JP3776320B2 - 複数の核酸を同一固相で回収する方法及び装置 - Google Patents

複数の核酸を同一固相で回収する方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸の回収方法及び装置に係り、特に、核酸を含有する複数種類の試料物質から試料中の核酸濃度を低下することなく核酸を回収するのに適した核酸の回収方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子生物学の進歩により、遺伝子に関する数々の技術が開発され、また、それらの技術により、多くの疾患性の遺伝子が分離・同定された。その結果、医療の分野でも、診断、あるいは、検査法に分子生物学的な技法が取り入れられ、従来不可能であった診断が可能となったり、検査日数の大幅な短縮が達成されつつある。
この急激な進歩は、主として、核酸増幅法、特にPCR法(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)に依るところが大きい。
PCR法は、溶液中の核酸を配列特異的に増幅することが可能なため、例えば、血液中に極微量しか存在しないウイルスを、そのウイルスの遺伝子である核酸を増幅し検出することにより、そのウイルスの存在を間接的に証明することができる。
しかし、このPCR法を臨床の場で日常検査に使用した際に、いくつかの問題点が存在する。その中でも特に前処理における核酸の抽出、精製工程の重要性が指摘されている。これは、核酸精製時に除去し得なかった阻害因子の影響によるものであり、血液中のヘモグロビン、抽出工程で使用される界面活性剤等が知られている。
抽出工程に関しては、用手法による煩雑な操作と熟練者による多大な労力が必要とされる。このため、病院の検査室へ新規に遺伝子検査を導入する際の障害となっており、この工程の自動化が熱望されていた。
また、多量に集められた検体の中から、HCV(C型肝炎ウイルス)、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)等の検出を迅速に行う必要のある血液センター等では、現状の核酸回収方法では時間がかかるため、検査速度を上げるため、数人の検体を集め、数人の検体を混合して一つとし、検査を行うスクリーニングが行われる場合がある。つまり、HCV、HIV等が検出される確率は低いので、数人の検体を混合した検体を検査し、HCV、HIV等が検出された場合、検出された数人の検体の入った母集団が特定されるので、特定された母集団を個別に検査し、最終的にHCV、HIV等の入った検体を特定するものである。
【0003】
しかし、このスクリーニングでは、例えば、50人の検体を1つに集約すると50倍に、それをまた10個集約すると500倍に薄められ、その分ウイルスの遺伝子である核酸の検出感度が落ちてしまい、場合によっては、ウイルスがあるにもかかわらず検出されない擬陰性になってしまう可能性がある。
なお、核酸の抽出に関しては、単一検体のために多数の容器と分注チップを用いて遺伝子を単離する方法(特開平8−320274号公報)があり、これは、移動機構によって移動されるピペットノズルに第1チップを装着し、その第1チップ内に検体を吸引する。次いで、第1チップの下端に血球の殻を破るフィルタを嵌合し、このフィルタを通して第1チップ内の検体を第1容器へ吐出する。
【0004】
その後、ピペットノズルからフィルタ及び第1チップを取り外し、ピペットノズルの下端に第2チップを装着、第1容器内の検体を第2チップ内に吸引する。次いで、第2チップの下端に遺伝子を捕獲するためのシリカメンブレンフィルタを嵌合し、第2チップ内の検体をシリカメンブレンを通して第2容器へ吐出することによりシリカメンブレンで遺伝子を捕獲するとともに爽雑物を第2容器に吐出する。
【0005】
その後、ピペットノズルを洗浄液が収容された第3容器まで移送し、遺伝子を捕獲したシリカメンブレンフィルタを第2チップから取り外して第3容器の洗浄液中に浸漬する。次いで、第2チップを取り外したピペットノズルに第3チップを装着し、第3チップ下端に第3容器内のシリカメンブレンフィルタを嵌合し、第3チップ内に洗浄液と遺伝子の混合液を吸引した後、その混合液を第4容器内に吐出する。
また、カオトロピック物質の存在下で核酸と結合することが可能なシリカ粒子を、核酸結合用固相として使用する方法として、特開平2−289596号公報があり、これは、シリカ粒子の懸濁液とカオトロピック物質としてのグアニジチオシアネート緩衝液とが入った反応容器に、核酸を含む試料を加えて混合し、核酸がシリカ粒子に結合された複合体を遠心分離した後、上清を廃棄する。
【0006】
そして、残った複合体に洗浄液を加えてボルテックスミキサーを使用して洗浄し、再沈殿した複合体をエタノール水溶液で洗浄した後アセトンで洗浄しアセトンを除去して乾燥した複合体に溶離用緩衝液を加えて核酸を溶離して回収する精製方法が記載されている。
【0007】
また、特開平11−266864号公報には、シリカ含有の固相を内蔵した核酸捕捉用チップをノズルに接続し、固相への核酸の結合を促進する物質と核酸含有試料との混合液を、ノズルに吸引吐出することにより、核酸捕捉用チップの固相に結合させ、その後、このチップを洗浄等することにより、核酸を捕捉する技術が開示されている。
【0008】
この特開平11−266864号公報記載の技術によれば、核酸の抽出の自動化が可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特開平8−320274号公報に記載の技術は、シリカメンブレンを通して検体を第2チップ内から吐出するときに遺伝子を捕獲するよう構成されているため、検体とシリカメンブレンの接触時間が短く遺伝子の補捉率が低く、擬陰性の可能性が出てくる。
