JP3777129B2 - マシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー - Google Patents

マシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダーに係り、更に言えばマシニングセンターの駆動スピンドルにより回転される工具を、あたかも小型ボール盤のような手動操作式に進退移動させて、ワークの穴明け加工やネジ立て加工などを無難に便利良く行なえるよう工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マシニングセンターではその工具マガジンから自動工具交換アームによって抜き出された工具ホルダーが、駆動スピンドルへ交換装着されるようになっていると共に、そのマシニングセンター側の駆動スピンドルから駆動力を受けるホルダー本体の内部に、ワークの穴明け加工やネジ立て加工などを行なう各種工具が、一体回転のみを行なうように差し込まれており、そのワークに対する工具の進退移動作用はマシニングセンターの自動機械力によって営なまれるようになっている。
【0003】
しかも、その加工作業に当ってはワークの加工始点を位置決めした上、工具の回転数やその1回転当りの移動速度、加工深さ、その他の加工条件となる各種数値をインプットし、そのインプットした数値のプログラム制御によって、上記穴明け加工やネジ立て加工などを量産的に実行するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような工具の進退移動作用が自動機械力によって営なまれるマシニングセンターでは、工具の切れ味やその工具に加わる負荷、その他の加工条件を作業者の感覚的に知得できないため、例えば細いドリルによる径小な穴明け加工や長いドリルによる深い穴明け加工、細いタッパーによる径小な穴のネジ立て加工などを行なう場合に、その工具の折損や加工ミスなどを生じやすく、殊更作業者にとって未知の材料や難削材料などを加工する場合には、必らずテスト加工しなければならず、却って作業能率が低下することになる。
【0005】
又、マシニングセンターでの自動量産的な加工を行なった後、そのワークの同じ加工面や別な加工面へ、極めて僅少な個数の加工を追加したり、特異な大きさや深さの加工を追加したりする必要が起った場合、上記マシニングセンターの数値制御による自動加工では、その追加のたび毎に新らたな上記数値や補正数値をインプットする必要があり、そのプログラムの準備上甚だ煩らわしい。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題の改良を企図しており、そのための構成上第1にマシニングセンターの駆動スピンドルにより回転される工具ホルダー本体の先端部を、径小な移動スリーブ受け入れ口筒として造形し、
【0007】
そのホルダー本体の移動スリーブ受け入れ口筒を、上記マシニングセンターへ位置決め固定されるカバーケースの基端部をなす径大なカバー口筒によって包囲状態に軸受けすると共に、
【0008】
そのカバーケースのカバー口筒から上記移動スリーブ受け入れ口筒とほぼ同じ口径の径小なノーズ口筒を、先端方向へ一定長さだけ連続的に延長させて、
【0009】
上記ホルダー本体から回転動力を受ける工具スピンドルと、その工具スピンドルの先端部を軸受けした移動スリーブとを、上記ノーズ口筒と移動スリーブ受け入れ口筒との連通 開口する内部へ差し込み遊嵌させ、
【0010】
上記ホルダー本体の回転中心線と平行に延在するラックギヤを、上記移動スリーブ受け入れ口筒の円周面に刻設する一方、
【0011】
そのラックギヤと常時噛合するピニオンギヤが対応形成されたピニオンギヤ軸を、上記カバーケースのノーズ口筒に付属するギヤケースへ内蔵設置し、
【0012】
そのピニオンギヤ軸をギヤケースの外側から手動操作ハンドルにより回動操作して、上記移動スリーブとこれに軸受けされた工具スピンドルとを、上記カバーケースのノーズ口筒から先端方向へ進出移動させることができるマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダーであって、
【0013】
上記移動スリーブの円周面におけるラックギヤと約180度対峙する反対位置へ、そのラックギヤと平行に延在する移動ガイド溝レールを切り欠くと共に、
【0014】
その移動ガイド溝レールの内部に沿って配列設置した回動ネジ杆へ、これを回動操作した時上記移動ガイド溝レールと係合し乍ら進退移動作用のみを行なう移動駒を螺合締結する一方、
【0015】
その移動駒の受け止め用移動ストッパーを、上記カバーケースにおけるノーズ口筒の対応位置へ打ち込み固定して、
【0016】
上記回動ネジ杆を移動スリーブの外側から回動操作することにより、その移動スリーブとこれに軸受けされた工具スピンドルの移動ストロークを、目的とするワークの加工深さに応じて調整セットできるように定めたことを特徴とし、
【0017】
又、第2にマシニングセンターの駆動スピンドルにより回転される工具ホルダー本体の先端部を、径小なベベルギヤ受け入れ口筒として造形し、その内部へ原動ベベルギヤを一体回転し得るように嵌め付け、
【0018】
そのホルダー本体のベベルギヤ受け入れ口筒を、上記マシニングセンターへ位置決め固定されるカバーケースの基端部をなす径大なカバー口筒によって包囲状態に軸受けし、
【0019】
そのカバーケースの先端部を上記ホルダー本体の回転中心線と直交する方向に沿って延在する移動スリーブ受け入れ口筒として、上記カバー口筒との全体的な断面ほぼ倒立T字型に張り出し形成し、
【0020】
上記ホルダー本体から回転動力を受ける工具スピンドルと、その工具スピンドルの先端部を軸受けした移動スリーブとを、上記移動スリーブ受け入れ口筒の内部へ差し込み遊嵌させ、
【0021】
上記工具スピンドルの基端部を径小なスプライン軸として、これとスプライン嵌合されたスプラインハブを、上記移動スリーブ受け入れ口筒の張り出し基端部へ回転自在に軸受けすると共に、
【0022】
そのスプラインハブに嵌め付け一体化された従動ベベルギヤを、上記原動ベベルギヤと常時噛合する伝動状態に保ち、
【0023】
上記ホルダー本体の回転中心線と直交するに沿って延在するラックギヤを、上記移動ス リーブの円周面に刻設する一方、
【0024】
そのラックギヤと常時噛合するピニオンギヤが対応形成されたピニオンギヤ軸を、上記カバーケースの移動スリーブ受け入れ口筒に付属するギヤケースへ内蔵設置し、
【0025】
そのピニオンギヤ軸をギヤケースの外側から手動操作ハンドルにより回動操作して、上記移動スリーブとこれに軸受けされた工具スピンドルとを、上記カバーケースの移動スリーブ受け入れ口筒から先端方向へ進出移動させることができるマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダーであって、
【0026】
上記移動スリーブの円周面におけるラックギヤと約180度対峙する反対位置へ、そのラックギヤと平行に延在する移動ガイド溝レールを切り欠くと共に、
【0027】
その移動ガイド溝レールの内部に沿って配列設置した回動ネジ杆へ、これを回動操作した時上記移動ガイド溝レールと係合し乍ら進退移動作用のみを行なう移動駒を螺合締結する一方、
【0028】
その移動駒の受け止め用移動ストッパーを、上記カバーケースにおける移動スリーブ受け入れ口筒の対応位置へ打ち込み固定して、
【0029】
上記回動ネジ杆を移動スリーブの外側から回動操作することにより、その移動スリーブとこれに軸受けされた工具スピンドルの移動ストロークを、目的とするワークの加工深さに応じて調整セットできるように定めたことを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、先ず図1〜24は本発明の第1実施形態に係るマシニングセンター用の竪型工具ホルダーとその使用例を示しており、(A)はマシニングセンター(M)の工具マガジン(図示省略)へ収容され、何時でも呼び出し交換可能な工具ホルダー本体であって、その先端部が後述する移動スリーブの受け入れ口筒(1)として造形されている一方、同じく基端部がテーパーシャンク(BTシャンク)(2)として円錐型に造形されている。
