JP3776367B2

JP3776367B2 - Coated metal plate for thermal transfer excellent in dyeability and color uniformity of sublimation dye, and printed metal plate using the same

Info

Publication number: JP3776367B2
Application number: JP2002051348A
Authority: JP
Inventors: 薫兒島; 和彦高橋; 正樹佐藤; 謙二輿石
Original assignee: Nisshin Steel Co Ltd
Current assignee: Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Priority date: 2002-02-27
Filing date: 2002-02-27
Publication date: 2006-05-17
Anticipated expiration: 2022-02-27
Also published as: JP2003246008A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、フルカラー広告看板，装飾用内装材，エレベーター扉材，装飾用床材，電化製品，什器の外板等として使用され、各種の印刷模様が付けられる小ロット多品種用途に適した昇華性染料の染色性および色均一性に優れた熱転写用塗装金属板、およびそれを用いた印刷塗装金属板に関する。
【０００２】
【従来の技術】
昇華性染料を使用して印刷塗装金属板を製造する場合、オフセット，シルク，グラビア，転写等の印刷法で昇華性染料を塗装金属板のクリアー上塗り塗膜層に印刷し、ついで加熱処理を施すことにより昇華性染料をクリアー塗膜中に浸透させている。例えば、特開昭５１−２４３１３号公報では、転写シートを硬化性合成樹脂の塗布層に接触させて加熱している。特開昭５４−１０４９０７号公報では、塗装金属板上に昇華性染料を用い転写印刷して印刷層を形成した後、表層にさらにトップ塗膜を形成し、次いで加熱処理を施して塗膜の内側から昇華性染料を浸透させることによって模様を形成している。また、特開平７−３１９３１号公報では、鋼板表面にプライマー塗膜および有色トップ塗膜を形成したプリペイント鋼板の塗膜に熱昇華性インクを浸透させている。さらに、特開平７−１０２７３３号公報では、金属板素地上に設けられている不透明樹脂層の内部に昇華型着色剤を浸透させている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
昇華性染料を使用した従来の印刷法では、いずれもクリアー上塗り塗膜中に昇華性染料を浸透させて模様を形成しようとしている。
昇華性染料は、通常、極性が小さい分散染料または油性染料であり、クリアー上塗り塗膜の種類および膜厚によってはクリアー上塗り塗膜内に十分に吸着されずその下層であるベース塗膜中まで浸透してしまい目的とする色調が得られないことがあった。さらに昇華性染料がクリアー上塗り塗膜中に浸透するだけでなくさらにその下層であるベース塗膜にまで浸透した場合に、ベース塗膜の種類によっては昇華性染料が均一に浸透せず部分的に濃淡が生じる、いわゆる色ムラが発生することもあった。特にベタ印刷を行う場合に色ムラが顕著に目立つことがあった。
【０００４】
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、昇華性染料がクリアー上塗り塗膜内に十分に吸着されて染色性に優れるとともに、ベース塗膜に昇華性染料が浸透した場合でもベース塗膜が均一に染色されて昇華性染料の染色性および色均一性に優れた熱転写用塗装金属板および印刷塗装金属板を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の昇華性染料の染色性および色均一性に優れた熱転写用塗装金属板は、その目的を達成するため、金属板表面に、熱硬化型ポリエステル樹脂およびイソシアネート系硬化剤を主成分とする塗料から形成されたベース塗膜層と、ポリエステル系，アクリル系，ウレタン系，シリコーン−ポリエステル系，シリコーン−アクリル系のいずれかの樹脂を主成分とするクリアー上塗り塗料から形成されたクリアー上塗り塗膜層が順次積層されていることを特徴とする。
ベース塗膜層としては、樹脂固形分１００重量部に対するイソシアネート系硬化剤含有量が１０〜５０重量部であるポリエステル系樹脂塗料から形成され、塗膜厚を１０〜２０μｍにしたものが好ましい。また、クリアー上塗り塗膜層の塗膜厚は６μｍ以上にすることが好ましい。
このような熱転写用塗装金属板に、昇華性染料を含む転写紙を重ね合わせて加熱処理することにより、昇華性染料の浸透により着色模様が付与された塗膜が金属板表面に設けられた印刷塗装金属板が得られる。
【０００６】
【作用】
本発明者等は、ベース塗膜層を構成する熱硬化型ポリエステル樹脂に対する昇華性染料の浸透性について検討した。
金属板にポリエステル系樹脂を塗装する際には、メラミン系硬化剤が一般的に広く使用されている。しかしながら、メラミン系硬化剤を使用すると塗膜表層にメラミン樹脂の濃化層が、不均一な厚さで形成される。そのため、クリアー樹脂層を浸透してベース塗膜まで到達した昇華性染料は、ベース塗膜層に浸透する際色ムラを発生しやすい。すなわち、メラミン樹脂の濃化層が厚い表層の部分では、昇華性染料が浸透しづらくそこに留まりやすく色としては濃くなる。メラミン樹脂の濃化層が薄い表層の部分では、昇華性染料が浸透しやすく塗膜内部まで浸透するため色として薄くなる。このため、色ムラが発生することになる。したがって、メラミン系硬化剤の使用は適切でない。
【０００７】
本発明では、メラミン系硬化剤のように表層濃化がない硬化剤として、イソシアネート系硬化剤を使用することとした。
メラミン系硬化剤の場合、ポリエステル樹脂との相溶性が一般的に低く、かつポリエステル樹脂との反応よりもメラミン同士による自己縮合の反応速度が速いために塗膜表層にメラミンの濃化層ができやすい。
これに対して、イソシアネート系硬化剤はポリエステル樹脂との相溶性も高く、かつイソシアネート同士の反応性も低いために、ポリエステル樹脂とイソシアネート系硬化剤の反応は、ポリエステル樹脂の水酸基とイソシアネート基による付加重合が均一かつメインの反応となる。そのためにメラミン系硬化剤のような表層濃化を起こすことなく、ポリエステル樹脂とイソシアネート系硬化剤による均一な架橋された塗膜が形成される。そのため、昇華性染料がベース塗膜に浸透した場合でもベース塗膜に均一に浸透するため均一な色調を発現することができる。
【０００８】
さらに、クリアー上塗り塗膜層をポリエステル系，アクリル系，ウレタン系，シリコーン−ポリエステル系，シリコーン−アクリル系のいずれかの樹脂を主成分とする塗料で形成した。
ポリエチレンやポリプロピレンのような極性基を有しないオレフィン系樹脂やポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂では、昇華性染料を吸着する官能基が少ないために充分な色調を得ることができないのに対して、本発明で使用したポリエステル系，アクリル系，ウレタン系，シリコーン−ポリエステル系あるいはシリコーン−アクリル系の樹脂は、Ｃ＝Ｏ基，ＯＨ基などの極性基を有するために昇華性染料が吸着されやすく、塗膜として染色されやすく、すなわち染色性に優れると予測される。