また、特開平2−289596号公報に記載の技術は、遠心分離操作が必要なため、精製工程の自動化が困難であり、精製に時間がかかってしまう。
【0010】
また、上述したように、スクリーニングによる方法では、検査速度は向上するが、検体が100倍程度に薄められるため、HCV、HIV等の高精度の検出は望めなかった。
【0011】
また、上記特開平11−266864号公報記載の技術を用いて、スクリーニングを行えば、より検査速度は向上するが、やはり、検体が100倍程度に薄められるため、HCV、HIV等の高精度の検出は望めない。
【0012】
したがって、スクリーニングによらない検査方法であって、検査速度及び検査精度が向上された、ものが望まれていた。
本発明の包括的な目的は、検体の濃度を薄めること無く、核酸を含有する試料からの、迅速、簡便で精度の高い核酸を安価に回収しうる方法、装置を提供することである。特に、本発明の目的は、生体試料中に存在する特定の配列を有する核酸成分を自動的に回収可能な核酸の回収方法及び装置を実現することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特許請求の範囲に記載した発明によって上記の目的を達成した。特に、複数種類の試料を、核酸抽出用固相を保持する1つの細管に順次注入し、それぞれの試料に含まれる核酸を捕捉してから、溶離液によって抽出したものである。
【0014】
つまり、本発明は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
(1)核酸の回収方法において、核酸成分を有する試料を、この核酸成分と結合性を有する固相と接触させて試料中の核酸を上記固相に吸着させる工程と、上記固相に吸着しない成分を上記固相から分離する工程と、他の試料について上記2つの工程を施し、上記固相上に核酸を吸着する工程と、溶離液を上記固相に接触し、吐出して、上記固相から核酸成分を溶離する工程とを備える。
【0015】
(2)好ましくは、上記(1)において、さらに固相に吸着しない成分を分離した後、洗浄液を上記固相に接触、吐出し、固相を洗浄する工程を備える。
【0016】
(3)核酸の回収方法において、核酸成分を有する複数の試料をこの核酸成分と結合性を有する固相と細管内で接触させて、試料中の核酸を上記固相に吸着・結合させる工程と、上記固相に吸着・結合しない成分を上記細管から排出する工程及び洗浄液を上記細管内へ注入、吐出し、固相を洗浄する工程をそれぞれの試料について実施して、同一固相上に吸着・結合させた後、溶離液を上記細管内へ注入、吐出して、上記細管内の固相から吸着・結合した核酸成分を溶離する工程を備える。
【0017】
(4)好ましくは、上記(3)において、さらに試料を細管内へ吸引して上記固相と混合液とを接触させるに先立って、特定の配列を有する核酸成分の固相への結合を促進する物質を上記試料に混合する工程を備える。
【0018】
(5)また、好ましくは、上記(1)または(3)において、さらに核酸成分を有する検体を複数の試料に分割する第1の工程を備える。
【0019】
(6)また、好ましくは、上記(3)において、上記細管は、その先端部に細管状のチップを有し、上記固相は、上記チップ内に配置される。
【0020】
(7)また、好ましくは、上記(6)において、上記チツプは上記細管に着脱可能である。
【0021】
(8)核酸の回収方法において、核酸成分を有する複数の試料(6以上の試料数Nとする)を準備する第1工程と、上記試料の少なくとも一部を混合してN/n(ここで、nは2以上でNより小さい自然数である試料数であり、各混合試料について、混合された試料数nは同一であっても異なってもよい)の混合試料又は混合試料と単一試料とを準備する第2工程と、混合試料又は単一試料を上記核酸成分と結合性を有する固相に接触させて試料中の核酸を上記固相に吸着・結合させる第3工程と、上記固相に吸着・結合しない成分を上記固相から分離する第4工程と、洗浄液を上記固相へ接触し、吐出し、固相を洗浄する第5工程と、他の混合試料又は単一試料について上記第3ないし第5工程を施して上記固相上に核酸を吸着・結合する第6工程と、上記第6工程後、溶離液を上記固相に接触し、吐出して、上記固相から核酸成分を溶離する第7工程とを備える。
【0022】
本発明は、多数の検体・試料を核酸濃度を低下させないで、回収しようとするものであり、必要に応じ、あるいは状況が許せば、複数の検体を混合し、この混合試料を1度に吸着・結合、洗浄し、この操作を他の混合試料又は単一試料に対して実施し、同一の固相上に吸着し、最後に吸着・結合された核酸を溶離する。
【0023】
(9)好ましくは、上記(8)において、さらに上記試料を上記固相と接触させるに先立って、上記混合試料又は単一試料と特定の配列を有する核酸成分の固相への結合を促進する物質とを混合する工程を備える。
【0024】
これによって、選択された配列の核酸のみを固相上に吸着・結合することができる。
【0025】
(10)核酸の回収方法において、準備された、核酸成分を含む複数の試料(6以上の試料数Nとする)を混合してN/n(ここで、nはNより小さい自然数で、2以上である試料数であり、各混合試料について、混合された試料数nは同一であっても異なってもよい)の混合試料又は混合試料と単一試料と特定の配列を有する核酸成分と結合性を有する固相とを容器内で接触させて試料中の核酸を上記固相に吸着・結合させる第1工程と、上記固相に結合しない成分を上記容器から排出する第2工程とをそれぞれの混合試料又は単一試料について実施し、同一の固相上に対象の核酸を吸着・結合し、溶離液を上記容器内へ注入、吐出して、上記容器内の固相から核酸成分を溶離する。
