JP3776313B2 - 電子掲示板システム - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
この発明は、ネットワークを通じて利用者コンピュータと通信するサーバコンピュータにより構成され、個別にアクセス可能な多数の電子掲示板を管理して利用者コンピュータに提供する電子掲示板システムに関し、とくに、電子掲示板に書き込まれるメッセージの内容を事前に自動的に検査したり、掲示板の管理人に検査結果を自動的に報告する情報処理技術に関する。
【0002】
【背景技術】
パソコン通信やインターネットの世界では、電子掲示板システムが盛んに利用されている。電子掲示板システムは、事業者によって管理されるサーバコンピュータによって運営され、サーバコンピュータは、ネットワークを通じて送られてくるメッセージをデータベースに蓄積管理し、また、接続してくる利用者コンピュータにデータベースの内容を提供する。
【0003】
現行の多くの電子掲示板システムでは、その内容を特に検査することなく、送られてくるメッセージをそのまま掲載してしまっている。そのため、電子掲示板に掲載されるのにふさわしくないメッセージ、たとえば他人を誹謗・中傷するようなメッセージや、電子掲示板システムの品位を低下させるようなメッセージが掲載されてしまうことも少なくない。このことは社会的な問題として関心が高まっており、早急な対策が必要とされている。
【0004】
そのため多くの場合、電子掲示板システムの運営管理人が自らが運営している電子掲示板の掲載内容をコンピュータ画面で読んで頻繁にチェックし、不穏当なメッセージが掲載されていたら、管理人コンピュータを操作して電子掲示板システムのサーバコンピュータにアクセスし、そのメッセージを掲示板から削除したり、メッセージ掲載者に注意を喚起するなどの作業を行い、掲示板の品位を保つべく努力をしている。この作業はきわめて面倒であり、多数の電子掲示板を運営している場合には膨大な人手を要する。しかも、大変な人手作業を行っても、不穏当なメッセージ掲載による掲示板の品位低下を確実に防げるわけではない。
【0005】
また、複数の利用者が同時的に電子掲示板にアクセスし、互いのメッセージを掲示しあいながら文字による会話を進める利用形態がある。これはチャットと呼ばれており、きわめて人気がある。チャットの場合には、誰かが不穏当なメッセージを掲示すると、瞬く間に他の人たちに影響が波及し、不穏当なメッセージが飛び交い、騒乱状態を呈することが少なくない。こうなると電子掲示板の品位が崩壊するにとどまらず、社会的な悪影響を憂慮しなければならない事態に発展することもある。仮に運営管理人が電子掲示板に張り付いてチャットの内容を監視していたとしても、前記のような騒乱状態を未然に防ぐことは簡単なことではなかった。せいぜい電子掲示板の運用を緊急停止することぐらいしかできなかった。
【0006】
【発明の開示】
この発明の基本的な目的は、電子掲示板を介して行われている自然なコミュニケーションを保ちつつ、不穏当なメッセージが掲示されることを事前に自動的に阻止したり、不穏当なメッセージが掲載されようとしたことなどを管理人に自動的に通知する機能を備えた電子掲示板システムを提供することにある。とくに、この発明では、各電子掲示板にそれぞれ独自のメッセージ監視態勢を設定できるようにすることが目的となっている。
【0007】
この発明に係る電子掲示板システムは、基本的に、つぎの事項(1)〜(11)により特定されるものである。
(1)記憶手段と、制御手段を備えたサーバコンピュータにより構成された電子掲示板システムであること
(2)記憶手段は、掲示板データベースと、共通禁止用語集と、複数の個別禁止用語集と、通知先情報を格納すること
(3)掲示板データベースは、複数の電子掲示板ごとに登録メッセージを集約すること
(4)各個別禁止用語集は、それぞれ各電子掲示板に対応付けされること
(5)通知先情報は、システム管理人の通知先情報と、各電子掲示板に対応付けされた複数の掲示板管理人の通知先情報を含むこと
