JP3777172B2 - 車両用ステアリングコラム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ステアリングホイールのチルト(上下方向傾動調節)及びテレスコピック(軸方向伸縮調節)動作を、操作レバーに固定したナットが螺合する締付ボルトでアッパークランプにディスタンスブラケットを固定しロックする形式の車両用ステアリングコラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用ステアリングコラムは、運転乗員の最適運転姿勢の確保を目的として、ステアリングホイールが運転乗員の手前で上下方向へ傾動調節可能、かつ、軸方向へ伸縮調節可能としたチルト及びテレスコピックステアリングコラムが提供されている。
【0003】
すなわち、図12,13に示すように、車体2に固定したアッパークランプ1に、挟持されて上下動可能なディスタンスブラケット3に、ジャケットチューブ4を固定し、ジャケットチューブ4に軸方向伸縮可能に嵌合したロアーチューブ4aの下端部付近を可撓性を備えたロアークランプ5で車体2に固定し、このジャケットチューブ4に軸方向伸縮可能にステアリングシャフト6が回転自在に貫通し、ステアリングシャフト6にステアリングホイール7が軸着され、ディスタンスブラケット3にアッパークランプ1に形成したチルト用長孔8と交叉するテレスコ用長孔9を設け、このテレスコ用長孔9とチルト用長孔8に締付ボルト10を貫通し、締付ボルト10の頭部に回り止め部材11を、螺部にナット12を固定した操作レバー13を螺合している。
【0004】
そこで操作レバー13を回動してアッパークランプ1がディスタンスブラケット3を締め付けるのを解除すると、ジャケットチューブ4はディスタンスブラケット3を介し上下方向へ傾動調節可能及び軸方向へ伸縮調節可能となり、ステアリングホイール7を運転員の手前で上下方向へ傾動及び又は伸縮させて所望の位置に設定し、操作レバー13を逆に回動してアッパークランプ1でディスタンスブラケット3を締め付けると、その設定した位置でロックされる。したがって、締付ボルト10の締付力によってアッパークランプ1とディスタンスブラケット3間に発生する摩擦力にてロックがなされるというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、締付ボルト10の締付力にてアッパークランプ1とディスタンスブラケット3間に発生する摩擦力でアッパークランプ1内のディスタンスブラケット3の位置を固定することは、その摩擦力に打ち勝つ力が加わった場合に、ディスタンスブラケット3が容易にアッパークランプ1を前側及び上方へ摺動して当初に設定したステアリングホイール7の位置が変化するアンロックが生じる惧れがある。
【0006】
例えば、車両正面衝突時に運転乗員がステアリングホイール7に激突する二次衝突事故において、ステアリングシャフト6は運転乗員に対し斜めに交叉する角度で配設されているから、ステアリングホイール7に運転乗員が激突すると、その荷重はステアリングシャフト6の軸方向への入力と水平方向への分力を生じるために、ジャケットチューブ4を介しディスタンスブラケット3を車体前側及び上方へ動かす。したがって、ディスタンスブラケット3は締付ボルト10の締付力に抗して車体前側及び上方へ容易に移動する惧れがある。
【0007】
このアンロックに対処するには、締付ボルト10の軸力を大きくすればよいが、そうすると、チルト調節時に要する操作力を過大に要することとなって、非力な運転乗員には調節操作ができなくなる。
【0008】
さらに、近時はステアリングホイールにエアバッグ装置を収納して衝突事故時にそのエアバッグが膨満することにより運転乗員の衝撃を緩和する保護手段を設けることが一般化しつつある。しかしながら、エアバッグは運転乗員が正面から衝突しなければ効果的でない。すなわち、運転乗員の衝突に伴ってエアバッグが車体前側及び又は上方へ動くと、エアバッグの性能を十分発揮できない惧れがある。
【0009】