【０００９】
【実施の態様】
本発明にしたがった熱転写用塗装金属板は、めっき鋼板，ステンレス鋼板，冷延鋼板，アルミニウム板等の下地金属板１とし、この下地金属板１の上にベース塗膜層２を形成している。さらにその上に最外層としてクリアー上塗り塗膜層３を形成している。ベース塗膜層２の色調は白色が好ましい。
ベース塗膜層２の膜厚は１０〜２０μｍの塗装厚みをもつことが好ましい。膜厚が１０μｍに満たないベース塗膜層２では、下地金属板１の色調が十分に隠蔽できない。逆に２０μｍを超える膜厚のベース塗膜層２では、焼付け時に塗膜中に残留した溶剤が急激に気化し、「わき」と呼ばれるピンホール状の塗膜欠陥を生じる虞がある。
また、クリアー上塗り塗膜層３の膜厚は６μｍ以上にすることが好ましい。６μｍに満たないと昇華性染料の吸着量が不足して充分な色調が得られない。膜厚の上限は特に規定しないが、クリアー上塗り塗料の焼付け時に「わき」などの表面欠陥が発生しない膜厚であれば良い。艶消し調の塗膜外観を得るためにはシリカ等の骨材を添加しても良い。
【００１０】
ベース塗膜については、樹脂としては下地金属およびクリアー上塗り塗膜との密着性に優れるポリエステル系樹脂を用いる。硬化剤としては、前記した理由からイソシアネート系硬化剤を用いる。イソシアネート系硬化剤としては例えば、トリレンジイソシアネート，ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート，リジンジイソシアネート，イソホロンジイソシアネート，トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート，キシリレンジジイソシアネートなどの脂肪族あるいは脂環族ジイソシアネート、およびこれらのブロック化イソシアネートが好ましい。
また、イソシアネート系硬化剤の添加量は樹脂固形分１００重量部に対して、１０〜５０重量部にすることが好ましい。１０重量部に満たないと上塗り塗膜との密着性が得られ難い。５０重量部を超えると塗装金属板の加工性が低下する傾向が見られる。
【００１１】
クリアー上塗り塗装用樹脂としては、上記した理由から、ポリエステル系，アクリル系，ウレタン系，アクリル−ウレタン系，シリコーン−ポリエステル系，シリコーン−アクリル系の何れかの樹脂を用いる。
上記したように、艶消し調の塗膜外観を得るためにシリカ等の骨材を添加しても良い。また、屋外に曝される場合にはこのクリアー上塗り塗膜中に、太陽光線中の紫外線の透過による昇華性染料の褪色や塗膜の光沢低下を防止するため紫外線吸収剤を添加することが好ましい。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系又はトリアジン系が使用される。好ましくはトリアジン系単独又はトリアジン系とベンゾトリアゾール系とを複合して添加する。紫外線吸収剤としては、大気雰囲気中、昇温速度５℃／分の加熱条件下において３００℃で１０重量％以下の重量減少のものが好ましい。
【００１２】
ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤としては、オクチル-3-[3-ｔ-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)]-4-ヒドロキシフェニル]プロピネート（チバガイギー社製 TINUVIN 384），2-「2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α、α'ジメチルベンジル)フェニル」-2H-ベンゾトリアゾール（チバガイギー社製 TINUVIN 900），メチル-3-[3-t-ブチル-5-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)]-4-ヒドロキシフェニル]プロピネートとポリエチレングリコール（分子量約300）との縮合物（チバガイギー社製 TINUVIN 1130），2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3",4",5",6"-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5'-メチルフェニル]-ベンゾトリアゾール（共同薬品株式会社製 Viosorb 590）等が挙げられる。
【００１３】
トリアジン系紫外線吸収剤としては、たとえば2‐[4‐[(2‐ヒドロキシ‐3‐ジデシルオキシプロピル)‐オキシ]‐2‐ヒドロキシフェニル]‐4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジンと2‐[4‐[(2‐ヒドロキシ‐3‐トリデシルオキシプロピル)‐オキシ]‐2‐ヒドロキシフェニル]‐4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル‐1,3,5‐トリアジンの混合物（チバガイギー社製 TINUVIN 400）等が挙げられる。
【００１４】
これらの紫外線吸収剤は、単独でも、２種以上を混合しても使用することができる。紫外線吸収剤の配合量は、塗料の不揮発成分１００質量部に対して３〜２２重量部に調整することが好ましい。３質量部に満たない配合量では、クリアー上塗り塗膜層３に浸透した昇華性染料の耐光性が不十分になりやすい。逆に、２２重量部を超える配合量では、塗膜の耐汚染性，加工性，塗膜外観等が劣化しやすくなる。また、紫外線吸収剤による塗膜の着色も観察されるようになる。
クリアー上塗り塗膜層３の耐光性をさらに向上させるために、必要に応じてヒンダードアミン系の光安定剤を塗料不揮発分１００重量部に対して３重量部以下の割合で配合させることが好ましい。ヒンダードアミン系の光安定剤としては、次のものが挙げられる。
【００１５】
ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート（三共株式会社製 SANOL LS770），ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート（三共株式会社製 SANOL LS765），1-[2-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-4-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン（三共株式会社製 SANOL LS2626），4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン（三共株式会社製 SANOL LS744），8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4,5]デカン-2,4-ジオン（三共株式会社製 SANOL LS440），2-(3,5-ジ-t-ヒドロキシベンジル-2-n-ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)（チバガイギー社製 TINUVIN 144），コハク酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)エステル（チバガイギー社製 TINUVIN 780FF），コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンの重縮合物（チバガイギー社製 