JP3776089B2 - 液晶ディスプレイパネルの電触防止の機構と方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一種の液晶ディスプレイパネルの設計に係り、特に、液晶ディスプレイパネルの電触防止の機構と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の科学技術の日進月歩の発展にあって、科学製品の精密度と製品構造中の安定性は、すでに製品の発展にあって、不可欠の事項とされている。近年、TFT液晶ディスプレイが急速に発展し、その用途はますます広がり、応用範囲は、早期のノートブック型コンピュータからデスクトップ型コンピュータのスクリーンに発展し、日本のTFT液晶ディスプレイメーカーは次々と商用の液晶テレビを販売している。こうしてTFT液晶ディスプレイは従来のCRTディスプレイに代わりつつある。
【0003】
電触現象はTFT液晶ディスプレイに損壊を発生させやすく、それを運転不能とする原因の一つである。TFT基板の表面の絶縁層には孔が発生する恐れがあり、このため端子の一部の金属リード線上方が孔を透過し、金属を露出させて外界空気と接触させる。液晶が湿った環境にあると水気が孔に付着し、金属リード線と外界が導通回路を形成する。すなわち、液晶が駆動する時、もう一つの電極と端子リード線金属の間に電位差が発生し、並びに導体により二つの電極が導通すると、端子金属の電触現象が発生し、TFT液晶ディスプレイが破壊される恐れがある。
【0004】
図1は周知のTFT液晶ディスプレイの、TFT基板1、端子リード線3(図2中に表示)、及びカラーフィルタ基板5の各部品構造の相対関係表示図である。図2はそのA−A断面図であり、図3はそのB−B断面図である。
TFT液晶パネルの端子部分の電触発生メカニズムには二種類がある。そのうち第1種は、A−A断面において発生しやすい電触メカニズムであり、図2に示され、第2種はB−B断面において発生しやすい電触メカニズムであり、図3に示される。
【0005】
図2に示されるように、TFT基板1の上には端子リード線3が設けられ、水気、汚れ或いは他の不純物を隔離し、TFT基板1上の端子リード線3が正常状況で運転できなくなるのを防止するため、絶縁層7がTFT基板1の端子リード線3を被覆し、TFT基板1と端子リード線3を保護するよう形成され、これにより外界不純物(水、汚れ)の影響を防止している。
【0006】
二つの隣り合う端子リード線3の上の絶縁層7に孔9と孔11が発生する時、通電できる導体により二つの孔9、11が連接されなければ電触現象は発生しない。しかし、通電できる導体、例えば水滴13が孔9と孔11の上に凝結し、且つ二つのリード線に異なる信号が入力されると、二つの隣り合う端子リード線3が異なる電圧を有し、二つの隣り合う端子リード線3が電圧差を発生し、孔9、水滴13と孔11の回路が連結されて、二つの端子リード線3の間の電流流通が形成されて短絡が形成され、これにより電触現象が形成されて電極を侵食し、これによりTFT液晶ディスプレイが操作不能となる恐れがある。
【0007】
図3に示されるのは現段階のカラーフィルタの部品組成表示図であり、カラーフィルタ基板5(不導電のガラス母材で形成)のほか、さらにブラックマトリクス15、カラーフィルタ17、ITO導電薄膜21を具えている。生産工程で、まずブラックマトリクス15がカラーフィルタ基板5の上でエッチングされて、漏光を防止するブラック遮光フレームが形成され、次に順にカラーフィルタ17即ちRGBの三つのカラーホトレジストが塗布され、現像とエッチングの工程の後、一層のガラスに透光させると共に導電特性を具備する(電気抵抗値が低い)ITO導電薄膜21が形成され、図3に示されるカラーフィルタ基板5部分の構造が形成される。その後、さらにフレーム樹脂23が接合リング面24上方のITO導電薄膜21とTFT液晶ディスプレイの接合リング面24上方の絶縁層7に連接され、フレーム樹脂23、内表面28と内表面30が共同で液晶25を包囲被覆する。
【0008】
