1の信号を扱うときは、電源12′−1を0又はオープンにして、制御線14′をOFFにした状態で、制御線13′をON,OFFする。
すなわち、スイッチON時は、制御線13′の制御電圧を0Vまたはオープンにする。これにより、PINダイオードD11′がインダクタL15′を介してONとなり、伝送線路11がスルー状態となり、第1線路14′−1の先端(伝送線路11と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路14′−1の伝送線路11側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD11′の挿入損失のみが見えることになる。
【0058】
また、スイッチOFF時は、制御線13′にプラス電源を印加する。これにより、PINダイオードD11′がOFFとなり、直列のPINダイオードD11′は高抵抗状態となり、又このとき第1線路14′−1の先端がオープンなので、第1線路14′−1の伝送線路11側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0059】
次に、周波数f1よりも低い周波数f2の信号を扱うときは、電源12′−1を+にして、制御線14′をONにした状態で、制御線13′,15′をON,OFFする。
すなわち、スイッチON時は、制御線13′の制御電圧を0Vまたはオープンにするとともに、制御線15′にプラス電源を印加する。これにより、PINダイオードD11′がインダクタL15′を介してONとなり、伝送線路11がスルー状態となり、第2線路14′−の先端(伝送線路11と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路14′−1の伝送線路11側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD11′の挿入損失のみが見えることになる。
【0060】
また、スイッチOFF時は、制御線13′にプラス電源を印加するとともに、制御線15′の制御電圧を0Vまたはオープンにする。これにより、PINダイオードD11′がOFFとなり、直列のPINダイオードD11′は高抵抗状態となり、又このとき第2線路14′−の先端がオープンなので、第1線路14′−1の伝送線路11側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0061】
このようにPINダイオードのアノード側をON時の電圧に固定しておき、カソード側の電圧を制御することで、上記の第4実施形態とは逆の制御で、マルチバンド(デュアルバンド)に対応させながら、低挿入損失、高アイソレーションを実現し、更には使用周波数以外のスプリアス等を減衰させることができる。
(g)第6実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第6実施形態を図9に示すが、この図9に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1,SW2に使用されるもので、この高周波スイッチは、上記の第4実施形態の回路(図7参照)および第5実施形態の回路(図8参照)を組み合わせることにより、上記のアンテナ切替スイッチなどに適用可能なSPDTスイッチ(シングルポールダブルスロースイッチ)として構成したものである。
【0062】
すなわち、伝送線路11に直列に相互に反対向きにPINダイオードD11,D11′をそなえており、更にこのPINダイオードD11,D11′をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)12を共通とする制御線13,13′(制御線13,13′にはそれぞれインダクタL11,L11′が接続されている)が、伝送線路11に並列に接続されている。
【0063】
さらに、制御線13,13′に対しPINダイオードD11,D11′を挟んで信号伝送線路11に並列に、線路長がλ1/4の長さの第1線路14−1,14′−1の一端がコンデンサC14−1,C14′−1を介して接続されており、更にこの第1線路14−1,14′−1の他端側には、PINダイオードD12−1,D12′−1のアノードが接続されている。また、PINダイオードD12−1,D12′−1のカソードに接続された一端接地型のコンデンサC13,C13′が設けられている。
【0064】
また、コンデンサC13,C13′に対し並列に、第1線路14−1,14′−1と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成する第2線路14−2,14′−2がコンデンサC14−2,C14′−2を介して接続されるとともに、この第2線路14−2,14′−2に直列に、カソード接地のPINダイオードD12−2,D12′−2が接続されている。
【0065】
さらに、第1線路14−1,14′−1とコンデンサC14−1,C14′−1との間には、インダクタL12,L12′付き制御線14,14′が接続されており、更にこの制御線14,14′付きの電源12−1,12′−1は、周波数f2の信号を扱うときは、+となって、制御線14,14 ′をONにし、周波数f1の信号を扱うときは、0又はオープンとなって、制御線14,14′をOFFにするように構成されている。
【0066】
また、第1線路14−2,14′−2とコンデンサC14−2,C14′−2との間には、インダクタL14,L14′付き制御線15,15′が接続されており、更にこの制御線15,15′付きの電源12−2,12′−2は、周波数f2の信号を扱うときであって、スイッチON時は、+となって、制御線15,15′をONにし、周波数f2の信号を扱うときであって、スイッチOFF時は、0又はオープンとなって、制御線15,15′をOFFにするように構成されている。
【0067】
なお、PINダイオードD12−1,D12′−1とコンデンサC13,C13′との接続点と、コンデンサC14−2,C14′−2との間は、インダクタL13,L13′を介して接地されている。
また、L15は一端が接地されたインダクタ、L15′は一端に電圧Vccが印加されたインダクタであり、C11,C12′,C15,C16はDCカット用コンデンサである。
【0068】
上述の構成により、この高周波スイッチをアンテナ切替スイッチSW1として使用することを考えると、まず、例えば高い方の周波数f1の信号を扱うときは、電源12−1,12′−1を0又はオープンにして、制御線14,14′をOFFにした状態で、制御線13,13′をON,OFFする。
すなわち、制御線13,13′にプラス電源を印加して、制御線13,13′をONにすると、PINダイオードD11はインダクタL15を介してONになるとともに、PINダイオードD11′はOFFになる。これにより、高周波スイッチが送信部側に切り替わって、アンテナと送信部とが接続される。このとき、第1線路14−1の先端(伝送線路11と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路14−1の伝送線路11側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD11の挿入損失のみが見えることになる一方、PINダイオードD11′がOFFとなっているので、PINダイオードD11′は高抵抗状態となり、又このとき第1線路14′−1の先端がオープンなので、第1線路14′−1の伝送線路11側はショートとなり、受信側に対しては高アイソレーション状態となる。
【0069】
また、制御線13,13′の制御電圧を0Vまたはオープンにして、制御線13,13′をOFFにすると、PINダイオードD11′がOFFとなり、PINダイオードD11′はインダクタL15′を介してONになる。これにより、高周波スイッチが受信部側に切り替わって、アンテナと受信部とが接続される。このとき、PINダイオードD11は高抵抗状態となり、又このとき第1線路14−1の先端がオープンなので、第1線路14−1の伝送線路11側はショートとなり、送信部側は、高アイソレーション状態となる一方、第1線路14′−1の先端(伝送線路11と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路14′−1の伝送線路11側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD11′の挿入損失のみが見えることになる。