【0031】
(3)はその移動スリーブ受け入れ口筒(1)とテーパーシャンク(2)との境界部から連続的に張り出す径大な中間フランジであり、その円周面には図6や図16から明白な1条の凹周溝(4)と、向かい合う一対のキー溝(5)とが切り欠かれている。その凹周溝(4)はマシニングセンター(M)側の自動工具交換アーム(6)によって抱持されると共に、その自動工具交換アーム(6)の係止爪(図示省略)が上記キー溝(5)へ係止されることになる。
【0032】
(7)は上記ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)に沿って貫通する工具スピンドル受け入れセンター孔であるが、その上記中間フランジ(3)と対応位置する長さ部分は図6のようにスプラインハブ受け入れ孔(8)として、その口径が残る基端側の工具スピンドル受け入れセンター孔(7)よりも大きく、且つ先端部の移動スリーブ受け入れ口筒(1)よりも小さく段付き形態に切り欠かれている。
【0033】
(9)は同じくホルダー本体(A)の工具スピンドル受け入れセンター孔(7)へ、その基端側から螺入締結されたプルスタッドであり、上記テーパーシャンク(2)をマシニングセンター(M)側の駆動スピンドル(10)へ抜き差し自在に差し込み嵌合した時、図外の引き込みピンとコレットを介して、マシニングセンター(M)側へ引き込まれ、その駆動スピンドル(10)によりホルダー本体(A)が一体回転されることとなる。
【0034】
上記ホルダー本体(A)における中間フランジ(3)と移動スリーブ受け入れ口筒(1)との境界円周面は階段形態を呈しており、その最上段面には1個の爪板受け入れ切欠(11)を備えた廻り止めリング(12)が、複数の止めネジ(13)によって取り付け一体化されている。
【0035】
その廻り止めリング(12)の爪板受け入れ切欠(11)は、工具交換時に位置決めピンユニット(B)側の後述する爪板と係止して、ホルダー本体(A)が回転することを防ぐ。そのホルダー本体(A)の回転を防止した状態のもとで、位置決めピンユニット(B)側の後述する位置決めピンをマシニングセンター(M)側の位置決めブロック(14)へ差し込み嵌合させるようになっている。
【0036】
又、(C)は上記ホルダー本体(A)を回転自在に軸受けするカバーケースであって、そのホルダー本体(A)の移動スリーブ受け入れ口筒(1)を包囲する径大なカバー口筒(15)と、これから先端方向へ一定長さ(L1)だけ連続的に延長することにより、上記移動スリーブ受け入れ口筒(1)との対応的に連通開口する径小なノーズ口筒(16)とを備えている。そのノーズ口筒(16)の口径は上記移動スリーブ受け入れ口筒(1)の口径よりも若干小さく、後述の移動スリーブの基端部を形作る差し込み口筒の外径とほぼ等しい寸法である。
【0037】
そのカバーケース(C)の基端部をなす径大なカバー口筒(15)と、上記ホルダー本体(A)の先端部をなす移動スリーブ受け入れ口筒(1)との嵌合面には、一対のラジアルベアリング(17a)(17b)が介挿されている。(18)はその両ラジアルベアリング(17a)(17b)のディスタンスカラー、(19)は上記カバー口筒(15)の基端部に螺入締結された複数の止めネジであり、その基端側ラジアルベアリング(17a)のアウターレースへ係止して、カバーケース(C)自身をホルダー本体(A)からの脱落不能に保っている。
【0038】
上記カバーケース(C)における径大なカバー口筒(15)の円周面には、断面倒立T字型又は蟻溝型をなすナット受け入れ凹周溝(20)の複数条(図例では合計2条)が平行に列設されている。しかも、その各ナット受け入れ凹周溝(20)の一部はナット挿入口(21)として、広幅な断面U字型に切り欠かれている。
【0039】
(22)はその各ナット挿入口(21)からナット受け入れ凹周溝(20)の内部へ、図7、8のような脱落不能に挿入された複数(図例では2個)づつの角型埋め込みナットであり、その受け入れ凹周溝(20)へ空廻りすることなく係合し乍ら、これに沿って滑動し得る。
【0040】
そして、先に一言した位置決めピンユニット(B)の取付フランジ(23)が、そのカバー口筒(15)の円周面に密着された上、埋め込みナット(22)へ外側から螺入締結される固定ボルト(24)の複数によって、上記カバーケース(C)の径大なカバー口筒(15)へ取り付け一体化されている。(25)は各ナット挿入口(21)に圧入された盲栓、(26)は複数の上記ナット受け入れ凹周溝(20)を全体的に施蓋する弾性材の防塵バンドである。
【0041】
つまり、上記カバー口筒(15)の円周面に切り欠かれたナット受け入れ凹周溝(20)を言わば回動ガイドレールとして、これに沿い滑動する埋め込みナット(22)により、カバーケース(C)自身とこれに取り付けられた位置決めピンユニット(B)とを相対的に回動操作することができ、更には後述する手動操作ハンドルの派出方向性を、その360度の自由自在に位置決め選定して、図7の実線と鎖線から対比されるように、左勝手 と右勝手との何れでも便利良く使えるようになっているのである。その位置決め選定した状態は、上記埋め込みナット(22)に対して一旦緩めた固定ボルト(24)を、再度締め上げることによって固定維持することができる。
【0042】
尚、上記ナット挿入口(21)が切り欠かれたナット受け入れ凹周溝(20)を、比較的広幅に開口する1条とし、その内部へ挿入した2個一対の埋め込みナット(22)と、これに螺合締結する固定ボルト(24)を介して、上記位置決めピンユニット(B)をカバー口筒(15)の円周面へ取り付けてもさしつかえない。
【0043】
(27)は上記位置決めピンユニット(B)に植え込まれた位置決めピン、(28)はこれを常時マシニングセンター(M)側の位置決めブロック(14)に向かって押し出し付勢する圧縮コイルバネ、(29)はその位置決めピン(27)の露出した中途ネジ軸部に螺合締結された爪板であり、工具交換時には圧縮コイルバネ(28)の押し出し力を受けて、ホルダー本体(A)側に付属している上記廻り止めリング(12)の爪板受け入れ切欠(11)へ、図6の鎖線に示す如く係止すると共に、位置決めピン(27)がマシニングセンター(M)側の位置決めブロック(14)へ差し込み嵌合された使用時、その爪板(29)は上記廻り止めリング(12)の爪板受け入れ切欠(11)から離脱するため、位置決め固定状態のカバーケース(C)に対してホルダー本体(A)が回転作用し得ることになる。尚、(30)は上記爪板(29)の押えナットであり、やはり位置決めピン(27)の中途ネジ軸部へ螺合締結され、且つ1本の止めネジ(31)によって固定されている。
【0044】
他方、上記カバーケース(C)の先端部をなす径小なノーズ口筒(16)の円周面には、そのノーズ口筒(16)の内周面から張り出す移動ストッパー(32)が打ち込み固定されている。その移動ストッパー(32)の内向きに張り出す先端部は図22のようなU字型又は二叉フォーク型として、後述の移動スリーブに付属している回動ネジ杆を支障なく挟み、その回動ネジ杆に螺合締結された移動駒を安定良く受け止めることができるようになっている。
【0045】
又、同じくノーズ口筒(16)の円周面における上記移動ストッパー(32)と約180度対峙する反対位置からは、上記ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)と直交する方向に沿って延在するギヤケース(33)が、図4、5、9に示すような一定長さの段付き円筒型として連続的に張り出されており、そのギヤケース(33)の内部に複数のラジアルベアリング(34a)(34b)を介して、ピニオンギヤ軸(35)が回動自在に軸受けされている。
【0046】