TINUVIN 622LD），ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]（チバガイギー社製 CHIMASSORB 944LD），N,N'-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミンと2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ]-6-クロロ-1,3,5-トリアジンの重縮合物（チバガイギー社製 CHIMASSORB 119FL），ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート（チバガイギー社製 TINUVIN 292），ビス(1-オクタオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート（チバガイギー社製 TINUVIN 123），HA-70G（三共株式会社製），アデカスタブLA-52，アデカスタブLA-57，アデカスタブLA-62，アデカスタブLA-63，アデカスタブLA-67，アデカスタブLA-68，アデカスタブLA-82，アデカスタブLA-87（旭電化工業株式会社製）。
【００１６】
これらの光安定剤は、単独でも、あるいは２種以上を混合しても使用できる。光安定剤の配合量を３．０重量部より多量にしても、塗膜中に浸透した昇華性染料の耐光性を向上させる効果は飽和し、増量に見合った改善が見られず、逆に塗装外観が劣化する傾向を示す。光安定剤は、好ましくは０．５〜２．０重量部の範囲で配合される。
【００１７】
昇華性染料で予め模様を付けた転写シートを下地金属板１に接触させて加熱すると、昇華した染料がクリアー上塗り塗膜層３の中に浸透し、厚み方向に染着した模様が形成される。転写シートは、グラビア印刷，オフセット印刷，スクリーン印刷等によって作製される。また、小ロット印刷用には、製版工程を必要としないコンピュータグラフィックを用いた電子写真法，静電記録法，インクジェット法，感熱転写法等を採用することもできる。
昇華性染料は、加熱された際に昇華，揮発等の現象によってクリアー上塗り塗膜層３に転移しうる染料であり、たとえばキノフタロン誘導体，アントラキノン誘導体，アゾ系色素等の分散染料が好適に用いられる。また、従来から昇華熱転写，昇華転写捺染等に使用されている染料は、特に制約なく使用することができる。
【００１８】
この種のイエロー系染料としては、Kayaset Yellow AG，Kayaset Yellow TDN（以上、日本化薬株式会社製），RTY 52，Dianix Yellow 5R-E，Dianix Yellow F3G-E，Dianix Brilliant Yellow 5G‐E（以上、三菱化学株式会社製），ブラストYellow 8040，DY108 （以上、有本化学株式会社製），Sumikaron Yellow EFG，Sumikaron Yellow E‐4GL（以上、住友化学株式会社製），FORON Brilliant Yellow SGGLPI （Sand社製），PSイエローGG（三井東圧染料株式会社製）等がある。
【００１９】
マゼンタ系の昇華性染料には、Kayaset Red 026，Kayaset Red 130，Kayaset Red B（以上、日本化薬株式会社製），Oil Red DR‐99，Oil Red DK‐99（以上、有本化学株式会社製），Diacelliton Pink B（三菱化学株式会社製），Sumikaron Red E-FBL（住友化学株式会社製），Latyl Red B（Du Pont社製），Sudan Red 7B（BASF社製），Resolin Red FB，Ceres Red 7B(以上、Bayer社製)等がある。
【００２０】
シアン系の昇華性染料には、Kayalon Fast Blue FG，Kayalon Blue FR，Kayaset Blue 136，Kayaset Blue 906（以上、日本化薬株式会社製），Oil Blue 63（有本化学株式会社製），HSB9，RTB31（以上、三菱化学株式会社製），Disperse Blue #1（住友化学株式会社製），MS Blue 50（三井東圧染料株式会社製），Ceres Blue GN（Bayer社製），Duranol Brilliant Blue 2G（ICI社製）等がある。
【００２１】
各色用の昇華性染料は、単独でもあるいは２種以上を混合しても使用される。黒色の色調は、イエロー，マゼンタ，シアン用の昇華性染料を適宜混合することにより得られる。イエロー，マゼンタ，シアン以外の色調をもつ昇華性染料としては、昇華温度（液状状態から揮発する場合も含む）が６０℃以上の染料が好ましい。昇華性染料を選択する際には、昇華温度の高い染料の方が比較的分子量が大きく、優れた耐光性，耐熱性を塗膜に付与することから好ましい。
【００２２】
下地金属板１と接触した状態で転写シートが加熱されると、転写シートに含まれている昇華性染料が昇華し、図１に示すようにクリアー上塗り塗膜層３を厚み方向に浸透する。そのため、厚み方向にほぼ均一に染着されたクリアー上塗り塗膜層３で立体的な印刷模様が発現される。得られた印刷模様は、クリアー上塗り塗膜層３の表層のみに昇華性染料が濃化したものではないため、擦れ等によって印刷薄れが生じることなく、また熱転写で意匠を付与した後の転写印刷層を透明樹脂で保護する後工程も省略される。しかも、厚み方向にほぼ均一に染着されたクリアー上塗り塗膜３で印刷模様が発現されるため、深み感，立体感，光沢度および鮮映性に優れた印刷模様が得られる。このようにして、必要な模様を必要な時に簡便に付与できるため、各種模様付けが要求される意匠鋼板の小ロット生産が容易になる。しかも、所定模様を付けた意匠鋼板を在庫する必要がなくなり、ニーズに応じた模様付けが可能になる。また、クリアー上塗り塗膜層３と下地金属板１との間に染料層が単独で存在することがないため、従来のラミネート鋼板にみられたような層間剥離も生じない。
【００２３】
【実施例】
実施例１
転写原板として使用する塗装金属板の製造
板厚０．５ｍｍのＺｎめっき鋼板を脱脂，表面調整処理して塗布型クロメート処理を施した後、乾燥膜厚が１５μｍとなる塗布量で白色ポリエステル系樹脂塗料を塗布し、板温２２０℃で１分間焼き付けることにより白色ベース塗膜層を形成した。ベースコート用の樹脂塗料としては、樹脂固形分１００重量部に対するイソシアネート系硬化剤含有量が５〜６０重量部であるポリエステル系樹脂塗料、および比較例としてメラミン系硬化剤含有量が２０〜３０重量部であるポリエステル系樹脂塗料を使用した。なお、イソシアネート系硬化剤としては、トリレンジイソシアネート（ＴＤＩ），ヘキサメチレンジイソシアネート（ＨＭＤＩ），イソホロンジイソシアネート（ＩＰＤＩ）を、メラミン系硬化剤としては、メチル化メラミン，ブチル化メラミンを使用した。また、塗膜厚は８〜２３μｍとした。
【００２４】
次いで、クリアー樹脂塗料を乾燥膜厚で１８μｍとなるように白色ベースコート層上に塗布した。クリアー樹脂塗料としては、樹脂固形分１００重量部に対するメラミン含有量が３０重量部であるポリエステル系樹脂塗料を使用した。
また、クリアー樹脂塗料中にトリアジン系紫外線吸収剤（チバガイギー株式会社製 TINUVIN400）およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤（チバガイギー社製 TINUVIN 384）を１：１の割合で混合したものを塗料不揮発成分基準で８重量部添加した。さらに、全てのクリアー樹脂塗料には、ヒンダードアミン系光安定剤（チバガイギー社製 TINUVIN 123）を１．５重量部添加した。