【0070】
次に、低い方の周波数f2の信号を扱うときは、電源12−1を+にして、制御線14をONにした状態で、制御線13,15をON,OFFする。
すなわち、制御線13,13′にプラス電源を印加して、制御線13,13′をONにすると、PINダイオードD11はインダクタL15を介してONになるとともに、PINダイオードD11′はOFFになる。これにより、高周波スイッチが送信部側に切り替わって、アンテナと送信部とが接続される。このとき、第2線路14−2の先端(伝送線路11と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路14−1の伝送線路11側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD11の挿入損失のみが見えることになる一方、PINダイオードD11′がOFFとなっているので、PINダイオードD11′は高抵抗状態となり、又このとき第1線路14′−2の先端がオープンなので、第1線路14′−1の伝送線路11側はショートとなり、受信側に対しては高アイソレーション状態となる。
【0071】
また、制御線13,13′の制御電圧を0Vまたはオープンにして、制御線13,13′をOFFにすると、PINダイオードD11がOFFとなり、PINダイオードD11′はインダクタL15′を介してONになる。これにより、高周波スイッチが受信部側に切り替わって、アンテナと受信部とが接続される。このとき、PINダイオードD11は高抵抗状態となり、又このとき第線路14−2の先端がオープンなので、第1線路14−1の伝送線路11側はショートとなり、送信部側は、高アイソレーション状態となる一方、第線路14′−2の先端(伝送線路11と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路14′−1の伝送線路11側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD11′の挿入損失のみが見えることになる。
【0072】
このように前述の第4実施形態のものと第5実施形態のものとを組み合わせてSPDTスイッチを構成することで、1つの制御端子で切替制御を可能とすることにより、アンテナスイッチとして利用することで、デュアルバンド対応の低挿入損失,高アイソレーションのスイッチとして利用することができる。すなわち、マルチバンド(デュアルバンド)に対応させながら、送信側ではロスを少なくすることができ、電力の高効率化に寄与することができ、更にはλ/4線路の周波数特性による、スプリアスの減衰が期待できるとともに、受信側では、ロスが少ないので、受信感度の向上及びλ/4線路の周波数特性による、スプリアス・レスポンス特性の改善、ならびにローカル信号等のアンテナ端輻射を抑制できる効果があるほか、送信時の電力増幅器からアンテナスイッチを通って漏れてくる電力による受信デバイスの保護という面でも、高アイソレーションが有効となる。
【0073】
(h)第7実施形態にかかる高周波スイッチの説明
本発明を応用した高周波数スイッチの実施形態(上記の各実施形態からの説明の流れ上、本発明に係るこの実施形態を第7実施形態と称する)を図10に示す。この図10に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、上記第4実施形態のPINダイオードスイッチD12−1をFETスイッチ等のSPDTスイッチと置き換えることで、上記第4実施形態のようにλ/4線路のスイッチ切替えを簡略化したものである。すなわち、上記第4実施形態のように、PINダイオードD12−1を用いてスイッチを構成すると、どうしてもDCカットしなければならなくなるため、PINダイオードスイッチD12−1,D12−2用の制御端子が別々に必要になる。しかし、本実施形態の回路構成にすることで、バンド切り換え制御があるだけで、後はON,OFFの制御をするだけで良く、デュアルバンド対応低挿入損失、高アイソレーションで、制御が簡単な高周波スイッチを構成することができる。もちろん、このSPDTスイッチを追加することで、マルチバンドに対応することができる。すなわち、この第7実施形態では、上述の第1実施形態の回路のλ/4線路の部分を、FETスイッチ等のSPDTスイッチを用いて、2つ以上の周波数f1,f2(f1>f2:例えばf1は1.5GHz,f2は800MHz)のλ/4線路を切り替えて実現することで、マルチバンド(デュアルバンド)対応としたスイッチである。
【0074】
この第7実施形態について、更に詳述すると、波長λ1,λ2(λ1<λ2)の2種の高周波信号f1,f2(f1>f2)を伝送しうる信号伝送線路21に直列に、スイッチ部としての第1のPINダイオードD21が設けられている。また、第1のPINダイオードD21をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、信号伝送線路21に並列に、制御電源22付き制御線23(この制御線23にはインダクタL21が接続されている)が接続されている。
【0075】
さらに、制御線23に対し第1のPINダイオードD21を挟んで信号伝送線路21に並列に、線路長がλ1/4の長さの第1線路24−1の一端が接続されており、更にこの第1線路24−1の他端側には、FETスイッチ等のSPDTスイッチからなる切替スイッチ26が接続されている。
この切替スイッチ26には、カソードが接地された第2のPINダイオードD22−1のアノードが接続され、更に第1線路24−1と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成する第2線路24−2が接続されるとともに、この第2線路24−2に直列に、カソード接地の第3のPINダイオードD22−2が接続されている。
【0076】
なお、この切替スイッチ26は、バンド選択信号BAND SELを受けて、第1線路24−1をPINダイオードD22−1側に接続したり、第1線路24−1を第2線路24−2,PINダイオードD22−2側に接続するものである。
なお、C21,C22はDCカット用コンデンサである。
【0077】
このような構成により、例えば高い方の周波数f1の信号を扱うときは、切替スイッチ26により、第1線路24−1とPINダイオードD22−1とを接続した状態で、制御線23をON,OFFする。
すなわち、スイッチON時は、制御線23にプラス電源を印加する。これにより、PINダイオードD21が第1線路24−1,PINダイオードD22−1を介してONとなり、伝送線路21がスルー状態となり、第1線路24−1の先端(伝送線路21と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路24−1の伝送線路21側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD21の挿入損失のみが見えることになる。
【0078】
また、スイッチOFF時は、制御線23の制御電圧を0Vまたはオープンにする。これにより、PINダイオードD21がOFFとなり、このPINダイオードD21は高抵抗状態となり、又このとき第1線路24−1の先端がオープンなので、第1線路24−1の伝送線路21側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0079】
次に、低い方の周波数f2の信号を扱うときは、切替スイッチ26により、第1線路24−1と第2線路24−2,PINダイオードD22−2とを接続した状態で、制御線23をON,OFFする。