その段付き円筒型をなすギヤケース(33)の径小な口筒部(33a)は図6、9のように、上記カバーケース(C)におけるノーズ口筒(16)の内部と連通する状態にあり、ピニオンギヤ軸(35)の基端部に刻設されたピニオンギヤ(36)が、そのギヤケース(33)からノーズ口筒(16)への部分的に張り出して、後述の移動スリーブに刻設されたラックギヤと噛合するようになっている。(37)は上記ギヤケース(33)の径小な口筒部(33a)を施蓋する円形のカバープレート、(38)はその複数の固定ビスである。
【0047】
(39)は上記ギヤケース(33)における径小な口筒部(33a)と径大な口筒部(33b)との境界段差面へ、止め輪(40)を介して嵌め付け固定されたベアリング押えプレート、(41)は同じくギヤケース(33)の径大な口筒部(33b)に収容された回動リターンバネであって、その切り離し一端部がピニオンギヤ軸(35)の中途部に差し込み固定されている一方、残る切り離し他端部はギヤケース(33)における径大な口筒部(33b)の開口エッジに係止されており、これによってピニオンギヤ軸(35)を 常時戻り回動方向へ引っ張り付勢している。
【0048】
その場合、図例では上記ピニオンギヤ軸(35)の回動リターンバネ(41)を1本のバネ線材から円筒コイル形態に捲き曲げているが、そのバネ線材から円錐コイル形態に捲き曲げても良い。更には、図10の変形例に示すような1個のバネ板材からゼンマイ形態に捲き曲げて、その内側となる切り離し一端部をピニオンギヤ軸(35)の中途部へ、残る外側となる切り離し他端部をギヤケース(33)の径大な口筒部(33b)へ各々取り付け固定しても良く、そうすれば上記リターンバネ(41)が収容される径大な口筒部(33b)を短かく扁平化でき、マシニングセンター(M)の工具マガジンへ収容させやすくなる利点がある。
【0049】
(42)は上記リターンバネ(41)の不正な広がりを防止するバネ受けプレートであり、ピニオンギヤ軸(35)の中途部へ止め輪(43)を介して嵌め付けられている。(44)は上記ギヤケース(33)の径大な口筒部(33b)を施蓋する比較的厚肉な円盤型の回動カバーであり、そのボス部においてピニオンギヤ軸(35)の先端部付近へ差し込み套嵌されている。
【0050】
又、(45)は同じくピニオンギヤ軸(35)の先端部へ差し込み套嵌されたハブフランジであり、その回動カバー(44)のフラットな盤面と対面する張り出し部分には、回動カバー(44)を押え付ける1本の加工始点位置決め用セットボルト(46)が、進退自在に螺合締結されている。
【0051】
(47)は後述の工具によるワーク加工深さの表示目盛であり、例えば図2のような零から85 mm までの小刻みな数値として、上記回動カバー(44)の外周面に見やすく彫刻されている。(48)はその表示目盛(47)との位置合わせガイド指針であり、好ましくは図例のような矢印マークとして、上記ギヤケース(33)における径大な口筒部(33b)の外周面に刻印されているが、これらの表示目盛(47)やガイド指針(48)が施された別個なシートを、その回動カバー(44)やギヤケース(33)に貼り付けてもさしつかえない。
【0052】
更に、(49)は上記ピニオンギヤ軸(35)の先端部に切り欠かれた角型の凹溝(50)へ一体回動し得るように、且つ抜き差し自在に差し込み嵌合されたハンドル取付台、(51)はその取付台(49)へ螺合締結された一定長さの手動操作ハンドルであり、これを作業者が片手で把持しつつ、上記ピニオンギヤ軸(35)を回動操作するようになっている。(52)は上記ハブフランジ(45)からハンドル取付台(49)の角型差し込み脚部(53)に向かって螺入締結された止めネジであり、そのハブフランジ(45)を抜け止め状態に保っている。上記手動操作ハンドル(51)はそのハンドル取付台(49)を含む全体として、ピニオンギヤ軸(35)の凹溝(50)から引き抜くことができ、その引き抜いた状態の工具ホルダーをマシニングセンター(M)の工具マガジンへ、容易に収容させることが好ましい。
【0053】
つまり、上記加工始点位置決め用のセットボルト(46)を螺退操作した場合には、回動カバー(44)がフリーな状態として、ピニオンギヤ軸(35)に対して空廻りするようになっており、そのため回動カバー(44)を作業者が片手で自由自在に廻して、上記表示目盛(47)における零の数値をガイド指針(48)と位置合わせする如く、ワークの大きさ変化や使用工具の長さ変化などに応じた加工始点の位置決め選定を便利良く行なうことができるのであり、臨機応変性に著しく優れる。
【0054】
そして、その加工始点の位置合わせを行なった状態のもとで、同じくセットボルト(46)を螺進操作することにより、上記回動カバー(44)を押え付ければ、その回動カバ ー(44)がピニオンギヤ軸(35)と一体的に回動するようになっている。そのため、そのピニオンギヤ軸(35)を手動操作ハンドル(51)によって回動させれば、上記加工始点から加工終点までの加工深さが変ることになり、その使用工具によるワークの加工深さをガイド指針(48)と小刻みに位置合わせされる表示目盛(47)の数値から、正確に読み取ることができる。
【0055】
又、上記手動操作ハンドル(51)によってピニオンギヤ軸(35)を回動操作すると、そのリターンバネ(41)が強制的に捲き上げられることになり、その操作手を離せば、リターンバネ(41)の捲き戻り力によって、上記ピニオンギヤ軸(35)が自づと回動復帰するのである。
【0056】
尚、図例では上記ギヤケース(33)をカバーケース(C)との一体品として、そのカバーケース(C)のノーズ口筒(16)から連続的に張り出しているが、図11の変形例から示唆されるように、ギヤケース(33)をカバーケース(C)と別個独立に作成の上、その径小な口筒部(33a)をノーズ口筒(16)へ複数の固定ボルト(54)によって組み付け一体化してもさしつかえない。
【0057】
(D)は上記ホルダー本体(A)の工具スピンドル受け入れセンター孔(7)へ差し込まれた工具スピンドルであり、図6や図12〜15に示す如く、上記カバーケース(C)の先端面から常時一定長さ(L2)だけ張り出す全体長さ(L3)を備え、その先端部に装着使用される工具を回転作用する。
【0058】
しかも、ホルダー本体(A)の工具スピンドル受け入れセンター孔(7)とスプラインハブ受け入れ孔(8)に亘って埋没する工具スピンドル(D)の基端部は、その工具スピンドル受け入れセンター孔(7)の口径よりも若干径小なスプライン軸(55)として刻設されており、上記スプラインハブ受け入れ孔(8)へ差し込み遊嵌されたスプラインハブ(56)と一体回転し得る噛合状態にある。
【0059】
そして、同じく工具スピンドル(D)における上記ホルダー本体(A)の移動スリーブ受け入れ口筒(1)と対応位置する中間部は、図15から明白なように、そのスプライン軸(55)とほぼ等しい寸法の径小な中間ストレート軸(57)として造形されており、引き続き上記移動スリーブ受け入れ口筒(1)からカバーケース(C)を越えて張り出す先端部は、更に径大な先端ストレート軸(58)として段付き形態をなしている。
【0060】
上記スプラインハブ受け入れ孔(8)へ差し込み遊嵌されたスプラインハブ(56)は、ホルダー本体(A)の中間フランジ(3)と対応する位置関係にあり、その円周面にはボール(59)を受け入れる比較的浅い凹周溝(60)と、その凹周溝(60)から更に深く陥没する複数(図例では合計6個)のV溝(61)とが切り欠かれている。そのボール受け入れ用のV溝(61)は図16のように、全体的な放射対称型に分布している。
【0061】
(62)は上記中間フランジ(3)の円周面に切り欠かれたキー溝(5)の何れか一方から、スプラインハブ(56)のボール受け入れ凹周溝(60)に向かって、そのホルダー本体(A)に穿設されたボール埋め込み孔であり、その内部に1個のボール(59)が封入されている。
【0062】
茲に、ボール(59)はその受け入れ用の上記凹周溝(60)とV溝(61)へ、常時係合し得るように押圧されて、そのスプラインハブ(56)とホルダー本体(A)との伝動状態に介在し、更にはスプラインハブ(56)と上記スプライン軸(55)との噛合により、工具スピンドル(D)を回転させることになる。
