JP3776833B2 - 自動車のリモコン式サイドミラーの制御装置及び制御方法 - Google Patents

自動車のリモコン式サイドミラーの制御装置及び制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のリモコン式サイドミラーの制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車を後退させるときには、運転者はいわゆるバックミラーと呼ばれるサイドミラー等により後方を確認しながら自動車の操作を行っている。このとき後輪の近傍に縁石等の障害物あるいは側溝や穴等があると危険なので、サイドミラーによって下方を見ることが出来るように、サイドミラーの角度をアクチュエータにより変更できる装置が具備されている。サイドミラーの角度変更は、手動で行うと煩雑であり角度の微妙な調節も困難であるため、自動制御の角度調節装置も開発されている。
【0003】
例えば、特開2000−138812号公報には、リバースギヤと連動させてミラー角度を傾動させる制御を行うものであって、シフトレバーがリバースギアに入れられたときにミラーを下方にモータで傾かせて、このときのモータ停止後の惰性による超過傾動分をモータの回転により生じるパルスの数としてカウントして、リバースギアから別のギアに切り替わったときにその惰性による超過傾動分も含めてミラーの角度を元に戻して、ミラー角度の傾動の操作を何回繰り返しても常に同じ位置にミラーが戻るようにする技術について開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、個々のサイドミラーの可動部の動き易さや個々のモータのトルク等にはばらつきがあるため、左右のサイドミラーを同時に傾動させるときに、一方のサイドミラーを傾動させるモータへの電力供給を停止し且つ惰性回転も止まった後にもう一方のモータが惰性回転をしている場合があり、このときには先に止まったモータの側に回転していないのにパルスのみが現れるという現象が生じる(図6参照)。このことを詳しく説明する。
【0005】
左右同時に下降するようにモータに電力を一定時間供給し、電力供給を左右同時に停止すると、その停止後も惰性でモータは少し回転するため惰性によるパルス33が現れる。個々のサイドミラーの可動部及びモータにはばらつきがあるために、電力供給回転及び惰性回転のパルス31,33の数の和は左右で異なる。従って、次に左右同時に上昇させ始めても、左右それぞれ下向きの電力供給回転及び惰性回転のパルス31,33の和の分のみ上向きに傾動するようモータを回転させるため、電力供給の終了時刻35,37が左右で異なり、惰性回転の終了時刻36,38も左右で異なる。図6では、左のモータが先に停止するようになっているが、左のモータの惰性回転も止まったとき36に右のモータが惰性回転33をしていると、停止している左のモータにもあたかも惰性回転しているが如きパルス34が現れる。このパルス34は、右のモータの惰性回転に由来するものであって、いわば偽のパルス34とも言えるノイズ信号であるが、信号形状が惰性回転によるパルス33と同じであり、且つ惰性回転によるパルス33の終了時に既に偽のパルス34が現れているため、このままでは惰性回転によるパルス33とノイズ信号のパルス34とを識別することができない。
【0006】
このため、このいわば偽のパルスであるノイズまでカウントしてサイドミラーの傾斜を元に戻す動作を行うので、ミラーが元の位置に戻らなくなり、この動作を何度も繰り返すと、ついにはミラー角度が最初の角度から大きくずれてしまうことになる。このようなノイズが現れる現象は、左右のモータの電力回線の一方が共有されているためと考えらえるが、現行のシステムでは電力回線を左右独立させることはできない。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一方のモータが停止していて他方のモータが惰性回転しているときに、前者のモータの電力回路に生じるノイズをカウントせずに排除して回転に伴うパルスのみをカウントして、下向きに傾動したサイドミラーを正確に元の位置に戻す制御を行う自動車のリモコン式サイドミラーの制御装置及び制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の解決手段では、左右のサイドミラーの上向きの傾動開始時刻に所定の時間差を設けて、一方のモータの惰性回転によるパルスの発生が終了した後にノイズのパルスが発生するようにして、惰性回転のパルスとノイズのパルスとを明確に識別できるようにした。
【0009】
具体的に、請求項1の発明では、ミラー本体の上下方向の傾斜角度を調節するように自動車の左右のリモコン式サイドミラーの可動部をそれぞれ駆動する二つの直流電動機に接続されて、該直流電動機への供給電力を調節することで該可動部の作動制御を行うリモコン式サイドミラーの制御装置を対象とする。