すなわち、スイッチON時は、制御線23にプラス電源を印加する。これにより、PINダイオードD21が第1線路24−1,第2線路24−2,PINダイオードD22−2を介してONとなり、伝送線路21がスルー状態となる。このとき、第2線路24−1の先端(伝送線路21と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路24−1の伝送線路21側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD21の挿入損失のみが見えることになる。
【0080】
また、スイッチOFF時は、制御線23の制御電圧を0Vまたはオープンにする。これにより、PINダイオードD21がOFFとなり、このPINダイオードD21は高抵抗状態となり、又このとき第2線路24−1の先端がオープンなので、第1線路24−1の伝送線路21側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0081】
このようにλ/4線路をスイッチで切り替えることで、デュアルバンド無線機のような、複数の周波数帯を使用するものにも十分に適用可能となる。すなわち、この場合、バンド切替制御を施すだけで、後は制御線23のON,OFFの制御をするだけで良く、これにより、デュアルバンド対応の低挿入損失、高アイソレーションで、制御が簡単な高周波スイッチを構成することができる。
【0082】
(i)第8実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第8実施形態を図11に示すが、この図11に示す高周波スイッチも、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、上記の第7実施形態とは逆の制御でスイッチをON,OFFできるようにしたものである。即ち、上述の第7実施形態のバイアスを第5実施形態のもののように、片側をインダクタL22′−1,L22′−2を介しプラス電源電圧Vccで固定しておくことで、上述第7実施形態と逆のON,OFF制御でスイッチにて制御することができるようになっている。なお、バンド切替スイッチの制御は第7実施形態と同じである。
【0083】
すなわち、波長λ1,λ2(λ1<λ2)の2種の高周波信号f1,f2(f1>f2)を伝送しうる信号伝送線路21に直列に、上記第7実施形態のものとは逆向きにスイッチ部としての第1のPINダイオードD21′が設けられている。
また、PINダイオードD21′をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、信号伝送線路21に並列に、制御電源22′付き制御線23′(この制御線23′にはインダクタL21′が接続されている)が接続されている。
【0084】
さらに、制御線23′に対し第1のPINダイオードD21′を挟んで信号伝送線路21に並列に、線路長がλ1/4の長さの第1線路24′−1の一端が接続されており、更にこの第1線路24′−1の他端側には、FETスイッチ等のSPDTスイッチからなる切替スイッチ26′が接続されている。
この切替スイッチ26′には、アノードがコンデンサC23′−1を介して接地された第2のPINダイオードD22′−1のカソードが接続されるとともに、第1線路24′−1と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成する第2線路24′−2が接続されるとともに、この第2線路24′−2に直列に、アノードがコンデンサC23′−2を介して接地された第3のPINダイオードD22′−2が接続されている。
【0085】
この切替スイッチ26′は、バンド選択信号BAND SELを受けて、第1線路24′−1をPINダイオードD22′−1側に接続したり、第1線路24′−1を第2線路24′−2,PINダイオードD22′−2側に接続するものである。
なお、PINダイオードD22′−1,D22′−2のアノード側は、インダクタL22′−1,L22′−2を介してプラス電源電圧Vccで固定されている。また、C21′,C22′はDCカット用コンデンサである。
【0086】
このような構成により、例えば高い方の周波数f1の信号を扱うときは、切替スイッチ26′により、第1線路24−1とPINダイオードD22−1とを接続した状態で、制御線23′をON,OFFする。
すなわち、スイッチON時は、制御線23′の制御電圧を0Vまたはオープンにする。これにより、PINダイオードD21′が第1線路24′−1,PINダイオードD22′−1を介してONとなり、伝送線路21がスルー状態となり、第1線路24′−1の先端(伝送線路21と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路24′−1の伝送線路21側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD21′の挿入損失のみが見えることになる。
【0087】
また、スイッチOFF時は、制御線23′にプラス電源を印加する。これにより、PINダイオードD21′がOFFとなり、このPINダイオードD21′は高抵抗状態となり、又このとき第1線路24′−1の先端がオープンなので、第1線路24′−1の伝送線路21側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0088】
次に、低い方の周波数f2の信号を扱うときは、切替スイッチ26′により、第1線路24′−1と第2線路24′−2,PINダイオードD22′−2とを接続した状態で、制御線23′をON,OFFする。
すなわち、スイッチON時は、制御線23′の制御電圧を0Vまたはオープンにする。これにより、PINダイオードD21′が第1線路24′−1,第2線路24′−2,PINダイオードD22′−2を介してONとなり、伝送線路21がスルー状態となる。このとき、第2線路24′−1の先端(伝送線路21と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路24′−1の伝送線路21側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD21′の挿入損失のみが見えることになる。
【0089】
また、スイッチOFF時は、制御線23′にプラス電源を印加する。これにより、PINダイオードD21′がOFFとなり、このPINダイオードD21′は高抵抗状態となり、又このとき第2線路24′−1の先端がオープンなので、第1線路24′−1の伝送線路21側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0090】
このようにPINダイオードのアノード側をON時の電圧に固定しておき、カソード側の電圧を制御することで、制御電圧の逆転を可能にし、このようにすることで、この実施形態においても、バンド切替制御を施すだけで、後は制御線23′のON,OFFの制御をするだけで良く、これにより、デュアルバンド対応の低挿入損失、高アイソレーションで、制御が簡単な高周波スイッチを構成することができる。
【0091】
(j)第9実施形態にかかる高周波スイッチの説明
本発明を応用した高周波数スイッチの実施形態(上記の各実施形態からの説明の流れ上、本発明に係るこの実施形態を第9実施形態と称する)を図12に示すが、この図12に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1,SW2に使用されるもので、この高周波スイッチは、上記の第7実施形態の回路(図10参照)および第8実施形態の回路(図11参照)を組み合わせることにより、上記のアンテナ切替スイッチなどに適用可能なSPDTスイッチとして構成したものである。
【0092】
すなわち、波長λ1,λ2(λ1<λ2)の2種の高周波信号f1,f2(f1>f2)を伝送しうる伝送線路21に直列に相互に反対向きにPINダイオードD21,D21′をそなえており、更にこのPINダイオードD21,D21′をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)22を共通とする制御線23,23′(制御線23,23′にはそれぞれインダクタL21,L21′が接続されている)が、伝送線路21に並列に接続されている。