第2種の電触メカニズムは図3に示されるように、外表面32と外表面34の間に発生し、即ちTFT側端子リード線3とカラーフィルタ基板5の間に発生する電触であある。カラーフィルタ基板5の側辺には、導電性を有するブラックマトリクス15とITO導電薄膜21と、導電性を具備せず且つブラックマトリクス15とITO導電薄膜21の間に位置するカラーフィルタ17があり、液晶25はITO導電薄膜21及びフレーム樹脂23と相互に接触している。孔27が発生する時、端子リード線3の電圧が、ITO導電薄膜21(或いはブラックマトリクス15)の電圧と異なるために、両端に電圧差が発生する。導体による連接がなければ、自然に導通状況は発生せず、電触現象による損壊も形成されない。しかし導体、例えば水滴13が二つの異なる電圧に対する連接作用を形成すると、電流が導通し、短絡し、端子リード線3、ITO導電薄膜21(或いはブラックマトリクス15)が侵食損壊される。
【0009】
以上から分かるように、電触発生メカニズムは、次の二つの条件を満足させる必要があり、即ち、1.導体で連接され且つ異なる電圧を有する二つ以上の電極(例えば絶縁層に孔が発生し、二つの電極が導体により連接される。絶縁層に孔が発生しなければ二つの電極は自然には連接しない。)を有し、電圧差が発生する。2.導体(例えば水分)を透過し異なる電圧差の電極が導通し、これにより電流を発生する。ゆえに以上の二つの条のうちいずれか一方が減れば、電触現象は発生しない。
【0010】
ゆえに、周知の電触メカニズム防止の技術は、図4に示される方式を使用し、二つの基板の接合工程完成後に、人工塗布により、絶縁塗料29を端子側に塗布し、露出した端子領域と二つの基板間隙を被覆する。絶縁塗料29の塗布により、進入する水気を隔離して、水気が回路を導通させる導体となるのを防止し、これにより電触現象の発生を防止する。もし塗料塗布効果が極めて良好であれば、導電による電触現象の発生はなくなる。しかし塗布効果が不良であると、塗布材料が完全に密着、被覆せず、水気が進入する恐れがあり、これにより電触現象が発生して、TFT液晶ディスプレイを損壊しうる。ゆえに周知の電触メカニズム防止の技術には改善の余地がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の改善の方向は、以上の二種類の電触メカニズム中の第2種の電触メカニズム、即ちカラーフィルタ基板とTFT基板間に発生する電触に対する改善にあり、徹底して電触現象の発生する可能性を減らし、TFT液晶ディスプレイの正常な使用状態を維持し、TFT液晶ディスプレイの使用寿命を維持できるようにする。
【0012】
本発明は周知の液晶ディスプレイパネルの電触防止技術では改善が行えず効率を高められなかった欠点を鑑み、周知の技術の欠点を改善し、生産能力を高めるものである。
【0013】
本発明は現存のTFT液晶設計及び工程を利用し、カラーフィルタ基板周辺設計のマスクパターンを変更し、導電性を具えたブラックマトリクスとITO導電薄膜を絶縁材料で被覆し、TFT液晶ディスプレイの湿度の高い環境での操作時に、水気の侵入によりTFT液晶ディスプレイ端子リード線に発生する短絡の形成を防止し、TFT液晶ディスプレイを保護して侵食を防止する。その長所は現行のTFT液晶ディスプレイの工程順序を変更する必要がないことにある。
【0014】
本発明の主要な目的は、電触発生防止の正確度即ち信頼度を高め、液晶パネル損壊の可能性を減らすことにある。周知の技術では、絶縁層の塗布は人工で塗布材料を端子部に塗布していたが、人工の操作は正確に制御できず、塗布が不均一となる状況を発生しやすい。しかし本発明の制御によると、良好に絶縁層の位置を制御でき、ゆえに信頼度の向上に対して極めて有益である。
【0015】
本発明のもう一つの主要な目的は、液晶ディスプレイパネルの電触防止の機構の形成速度を高めることにあり、並びに周知の技術中の塗布のプロセスを節約することにある。本発明では、周知の技術における二つの基板固定後に電触防止物質を塗布する必要がなく、マスクパターンの設計と改変により、もとの工程(カラーフィルタ、スペーサ或いはマルチドメイン垂直配向等の工程)において、自然に電触防止機構を形成する効果を達成でき、人工塗布のステップと時間を節約し、これにより電触防止機構の工程速度を高めることができる。
【0016】
本発明のさらにもう一つの主要な目的は、従来の技術において塗布されていた材料のコストを節約することにある。周知の人工塗布形成される電触防止機構は、カラーフィルタ基板とTFT基板間の空間をほぼ完全に充満しなければ、電触現象の発生を良好に防止することができない。本発明の電触防止機構は、もとの工程中で現像により排除されていた非導電材料を利用し、電極を被覆し、絶縁層となし、二つの基板間の空間の充填と端子部の被覆を不要とし、電触防止の効果を達成でき、塗布の人力を節約するだけでなく、もともと人工塗布されていた材料のコストを節約できる。