【0026】
(11)核酸の回収方法において、準備された、核酸成分を有する複数の試料(試料数をNとする)を、混合してN/n(ここで、nはNより小さい自然数で、2以上である試料数であり、各混合試料について、混合された試料数nは同一であっても異なってもよい)の混合試料又は混合試料と単一試料と核酸成分と結合性を有する固相を接触させて試料中の核酸を上記固相に結合させる第1工程と、上記固相に結合しない成分を上記固相から分離する第2工程と、洗浄液を上記固相と接触し、分離し、固相を洗浄する第3工程をそれぞれの混合試料又は単一試料に対して実施した後、溶離液を上記固相と接触、分離して、上記固相から核酸成分を溶離する工程を備える。
【0027】
(12)領域内にて核酸成分を含む試料とこの核酸成分と結合性を有する固相とを領域内で接触させて核酸を上記固相に吸着・結合し、上記核酸を溶離して回収する核酸の回収装置において、上記領域を所定のシーケンスに従って移動する手段と、上記試料を上記領域に供給する第1手段と、上記固相に結合しない成分を上記固相から分離する第2手段と、洗浄液を上記領域内へ供給する第3手段と、 溶離液を上記固相に接触する手段とを備え、それぞれの試料について上記第1手段、第2手段及び第3手段が順次動作され、これにより同一の固相に目的の核酸が吸着・結合し、ついで溶離液を上記固相へ供給し核酸を溶離するように制御する。
【0028】
(13)好ましくは、上記(12)において、さらに上記試料を上記固相に接触する前に、特定の配列を有する核酸成分の固相への結合を促進する物質とを上記試料に混合する手段を備える。
【0029】
(14)また、好ましくは、上記(13)において、上記領域は、先端部に細管状チップを有する細管であって、上記固相は、上記チップ内に配置される。
【0030】
(15)また、好ましくは、上記(14)において、上記チツプは上記細管から着脱可能である。
【0031】
(16)処理プログラムを記録する記録媒体において、核酸成分を有する試料を、上記核酸成分と結合性を有する固相と接触させて試料中の核酸を上記固相に吸着させる工程と、上記固相に吸着しない成分を上記固相から分離する工程と、他の試料について上記2つの工程を施し、上記固相上に核酸を吸着する工程と、
溶離液を上記固相に接触し、吐出して、上記固相から核酸成分を溶離する工程とを実行する処理プログラムを記録する。
【0032】
(17)好ましくは、上記(16)において、さらに固相に吸着しない成分を分離した後、洗浄液を上記固相に接触、吐出し、固相を洗浄する工程を備える。
【0033】
このようにして、同じ固相を使い、何度か、吸着・結合、洗浄などを繰り返し実施後、最後に溶離工程を実施することにより、濃度を落とさずに核酸が回収可能となり、その中から特定のウイルス等の核酸を見つけることが可能となる。
【0034】
これにより、50人の検体を検査する場合、それぞれの検体を薄めることなく、同一の固相を用いて、吸着・結合、洗浄、溶離などを、それぞれの50の検体または必要に応じ2以上の検体を混合して、混合検体又は混合検体と単一検体に対して行う。これにより、検体の核酸濃度が薄く、検出できるかできないかのレベルであっても、濃度を落とさずに核酸を回収でき、核酸の回収量を上げることが可能となる。
【0035】
なお、特定のきわめて濃度の低い核酸を含む検体の場合は、他の検体と混合することをしないことが望ましい。
【0036】
なお、核酸含有試料としては、全血、血清、喀痰、尿等の生体試料や培養細胞、培養細菌等の生物学的な試料、あるいは、電気泳動後のゲルに保持された状態の核酸、DNA増幅酵素等の反応産物や素精製状態の拡散を含む物質等を対象とすることができる。なお、ここでの核酸とは、2本鎖、1本鎖、あるいは部分的に2本鎖もしくは1本鎖構造を有するデオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)を含む。
【0037】
シリカ含有の固相への核酸の結合を促進する物質としては、核酸の吸収ピークがある260nmの波長付近の吸収が少ない物質が好ましい。なぜなら、核酸の純度や量の検定には、分光光度計により260nmの吸収を測定することが多いからである。
【0038】
また、チオシアン酸を含む物質は、酸と反応すると致死性のガスを発生するため取り扱い上好ましくない。
【0039】
本発明の望ましい実施形態では、これらの点を考慮し、カオトロピック剤として塩酸グアニジン(GuHC1)を用いる。塩酸グアニジンの使用時の最終濃度は、4〜6mol/lであることが望ましい。
【0040】
核酸摘捉用チップに内蔵されるシリカ含有固相としては、ガラス粒子、シリカ粒子、石英濾紙、石英ウール、あるいは、それら破砕物、ケイソウ土など、酸化ケイ素を含有する物質であれぱ使用することができるが、チッブ外へ固相が出ないようにするため、チップ先端の内径を小さくし、且つ、固相をチップ先端部内径よりも大きな外径を持たせる、或いは、チップ内の先端部付近に、固相の外径より孔径の小さい保持材を設置するなどにより、チップ内に試料を吸入したときに試料が固相に大きな接触面積で接触されるように、固相がチップ内に保持される。
【0041】
核酸を固相から溶離する工程は、洗浄工程後の固相に対して低塩濃度の水溶液、或いは、水を混合することにより達成される。この操作により、核酸は、固相から水相へと移行するため、その水相を精製品容器に回収することで精製済みの核酸水溶液が得られる。
