JP3775264B2 - ダストカバー付きストッパ - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、自動車のサスペンション機構におけるショックアブソーバのピストンロッドに外挿されて装着されるダストカバー付きストッパに係り、特に、ダストカバー内にバウンドストッパを配設せしめたダストカバー付きストッパに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車のサスペンション機構においては、懸架系のスプリング弾性による振動の減衰等を目的として、ショックアブソーバ(オイルダンパも含む。以下同じ)が採用されている。また、ショックアブソーバでは、シリンダとピストンロッドのオイルシール部分を保護するために、一般に、ピストンロッドに外挿状態で装着されることにより、該ピストンロッドを覆うショックアブソーバ用のダストカバー付きストッパが採用されている。
【0003】
ところで、このようなダストカバー付きストッパとしては、一般に、ピストンロッドの先端部分に固定された逆カップ形状の保持金具に嵌め込まれて装着される厚肉筒状のゴムブロックに対して、外周縁部から軸方向下方に向かって延び出して該ピストンロッドを覆う薄肉筒状のダストカバーを一体成形すると共に、該ゴムブロックの下面において該ダストカバー内に開口する嵌合凹所を形成して、筒状のバウンドストッパの上端部を該嵌合凹所に嵌め込むことにより、該バウンドストッパをダストカバー内でゴムブロックからショックアブソーバのシリンダに向かって突出配置せしめた構造等のものが採用されており、過大なバウンド荷重の入力時にショックアブソーバのストロークをバウンドストッパとゴムブロックで協働して緩衝的に制限するようになっている。
【0004】
ところが、かくの如き従来構造のダストカバー付きストッパでは、一般に、ゴムブロックの外周面が略全体に亘って保持金具の筒壁部で支持されていることから、ゴムブロックの弾性が必ずしも有効に発揮されないことに加えて、ゴムブロックの弾性特性の設計自由度が小さいという問題を内在していた。
【0005】
なお、このような問題に対処するために、例えば、ゴムブロックを保持金具の開口部から軸方向下方に突出せしめて、ゴムブロックの外周面が保持金具で拘束されないようにすることも考えられる。ところが、ゴムブロックの外周面を保持金具で拘束しないとバウンドストッパの上端部を保持する嵌合凹所の周壁部が変形し易くなり、該嵌合凹所に嵌め込んでゴムブロックに組み付けたバウンドストッパが、組付後のダストカバー付きストッパの搬送や車両への組付け等に際してゴムブロックから脱落し易くなってしまい、ダストカバー付きストッパの取扱作業性や車両への組付作業性が悪化してしまうおそれがある。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、ゴムブロックの弾性特性の設計自由度が大きく確保されると共に、バウンドストッパが安定して保持されて、車両への組付作業性が良好な、新規な構造のダストカバー付きストッパを提供することにある。
【0007】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0008】
すなわち、本発明の第一の態様は、ショックアブソーバのシリンダから突設されたピストンロッドに外挿されて、該ピストンロッドの先端部分に取り付けられた逆カップ状の保持金具に嵌め込まれて装着される厚肉筒状のゴムブロックに対して、外周縁部から軸方向下方に向かって延び出して該ピストンロッドを覆う薄肉筒状のダストカバーを一体成形すると共に、該ゴムブロックの下面において該ダストカバー内に開口する嵌合凹所を形成して、筒形バウンドストッパの上端部を該嵌合凹所に嵌め込むことにより、該筒形バウンドストッパを該ダストカバー内で該ゴムブロックから前記ショックアブソーバのシリンダに向かって突出配置せしめたダストカバー付きストッパにおいて、前記ゴムブロックの軸方向寸法を前記保持金具の深さ寸法より大きくして該ゴムブロックを該保持金具の開口部から軸方向下方に向かって該保持金具の深さ寸法よりも大きな突出高さで突出せしめる一方、該ゴムブロックの下面に開口する前記嵌合凹所の内周面に逆テーパを付して前記バウンドストッパの上端部外周面を支持せしめる筒状支持部を形成すると共に、該筒状支持部の肉厚寸法を該嵌合凹所の底