JP3776387B2 - 流動焼却炉装置およびガスガンの燃焼制御方法 - Google Patents

流動焼却炉装置およびガスガンの燃焼制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスガンの燃焼を制御する流動焼却炉装置およびガスガンの燃焼制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における流動焼却炉装置について、図4の概略構成図を用いて説明する。従来における流動焼却炉装置は、流動層部101内に砂中ガスガン100を挿入し、この砂中ガスガン100から流動焼却炉の補助燃料であるガス燃料(都市ガスまたは下水消火ガスなど)に着火して流動焼却炉の流動層部内へ火焔を直接吹き込む構造である。ここでは、安全性の配慮及び砂層内でのガス燃料効率を高めるため、砂中ガスガン100の内部にパイロット用ノズルを設け、砂中ガスガン運転中は常にパイロット用ノズルにパイロットバーナーを着火させ、このパイロットバーナーによって砂中ガスガン内のメインガスノズルから噴射される気体燃料に点火し、メインガスノズルより砂層へ火焔を吹き込むものである。
【0003】
砂中ガスガン100の運転中は、常にパイロットバーナーを着火状態にするため、ガスガン点火部102が着火電極によって電気火花を発生させた上、砂中ガスガン100にパイロットガス燃料とパイロット燃焼用空気とを供給してパイロットバーナーを着火させ、パイロットバーナー先端部に火焔を形成させる。
ここで、パイロットガス燃料を燃焼させるために必要な理論空気量をAとし、パイロット燃焼用空気の量をAとすると、空気過剰率mは、A÷Aによって算出され、このパイロットバーナーの場合、通常mは3.0〜3.5の範囲において運転される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術における流動焼却炉装置においては、砂中ガスガン100の先端である流動焼却炉の流動層部内の圧力は、流動空気量、焼却物の供給量、流動層部内の砂充填量、流動層内温度より常に変動する。このため、これらの変動をうけて、パイロットガス燃料とパイロット燃焼用空気の供給量とが変動する、すなわち、空気過剰率mが変動し、例えばmが2.0程度となる場合があり、これによりパイロットバーナー先端部の温度が1200〜1400℃と高温度で燃焼する場合が発生する。
この結果、パイロットバーナー先端部及び砂中ガスガン100の前面の部分において、砂及び焼却灰が過熱され、半溶融状態又は溶融状態となり、パイロットバーナー先端部および砂中ガスガン100の前面に付着し、パイロットバーナー先端部及び砂中ガスガン100が閉塞してしまう。また、この閉塞により砂中ガスガン100の内部が高温度となり、砂中ガスガン100の中間部及び先端部が溶損してしまう。この結果、砂中ガスガン100の寿命が短く、例えば、6ヶ月〜12ヶ月に一回、定期整備や部品交換が必要となり、維持管理のためのコスト及び人件費、時間の負担が増大してしまうという問題が生じてしまう。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ガスガン内部及びガスガン近傍の過熱を防止することができる流動焼却炉装置および流動焼却炉装置のガスガンの燃焼制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、流動層部内に挿入されたメインガスノズルから噴射される気体燃料にパイロットバーナーによって着火して流動層部を加熱するガスガンが設けられた流動焼却炉装置であって、流動焼却炉の流動層部の温度を検出する流動層温度検出部と、前記メインガスノズルに供給される気体燃料の着火可能な温度が設定値として予め設定されるとともに、前記流動層温度検出部の検出結果によって示される温度が前記設定値以上であるか否かを検出する温度監視部と、前記温度監視部の検出結果に基づいて、前記流動層温度検出部の検出結果によって示される温度が前記設定値以上である場合に、前記パイロットバーナーを消火させるバーナー制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、流動層部内に挿入されたメインガスノズルから噴射される気体燃料にパイロットバーナーによって着火して流動層部を加熱するガスガンが設けられた流動焼却炉装置であって、流動焼却炉のフリーボードの温度を検出するフリーボード温度検出部と、流動焼却炉の流動層部の温度を検出する流動層温度検出部と、前記メインガスノズルに供給される気体燃料の着火可能な温度が設定値として予め設定されるとともに、前記フリーボード温度検出部と前記流動層温度検出部との両方の検出結果が、ともに前記設定値以上であるか否かを検出する温度監視部と、前記温度監視部の検出結果に基づいて、前記フリーボード温度検出部と前記流動層温度検出部との両方の検出結果がともに設定値以上である場合に、前記パイロットバーナーを消火させるバーナー制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述の流動焼却炉装置において、前記バーナー制御部は、前記パイロットバーナーを消火する場合に、パイロットバーナーを燃焼させるために供給する気体燃料と燃焼用空気のうち、前記気体燃料の供給を停止し、前記燃焼用空気の供給を維持することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上述の流動焼却炉装置において、前記バーナー制御部は、前記パイロットバーナーを消火した後、前記温度監視部の検出結果に基づいて、前記フリーボード温度検出部の検出結果と前記流動層温度検出部の検出結果とのうち、いずれか一方の検出結果が予め決められた温度に達していない場合、前記パイロットバーナーを点火させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述の流動焼却炉装置において、前記フリーボード温度検出部は、前記フリーボードに複数設けられ、前記フリーボードの温度を検出するフリーボード温度センサと、前記フリーボード温度センサのそれぞれから出力される検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を選択するフリーボード温度ハイセレクタとを有し、前記フリーボード温度ハイセレクタによって選択された検出結果を前記温度監視部に出力することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述の流動焼却炉装置において、前記流動層温度検出部は、前記流動層部に複数設けられ、前記流動層部の温度を検出する流動層温度センサと、前記流動層温度センサのそれぞれから出力される検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を選択する流動層温度ハイセレクタとを有し、前記流動層温度ハイセレクタによって選択された検出結果を前記温度監視部に出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、流動層部内に挿入されたメインガスノズルから噴射される気体燃料にパイロットバーナーによって着火して流動層部を加熱するガスガンが設けられた流動焼却炉装置におけるガスガンの燃焼制御方法であって、流動焼却炉の流動層部の温度を検出し、前記流動層部の温度の検出結果がメインガスノズルに供給される気体燃料の着火可能な温度となる予め決められた温度以上であるか否かを検出し、この検出結果が予め決められた温度以上である場合に、前記パイロットバーナーを消火させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、流動層部内に挿入されたメインガスノズルから噴射される気体燃料にパイロットバーナーによって着火して流動層部を加熱するガスガンが設けられた流動焼却炉装置におけるガスガンの燃焼制御方法であって、前記流動焼却炉のフリーボードの温度を検出し、前記流動焼却炉の流動層部の温度を検出し、前記フリーボードの温度を検出した検出結果と前記流動層部の温度を検出した検出結果とが、ともに予め決められた温度以上である場合に、前記パイロットバーナーを消火させることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による流動焼却炉装置を図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態による流動焼却炉装置の構成を示す概略ブロック図である。この図において、流動焼却炉装置1の流動焼却炉2は、フリーボード11と流動層部3とによって構成される。流動層部3は、空気ノズルが均一に設けられた分散管4が水平に挿入されており、この空気ノズルを通して流動空気ブロワ5から送風される流動用空気が流動層部3に供給される。この流動層部3には、流動媒体として砂が用いられている。
【0015】
フリーボード温度検出部10は、流動焼却炉2のフリーボード11の温度を検出する。流動層温度検出部20は、流動焼却炉2の流動層部3の温度を検出する。温度監視部30は、メインガスノズルに供給される気体燃料の着火可能な温度が設定値として予め設定されるとともに、フリーボード温度検出部10と流動層温度検出部20との両方の検出結果が、ともに設定値以上であるか否かを検出する。
【0016】
バーナー制御部40は、メイン電磁弁510を開閉させ砂中ガスガン100のメインガスノズルにメインガス燃料を供給するか否かを制御する。
また、バーナー制御部40は、温度監視部30の検出結果に基づいて、フリーボード温度検出部10と流動層温度検出部20との両方の検出結果がともに予め決められた温度以上を示している場合に、パイロット電磁弁500を閉じることにより、ガス燃料供給部400から砂中ガスガン100に供給されるパイロットガス燃料を遮断し、砂中ガスガン100のパイロットバーナーを消火させる。このパイロットバーナーの消火・着火については後述する。