【0042】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である核酸回収方法を説明するフローチャートであり、図2は、本発明の一実施形態の特定の配列を有する核酸成分の回収方法を実施するための核酸の回収装置の概略平面構成図であり、図3は、シリンジからノズルホルダー及びノズルを介して核酸を回収するための流路の図である。
【0043】
また、図4は分注チップ(細管状のチップ)をノズルに取り付ける動作の説明図であり、図5は、分注チップをノズルから取り外す動作の説明図である。
【0044】
図2、図3、図4、及び図5において、シリンジ10、32は、それぞれ、独立に、かつ、自動的に液体の吸引と吐出の制御を行うことが出来る。また、シリンジ10、32は、それぞれ細管34、39を通して、ノズル35、37に、それぞれ独立に接続されている。
【0045】
ノズル35、37は、ノズルホルダー17、33に固定されており、ノズルホルダー17、33は、アーム16にそれぞれY方向、Z方向への移動が可能な状態で固定されている。
【0046】
アーム16はX方向への移動が可能であり、これにより、装置平面上の主要な部分への移動を制御することができる。
【0047】
なお、Y方向とは、図2の上下方向であり、X方向とは、図2の左右方向であり、Z方向とは、図2の紙面の表裏方向である。
【0048】
分注チップホルダー14には、分注チップ15を収納することができ、同じ物を計3個設置(数は適宜変更可)することができる。反応容器ラック23には反応容器24が、48本設置でき、精製品ラック25には、精製品収納容器26が48本設置できる。
【0049】
また、精製品ラック25の下部には保冷機構(図示せず)が設置されており、精製品ラック25を保冷することができる。
【0050】
核酸の回収装置上には、洗浄液ボトル19、溶離液ボトル20、希釈液ボトル21、結合促進剤ボトル22を、それぞれ1ボトル設置(設置数は増設可)でき、溶離液ボトル20、結合促進剤ボトル22の底部には加温機構(図示せず)が設置されている。そして、それぞれのボトル19〜22を底部から加温することができる。また、分離チップラック30には、分離チップ(細管状のチップ)31を48本設置することができる。
【0051】
アーム16とノズルホルダー17との移動を制御することにより、チップホルダー14上の目的とする分注チップ15の上方へ、アーム16の移動を制御して、ノズル35を位置させる(図4に示す状態)。その後、下方へノズルホルダー17を移動し、分注チップ15の所定の位置にノズル35を接触させ、ノズル35の先端に分注チップ15を自動的に取り付けることができる。
【0052】
同様の制御をノズル37、ノズルホルダー33、アーム16で行うことにより、ノズル37の先端に分離チップ31を取り付けることができる。
【0053】
次に、アーム16とノズルホルダー17との移動を制御することにより、チップ抜き27の手前上方へノズル35を移動させる。その後、ノズルホルダー17の移動を制御することにより、ノズル35と分注チップ15との接合部がチップ抜き27よりも下部になるように移動させ、更に、ノズル35をチップ抜き27の方向へ移動させる。
【0054】
その後、ノズル35の一部をチップ抜き27に接触したままノズルホルダー17を上方に移動させることにより、ノズル35から分注チップ15を自動的に取り外すことができる(図5に示す状態)。
【0055】
同様の制御を、ノズル37、ノズルホルダー33、アーム16にて行うことにより、ノズル37から分離チップ31を取り外すことができる。
【0056】
また、チップ抜き27を、使用するチップの種類に応じて複数設置することにより、廃棄チップの分別収集を行うことも可能である。
【0057】
次に、液受け11、28は、ノズル35、37からの吐出液を受ける事が可能で、それぞれのホームポジションとして機能し、受けた液体は廃液として送られる。洗浄部18は、流水の吐出によりノズルホルダー17にノズル35を介して取り付けられた分注チップ15を洗浄することができる。
【0058】
図3において、分離チップ31は、分離チップ31内に上下に保持材38、38を設置し、2つの保持材38、38により、固相36が、分離チップ31内の上下の保持材により封入された状態が維持できるように作成されている。
【0059】
つまり、分離チップ31からノズル35、37(細管)の内部側に固相が移動することを制限するように構成されている。保持材38の孔径は、固相36の外径より小となっている。
【0060】
また、分離チップ31の内径は、この分離チップ31の先端部に向かうに従って小となり、保持材38の外径は、分離チップ31の先端部の内径より大とすることにより、保持材38が、分離チップ31の先端部より外部へ排出されることを回避する。
【0061】
また、分離チップ31内に保持材38を設置する際の、保持材38のガイドとなる突起が分離チップ31の内壁に形成されている。
【0062】
そして、分離チップ31は、図2の装置上の分離チップラック30に収納可能である。検体は、図2の装置上のラック12に収納する。
【0063】
分注チップ15を収納した分注チップラック14、分離チップ31を収納した分離チップラック30、各試薬ボトル、反応容器24、精製品収納容器26を、図2に示す核酸回収装置上の所定の位置にセットした後、この装置に所定の操作を行わせる。
【0064】
次に、本発明の一実施形態である核酸の回収方法について、図1〜図3を参照して説明する。
【0065】