そこで、この発明は、締付ボルトでロックしたチルト及びテレスコピックステアリングコラムにおける有事のアンロックを防止しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる車両用ステアリングコラムは、車体に固定したアッパークランプにディスタンスブラケットが上下動可能に挟持され、アッパークランプに形成したチルト用長孔とディスタンスブラケットに形成したテレスコ用長孔とを貫通する締付ボルトに、操作レバーが軸方向移動可能に嵌合してなるチルト及びテレスコピックステアリングコラムにおいて、チルト用長孔の縁にチルトロック歯部を、また、テレスコ用長孔の縁にテレスコロック歯部を設けるとともに、前記チルトロック歯部に噛合可能なロック歯部を有する第1可動部材を前記締付ボルトに嵌装する一方、前記テレスコロック歯部に噛合可能なロック歯部を有する第2可動部材を前記締付ボルトに嵌装固定または前記締付ボルトの頭部と一体形成し、操作レバーのロック操作により、第1可動部材のロック歯部をアッパークランプのチルトロック歯部に噛合させると共に、締付ボルトを軸方向に移動させて第2可動部材のロック歯部をディスタンスブラケットのテレスコロック歯部に噛合させることを特徴とする。
【0011】
【作用】
操作レバーを回動させると、第1可動部材のロック歯部がアッパークランプのチルトロック歯部に噛合してチルト方向への締付ボルトの移動を阻止し、かつ締付ボルトが締付ボルトの軸方向に移動し、第2可動部材のロック歯部がディスタンスブラケットのテレスコロック歯部に噛合してテレスコ方向への締付ボルトの移動を阻止する。このように、締付ボルトのチルト方向の移動とテレスコ方向の移動が阻止されることから、締付ボルトの締付力に打ち勝つ過大な入力があっても、設定したステアリングホイールの位置が変化することはない。
【0012】
【実施例】
以下にこの発明の実施例を図に基づき説明する。以下に記載する実施例は、前記従来例同様、車体に固定したアッパークランプ1に、挟持されて上下動可能なディスタンスブラケット3に、ジャケットチューブ4を固定し、ジャケットチューブ4に軸方向伸縮可能に嵌合したロアーチューブの下端部付近を可撓性を備えたロアークランプで車体に固定し、このジャケットチューブ4に軸方向伸縮可能なステアリングシャフト6が回転自在に貫通し、ステアリングシャフト6にステアリングホイールが軸着され、ディスタンスブラケット3にアッパークランプ1に形成したチルト用長孔8と交叉するテレスコ用長孔9を設け、このテレスコ用長孔9とチルト用長孔8に締付ボルト10,38を貫通する基本的構成は前記従来例と同じである。したがって、図において前記従来例と同じ部分には同一符号を用いて説明する。
【0013】
この発明の第1実施例は、図1,2に示すように、操作レバー13側のアッパークランプ1に、チルト用長孔8を挟む左右両側においてチルトロック歯部14を突設するとともに、ディスタンスブラケット3にテレスコ用長孔9を挟む上下両側においてテレスコロック歯部15を突設する。チルトロック歯部14はチルト用長孔8に直交し、また、テレスコロック歯部15はテレスコ用長孔9に直交する鋸歯であり、鋸歯は凹凸又は粗面等に代えてもよい。なお、テレスコロック歯部15はディスタンスブラケット3の側壁部3aの平面から肉厚側へ凹こませて形成し、アッパークランプ1の側壁1a内面に摺接するように形成する。
【0014】
図3に示すように、チルトロック歯部14と噛合するロック歯部16をボルト挿通孔17の左右両側に形成した第1可動部材18と、テレスコロック歯部15と噛合するロック歯部19をボルト挿通孔20の上下両側に形成した第2可動部材21が、それぞれボルト挿通孔17,20に締付ボルト10を貫通して設けられる。第1可動部材18は第2可動部材21を係合させる上下方向の溝22を有する。なお、第1可動部材18と第2可動部材21は別体として形成したが、一体形成してもよい。
【0015】
ここで、締付ボルト10は一端部のねじ部に操作レバー13が固定されるナット12を螺合し、ワッシャー23を嵌装し、かつ、第1可動部材18及び第2可動部材21を嵌装するとともに、操作レバー13と第1可動部材18間にコイルスプリング等の弾機24を嵌装してあり、また、他端部にはセレーション25を周縁に形成した円盤部が一体形成され、このセレーション25に噛合するアジャストストッパー26をプッシュナット27で固定した公知の回り止め部材28がチルト用長孔8に係合する。
【0016】