【0010】
そして、外部からの作動信号を検出する外部信号検出手段と、上記直流電動機への電力供給を調節する電力調節回路と、上記電力調節回路と両直流電動機との間にそれぞれ設けられ、該直流電動機の回転作動に伴う電力供給量の変化状態に基づいて、該直流電動機の回転角度を検出する二つの回転角検出手段と、上記回転角検出手段からの信号に基づいて、上記電力調節回路による直流電動機への電力供給を制御する制御手段と、を備え、上記制御手段は、上記サイドミラーの可動部を初期位置から下向きに傾動させ、その後に上向きに傾動させて元の初期位置に略戻す一連の制御を行うものであって、上記外部信号検出手段から下向き傾動開始信号が入力されたとき、上記両サイドミラーの可動部が初期位置から下向きに所定量傾動するように電力調節回路により両直流電動機へ電力を供給させると共に、その下向き傾動時に上記両回転角検出手段により検出された電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度との和を該両直流電動機の下向き傾動回転角度としてそれぞれ記憶しておき、上記外部信号検出手段から上記下向き傾動開始信号が入力された後に上向き傾動開始信号が入力されたとき、一方の上記直流電動機へ電力調節回路により電力を供給させて該直流電動機の上記記憶された下向き傾動回転角度と同量だけ一方のサイドミラーの可動部を上向きに傾動させて初期位置に略戻し、該傾動途中に該直流電動機が該下向き傾動回転角度の1/6以上1/2以下において設定された始動遅延角度まで上向きに傾動回転したときに、他方の直流電動機へ電力調節回路により電力を供給させて、該他方の直流電動機の記憶された上記下向き傾動回転角度と同量だけ他方のサイドミラーの可動部を上向きに傾動させて初期位置に略戻し、上記両サイドミラーの上向き傾動時に、両回転角検出手段により検出された両直流電動機のそれぞれの電力供給中の上向きの回転角度と電力供給停止後の惰性による上向きの回転角度との和を上向きの傾動回転角度としてそれぞれ記憶しておくと共に、該惰性による上向きの回転が停止した後に回転角検出手段により検出されるノイズ信号を該上向きの傾動回転角度への算入から排除し、この次の一連のサイドミラーの可動部の制御において上向きに傾動させて初期位置に略戻す制御に該上向き及び下向きの傾動回転角度を用いるように構成されているものとする。
【0011】
上記の構成により、電力調節回路からの電力供給を受けて直流電動機が回転作動すると、この回転作動に伴う内部インピーダンスの変化によって、直流電動機への電力供給量が略周期的に変化し、この変化状態に基づいて、回転角検出手段により直流電動機の回転角度が検出される。制御手段は、まずサイドミラーの可動部が下向きに所定量傾動するように両直流電流機に電力を供給させ、そして、検出されるこの下向きの回転角度に惰性の回転角度を加えた和の信号をそれぞれの下向き傾動回転角度としてカウント(記憶)する。ここで、初期位置とは運転者が後方の車両を視認できる通常運転時(前方への運転時)のサイドミラーの位置のことであり、自動車の出荷時に設定されている位置である。また、初期位置からの下向きの所定量の傾動は、運転者が後輪の接地部分を視認できる角度分のサイドミラーの可動部の下向きの傾動である。また、ミラー本体の上下方向の傾斜角度を調節するのは、サイドミラー全体を傾動させてもよいし、ミラー本体のみ又はミラー本体とその付属部品とを傾動させてもよい。
【0012】
次に、上向き傾動開始信号を検出したら、制御手段は、一方の直流電動機のみにまず電力を供給させて該直流電動機の下向き傾動回転角度の分だけ上向きに回転作動させて、一方のサイドミラーの可動部を初期位置に略戻す。このとき、この直流電動機が設定された始動遅延角度だけ回転作動した時点で、制御手段はもう一方の直流電動機に電力を供給させて該当する下向き傾動回転角度の分だけ上向きに回転作動させて、他方のサイドミラーの可動部も初期位置に略戻す。ここで、設定された始動遅延角度は、前者の直流電動機の下向き傾動回転角度の1/6以上1/2以下の範囲内で設定された角度である。このように始動遅延角度を設定することにより、前者の直流電動機の上向きの回転作動が終了してさらに惰性回転が終了して完全に停止した後に、後者の直流電動機の上向きの回転作動が終了して惰性回転が始まるようにすることができる。従って、前者の直流電動機が停止していて後者の直流電動機が惰性回転している場合に前者の回転角検出手段に検出されるノイズ信号が、前者の惰性回転による回転角信号から時間的に隔たって現れる。即ち、回転角信号とノイズ信号との間に信号が全く存しない状態があるため、ノイズ信号を惰性回転による回転角信号と識別することができ、ノイズ信号をフィルターにより排除して上向きの傾動回転角度に算入しないようにできる。
【0013】