(6)制御手段は、利用者コンピュータから掲載希望メッセージを受信した際にメッセージ検査処理を行うとともに、その検査結果に応じて、メッセージ登録処理、第1〜第3拒否処理を行うこと
(7)メッセージ検査処理は、受信した電子掲示板Aへの掲載希望メッセージBについて、電子掲示板A用の個別禁止用語集Cおよび共通禁止用語集に照らして検査を行い、掲載希望メッセージBに個別禁止用語集Cおよび共通禁止用語集の用語が含まれていない場合にはメッセージ登録処理を、個別禁止用語集Cの用語が含まれている場合には第1と第2拒否処理を、共通禁止用語集の用語が含まれている場合には第1と第2と第3拒否処理を行わせること
(8)メッセージ登録処理は、掲載希望メッセージBを掲示板データベースにおける電子掲示板Aに登録すること
(9)第1拒否処理は、掲載希望メッセージBを発信した利用者コンピュータに向けて掲載できない旨の通知を送信すること
(10)第2拒否処理は、電子掲示板Aに対応する掲示板管理人の通知先情報に基づいて、禁止用語を含んだメッセージの掲載を拒否した事象の通知を送信すること
(11)第3拒否処理は、システム管理人の通知先情報に基づいて、禁止用語を含んだメッセージの掲載を拒否した事象の通知を送信すること
【0008】
この発明は、つぎの事項(21)〜(24)により特定される構成を上記の基本構成に加えて実施してもよい。
(21)記憶手段は、さらに、共通要注意用語集と、各電子掲示板に対応付けされた個別要注意用語集を格納すること
(22)メッセージ検査処理は、さらに、受信した電子掲示板Aへの掲載希望メッセージBについて、電子掲示板A用の個別要注意用語集Dおよび共通要注意用語集に照らして検査を行い、掲載希望メッセージBに個別要注意用語集Dの用語が含まれている場合には第1警告処理を、共通要注意用語集の用語が含まれている場合には第1と第2警告処理を行わせること
(23)第1警告処理は、電子掲示板Aに対応する掲示板管理人の通知先情報に基づいて、要注意用語を含んだメッセージを掲載した事象の通知を送信すること
(24)第2警告処理は、システム管理人の通知先情報に基づいて、要注意用語を含んだメッセージを掲載した事象の通知を送信すること
【0013】
【発明を実施する最良の形態】
この発明の対象となる電子掲示板システムは、ネットワークを通じて利用者コンピュータと通信するサーバコンピュータにより構成され、個別にアクセス可能な多数の電子掲示板を管理して利用者コンピュータに提供するシステムであり、各電子掲示板にそれぞれ独自のメッセージ監視態勢を設定できるようにすることがこの発明の特徴の1つである。
以下では、1つの電子掲示板に関するメッセージ監視機能の実現手段について詳しく説明し、つぎに各電子掲示板ごとにメッセージ監視態勢を独自に設定する手段について説明することとする。
【0014】
===前提事項の説明===
図1〜図5に基づいてこの発明の前提となるメッセージ監視機能の実現手段の基本構成を説明するが、まず最初に、その説明で使用する用語について以下に列記する。
[サーバコンピュータS]…電子掲示板システム全体を統括管理するコンピュータである。インターネットに接続し、WWWサーバ10、電子メールサーバ20として機能する。[利用者コンピュータC]…利用者によって操作される広域各地に散在するコンピュータであり、インターネットに接続する。利用者はメッセージの登録や閲覧を当該利用者コンピュータによって行う。
[運営管理人コンピュータM]…サーバコンピュータS上で稼働するソフトウエアのメンテナンスを行うコンピュータである。インターネットに接続し、運営管理人は自分の電子メールアドレス宛てに送られてきた電子メールをこの運営管理人コンピュータMで受け取る。
[電子掲示板30]…サーバコンピュータS上のデータベース管理システムDBMSによって管理されるデータベースであり、利用者から送られてくるメッセージが格納される。[掲載禁止用語集40]…サーバコンピュータ上のデータベース管理システムDBMSによって管理されるデータベースであり、電子掲示板に掲載するのは不適当であるとして事前に運営管理人によって選出された用語が登録されている。◎