【0093】
さらに、制御線23に対しPINダイオードD21を挟んで信号伝送線路21に並列に、線路長がλ1/4の長さの第1線路24−1の一端が接続されており、更に第1線路24−1の他端側には、FETスイッチ等のSPDTスイッチからなる切替スイッチ26が接続されている。
この切替スイッチ26には、カソードが接地された第2のPINダイオードD22−1のアノードが接続されるとともに、第1線路24−1と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成する第2線路24−2が接続されるとともに、この第2線路24−2に直列に、カソードが接地された第3のPINダイオードD22−2が接続されている。
【0094】
また、制御線23′に対しPINダイオードD21′を挟んで信号伝送線路21に並列に、線路長がλ1/4の長さの第1線路24′−1の一端が接続されており、更に第1線路24′−1の他端側には、FETスイッチ等のSPDTスイッチからなる切替スイッチ26′が接続されている。
この切替スイッチ26′には、アノードがコンデンサC23′−1を介して接地された第2のPINダイオードD22′−1のカソードが接続されるとともに、第1線路24′−1と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成する第2線路24′−2が接続されるとともに、この第2線路24′−2に直列に、アノードがコンデンサC23′−2を介して接地された第3のPINダイオードD22′−2が接続されている。
【0095】
なお、切替スイッチ26,26′の機能は、前述の第7,8実施形態のものと同じであるので、その説明を省略する。
また、PINダイオードD22′−1,D22′−2のアノード側は、インダクタL22′−1,L22′−2を介してプラス電源電圧Vccで固定されている。
【0096】
なお、C21′,C22′,C24,C25はDCカット用コンデンサである。
上述の構成により、この高周波スイッチをアンテナ切替スイッチSW1として使用することを考えると、まず、例えば高い方の周波数f1の信号を扱うときは、切替スイッチ26,26′により、第1線路24−1,24′−1とPINダイオードD22−1,D22′−1とを接続した状態で、制御線23,23′をON,OFFする。
【0097】
すなわち、制御線23,23′にプラス電源を印加して、制御線23,23′をONにすると、PINダイオードD21がONになるとともに、PINダイオードD21′がOFFになる。これにより、高周波スイッチが受信部側に切り替わって、アンテナと受信部とが接続される。このとき、第1線路24−1の先端(伝送線路21と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路24−1の伝送線路21側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD21の挿入損失のみが見えることになる一方、PINダイオードD21′がOFFとなっているので、PINダイオードD21′は高抵抗状態となり、又このとき第1線路24′−1の先端がオープンなので、第1線路24′−1の伝送線路21側はショートとなり、受信側に対しては高アイソレーション状態となる。
【0098】
また、制御線23,23′の制御電圧を0Vまたはオープンにして、制御線23,23′をOFFにすると、PINダイオードD21がOFFとなり、PINダイオードD21′がONになる。これにより、高周波スイッチが送信側に切り替わって、アンテナと送信部とが接続される。このとき、PINダイオードD21は高抵抗状態となり、又このとき第1線路24−1の先端がオープンなので、第1線路24−1の伝送線路21側はショートとなり、受信部側は、高アイソレーション状態となる一方、第1線路24′−1の先端(伝送線路21と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路24′−1の伝送線路21側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD21′の挿入損失のみが見えることになる。
【0099】
次に、低い方の周波数f2の信号を扱うときは、切替スイッチ26′により、第1線路24′−1と第2線路24′−2,PINダイオードD22′−2とを接続した状態で、制御線23,23′をON,OFFする。
すなわち、制御線23,23′にプラス電源を印加して、制御線23,23′をONにすると、PINダイオードD21がONになるとともに、PINダイオードD21′はOFFになる。これにより、高周波スイッチが受信部側に切り替わって、アンテナと受信部とが接続される。このとき、第2線路24−2の先端(伝送線路21と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路24−1の伝送線路21側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD21の挿入損失のみが見えることになる一方、PINダイオードD21′がOFFとなっているので、PINダイオードD21′は高抵抗状態となり、又このとき第1線路24′−2の先端がオープンなので、第1線路24′−1の伝送線路21側はショートとなり、送信側に対しては高アイソレーション状態となる。
【0100】
また、制御線23,23′の制御電圧を0Vまたはオープンにして、制御線23,23′をOFFにすると、PINダイオードD21がOFFとなり、PINダイオードD21′がONになる。これにより、高周波スイッチが送信部側に切り替わって、アンテナと送信部とが接続される。このとき、PINダイオードD21は高抵抗状態となり、又このとき第1線路24−2の先端がオープンなので、第1線路24−1の伝送線路21側はショートとなり、受信部側は、高アイソレーション状態となる一方、第線路24′−2の先端(伝送線路21と反対側)がショート(短絡)となるため、第1線路24′−1の伝送線路21側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD21′の挿入損失のみが見えることになる。
【0101】
このように第7実施形態と第8実施形態とを組み合わせてSPDTスイッチを構成することで、1つの制御端子で切替制御を可能としたことにより、デュアルバンド対応SPDTスイッチとして使用することができ、更にはスイッチング制御はお互いに反対であることと、バンド切り換え制御はどちらも同じであるので、たった2つの制御信号のみで、それも単電源でデュアルバンド対応低挿入損失、高アイソレーションのアンテナスイッチを実現することができる。
【0102】
すなわち、バンド切替制御を施すだけで、後は制御線23,23′のON,OFFの簡単な制御をするだけで良く、これにより、デュアルバンド対応の低挿入損失、高アイソレーションで、制御が簡単な高周波スイッチを構成することができるほか、アンテナスイッチとして利用することで、デュアルバンド対応の低挿入損失,高アイソレーションのスイッチとして利用することができる。すなわち、マルチバンド(デュアルバンド)に対応させながら、送信側ではロスを少なくすることができ、電力の高効率化に寄与することができ、更にはλ/4線路の周波数特性による、スプリアスの減衰が期待できるとともに、受信側では、ロスが少ないので、受信感度の向上及びλ/4線路の周波数特性による、スプリアス・レスポンス特性の改善、ならびにローカル信号等のアンテナ端輻射を抑制できる効果があるほか、送信時の電力増幅器からアンテナスイッチを通って漏れてくる電力による受信デバイスの保護という面でも、高アイソレーションが有効となる。
【0103】
(k)第10実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第10実施形態を図13に示す。この図13に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、波長がλの高周波信号(例えばRF信号)を伝送する信号伝送線路31に直列に設けられたスイッチ部としてのPINダイオードD31をそなえており、更にこのPINダイオードD31をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)32付き制御線33(この制御線33にはインダクタL31が接続されている)が、信号伝送線路31に並列に接続されている。