この上向きの傾動回転角度は、次回の一連のサイドミラーの可動部を傾動させる制御に用いられるが、実際に傾動した角度分により次回の制御をすることができ、下向き及び上向きの傾動が終了した後には、常に初期位置からその回の上向きの惰性回転分のみのずれだけにすることができる。ここで、始動遅延角度が下向き傾動回転角度の1/6未満であると、サイドミラー及び直流電動機の状態によっては惰性回転による回転角信号とノイズ信号とを時間的に分離することができない虞がある。また、始動遅延角度が下向き傾動回転角度の1/2より大きいと、左右のサイドミラーの可動部の上向きの傾動開始の時間差が大きすぎて、運転者が不快に感じてしまう。
【0014】
次に、請求項2の発明は、請求項1において、外部信号検出手段は自動車のトランスミッションのギア選択状態検出手段であり、下向き傾動開始信号は上記トランスミッションのリバースギアの選択状態検出信号であり、上向き傾動開始信号は上記リバースギアから他のギアへの選択状態検出信号であるものとする。
【0015】
上記の構成であれば、自動車を後退運転させるためにトランスミッションのリバースギアが選択されると、その選択がギア選択状態検出手段により検出されて、制御手段による電力調節回路の制御が行われ、この電力調節回路から直流電動機に電力供給が行われて、この直流電動機の回転作動によりサイドミラーの可動部が下向きに傾動される。そしてその後、回転角検出手段により検出された直流電動機の回転角度が所定角度になったとき、制御手段により直流電動機への電力供給が停止される。これにより、自動車の後退運転時にサイドミラーを予め設定した角度だけ自動的に下向きに傾動させることが可能になり、よって、運転者は後輪付近の路面状況や側溝、縁石等を容易に確認することができる。
【0016】
そして、この自動車が再び前進運転に移行するとき、ギア選択状態検出手段によりリバースギアからそれ以外のギアへのギア選択状態の変化が検出され、これに応じて、制御手段により電力調節回路の制御が行われて、直流電動機の回転作動によりサイドミラーの可動部が上向きに傾動される。その後、回転角検出手段により検出される直流電動機の回転角度がそれぞれ下向き傾動回転角度と同量になったとき、制御御手段により直流電動機への電力供給が停止される。すなわち、自動車の後退運転に対応してサイドミラーが予め設定した角度だけ下向きに傾動されているときにはその設定角度だけ、サイドミラーを上向きに傾動させて初期位置に戻して、自動的に停止させることが可能になる。これにより、自動車が後退運転から前進運転に移行するときに、サイドミラーのミラー本体の傾斜角度を自動的に通常の角度である初期位置に略復帰させることができるので、運転者がミラーの角度を一々、再調整する必要がなくなり、良好な使い勝手が得られる。
【0017】
次に、請求項3の発明は、請求項1又は2において、次の一連のサイドミラーの可動部の制御は、今回の制御における傾動回転角度の上向きと下向きとの差を次回の制御における下向き傾動回転角度から差し引いたものを、次回の制御における電力を供給して上向きに傾動させる回転角とするものとする。
【0018】
上記の構成であれば、簡単な制御でありながら、サイドミラーの下向き及び上向きの傾動が終了した後には、常に初期位置からその回の上向きの惰性回転分のみのずれだけにすることができる。
【0019】
次に、請求項4の発明は、ミラー本体の傾斜角度を調節するように自動車の左右のリモコン式サイドミラーの可動部を二つの直流電動機がそれぞれ駆動し、該直流電動機への供給電力を調節することで該可動部の作動制御を行うリモコン式サイドミラーの制御方法を対象とする。
【0020】
そして、上記双方の可動部をそれぞれ上記直流電動機に電力を供給することにより一方向に所定の角度だけ傾動させるとともに、それぞれの直流電動機の電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度とを記憶するステップと、上記双方の可動部を、上記一方向へのそれぞれの電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度との和だけ各直流電動機に電力を供給して該直流電動機を回転させることにより逆方向に傾動させる際に、一方の直流電動機への電力供給の開始を他方の直流電動機への電力供給の開始よりも所定の遅延時間だけ遅らせて傾動させるとともに、それぞれの直流電動機の電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度とを記憶するステップと、を備え、上記所定の遅延時間は、双方の可動部を逆方向に傾動させる際に、上記一方の直流電動機への電力供給時間に該遅延時間を加えた時間が、上記他方の直流電動機への電力供給時間に該他方の直流電動機が電力供給停止後に惰性により回転している時間を加えた時間よりも長くなるように設定されているものとする。