そこで、操作レバー13を回動してナット12をアッパークランプ1側に移動させることにより、アッパークランプ1がディスタンスブラケット3を締め付けた場合、図3に示す第1可動部材18のロック歯部16はアッパークランプ1のチルトロック歯部14と噛合するとともに、第2可動部材21のロック歯部19はディスタンスブラケット3のテレスコロック歯部15と噛合する。そのため、運転乗員がステアリングホイールに衝突してステアリングシャフト6及びジャケットチューブ4に軸方向入力及び水平方向の分力が締付ボルト10の締付力よりも大きな力で加わった場合でも、ジャケットチューブ4が軸方向で前側及び上下方向へ移動することなく固定される。
【0017】
また、弾機24により、上下方向へ傾動又は伸縮させる場合に節度感を持たせることができ、更に、ロック歯部16,19とチルトロック歯部14、テレスコロック歯部15を確実に噛合することができる。
【0018】
この発明の第2実施例は、図4,5に示すように、操作レバー13側のアッパークランプ1に、チルト用長孔8を挟む左右両側においてチルトロック歯部14を突設するとともに、ディスタンスブラケット3にテレスコ用長孔9を挟む上下両側においてテレスコロック歯部15を突設する。チルトロック歯部14はチルト用長孔8に直交し、また、テレスコロック歯部15はテレスコ用長孔9に直交する鋸歯であるが、鋸歯に代えて凹凸又は粗面等としてもよい。なお、テレスコロック歯部15はディスタンスブラケット3の側壁部3aの平面から肉厚側へ凹こませて形成し、アッパークランプ1の側壁1a内面に摺接するように形成する。
【0019】
前記図3に示したように、チルトロック歯部14と噛合するロック歯部16をボルト挿通孔17の左右両側に形成した第1可動部材18と、テレスコロック歯部15と噛合するロック歯部19をボルト挿通孔20の左右両側に形成した第2可動部材21が、それぞれボルト挿通孔17,20に締付ボルト10を貫通して設けられる。第1可動部材18は第2可動部材21を係合させる上下方向の溝22を有する。なお、第1可動部材18と第2可動部材21は別体として形成したが、一体形成してもよい。
【0020】
ここで、締付ボルト10は一端部のねじ部に操作レバー13を締付けるナット12を螺合し、かつ、第1可動部材18及び第2可動部材21を嵌装するとともに、操作レバー13と第1可動部材18間にコイルスプリング等の弾機24を嵌装してあり、また、他端部のボルト頭部29には前記回り止め部材28を嵌着することなく、前記セレーション25を形成していないボルト頭部29の平坦面がチルト用長孔8の周縁を摺接して回り止めをするとともに、上下方向へ移動可能に保持する。
【0021】
そして、第1可動部材18には、図5に示すように、締付ボルト10の挿通孔17の周縁に複数のカム部30が形成されている。カム部30は締付ボルト10の締付時の回転方向へ高く傾斜するスロープを形成してなる。そして、操作レバー13はボルト挿通孔31を中心として所定半径の円盤部32を形成し、かつ、ボルト挿通孔31の周縁にはカム部30に係合するカム部33が形成されている。このカム部33はカム部30と相補的形状であって、操作レバー13の締付解除時の回転方向に深く傾斜するスロープを有する。
【0022】
そこで、操作レバー13を回動し、図6に示すように、カム部30に操作レバー13の円盤部32の平坦部が乗り上げて第1可動部材18をアッパークランプ1に押し付け、アッパークランプ1がディスタンスブラケット3を締め付けた場合、図4に示すように、第1可動部材18のロック歯部16はアッパークランプ1のチルトロック歯部14と噛合するとともに、第2可動部材21のロック歯部19はディスタンスブラケット3のテレスコロック歯部15と噛合する。そのため、運転乗員がステアリングホイールに衝突してステアリングシャフト及びジャケットチューブ4に軸方向入力及び水平方向の分力が締付ボルト10の締付力よりも大きな力で加わった場合でも、ジャケットチューブ4が軸方向で前側及び上下方向へ移動することなく固定される。
【0023】