【0104】
また、この制御線33に対しPINダイオードD31を挟んだ信号伝送線路31には、インダクタL32が並列に接続されている。
さらに、制御線33に対しPINダイオードD31を挟んで信号伝送線路31に並列に接続された共振回路部34をそなえている。ここで、共振回路部34は、可変容量ダイオードVDと、インダクタとして機能するストリップライン35(このストリップライン35は、受信するRF信号とイメージ周波数の高い方の周波数のλ/4線路として構成されている)と、コンデンサC33とをそなえており、更に可変容量ダイオードVDの容量を制御するための制御線36(この制御線36にはインダクタL33が接続されている)をそなえている。
【0105】
そして、この共振回路部34が、可変容量ダイオードVDの容量を制御することにより、受信時はイメージ周波数,送信時は送信周波数を減衰させるように構成されている。
なお、C31,C32はDCカット用コンデンサである。
このような構成により、受信時には、この高周波スイッチをONさせるが、この場合は、制御線33にプラス電圧を印加する。これにより、PINダイオードD31がインダクタL32を介してONになる。このとき、制御線36を通じて所要の制御電圧を作用させることにより、図14に示す周波数特性(通過インピーダンスS21特性)からわかるように、イメージ周波数を減衰させるようにしておく。これにより、受信時は、イメージ周波数が十分に減衰され、イメージ・レスポンスを改善することができ、その結果、良好な受信を行なうことができる。
【0106】
また、送信時は、この高周波スイッチをOFFさせるが、この場合は、制御線33の制御電圧を0またはオープンにする。これにより、PINダイオードD31がOFFになる。このとき、制御線36を通じて他の所要制御電圧を作用させることにより、図15に示す周波数特性(通過インピーダンスS21特性)からわかるように、送信周波数を減衰させるようにしておく。これにより、送信時には送信電力のリークから受信デバイスを十分に保護することができる。
【0107】
このように、本実施形態では、伝送路の並列に接続された、可変容量ダイオードとストリップラインの共振周波数を、可変容量ダイオードを用いて制御し、受信時はイメージ周波数、送信時は送信周波数を減衰させることで、イメージレスポンスの改善および送信電力リークによる受信デバイスの破壊を防止できる回路を提供することができる。
【0108】
すなわち、PINダイオードD31を伝送路31に直列に挿入し、受信するRF信号とイメージ周波数の高い方の周波数のλ/4線路35と可変容量ダイオードVDとを直列に接続したものを、伝送路31に対して並列に挿入することにより、受信時は、可変容量ダイオードVDを制御して、イメージ周波数が減衰されるようにするとともに、送信時は、可変容量ダイオードVDを制御して、送信周波数が減衰されるようにしてるので、受信時はイメージ・レスポンスを改善することができ、送信時には送信電力のリークから受信デバイスを十分に保護することができる。
【0109】
(l)第11実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第11実施形態を図16に示す。この図16に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるものであるが、この高周波スイッチは、上述の第10実施形態のバイアスの片側をインダクタL33′を介してプラス電源で固定しておくことで、上記の第10実施形態と逆のON,OFF制御でスイッチを制御することができるようにしたものである。すなわち、波長がλの高周波信号(例えばRF信号)を伝送する信号伝送線路31に前述の第10実施形態のものとは逆方向に直列に設けられたスイッチ部としてのPINダイオードD31′をそなえており、更にこのPINダイオードD31′をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)32′付き制御線33′(この制御線33′にはインダクタL31′が接続されている)が、信号伝送線路31に並列に接続されている。
【0110】
また、この制御線33′に対しPINダイオードD31′を挟んだ信号伝送線路31には、所定電圧Vccを印加されたインダクタL32′が並列に接続されている。
さらに、制御線33′に対しPINダイオードD31′を挟んで信号伝送線路31に並列に接続された共振回路部34′をそなえている。ここで、共振回路部34′は、可変容量ダイオードVD′と、インダクタとして機能するストリップライン35′(このストリップライン35′も、受信するRF信号とイメージ周波数の高い方の周波数のλ/4線路として構成されている)とをそなえており、更に可変容量ダイオードVD′の容量を制御するための制御線36′(この制御線36′にはインダクタL33′が接続されている)をそなえている。
【0111】
そして、この共振回路部34′は、可変容量ダイオードVD′の容量を制御することにより、受信時はイメージ周波数,送信時は送信周波数を減衰させるように構成されている。
なお、C31′,C32′,C34′はDCカット用コンデンサである。
このような構成により、受信時には、この高周波スイッチをONさせるが、この場合は、制御線33′の制御電圧を0またはオープンにする。これにより、PINダイオードD31′がインダクタL32′を介してONになる。このとき、制御線36′を通じて所要の制御電圧を作用させることにより、イメージ周波数を減衰させるようにしておく。これにより、受信時は、イメージ周波数が十分に減衰され、イメージ・レスポンスを改善することができ、その結果、良好な受信を行なうことができる。
また、送信時は、この高周波スイッチをOFFさせるが、この場合は、制御線33′にプラス電圧を印加する。これにより、PINダイオードD31′がOFFになる。このとき、制御線36′を通じて他の所要制御電圧を作用させることにより、送信周波数を減衰させるようにしておく。これにより、送信時には送信電力のリークから受信デバイスを十分に保護することができる。
【0112】
このように、本実施形態では、PINダイオードのアノード側をON時の電圧に固定しておき、カソード側の電圧を制御することで、制御電圧の逆転を可能とした回路を提供することができる。すなわち、上述の第10実施形態のバイアスの片側をインダクタL33′を介してプラス電源で固定しておくことで、上記の第10実施形態と逆のON,OFF制御でスイッチを制御することができ、これにより、前述の第10実施形態のものとほぼ同様な効果ないし利点が得られる。
【0113】
(m)第12実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第12実施形態を図17に示す。この図17に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、前述の第1実施形態において、使用周波数の2倍波のλ/4オープンスタブ45を、使用周波数に対してはオープンとなるようなコンデンサC43を介して、伝送路31に対して並列に挿入したものである。
【0114】
すなわち、波長がλの高周波信号(例えばRF信号)を伝送する信号伝送線路31に直列に設けられたスイッチ部としての第1のPINダイオードD41をそなえており、更にこの第1のPINダイオードD41をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)42付き制御線43(この制御線43にはインダクタL41が接続されている)が、信号伝送線路31に並列に接続されている。
【0115】
また、この制御線43に対し第1のPINダイオードD41を挟んだ信号伝送線路31には、線路長がλ/4の長さの線路(λ/4線路)44の一端が並列に接続されている。更に、このλ/4線路44の他端には、第2のPINダイオードD42のアノードが接続されている。なお、第2のPINダイオードD42のカソードが接地されている。