【0063】
(63)はボール押えであって、好ましくは断面コ字型をなし、その先端部の凹曲面により上記ボール(59)を押え付ける。(64)はそのボール押え(63)と向かい合う断面コ字型として、上記ホルダー本体(A)のボール埋め込み孔(62)へ進退自在に螺入締結された回転トルク調整キャップであり、これと上記ボール押え(63)との相互間には、圧縮コイルバネや望ましくはゴムなどの弾性パッド(65)が介挿されている。
【0064】
つまり、上記回転トルク調整キャップ(64)へ外側から図16のように、六角棒レンチなどの適当な回動操作用具(66)を差し込み係止させて、その調整キャップ(64)を進退操作することにより、上記ボール(59)の押圧力を強弱に調整し、工具スピンドル(D)の回転トルクを適度に保つことができるようになっているのである。
【0065】
例えばワークの加工条件に応じて、その工具スピンドル(D)の回転トルクを弱く調整すれば、上記ボール(59)が弾性パッド(65)の滑らかに圧縮される押し付け力を受けて、その受け入れ用の凹周溝(60)とV溝(61)とを乗り降りする如くコッキング作用(空滑り運動)して、過負荷による工具の折損事故や加工ミスなどを予防できる結果となり、言わばトルクリミッターとして機能するのである。
【0066】
但し、マシニングセンター(M)側の駆動スピンドル(10)からホルダー本体(A)を経て、その中心の工具スピンドル(D)へ回転動力を伝達できる限りでは、上記回転トルク調整機構の設置を省略して、図18の変形例に示すような回転トルク調整キャップ(64)に代る止めネジ(67)を、上記スプラインハブ(56)の円周面に対応形成した止めネジ受け入れ切欠(68)へ、ホルダー本体(A)の外側から差し込み係止させて、そのホルダー本体(A)とスプラインハブ(56)とを一体回転するように定めても良い。
【0067】
又、上記スプラインハブ(56)をホルダー本体(A)に対して、図外のスプラインやキーを介して伝動状態に嵌合させたり、更にはそのスプラインハブ(56)を省略して、上記工具スピンドル(D)を直かにホルダー本体(A)へスプライン嵌合させたりしてもさしつかえない。
【0068】
(E)は上記工具スピンドル(D)における径小な中間ストレート軸(57)と径大な先端ストレート軸(58)とを包囲する全体長さ(L4)として、予じめ図12〜15のように差し込み套嵌された移動スリーブであり、その嵌合面に介挿された複数(図例では合計3個)のラジアルベアリング(69a)(69b)(69c)によって、工具スピンドル(D)を回転自在に軸受けしている。(70)はその基端側ラジアルベアリング(69a)の抜け止めナットであり、上記中間ストレート軸(57)のネジ軸部に螺合締結されている。
【0069】
又、移動スリーブ(E)の基端部はホルダー本体(A)における移動スリーブ受け入れ口筒(1)や上記ノーズ口筒(16)の口径とほぼ等しい寸法の径小な差し込み口筒(71)として、カバーケース(C)のノーズ口筒(16)から上記移動スリーブ受け入れ口筒(1)の内部へ差し込み遊嵌されており、そのカバーケース(C)のノーズ口筒(16)から一定長さ(L2)だけ張り出す先端部が、ノーズ口筒(16)の外径とほぼ等しい寸法の径大な口金フランジ(72)として連続的に張り出し形成されている。
【0070】
(73)はその口金フランジ(72)と上記ノーズ口筒(16)とのメタルタッチを防ぐクッション座であり、ゴム板などから成るものとして、口金フランジ(72)に貼り付け一体化されている。そのため、上記回動リターンバネ(41)の戻り回動付勢力を受けた工具スピンドル(D)と移動スリーブ(E)が退動復帰するも、そのカバーケース(C)へ高勢力に衝当せず、そのショックが吸収されることになる。(74)は同じく口金フ ランジ(72)の先端面へ複数の固定ビス(75)を介して取り付けられた防塵カバーである。
【0071】
(76)は上記移動スリーブ(E)の基端部をなす差し込み口筒(71)の円周面へ、ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)と平行な延在状態に刻設されたラックギヤであり、上記カバーケース(C)側に付属しているピニオンギヤ軸(35)上のピニオンギヤ(36)と常時噛合している。
【0072】
そのため、上記手動操作ハンドル(51)によってピニオンギヤ軸(35)を回動操作すれば、そのピニオンギヤ軸(35)上のピニオンギヤ(36)とラックギヤ(76)との噛合作用を介して、移動スリーブ(E)とこれにより軸受けされている工具スピンドル(D)とが、ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)に沿って進退移動することになる。図20、21はそのカバーケース(C)から先端方向へ進出した移動状態を示している。
【0073】
(77)は同じく差し込み口筒(71)の円周面における上記ラックギヤ(76)と約180度対峙する反対位置へ、そのラックギヤ(76)と平行な延在状態に切り欠かれた断面コ字型の移動ガイド溝レールであり、先に一言した回動ネジ杆(78)がその移動ガイド溝レール(77)の内部に沿って配列設置されている。
【0074】
しかも、上記回動ネジ杆(78)には角型のナットから成る移動駒(79)の1個が螺合締結されており、その移動駒(79)は上記移動ガイド溝レール(77)と係合する状態にある。そのため、回動ネジ杆(78)を作業者の片手によって回動操作すると、その移動駒(79)は移動ガイド溝レール(77)に沿う進退移動作用のみを行なうことになる。
【0075】
上記回動ネジ杆(78)の基端部は受け止め片(80)によって、移動スリーブ(E)の差し込み口筒(71)に保持されている一方、同じく回動ネジ杆(78)の先端部は移動スリーブ(E)の上記口金フランジ(72)へ差し込まれた状態にある。(81)はその口金フランジ(72)に埋設された軸受メタルであり、上記回動ネジ杆(78)の先端部を支持している。
【0076】
更に、(82)はその回動ネジ杆(78)の先端部付近に嵌め付け一体化された径小な従動平ギヤ、(83)はこれと噛合する径大な操作平ギヤであって、その一対が上記移動スリーブ(E)の口金フランジ(72)に切り欠かれたギヤ収容溝(84)の内部へ、並列状態に収容されている。
【0077】
その操作平ギヤ(83)を移動スリーブ(E)の外側から片手の指先で回動操作すれば、上記従動平ギヤ(82)を介して回動ネジ杆(78)が速く一体回動され、その回動ネジ杆(78)上の移動駒(79)が移動ガイド溝レール(77)に沿って進退移動し、先に一言したカバーケース(C)側の移動ストッパー(32)によって受け止められるようになっているのである。
【0078】
つまり、上記ワークの加工始点位置決め用セットボルト(46)によって押え付けられた状態の回動カバー(44)を、手動操作ハンドル(51)の片手操作によりピニオンギヤ軸(35)と一体に回動させて、その表示目盛(47)とガイド指針(48)から目的とするワークの加工深さを読み取る一方、残る片手により操作平ギヤ(83)と延いては回動ネジ杆(78)を回動させて、その移動ガイド溝レール(77)に沿い進退移動する移動駒(79)を、上記加工深さと対応する位置決め停止状態にセットするのである。
【0079】
このように準備すれば、図19と図20との対比から明白なように、上記手動操作ハンドル(51)を人為的に回動操作した使用時、そのピニオンギヤ軸(35)上のピニオンギヤ(36)と噛合しているラックギヤ(76)を介して、上記移動スリーブ(E)とこれにより軸受けされている工具スピンドル(D)とが、カバーケース(C)から先端方向へ進出移動しつつも、その移動駒(79)がカバーケース(C)側の移動ストッパー(32)によって自づと受け止められるため、予じめセットされたワークの加工深さ(加工終点)を正しく確保できることになり、使用上の利便性と加工精度の向上にも役立つ。
【0080】