この発明の第3実施例は、図7,8に示すように、操作レバー13側においてアッパークランプ1に、チルト用長孔8を挟む左右両側においてチルトロック歯部14を突設するとともに、締付ボルト10のボルト頭部29側において、ディスタンスブラケット3にテレスコ用長孔9を挟む上下両側においてテレスコロック歯部15を突設する。チルトロック歯部14はチルト用長孔8に直交し、また、テレスコロック歯部15はテレスコ用長孔9に直交する鋸歯であるが、鋸歯に代えて凹凸又は粗面等としてもよい。なお、テレスコロック歯部15はディスタンスブラケット3の側壁部3aの平面から肉厚側へ凹こませて形成し、アッパークランプ1の側壁1a内面に摺接するように形成する。
【0024】
チルトロック歯部14と噛合するロック歯部16を形成した第1可動部材18が締付ボルト10に貫通して設けられる。第1可動部材18は前記実施例において記載した第1可動部材と同一である。また、テレスコロック歯部15と噛合するロック歯部19を形成した第2可動部21aが締付ボルト10の頭部29と一体成形されている。
【0025】
ここで、締付ボルト10は一端部のねじ部に操作レバー13が固定されるナット12を螺合し、ワッシャー23を嵌装し、かつ、第1可動部材18を嵌装するとともに、操作レバー13と第1可動部材18間にコイルスプリング等の弾機24を嵌装してある。そして、締付ボルト10の他端部については、前記第2可動部21aに形成された前記ロック歯部19がチルト用長孔8を通ってテレスコロック歯部15に当接し、かつ締付ボルト10が回転しないように、前記第2可動部21aの側面には回り止め部34が形成されている。
【0026】
そこで、操作レバー13を回動してナット12をアッパークランプ1側に移動させることにより、第1可動部材18がアッパークランプ1に押し付けられ、アッパークランプ1がディスタンスブラケット3を締め付け、図6に示すように、第1可動部材18のロック歯部16はチルトロック歯部14と噛合するとともに、第2可動部21aのロック歯部19はテレスコロック歯部15と噛合する。そのため、運転乗員がステアリングホイールに衝突してステアリングシャフト及びジャケットチューブ4に軸方向入力及び水平方向の分力が締付ボルト10の締付力よりも大きな力で加わった場合でも、ジャケットチューブ4が軸方向で前側及び上下方向へ移動することなく固定される。
【0027】
この発明の第4実施例は、図9,10に示すように、アッパークランプ1の左右両側に形成されたチルト用長孔8,8に、チルトロック歯部14を突設したロックプレート36を嵌装して固定するとともに、操作レバー13側においてディスタンスブラケット3にテレスコロック歯部15を突設したロックプレート37をディスタンスブラケット3の内側から嵌装して固定する。
【0028】
ここで、ロックプレート36は、図11に示すように、締付ボルト38が貫通する長孔39を中央部に設けてチルト用長孔8に嵌合する段突起部40を一側面に有し、他側面に長孔39の上下両側でチルトロック歯部14を形成してある。ロックプレート37もロックプレート36と同じ構造で形成されている。したがって、チルト用長孔8とテレスコ用長孔9とを同一形状とすれば、ロックプレート36とロックプレート37とは共用できる。すなわち、チルトロック歯部14はチルト用長孔8に直交し、また、テレスコロック歯部15はチルトロック歯部14とテレスコ用長孔9とに直交するように配置すればよい。
【0029】
図9,10に示すように、チルト用長孔8には、締付ボルト38が貫通する略正方形板からなる補助プレート41が移動可能に嵌め込まれ、この補助プレート41には同形の補助プレート42が摺接し、かつ、締付ボルト38が貫通している。締付ボルト38は両端部にねじ部が形成され、そのねじ部にナット12が螺合し、一方のナット12側には操作レバー13が嵌装され、両端部付近にチルトロック歯部14と噛合するロック歯部16を形成した第1可動部材18,18がそれぞれ嵌装され、かつ、操作レバー13側には補助プレート41,42、及び、テレスコロック歯部15と噛合するロック歯部19を形成した第2可動部材21が嵌装されている。
【0030】
さらに、第2可動部材21と他側の第1可動部材18との間において締付ボルト38は大径にしてディスタンスブラケット3内でストップワッシャー43を装着してある。第2可動部材21は締付ボルト38の小径部に嵌装されて他側の第1可動部材18側への移動が規制されている。さらに、第1可動部材18と補助プレート41間、補助プレート42と第2可動部材21間及び他側の第1可動部材18と締付ボルト38の大径部間にはそれぞれコイルスプリング等の弾機24が弾装されている。なお、締付ボルト38が貫通する操作レバー13には、回転して第1可動部材18を第2可動部材21側に押し、逆回転して第2可動部材21から離反するためのカム部13aが形成されている。