【0116】
さらに、使用周波数の2倍波のλ/4オープンスタブ45が、使用周波数に対してはオープンとなるようなコンデンサC43を用いて、伝送路31に対して並列に挿入されている。
なお、この例において、λ/4オープンスタブ45,コンデンサC43と同様の機能を果たすノッチフィルタを使用してもよい。
【0117】
なお、C41,C42はDCカット用コンデンサである。上述の構成により、スイッチON時、つまりプラス電源印加時には、各PINダイオードD41,D42がONとなり、伝送線路31がスルー状態となり、λ/4線路44の先端(伝送線路1と反対側)がショート(短絡)となるため、λ/4線路4の伝送線路31側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD41の挿入損失のみが見えることになる。
【0118】
また、スイッチOFF時、つまり制御線43の制御電圧が0Vまたはオープン時には、各PINダイオードD41,D42がOFFとなり、直列のPINダイオードD41は高抵抗状態となり、又このときλ/4線路44の先端がオープンなので、λ/4線路44の伝送線路31側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0119】
また、オープンスタブ45で3倍波、使用周波数のλ/4線路44で2倍波が減衰される。これにより、電力増幅器等で発生する高調波スプリアス減衰に有効となる。
このように本実施形態では、使用周波数の3倍波のオープンスタブまたはノッチフィルタ(以下、ノッチフィルタを含んでいる場合でも、単にオープンスタブということがある)を付加することで、このオープンスタブで3倍波はショート、2倍波も使用周波数のλ/4線路でショートとなり、送信系の後段等に使用することで、高調波スプリアスの減衰ならびに高調波処理を行なうことによる、送信電力効率の改善を可能とした回路を提供できる。
【0120】
すなわち、本実施形態では、プラス電源のみでスイッチのON,OFFを行なうことができ、これにより、低挿入損失、高アイソレーションを実現し、更にはλ/4線路4の周波数特性で使用周波数以外のスプリアス等を減衰させることもできるほか、オープンスタブ45で3倍波、使用周波数のλ/4線路42で2倍波が減衰され、電力増幅器等で発生する高調波スプリアス減衰に有効となる利点がある。
【0121】
(n)第13実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第13実施形態を図18に示す。この図18に示す高周波スイッチは、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1と受信部Rx1との間に介装される高周波スイッチSW3に使用されるもので、この高周波スイッチは、前述の第12実施形態のバイアスの片側をプラス電源に接続しておくことで、上記第12実施形態と逆のON,OFF制御でスイッチを制御できるようにしたものである。
【0122】
すなわち、波長がλの高周波信号(例えばRF信号)を伝送する信号伝送線路31に直列に第12実施形態のものとは逆方向に設けられたスイッチ部としての第1のPINダイオードD41′をそなえており、更にこの第1のPINダイオードD41′をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)42′付き制御線43′(この制御線43′にはインダクタL41′が接続されている)が、信号伝送線路31に並列に接続されている。
【0123】
また、この制御線43′に対し第1のPINダイオードD41′を挟んだ信号伝送線路31には、線路長がλ/4の長さの線路(λ/4線路)44′の一端が並列に接続されている。更に、このλ/4線路44′の他端には、第2のPINダイオードD42′のカソードが接続されている。なお、第2のPINダイオードD42′のアノードはコンデンサC44′を介して接地されるとともに、インダクタL42′を介して所定電圧Vccが印加されている。
【0124】
さらに、使用周波数の2倍波のλ/4オープンスタブ45′が、使用周波数に対してはオープンとなるようなコンデンサC43′を用いて、伝送路31に対して並列に挿入されている。
なお、C41′,C42′はDCカット用コンデンサである。
上述の構成により、スイッチON時、つまり制御線43′の制御電圧が0Vまたはオープン時には、各PINダイオードD41′,D42′がONとなり、伝送線路31がスルー状態となり、λ/4線路44′の先端(伝送線路31と反対側)がショート(短絡)となるため、λ/4線路44′の伝送線路31側はオープン(開放)となって、直列のPINダイオードD41′の挿入損失のみが見えることになる。
【0125】
また、スイッチOFF時、つまり制御線43′のプラス電源印加時には、各PINダイオードD41′,D42′がOFFとなり、直列のPINダイオードD41′は高抵抗状態となり、又このときλ/4線路44′の先端がオープンなので、λ/4線路44′の伝送線路31側はショートとなり、高アイソレーション状態となる。
【0126】
また、オープンスタブ45′で3倍波、使用周波数のλ/4線路44′で2倍波が減衰される。これにより、電力増幅器等で発生する高調波スプリアス減衰に有効となる。
このように本実施形態では、PINダイオードのアノード側をON時の電圧に固定しておき、カソード側の電圧を制御することで、制御電圧の逆転を可能とした回路を提供できる。
【0127】
すなわち、この第13実施形態においても、プラス電源のみでスイッチのON,OFFを行なうことができ、これにより、低挿入損失、高アイソレーションを実現し、更にはλ/4線路44′の周波数特性で使用周波数以外のスプリアス等を減衰させることもできるほか、オープンスタブ45′で3倍波、使用周波数のλ/4線路42′で2倍波が減衰され、電力増幅器等で発生する高調波スプリアス減衰に有効となる利点がある。
【0128】
(o)第14実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第14実施形態を図19に示すが、この図19に示す高周波スイッチも、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1,SW2に使用されるもので、この高周波スイッチは、上記の第10実施形態の回路(図13参照)および第13実施形態の回路(図18参照)を組み合わせることにより、上記のアンテナ切替スイッチなどに適用可能なSPDTスイッチとして構成したものである。
【0129】
すなわち、伝送線路31に直列に相互に反対向きにPINダイオードD31,D41′をそなえており、更にこのPINダイオードD31,D41′をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)52を共通とする制御線33,43′(制御線33,43′にはそれぞれインダクタL31,L41′が接続されている)が、伝送線路31に並列に接続されている。
【0130】
また、この制御線33に対しPINダイオードD31を挟んだ信号伝送線路31には、インダクタL32が並列に接続されている。
さらに、制御線33に対しPINダイオードD31を挟んで信号伝送線路31に並列に接続された共振回路部34をそなえている。ここで、共振回路部34は、可変容量ダイオードVDと、インダクタとして機能するストリップライン35(このストリップライン35は、受信するRF信号とイメージ周波数の高い方の周波数のλ/4線路として構成されている)と、コンデンサC33とをそなえており、更に可変容量ダイオードVDの容量を制御するための制御線36(この制御線36にはインダクタL33が接続されている)をそなえている。
【0131】
そして、この共振回路部34が、可変容量ダイオードVDの容量を制御することにより、受信時はイメージ周波数,送信時は送信周波数を減衰させるように構成されている。