その場合、ピニオンギヤ軸(35)には上記回動リターンバネ(41)の戻り回動付勢力が与えられているため、手動操作ハンドル(51)から操作手を離せば、上記移動スリーブ(E)とこれにより軸受けされている工具スピンドル(D)とが、自づと退動して当初の位置へ復帰することは言うまでもない。その意味から先に例示した加工深さ数値の85 mm は、移動スリーブ(E)と工具スピンドル(D)の移動ストローク(S)に対応する。
【0081】
(85)は上記工具スピンドル(D)の径大な先端ストレート軸(58)へ、抜き差し自在に差し込み嵌合されたモールステーパーシャンクであり、言うまでもなく工具スピンドル(D)と一体に回転作用する。(86)はそのモールステーパーシャンク(85)の先端部をなすジャコブステーパー凸子(87)へ、図23のようにやはり抜き差し自在として差し込み一体化されたチャックアダプターであり、ここへ工具(88)が交換自在に差し込み使用されることとなる。(89)は上記工具スピンドル(D)の先端ストレート軸(58)に開口形成された長孔であり、ここへ外側から打ち込む図外の楔によって、そのモールステーパーシャンク(85)を引き抜くことができる。
【0082】
図例の場合、上記工具(88)として穴明け加工用のドリルを示しているが、リーマ加工用のリーマやネジ立て加工用のタッパーなどが差し込み使用されることもある。又、チャックアダプター(86)の代りに図外の増速機構を備えたドリルスピンドルや、逆転機構を内蔵したタッパーなどが、上記モールステーパーシャンク(85)のジャコブステーパー凸子(87)へ互換的に差し込み使用されることもある。尚、そのモールステーパーシャンク(85)を、上記工具スピンドル(D)と一体に作成してもさしつかえない。
【0083】
次に、図25、26は本発明の第2実施形態に係るマシニングセンター用の横型工具ホルダーとその使用例を示しており、これが図1〜24の上記第1実施形態と異なる構成についてのみ要説すると、下記の通りである。
【0084】
即ち、第1実施形態の場合一定長さ(L3)の工具スピンドル(D)がホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)に沿って延在しているに比し、第2実施形態ではその工具スピンドル(D)の回転中心線(X−X)がホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)とほぼ直交する関係状態に延在している。
【0085】
そのため、ホルダー本体(A)には上記第1実施形態の工具スピンドル受け入れセンター孔(7)とスプラインハブ受け入れ孔(8)とが開口形成されておらず、その第1実施形態の移動スリーブ受け入れ口筒(1)に相当するホルダー本体(A)の先端部が、これに代るベベルギヤ受け入れ口筒(90)として機能するようになっており、その内部へ先端側から原動ベベルギヤ(91)が嵌め付けられている。(92)はその原動ベベルギヤ(91)のボス部を固定する複数の止めネジである。
【0086】
又、上記第1実施形態と同じく位置決めピンユニット(B)の位置決めピン(27)により、マシニングセンター(M)側への位置決め固定状態として使用されるカバーケース(C)は、上記ホルダー本体(A)のベベルギヤ受け入れ口筒(90)を包囲する基端部 のカバー口筒(15)と、そのカバー口筒(15)とほぼ直交する先端部の移動スリーブ受け入れ口筒(93)とから全体的な断面ほぼ倒立T字型に造形されており、その内部の連通状態にある。
【0087】
しかも、上記カバーケース(C)における移動スリーブ受け入れ口筒(93)の張り出し基端部には、一対のラジアルベアリング(94a)(94b)を介してスプラインハブ(56)が回転自在に軸受けされており、そのスプラインハブ(56)の先端部にキー(95)を介して差し込み套嵌された従動ベベルギヤ(96)が、上記ホルダー本体(A)側の原動ベベルギヤ(91)と噛合している。
【0088】
(97)は上記スプラインハブ(56)の先端部に螺合締結された固定ナットであり、従動ベベルギヤ(96)を抜け止め状態に保っている。(98)は同じくスプラインハブ(56)の基端部に螺合締結された固定ナットであり、基端側ラジアルベアリング(94a)を抜け止めしている。(99)は上記カバーケース(C)における移動スリーブ受け入れ口筒(93)の張り出し基端部へ、複数の固定ボルト(100)によって取り付けられた截頭円錐型のエンドキャップである。
【0089】
そして、上記第1実施形態の場合工具スピンドル(D)を回転自在に軸受けしている移動スリーブ(E)の径小な差し込み口筒(71)は、カバーケース(C)の先端部をなすノーズ口筒(16)から、ホルダー本体(A)における移動スリーブ受け入れ口筒(1)の内部へ差し込み遊嵌されており、そのホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)に沿って進退移動するようになっているに比し、第2実施形態では同じく工具スピンドル(D)を軸受けしている移動スリーブ(E)の差し込み口筒(71)が、上記カバーケース(C)の先端部をなす移動スリーブ受け入れ口筒(93)の内部へ、やはり差し込み遊嵌された状態にあり、ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)と直交する方向(X−X)に沿って進退移動するようになっている。
【0090】
従って、第2実施形態の工具スピンドル(D)は上記カバーケース(C)の移動スリーブ受け入れ口筒(93)を貫通する全体長さ(L3)として延在し、その基端部のスプライン軸(55)が上記スプラインハブ(56)と一体回転し得る噛合状態にある。そのスプラインハブ(56)に係合するボール(59)やボール押え(63)、弾性パッド(65)、回転トルク調整キャップ(64)などから成る工具スピンドル(D)の回転トルク調整機構も、カバーケース(C)を形作る移動スリーブ受け入れ口筒(93)の張り出し基端部に対応設置されている。
【0091】
但し、第2実施形態ではスプラインハブ(56)上の従動ベベルギヤ(96)と、ホルダー本体(A)側の伝動ベベルギヤ(91)とが常時噛合した伝動状態にあるため、上記ボール(59)は第1実施形態のそれと異なって、言わば制動作用を果すことになる。
【0092】
尚、第2実施形態におけるその他の構成は上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図25、26に図1〜24との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。図10、11に示した変形例の構成を、第2実施形態についても採用できることは勿論である。
【0093】
上記第1、2実施形態の何れにあっても、そのホルダー本体(A)はマシニングセンター(M)の工具マガジン(図示省略)へ収容されて、何時でも呼び出し交換可能であり、その使用時には上記ホルダー本体(A)と工具スピンドル(D)とが、マシニングセンター(M)側の駆動スピンドル(10)によって一体に回転駆動されることとなる。
【0094】
そこで、上記第1実施形態の使用例を示す図24と、第2実施形態の使用例を示す図2 6とから明白なように、マシニングセンター(M)の定盤(図示省略)上へ位置決め固定されたワーク(W)を加工作業するに当っては、上記工具スピンドル(D)のチャックアダプター(86)へ穴明け加工用ドリルやネジ立て加工用タッパーなどの必要な工具(88)を差し込み一体化させて、上記ピニオンギヤ軸(35)をギヤケース(33)の外側から手動操作ハンドル(51)により回動操作すれば良い。
【0095】
そうすれば、そのピニオンギヤ軸(35)上のピニオンギヤ(36)と、移動スリーブ(E)上のラックギヤ(76)との噛合作用を介して、その移動スリーブ(E)とこれにより回転自在に軸受けされている工具スピンドル(D)とが、ワーク(W)に向かって進出移動することになるため、その工具(88)によるワーク(W)の必要な加工を誰でも支障なく行なうことができ、又上記回動操作手を離せば、同じく工具スピンドル(D)と移動スリーブ(E)が自づと退動復帰するため、著しく便利である。
【0096】