以下の例では、試料を混合せずに、単一試料を順次固相に吸着、捕捉し、洗浄し、溶離して、最終的に全ての試料中の核酸を混合物として回収している。しかしながら、前述のように、複数試料のいくつかあるいは全ての試料をいくつかの数の混合試料とし、これを必要な吸着、洗浄、溶離工程により、全ての試料から回収された核酸混合物を得ることができる。本発明において、核酸混合物は1つの固相サイトたとえば1本の細管などの容器内におかれた固相に全て捕捉し、これを溶離する事も重要である。
【0066】
まず、第1工程では、アーム16とノズルホルダー17との移動を制御することにより、ノズル35に分注チップ15を所定の動作により取り付けた後、アーム16とノズルホルダー17、及び、シリンジ10の動作を制御することにより、結合促進剤ボトル22から所定量の結合促進剤を吸引する。さらに、ノズル35に所定量の空気を吸引し、洗浄台18へ移動させ、分注チップ15の外壁を流水洗浄する。
【0067】
そして、洗浄後、ノズルホルダー17を検体ラック12上の所定の検体13の位置へ移動させ、シリンジ10の動作制御によりノズル35への所定量の検体の吸引を行う。検体の吸引後、動作制御によりノズルホルダー17を反応容器ラック23上の所定の反応容器24に移動させ、ノズル35内の検体の全量を吐出する。
なお、この時、検体13は装置上に設置せず、用手によって分注することも可能である。吐出後、更にノズル35への吸引と吐出を行うことにより、検体と結合促進剤とを混合する。混合後、制御によりノズルホルダー17をチップ抜き27の位置へ移動し、所定の動作によりノズル35から分注チップ15を取り外す。
【0068】
第2工程では、アーム16とノズルホルダー33との動作を制御することにより、ノズル37に分離チップ31を所定の動作により取り付けた後、ノズルホルダー33を反応容器ラック23上の上記混合液の入った反応容器24に移動させ、シリンジ32の制御により、分離チップ31の内部へ混合液を吸引する。
【0069】
吸引後、シリンジ32の制御により、ノズル37が所定の回数だけ、吸引と吐出とを繰り返し、特定の塩基配列に結合性を有する固相36と混合液とを接触させる。
【0070】
第3工程では、ノズル37が所定の回数、吸引と吐出とを繰返した後、分離チップ31内に反応容器24内の混合液を吸引した後、アーム16、ノズルホルダー33の制御により廃液口29へ移動し、分離チップ31内の混合液をシリンジ32の制御により吐出する。吐出後、アーム16、ノズルホルダー33の制御により液受け28へ移動する。
【0071】
次に、第3A工程では、第1工程〜第3工程が所定回数、つまり、検体数と同一の回数繰り返されたか否かを判断する。第1工程〜第3工程が所定回数繰り返されていなければ、固相36を交換することなく、同一の固相36を有する分注チップ15を使用して第1工程に戻る。
【0072】
そして、第1工程〜第3工程が所定回数繰り返されていれば第4工程に進む。
【0073】
なお、この第3A工程を設ける場合には、後述する第4A工程は省略する。また、後述する第4A工程を設ける場合には、第3A工程は省略することとなる。
【0074】
第4工程では、アーム16とノズルホルダー17との動作を制御することにより、ノズル35に分注チップ15を所定の動作により取り付けた後、アーム16とノズルホルダー17、及び、シリンジ10の制御により洗浄液ボトル19から所定量の洗浄液を吸引する。そして、制御によりノズルホルダー17を反応容器ラック23上の所定の反応容器24上に移動させ、ノズル35から洗浄液を反応容器24に吐出する。
【0075】
洗浄液の吐出後、アーム16とノズルホルダー17の制御によりノズルホルダー17をチップ抜き27の位置へ移動し、所定の動作によりノズル35から分注チップ15を取り外す。
【0076】
ノズルホルダー17の移動後、アーム16、ノズルホルダー33の動作制御により洗浄液の入った反応容器ラック23上の所定の反応容器24に移動し、シリンジ32の動作制御により、分離チップ31内へ洗浄液を吸引する。吸引後、シリンジ32の動作制御により、所定の回数だけ、吸引と吐出とを繰り返し、固相36を洗浄液により洗浄する。
【0077】
この時、別な方式として反応液24内の混合液を吸引せずに別細管よりノズル37、あるいは分注チップ15に直接注入することも可能である。
【0078】
所定の回数だけ、吸引と吐出とを繰返した後、分離チップ31内に反応容器24内の洗浄液を吸引した後、アーム16、ノズルホルダー33の動作制御により廃液口29へ移動し、分離チップ31内の洗浄液をシリンジ32の制御により吐出する。吐出後、アーム16、ノズルホルダー33の制御により液受け28へ移動する。
【0079】
必要に応じて、第4工程は所定の回数だけ繰返すことができる。その際には、上記第4工程をそのまま繰返してもよいが、複数回分の洗浄液を分注チップ15に吸引し、必要量を反応容器24へ吐出する。そして、吐出後、液受け11の位置へ移動し、分離チップ31での操作後に、再び必要量の洗浄液を反応容器24へ吐出することにより、効率良く第4工程を繰返すことが出来る。
次に、第4A工程では、第1工程〜第4工程が所定回数、つまり、検体数と同一の回数繰り返されたか否かを判断する。第1工程〜第4工程が所定回数繰り返されていなければ、固相36を交換することなく、同一の固相36を有する分注チップ15を使用して第1工程に戻る。
【0080】
そして、第1工程〜第4工程が所定回数繰り返されていれば第5工程に進む。
【0081】
第5工程では、アーム16とノズルホルダー17との移動を制御することにより、ノズル35に分注チップ15を所定の動作により取り付けた後、アーム16とノズルホルダー17、及び、シリンジ10の動作制御により、溶離液ボトル20から所定量の洗浄液を吸引する。