【0017】
本発明のもう一つの主要な目的は、カラーフィルタ基板とTFT基板のギャップが縮小される時に、良好な電触防止品質を保持できるようにすることにある。カラーフィルタ基板とTFT基板のギャップの大きさはますます小さく傾向にあり、ゆえに二種類の基板間のギャップは二つの基板の寸法縮小によりますます狭まり、周知の技術で人工の電触防止材料を塗布すると、二つの基板のギャップの影響を受け易く、ギャップが小さくなると塗布不良の状況を発生しやすくなる。本発明の電触防止機構は、カラーフィルタ基板側辺の工程完成時に形成されるため、電触防止機構が完成してから、カラーフィルタ基板とTFT基板を接合する工程を行う。ゆえに、二つの基板のギャップが縮小されても、本発明の電触防止機構は影響を受けず、良好な効率を維持できる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、液晶ディスプレイパネルの電触防止の機構において、
第1基板とされ、第1平面を具え、該第1平面が第1内表面、第1接合リング面と第1外表面を具え、該第1接合リング面が第1内表面と該第1外表面の間に位置する、上記第1基板と、
カラーフィルタ基板とされ、第2平面を具え、該第2平面が該第1基板の該第1平面に対向し、且つ該第2平面が第2内表面、第2接合リング面と第2外表面を具え、該第2接合リング面が該第2内表面と該第2外表面の間に位置する、上記カラーフィルタ基板と、 第1電極とされ、該第1平面に位置し、並びに第1絶縁層で被覆された、上記第1電極と、
第2電極とされ、第2基板の第2平面に位置する、上記第2電極と、
フレーム樹脂とされ、該第1接合リング面の上方の該第1絶縁層及び該第2接合リング面上方の該第2絶縁層に連接され、且つ液晶層を該第1内表面、該第2内表面及び該フレーム樹脂の間に収容する、上記フレーム樹脂と、
液晶層とされ、該第1内表面及び該フレーム樹脂のなかに位置する、上記液晶層と、
を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の機構としている。
請求項2の発明は、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法において、
第1基板を提供する工程とされ、該第1基板は第1平面を具え、第1電極が該第1平面に位置し、並びに第1絶縁層が該第1電極を被覆し、該第1平面が第1内表面と第1外表面の間に位置する第1接合リング面を具えたものとされる、上記第1基板を提供する工程と、
カラーフィルタ基板を提供する工程とされ、該カラーフィルタ基板は第2平面を具え、第2電極が該第2平面に位置し、並びに第2絶縁層が該第2電極を被覆し、該第2平面が第2内表面と第2外表面の間に位置する第2接合リング面を具えたものとされる、上記カラーフィルタ基板を提供する工程と、
第2絶縁層で一部の第2電極を被覆し、並びに第2接合リングの第2平面を画定し、且つ該第2接合リングを第2内表面及び第2外表面の間に位置させる工程と、
フレーム樹脂で該第1接合リング面上方の該第1絶縁層と該第2接合リング面上方の該第2絶縁層を連接し、これにより該第1基板と該カラーフィルタ基板を連接し、並びに液晶層を該フレーム樹脂、該第1内表面と該第2内表面で組成された空間中に配置する工程と、
を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法としている。
請求項3の発明は、請求項2に記載の液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法において、SOC工程の現像パターンを変更して前記第2絶縁層を形成する工程を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法としている。
請求項4の発明は、請求項2に記載の液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法において、複数のリッジでマルチドメイン垂直配向を達成する工程の現像パターンを変更して前記第2絶縁層を形成する工程を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法としている。