[要注意用語集50]…サーバコンピュータS上のデータベース管理システムDBMSによって管理されるデータベースであり、電子掲示板30に掲載するものの、電子掲示板30に掲載したことに対する社会の反応に注意する必要があるものとして事前に運営管理人によって選出された用語が登録されている。
[類義語辞典60]…DBMSによって管理されるデータベースであり、掲載禁止用語集40および要注意用語集50のメンテナンス時に利用される。
[掲載希望メッセージ]…利用者が電子掲示板への掲載を希望するメッセージである。ここでいう掲載希望メッセージには、メッセージ本文、タイトル、ハンドルネームまたはペンネームなど、電子掲示板上に公開される全ての情報が含まれる。
【0015】
===掲載希望メッセージの登録処理===
電子掲示板への掲載希望メッセージを登録する処理の流れを図2のフローチャートに示している。電子掲示板にメッセージを掲載したいと思う利用者は、まず利用者コンピュータをインターネットに接続し、掲載希望メッセージ登録画面のURL(Uniform Resorce Locator)を送出する。両者が接続されるとサーバコンピュータSから利用者コンピュータCに掲載希望メッセージ登録画面が送達されてくる。この画面には、掲載希望メッセージ記入欄として「ハンドルネーム」「タイトル」「本文」の3つの記入欄が用意されている。また、記入欄の下には「書き込む」「リセット」の2つのボタンがある。これらの記入欄に所定事項を記入して、「書き込む」のボタンをクリックすると、掲載希望メッセージ記入後の画面情報がサーバコンピュータS側に返送される(100)。
【0016】
===掲載禁止用語集の照合による用語チェック===
サーバコンピュータSは、返送されてきた画面情報から利用者によって記入された掲載希望メッセージを抽出し(110)、掲載希望メッセージに掲載禁止用語集40に登録されている用語が含まれているかどうかを調査する(120)。調査の結果、掲載禁止用語集40中の用語が含まれていた場合には、当該掲載希望メッセージを発した利用者コンピュータCに対し、メッセージを掲載できない旨が記載された画面(図3)を送信する(130)。また、同時に当該電子掲示板システムの運営管理人の電子メールアドレス宛てに、掲載希望メッセージの電子掲示板への掲載を拒否した旨が記載された電子メール(図4)を送信する(140)。
【0017】
===要注意用語集の照合による用語チェック===
一方、調査の結果、掲載希望メッセージに掲載禁止用語集40中の用語が含まれていなかった場合には、当該掲載希望メッセージを電子掲示板30に登録する(150)。そしてサーバコンピュータは当該掲載希望メッセージに要注意用語集50に登録されている用語が含まれていないかどうかを調査する(160)。調査の結果、要注意用語集50中の用語が含まれていたことが判明した場合には、サーバコンピュータSは、当該電子掲示板システムの運営管理人の電子メールアドレス宛てに、要注意用語が含まれていた掲載希望メッセージを電子掲示板に掲載したことを通知する電子メール(図5)を送信する(170)。
【0018】
===用語集のメンテナンス===
掲載禁止用語集40および要注意用語集50のメンテナンスは運営管理人コンピュータMにより行われる。以下は掲載禁止用語集40のメンテナンスについて説明する。本実施例においては、要注意用語集50および掲載禁止用語集40はそれぞれ全く同じ手順でメンテナンスされるので、要注意用語集50のメンテナンスについての説明は省略する。
【0019】
運営管理人コンピュータMでは、用語集のメンテナンスソフトウエアが稼働している。メンテナンスソフトウエアは運営管理人コンピュータMのディスプレイにメニュー画面を表示して、運営管理人の操作指示を待つ。
【0020】