【0082】
この時、別な方式として溶液ボトル20内の洗浄液を吸引せず直接別細管よりノズル37、あるいは分注チップ15に直接注入することも可能である。そして、動作制御によりノズルホルダー17を反応容器ラック23上に移動させ、ノズル36内の洗浄液を所定の反応容器24に吐出する。
ノズル36内の洗浄液を所定の反応容器24に吐出後、アーム16とノズルホルダー17との移動を制御することにより、ノズルホルダー17をチップ抜き27の位置へ移動し、所定の動作によりノズル35、37から分注チップ15を取り外す。
【0083】
ノズルホルダー17の移動後、アーム16、ノズルホルダー33との移動を制御することにより、溶離液の入った反応容器ラック23上の所定の反応容器24に移動し、シリンジ32の制御により分離チップ31内へ溶離液を吸引する。溶離液の吸引後、シリンジ32の動作制御により、所定の回数だけ、吸引と吐出とを繰り返し、固相36と溶離液とを接触させる。
【0084】
所定の回数だけ、吸引と吐出とを繰返した後、分離チップ31内に反応容器24内の溶離液を吸引した後、アーム16、ノズルホルダー33の移動を制御することにより、精製品ラック25に収納された所定の精製品収納容器26へ移動し、分離チップ31内の溶離液をシリンジ32の動作制御により吐出する。
【0085】
溶離液の吐出後、アーム16、ノズルホルダー33の移動を制御することにより液受け28へ移動させる。
【0086】
必要に応じて、第5工程は所定の回数だけ繰返すことができる。その際には、上記第5工程を、そのまま繰返してもよいが、複数回分の溶離液を分注チップ15に吸引し、必要量を反応容器24へ吐出する。そして、ノズル35からの溶離液の吐出後、液受け11の位置へ移動し、分離チップ31での操作後に、再び必要量の溶離液を反応容器24へ吐出することにより、効率良く第5工程を繰返すことが出来る。
【0087】
第5工程終了後、アーム16、ノズルホルダー33の移動を制御することにより、ノズルホルダー33をチップ抜き27の位置へ移動させ、所定の動作によりノズル37から分離チップ31を取り外す。
【0088】
以上の第1〜3工程又は第1〜第4工程を繰り返し行う場合、同一のチップを用いる。同一のチップの状態のまま、再度、別検体について第1〜第3、あるいは第1〜第4工程を実施すると、最初に固相36に付いた核酸にプラスして、新たな核酸が付着する。この様にして同じチップを使い、何度か、第1〜第3、または第1〜第4工程を繰り返し実施後、最後に第5工程を実施することにより、濃度を落とさずに核酸が回収可能となり、その中から特定のウイルス等の核酸を見つけることが可能となる。
【0089】
つまり、50人の検体を検査する場合、それぞれの検体を薄めることなく、同一のチップを用いて、第1工程〜第3工程又は第1〜第4工程を、それぞれの50の検体に対して行う。これにより、検体の核酸濃度が薄く、検出できるかできないかのレベルであっても、濃度落とさずに核酸を回収でき、核酸の回収量を上げることが可能となる。
【0090】
しかも、固相36に核酸を結合させて核酸を回収する方法を用いているので、核酸の回収を自動的に行うことが可能である。
【0091】
なお、第6工程として、第5工程により溶離された特定の配列を有する核酸成分の溶離液を、保冷手段により保冷する工程がある。
【0092】
以上のように、本発明の実施形態によれば、検体の濃度を薄めること無く、核酸を含有する試料からの、迅速、簡便で精度の高い核酸を安価に回収しうる方法、装置であって、生物試料中に存在する特定の配列を有する核酸成分を自動的に回収可能な核酸の回収方法及び装置を実現することができる。
【0093】
特に、輸血等で、多量で複数の、核酸を含有する試料を扱う場合、現在行われている核酸の回収方法では時間がかかるため、迅速に処理するために複数の試料を集約し検査を行う場合があるが、本発明によれば濃度、検出感度を落とさずに核酸を回収でき、多量の試料の核酸の回収時間や、HCV、HIV等のウイルスの検査等の時間の短縮に寄与するものである。
【0094】
また、試料中の核酸の回収量を上げることが可能なため、試料中の核酸の含有濃度が低いため核酸が回収されたか判断に迷う場合など、また、一つの試料の濃度を上げ核酸の回収量を上げる場合などに実施する方法、装置として有効である。
【0095】
また、上記第1工程における、核酸の固相への結合を促進する物質として、NaClを使用する事により回収後の工程に著しい悪影響を与えることなく結合を促進する事が可能であり、使用に伴う危険性や環境に対する悪影響は、有機溶媒使用時に比べて著しく低減される。
【0096】
また、第2工程における、核酸結合性固相は、第2〜第4の工程において核酸を保持する事が可能で、且つ、第1〜第4の工程において不溶性の物質であれば使用することが可能で、公知の技術により作成でき、実用上十分な固相に対する核酸の結合が得られる。
【0097】
また、核酸と固相との接触確率を高めるために、チップと容器との間で溶液の吸引、及び吐出操作を複数回行うことにより結合時間の効率化や再現性の向上がはかれる。
【0098】
また、第3工程における固相と液体成分との分離は、他に付加的な工程や装置の追加を必要とせず、簡単な装置構成で分離を行える。
【0099】
また、第4工程における、核酸が結合した固相を洗浄する手段は、第3工程と同様に他に付加的な工程や装置の追加を必要とせず、簡単な装置構成で分離を行える。また、第4工程を複数回行うことにより、洗浄状態を改善する事も出来る。
【0100】