【0031】
ここで、第1可動部材18は、図11に示すように、締付ボルト38を嵌装する透孔44を形成したカラー部45を有する略正方形のコマからなり、カラー部45側にチルトロック歯部14に噛合するロック歯部16が形成されている。カラー部45はロックプレート36(又は37)の長孔39に嵌合して摺動できる。そして、第2可動部材21は第1可動部材18と同じ構造で形成されている。したがって、第1可動部材18と第2可動部材21は共用できる。すなわち、第1可動部材18と第2可動部材21とはロック歯部16,19の向きを90度変えて締付ボルト38に嵌装すればよい。
【0032】
そこで、図9に示すように、操作レバー13を回動してカム部13aが第1可動部材18をアッパークランプ1側に移動させることにより、アッパークランプ1がディスタンスブラケット3を締め付けた場合、一対の第1可動部材18,18のロック歯部16,16はアッパークランプ1のチルトロック歯部14,14とそれぞれ噛合するとともに、第2可動部材21のロック歯部19はディスタンスブラケット3のテレスコロック歯部15と噛合する。そのため、運転乗員がステアリングホイールに衝突してステアリングシャフト及びジャケットチューブ4に軸方向入力及び水平方向の分力が締付ボルト38の締付力よりも大きな力で加わった場合でも、ジャケットチューブ4が軸方向で前側及び上下方向へ移動することなく固定される。
【0033】
そして、図10に示すように、操作レバー13を逆方向へ回動すると、弾機24の力で第1可動部材18及び第2可動部材21は互いに離反する方向へ移動してアッパークランプ1から遠ざかり、これらのロック歯部16,19がチルトロック歯部14及びテレスコロック歯部15から離れ、かつ、他側の第1可動部材18のロック歯部16もチルトロック歯部14から離れる。したがって、締付ボルト38はロックプレート36の長孔39を上下動できるとともに、また、ロックプレート37の長孔39を水平方向へ移動できる。
【0034】
なお、上記第1実施例〜第4実施例において、チルトロック歯部14及びテレスコロック歯部15は、それぞれチルト用長孔8の左右両側及びテレスコ用長孔9の上下両側に形成したが、それぞれの片側のみでもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したこの発明によれば、車体に固定したアッパークランプにディスタンスブラケットが上下動可能に挟持され、アッパークランプに形成したチルト用長孔とディスタンスブラケットに形成したテレスコ用長孔とを貫通する締付ボルトに、操作レバーが軸方向移動可能に嵌合してなるチルト及びテレスコピックステアリングコラムにおいて、チルト用長孔の縁にチルトロック歯部を、また、テレスコ用長孔の縁にテレスコロック歯部を設けるとともに、前記チルトロック歯部に噛合可能なロック歯部を有する第1可動部材を前記締付ボルトに嵌装する一方、前記テレスコロック歯部に噛合可能なロック歯部を有する第2可動部材を前記締付ボルトに嵌装固定または前記締付ボルトの頭部と一体形成し、操作レバーのロック操作により、第1可動部材のロック歯部をアッパークランプのチルトロック歯部に噛合させると共に、締付ボルトを軸方向に移動させて第2可動部材のロック歯部をディスタンスブラケットのテレスコロック歯部に噛合させたので、車両衝突事故時に運転員の荷重がステアリングホイールに入力されても、容易にアンロックすることなく確実にロックするから、ジャケットチューブの位置が変化することはない。また、摩擦力と歯部による二重ロック構造であるため、ガタも発生させない。
【0036】
更に、チルトロック歯部及びテレスコロック歯部をそれぞれ共用できるようにしたので、ステアリングコラムのコスト低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の要部断面正面図
【図2】図1の分解斜視図
【図3】図2の一部背面斜視図
【図4】この発明の第2実施例の要部断面正面図
【図5】図4の分解斜視図