【0021】
上記の方法であれば、一方の直流電動機への電力供給開始を所定の遅延時間だけ他方の直流電動機への電力供給開始よりも遅らせているので、この一方の直流電動機の回転角度を記憶する際に現れるノイズ信号を、真の回転角信号と区別することができて、正確な制御を行うことができる。なお、所定の遅延時間は、他方の直流電動機が一方向への電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度との和の角度分回転するのにかかる時間の1/6以上1/2以下であると、確実にノイズ信号と回転角信号とを区別できて好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1及び図2は、本発明の制御装置を自動車の電動リモコン式サイドミラーに適用した実施形態を示し、図2において、1は自動車の右側フロントピラー下端に取り付けられるいわゆるドアミラーである。このドアミラー1は、貝殻のような形状のケーシング2を有し、このケーシング2内にアクチュエータアッセンブリ3が収容されているとともに、該ケーシング2の車両後側には、略全面に亘り平面鏡からなるミラー本体4が配設されていて、このミラー本体4がベースプレート25を介して上記アクチュエータアッセンブリ3に取り付けられている。そして、ミラー本体4の上下方向の角は、それぞれアクチュエータアッセンブリ3内に組み込まれたDCモータ5R(直流電動機:図1にのみ示す)の作動により、図示しない減速ギア装置を介して調節されるようになっている。即ち、ミラー本体4とベースプレート25とがドアミラー1の可動部に該当する。なお、ミラー本体4の水平角を調節するDCモータ(図示省略)も、同様にアクチュエータアッセンブリ3に取り付けられている。
【0024】
上記DCモータ5Rは、ワイヤハーネスによりコントローラ6(制御装置)に接続されている。このコントローラ6は、電力源であるバッテリ7に接続されているとともに、少なくとも、自動車の運転者により手動操作されるリモコン操作スイッチ8、及び図示しないギアチェンジレバーの操作に連動するギア選択位置スイッチ9(ギア選択状態検出手段)からの出力信号が入力されるようになっていて、それらスイッチ8,9からコントローラ6に入力される信号に応じて、上記DCモータ5Rへの供給電力を調節し、リモコン式ミラー1におけるミラー本体4の傾斜角度を調節する。即ち、スイッチ8,9は外部信号検出手段に対応する。
【0025】
詳しくは、コントローラ6には、上記リモコン操作スイッチ8又はギア選択位置スイッチ9からの出力信号を受け入れて、この信号に対応する制御信号をドライバ回路11に出力するMPU12が設けられ、このMPU12からの制御信号を受けたドライバ回路11により右と左のDCモータ5R,5Lの端子にそれぞれ直流電圧が印加されて、DCモータ5R,5Lが回転作動されるようになっている。この構成により、自動車の運転者はリモコン操作スイッチ8を操作することで、通常の前進運転時には、運転席に着座した状態で略水平方向の適切な後方視界が得られるように、ミラー本体4の上下方向の傾斜角度を容易に調節することができる。そして、後述のギアチェンジに応じたミラー本体4の上下方向の傾斜角度の自動調節を行うようにさせることもできる。ここで、上記ドライバ回路11は、DCモータ5R,5Lへの供給電力を調節する電力調節回路に対応し、また、MPU12がドライバ回路11を制御する制御手段に対応している。尚、コントローラ6におけるメモリやI/Oインタフェース等は図示省略している。
【0026】
さらに、上記コントローラ6は、本発明の特徴として、ドライバ回路11からDCモータ5R,5Lへ供給される電流iR,iLの変化状態に基づいて、該DCモータ5R,5Lの回転角度を検出するモータ回転角検出回路13R,13L(回転角検出手段)を有するものである。このモータ回転角検出回路13R,13Lは、各DCモータ5R,5Lの回転作動に伴う内部インピーダンスの変化によってそれぞれの供給電流iR,iLが変動することに着目し、この電流iR,iLの変動状態からDCモータ5R,5Lの回転角度を検出するものであり、具体的には、ドライバ回路11から各DCモータ5R,5Lへ流れる直流電流iR,iLを検出するための抵抗器14R,14Lと、この抵抗器14R,14Lを流れる電流波形の高周波成分を除去するローパスフィルタからなるフィルタ回路15R,15Lと、このフィルタ回路15R,15Lからの出力を増幅するオペアンプ等からなる増幅回路16R,16Lと、この増幅回路16R,16Lからの出力波形を矩形波になるように整形する波形整形回路17R,17Lとを備えている。
【0027】