請求項5の発明は、請求項3に記載の液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法において、カラーフィルタのパターンを変更して前記第2絶縁層を形成する工程を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明によると、カラーフィルタ基板の平面に電触防止機構が形成され、この平面がTFT基板とカラーフィルタ基板の間に位置する。本発明によると、電極を形成したカラーフィルタ基板の平面にあって、絶縁層が完全に周辺電極を被覆包囲する。絶縁層の作用により、TFT基板に位置して異なる電圧を有するもう一つの電極は、カラーフィルタ基板に形成された電極と電流流動の作用を形成できない。且つ本発明の工程によると、絶縁層がカラーフィルタ基板の周辺平面に形成されて、電触防止能力が非常に完全に確保された後に、二つの基板を接合する工程が実行される。周知の技術では先に二つの基板が接合されてから、絶縁層塗布の工程が実行され、両者は順序が異なる。本発明の絶縁層は完全に二つの基板間のギャップ縮小の影響を受けない条件の下で、極めて良好な電触防止効果を達成する。
【0020】
【実施例】
以下の液晶ディスプレイパネルの電触防止の機構に関する記載はその全部の構造を限定するものではない。本発明が援用する現存の技術は、重点式の引用にすぎず、本発明の説明を補助するためのものである。且つ以下の説明に添付される関係図面も実際の比率により描かれているのではなく、僅かに本発明の構造の特徴を表現するために用いられている。
【0021】
本発明はカラーフィルタ基板の平面に形成した電触防止機構により、電触防止の作用を達成する。この電触防止機構を具えた平面は、TFT基板とカラーフィルタ基板の間に位置する。二つの基板の間にはフレーム樹脂があり、これにより二つの基板が相互に連接され、並びに液晶分子を包囲している。本発明の電触防止機構は、絶縁層が、カラーフィルタ基板の周辺平面上の電極を完全に被覆包囲し、TFT基板上に位置して異なる電圧を有するもう一つの電極が、カラーフィルタ基板上の電極と電流流動の作用を形成できないものとされている。且つ本発明によると、絶縁層がカラーフィルタ基板の周辺平面に形成されて、電触防止能力が非常に完全に確保された後に、二つの基板を接合する工程が実行される。周知の技術では先に二つの基板が接合されてから、絶縁層塗布の工程が実行され、両者は順序が異なる。本発明の絶縁層は完全に二つの基板間のギャップ縮小の影響を受けない条件の下で、極めて良好な電触防止効果を達成する。
【0022】
図5は本発明の第1実施例を示し、カラーフィルタ基板の側辺の主要な組成構造を示し、それは、カラーフィルタ基板5(不導電のガラス母材で形成される)のほか、ブラックマトリクス15、カラーフィルタ17、ITO導電薄膜21を具えている。生産工程中にあって、まずブラックマトリクス15がカラーフィルタ基板5にあってエッチングされ、漏光防止のブラック遮光フレームが形成され、次に順にカラーフィルタ17即ちRGBの三つのカラーホトレジストが塗布され、現像とエッチングの工程の後、一層のガラスに透光させると共に導電特性を具備する(電気抵抗値が低い)ITO導電薄膜21が形成され、図5に示されるカラーフィルタ基板5部分の構造が形成される。ITO導電薄膜21とTFT基板1の上の絶縁層7とフレーム樹脂23が共同で液晶25を包囲被覆する。
【0023】
本発明の好ましい実施例によると、ブラックマトリクス15、カラーフィルタ17、ITO導電薄膜21の工程完成後に、さらに一層の絶縁層31が塗布されて導電するブラックマトリクス15とITO導電薄膜21を完全に被覆し、並びに電触防止の能力が完全に確保された後に、二つの基板の接合の工程が行われる。周知の技術では、先に二つの基板が接合され、さらに絶縁層塗布の工程が行われ、本発明とは順序が異なっている。本発明の絶縁層31は完全に二つの基板間のギャップ縮小の影響を受けない条件下で、極めて良好な電触防止効果を達成する。この絶縁層31の材料は不導電の材料、例えば樹脂或いはプラスチックとされ、絶縁層31塗布完成後に電触現象を形成しうる二つの条件のうちの一つである、「導体で連接され且つ異なる電圧を有する二つ以上の電極を有し、電圧差が発生することにより電流が発生する」という条件が、本発明の電触防止機構の絶縁層31により満たされないために、電触が防止される。
【0024】