塗布された塗料を板温２３０℃で１分間焼き付けることにより、クリアー上塗り塗膜を形成した。
得られた各塗装鋼板のベース塗膜の組成と膜厚を表１に示す。
【００２５】

【００２６】
転写印刷
シアンの昇華性染料から作製した昇華性染料インキ（紀和化学工業株式会社製）を用い、インクジェットプリンタ（株式会社ミマキエンジニアリング製 JV2‐130）で出力用紙にシアンのベタ模様を出力した。得られた転写紙を塗装鋼板の塗装面に重ね合わせ、温度１６０℃及び圧力０．５ｋｇｆ／ｃｍ²で１５０秒間加熱圧着した。圧着完了後、塗装鋼板から静電記録紙を剥離した。
【００２７】
印刷塗装鋼板の性能試験
以上のように製造した各印刷塗装鋼板に対して塗装外観，染色性，色均一性，塗膜硬度，塗膜密着性，加工性を調査した。
調査結果を表２に示す。なお、表２に示す各性質は、次のように評価した。
塗装外観は、原板の透け、塗膜のわきなどを目視で評価し、全く異常のないものを○、原板の透け、塗膜のわきなどが一部認められるものを△、原板の透け、塗膜のわきなどが全面に認められるものを×とした。
染色性は、反射濃度計Macbeth RD‐1200で反射濃度を測定し、１．８以上を○、１．５以上１．８未満を△、１．５未満を×とした。
色均一性は、目視により評価し、色ムラのない均一に染色されているものを○、色ムラは発生し、均一に染色されていないものを×とした。
【００２８】
塗膜硬度は、ＪＩＳＫ５４００６−８．４に準拠し、鉛筆（三菱ユニ三菱鉛筆株式会社製）を用いて傷付け法で調査し、傷が付かない限界の鉛筆硬度で評価した。色ムラのないものは任意の２点を測定し、色ムラのあるものは濃色部と淡色部をそれぞれ測定した。
塗膜密着性試験は、碁盤目エリクセン（ＪＩＳＧ３３２０に規定されている碁盤目を入れ、６ｍｍ押し出す）試験を行い、粘着テープの剥離に伴った塗膜の剥離の有無を観察し、剥離のないものを○、１０％以内で剥離したものを△、１０％を超えて剥離したものを×とした。
【００２９】
加工性は、２０℃の室内で４ｔおよび５ｔの１８０度折り曲げ加工（試験片と同じ厚さの板を１枚挟んだ場合が１ｔ）を施し、曲げの程度に応じた塗膜のクラック発生状況を調査することで評価した。
４ｔで塗膜にクラックが発生しなかったものを○、５ｔで塗膜にクラックが発生しなかったものを△、５ｔで塗膜にクラックが発生したものを×として評価した。なお、△であれば、プレコート鋼板用として実用に供し得る。
【００３０】

【００３１】
表２からも明らかなように、本発明例では、外観，染色性，色均一性，塗膜密着性，加工性の何れについても満足できる特性を呈していた。特にイソシアネート系硬化剤の含有量と、ベース塗膜の膜厚を所定の範囲にしたものは、その特性が優れていた。また、場所による塗膜硬度の差もなかった。
これに対し比較例では、メラミン系硬化剤を使用した比較例試料番号９，１０はいずれも色均一性に劣っていた。また、塗膜硬度は淡色部よりも濃色部の方が高く、メラミン表層硬化層の厚みの違いが色ムラの原因になっていると考えられる。
【００３２】
実施例２
次に、クリアー上塗り塗膜を形成する樹脂と膜厚の影響を見るために、各種のクリアー樹脂塗料を、乾燥膜厚を変えて白色ベースコート層上に塗布した。なお白色ベースコート層としては、実施例１中の試料番号２のものを使用した。また、クリアー樹脂塗料中には、実施例１と同様にトリアジン系紫外線吸収剤（チバガイギー株式会社製 TINUVIN400）およびベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤（チバガイギー社製 TINUVIN 384）を１：１の割合で混合したものを塗料不揮発成基準で８重量部添加した。さらに、全てのクリアー樹脂塗料には、ヒンダードアミン系光安定剤（チバガイギー社製 TINUVIN 123）を１．５重量部添加した。
実施例１と同様に、塗布された塗料を板温２３０℃で１分間焼き付けることにより、クリアー上塗り塗膜を形成した。
得られた各塗装鋼板のクリアー上塗り塗膜の樹脂の種類と膜厚を表３に示す。
【００３３】

【００３４】
得られた各塗装鋼板について、実施例１と全く同様な性能試験を行った。
その結果を表３に併せて表記した。
表３からも明らかなように、本発明例では、染色性，色均一性，塗膜密着性，加工性の何れについても満足できる特性を呈していた。特にクリアー上塗り塗膜の膜厚を所定の範囲にしたものは、染色性が優れていた。
これに対して、クリアー上塗り塗膜をポリエチレン，ポリプロピレン，ポリフッ化ビニリデン系の樹脂で形成した比較例試料番号８，９，１０では染色性，密着性に劣っていた。
この結果からも、クリアー上塗り塗膜としては、ポリエステル系，アクリル系，ウレタン系，シリコーン−ポリエステル系，シリコーン−アクリル系のいずれかの樹脂を主成分とするクリアー上塗り塗料から形成したものが染色性に優れることがわかる。
【００３５】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の熱転写用塗装金属板は、熱硬化型ポリエステル樹脂およびイソシアネート系硬化剤を主成分とする塗料から形成されたベース塗膜層と、ポリエステル系，アクリル系，ウレタン系，シリコーン−ポリエステル系，シリコーン−アクリル系のいずれかの樹脂を主成分とするクリアー上塗り塗料から形成されたクリアー上塗り塗膜層が順次積層されていることにより、昇華性染料がトップ塗膜内に十分に吸着されて染色性に優れるとともに、ベース塗膜に昇華性染料が浸透した場合でもベース塗膜が均一に染色されて優れた染色性および色均一性を発現する。
したがって、この塗装金属板を熱転写法に採用した印刷塗装金属板は、意匠性に優れ、フルカラー広告看板，装飾用内装材，電化製品，什器の外板等として広範な分野で使用される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にしたがった印刷塗装金属板の表層部断面を説明する図
【符号の説明】
１：下地金属板２：ベース塗膜層３：クリアー上塗り塗膜層
４：昇華性染料染着層[0001]
[Industrial application fields]
The present invention is used as a full color advertising signboard, decorative interior material, elevator door material, decorative flooring, electrical appliance, outer plate of furniture, etc., and sublimation suitable for small lots and various types of products with various printed patterns. TECHNICAL FIELD The present invention relates to a thermal transfer coated metal plate excellent in dyeing property and color uniformity, and a printed coated metal plate using the same.