これまでの説明において、DCモータ5R,5L、モータ回転角検出回路13R,13L、抵抗器14R,14L、フィルタ回路15R,15L、増幅回路16R,16L、波形整形回路17R,17L及び供給電流iR,iLには、右側のサイドミラー1に対応するものにR、左側のサイドミラー1に対応するものにLを付しているが、以後、左右共通する説明においては、R、Lを省略した符号を用いる。
【0028】
上記コントローラ6をより詳しく説明すると、この実施形態のリモコン式ドアミラー1に用いられているDCモータ5は、例えば図3に示すような3スロットのものであって、周知の如く、DCモータ5の回転シャフト51には3つの電磁石52,52,52を有するロータ53が絶縁部を介して取り付けられ、その外側に永久磁石からなるステータ54が配設されている。また、上記ロータ53と同軸上に、各電磁石52のコイルに給電するためのコミュテータ55がロータ53と一体的に設けられ、このコミュテータ55の外側に接触するようにブラシ56,56が配設されている。
【0029】
そして、上記回転シャフト51、ロータ53及びコミュテータ55が一体に回転すると、このコミュテータ55を介してブラシ56,56から各電磁石52に給電される電流の向きが切換えられて、該各電磁石52の極性が次々に反転されることにより、ロータ53はその回転位置に拘わらずステータ54の界磁と反発して、一方向(図例では反時計回り方向)に回転する。一方、上記ブラシ56,56への電流iの向きを反転させれば、ロータ53は上記一方向とは反対向きに回転する。
【0030】
そして、このようなDCモータ5の回転作動によって、図4(a)〜(e)に模式的に示すようにコミュテータ55とブラシ56,56との接触位置が変化するに従い、その接触位置に対応するように各電磁石52のコイルの誘導起電力が変化して、図5(a)に示すように、モータ電流i、即ちコントローラ6からDCモータ5への供給電流iがDCモータ5の回転角度に対応するように、略一定周期で変動する。この図5(a)は、コントローラ6における抵抗器14両端部の電圧降下に基づいて検出される電流iの変化状態を示しており、この電流iの波形がフィルタ回路15を通過してなまされると、同図(b)に示すような信号波形i′が得られる。
【0031】
続いて、同図(c)に示すように、増幅回路16によって信号が増幅され、この増幅された信号i″が波形整形回路17により矩形波に整形されて、パルス信号pとしてMPU12に入力される。そして、MPU12のカウンタにより入力パルス数が計数され、この計数値に基づいて、DCモータ5の回転角度、即ちミラー本体4の傾動角度が検出される。この実施形態では、上記図5に示すようにDCモータ5の回転角度が60°変化する毎にパルス信号pが1回入力されるようになっているので、ミラー本体4及びDCモータ5を駆動連結する減速ギア装置のギア比が、例えば、DCモータ5が20回転したときにミラー角度が10°変化するという対応関係になるように設定されていれば、パルス信号pが120回計数されたときに、ミラー本体4の傾斜角度が10°変化したことになる。尚、上記図5(a)に示すようにモータ電流iに雑音成分が含まれていても、同図(d)に示すように波形整形後のパルス数pには誤りはないので、DCモータ5の回転角度は正確に検出できる。
【0032】
従って、後述の如く、上記パルス信号pの計数値に基づいて、コントローラ6により、DCモータ5への電力供給を制御することにより、ミラー本体4の傾動角度を調節することができる。ただし、電力供給を停止した後も惰性によってDCモータ5が回転するため、この惰性回転の分の傾動角度は調節できない。さらに、DCモータ5が停止した後にも、モータ5が回転しているのと全く同じ形状のいわゆる偽のパルスとなるノイズ信号をカウントしてしまうことがある。以下に、本実施形態のドアミラー1の可動部を初期位置から下向きに傾動させ、その後に上向きに傾動させて元の初期位置に略戻す一連の制御と、この制御中における上記ノイズ信号の発生と除去について説明をする。
【0033】
図7は右及び左のDCモータ5R,5Lへの電力の供給及び発生するパルスのタイミングチャートである。ギア選択位置スイッチ9からリバースギアの選択状態検出信号をMPU12が受けると、MPU12は右及び左のミラー本体4の傾斜角度が同時に下向きになるようにDCモータ5R,5Lに電力を一定時間、例えば2秒間供給するようドライバ回路11に指令を出し、ドライバ回路11はそのように電力を供給する。電力供給を左右同時に停止しても、その停止後も惰性でDCモータ5R,5Lは少し回転するため、惰性回転によるパルス33が回転角検出回路13R,13Lにより検出される。個々のサイドミラー1の可動部及びDCモータ5R,5Lには回転のしやすさやトルク等にばらつきがあるために、電力供給中の回転及び惰性回転のパルス31,33の数の和は左右で異なる。なお、この下向きの電力供給中の回転のパルス31の数と惰性回転のパルス33の数との和は、下向き傾動回転角度に当たる。
【0034】