ゆえに、絶縁層31に孔27が発生し、また水滴13が孔27と絶縁層31を連接しても、電流が両者の間に出現することはなく、電触防止の機能を達成する。この実施例では、従来の人工塗布の電触防止機構に較べて、一つの工程が増加し、工程数を減らす効果はないものの、電触現象の発生の可能性を大きく減らすことができ、製品の使用寿命も確保できる。当然、絶縁層31に使用する材料は、任意の絶縁性樹脂或いはその他の導電不能の材料とされうる。
【0025】
本発明の第2実施例は図6に示され、周知のカラーフィルタ17の工程をカラーフィルタ17マスクパターンの設計、及び、ITO導電薄膜21マスクパターンの設計に改変し、導電性を具備しないカラーフィルタ17の材料で導電性を有するブラックマトリクス15を被覆し、並びにITO導電薄膜21の分布範囲をフレーム樹脂23内に縮小している。導電性を具備しないカラーフィルタ17と保護層19をカラーフィルタ基板平面の上に形成し、並びに電触防止能力を完全に確保した後に、二つの基板の接合の工程を実行する。周知の技術では、先に二つの基板を進行してから絶縁層塗布の工程を行ない、工程順序が異なっている。本発明の絶縁層は完全に二つの基板間のギャップ縮小の影響を受けないという条件下で、極めて良好な電触防止効果を達成する。全体工程完成後に、図6に示されるように、導電性を具備しないカラーフィルタ17が導電性を具備するブラックマトリクス15を被覆し、電流流通を遮断する。導電性を具備するITO導電薄膜21は導電性を具備しないフレーム樹脂23内に内縮されて、電流の流通が遮断される。これにより第1実施例と同じ機能が達成され、電触現象の発生を形成しうる二つの条件のうちの一つである、「導体で連接され且つ異なる電圧を有する二つ以上の電極を有し、電圧差が発生する」という条件の形成が、カラーフィルタ17により阻止される。ゆえに絶縁層31に孔27が発生し、また水滴13が孔27とカラーフィルタ17を連接しても、電流が両者の間に出現することがなく、短絡の現象が防止され、これにより電触防止の機能が達成される。
【0026】
この第2実施例中、マスクパターンの設計に改変されるだけで、第1実施例とはことなり、人工塗布の工程が一つの塗布工程に改変されて、一つの工程が減らされる。この第2実施例は電触防止の効果を増し、TFT液晶ディスプレイの使用寿命を増すほか、人工塗布の工程或いは電触防止の工程を減らすことができ、全体の工程速度を高め、生産能力を高めることができる。当然、他の類似の工程方法であって本発明の実施例と同じ或いは類似の構造を達成できる方法は、いずれも本発明の請求範囲内に属するものとする。
【0027】
このほか、図7に示される本発明の第3実施例では、周知のスペーサビーズ(図示せず)に代わって用いられる柱状のSOC33(SOC;Spacer On Color Filter)が、ITO導電薄膜21の被覆完成後に、ITO導電薄膜21の上に形成される。ブラックマトリクス15、カラーフィルタ17、及びITO導電薄膜21の工程完成後に、さらに一層のSOC絶縁層35が塗布されて導電性を具備するブラックマトリクス15とITO導電薄膜21を被覆し、並びに電触防止能力が完全に確保された後、二つの基板の接合の工程が実行される。周知の技術では先に二つの基板が接合され、さらに絶縁層塗布の工程が行われ、工程順序が異なっている。本発明のSOC33は完全に二つの基板間のギャップの縮小の影響を受けない条件下で、極めて良好な電触防止効果を達成できる。
【0028】
周知のSOC工程ではSOC絶縁層35の存在はなく、単純なSOC33が内表面28と30の間に位置し、ITO導電薄膜21は空気中に露出していた。本発明の第3実施例ではSOC33の工程を運用し、SOC33のマスクパターンを改変し、このほか、導電性を具備しないSOC絶縁層35を形成して導電性を具備するITO導電薄膜21とブラックマトリクスを被覆させ、電触防止効果を達成している。TFT液晶ディスプレイが湿度の高い環境で操作される時も、水気の侵入によりTFT液晶ディスプレイ端子リード線3部分の短絡を形成することがなく、パネルを侵食より保護することができる。
【0029】
この図7に示される第3実施例の構造において、SOC絶縁層35を形成する方式は、即ち、SOC33を形成する工程中に完成する。しかし、もし他の工程或いは構造であっても、SOC絶縁層35と同じ材料で電触防止の作用を形成できるならば、そのSOC絶縁層35を形成する方法と構造が本発明の方法と若干異なっていても、本発明の請求範囲に属するものとする。
