JP3776204B2 - フラクションコレクター及び集液ビンラック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分取用液体クロマトグラフ装置における、分離液の揮発による弊害を効果的に防止するフラクションコレクター及び集液ビンラックの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体クロマトグラフ装置を用いて試料の分離を行なう方法は、基本的には試料分析を目的とするものであっても、特定成分の分取を目的とするものであっても同様の原理に基づいている。但し、分取目的の装置の場合には、多量の試料を精度良く短時間で得る必要があるため、装置の形態は異なるものとなる。
【0003】
そして当然ながら、生産される必要な及び不必要な分離液の量も、一般的な分析用液体クロマトグラフ装置に比して格段に多くなっている。
【0004】
一方分離液には、揮発性の高いものも含まれている場合が往々にしてあるが、それが作業者等に悪影響を及ぼすことは容易に想像できる。即ち、蒸発気体が人体に有害なもの、腐蝕性のあるもの、引火性のあるもの、等の場合には注意を要する。分離作業時間の比較的短い分析用液体クロマトグラフ装置とは異なり分取用の装置には、終夜運転を行なうことすらあり得る。そして集液ビンの取り出しは、分離作業が完了するまで行わないのが普通であるので、このような場合揮発性の高い液体であっても、ラックの上の集液ビンの中で長時間待機するということになる。そうすると、装置付近には揮発した気体が充満することになり、火災の恐れがあるばかりでなく、人体にとっても有害な環境となる。これに対し従来は、せいぜい作業をドラフトチャンバー内で行なうようにする程度の対処が精一杯であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ドラフトチャンバーの使用は、操作性に問題があるし、装置を覆うものであるため大きな空間を要するものであるなど、およそ効率が良いとは言えないものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、上記諸点に鑑み鋭意研究の結果遂に本発明を成したものでありその特徴とするところは、分取液体クロマトグラフィにおいて発生した分離液を、注液ノズルを自動的に順次移動させながら多数の集液ビン内に排出する際に使用されるフラクションコレクター及び集液ビンラックであって、上端高さをほぼ揃えて該多数の集液ビンを格納する集液ビンラックは密閉壁で覆われており、またこの密閉壁の天面には格納される個々の集液ビンの開口と対向する位置に透孔が刻設されており、且つ該開口と該透孔とは離反しており、また、フラクションコレクター側は、該密閉壁によって閉じられた空間に通じる吸引ポンプを有している、という点にある。
【0007】
ここで「分離液」とは、分取試料を溶媒と共にカラム内に圧入した結果得られる成分を指す語句である。分離液を個々に集液ビン内に集めることで分離精製するわけであるが、集液ビンには、不必要成分を多く含み分取対象とはなり得ないもの、等も含まれ得る。
【0008】
この集液ビンは多数使用されるもので、ラック本体に整然と並べられる。分離されカラムから排出された各分離液は、輸液チューブ等を経て注液ノズルからこの集液ビンに排出されることになる(勿論、不要な溶媒等については注液ノズルを経ずそのままドレインするのが一般的でありこの場合、全ての分離液が注液ノズルに至るというわけではない)。なお分取液体クロマトグラフィの場合、分析用と異なり分離時間が長く、またピークの広がりも大きいことが多いので、基本的に連続自動のフラクションコレクターが採用され、注液ノズルは通常、集液ビン開口の上まで移動したのち分離液を排出、その後次の集液ビン開口の上まで移動、という運動を自動的に行なうことになる。
【0009】
本発明では、上記集液ビンを格納するラック本体は、密閉壁で覆われている。なおここでいう「壁」は、側面だけでなく、天面や底面などを含む概念の語句である。また、「密閉」という語句を使用しているが完全な気密或いは水密を維持できるという意味のものではなく、密閉壁の天面に刻設された透孔の存在からも明らかなように、外と通じている部分を有するものである。但し、密閉壁内部空間に存在する揮発気体は、この透孔から外には出ない。従って、ここでの「密閉」は、「内部気体を漏出させない」という意味であると解釈して良い。
【0010】
この透孔は、設置される全ての集液ビンの開口の真上に当然ながら設けられている。即ち、密閉壁の天面には、少なくとも装置に設置し得る集液ビンの数だけの透孔が、これらの集液ビン開口と対向する箇所に設けられている。透孔の大きさは、注液ノズルから分離液が排出されるのを阻害しない限りできるだけ小さい方が、蒸発気体の漏出防止という本発明の目的を確実に達成しやすいものであるが、集液ビンの大きさや深さ、ノズルの形状等によって異なるものであり限定はしない。しかしいずれにしても一般に言う「小孔」という概念に含まれるものである。
【0011】
また密閉壁は、ラック本体に集液ビンを装填したり取り出す場合には該ラック本体から外せるものでなければならない。そのための構造上の工夫については本発明においては特に限定はしない。
【0012】
「吸引ポンプ」は、密閉壁によって分画された空間内の空気を吸引して外部に排出するためのポンプである。吸引することで内部空間の空気圧は下がり、密閉壁天面に刻設された透孔から内部空間に向かう空気流が発生することになる。空間内部に揮発気体が存在したとしても、この空気流が極くわずかに存在するだけで、透孔から外部に漏れることはなくなる。よって吸引ポンプに要求される吸引能力は小さなものであり、ポンプの形状の小型化は図りやすい。過剰な吸引は分離液の蒸発を促進することにもなりかねず、さして効果的ではない。
【0013】