【0017】
始動用バーナー200は、流動焼却炉装置1の運転開始時に点火し、流動焼却炉2内を加熱して、予め決められた温度まであたためる。砂中ガスガン100は、流動層部3を加熱する。バーナーブロワ300は、砂中ガスガン100と始動用バーナー200とに燃焼用空気を供給する。ガス燃料供給部400は、砂中ガスガン100と始動用バーナー200とにガス燃料(気体燃料)を供給する。
【0018】
次に、図1における砂中ガスガン100の構成について図2の構成図を用いて説明する。この図において、着火電極110は、バーナー制御部40からの点火指示に基づいて、火花を発生させてパイロットガス燃料に着火する。パイロットガス燃料供給部120は、パイロットバーナーにガス燃料を供給する。パイロット燃焼用空気供給部130は、パイロットバーナーに燃焼用空気を供給する。パイロット先端ノズル140は、着火電極110によって着火された火焔を噴射する。
【0019】
メインガスバーナー燃料供給部150は、メインガスノズル170内にガス燃料を供給する。燃焼用空気供給部160は、メインガスノズル170内に燃焼用空気を供給する。フレームアイ180は、メインガスノズル170に火焔が形成されているか否かを検出する。
【0020】
次に、図1におけるフリーボード温度検出部10、流動層温度検出部20、温度監視部30、バーナー制御部40、砂中ガスガン運転管理部50について、図3の概略ブロック図を用いて説明する。
この図において、フリーボード温度検出部10は、フリーボードの上段(上方)の温度を検出するフリーボード温度センサ10−1と、フリーボードの中段(中央)の温度を検出するフリーボード温度センサ10−2と、フリーボードの下段(下方)の温度を検出するフリーボード温度センサ10−3と、フリーボード温度センサ10−1〜10−3のそれぞれから出力される検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を選択し、選択した検出結果を温度監視部30に出力するフリーボード温度ハイセレクタ10−4とによって構成される。
【0021】
流動層温度検出部20は、流動層部の上段(上方)の温度を検出する流動層温度センサ20−1と、流動層部の中段(中央)の温度を検出する流動層温度センサ20−2と、流動層部の下段(下方)の温度を検出する流動層温度センサ20−3と、流動層温度センサ20−1〜20−3のそれぞれから出力される検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を選択し、選択した検出結果を温度監視部30に出力する流動層温度ハイセレクタ20−4とによって構成される。
【0022】
温度監視部30において、フリーボード温度設定器H(30−1)は、フリーボード温度ハイセレクタ10−4から出力される検出結果によって示される温度が予め決められた第1の設定値の温度以上を示している場合に、オン信号をAND回路30−5に出力する。この第1の設定値となる温度は、気体燃料として利用されるガス燃料が着火する温度(例えば、750℃)に応じて設定される。
フリーボード温度設定器L(30−2)は、フリーボード温度ハイセレクタ10−4から出力される検出結果によって示される温度が第1の設定値未満の温度を示している場合に、オン信号をOR回路30−6に出力する。
【0023】
流動層温度設定器H(30−3)は、流動層温度ハイセレクタ20−4から出力される検出結果によって示される温度が第2の設定値以上である場合にオン信号をAND回路30−5に出力する。この第2の設定値となる温度についても、気体燃料として利用されるガス燃料の着火する温度(例えば、680℃)に応じて設定される。
流動層温度設定器L(30−4)は、流動層温度ハイセレクタ20−4から出力される検出結果によって示される温度が第2の設定値未満である場合にオン信号をOR回路30−6に出力する。
【0024】
AND回路30−5は、フリーボード温度設定器H(30−1)と流動層温度設定器H(30−3)との両方からオン信号が出力されている場合に、バーナー制御部40のAND回路40−1にオン信号を出力する。
OR回路30−6は、フリーボード温度設定器L(30−2)と流動層温度設定器L(30−4)とのうち、いずれか一方からオン信号が出力された場合に、バーナー制御部40のAND回路40−2にオン信号を出力する。
【0025】
砂中ガスガン運転管理部50は、砂中ガスガン100が運転中であるか否かを監視し、運転中である場合に、オン信号をAND回路40−1とAND回路40−2とに出力する。
【0026】