つまり、マシニングセンター(M)側の自動機械的な回動駆動力を活用しつつも、その工具(88)を小型ボール盤のような手動操作式に進退移動させるように構成されているため、作業者にとって工具(88)の切れ味やその工具(88)に作用する負荷、その他の加工条件を体感的に知得することができ、又工具(88)の移動速度や加工深さなどの各種数値をインプットして、その制御プログラムを準備する必要もない。
【0097】
その結果、折損事故や加工ミスを生じやすい細いドリルの使用による径小な穴明け加工、長いドリルの使用による深い穴明け加工、細いタッパーの使用による径小な穴のネジ立て加工などを、その僅少な個数だけ追加的に行なう必要がある場合や、作業者にとって未知の材料、難削材料、ミスが許されない貴重な材料などを加工するような場合に、顕著な効果があり、却って作業効率の向上にも役立つ。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明ではマシニングセンター(M)の駆動スピンドル(10)により回転される工具ホルダー本体(A)の先端部を、径小な移動スリーブ受け入れ口筒(1)として造形し、
【0099】
そのホルダー本体(A)の移動スリーブ受け入れ口筒(1)を、上記マシニングセンター(M)へ位置決め固定されるカバーケース(C)の基端部をなす径大なカバー口筒(15)によって包囲状態に軸受けすると共に、
【0100】
そのカバーケース(C)のカバー口筒(15)から上記移動スリーブ受け入れ口筒(1)とほぼ同じ口径の径小なノーズ口筒(16)を、先端方向へ一定長さ(L1)だけ連続的に延長させて、
【0101】
上記ホルダー本体(A)から回転動力を受ける工具スピンドル(D)と、その工具スピンドル(D)の先端部を軸受けした移動スリーブ(E)とを、上記ノーズ口筒(16)と移動スリーブ受け入れ口筒(1)との連通開口する内部へ差し込み遊嵌させ、
【0102】
上記ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)と平行に延在するラックギヤ(76)を、上記移動スリーブ受け入れ口筒(1)の円周面に刻設する一方、
【0103】
そのラックギヤ(76)と常時噛合するピニオンギヤ(36)が対応形成されたピニオンギヤ軸(35)を、上記カバーケース(C)のノーズ口筒(16)に付属するギヤケース(33)へ内蔵設置し、
【0104】
そのピニオンギヤ軸(35)をギヤケース(33)の外側から手動操作ハンドル(51 )により回動操作して、上記移動スリーブ(E)とこれに軸受けされた工具スピンドル(D)とを、上記カバーケース(C)のノーズ口筒(16)から先端方向へ進出移動させることができるマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダーであって、
【0105】
上記移動スリーブ(E)の円周面におけるラックギヤ(76)と約180度対峙する反対位置へ、そのラックギヤ(76)と平行に延在する移動ガイド溝レール(77)を切り欠くと共に、
【0106】
その移動ガイド溝レール(77)の内部に沿って配列設置した回動ネジ杆(78)へ、これを回動操作した時上記移動ガイド溝レール(77)と係合し乍ら進退移動作用のみを行なう移動駒(79)を螺合締結する一方、
【0107】
その移動駒(79)の受け止め用移動ストッパー(32)を、上記カバーケース(C)におけるノーズ口筒(16)の対応位置へ打ち込み固定して、
【0108】
上記回動ネジ杆(78)を移動スリーブ(E)の外側から回動操作することにより、その移動スリーブ(E)とこれに軸受けされた工具スピンドル(D)の移動ストローク(S)を、目的とするワーク(W)の加工深さに応じて調整セットできるように定めてあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を悉く改良できる効果がある。
【0109】
即ち、本発明の上記構成によれば、マシニングセンター(M)の駆動スピンドル(10)からホルダー本体(A)を経て、自動機械的に回転駆動される工具スピンドル(D)と、その軸受け用の移動スリーブ(E)とを手動操作ハンドル(51)の回動操作により、あたかも小型ボール盤の如くホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)に沿って人為的に進退移動させることができるため、工具(88)の切れ味や工具(88)に加わる負荷、その他の加工条件を触感的に知得できることとも相俟って、工具(88)の折損事故や加工ミスなどを生じやすい細いドリルによる径小な穴明け加工、長いドリルによる深い穴明け加工、細いタッパーによる径小な穴のネジ立て加工などを、その僅少な個数だけ追加的に行なう必要がある場合や、作業者にとって未知の材料、難削材料、ミスが許されない高価な材料などを加工するような場合に、極めて有効であり、各種加工条件の数値をインプットして、その制御プログラムを準備する必要がないことから、作業能率の向上にも役立つ。
【0110】
そして、このような効果は請求項4に記載した横型工具ホルダーの構成からも、全く同様に達成することができ、やはりマシニングセンター(M)側の回転動力を活用し乍ら、図26のようなワーク(W)の垂直な加工面に対する上記追加的な穴明け加工やネジ立て加工などを、臨機応変の人為的に能率良く行なえるのである。
【0111】
しかも、請求項1と請求項4の構成では回動ネジ杆(78)の人為的な回動操作によって、工具スピンドル(D)とその軸受け用移動スリーブ(E)の移動ストローク(S)を、目的とするワーク(W)の加工深さに応じて調整することができるため、その加工ミスの予防と使用上の利便性に優れるほか、上記工具スピンドル(D)と移動スリーブ(E)を極めて円滑に安定良く進退移動させることもできる効果がある。
【0112】
請求項2の構成を採用するならば、工具スピンドル(D)と移動スリーブ(E)の退動復帰時に、その移動スリーブ(E)の口金フランジ(72)がカバーケース(C)のノーズ口筒(16)とメタルタッチせず、その衝当ショックが吸収されるほか、径大な操作平ギヤ(83)と径小な従動平ギヤ(82)との噛合により、回動ネジ杆(78)を速く回動操作できる効果もある。
【0113】
又、請求項3の構成を採用するならば、工具スピンドル(D)の回転トルクをホルダー本体(A)の外側から適度に調整セットすることにより、工具(88)の折損事故や加工ミスなどをますます完全に予防できる効果がある。
【0114】
特に、請求項5の構成を採用するならば、加工始点位置決め用セットボルト(46)の螺退操作により、フリー状態となった回動カバー(44)を人為的に空廻りさせて、その表示目盛(47)におけるワーク(W)の加工始点となる零の数値を、固定状態にあるギヤケース(33)のガイド指針(48)と位置合わせ選定するようになっているため、ワーク(W)の大きさや使用工具の長さによって、工具スピンドル(D)の先端部に装着使用された工具(88)からワーク(W)までの距離が区々に相違変化したとしても、これに追従してワーク(W)の加工始点を、常時零の数値に位置決めセットすることができ、従って又その加工始点から加工終点までの加工深さも、上記セットボルト(46)の螺進操作を受けてピニオンギヤ軸(35)と一体回動する回動カバー(44)の表示目盛(47)から、正確に読み取ることができる結果、加工作業上の臨機応変性や利便性に著しく優れる。
【0115】
請求項6の構成を採用するならば、手動操作ハンドル(51)から回動操作手を離した時、工具スピンドル(D)とその軸受け用移動スリーブ(E)が回動リターンバネ(41)の引っ張り付勢力により、自づと退動復帰するようになっているため、やはり使用上の利便性が昂まる。
【0116】
更に、請求項7の構成を採用するならば、マシニングセンター(M)へ位置決め固定された位置決めピンユニット(B)に対して、カバーケース(C)をその回動ガイドレールとなるナット受け入れ凹周溝(20)に沿い回動させることにより、そのカバーケース(C)側に付属している手動操作ハンドル(51)の派出方向性を変え得るため、作業者の右勝手や左勝手などとして、便利良く加工作業することができ、殊更請求項4に記載した横型工具ホルダーの場合には、その工具スピンドル(D)の方向性も360度の自由自在に選定できる効果がある。