次に、ギア選択位置スイッチ9からリバースギアから他のギアへの選択状態検出信号をMPU12が受けると、MPU12はまず左側のDCモータ5Lのみを上記左側の下向きの電力供給中の回転のパルス31の数と惰性回転のパルス33の数との和の分だけ上向きに回転させて初期位置に略戻すようにドライバ回路11に制御信号を送り、ドライバ回路11が電力をDCモータ5Lに供給する。そして、左のDCモータ5Lが上向きに、始動遅延角度Tだけ傾動したら、MPU12はドライバ回路11に制御信号を送って右側のDCモータ5Rに電力を供給させて、上記右側の下向きの電力供給中の回転のパルス31の数と惰性回転のパルス33の数との和の分だけ上向きに回転させて初期位置に略戻すようにする。このときの始動遅延角度Tだけ傾動するのにかかる時間が所定の遅延時間である。また、この始動遅延角度Tは、左側の下向きの電力供給中の回転のパルス31の数と惰性回転のパルス33の数との和から換算される角度の1/6以上1/2以下の範囲において設定された角度であり、例えば、ここでは1/4の角度に設定されている。なお、始動遅延角度Tまでの傾動は、電力供給による上向きの回転パルス32をカウントすることによりMPU12が判断する。
【0035】
このように、右のDCモータ5Rが始動遅延角度Tの分だけ左のDCモータ5Lから遅れて上向きに回転し始めるために、左のDCモータ5Lの電力供給による回転が終了35し、さらに惰性回転が終了36した後に右のDCモータ5Rの電力供給による回転が終了37して惰性回転が始まる。その右のDCモータ5Rの惰性回転に伴って、左のDCモータ5Lに接続された回転角検出手段13Lには偽のパルス(ノイズ信号)34が検出される。ここで、左の回転角検出手段13Lにより検出される惰性回転のパルス33と偽のパルス34との間にパルス信号が存しない状態が発生しているため、MPU12は惰性回転のパルス33と偽のパルス34とを識別することができ、従って、偽のパルス34をカウントしないようにフィルターをかけて排除できる。なお、このフィルタ機能は、MPU12に組み込まれている。このことにより、MPU12は、上向き傾動回転角度として、上向きの電力供給中の回転角度と惰性回転角度との和だけを記憶することができ、偽のパルス34の分は算入しないように排除できる。
【0036】
上記の制御を別の言葉で言うと、右のDCモータ5Rへの電力供給時間に遅延時間を加えた時間が、左のDCモータ5Lへの電力供給時間に惰性回転をしている時間を加えた時間よりも長なるように遅延時間が設定されているので、左のDCモータ5Lの惰性回転が終了36した後に右のDCモータ5Rの電力供給による回転が終了37して惰性回転が始まるということである。
【0037】
上記の一連の作動制御が終了したときには、左右のミラー本体4,4の傾斜角度は、初期位置よりもそれぞれ惰性回転の分だけ上向きに余分に傾斜している。従って、次回の作動制御では、この惰性回転分も考慮に入れて上向きの制御を行い、初期位置にできるだけ近い位置に戻すようにする。なお、上記の左右それぞれの電力供給による上向きの回転角度は、下向き傾動回転角度に等しいので、上記上向きの惰性回転分とは、傾動回転角度の上向きと下向きとの差となる。惰性回転分も考慮に入れた具体的な次回の一連の制御は、今回をn回目、次の回をn+1回目の一連の制御としたとき、n+1回目の作動制御において、n+1回目の下向き傾動回転角度からn回目の上向き惰性回転角度を差し引いた分、上向きに回転させるようにMPU12がドライバ回路11に制御信号を送ってDCモータ5に電力を供給させる。このように制御するので、何回作動制御を行っても上向きの傾動が終了した時点では、初期位置からその回の上向きの惰性回転分のみ位置がずれているに過ぎなく、常にほぼ元の初期位置に戻る。
【0038】
従って、この実施形態に係るリモコン式サイドミラーの制御装置によれば、ミラー本体4の傾斜角度を調節するDCモータ5の回転作動に伴い、該DCモータ5へ供給される電流iが変動することに着目し、この電流iの変化状態に基づいて、DCモータ5の回転角度、即ちミラー本体4の傾動角度を検出するようにしたので、サイドミラー1の内部にエンコーダやポテンシオメータ等のセンサを配設しなくても、簡単で安価な装置によってサイドミラー1の傾斜角度を正確に検出できて制御を行うことができる。そして、この制御において、上向きの傾動の開始を所定の始動遅延角度分だけ左右でずらしているので、実際に回転していることに由来するパルスとノイズ信号である偽のパルスとを識別することができ、回転に由来するパルスのみを制御に用いることにより、常に初期位置に最も近い位置に戻すことができる。そして、下向き及び上向き傾動の開始の信号としてトランスミッションのギア選択状態を検出した信号を用いているので、自動車をバックさせようとしてギアをリバースに入れただけで、自動的に左右のサイドミラー1,1の可動部が初期位置から下向きに所定位置まで傾動し、バックし終えてギアをリバースから別のギアに切り替えたときに、自動的に左右のサイドミラー1,1の可動部が上向きに傾動して初期位置まで戻り、運転者の傾動開始操作及び傾斜角度合わせの手間がいらない。