運営管理人がメニュー画面にある「用語登録」ボタンをクリックすると、登録したい用語の記入欄が設けられた用語登録画面が表示される。運営管理人が、登録したい掲載禁止用語をこの用語記入欄に記入した後、この画面に設けられた「登録」ボタンをクリックすると、メンテナンスソフトウエアはこの用語が掲載禁止用語集40に既に登録済みであるかどうかを調べる。掲載禁止用語集40に登録が無ければ、メンテナンスソフトウエアはこの用語を掲載禁止用語集40に登録する。一方、この用語が掲載禁止用語集40にすでに登録されていた場合には、「既に登録済みです」というメッセージをディスプレイに表示する。
【0021】
つぎに、メンテナンスソフトウエアは、この用語に類似する言葉を類義語辞典60からピックアップして一覧形式にまとめた類義語一覧画面をディスプレイに表示する。画面上に並べられている各類義語の横には、各類義語ごとに「登録」ボタンが用意されている。運営管理者が、類義語一覧画面から登録したい類義語を選び、その類義語に対応する「登録」ボタンをクリックすると、その類義語が掲載禁止用語集40に登録される。この時、前述した用語の登録の場合と同様に当該類義語と同じ用語が掲載禁止用語集40に既に登録済みであるかどうかが調査され、掲載禁止用語集40に登録されていなければこの言葉を新たに掲載禁止用語集40に登録する。この類義語と同じ用語が既に掲載禁止用語集40に登録されていた場合には、「既に登録済みです」というメッセージをディスプレイに表示する。
【0022】
メニュー画面の「用語削除」ボタンをクリックすると、用語削除画面が表示される。この画面には、現在掲載禁止用語集40に登録されている用語の一覧が50音順に並べられて表示される。この時、画面の端に用意されているスクロールバーを操作すると画面がスクロールするので画面に表示しきれなかった部分も参照することができる。この画面の検索用語記入欄に適当な検索キーワードを記入すると、このキーワードに該当する用語を先頭に50音順に並べ直した用語一覧が表示される。ここで、各用語の横には各用語に対応する「削除」ボタンが設けられている。運営管理者が、削除したい用語に対応する「削除」ボタンをクリックすると、当該用語は掲載禁止用語集40から削除される。
【0023】
===電子掲示板に掲載されたメッセージの閲覧===
電子掲示板を閲覧したいと思う利用者は、利用者コンピュータCをインターネットに接続して電子掲示板閲覧画面のURLを送出する。両者が接続されると、サーバコンピュータSから電子掲示板閲覧画面が送られてくる。利用者が、この画面に設けられている「タイトル一覧」ボタンをクリックすると、利用者コンピュータCからサーバコンピュータSに対してタイトル一覧画面を要求する命令が送出される。サーバコンピュータSは、この命令を受けて電子掲示板30を参照し、新しいものから順番に並べたメッセージタイトルの一覧が掲載されたタイトル一覧画面を、利用者コンピュータCに返信する。利用者が、送られてきたタイトル一覧画面におけるあるタイトルをクリックすると、利用者コンピュータCからサーバコンピュータSに対してメッセージ本文画面を要求する命令が送出される。この命令を受けてサーバコンピュータは、利用者コンピュータCに対し、そのタイトルに対応するメッセージが記載された画面を返信する。
【0024】
メッセージ本文画面の上部には、「前の記事」「次の記事」の2つのボタンが設けられている。利用者はこれらのボタンをクリックすることにより、電子掲示板30に登録されているメッセージを登録された時系列順に巡回閲覧することができる。メッセージ本文画面の下部には「リプライ」ボタンおよび「削除」ボタンが設けられている。利用者が「リプライ」ボタンをクリックすると、サーバコンピュータSからこのメッセージに対する返信メッセージを登録する画面が送られてくる。利用者はこの画面に前述した掲載希望メッセージを登録する場合と同じ要領により返信メッセージを登録することができる。
【0025】