【0117】
請求項8の構成を採用するならば、手動操作ハンドル(15)をそのハンドル取付台(49)も含む全体として、ピニオンギヤ軸(35)の凹溝(50)から引き抜くことができるため、その引き抜いた状態の工具ホルダーをマシニングセンター(M)の工具マガジンへ容易に収容させ得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る竪型工具ホルダーをマシニングセンターに装着した状態の断面図である。
【図2】図1の工具ホルダーを示す正面図である。
【図3】図2の右側面図である。
【図4】図2の背面図である。
【図5】図2の底面図である。
【図6】図2の6−6線に沿う拡大断面図である。
【図7】図6の7−7線に沿う拡大断面図である。
【図8】図7の8−8線に沿う拡大断面図である。
【図9】図6の9−9線に沿う拡大断面図である。
【図10】図9に対応する変形例を示す断面図である。
【図11】図9に対応する別な変形例を示す断面図である。
【図12】工具スピンドルとその軸受け用移動スリーブとの組付け状態を示す正面図である。
【図13】図12の右側面図である。
【図14】図12の背面図である。
【図15】図12の15−15線断面図である。
【図16】図6の16−16線に沿う拡大断面図である。
【図17】図16の作用状態を示す外観図である。
【図18】図16に対応する変形例を示す断面図である。
【図19】図1と対応する移動駒の移動準備状態を示す断面図である。
【図20】図19から進出移動した状態を示す断面図である。
【図21】図20の工具ホルダーを示す正面図である。
【図22】移動駒とその移動ストッパーとの関係状態を示す斜面図である。
【図23】工具のチャックアダプターを抽出して示す半欠截断面図である。
【図24】第1実施形態に係る竪型工具ホルダーの使用例を示す斜面図である。
【図25】本発明の第2実施形態に係る横型工具ホルダーをマシニングセンターに装着した状態の断面図である。
【図26】その横型工具ホルダーの使用例を示す斜面図である。
【符号の説明】
(2)・テーパーシャンク
(10)・駆動スピンドル
(14)・位置決めブロック
(15)・カバー口筒
(16)・ノーズ口筒
(20)・ナット受け入れ凹周溝
(21)・ナット挿入口
(22)・埋め込みナット
(23)・取付フランジ
(24)・固定ボルト
(32)・移動ストッパー
(33)・ギヤケース
(35)・ピニオンギヤ軸
(36)・ピニオンギヤ
(41)・回動リターンバネ
(44)・回動カバー
(45)・ハブフランジ
(46)・加工始点位置決め用セットボルト
(47)・表示目盛
(48)・位置合わせガイド指針
(51)・手動操作ハンドル
(55)・スプライン軸
(56)・スプラインハブ
(59)・ボール
(60)・ボール受け入れ凹周溝
(61)・ボール受け入れV溝
(62)・ボール埋め込み孔
(63)・ボール押え
(64)・回転トルク調整キャップ
(65)・弾性パッド
(71)・差し込み口筒
(72)・口金フランジ
(76)・ラックギヤ
(77)・移動ガイド溝レール
(78)・回動ネジ杆
(79)・移動駒
(82)・従動平ギヤ
(83)・操作平ギヤ
(85)・モールステーパーシャンク
(86)・チャックアダプター
(87)・ジャコブステーパー凸子
(88)・工具
(90)・ベベルギヤ受け入れ口筒
(91)・原動ベベルギヤ
(93)・移動スリーブ受け入れ口筒
(96)・従動ベベルギヤ
(A)・工具ホルダー本体
(B)・位置決めピンユニット
(C)・カバーケース
(D)・工具スピンドル
(E)・移動スリーブ
(M)・マシニングセンター
(S)・進退移動ストローク
(W)・ワーク
(Y−Y)・ホルダー本体の回転中心線
(X−X)・工具スピンドルの回転中心線

Claims (8)

  1. マシニングセンター(M)の駆動スピンドル(10)により回転される工具ホルダー本体(A)の先端部を、径小な移動スリーブ受け入れ口筒(1)として造形し、
    そのホルダー本体(A)の移動スリーブ受け入れ口筒(1)を、上記マシニングセンター(M)へ位置決め固定されるカバーケース(C)の基端部をなす径大なカバー口筒(15)によって包囲状態に軸受けすると共に、
    そのカバーケース(C)のカバー口筒(15)から上記移動スリーブ受け入れ口筒(1)とほぼ同じ口径の径小なノーズ口筒(16)を、先端方向へ一定長さ(L1)だけ連続的に延長させて、
    上記ホルダー本体(A)から回転動力を受ける工具スピンドル(D)と、その工具スピンドル(D)の先端部を軸受けした移動スリーブ(E)とを、上記ノーズ口筒(16)と移動スリーブ受け入れ口筒(1)との連通開口する内部へ差し込み遊嵌させ、
    上記ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)と平行に延在するラックギヤ(76)を、上記移動スリーブ受け入れ口筒(1)の円周面に刻設する一方、
    そのラックギヤ(76)と常時噛合するピニオンギヤ(36)が対応形成されたピニオンギヤ軸(35)を、上記カバーケース(C)のノーズ口筒(16)に付属するギヤケース(33)へ内蔵設置し、
    そのピニオンギヤ軸(35)をギヤケース(33)の外側から手動操作ハンドル(51)により回動操作して、上記移動スリーブ(E)とこれに軸受けされた工具スピンドル(D)とを、上記カバーケース(C)のノーズ口筒(16)から先端方向へ進出移動させることができるマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダーであって、
    上記移動スリーブ(E)の円周面におけるラックギヤ(76)と約180度対峙する反対位置へ、そのラックギヤ(76)と平行に延在する移動ガイド溝レール(77)を切り欠くと共に、
    その移動ガイド溝レール(77)の内部に沿って配列設置した回動ネジ杆(78)へ、これを回動操作した時上記移動ガイド溝レール(77)と係合し乍ら進退移動作用のみを行なう移動駒(79)を螺合締結する一方、
    その移動駒(79)の受け止め用移動ストッパー(32)を、上記カバーケース(C)におけるノーズ口筒(16)の対応位置へ打ち込み固定して、
    上記回動ネジ杆(78)を移動スリーブ(E)の外側から回動操作することにより、その移動スリーブ(E)とこれに軸受けされた工具スピンドル(D)の移動ストローク(S)を、目的とするワーク(W)の加工深さに応じて調整セットできるように定めたことを特徴とするマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー。
  2. 移動スリーブ(E)の基端部を、工具ホルダー本体(A)の移動スリーブ受け入れ口筒(1)とカバーケース(C)のノーズ口筒(16)とが連通開口する内部へ差し込み遊嵌される径小な差し込み口筒(71)として、
    その差し込み口筒(71)の円周面へラックギヤ(76)と移動駒(79)の移動ガイド溝レール(77)とを、各々ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)と平行な延在状態に列設する一方、
    同じく移動スリーブ(E)の先端部を、上記カバーケース(C)のノーズ口筒(16)から一定長さ(L2)だけ張り出す径大な口金フランジ(72)として、
    上記ノーズ口筒(16)とのメタルタッチを防ぐクッション座(73)を、その口金フランジ(72)へ貼り付けると共に、
    回動ネジ杆(78)の先端部付近に嵌め付け一体化された径小な従動平ギヤ(82)と、これに常時噛合した径大な操作平ギヤ(83)との一対を、上記口金フランジ(72)に切り欠かれたギヤー収容溝(84)の内部へ並列設置して、