【0039】
また、サイドミラー1内部にセンサのためのスペースを確保する必要がないので、そのコンパクト化やデザインの自由度向上という要請も満足される。さらに、この制御装置は、リモコン操作スイッチを手動操作してミラー角度を調節するようにした一般的な電動リモコン式ミラーに対しても、大がかりな機械加工を必要とせず簡単に後付をすることができる上に、その際にミラーの外観を損なうこともないという優れた効果も得られる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。即ち、上記実施形態では、コントローラ6からDCモータ5に供給される電流iの変化状態に基づいて、DCモータ5の回転角度を検出するようにしているが、これに限らず、DCモータ5の端子間に印可される電圧を検出し、この電圧の変化状態に基づいて、DCモータ5の回転角度を検出することも可能である。
【0041】
また、上記実施形態では、DCモータ5として3スロットのものを用いているが、これに限らず、例えば、4から2スロットのものにも適用することができ、さらにブラシレスモータにも適用可能である。
【0042】
また、上記実施形態では、本発明をドアミラーに適用した例を示しているが、これに限らず、フェンダーミラーに適用しても構わないし、その他左右同時に作動する自動車用電装品に適用しても構わない。
【0043】
さらに、上記実施形態では、本発明を上下方向の傾動の制御に適用した例を示しているが、左右方向の傾動の制御に適用しても構わない。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に述べる効果を奏する。
【0045】
請求項1の発明に係る自動車のリモコン式サイドミラーの制御装置によると、サイドミラーの可動部を上下に傾動させる直流電動機の回転作動に伴う電力供給量の変化状態に基づいて、直流電動機の回転角度を回転角検出手段により検出し、この回転角度に基づいて左右の直流電動機への電力供給量を調節するようにして、さらに上向きの傾動時に左右の電力供給開始時期に差を設けて、回転角検出手段が検出するノイズ信号を識別して排除するようにしているので、下向き及び上向きの傾動が終了した後は常にほぼ初期位置に戻ることができる。
【0046】
請求項2の発明によると、本発明のサイドミラーの可動部の下向き及び上向きの傾動開始信号をトランスミッションのギアの選択状態の検出信号としているので、ギアを選択することにより自動的にサイドミラーの可動部が下或いは上に傾動するので、良好な使い勝手が得られる。
【0047】
請求項3の発明によると、傾動回転角度の上向きと下向きとの差を次回の下向き傾動回転角度から差し引いて制御をするので、簡単な制御で精度よく略初期位置に戻すことができる。
【0048】
請求項4の発明によると、一方の直流電動機への電力供給時間に遅延時間を加えた時間が、他方の直流電動機への電力供給時間に惰性回転時間を加えた時間よりも長いので、ノイズ信号と回転角信号とを確実に区別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態を適用するドアミラーの一例を示す斜視図である。
【図3】DCモータの構造例を示す説明図である。
【図4】DCモータの回転作動に伴いコミュテータとブラシとの接触状態が変化する様子を示す説明図である。
【図5】(a)はDCモータの回転角度とモータ電流の変化状態との対応関係を示す説明図であり、(b)〜(d)は該モータ電流を信号処理した後の出力を段階的に示す説明図である。
【図6】従来の制御における左右のDCモータへの電力の供給及び発生するパルスのタイミングチャート図である。
【図7】本実施形態における左右のDCモータへの電力の供給及び発生するパルスのタイミングチャート図である。
【符号の説明】
1 ドアミラー(サイドミラー)
4 ミラー本体
5,5R,5L DCモータ(直流電動機)
8 リモコン操作スイッチ(外部信号検出手段)
9 ギア選択位置スイッチ(ギア選択検出手段)
11 ドライバ回路(電力調節回路)
12 MPU(制御手段)
13,13R,13L モータ回転角検出回路(回転角検出手段)
25 ベースプレート(サイドミラーの可動部)
34 偽のパルス(ノイズ信号)
T 始動遅延角度

Claims (4)

  1. ミラー本体の上下方向の傾斜角度を調節するように自動車の左右のリモコン式サイドミラーの可動部をそれぞれ駆動する二つの直流電動機に接続されて、該直流電動機への供給電力を調節することで該可動部の作動制御を行うリモコン式サイドミラーの制御装置であって、
    外部からの作動信号を検出する外部信号検出手段と、