また、この制御線43′に対し第1のPINダイオードD41′を挟んだ信号伝送線路31には、線路長がλ/4の長さの線路(λ/4線路)44′の一端が並列に接続されている。更に、このλ/4線路44′の他端には、第2のPINダイオードD42′のカソードが接続されている。なお、第2のPINダイオードD42′のアノードはコンデンサC44′を介して接地されるとともに、インダクタL42′を介して所定電圧Vccが印加されている。
【0132】
さらに、使用周波数の2倍波のλ/4オープンスタブ45′が、使用周波数に対してはオープンとなるようなコンデンサC43′を用いて、伝送路31に対して並列に挿入されている。
なお、この例において、λ/4オープンスタブ45′,コンデンサC43′と同様の機能を果たすノッチフィルタを使用してもよい。
【0133】
また、C31,C42′,C51,C52はDCカット用コンデンサである。このような構成により、受信時には、制御線33,43′にプラス電圧を印加する。これにより、PINダイオードD31がインダクタL32を介してONになるともに、PINダイオードD41′がOFFになる。これにより、高周波スイッチが受信部側に切り替わって、アンテナと受信部とが接続される。このとき、制御線36を通じて所要の制御電圧を作用させることにより、イメージ周波数を減衰させるようにしておく。これにより、受信時は、イメージ周波数が十分に減衰され、イメージ・レスポンスを改善することができ、その結果、良好な受信を行なうことができる。
【0134】
また、送信時は、制御線33,43′の制御電圧を0またはオープンにする。これにより、PINダイオードD31がOFFになるとともに、PINダイオードD41′がλ/4線路44′,PINダイオードD42′を介してONになる。これにより、高周波スイッチが送信部側に切り替わって、アンテナと送信部とが接続される。このとき、制御線36を通じて他の所要制御電圧を作用させることにより、送信周波数を減衰させるようにしておく。これにより、送信時には送信電力のリークから受信デバイスを十分に保護することができる。また、オープンスタブ45′で3倍波、使用周波数のλ/4線路44′で2倍波が減衰される。これにより、電力増幅器等で発生する高調波スプリアス減衰に有効となる。
【0135】
このように、本実施形態では、第10実施形態と第13実施形態とを組み合わせることにより、デュアルバンド対応SPDTスイッチとして使用することができ、低挿入損失で高アイソレーションが得られるとともに、受信時にはイメージ抑圧が可能で、且つ、送信時には高調波減衰が可能な、送受信切替スイッチとして十分適用が可能となる。
【0136】
(p)第15実施形態にかかる高周波スイッチの説明
周波数スイッチの第15実施形態を図20に示すが、この図20に示す高周波スイッチも、例えば図6に示す回路では、切替用高周波スイッチSW1,SW2に使用されるもので、この高周波スイッチは、上記の第11実施形態の回路(図16参照)および第12実施形態の回路(図17参照)を組み合わせることにより、上記のアンテナ切替スイッチなどに適用可能なSPDTスイッチとして構成したものである。
【0137】
すなわち、伝送線路31に直列に相互に反対向きにPINダイオードD31′,D41をそなえており、更にこのPINダイオードD31′,D41をオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給するために、制御電源(プラス電源)52′を共通とする制御線33′,43(制御線33′,43にはそれぞれインダクタL31′,L41が接続されている)が、伝送線路31に並列に接続されている。
【0138】
また、この制御線33′に対しPINダイオードD31′を挟んだ信号伝送線路31には、インダクタL32′が並列に接続されている。
さらに、制御線33′に対しPINダイオードD31′を挟んで信号伝送線路31に並列に接続された共振回路部34′をそなえている。ここで、共振回路部34′は、可変容量ダイオードVD′と、インダクタとして機能するストリップライン35′(このストリップライン35′も、受信するRF信号とイメージ周波数の高い方の周波数のλ/4線路として構成されている)と、コンデンサC33′とをそなえており、更に可変容量ダイオードVD′の容量を制御するための制御線36′(この制御線36′にはインダクタL33′が接続されている)をそなえている。
【0139】
そして、この共振回路部34′が、可変容量ダイオードVD′の容量を制御することにより、受信時はイメージ周波数,送信時は送信周波数を減衰させるように構成されている。
また、この制御線43に対し第1のPINダイオードD41を挟んだ信号伝送線路31には、線路長がλ/4の長さの線路(λ/4線路)44の一端が並列に接続されている。更に、このλ/4線路44の他端には、第2のPINダイオードD42のアノードが接続されている。なお、第2のPINダイオードD42のカソードが接地されている。
【0140】
さらに、使用周波数の2倍波のλ/4オープンスタブ45が、使用周波数に対してはオープンとなるようなコンデンサC43を用いて、伝送路31に対して並列に挿入されている。なお、この例において、λ/4オープンスタブ45,コンデンサC43と同様の機能を果たすノッチフィルタを使用してもよい。
なお、C31′,C34′,C42,C51,C52はDCカット用コンデンサである。
【0141】
このような構成により、受信時には、制御線33′,43の制御電圧を0またはオープンにする。これにより、PINダイオードD31′がインダクタL32′を介してONになるともに、PINダイオードD41がOFFになる。これにより、高周波スイッチが受信部側に切り替わって、アンテナと受信部とが接続される。このとき、制御線36′を通じて所要の制御電圧を作用させることにより、イメージ周波数を減衰させるようにしておく。これにより、受信時は、イメージ周波数が十分に減衰され、イメージ・レスポンスを改善することができ、その結果、良好な受信を行なうことができる。
【0142】
また、送信時は、制御線33′,43にプラス電圧を印加する。これにより、PINダイオードD31′がOFFになるとともに、PINダイオードD41がλ/4線路44,PINダイオードD42を介してONになる。これにより、高周波スイッチが送信部側に切り替わって、アンテナと送信部とが接続される。このとき、制御線36′を通じて他の所要制御電圧を作用させることにより、送信周波数を減衰させるようにしておく。これにより、送信時には送信電力のリークから受信デバイスを十分に保護することができる。また、オープンスタブ45で3倍波、使用周波数のλ/4線路44で2倍波が減衰される。これにより、電力増幅器等で発生する高調波スプリアス減衰に有効となる。
【0143】
このように本実施形態では、第11実施形態と第12実施形態とを組み合わせることにより、第14実施形態の回路の制御電圧を逆転させることができ、これにより、この場合も、デュアルバンド対応SPDTスイッチとして使用することができ、低挿入損失で高アイソレーションが得られるとともに、受信時にはイメージ抑圧が可能で、且つ、送信時には高調波減衰が可能な、送受信切替スイッチとして十分適用が可能となる。
【0144】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、直列のPINダイオードスイッチに加えて、使用周波数のλ/4線路を挿入した並列接続のPINダイオードスイッチを組み合わせて、スイッチON時には、並列のPINダイオードが開放に見え、スイッチOFF時には、ショートに見えるような構成とし、制御は例えばプラス電源制御のみということを特徴としているので、低挿入損失、高アイソレーションの高周波スイッチを構成することができ、これにより、受信系の場合は高感度化、送信系の場合は高効率化が可能になるほか、一般的な回路では、ON,OFF制御を2つの制御端子で行なうところを、1つの制御端子のみで制御することができ、制御回路の簡略化および小型化が実現できる利点がある。
【0145】