【図6】図4の一部の正面図
【図7】この発明の第3実施例を示す要部断面正面図
【図8】図7の分解斜視図
【図9】この発明の第4実施例の要部断面正面図
【図10】図7の作用説明図
【図11】図9の一部の分解斜視図
【図12】従来のチルト及びテレスコステアリングコラムの側面図
【図13】図12の要部断面正面図
【符号の説明】
1…アッパークランプ
3…ディスタンスブラケット
8…チルト用長孔
9…テレスコ用長孔
10,38…締付ボルト
13…操作レバー
13a…カム部
14…チルトロック歯部
15…テレスコロック歯部
16,19…ロック歯部
18…第1可動部材
21…第2可動部材
21a…第2可動部(第2可動部材)
24…弾機
29…ボルト頭部
34…回り止め部
36,37…ロックプレート
Claims (7)
- 車体に固定したアッパークランプにディスタンスブラケットが上下動可能に挟持され、アッパークランプに形成したチルト用長孔とディスタンスブラケットに形成したテレスコ用長孔とを貫通する締付ボルトに、操作レバーが軸方向移動可能に嵌合してなるチルト及びテレスコピックステアリングコラムにおいて、
チルト用長孔の縁にチルトロック歯部を、また、テレスコ用長孔の縁にテレスコロック歯部を設けるとともに、前記チルトロック歯部に噛合可能なロック歯部を有する第1可動部材を前記締付ボルトに嵌装する一方、前記テレスコロック歯部に噛合可能なロック歯部を有する第2可動部材を前記締付ボルトに嵌装固定または前記締付ボルトの頭部と一体形成し、操作レバーのロック操作により、第1可動部材のロック歯部をアッパークランプのチルトロック歯部に噛合させると共に、締付ボルトを軸方向に移動させて第2可動部材のロック歯部をディスタンスブラケットのテレスコロック歯部に噛合させることを特徴とする車両用ステアリングコラム。 - 請求項1において、テレスコロック歯部は、ディスタンスブラケットの側壁部の平面から凹こませて形成されていることを特徴とする車両用ステアリングコラム。
- 請求項1において、第2可動部材が、ディスタンスブラケットの内側に嵌装されると共に、第2可動部材のロック歯部と噛合可能なテレスコロック歯部がディスタンスブラケットのテレスコ用長孔の内側縁に形成されていることを特徴とする車両用ステアリングコラム。
- 請求項3において、第1可動部材および第2可動部材は、弾機によりチルトロック歯部およびテレスコロック歯部から離反する方向に付勢されていることを特徴とする車両用ステアリングコラム。
- 請求項1において、チルトロック歯部及びテレスコロック歯部が、チルト用長孔とテレスコ用長孔とに共に嵌合でき、かつ、締付ボルトを挿通可能な長孔を有する共用可能なロックプレートに形成されていることを特徴とする車両用ステアリングコラム。
- 請求項5において、ロックプレートがディスタンスブラケットの内面側でその長孔に嵌合されると共に、そのテレスコロック歯部と噛合するロック歯部を有する第2可動部材が締付ボルトの小径部に嵌装され、かつ、第1可動部材と第2可動部材との間に弾機が介在されることを特徴とする車両用ステアリングコラム。
- 車体に固定したアッパークランプにディスタンスブラケットが上下動可能に挟持され、アッパークランプに形成したチルト用長孔とディスタンスブラケットに形成したテレスコ用長孔とを貫通する締付ボルトに、操作レバーが軸方向移動可能に嵌合してなるチルト及びテレスコピックステアリングコラムにおいて、
一対のチルト用長孔の縁にそれぞれチルトロック歯部を、また、一方のテレスコ用長孔の縁にテレスコロック歯部を設けるとともに、締付ボルトには夫々のチルトロック歯部と噛合可能なロック歯部を有する一対の第1可動部材と、テレスコロック歯部に噛合可能なロック歯部を有する第2可動部材とを嵌装し、操作レバーのロック操作により、一方の第1可動部材のロック歯部をアッパークランプのチルトロック歯部に噛合させると共に、締付ボルトを軸方向に移動させることにより、他方の第1可動部材のロック歯部をアッパークランプのチルトロック歯部に噛合させ、かつ、第2可動部材のロック歯部をディスタンスブラケットのテレスコロック歯部に噛合させることを特徴とする車両用ステアリングコラム。
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