    上記直流電動機への電力供給を調節する電力調節回路と、
    上記電力調節回路と両直流電動機との間にそれぞれ設けられ、該直流電動機の回転作動に伴う電力供給量の変化状態に基づいて、該直流電動機の回転角度を検出する二つの回転角検出手段と、
    上記回転角検出手段からの信号に基づいて、上記電力調節回路による直流電動機への電力供給を制御する制御手段と、を備え、
    上記制御手段は、
    上記サイドミラーの可動部を初期位置から下向きに傾動させ、その後に上向きに傾動させて元の初期位置に略戻す一連の制御を行うものであって、
    上記外部信号検出手段から下向き傾動開始信号が入力されたとき、上記両サイドミラーの可動部が初期位置から下向きに所定量傾動するように電力調節回路により両直流電動機へ電力を供給させると共に、その下向き傾動時に上記両回転角検出手段により検出された電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度との和を該両直流電動機の下向き傾動回転角度としてそれぞれ記憶しておき、
    上記外部信号検出手段から上記下向き傾動開始信号が入力された後に上向き傾動開始信号が入力されたとき、一方の上記直流電動機へ電力調節回路により電力を供給させて該直流電動機の上記記憶された下向き傾動回転角度と同量だけ一方のサイドミラーの可動部を上向きに傾動させて初期位置に略戻し、該傾動途中に該直流電動機が該下向き傾動回転角度の1/6以上1/2以下において設定された始動遅延角度まで上向きに傾動回転したときに、他方の直流電動機へ電力調節回路により電力を供給させて、該他方の直流電動機の記憶された上記下向き傾動回転角度と同量だけ他方のサイドミラーの可動部を上向きに傾動させて初期位置に略戻し、
    上記両サイドミラーの上向き傾動時に、両回転角検出手段により検出された両直流電動機のそれぞれの電力供給中の上向きの回転角度と電力供給停止後の惰性による上向きの回転角度との和を上向きの傾動回転角度としてそれぞれ記憶しておくと共に、該惰性による上向きの回転が停止した後に回転角検出手段により検出されるノイズ信号を該上向きの傾動回転角度への算入から排除し、この次の一連のサイドミラーの可動部の制御において上向きに傾動させて初期位置に略戻す制御に該上向き及び下向きの傾動回転角度を用いるように構成されていることを特徴とする自動車のリモコン式サイドミラーの制御装置。
  2. 請求項1において、
    外部信号検出手段は自動車のトランスミッションのギア選択状態検出手段であり、
    下向き傾動開始信号は上記トランスミッションのリバースギアの選択状態検出信号であり、
    上向き傾動開始信号は上記リバースギアから他のギアへの選択状態検出信号であることを特徴とする自動車のリモコン式サイドミラーの制御装置。
  3. 請求項1又は2において、
    次の一連のサイドミラーの可動部の制御は、今回の制御における傾動回転角度の上向きと下向きとの差を次回の制御における下向き傾動回転角度から差し引いたものを、次回の制御における電力を供給して上向きに傾動させる回転角とすることを特徴とする自動車のリモコン式サイドミラーの制御装置。
  4. ミラー本体の傾斜角度を調節するように自動車の左右のリモコン式サイドミラーの可動部を二つの直流電動機がそれぞれ駆動し、該直流電動機への供給電力を調節することで該可動部の作動制御を行うリモコン式サイドミラーの制御方法であって、
    上記双方の可動部をそれぞれ上記直流電動機に電力を供給することにより一方向に所定の角度だけ傾動させるとともに、それぞれの直流電動機の電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度とを記憶するステップと、
    上記双方の可動部を、上記一方向へのそれぞれの電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度との和だけ各直流電動機に電力を供給して該直流電動機を回転させることにより逆方向に傾動させる際に、一方の直流電動機への電力供給の開始を他方の直流電動機への電力供給の開始よりも所定の遅延時間だけ遅らせて傾動させるとともに、それぞれの直流電動機の電力供給中の回転角度と電力供給停止後の惰性による回転角度とを記憶するステップと、を備え、
    上記所定の遅延時間は、双方の可動部を逆方向に傾動させる際に、上記一方の直流電動機への電力供給時間に該遅延時間を加えた時間が、上記他方の直流電動機への電力供給時間に該他方の直流電動機が電力供給停止後に惰性により回転している時間を加えた時間よりも長くなるように設定されていることを特徴とする自動車のリモコン式サイドミラーの制御方法。
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