バーナー制御部40において、AND回路40−1は、AND回路30−5と砂中ガスガン運転管理部50とからオン信号が出力されている場合に、パイロットバーナー消火部40−3にオン信号を出力する。パイロットバーナー消火部40−3は、AND回路40−1からオン信号が出力されている場合、パイロットバーナーを消火する。ここでいうパイロットバーナーとは、メインガスノズル170から噴射されるメインバーナーを点火するための種火のことである。
【0027】
AND回路40−2は、OR回路30−6と砂中ガスガン運転管理部50とからオン信号が出力されている場合に、パイロットバーナー着火部40−4にオン信号を出力する。パイロットバーナー着火部40−4は、AND回路40−2からオン信号が出力されている場合に、パイロットバーナーを着火する。
【0028】
また、バーナー制御部40は、パイロットバーナー着火部40−4によってパイロットバーナーを着火させる場合、図1におけるパイロット電磁弁500を開き、ガス燃料供給部400から供給されるガス燃料を、図2におけるパイロットガス燃料供給部120に供給するとともに、着火電極110によって火花を発生させて着火し、パイロットバーナーを消火させる場合、パイロット電磁弁500を閉じて、ガス燃料供給部400から供給されるガス燃料を遮断することにより消火する。
【0029】
次に、図1の構成における流動焼却炉装置1の動作について説明する。
流動焼却炉装置1を常温から起動する場合、バーナー制御部40は、まず、始動用バーナー200を着火し、流動層部の温度を1時間当たり所定の温度が上昇するように昇温させ、流動層部の温度が予め決められた第1の昇温温度以上に達した時点で、砂中ガスガン100も着火させ、更に昇温させ、第2の昇温温度に達した時点で始動用バーナー200を消火し、砂中ガスガン100のみを着火させ、第3の昇温温度まで昇温させる。流動焼却炉2内の昇温が完了した後、被焼却物投入部450から被焼却物(例えば、汚泥、脱水ケーキなど)を投入し、被焼却物を焼却する運転を行う。そして、砂中ガスガン100が運転中である場合、砂中ガスガン運転管理部50からオン信号が常に出力される。
【0030】
一方、フリーボード温度検出部10は、フリーボード温度センサ10−1〜10−3によって検出された検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果をフリーボード温度ハイセレクタ10−4によって選択して温度監視部30に出力する。流動層温度検出部20は、流動層温度センサ20−1〜20−3によって検出された検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を流動層温度ハイセレクタ20−4によって選択して温度監視部30に出力する。温度監視部30は、フリーボード温度ハイセレクタ10−4から出力された検出結果が第1の設定値以上であり、かつ、流動層温度ハイセレクタ20−4から出力された検出結果が第2の設定値以上である場合、AND回路30−5からオン信号をバーナー制御部40に出力する。
【0031】
バーナー制御部40は、砂中ガスガン運転管理部50とAND回路30−5からオン信号が出力されているので、AND回路40−1からパイロットバーナー消火部40−3にオン信号を出力する。パイロットバーナー消火部40−3は、AND回路40−1からのオン信号に基づいて、パイロット電磁弁500を閉じてパイロットバーナーを消火させる。このとき、パイロット燃焼用空気供給部130からの燃焼用空気は、継続して供給する。
【0032】
一方、温度監視部30は、フリーボード温度ハイセレクタ10−4からの検出結果が第1の設定値未満である場合あるいは、流動層温度ハイセレクタ20−4から出力された検出結果が第2の設定値未満である場合、OR回路30−6からオン信号をバーナー制御部40に出力する。
【0033】
バーナー制御部40は、砂中ガスガン運転管理部50とOR回路30−6からオン信号が出力されているので、AND回路40−2からパイロットバーナー着火部40−4にオン信号を出力する。パイロットバーナー着火部40−4は、AND回路40−2からのオン信号に基づいて、パイロット電磁弁500を開くとともに着火電極110によって火花を発生させてパイロットバーナーを着火させる。
【0034】
以上説明した実施形態によれば、従来のようにガスガン運転中において、パイロットバーナーを常に着火させておくのではなく、流動焼却炉内の温度の条件によりパイロットバーナーを着火または消火するようにしたので、パイロットバーナーの運転時間を減少させることができるとともに、ガスガン先端部近傍の過熱を防止し、損耗を減少させ、寿命を延長させることができる。
【0035】
また、上述した実施形態においては、第2の設定値より第1の設定値を大きくしてあるので、流動層部の熱がフリーボードに奪われることがないので、高温の雰囲気温度で確実に着火できる。
【0036】