[0002]
[Prior art]
When producing printed metal sheets using sublimation dyes, print the sublimation dyes on the clear top coat layer of the painted metal sheets using printing methods such as offset, silk, gravure, and transfer, and then heat-treat them. As a result, a sublimable dye is infiltrated into the clear coating film. For example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 51-24313, a transfer sheet is heated in contact with a coating layer of a curable synthetic resin. In JP-A-54-104907, a printing layer is formed by transfer printing on a coated metal plate using a sublimation dye, and then a top coating film is further formed on the surface layer. A pattern is formed by infiltrating a sublimable dye from the inside. In JP-A-7-31931, heat sublimation ink is infiltrated into a coating film of a prepainted steel sheet in which a primer coating and a colored top coating are formed on the surface of the steel sheet. Furthermore, in JP-A-7-102733, a sublimation colorant is infiltrated into an opaque resin layer provided on a metal plate substrate.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In all the conventional printing methods using sublimation dyes, a pattern is formed by infiltrating the sublimation dye into the clear topcoat film.
Sublimation dyes are usually disperse dyes or oil-based dyes with a low polarity, and depending on the type and film thickness of the clear topcoat film, they are not sufficiently adsorbed into the clear topcoat film and penetrate into the underlying base coat. As a result, the target color tone may not be obtained. Furthermore, when the sublimation dye penetrates not only into the clear top coat but also into the underlying base coat, depending on the type of base coat, the sublimation dye does not penetrate evenly and partially In some cases, so-called color unevenness, in which shading occurs, may occur. In particular, color unevenness may be noticeable when performing solid printing.
[0004]
The present invention has been devised to solve such problems, and the sublimation dye is sufficiently adsorbed in the clear topcoat film and has excellent dyeability, and the sublimation dye penetrates into the base film. It is an object of the present invention to provide a heat transfer coated metal plate and a printed metal plate that are excellent in dyeing properties and color uniformity of a sublimation dye even when the base coating film is evenly dyed.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the object, the coated metal plate for thermal transfer excellent in dyeability and color uniformity of the sublimation dye of the present invention is mainly composed of a thermosetting polyester resin and an isocyanate curing agent on the surface of the metal plate. A base coating layer formed from a paint and a clear top coating formed from a clear top coating mainly composed of a polyester, acrylic, urethane, silicone-polyester, or silicone-acrylic resin. The layers are sequentially stacked.
The base coating layer is preferably formed from a polyester resin coating having an isocyanate curing agent content of 10 to 50 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content and having a coating thickness of 10 to 20 μm. Moreover, it is preferable that the film thickness of a clear top coat film layer shall be 6 micrometers or more.
Printing in which a coating with a colored pattern is provided on the surface of the metal plate by infiltrating the sublimation dye by heat-treating the transfer paper containing the sublimation dye on the coated metal plate for thermal transfer. A painted metal plate is obtained.
[0006]
[Action]
The present inventors examined the permeability of the sublimable dye to the thermosetting polyester resin constituting the base coating film layer.
When a polyester resin is applied to a metal plate, a melamine curing agent is generally widely used. However, when a melamine curing agent is used, a concentrated layer of melamine resin is formed with a non-uniform thickness on the surface of the coating film. Therefore, the sublimable dye that has penetrated through the clear resin layer and reached the base coating film is likely to cause color unevenness when penetrating into the base coating layer. That is, in the surface layer portion where the thickened layer of melamine resin is thick, the sublimable dye is difficult to permeate and stays there, and the color becomes dark. In the surface layer portion where the concentrated layer of the melamine resin is thin, the sublimable dye easily permeates and penetrates to the inside of the coating film, so that the color becomes light. For this reason, color unevenness occurs. Therefore, the use of a melamine curing agent is not appropriate.
[0007]
In the present invention, an isocyanate-based curing agent is used as a curing agent having no surface thickening like a melamine-based curing agent.
In the case of melamine-based curing agents, the compatibility with the polyester resin is generally low, and since the reaction rate of self-condensation with melamine is faster than the reaction with the polyester resin, a concentrated melamine layer is formed on the surface of the coating film. Cheap.
On the other hand, since the isocyanate curing agent has high compatibility with the polyester resin and the reactivity between the isocyanates is low, the reaction between the polyester resin and the isocyanate curing agent is caused by addition of the hydroxyl group and isocyanate group of the polyester resin. Polymerization is a uniform and main reaction. Therefore, a uniform cross-linked coating film formed of the polyester resin and the isocyanate curing agent is formed without causing the surface layer concentration like the melamine curing agent. Therefore, even when the sublimable dye penetrates into the base coating film, it uniformly penetrates into the base coating film, so that a uniform color tone can be expressed.
[0008]
Furthermore, the clear top coat film layer was formed of a paint mainly composed of any one of polyester, acrylic, urethane, silicone-polyester, and silicone-acrylic resins.
Olefin resins that do not have polar groups such as polyethylene and polypropylene, and fluororesins such as polyvinylidene fluoride and polytetrafluoroethylene can obtain sufficient color tone because there are few functional groups that adsorb sublimable dyes. In contrast, the polyester-based, acrylic-based, urethane-based, silicone-polyester-based, or silicone-acrylic-based resins used in the present invention have polar groups such as C = O groups and OH groups, so that they are sublimable. It is expected that the dye is easily adsorbed and dyed as a coating film, that is, excellent in dyeability.
[0009]
Embodiment
The coated metal plate for thermal transfer according to the present invention is a base metal plate 1 such as a plated steel plate, a stainless steel plate, a cold rolled steel plate, or an aluminum plate, and a base coating layer 2 is formed on the base metal plate 1. . Further, a clear top coat layer 3 is formed thereon as an outermost layer. The color tone of the base coating layer 2 is preferably white.
The base coating layer 2 preferably has a coating thickness of 10 to 20 μm. In the base coating film layer 2 having a film thickness of less than 10 μm, the color tone of the base metal plate 1 cannot be sufficiently concealed. On the contrary, in the base coating film layer 2 having a film thickness exceeding 20 μm, the solvent remaining in the coating film during the baking is rapidly vaporized, which may cause a pinhole-shaped coating defect called “baki”.
The film thickness of the clear top coat layer 3 is preferably 6 μm or more. If it is less than 6 μm, the amount of sublimation dye adsorbed is insufficient and sufficient color tone cannot be obtained. The upper limit of the film thickness is not particularly specified, but any film thickness that does not cause surface defects such as “waki” during baking of the clear top coating material may be used. In order to obtain a matte paint film appearance, an aggregate such as silica may be added.
