JPH0528426U - ドラフトチヤンバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理室にて生ずる廃液を処理室外へ持ち出す
ことなく廃液タンクに廃棄可能とし、かつ廃液タンクか
ら発生する有毒ガスや揮発溶剤が実験室内等に漏れるこ
とがなく、安全なドラフトチャンバーとする。 【構成】 本体１内を処理台２を挟んで上部の処理室３
と下部の下台４とに区分し、処理室の背板33内面に処理
室内の上下に開口した縦方向の排気経路５を形成し、排
気経路の上部には処理室から外部への排気手段６を設
け、処理台に処理室から下方の下台内へ連通する廃液口
７を設け、処理台下面の下台内に廃液口に位置する廃液
受け口81を有する廃液タンク８を設置し、下台内から処
理室に設けた排気経路の下部開口部52に連通する排気筒
10を設けたドラフトチャンバー。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ドラフトチャンバーにおける処理室の下方に、該処理室における化 学処理等の結果生ずる廃液を廃棄するための廃液タンクを設置してなるドラフト チャンバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ドラフトチャンバーは、実験室等において有毒ガス等の発生を伴う各種の化学 処理等を安全に行うためのもので、ドラフトチャンバーの処理室には有毒ガス等 を処理室内の雰囲気空気とともに実験室等の外部へ排気するための排気手段が設 けられている。しかし、上記の処理中だけでなく、処理操作の結果生ずる廃液か らも反応による有毒ガスや、揮発溶剤等の発生がみられ、この廃液も処理室の外 部へ取り出すことなく廃棄できることが望ましい。

【０００３】 この場合、廃液をドラフトチャンバーの処理室内から直接該処理室下方に配置 した廃棄タンク等へ廃棄すればよいが、この廃液タンクからドラフトチャンバー 外の実験室へ有毒ガスや揮発溶剤が漏れたりする危険がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の点に鑑み、処理室にて生ずる廃液を処理室外へ持ち出すことな く廃液タンクに廃棄可能とするとともに、該廃液タンクから発生する有毒ガスや 揮発溶剤がドラフトチャンバー外の実験室内等に漏れることがなく、安全なドラ フトチャンバーを提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るドラフトチャンバーは前記の目的を達成するために、ドラフトチ ャンバー本体内を処理台を挟んで上部の処理室と下部の下台とに区分し、前記処 理室の背板内面に処理室内の上下に開口した縦方向の排気経路を形成し、該排気 経路の上部には処理室から外部への排気手段を設け、処理台には処理室から下方 の下台内へ連通する廃液口を設け、前記処理台下面の下台内には前記廃液口に位 置する廃液受け口を有する廃液タンクを設置するとともに、該下台内から前記処 理室に設けた排気経路の下部開口部に連通する排気筒を設けて構成してなる。

【０００６】

【作用】

上記のような本考案に係るドラフトチャンバーは、処理室内における化学処理 等により発生する有毒ガスや揮発溶剤は処理室内の雰囲気空気とともに排気経路 の上下開口部から排気手段により実験室等の外部へ排気される。また、処理後の 廃液は処理台に設けた廃液口から直接下台内の廃液タンクへ廃棄され、そして、 この廃液タンクからの有毒ガスや揮発溶剤等は下台内の雰囲気空気とともに排気 筒を通り、更に処理室の排気経路から処理室内の雰囲気空気とともに排気経路上 方の排気手段により外部へ排気される。

【０００７】

【実施例】

以下、添付図面の実施例にもとづき本考案を更に詳細に説明する。

【０００８】 図例の如くドラフトチャンバーの本体１内は、中間に設けた処理台２を挟んで 上部の処理室３と下部の下台４とに区分されている。上部の処理室３は前面を開 口し、該開口部31はガラス製の前面扉32にて開閉自在として処理室３前方からの 処理操作を可能としている。処理室３の背面には、背板33の内面に隔壁34を設け て背板33との間に処理室３内の上下に開口した縦方向の通気経路５を設けている 。この通気経路５の上部の処理室３の天板35部分に外部への排気手段６を設けて 前記通気経路５の上下の開口部51、52から吸い込んだ処理室３内の雰囲気空気を 実験室等の外部へ排気可能としている。また、処理室３下面の処理台２には、下 方の下台４へ開口した廃液口７を設けている。この処理台２下方の下台４内には 廃液タンク収納部41が設けられており、ここには廃液タンク８が配置されている 。図例の廃液タンク８は、下面にキャスター91を設けて移動可能とした台車９上 に載置されており、その上面には、この台車９を下台４内に設置したときに、前 記処理台２に設けた廃液口７の真下に位置する廃液受け口81を有し、処理台２の 廃液口７から廃棄された廃液をタンク収納部41の上面板42に設けた開口43を通っ て該廃液受け口81からタンク８内へ廃棄可能としている。また、タンク収納部41 の背面板44には通気孔45・・・が設けられており、その背面側には前記処理室３ 背面に設けた排気経路５の下部開口部52に連通する排気筒10が設けられている。