また、第5工程における溶離工程は、溶離液の吸引あるいは注入と吐出により達成され、第2、及び、第4工程と同様に簡単な装置構成で分離を行える。また、第5工程を複数回行うことにより、回収量を改善する事も出来る。
また、上記と同様な工程を、核酸成分を持つ同一の検体を複数に分割し、それぞれについて、実施すれば、今度は、繰り返し実施した分だけ核酸が蓄積されていくため、回収する核酸の量が多くなり、その液体が持つ核酸の量が極少量でも、一度の工程では回収出来なかった核酸が回収できるようになる。
【0101】
さらに、上記第6工程として保冷工程を設けるように構成すれば、第5工程終了後の溶液を冷却することにより達成され、この工程により回収後の核酸を安定した状態で保持できる。また、回収した液体の蒸発を低減させることもできる。
【0102】
また、自動分析装置の制御部が、上記第1〜第3工程又は第1〜第4工程を、複数の検体について、同一の固相を用いて行うように、各部を動作させる場合、制御部内のメモリ内に処理プログラムを記憶させる必要がある。
【0103】
そして、この処理プログラムを記録する記録媒体についても、実現が可能である。
つまり、核酸成分を有する複数の別個の検体について、同一の上記固相を用いて、上記第1、第2、第3工程又は上記第1、第2、第3、第4工程を、それぞれ実行し、その後、上記第5工程を実行するように上記細管の吸引吐出動作及び移動動作を制御する処理プログラムを記録する記録媒体が考えられる。
【0104】
また、核酸成分を有する一つの検体が複数に分割され、分割された複数の検体について、同一の上記固相を用いて、上記第1、第2、第3工程又は上記第1、第2、第3、第4工程を、それぞれ実行し、その後、上記第5工程を実行するように上記細管の吸引吐出動作及び移動動作を制御する処理プログラムを記録する記録媒体が考えられる。
【0105】
上記本発明の実施形態によれば、生物試料中に存在する特定の配列を有す核酸成分を、自動的に回収可能な核酸の回収方法及び装置を実現することができる。
【0106】
本発明の他の実施形態としては、50個の生体試料から10個の混合試料(各混合試料は4個の試料を含む)と10個の単一試料(合計20個の試料群)を調整したものがある。
【0107】
以下、各試料群について、上述した一実施形態と同様に、結合促進物質の添加、固相(シリカメンブレン)への各試料群の吸着処理、非吸着物の除去、固相の洗浄を順次実施し、最後に全試料中の核酸を含む精製核酸混合物を溶離した。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、検体の濃度を薄めることなく、検体核酸を含有する材料からの迅速、簡便で精製度の高い核酸を安価に回収し得る方法及び装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である核酸回収方法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態である特定の配列を有する核酸成分の回収方法を実施するための核酸の回収装置の概略平面構成図である。
【図3】シリンジからノズルホルダー及びノズルを介して核酸回収するための流路の図である。
【図4】分注チップをノズルに取り付ける動作の説明図である。
【図5】分注チップをノズルから取り外す動作の説明図である。
【符号の説明】
10、32 シリンジ
11、28 液受け
12 ラック
13 検体
14 分注チップホルダー
15 分注チップ
16 アーム
17、33 ノズルホルダー
18 洗浄部
19 洗浄液ボトル
20 溶離液ボトル
21 希釈液ボトル
22 結合促進剤ボトル
23 反応容器ラック
24 反応容器
25 精製品ラック
26 精製品収納容器
27 チップ抜き
29 廃液口
30 分離チップラック
31 分離チップ
34、39 細管
35、37 ノズル
36 固相
38 保持材

Claims (17)

  1. 核酸成分を有する試料を、この核酸成分と結合性を有する固相と接触させて試料中の核酸を上記固相に吸着させる工程と、
    上記固相に吸着しない成分を上記固相から分離する工程と、
    他の試料について上記2つの工程を施し、上記固相上に核酸を吸着する工程と、
    溶離液を上記固相に接触し、吐出して、上記固相から核酸成分を溶離する工程と、
    を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
  2. 請求項1記載の核酸の回収方法において、さらに固相に吸着しない成分を分離した後、洗浄液を上記固相に接触、吐出し、固相を洗浄する工程を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
  3. 核酸成分を有する複数の試料をこの核酸成分と結合性を有する固相と細管内で接触させて、試料中の核酸を上記固相に吸着・結合させる工程と、上記固相に吸着・結合しない成分を上記細管から排出する工程及び洗浄液を上記細管内へ注入、吐出し、固相を洗浄する工程をそれぞれの試料について実施して、同一固相上に吸着・結合させた後、溶離液を上記細管内へ注入、吐出して、上記細管内の固相から吸着・結合した核酸成分を溶離する工程を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
  4. 請求項3記載の核酸の回収方法において、さらに試料を細管内へ吸引して上記固相と混合液とを接触させるに先立って、特定の配列を有する核酸成分の固相への結合を促進する物質を上記試料に混合する工程を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