一方、利用者が「削除」ボタンをクリックすると当該メッセージを登録した本人であることを確認するためのパスワード認証画面がサーバコンピュータSから送られてくる。利用者はあらかじめ通知されている正規なパスワードを記入し、この画面をサーバコンピュータSに送出する。サーバコンピュータSは、パスワード認証画面が利用者コンピュータCから送られてくると、パスワードが正規なものであるかどうかを検証する。正規なパスワードであることを確認した場合には、電子掲示板30から当該メッセージを削除する。
【0026】
===各電子掲示板ごとの独自のメッセージ監視態勢===
ここまでの説明では明らかにしなかったが、この発明に係る電子掲示板システムでは、個別にアクセス可能な多数の電子掲示板を管理し利用者コンピュータに対して提供する。個々の電子掲示板にはそれぞれの主催者がいて、その主催者の趣意にそって電子掲示板を運営する。
この発明と直接には関係しない事項であるが、このシステムでは電子掲示板の主催者を一般の利用者から募っている。これに応募することで一般の利用者が自分の電子掲示板を主催することができる。たとえばつぎのような手順をとる。利用者コンピュータによりインターネットを通じてサーバコンピュータSにアクセスし、掲示板主催の申し込み用紙のWWWページを取り寄せる。そのページに利用者の個人情報(自分の電子メールアドレスが含まれる)を記入するとともに、掲示板主催の趣意や掲示板のタイトルなどの事項を記入してサーバコンピュータSに伝える。この申し込みについてサーバコンピュータSにて審査が行われ、合格すれば電子掲示板の主催者として認定される。そして、サーバコンピュータSは、電子掲示板の主催者と認定した利用者コンピュータに対して、掲示板の運営規則や掲示板URLおよびパスワードなどを伝える。
【0027】
前記のような手続きで電子掲示板を主催することになった利用者のことを以下では掲示板管理人と称する。サーバコンピュータSは、URLの異なる多数の電子掲示板を運営しており、それぞれに掲示板管理人が割り当てられている。サーバコンピュータSは、これら掲示板管理人の個人情報を名簿のような形式で管理している。これら掲示板管理人とは別に、すべての電子掲示板を含むサーバコンピュータSの運営者であるシステム管理人がいる。この実施例では、先の説明における「運営管理人」に相当する人として、サーバコンピュータSの運営者である「システム管理人」と、個々の電子掲示板の主催者である「掲示板管理人」とが存在することになる。この関係を図6に整理して示している。
【0028】
そして、ある電子掲示板への掲載希望メッセージに前記掲載禁止用語集中の用語が含まれている場合、当該メッセージを発した利用者コンピュータに対してメッセージを掲載できない旨を通知する書状の画面データを送信するとともに、メッセージの掲載を拒否した事象をその電子掲示板の前記掲示板管理人コンピュータと前記システム管理人コンピュータの両方に対して通知する。同様に、ある電子掲示板への掲載希望メッセージに要注意用語集中の用語が含まれている場合、そのようなメッセージを掲載した事象をその電子掲示板の前記掲示板管理人コンピュータと前記システム管理人コンピュータの両方に対して通知する。
【0029】
===共通用語集と個別用語集==
また本実施例においては、掲載禁止用語集は、すべての電子掲示板に共通に設定された共通用語集と、個々の電子掲示板に固有に設定された個別用語集とに論理的に区分されている。そして、ある電子掲示板への掲載希望メッセージに含まれていた掲載禁止用語が、前記共通用語集ではなくて当該電子掲示板用の前記個別用語集中の用語であった場合、前記システム管理人コンピュータに対する前記通知は行わない。つまり、その電子掲示板の掲示板管理人コンピュータに対してのみメッセージの掲載を拒否した事象を通知する。
【0030】