また、上述した実施形態においては、フリーボード温度センサおよび流動層温度センサがそれぞれ3つ設けられる場合について説明したが、3つ以上設けるようにしてもよい。
【0037】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、流動焼却炉の流動層部の温度を検出し、この検出結果がメインガスノズルに供給される気体燃料が着火可能な温度となる予め決められた温度以上である場合に、パイロットバーナーを消火させるようにしたので、ガスガン内ではメインガス燃料に着火されず、メインガスノズルからメインガス燃料が噴射されたのち、流動層部内の高温の雰囲気温度によって着火される。これにより、パイロットバーナーを消火した後においても、流動層部内においてメインガス燃料が燃焼するので炉内温度が低下することなく、流動層部内の温度を保持することができるとともに、パイロットバーナーが消火されているので、パイロット燃料とパイロット燃焼空気との空気過剰率の変動によるパイロットバーナー先端部における過熱を防止することができ、ガスガンの溶損を防止することができ、ガスガンの寿命を延長させ、ガスガンの維持管理にかかるコスト・人件費・時間を低減させることができる効果が得られる。また、パイロットバーナーを消火するようにしたので、パイロットバーナーに消費されるガス燃料を節減させることができる。
【0039】
また、この発明によれば、流動焼却炉のフリーボードの温度を検出し、流動焼却炉の流動層部の温度を検出し、フリーボードの温度を検出した検出結果と流動層部の温度を検出した検出結果とがともに予め決められた温度以上である場合に、パイロットバーナーを消火させるようにしたので、ガスガン内ではメインガス燃料に着火されず、メインガスノズルからメインガス燃料が噴射されたのち、流動層部内の高温の雰囲気温度およびフリーボードにおける高温の雰囲気温度によって着火を確実にさせることができる。
【0040】
また、本発明によれば、パイロットバーナーを消火する場合に、気体燃料の供給を停止し、燃焼用空気の供給を維持するようにしたので、パイロットバーナーを消火した状態においても、流動層部内の砂がガスガン内に入り込むことを防止することができる。
【0041】
また、本発明によれば、パイロットバーナーを消火した後、フリーボード温度検出部の検出結果と流動層温度検出部の検出結果とのうち、いずれか一方の検出結果が予め決められた温度に達していない場合、パイロットバーナーを点火させるようにし、パイロットバーナーによってメインガス燃料に着火して火焔を形成してメインガスノズルから噴射させるようにしたので、流動焼却炉内の温度が低下して、メインノズルから噴射された生ガスが燃焼しない状態で流動焼却炉から排出され、後段で燃焼してしまうことを防止することができる。
【0042】
また、本発明によれば、フリーボードの温度を複数のフリーボード温度センサによって検出し、これらフリーボード温度センサの検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を選択して温度監視部に出力するようにしたので、フリーボードの温度を精度よく検出することができる。
【0043】
また、本発明によれば、流動層部の温度を複数の流動層温度センサによって検出し、これら流動層温度センサのそれぞれから出力される検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を選択して温度監視部に出力するようにしたので、流動層部の温度を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態による流動焼却炉装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1における砂中ガスガン100の構成について説明するための構成図である。
【図3】 フリーボード温度検出部10、流動層温度検出部20、温度監視部30、バーナー制御部40、砂中ガスガン運転管理部50について、説明するための概略ブロック図である。
【図4】 従来技術における流動焼却炉装置について説明するための概略構成図である。
【符号の説明】
1 流動焼却炉装置 2 流動焼却炉
3 流動層部 10 フリーボード温度検出部
10−1、10−2、10−3 フリーボード温度センサ
10−4 フリーボード温度ハイセレクタ
11 フリーボード 20 流動層温度検出部
20−1、20−2、20−3 流動層温度センサ
20−4 流動層温度ハイセレクタ
30 温度監視部 30−1 フリーボード温度設定器H
30−2 フリーボード温度設定器L
30−3 流動層温度設定器H 30−4 流動層温度設定器L
30−5、40−1、40−2 AND回路
30−6 OR回路 40 バーナー制御部
40−3 パイロットバーナー消火部
40−4 パイロットバーナー着火部

Claims (8)