[0010]
For the base coating film, a polyester resin having excellent adhesion to the base metal and the clear top coating film is used as the resin. As the curing agent, an isocyanate curing agent is used for the reason described above. Examples of the isocyanate curing agent include aromatic diisocyanates such as aromatic diisocyanates such as tolylene diisocyanate and diphenylmethane diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate, isophorone diisocyanate, trimethylhexamethylene diisocyanate, and xylylene diisocyanate, and these. The blocked isocyanate is preferred.
Moreover, it is preferable that the addition amount of an isocyanate type hardening | curing agent shall be 10-50 weight part with respect to 100 weight part of resin solid content. If it is less than 10 parts by weight, it is difficult to obtain adhesion with the top coat film. When it exceeds 50 parts by weight, the tendency of the workability of the coated metal plate to be reduced is observed.
[0011]
As the clear topcoat resin, any of polyester, acrylic, urethane, acryl-urethane, silicone-polyester, and silicone-acrylic resins is used for the reasons described above.
As described above, an aggregate such as silica may be added in order to obtain a matte paint film appearance. In addition, when exposed to the outdoors, it is preferable to add an ultraviolet absorber in the clear topcoat film in order to prevent discoloration of the sublimation dye and decrease in gloss of the film due to transmission of ultraviolet rays in sunlight. . As the ultraviolet absorber, benzotriazole or triazine is used. Preferably, the triazine type alone or a combination of triazine type and benzotriazole type is added. As the ultraviolet absorber, those having a weight loss of 10% by weight or less at 300 ° C. in an air atmosphere under a heating condition of 5 ° C./min are preferable.
[0012]
Benzotriazole-based UV absorbers include octyl-3- [3-t-butyl-5- (2H-benzotriazol-2-yl)]-4-hydroxyphenyl] propinate (TINUVIN 384 manufactured by Ciba Geigy), 2 -"2-hydroxy-3,5-bis (α, α'dimethylbenzyl) phenyl" -2H-benzotriazole (TINUVIN 900 from Ciba Geigy), methyl-3- [3-t-butyl-5- (2H- Condensation product of benzotriazol-2-yl)]-4-hydroxyphenyl] propinate and polyethylene glycol (molecular weight about 300) (TINUVIN 1130, manufactured by Ciba Geigy), 2- [2'-hydroxy-3 '-(3 ", And 4 ", 5", 6 "-tetrahydrophthalimidomethyl) -5'-methylphenyl] -benzotriazole (Viosorb 590 manufactured by Kyodo Yakuhin Co., Ltd.).
[0013]
Examples of triazine ultraviolet absorbers include 2- [4-[(2-hydroxy-3-didecyloxypropyl) -oxy] -2-hydroxyphenyl] -4,6-bis (2,4-dimethylphenyl). -1,3,5-triazine and 2- [4-[(2-hydroxy-3-tridecyloxypropyl) -oxy] -2-hydroxyphenyl] -4,6-bis (2,4-dimethylphenyl- Examples include a mixture of 1,3,5-triazine (TINUVIN 400 manufactured by Ciba Geigy).
[0014]
These ultraviolet absorbers can be used alone or in combination of two or more. The blending amount of the ultraviolet absorber is preferably adjusted to 3 to 22 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the nonvolatile component of the paint. If the blending amount is less than 3 parts by mass, the light resistance of the sublimation dye that has penetrated into the clear top coat layer 3 tends to be insufficient. On the other hand, if the blending amount exceeds 22 parts by weight, the stain resistance, processability, coating film appearance, etc. of the coating film tend to deteriorate. In addition, the coating film is also colored by the ultraviolet absorber.
In order to further improve the light resistance of the clear top coat layer 3, it is preferable to add a hindered amine light stabilizer in a proportion of 3 parts by weight or less with respect to 100 parts by weight of the non-volatile component of the paint as necessary. The following are mentioned as a hindered amine light stabilizer.
[0015]
Bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate (SANYO LS770 manufactured by Sankyo Corporation), Bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate (Sankyo Corporation) SANOL LS765), 1- [2- [3- (3,5-Di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxy] ethyl] -4- [3- (3,5-di-t-butyl -4-hydroxyphenyl) propionyloxy] -2,2,6,6-tetramethylpiperidine (SANOL LS2626 manufactured by Sankyo Corporation), 4-benzoyloxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine (Sankyo Corporation) SANOL LS744), 8-acetyl-3-dodecyl-7,7,9,9-tetramethyl-1,3,8-triazaspiro [4,5] decane-2,4-dione (SANOL LS440 manufactured by Sankyo Corporation) ), 2- (3,5-di-t-hydroxybenzyl-2-n-butylmalonate bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) (TINUVIN 144, manufactured by Ciba-Geigy), amber Acid bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) ester (thio TINUVIN 780FF from Geigy, polycondensate of dimethyl succinate and 1- (2-hydroxyethyl) -4-hydroxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine (TINUVIN 622LD from Ciba Geigy), poly [[ 6- (1,1,3,3-Tetramethylbutyl) amino-1,3,5-triazine-2,4-diyl] [(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) imino] Hexamethylene [(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) imino]] (CHIMASSORB 944LD manufactured by Ciba Geigy), N, N'-bis (3-aminopropyl) ethylenediamine and 2,4-bis [ N-butyl-N- (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) amino] -6-chloro-1,3,5-triazine polycondensate (CibaSSOGI CHIMASSORB 119FL), bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate (TINUVIN 292 manufactured by Ciba Geigy), bis (1-octaoxy-2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate (Ciba Geigy) TINUVIN 123), HA-70G ( ADK STAB LA-52, ADK STAB LA-57, ADK STAB LA-62, ADK STAB LA-63, ADK STAB LA-67, ADK STAB LA-68, ADK STAB LA-82, ADK STAB LA-87 (Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) Company-made).
[0016]
These light stabilizers can be used alone or in admixture of two or more. Even if the blending amount of the light stabilizer is larger than 3.0 parts by weight, the effect of improving the light resistance of the sublimation dye penetrating into the coating film is saturated, and the improvement corresponding to the increase is not seen. Shows a tendency for the appearance of the paint to deteriorate. The light stabilizer is preferably blended in the range of 0.5 to 2.0 parts by weight.