【0030】
図8は本発明の第4実施例を示し、即ちマルチドメイン垂直配向(MVA;Multi−domain Vertical Alignment)超広角技術と本発明を結合させた液晶ディスプレイ断面図である。液晶分子37はその位置する画素領域がマルチドメイン中において列に分けられている。両側は設計されたリッジ39(ridge)とされ、液晶分子37は異なる方向に配列、回転しうる。これにより各液晶分子37はいずれも他の液晶分子37から独立している。マルチドメイン垂直配向技術の主要な目的は、使用者が画面のどの場所に注目するかに関わらず、一つの区域の状況を観ることができることにある。使用者が一つの区域を観る時、水平と垂直の視角は160度に接近する。
【0031】
周知のマルチドメイン垂直配向技術には絶縁層41の存在はなく、ただリッジ39が内表面28と30の間に位置し、マルチドメイン垂直配向を形成し並びに視角拡大の機能を達成している。本発明の第4実施例では、現存のマルチドメイン垂直配向工程を利用し、そのマスクパターンを改変し、導電性を具備しないリッジ39を形成する工程と同時に、良好な絶縁層41を形成し、導電性を具備する金属ブラックマトリクス15とITO導電薄膜21を被覆する。こうして絶縁層41の電触防止効果が非常に良好に確保された後に、二つの基板の接合の工程が行われる。周知の技術では、先に二つの基板が接合され、さらに絶縁層塗布の工程が行われ、工程順序が異なっている。本発明の絶縁層41は完全に二つの基板間のギャップの縮小の影響を受けない条件下で、極めて良好な電触防止効果を達成できる。TFT液晶ディスプレイが湿度の高い環境で操作される時も、水気の侵入によりTFT液晶ディスプレイ端子リード線部分の短絡を形成することがなく、パネルを侵食より保護することができる。
【0032】
【発明の効果】
ゆえに本発明は現存のTFT液晶ディスプレイ設計と工程のうち、カラーフィルタ基板側辺設計のマスクパターンを変更し、導電性を具備する金属ブラックマトリクスとITO導電薄膜を絶縁材料で被覆することにより、TFT液晶ディスプレイを湿度の高い環境で操作する時も、水気の侵入によりTFT液晶ディスプレイ端子リード線部分の短絡を形成することがなく、パネルを侵食より保護することができる。
【0033】
すなわち、現行のTFT液晶ディスプレイ工程順序を変更しない前提の下で、本発明は電触防止の正確度(信頼度)を高め、液晶パネル損壊の可能性を減らすことができる。本発明者が同じ条件下で周知の技術と本発明による液晶ディスプレイパネルに対して信頼度の試験を行ったところ、周知の技術による液晶ディスプレイパネルの信頼度は12時間であり(不断に水滴で人工塗布電触防止部分を湿らせた時、12時間後に電触現象が発生した)、本発明の信頼度は少なくとも24時間であった(24時間経っても電触現象が発生しなかった)。すなわち、本発明は周知の技術の少なくとも二倍は電触防止の能力を高めることができる。
【0034】
本発明はさらに周知の技術で塗布されていた電触防止材料のコストを節約することができ、周知の人工塗布の電触防止機構とは異なり、本発明は導電性を具備しない材料を増加する必要なく、ただ周知の技術で現像により排除された非導電材料を利用し、電極を被覆するだけであり、二つの基板間の空間を充満させることもなく、電触防止の効果を達成できる。
【0035】
また本発明の電触防止機構は、カラーフィルタ基板側辺構造の工程が完成した後に形成され、電触防止機構完成後に、TFT基板との接合工程が実行され、ゆえに二つの基板間のギャップ縮小の影響を受けない。周知の技術によると、カラーフィルタ基板とTFT基板のギャップが小さくなると人工の塗布が行いにくく、電触防止効率が下がった。ゆえに二つの基板の寸法が小さくなり、これにより二つの基板間のギャップが小さくなる発展方向に対して、本発明は二つの基板間のギャップ縮小の影響を受けず、良好な電触防止メカニズムを維持できる。
【0036】
以上は本発明の実施例の説明に過ぎず、本発明の請求範囲を限定するものではなく、本発明に基づきなしうる細部の修飾或いは改変は、いずれも本発明の請求範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】周知の液晶ディスプレイパネル表示図である。
【図2】図1の液晶ディスプレイパネルのA−A断面図である。
【図3】図1の液晶ディスプレイパネルのB−B断面図である。