部側よりも開口部側において大きくし、更に、該ゴムブロックの外径寸法を、該保持金具に嵌め込まれる部分よりも該保持金具の開口部から軸方向下方に突出せしめられる部分において大きくすることにより、該ゴムブロックの外周面において軸方向中央部分のテーパ外周面を挟んで軸方向上側を小径外周面とすると共に軸方向下側を大径外周面と為し、該ゴムブロックの該小径外周面を前記保持金具に嵌め込んで装着する一方、前記バウンドストッパの上端部外周面を支持せしめる前記筒状支持部の外周面をストレートな円筒形状とすると共に、該筒状支持部の外径寸法を該ゴムブロックの該大径外周面の外径寸法よりも小さくして、該ゴムブロックの下端面において外周縁部から所定距離だけ径方向内方に位置した部位から軸方向下方に向かって該筒状支持部を延び出させたことを、特徴とする。
【0009】
このような本態様に従う構造とされたダストカバー付きストッパにおいては、ゴムブロックが保持金具の開口部から軸方向下方に向かって突出せしめられており、かかる突出部分は保持金具による直接的な拘束力が及ぼされないようになっていることから、ゴムブロックの弾性特性の設定自由度が大きく確保され得るのである。しかも、嵌合凹所の筒状支持部の肉厚寸法を、底部側よりも開口部側が大きくされていることから、該筒状支持部の内周面に付された逆テーパによるバウンドストッパの保持力が外力作用時にも効果的に維持され得て、バウンドストッパの脱落が有利に防止されるのである。
【0010】
なお、本態様において、保持金具は、ピストンロッドに対して直接固定されていても良いし、緩衝ゴム等を介して該ピストンロッドに取り付けられていても良く、或いは、ピストンロッドが取り付けられる自動車のボデーに対して直接固定されていても良いし、緩衝ゴム等を介して該ボデーに取り付けられていても良い。また、ダストカバーでは、蛇腹状や円筒状等、ショックアブソーバのピストンロッドを覆い得る各種の形状が採用可能である。更にまた、ゴムブロックにおける嵌合凹所の内周面に付される逆テーパは、嵌合凹所の上底部から開口部に向かって次第に小径化する形態をいう。また、バウンドストッパの上端部外周面は、かかる嵌合凹所の内周面による保持力が効果的に発揮されるように、嵌合凹所の内周面に付した逆テーパと対応するテーパを付して、軸方向上方に行くに従って次第に大径化するテーパ付きの外周面形状とすることが望ましい。更に、保持金具の開口部は、その開口端縁部が湾曲して径方向外方に広がってゴムブロックの外周面から離隔する拡径形状とされたものを採用することが望ましく、それによって、ゴムブロックが圧縮変形して外周側に膨らんだ場合に、保持金具の開口端縁部がゴムブロックの外周面に当接することに起因するゴムブロックの損傷や亀裂等の発生が回避され得る。また、ゴムブロックの外周面や内周面には、適当な凹凸や溝,突条等を形成して、ばね特性を適宜に調節することが可能であり、ゴムブロックの具体的形状は、何等、限定されるものでない。
【0011】
また、本態様においては、ゴムブロックにおける保持金具による拘束力の影響が十分に軽減されることとなり、ばね特性やショックアブソーバのバウンドストローク等の設定自由度がより効果的に確保され得る。
更に、ゴムブロックのボリュームを、突出部において効率的に確保することが可能となり、ゴムブロックの特性チューニング自由度の更なる向上や耐久性の向上が図られ得る。
【0012】
さらに、本発明の第の態様は、前記第一の態様に従う構造とされたダストカバー付きストッパであって、前記筒状支持部において、前記嵌合凹所の底部側の肉厚寸法:Taの大きさと該嵌合凹所の開口部側の肉厚寸法:Tbの大きさを、Tb/Ta>1.5となるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、筒状支持部に外力が及ぼされた場合でも、嵌合凹所の底部側が開口部側よりも積極的に拡径方向に膨らみ変形し易くされて、嵌合凹所の開口部側が底部側よりも拡径変形し難くされることとなり、バウンドストッパの抜け難さがより効果的に維持され得る。なお、Tb/Taの値は、より好ましくは2以上とされる。
【0014】