[0017]
When a transfer sheet preliminarily patterned with a sublimable dye is brought into contact with the base metal plate 1 and heated, the sublimated dye penetrates into the clear topcoat layer 3 and forms a pattern dyed in the thickness direction. . The transfer sheet is produced by gravure printing, offset printing, screen printing, or the like. For small lot printing, an electrophotographic method using a computer graphic that does not require a plate making process, an electrostatic recording method, an ink jet method, a thermal transfer method, or the like may be employed.
The sublimable dye is a dye that can be transferred to the clear topcoat film layer 3 by a phenomenon such as sublimation or volatilization when heated. For example, disperse dyes such as quinophthalone derivatives, anthraquinone derivatives, and azo dyes are preferably used. . In addition, dyes conventionally used for sublimation thermal transfer, sublimation transfer printing, and the like can be used without particular limitation.
[0018]
This type of yellow dye includes Kayaset Yellow AG, Kayaset Yellow TDN (Nippon Kayaku Co., Ltd.), RTY 52, Dianix Yellow 5R-E, Dianix Yellow F3G-E, Dianix Brilliant Yellow 5G-E (and above) (Mitsubishi Chemical Corporation), Blast Yellow 8040, DY108 (Arimoto Chemical Co., Ltd.), Sumikaron Yellow EFG, Sumikaron Yellow E-4GL (Sumitomo Chemical Co., Ltd.), FORON Brilliant Yellow SGGLPI (Sand Corporation) And PS Yellow GG (Mitsui Toatsu Dye Co., Ltd.).
[0019]
Magenta-based sublimation dyes include Kayaset Red 026, Kayaset Red 130, Kayaset Red B (above Nippon Kayaku Co., Ltd.), Oil Red DR-99, Oil Red DK-99 (above, Arimoto Chemical Co., Ltd.) ), Diacelliton Pink B (Mitsubishi Chemical Corporation), Sumikaron Red E-FBL (Sumitomo Chemical Co., Ltd.), Latel Red B (Du Pont), Sudan Red 7B (BASF), Resolin Red FB, Ceres Red 7B (manufactured by Bayer).
[0020]
Examples of cyan-based sublimable dyes include Kayalon Fast Blue FG, Kayalon Blue FR, Kayaset Blue 136, Kayaset Blue 906 (Nippon Kayaku Co., Ltd.), Oil Blue 63 (Arimoto Chemical Co., Ltd.), HSB9, RTB31 (Mitsubishi Chemical Corporation), Disperse Blue # 1 (Sumitomo Chemical Co., Ltd.), MS Blue 50 (Mitsui Toatsu Dye Co., Ltd.), Ceres Blue GN (Bayer Corporation), Duranol Brilliant Blue 2G ( ICI).
[0021]
The sublimable dyes for each color are used alone or in combination of two or more. The black color tone can be obtained by appropriately mixing sublimation dyes for yellow, magenta, and cyan. As a sublimation dye having a color tone other than yellow, magenta, and cyan, a dye having a sublimation temperature (including a case where it volatilizes from a liquid state) of 60 ° C. or higher is preferable. When a sublimation dye is selected, a dye having a higher sublimation temperature is preferable because it has a relatively large molecular weight and imparts excellent light resistance and heat resistance to the coating film.
[0022]
When the transfer sheet is heated in contact with the base metal plate 1, the sublimable dye contained in the transfer sheet is sublimated, and penetrates the clear top coat layer 3 in the thickness direction as shown in FIG. Therefore, a three-dimensional printed pattern is expressed in the clear top coat layer 3 dyed substantially uniformly in the thickness direction. Since the obtained printed pattern is not the one in which the sublimation dye is concentrated only on the surface layer of the clear top coat layer 3, there is no printing fading due to rubbing or the like, and the transfer printing after applying the design by thermal transfer Subsequent steps for protecting the layer with a transparent resin are also omitted. In addition, since the print pattern is expressed by the clear topcoat film 3 that is dyed almost uniformly in the thickness direction, a print pattern having excellent depth, three-dimensional effect, glossiness, and sharpness can be obtained. In this way, since a necessary pattern can be easily provided when necessary, small-lot production of a design steel sheet that requires various patterning becomes easy. In addition, it is not necessary to stock design steel plates with a predetermined pattern, and patterning according to needs is possible. Moreover, since a dye layer does not exist independently between the clear topcoat layer 3 and the base metal plate 1, delamination as seen in conventional laminated steel sheets does not occur.
[0023]
【Example】
Example 1
Manufacture of coated metal plate to be used as a transfer master plate After degreasing and surface-adjusting a Zn-plated steel plate with a thickness of 0.5 mm and applying a coating chromate treatment, the coating thickness is 15 μm. A white polyester-based resin coating was applied and baked at a plate temperature of 220 ° C. for 1 minute to form a white base coating film layer. As a resin coating for the base coat, a polyester resin coating having an isocyanate curing agent content of 5 to 60 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content, and a melamine curing agent content of 20 to 30 parts by weight as a comparative example. A polyester resin coating was used. In addition, tolylene diisocyanate (TDI), hexamethylene diisocyanate (HMDI), and isophorone diisocyanate (IPDI) were used as the isocyanate curing agent, and methylated melamine and butylated melamine were used as the melamine curing agent. The coating thickness was 8-23 μm.
[0024]
Next, a clear resin paint was applied on the white base coat layer so as to have a dry film thickness of 18 μm. As the clear resin paint, a polyester resin paint having a melamine content of 30 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content was used.
In addition, a mixture of clear resin paint with triazine UV absorber (TINUVIN400 manufactured by Ciba Geigy Co., Ltd.) and benzotriazole UV absorber (TINUVIN 384 manufactured by Ciba Geigy Co., Ltd.) at a ratio of 1: 1 is 8 on the basis of paint non-volatile components. Part by weight was added. Further, 1.5 parts by weight of a hindered amine light stabilizer (TINUVIN 123 manufactured by Ciba Geigy) was added to all the clear resin paints.
The applied paint was baked at a plate temperature of 230 ° C. for 1 minute to form a clear top coat film.
Table 1 shows the composition and film thickness of the base coating film of each coated steel sheet obtained.
[0025]

[0026]
Transfer printing A sublimation dye ink (manufactured by Kiwa Chemical Industry Co., Ltd.) made from cyan sublimation dye was used to output a cyan solid pattern on the output paper with an inkjet printer (JV2-130, manufactured by Mimaki Engineering Co., Ltd.). The obtained transfer paper was superposed on the coated surface of the coated steel sheet, and thermocompression bonded at a temperature of 160 ° C. and a pressure of 0.5 kgf / cm ² for 150 seconds. After completion of the crimping, the electrostatic recording paper was peeled from the coated steel plate.