また、本発明では、λ/4線路をスイッチを用いて切り替えることにより、デュアルバンドに対応させており、更にスイッチの制御を逆の組み合わせにする回路構成も可能としているので、デュアルバンドまたはマルチバンドに対応することができ、本来、各周波数帯専用の回路を使用しなければならなかったのに対して、1つの回路で装置を構成することができ、装置の小型化および低価格化が実現できる利点がある。
【0146】
さらに、本発明では、λ/4線路を使用することで、ノッチフィルタのような効果も期待でき、使用周波数帯域以外のスプリアスを減衰することができ、更にこれを発展させることにより、受信系において、スイッチON時は、イメージ周波数のノッチフィルタとして働き、スイッチOFF時には、RF周波数のノッチフィルタとして働くことで、受信時にはイメージレスポンスの改善、送信時には電力増幅器からの送信電力の漏れによる受信用デバイスの破壊を防止することができる。即ち、λ/4線路の特性又はその切替により、受信系であれば、イメージ周波数の除去、送信系であれば、2倍波や3倍波の高調波スプリアスの減衰及びその高調波処理を行なうことによる、送信系の高効率化が実現できる。
【0147】
また、本発明の高周波スイッチを組み合わせることで、低挿入損失、高アイソレーションで切り換え制御が簡単なSPDTスイッチを構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1実施形態を示す電気回路図である。
【図2】1実施形態の作用を説明するための周波数特性図である。
【図3】1実施形態の作用を説明するための周波数特性図である。
【図4】2実施形態を示す電気回路図である。
【図5】3実施形態を示す電気回路図である。
【図6】 無線通信システムにおける基地局あるいは移動端末の送受信系の一部を示すブロック図である。
【図7】4実施形態を示す電気回路図である。
【図8】5実施形態を示す電気回路図である。
【図9】6実施形態を示す電気回路図である。
【図10】7実施形態(本発明の実施形態)を示す電気回路図である。
【図11】8実施形態を示す電気回路図である。
【図12】9実施形態(本発明の実施形態)を示す電気回路図である。
【図13】10実施形態を示す電気回路図である。
【図14】10実施形態の作用を説明するための周波数特性図である。
【図15】10実施形態の作用を説明するための周波数特性図である。
【図16】11実施形態を示す電気回路図である。
【図17】12実施形態を示す電気回路図である。
【図18】13実施形態を示す電気回路図である。
【図19】14実施形態を示す電気回路図である。
【図20】15実施形態を示す電気回路図である。
【図21】 無線通信システムにおける基地局あるいは移動端末の送受信系の一部を示すブロック図である。
【図22】 第1従来例を示す電気回路図である。
【図23】 第2従来例を示す電気回路図である。
【図24】 第3従来例を示す電気回路図である。
【図25】 第4従来例を示す電気回路図である。

Claims (3)

  1. 波長λ1,λ2(λ1<λ2)の2種の高周波信号を伝送しうる信号伝送線路に直列に設けられたスイッチ部としての第1のPINダイオードと、
    該第1のPINダイオードをオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給すべく、該信号伝送線路に並列に接続された制御電源付き制御線と、
    該制御線に対し該第1のPINダイオードを挟んで該信号伝送線路に並列に一端を接続され、波長λ1の該高周波信号に対して、該第1のPINダイオードがオン時に該信号伝送線路と反対側の先端がショートとなって、その信号伝送線路側がオープンとなる一方、該第1のPINダイオードがオフ時に該信号伝送線路と反対側の先端がオープンとなって、その信号伝送線路側がショートとなる線路長がλ1/4の長さの第1線路と、
    該第1線路の他端側に接続されるべき第2のPINダイオードと、
    該第1線路と協働して線路長λ2/4の長さの線路を構成し、波長λ2の該高周波信号に対して、該第1のPINダイオードがオン時に該信号伝送線路と反対側の先端がショートとなって、該第1線路の該信号伝送線路側をオープンとする一方、該第1のPINダイオードがオフ時に該信号伝送線路と反対側の先端がオープンとなって、該第1線路の該信号伝送線路側をショートとする第2線路と、
    該第2線路に直列に接続された第3のPINダイオードと、
    該第1線路と該第2線路,該第2のPINダイオードとの間に介装されて、該第1線路と該第2のPINダイオードの接続または該第1線路と該第2線路との接続を選択的に切り替えるスイッチ部とをそなえて構成されたことを特徴とする、高周波スイッチ
  2. 波長の異なる2種の高周波信号を伝送しうる第1の信号伝送線路に直列に設けられたスイッチ部としての第1のPINダイオードと、
    該第1のPINダイオードをオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給すべく、該第1の信号伝送線路に並列に接続された制御電源付き第1制御線と、
    該第1制御線に対し該第1のPINダイオードを挟んで該第1の信号伝送線路に並列に一端を接続され線路長が上記第1の信号伝送線路を伝送する上記高周波信号のうち波長の小さい方の波長の1/4の長さの第1線路と、
    該第1線路の他端に一端を接続されるべき第2のPINダイオードと、
    該第1線路と協働して線路長が上記第1の信号伝送線路を伝送する上記高周波信号のうち波長の大きい方の波長の1/4の長さの線路を構成する第2線路と、
    該第2線路に直列に一端を接続された第3のPINダイオードと、
    該第1線路と該第2線路,該第2のPINダイオードとの間に介装されて、該第1線路と該第2のPINダイオードの接続または該第1線路と該第2線路との接続を選択的に切り替える第1切替スイッチ部とをそなえるとともに、
    該第1の信号伝送線路に接続され波長の異なる2種の高周波信号を伝送しうる第2の信号伝送線路に直列に該第1のPINダイオードとは反対の向きに設けられたスイッチ部としての第4のPINダイオードと、
    該第4のPINダイオードをオンオフ制御するためのオンオフ制御信号を供給すべく、該第2の信号伝送線路に並列に接続され上記第1の信号伝送線路に接続された制御電源と共通の制御電源付き第2制御線と、
    該第2制御線に対し該第4のPINダイオードを挟んで該第2の信号伝送線路に並列に一端を接続され線路長が上記第2の信号伝送線路を伝送する上記高周波信号のうち波長の小さい方の波長の1/4の長さの第3線路と、
    該第3線路の他端に一端を接続されるべき該第2のPINダイオードとは反対の向きに設けられた第5のPINダイオードと、
    該第5のPINダイオードの他端に接続された電源及び第1コンデンサと
    該第3線路と協働して線路長が上記第2信号伝送線路を伝送する上記高周波信号のうち波長の大きい方の波長の1/4の長さの線路を構成する第4線路と、
    該第4線路の他端に直列に一端を接続されるべき該第3のPINダイオードとは反対の向きに設けられた第6のPINダイオードと、
    該第6のPINダイオードの他端に接続された電源及び第2コンデンサと、
    該第3線路と該第4線路,該第5のPINダイオードとの間に介装されて、該第3線路と該第5のPINダイオードの接続または該第3線路と該第4線路との接続を選択的に切り替える第2切替スイッチ部とをそなえて構成されたことを特徴とする、高周波スイッチ
  3. 送信部と第1受信部及び第2受信部と、
    上記送信部と上記第1受信部のための第1アンテナ部と、
    上記第2受信部のための第2アンテナ部と、
    上記第1アンテナ部と上記送信部と上記第1受信部との接続部に設けられた第1高周波スイッチと、
    上記第1受信部と第2受信部との接続部に設けられた第2高周波スイッチとをそなえ、
    上記第1高周波スイッチが請求項に記載の高周波スイッチで構成され、
    上記第2高周波スイッチが請求項に記載の高周波スイッチで構成されたことを特徴とする高周波スイッチ付き送受信装置。
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