また、本発明の第の態様は、前記第一又は第二の態様に従う構造とされたダストカバー付きストッパにおいて、前記筒状支持部の外周面を略ストレートな円筒形状とすると共に、前記ダストカバーを、該筒状支持部の下端開口部から該筒状支持部の外径寸法よりも大きな外径寸法で軸方向下方に向かって延び出す蛇腹形状としたことを、特徴とする。このような本態様においては、筒状支持部に対して軸方向に及ぼされる外力が該筒状支持部を縮径する方向に作用せしめられることから、外力が及ぼされた際にも筒状支持部によるバウンドストッパの保持力が安定して確保され得ると共に、筒状支持部の大きな変形に対してバウンドストッパによる抵抗力が作用することから、外力作用時における筒状支持部の形状安定性が向上される。また、本態様においては、蛇腹状のダストカバーが大径とされてダストカバーの内部領域が大きく確保され得ることから、バウンドストッパのダストカバーへの緩衝を回避せしめつつ、ダストカバー内でのバウンドストッパの配設領域が有利に確保され得る。
【0015】
さらに、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に従う構造とされたダストカバー付きストッパにおいて、前記バウンドストッパが発泡弾性体によって形成されていることを、特徴とする。このような本態様においては、柔らかいばね特性が実現可能となってばね特性のチューニング自由度が一層向上されるのであり、また、好ましくはポアソン比が0.5以下の発泡弾性体を採用することによって、バウンドストッパが、圧縮時に容積減少することから、荷重入力時における座屈等の不規則な変形が有利に防止されて安定して変形せしめられると共に、嵌め込みによる装着作業も容易となる。なお、発泡弾性体としては、公知の発泡ゴムが採用される他、例えば、ポリウレタンを発泡成形することによって得られるウレタンフォーム等の発泡樹脂も採用可能である。
【0016】
更にまた、本発明の第の態様は、前記第一乃至第の何れかの態様に従う構造とされたダストカバー付きストッパにおいて、前記ゴムブロックの軸方向上端部の外周面に対して、前記保持金具の周壁内周面に係止される凹凸係止部を形成して、該ゴムブロックに対して該保持金具による抜け方向の係止力が及ぼされるようにしたことを、特徴とする。このような本態様においては、保持金具の筒壁部の軸方向寸法を短くしても、ゴムブロックの上端部に対して保持金具による保持力を有利に確保することが出来るのであり、それによって、全体の大きさをコンパクトに維持しつつ、保持金具の開口部からのゴムブロックの突出高さを大きく設定することも可能となる。なお、凹凸係止部は、例えば、ゴムブロックの外周面および保持金具の周壁内周面の何れか一方に対して凹部を形成する一方、それらの他方に対して凸部を形成して、それら凹部と凸部を係合せしめることによって有利に実現される。また、かかる凹凸係止部は、周方向の全周に亘って連続して形成されていても良く、或いは周方向で分断して複数形成されていても良い。
【0017】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0018】
先ず、図1には、本発明の一実施形態としてのダストカバー付きストッパ10が示されている。このダストカバー付きストッパ10は、ゴムブロックとしてのストッパゴム12、ダストカバー14および筒形バウンドストッパとしてのバンパスプリング16を含んで構成されており、図2〜3に示されているように自動車のサスペンション機構におけるショックアブソーバ18に装着されて、該ショックアブソーバ18のシリンダ20から軸方向外部に向かって突出されるピストンロッド22を略全体に亘ってカバーするようになっている。なお、以下の説明中、上下方向とは、原則として図1中の上下方向をいうものとする。
【0019】
より詳細には、ダストカバー付きストッパ10を構成するストッパゴム12は、厚肉の円筒形状を有しており、該ストッパゴム12の中心軸上には、装着されるショックアブソーバ18のピストンロッド22よりも所定量大きな内径寸法で延びる挿通孔24が形成されている。また、ストッパゴム12の外径寸法は、軸方向の略中央部分に形成されたテーパ面26を挟んで、軸方向上側が小径外周面28とされていると共に、軸方向下側が大径外周面30とされている。更に、ストッパゴム12の軸方向上側の端縁部には、略山形断面形状で小径外周面28上に突出する環状係止部32が、周方向の全周に亘って連続して一体的に形成されている。
【0020】