同様に、要注意用語集は、すべての電子掲示板に共通に設定された共通用語集と、個々の電子掲示板に固有に設定された個別用語集とに論理的に区分されている。ある電子掲示板への掲載希望メッセージに含まれていた要注意用語が、前記共通用語集ではなくて当該電子掲示板用の前記個別用語集中の用語である場合、前記システム管理人コンピュータに対する前記通知は行わない。つまり、その電子掲示板の掲示板管理人コンピュータに対してのみ要注意用語が含まれたメッセージを掲載した事象を通知する。
これらの通知は電子メールにより行う。なお、サーバコンピュータSが実行する以上の情報処理手順を図7のフローチャートに整理して示している。
【0031】
===個別用語集の作成===
掲載禁止用語集および要注意用語集についての各電子掲示板ごとの個別用語集は、それぞれの掲示板管理人が任意に作成できる。たとえばつぎのような手順をとる。掲示板管理人コンピュータによりインターネットを通じてサーバコンピュータSにアクセスし、掲載禁止用語集および要注意用語集の編集用紙のWWWページを取り寄せる。このページには、掲載禁止用語集および要注意用語集についてのシステム既定の用語(共通用語集)がリストになって記載されている。掲示板管理人は、この共通用語集にリストアップされている用語の中から任意の用語を削除指定できる。削除指定欄に印を記入すればよい。また掲示板管理人は、共通用語集にリストアップされていない用語を追加登録する事ができる。追加用語欄に任意の用語を記入すればよい。ここで記入された情報がWWWの仕組みでサーバコンピュータSに伝わる。この情報を受けて、特定の掲示板管理人用の個別用語集がサーバコンピュータSにて適宜な論理構造で作成される。
【0032】
===その他の応用===
(a)電子掲示板30、掲載禁止用語集40、要注意用語集50、類義語字典60などのデータベースは、それぞれ独立して稼働するデータベース管理システムにより管理される構成であってもよいし、前述した実施例のように、これら全てのデータベースが一つのデータベース管理システムによって管理される構成であってもよい。
【0033】
(b)サーバコンピュータSおよび運営管理人コンピュータMはそれぞれ独立した単体のコンピュータである必要はなく、LANなどで接続された複数台のコンピュータによって構成されるものであってもよい。この場合にはシステム全体のパフォーマンスやコストなどを考慮した最適な状態にデータベースやデータベース管理システム等を配置するとよい。
【0034】
(c)前述した実施例においては、掲載希望メッセージに掲載禁止用語が含まれていて、電子掲示板への掲載を拒否したことや、要注意用語が用いられているメッセージを電子掲示板に掲載したことなどの事象を運営管理人に対して通知するのに電子メールを用いたが、運営管理人コンピュータ上で所定の管理ソフトウエアを稼働させてLAN経由でサーバコンピュータと通信し、掲載を拒否した旨などの情報が運営管理人コンピュータのディスプレイに次々に表示される構成であってもよい。
【0035】
(d)前述した電子掲示板システムは、インターネット上で稼働するものであるが、本発明は、パソコン通信のような他のネットワーク形態において稼働する電子掲示板システムにも適用することができる。本発明の適用可否は、ネットワーク形態の種類によって左右されない。
【0036】
(e)前述した実施例のように、用語の登録時に類義語を調べて掲載禁止用語集40や要注意用語集50に類義語を登録してしまうのではなく、掲載希望メッセージの内容を検査する際に掲載禁止用語集40や要注意用語集50に登録されている用語の類義語を調べるようにしてもよい。このようにすれば、用語集に類義語を登録する作業が必要ない上、掲載禁止用語集40や要注意用語集50のためのデータベースの記憶領域も節約される。
【0037】
(f)この発明の特徴の1つは、掲載希望メッセージに掲載禁止用語が含まれている場合、そのメッセージは電子掲示板に掲示されないという形で具象化されることになる。ここでの「掲載禁止用語を含んだメッセージは掲載されない」という事象は、ネットワークを通じて電子掲示板を普通に見ている多くの人々にとって、そのメッセージが「掲載されたと認識されない」ということと同義である。したがって、電子掲示板を普通に見ている多くの人々にとって掲載されたと認識されない範囲内において、電子掲示板にメッセージを物理的に記載してとしても、それは実質的に「掲載していない」のと同じであり、そのような処理方式を採用したからといって本発明の技術思想の範疇から外れるものではない。