【０００９】 上記のようなドラフトチャンバーは、処理室３前面の前面扉32を開けて処理室 ２内での処理操作を可能とし、この処理に伴い処理室３内に発生する有毒ガス等 は処理室３内の雰囲気空気とともに処理室３背面の排気経路５の上下の開口部51 、52から吸い込まれて排気手段６により実験室等の外部へ排気される。また、こ の処理の結果生ずる廃液等は処理台２に設けた廃液口７から下台４内の廃液タン ク８内へ廃棄される。そして、この廃液タンク８を収納したタンク収納部41内の 雰囲気空気は、該タンク収納部41の背面板44に設けた通気孔45から排気筒10を通 り、処理室３内の排気経路５の下部開口52から処理室３内の雰囲気空気とともに 排気手段６により外部へ排気される。

【００１０】 上記のような本考案に係るドラフトチャンバーによれば、処理室３内で行われ る化学処理等の結果生ずる廃液を処理室３の外部へ持ち出すことなく処理室３内 から直接下方の下台４内に設置した廃液タンク８内へ廃棄可能であるとともに、 この廃液タンク８を設置した下台４内の雰囲気空気も同時に外部へ排気すること により、廃液タンク８内に廃棄された廃液から発生する有毒ガスや揮発溶剤等が 実験室内等に漏れる危険がない。しかも、前記廃液タンク８を設置した下台４内 の排気を処理室３内を排気する排気手段６により排気可能としたことから、廃液 タンク８を設置したタンク収納空間41を排気するのための特別な排気手段を必要 とすることなく、その構造が簡単である。更に、図例の廃液タンク８は、これを 移動可能な台車９上に設置したことから、廃液タンク８の交換、廃液の廃棄作業 等を容易に行うことができる。

【００１１】 尚、図中、符号8'で示すものは予備廃液タンクであって、これもやはり台車９ 上に載置したものを用いている。また、符号11で示すものは処理室３内の照明器 具である。

【００１２】

【考案の効果】

上記のような本考案に係るドラフトチャンバーによれば、処理室内における処 理操作の結果生する廃液を処理室内から下台内に設置した廃液タンクへ廃棄する ことができ、廃液の処理が容易であるとともに、この廃液タンク内の廃液から発 生する有毒ガス等もドラフトチャンバー内に滞留したり、実験室内に漏れたりす ることなくタンク収納部の雰囲気空気を外部へ排気することができる。また、こ の廃液タンク収納部の排気には、別途排気手段を必要とせずドラフトチャンバー の処理室内を排気する排気手段にて同時に行うことができ、構造が簡単である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ドラフトチャンバーの斜視図

【図２】ドラフトチャンバーの正面図

【図３】ドラフトチャンバーの側断面図

【符号の説明】

１ ドラフトチャンバー本体 ２ 処理台 ３ 処理室 ４ 下台 ５ 排気経路 ６ 排気手段 ７ 廃液口 ８ 廃液タンク ９ 台車 10 排気筒 11 照明器具 31 前面開口部 32 前面扉 33 背板 34 隔壁 35 天板 41 タンク収納部 42 仕切板 43 開口 44 背面板 45 通気孔 51 上部開口 52 下部開口 81 廃液受け口 91 キャスター

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドラフトチャンバー本体内を処理台を挟
   んで上部の処理室と下部の下台とに区分し、前記処理室
   の背板内面に処理室内の上下に開口した縦方向の排気経
   路を形成し、該排気経路の上部には処理室から外部への
   排気手段を設け、処理台には処理室から下方の下台内へ
   連通する廃液口を設け、前記処理台下面の下台内には前
   記廃液口に位置する廃液受け口を有する廃液タンクを設
   置するとともに、該下台内から前記処理室に設けた排気
   経路の下部開口部に連通する排気筒を設けてなるドラフ
   トチャンバー。