    その操作平ギヤ(83)を移動スリーブ(E)の外側から指先で操作することにより、上記回動ネジ杆(78)を速く回動させるように定めたことを特徴とする請求項1記載のマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー。
  3. 工具スピンドル(D)の基端部を径小なスプライン軸(55)として、そのスプライン軸(55)にスプライン嵌合されたスプラインハブ(56)と、工具ホルダー本体(A)の対応的なスプラインハブ受け入れ孔(8)との嵌合面へ、1個の伝動用ボール(59)を介在させると共に、
    そのスプラインハブ(56)に対するボール(59)の押圧力を、上記ホルダー本体(A)の外側から強弱調整することにより、工具スピンドル(D)の回転トルクを適度に保つことができるように定めたことを特徴とする請求項1記載のマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー。
  4. マシニングセンター(M)の駆動スピンドル(10)により回転される工具ホルダー本体(A)の先端部を、径小なベベルギヤ受け入れ口筒(90)として造形し、その内部へ原動ベベルギヤ(91)を一体回転し得るように嵌め付け、
    そのホルダー本体(A)のベベルギヤ受け入れ口筒(90)を、上記マシニングセンター(M)へ位置決め固定されるカバーケース(C)の基端部をなす径大なカバー口筒(15)によって包囲状態に軸受けし、
    そのカバーケース(C)の先端部を上記ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)と直交する方向(X−X)に沿って延在する移動スリーブ受け入れ口筒(93)として、上記カバー口筒(15)との全体的な断面ほぼ倒立T字型に張り出し形成し、
    上記ホルダー本体(A)から回転動力を受ける工具スピンドル(D)と、その工具スピンドル(D)の先端部を軸受けした移動スリーブ(E)とを、上記移動スリーブ受け入れ口筒(93)の内部へ差し込み遊嵌させ、
    上記工具スピンドル(D)の基端部を径小なスプライン軸(55)として、これとスプライン嵌合されたスプラインハブ(56)を、上記移動スリーブ受け入れ口筒(93)の張り出し基端部へ回転自在に軸受けすると共に、
    そのスプラインハブ(56)に嵌め付け一体化された従動ベベルギヤ(96)を、上記原動ベベルギヤ(91)と常時噛合する伝動状態に保ち、
    上記ホルダー本体(A)の回転中心線(Y−Y)と直交する(X−X)に沿って延在するラックギヤ(76)を、上記移動スリーブ(E)の円周面に刻設する一方、
    そのラックギヤ(76)と常時噛合するピニオンギヤ(36)が対応形成されたピニオンギヤ軸(35)を、上記カバーケース(C)の移動スリーブ受け入れ口筒(93)に付属するギヤケース(33)へ内蔵設置し、
    そのピニオンギヤ軸(35)をギヤケース(33)の外側から手動操作ハンドル(51)により回動操作して、上記移動スリーブ(E)とこれに軸受けされた工具スピンドル(D)とを、上記カバーケース(C)の移動スリーブ受け入れ口筒(93)から先端方向へ進出移動させることができるマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダーであって、
    上記移動スリーブ(E)の円周面におけるラックギヤ(76)と約180度対峙する反対位置へ、そのラックギヤ(76)と平行に延在する移動ガイド溝レール(77)を切り欠くと共に、
    その移動ガイド溝レール(77)の内部に沿って配列設置した回動ネジ杆(78)へ、これを回動操作した時上記移動ガイド溝レール(77)と係合し乍ら進退移動作用のみを行なう移動駒(79)を螺合締結する一方、
    その移動駒(79)の受け止め用移動ストッパー(32)を、上記カバーケース(C)における移動スリーブ受け入れ口筒(93)の対応位置へ打ち込み固定して、
    上記回動ネジ杆(78)を移動スリーブ(E)の外側から回動操作することにより、その移動スリーブ(E)とこれに軸受けされた工具スピンドル(D)の移動ストローク(S)を、目的とするワーク(W)の加工深さに応じて調整セットできるように定めたことを特徴とするマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー。
  5. カバーケース(C)のノーズ口筒(16)又は移動スリーブ受け入れ口筒(93)に付属するギヤケース(33)の内部へ、ピニオンギヤ軸(35)を回動自在に軸受けさせて、そのピニオンギヤ軸(35)がギヤケース(33)から露出する先端部へ、ハブフランジ(45)と手動操作ハンドル(51)とを何れもピニオンギヤ軸(35)と一体回動し得るように嵌め付け、
    上記ピニオンギヤ軸(35)の中途部へギヤケース(33)の回動カバー(44)を差し込み套嵌させて、その回動カバー(44)に向かう進退自在の加工始点位置決め用セットボルト(46)を、上記ハブフランジ(45)の対応的な張り出し部分に螺合締結すると共に、
    上記回動カバー(44)の外周面にワーク(W)の加工深さ表示目盛(47)を、上記ギヤケース(33)の外周面にその表示目盛(47)との位置合わせガイド指針(48)を各々付与して、
    上記セットボルト(46)の螺退操作により回動カバー(44)を空廻りさせて、その表示目盛(47)におけるワーク(W)の加工始点となる数値を、ギヤケース(33)のガイド指針(48)と位置合わせ選定した後、上記セットボルト(46)の螺進操作により押え付けられた回動カバー(44)を、上記ピニオンギヤ軸(35)と一体回動させて、その加工始点の数値から変化する表示目盛(47)の数値をワーク(W)の加工深さとして読み取ることができるように定めたことを特徴とする請求項1又は記載のマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー。
  6. バネ線材からのコイル形態又はバネ板材からのゼンマイ形態に捲き曲げられた回動リターンバネ(41)の切り離し一端部をピニオンギヤ軸(35)の中途部へ、同じく回動リターンバネ(41)の切り離し他端部を上記ピニオンギヤ軸(35)が内蔵設置されたギヤケース(33)へ各々係止して、
    手動操作ハンドル(51)の回動操作手を離した時、移動スリーブ(E)とこれに軸受けされた工具スピンドル(D)が、上記回動リターンバネ(41)の引っ張り付勢力により自づと退動復帰するように定めたことを特徴とする請求項1又は記載のマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー。
  7. カバーケース(C)の基端部をなすカバー口筒(15)の円周面に、回動ガイドレールとなる断面倒立T字型又は蟻溝型のナット受け入れ凹周溝(20)を切り欠いて、その内部へ複数の空廻りしない角型埋め込みナット(22)を挿入する一方、
    マシニングセンター(M)に対するカバーケース(C)の位置決めピンユニット(B)を、上記埋め込みナット(22)の各個へ螺合締結される固定ボルト(24)によって、そのカバーケース(C)のカバー口筒(15)へ取り付け一体化すると共に、
    上記固定ボルト(24)を一旦緩めて、その位置決めピンユニット(B)と相対的にカバーケース(C)を回動させることにより、ギヤケース(33)から外側へ派出する手動操作ハンドル(51)の方向性を変えることができるように定めたことを特徴とする請求項1又は記載のマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー。
  8. ピニオンギヤ軸(35)がギヤケース(33)から露出する先端部に切り欠かれた凹溝(50)へ、ハンドル取付台(49)を抜き差し自在に差し込み嵌合させると共に、そのハンドル取付台(49)へ一定長さの手動操作ハンドル(51)を螺合締結したことを特徴とする請求項1又は記載のマシニングセンター用の手動操作可能な工具ホルダー。
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