【0038】
【発明の効果】
(ア)掲載するのは不適当であると思われる用語が掲載希望メッセージに含まれているかどうかが自動的に検査され、他人を誹謗・中傷するようなメッセージや電子掲示板システムの品位を低下せしめるようなメッセージが電子掲示板に掲載されてしまうのを未然に防ぐことができる。
【0039】
(イ)掲載希望メッセージを電子掲示板に掲載しなかった場合には、運営管理人に対してメッセージの掲載を拒否した事象が電子メールにより通知される。これにより、運営管理人は電子メールを確認するだけで電子掲示板システムが行った処理を逐一把握することができる。
【0040】
(ウ)要注意用語が含まれていた掲載希望メッセージを電子掲示板に掲載した旨が運営管理人に電子メールで通知される。運営管理人は、この通知を電子掲示板システムにおける要注意用語についての今度の取り扱いを決定するための有効な判断材料として活用することができる。
【0041】
(エ)多数の人が主催する多数の電子掲示板を管理するシステムにおいて、個々の掲示板管理人に対するメッセージ検査報告と、すべての電子掲示板の運営責任者であるシステム管理人に対する検査報告とが合目的的に合理的に処理できる。
【0042】
個々の掲示板管理人が独自の掲載禁止用語や要注意用語を登録できるので、それぞれ主催する電子掲示板の趣意に合せて、独自の検査と検査報告のサービスを受けられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の基礎となる電子掲示板システムの概略構成を示す図である。
【図2】 この発明の基礎となるメッセージ登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】 この発明の一実施例においてメッセージの掲載を拒否した場合に利用者コンピュータに送信される画面の一例を示す図である。
【図4】 この発明の一実施例においてメッセージの掲載を拒否した事象を運営管理人宛に通知する電子メールの一例を示す図である。
【図5】 この発明の一実施例において掲載メッセージに要注意用語が含まれていた事象を運営管理人宛てに通知する電子メールの一例を示す図である。
【図6】 この発明の一実施例による電子掲示板システムの概略構成を示す図である。
【図7】 この発明の一実施例によるメッセージ登録処理の流れを示すフローチャートである。

Claims (4)

  1. 記憶手段と、制御手段を備えたサーバコンピュータにより構成された電子掲示板システムであって、
    記憶手段は、掲示板データベースと、共通禁止用語集と、複数の個別禁止用語集と、通知先情報を格納し、
    掲示板データベースは、複数の電子掲示板ごとに登録メッセージを集約し、
    各個別禁止用語集は、それぞれ各電子掲示板に対応付けされ、
    通知先情報は、システム管理人の通知先情報と、各電子掲示板に対応付けされた複数の掲示板管理人の通知先情報を含み、
    制御手段は、利用者コンピュータから掲載希望メッセージを受信した際にメッセージ検査処理を行うとともに、その検査結果に応じて、メッセージ登録処理、第1〜第3拒否処理を行い、
    メッセージ検査処理は、受信した電子掲示板Aへの掲載希望メッセージBについて、電子掲示板A用の個別禁止用語集Cおよび共通禁止用語集に照らして検査を行い、掲載希望メッセージBに個別禁止用語集Cおよび共通禁止用語集の用語が含まれていない場合にはメッセージ登録処理を、個別禁止用語集Cの用語が含まれている場合には第1と第2拒否処理を、共通禁止用語集の用語が含まれている場合には第1と第2と第3拒否処理を行わせ、
    メッセージ登録処理は、掲載希望メッセージBを掲示板データベースにおける電子掲示板Aに登録し、