また吸引ポンプと密閉壁内部空間とを連結する流路或いはその近傍に、フィルターなどの部材を付加し、吸引気体を浄化して排出すると更に好適である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づき本発明を更に詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明に係るフラクションコレクター1(以下本発明装置1という)を概略的に示すものである。図より明らかなように本発明装置1は、コンピュータ制御によって前後左右に移動する注液ノズル2と、その下方に設けられたラック載置台3を有するものである。このラック載置台3は、それ自体が箱状の内部空間Xを形成しており、この内部空間Xと通じる複数の孔32を有している。またこのラック載置台3の背部には、フィルター33、チューブ34、吸気ポンプ35が配置されている。
【0016】
吸気ポンプ35を駆動させると、ラック載置台3の内部空間X内に存在する気体を吸気することになる。同時に、ラック載置台3近傍に存在する気体は孔32を通じて内部空間X内に流入することになる。
【0017】
次に図2及び図3は、本発明に係る集液ビンラック5(以下「本発明ラック5」という)と、これを図1の本発明装置1に設置しようとしている状態を示すものである。本発明ラック5は、本発明装置1に設置したときに本発明装置1のラック載置台3に設けられた孔32が吸気孔として機能し得る底面構造を有している。本例の本発明ラック5の場合、ラック載置台3に設けられた孔32とほぼ重なる位置と大きさの孔51を設けているが、底面を完全に開放するような構造としても良い(図示せず)。但しいずれにしても本発明装置1に本発明ラック5を設置した後には、ラック内には外部と遮断された密閉空間Yが形成される。
【0018】
ま本発明ラック5は、集液ビン6を所定の位置に固定しておくために、底部分に小さな凹部52を、側板には該集液ビン6をほとんど隙間なく挿通し得る保持孔を有する保持板53が設けられている。側板自体は、内部の様子が目視によって確認できるように一部を透明体にて覆うようにしている。また天面には、設置しても内部の集液ビン6の上端と離反する蓋体54があり取り外し可能となっている。そして蓋体54には、多数(格納し得る集液ビン6の数)の小孔55が刻設されている。この小孔55は、注液ノズル2が排出する分離液を、蓋体54を外さずとも完全に集液ビン6内に入れるための孔である。また、本例の注液ノズル2は、前後左右には移動するが上下には移動しないというものであるが、上下にも移動させるようにしても良い(図示せず)。その場合には、小孔55は該ノズル2上下動を妨げないようにすべきである。
【0019】
この小孔55の存在により、分離液を注液ノズル2から集液ビン6内に注入する場合でも蓋体54を取り外す必要がなくなる。なお、集液ビン6には揮発性の高い液体が入っていることも当然あるが、揮発気体は本発明装置1の外部に漏出することはない。即ち、吸気ポンプ35を駆動させると、ラック載置台3の内部空間X内に存在する気体は吸気されるわけであるが、この内部空間Xと通じている密閉空間Y内の気体も、同様にして吸気される。従って、小孔55は本発明ラック5にとっては吸気口として機能し、いかなる気体も排出しない。
【0020】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るフラクションコレクター及び集液ビンラックは、分取液体クロマトグラフィにおいて発生した分離液を、注液ノズルを自動的に順次移動させながら多数の集液ビン内に排出する際に使用されるフラクションコレクター及び集液ビンラックであって、上端高さをほぼ揃えて該多数の集液ビンを格納する集液ビンラックは密閉壁で覆われており、またこの密閉壁の天面には格納される個々の集液ビンの開口と対向する位置に透孔が刻設されており、且つ該開口と該透孔とは離反しており、また、フラクションコレクター側は、該密閉壁によって閉じられた空間に通じる吸引ポンプを有しているものであることを特徴とするものであり、以下述べる如き種々の効果を有する極めて高度な発明である。
【0021】
▲1▼ 分離液の揮発性が高く、人体に有害であったり、引火しやすいとしても、装置近辺にこれらの揮発気体が漏れることはない。従って安全性が高い。
▲2▼ ドラフトチャンバーその他の従来の吸排気設備の場合に比して、吸気ポンプに要求される吸気能力は極く少なくて済むなど維持コストが低い。
▲3▼ 建物自体に大掛かりな改造を加えることなく、簡単に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフラクションコレクターの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る集液ビンラックの一例を示す概略断面図である。
【図3】図1で示したフラクションコレクターに、図2で示した集液ビンラックを設置した状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 本発明に係るフラクションコレクター
2 注液ノズル
3 ラック載置台
32 孔
33 フィルター
34 チューブ
35 吸気ポンプ
5 本発明に係る集液ビンラック
51 孔
52 凹部
53 保持板
54 蓋体
55 小孔
6 集液ビン
X 内部空間
Y 密閉空間

Claims (1)

  1. 分取液体クロマトグラフィにおいて発生した分離液を、注液ノズルを自動的に順次移動させながら多数の集液ビン内に排出する際に使用されるフラクションコレクター及び集液ビンラックであって、上端高さをほぼ揃えて該多数の集液ビンを格納する集液ビンラックは密閉壁で覆われており、またこの密閉壁の天面には格納される個々の集液ビンの開口と対向する位置に透孔が刻設されており、且つ該開口と該透孔とは離反しており、また、フラクションコレクター側は、該密閉壁によって閉じられた空間に通じる吸引ポンプを有しているものであることを特徴とするフラクションコレクター及び集液ビンラック。
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