[0027]
Performance test of print-coated steel sheets The appearance, dyeability, color uniformity, paint film hardness, paint film adhesion, and workability of each print-coated steel sheet manufactured as described above were investigated.
The survey results are shown in Table 2. Each property shown in Table 2 was evaluated as follows.
The appearance of the coating is evaluated by visual inspection of the transparency of the original plate and the side of the coating film, ○ if there is no abnormality, △ if the part of the original plate is transparent, the side of the coating film is △, the transparency of the original plate, The case where the side of the film was recognized on the entire surface was marked with x.
For the dyeability, the reflection density was measured with a reflection densitometer Macbeth RD-1200, and 1.8 or more was evaluated as ◯, 1.5 or more and less than 1.8 as Δ, and less than 1.5 as x.
The color uniformity was evaluated by visual observation, and the case where the color was uniformly dyed without color unevenness was evaluated as “◯”, and the color nonuniformity was generated and the color was not uniformly dyed as x.
[0028]
The coating film hardness was examined by a scratching method using a pencil (Mitsubishi Uni Mitsubishi Pencil Co., Ltd.) in accordance with JIS K5400 6-8.4, and evaluated with a limit pencil hardness that does not cause scratches. Those having no color unevenness were measured at two arbitrary points, and those having color unevenness were measured for a dark color portion and a light color portion, respectively.
The coating film adhesion test is a cross-cut Erichsen (puts a cross-cut specified in JIS G3320 and extruded 6 mm) test, the presence or absence of peeling of the coating film with the peeling of the adhesive tape is observed, there is no peeling Goods were peeled off within 10%, and those peeled over 10% were rated as x.
[0029]
Processability is the condition of occurrence of cracks in the coating film depending on the degree of bending after applying 4t and 5t 180 degree bending processing (1t when one plate with the same thickness as the test piece is sandwiched) in a room at 20 ° C. We evaluated by investigating.
A case where no crack was generated in the coating film at 4 t was evaluated as ◯, a case where no crack was generated in the coating film at 5 t, and a case where a crack was generated in the coating film at 5 t were evaluated as x. In addition, if it is (triangle | delta), it can use for practical use for precoat steel plates.
[0030]

[0031]
As is clear from Table 2, the present invention exhibited satisfactory characteristics in all of appearance, dyeability, color uniformity, coating film adhesion, and processability. In particular, those in which the content of the isocyanate curing agent and the film thickness of the base coating film were in a predetermined range were excellent in the characteristics. Moreover, there was no difference in coating film hardness depending on the location.
On the other hand, in the comparative examples, the comparative sample numbers 9 and 10 using the melamine curing agent were inferior in color uniformity. Moreover, the coating film hardness is higher in the dark color part than in the light color part, and it is considered that the difference in thickness of the melamine surface layer cured layer causes color unevenness.
[0032]
Example 2
Next, various clear resin paints were applied on the white base coat layer while changing the dry film thickness in order to see the effect of the resin and film thickness for forming the clear top coat film. As the white base coat layer, the sample of sample number 2 in Example 1 was used. Further, in the clear resin coating, as in Example 1, a triazine UV absorber (TINUVIN400 manufactured by Ciba Geigy Co., Ltd.) and a benzotriazole UV absorber (TINUVIN 384 manufactured by Ciba Geigy Co., Ltd.) were mixed at a ratio of 1: 1. The product was added in an amount of 8 parts by weight based on the non-volatile composition of the paint. Further, 1.5 parts by weight of a hindered amine light stabilizer (TINUVIN 123 manufactured by Ciba Geigy) was added to all the clear resin paints.
In the same manner as in Example 1, the applied paint was baked at a plate temperature of 230 ° C. for 1 minute to form a clear top coat film.
Table 3 shows the resin type and film thickness of the clear top coat film of each coated steel sheet obtained.
[0033]

[0034]
About each obtained coated steel plate, the completely same performance test as Example 1 was done.
The results are also shown in Table 3.
As is clear from Table 3, the present invention exhibited satisfactory characteristics in all of dyeability, color uniformity, coating film adhesion, and processability. In particular, those having a clear overcoat film thickness in a predetermined range were excellent in dyeability.
In contrast, Comparative Sample Nos. 8, 9, and 10 in which the clear top coat film was formed of polyethylene, polypropylene, or polyvinylidene fluoride resin were inferior in dyeability and adhesion.
From these results, it is clear that the clear top coat film is formed from a clear top coat mainly composed of polyester, acrylic, urethane, silicone-polyester, or silicone-acrylic resin. It turns out that it is excellent.
[0035]
【The invention's effect】
As described above, the coated metal plate for thermal transfer of the present invention includes a base coating layer formed of a thermosetting polyester resin and a paint mainly composed of an isocyanate curing agent, a polyester-based, acrylic-based, and urethane. The sublimation dye is contained in the top coating by sequentially laminating a clear top coating layer formed from a clear top coating mainly composed of any one of a silicone, polyester-polyester, or silicone-acrylic resin. The base coating film is uniformly dyed even when a sublimation dye permeates into the base coating film, and exhibits excellent dyeability and color uniformity.
Therefore, a printed metal sheet using this painted metal sheet in the thermal transfer method is excellent in design and is used in a wide range of fields such as full-color advertising signs, decorative interior materials, electrical appliances, and outer plates of furniture.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating a cross section of a surface layer portion of a printed metal sheet according to the present invention.
1: Base metal plate 2: Base coating layer 3: Clear top coating layer 4: Sublimation dye dyeing layer

Claims

A base coating layer formed of a thermosetting polyester resin and a coating material mainly composed of an isocyanate curing agent on the surface of the metal plate, and polyester, acrylic, urethane, silicone-polyester, silicone-acrylic A metal sheet for thermal transfer excellent in dyeability and color uniformity of sublimation dyes, characterized in that a clear topcoat film layer formed from a clear topcoat mainly composed of any resin is laminated. .

The base coating film layer is formed from a polyester-based resin paint having an isocyanate curing agent content of 10 to 50 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin solid content, and the coating film thickness is 10 to 20 µm. Painted metal plate for thermal transfer with excellent dyeability and color uniformity of sublimation dyes.

The coated metal plate for thermal transfer excellent in dyeability and color uniformity of the sublimation dye according to claim 1 or 2, wherein the clear topcoat layer has a coating thickness of 6 µm or more.

A coating film in which a colored pattern is imparted by permeation of a sublimation dye by superposing a transfer paper containing a sublimation dye on the coated metal plate for heat transfer according to any one of claims 1 to 3 and heat-treating it. A printed metal sheet characterized by being provided on the surface of a metal sheet.