    第1拒否処理は、掲載希望メッセージBを発信した利用者コンピュータに向けて掲載できない旨の通知を送信し、
    第2拒否処理は、電子掲示板Aに対応する掲示板管理人の通知先情報に基づいて、禁止用語を含んだメッセージの掲載を拒否した事象の通知を送信し、
    第3拒否処理は、システム管理人の通知先情報に基づいて、禁止用語を含んだメッセージの掲載を拒否した事象の通知を送信する
    電子掲示板システム。
  2. 記憶手段は、さらに、共通要注意用語集と、各電子掲示板に対応付けされた個別要注意用語集を格納し、
    メッセージ検査処理は、さらに、受信した電子掲示板Aへの掲載希望メッセージBについて、電子掲示板A用の個別要注意用語集Dおよび共通要注意用語集に照らして検査を行い、掲載希望メッセージBに個別要注意用語集Dの用語が含まれている場合には第1警告処理を、共通要注意用語集の用語が含まれている場合には第1と第2警告処理を行わせ、
    第1警告処理は、電子掲示板Aに対応する掲示板管理人の通知先情報に基づいて、要注意用語を含んだメッセージを掲載した事象の通知を送信し、
    第2警告処理は、システム管理人の通知先情報に基づいて、要注意用語を含んだメッセージを掲載した事象の通知を送信する
    請求項1に記載の電子掲示板システム。
  3. ネットワークを通じて利用者コンピュータと通信するサーバコンピュータにより構成され、個別にアクセス可能な多数の電子掲示板を管理して利用者コンピュータに提供する電子掲示板システムであって、
    すべての電子掲示板について共通に設定された共通禁止用語集と、
    各電子掲示板に固有に設定された多数の個別禁止用語集と、
    利用者コンピュータからのリクエストに応答してメッセージ登録画面を送信する手段と、
    掲載希望者がメッセージ登録画面に記入した情報を利用者コンピュータから取得する手段と、
    メッセージ登録画面の記入情報のうち電子掲示板Aに掲載希望のメッセージBについて、電子掲示板A用の個別禁止用語集Cおよび共通禁止用語集に照らして検査を行う手段と、
    電子掲示板Aに掲載希望のメッセージBに個別禁止用語集Cおよび共通禁止用語集の用語が含まれていない場合、メッセージBを電子掲示板Aに掲載する手段と、
    電子掲示板Aに掲載希望のメッセージBに共通禁止用語集の用語が含まれている場合、メッセージBを発した利用者コンピュータに対してメッセージBを掲載できない旨を通知する書状の画面データを送信するとともに、メッセージBの掲載を拒否した事象を電子掲示板Aの掲示板管理人コンピュータおよびシステム管理人コンピュータに対して通知する手段と、
    電子掲示板Aに掲載希望のメッセージBに個別禁止用語集Cの用語が含まれていた場合、メッセージBを発した利用者コンピュータに対してメッセージBを掲載できない旨を通知する書状の画面データを送信するとともに、メッセージBの掲載を拒否した事象を電子掲示板Aの掲示板管理人コンピュータに対して通知する手段と、
    を備えたことを特徴とする電子掲示板システム。
  4. 請求項3に記載の電子掲示板システムであって、
    すべての電子掲示板について共通に設定された共通要注意用語集と、
    各電子掲示板に固有に設定された多数の個別要注意用語集と、
    電子掲示板Aに掲載希望のメッセージBに共通要注意用語集の用語が含まれていた場合、メッセージBを掲載した事象を電子掲示板Aの掲示板管理人コンピュータおよびシステム管理人コンピュータに対して通知する手段と、
    電子掲示板Aに掲載希望のメッセージBに個別要注意用語集Dの用語が含まれていた場合、メッセージBを掲載した事象を電子掲示板Aの掲示板管理人コンピュータに対して通知する手段と、
    を備えたことを特徴とする電子掲示板システム。
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