  1. 流動層部内に挿入されたメインガスノズルから噴射される気体燃料にパイロットバーナーによって着火して流動層部を加熱するガスガンが設けられた流動焼却炉装置であって、
    流動焼却炉の流動層部の温度を検出する流動層温度検出部と、
    前記メインガスノズルに供給される気体燃料の着火可能な温度が設定値として予め設定されるとともに、前記流動層温度検出部の検出結果によって示される温度が前記設定値以上であるか否かを検出する温度監視部と、
    前記温度監視部の検出結果に基づいて、前記流動層温度検出部の検出結果によって示される温度が前記設定値以上である場合に、前記メインガスノズルからの気体燃料の噴射を維持したまま前記パイロットバーナーを消火させるバーナー制御部と、
    を有することを特徴とする流動焼却炉装置。
  2. 流動層部内に挿入されたメインガスノズルから噴射される気体燃料にパイロットバーナーによって着火して流動層部を加熱するガスガンが設けられた流動焼却炉装置であって、
    流動焼却炉のフリーボードの温度を検出するフリーボード温度検出部と、
    流動焼却炉の流動層部の温度を検出する流動層温度検出部と、
    前記メインガスノズルに供給される気体燃料の着火可能な温度が設定値として予め設定されるとともに、前記フリーボード温度検出部と前記流動層温度検出部との両方の検出結果が、ともに前記設定値以上であるか否かを検出する温度監視部と、
    前記温度監視部の検出結果に基づいて、前記フリーボード温度検出部と前記流動層温度検出部との両方の検出結果がともに設定値以上である場合に、前記メインガスノズルからの気体燃料の噴射を維持したまま前記パイロットバーナーを消火させるバーナー制御部と、
    を有することを特徴とする流動焼却炉装置。
  3. 前記バーナー制御部は、前記パイロットバーナーを消火する場合に、パイロットバーナーを燃焼させるために供給する気体燃料と燃焼用空気のうち、前記気体燃料の供給を停止し、前記燃焼用空気の供給を維持することを特徴とする請求項2記載の流動焼却炉装置。
  4. 前記バーナー制御部は、前記パイロットバーナーを消火した後、前記温度監視部の検出結果に基づいて、前記フリーボード温度検出部の検出結果と前記流動層温度検出部の検出結果とのうち、いずれか一方の検出結果が予め決められた温度に達していない場合、前記パイロットバーナーを点火させることを特徴とする請求項2または請求項3記載の流動焼却炉装置。
  5. 前記フリーボード温度検出部は、
    前記フリーボードに複数設けられ、前記フリーボードの温度を検出するフリーボード温度センサと、
    前記フリーボード温度センサのそれぞれから出力される検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を選択するフリーボード温度ハイセレクタとを有し、
    前記フリーボード温度ハイセレクタによって選択された検出結果を前記温度監視部に出力することを特徴とする請求項2から請求項4のうちいずれかに記載の流動焼却炉装置。
  6. 前記流動層温度検出部は、
    前記流動層部に複数設けられ、前記流動層部の温度を検出する流動層温度センサと、
    前記流動層温度センサのそれぞれから出力される検出結果のうち、最も高い温度を示す検出結果を選択する流動層温度ハイセレクタとを有し、
    前記流動層温度ハイセレクタによって選択された検出結果を前記温度監視部に出力することを特徴とする請求項2から請求項5のうちいずれかに記載の流動焼却炉装置。
  7. 流動層部内に挿入されたメインガスノズルから噴射される気体燃料にパイロットバーナーによって着火して流動層部を加熱するガスガンが設けられた流動焼却炉装置におけるガスガンの燃焼制御方法であって、
    流動焼却炉の流動層部の温度を検出し、
    前記流動層部の温度の検出結果がメインガスノズルに供給される気体燃料の着火可能な温度となる予め決められた温度以上であるか否かを検出し、この検出結果が予め決められた温度以上である場合に、前記メインガスノズルからの気体燃料の噴射を維持したまま前記パイロットバーナーを消火させることを特徴とするガスガンの燃焼制御方法。
  8. 流動層部内に挿入されたメインガスノズルから噴射される気体燃料にパイロットバーナーによって着火して流動層部を加熱するガスガンが設けられた流動焼却炉装置におけるガスガンの燃焼制御方法であって、
    前記流動焼却炉のフリーボードの温度を検出し、
    前記流動焼却炉の流動層部の温度を検出し、
    前記フリーボードの温度を検出した検出結果と前記流動層部の温度を検出した検出結果とが、ともに予め決められた温度以上である場合に、前記メインガスノズルからの気体燃料の噴射を維持したまま前記パイロットバーナーを消火させる
    ことを特徴とするガスガンの燃焼制御方法。
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