  5. 請求項1または3記載の核酸の回収方法において、さらに核酸成分を有する検体を複数の試料に分割する第1の工程を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
  6. 請求項3記載の核酸の回収方法において、上記細管は、その先端部に細管状のチップを有し、上記固相は、上記チップ内に配置されることを特徴とする核酸の回収方法。
  7. 請求項6記載の核酸の回収方法において、上記チツプは上記細管に着脱可能であることを特徴とする核酸の回収方法。
  8. 核酸成分を有する複数の試料(6以上の試料数Nとする)を準備する第1工程と、
    上記試料の少なくとも一部を混合してN/n(ここで、nは2以上でNより小さい自然数である試料数であり、各混合試料について、混合された試料数nは同一であっても異なってもよい)の混合試料又は混合試料と単一試料とを準備する第2工程と、
    混合試料又は単一試料を上記核酸成分と結合性を有する固相に接触させて試料中の核酸を上記固相に吸着・結合させる第3工程と、
    上記固相に吸着・結合しない成分を上記固相から分離する第4工程と、
    洗浄液を上記固相へ接触し、吐出し、固相を洗浄する第5工程と、
    他の混合試料又は単一試料について上記第3ないし第5工程を施して上記固相上に核酸を吸着・結合する第6工程と、
    上記第6工程後、溶離液を上記固相に接触し、吐出して、上記固相から核酸成分を溶離する第7工程と、
    を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
  9. 請求項8記載の核酸の回収方法において、さらに上記試料を上記固相と接触させるに先立って、上記混合試料又は単一試料と特定の配列を有する核酸成分の固相への結合を促進する物質とを混合する工程を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
  10. 準備された、核酸成分を含む複数の試料(6以上の試料数Nとする)を混合してN/n(ここで、nはNより小さい自然数で、2以上である試料数であり、各混合試料について、混合された試料数nは同一であっても異なってもよい)の混合試料又は混合試料と単一試料と特定の配列を有する核酸成分と結合性を有する固相とを容器内で接触させて試料中の核酸を上記固相に吸着・結合させる第1工程と、上記固相に結合しない成分を上記容器から排出する第2工程とをそれぞれの混合試料又は単一試料について実施し、同一の固相上に対象の核酸を吸着・結合し、溶離液を上記容器内へ注入、吐出して、上記容器内の固相から核酸成分を溶離することを特徴とする核酸の回収方法。
  11. 準備された、核酸成分を有する複数の試料(試料数をNとする)を、混合してN/n(ここで、nはNより小さい自然数で、2以上である試料数であり、各混合試料について、混合された試料数nは同一であっても異なってもよい)の混合試料又は混合試料と単一試料と核酸成分と結合性を有する固相を接触させて試料中の核酸を上記固相に結合させる第1工程と、上記固相に結合しない成分を上記固相から分離する第2工程と、洗浄液を上記固相と接触し、分離し、固相を洗浄する第3工程をそれぞれの混合試料又は単一試料に対して実施した後、溶離液を上記固相と接触、分離して、上記固相から核酸成分を溶離する工程を備えることを特徴とする核酸の回収方法。
  12. 領域内にて核酸成分を含む試料とこの核酸成分と結合性を有する固相とを領域内で接触させて核酸を上記固相に吸着・結合し、上記核酸を溶離して回収する核酸の回収装置において、
    上記領域を所定のシーケンスに従って移動する手段と、
    上記試料を上記領域に供給する第1手段と、
    上記固相に結合しない成分を上記固相から分離する第2手段と、
    洗浄液を上記領域内へ供給する第3手段と、
    溶離液を上記固相に接触する手段と、
    を備え、それぞれの試料について上記第1手段、第2手段及び第3手段が順次動作され、これにより同一の固相に目的の核酸が吸着・結合し、ついで溶離液を上記固相へ供給し核酸を溶離するように制御することを特徴とする核酸の回収装置。
  13. 請求項12記載の核酸の回収装置において、さらに上記試料を上記固相に接触する前に、特定の配列を有する核酸成分の固相への結合を促進する物質とを上記試料に混合する手段を備えることを特徴とする核酸の回収装置。
  14. 請求項13記載の核酸の回収装置において、上記領域は、先端部に細管状チップを有する細管であって、上記固相は、上記チップ内に配置されることを特徴とする核酸の回収装置。
  15. 請求項14記載の核酸の回収装置において、上記チツプは上記細管から着脱可能であることを特徴とする核酸の回収装置。
  16. 核酸成分を有する試料を、上記核酸成分と結合性を有する固相と接触させて試料中の核酸を上記固相に吸着させる工程と、
    上記固相に吸着しない成分を上記固相から分離する工程と、
    他の試料について上記2つの工程を施し、上記固相上に核酸を吸着する工程と、
    溶離液を上記固相に接触し、吐出して、上記固相から核酸成分を溶離する工程と、
    を実行するように処理プログラムを記録した記録媒体。
  17. 請求項16記載の記録媒体において、さらに固相に吸着しない成分を分離した後、洗浄液を上記固相に接触、吐出し、固相を洗浄する工程を備える処理プログラムを記録した記録媒体。
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