【図4】周知のTFT液晶ディスプレイの電触防止メカニズム表示図である。
【図5】本発明の第1実施例の断面図である。
【図6】本発明の第2実施例の断面図である。
【図7】本発明の第3実施例の断面図である。
【図8】本発明の第4実施例の断面図である。
【符号の説明】
1 TFT基板
3 端子リード線
5 カラーフィルタ基板
7 絶縁層
9 孔
11 孔
13 水滴
15 ブラックマトリクス
17 カラーフィルタ
21 ITO導電薄膜
23 フレーム樹脂
24 接合リング面
25 液晶
26 接合リング面
27 孔
28 内表面
29 絶縁塗料
30 内表面
31 絶縁層
32 外表面
33 SOC
34 外表面
35 SOC絶縁層
37 液晶分子
39 リッジ
41 絶縁層
Claims (5)
- 液晶ディスプレイパネルの電触防止の機構において、
第1基板とされ、第1平面を具え、該第1平面が第1内表面、第1接合リング面と第1外表面を具え、該第1接合リング面が第1内表面と該第1外表面の間に位置する、上記第1基板と、
カラーフィルタ基板とされ、第2平面を具え、該第2平面が該第1基板の該第1平面に対向し、且つ該第2平面が第2内表面、第2接合リング面と第2外表面を具え、該第2接合リング面が該第2内表面と該第2外表面の間に位置する、上記カラーフィルタ基板と、 第1電極とされ、該第1平面に位置し、並びに第1絶縁層で被覆された、上記第1電極と、
第2電極とされ、第2基板の第2平面に位置する、上記第2電極と、
フレーム樹脂とされ、該第1接合リング面の上方の該第1絶縁層及び該第2接合リング面上方の該第2絶縁層に連接され、且つ液晶層を該第1内表面、該第2内表面及び該フレーム樹脂の間に収容する、上記フレーム樹脂と、
液晶層とされ、該第1内表面及び該フレーム樹脂のなかに位置する、上記液晶層と、
を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の機構。 - 液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法において、
第1基板を提供する工程とされ、該第1基板は第1平面を具え、第1電極が該第1平面に位置し、並びに第1絶縁層が該第1電極を被覆し、該第1平面が第1内表面と第1外表面の間に位置する第1接合リング面を具えたものとされる、上記第1基板を提供する工程と、
カラーフィルタ基板を提供する工程とされ、該カラーフィルタ基板は第2平面を具え、第2電極が該第2平面に位置し、並びに第2絶縁層が該第2電極を被覆し、該第2平面が第2内表面と第2外表面の間に位置する第2接合リング面を具えたものとされる、上記カラーフィルタ基板を提供する工程と、
第2絶縁層で一部の第2電極を被覆し、並びに第2接合リングの第2平面を画定し、且つ該第2接合リングを第2内表面及び第2外表面の間に位置させる工程と、
フレーム樹脂で該第1接合リング面上方の該第1絶縁層と該第2接合リング面上方の該第2絶縁層を連接し、これにより該第1基板と該カラーフィルタ基板を連接し、並びに液晶層を該フレーム樹脂、該第1内表面と該第2内表面で組成された空間中に配置する工程と、
を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法。 - 請求項2に記載の液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法において、SOC工程の現像パターンを変更して前記第2絶縁層を形成する工程を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法。
- 請求項2に記載の液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法において、複数のリッジでマルチドメイン垂直配向を達成する工程の現像パターンを変更して前記第2絶縁層を形成する工程を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法。
- 請求項3に記載の液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法において、カラーフィルタのパターンを変更して前記第2絶縁層を形成する工程を具えたことを特徴とする、液晶ディスプレイパネルの電触防止の方法。
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