そして、このストッパゴム12の下端面から下方に向かって延びるようにして、ダストカバー14が、ストッパゴム12と一体成形されている。かかるダストカバー14は、略全長に亘って蛇腹構造とされた円筒形状を有しており、ストッパゴム12の中心軸上に延び出している。また、このダストカバー14は、ストッパゴム12の下端面の外周縁部から延び出して形成されており、蛇腹構造とされたダストカバー14の平均径寸法がストッパゴム12の大径外周面30の外径寸法と略同じとされている。
【0021】
さらに、ストッパゴム12には、下端面に開口する大径円形の嵌合凹所としての嵌合穴34が中心軸上に形成されており、ダストカバー14の内部に開口せしめられている。この嵌合穴34は、ストッパゴム12においてダストカバー14が一体的に突出形成された外周縁部だけを残す程に大きな内径寸法を有しており、嵌合穴34の外周の筒壁部36が、ダストカバー14よりも所定量だけ厚肉の略円筒形状とされている。
【0022】
ここにおいて、かかる筒壁部36は、図4に拡大して示されているように、外周面38が、大径外周面30よりも僅かに小さな外径寸法で略ストレートに延びる円筒形状とされており、この外周面38の下端部から径方向外方に向かって斜め下方に延び出すようにして前記ダストカバー14が一体成形されている。一方、筒壁部36の内周面40は、嵌合穴34の上底面42から下方の開口部に行くに従って次第に内径寸法が小さくなる逆テーパが付された円筒形状とされており、最も小径とされた開口端部の内径寸法は、蛇腹状のダストカバー14の最小内径寸法よりも小さくされている。
【0023】
なお、嵌合穴34における上底面42側の最大内径寸法:Dmax と開口部側の最小内径寸法:Dmin の差は、バンパスプリング16に対して有効な保持力を発揮し得るように、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上に設定される。また、嵌合穴34の深さ寸法:Lは、バンパスプリング16の嵌合穴34への嵌込み作業性を考慮して、嵌合穴34の内周面40における逆テーパ角度をそれ程大きくすることなく、上述の如き嵌合穴34の最大内径寸法と最小内径寸法の差を設定することが出来るように決定されることとなり、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上に設定される。
【0024】
また、嵌合穴34の筒壁部36は、上述の如きストレートな円筒形状の外周面38と逆テーパ付き円筒形状の内周面40を有していることによって、その肉厚寸法:Tが、軸方向で変化せしめられており、かかる筒壁部36が、嵌合穴34の上底部から開口部に向かって次第に厚肉とされている。ここにおいて、かかる筒壁部36における嵌合穴34の上底側の最も薄肉とされた部分の肉厚寸法:Taと、嵌合穴34の開口側の最も厚肉とされた部分の肉厚寸法Tbに対して、Tb/Ta>1.5となるように設定されている。また、Tb/Taの値の上限値は、技術的効果の点からは特に限定されるものでないが、バンパスプリング16の嵌込み作業性等やバンパスプリング16の有効サイズ等を考慮して、Tb/Taの値が好ましくは5以下、より好ましくは3以下とされる。なお、本実施形態では、嵌合穴34がストレートな外周面38の軸方向長さよりも深くされて、嵌合穴の上底部が、ストッパゴム12における大径外周面30の部分にまで至っていることから、筒壁部36の最も薄肉とされた部分は、嵌合穴34の上底面42よりも開口側に僅かに離隔位置せしめられたストレートな外周面38の上端縁部とされている。
【0025】
そして、かかる嵌合穴34に対して、バンパスプリング16の軸方向上端部が嵌め込まれて脱落しないように保持されることにより、バンパスプリング16がストッパゴム12に対して組み付けられており、それによって、目的とするダストカバー付きストッパ10とされている。
【0026】
かかるバンパスプリング16は、全体として厚肉の略円筒形状を有しており、その中心軸上に貫設された挿通孔50の内径寸法が、ショックアブソーバ18のピストンロッド22の外径寸法よりも大きくされて、ストッパゴム12の内径寸法と略同じとされている。また、バンパスプリング16の外径寸法は、装着されるショックアブソーバ18のシリンダ20の外径寸法と略同じで、且つダストカバー14の内径寸法よりも所定量だけ小さく設定されており、弾性変形に際してのダストカバー14への干渉が出来るだけ防止されるようになっている。なお、バンパスプリング16は、ストッパゴム12よりもばね特性が柔らかい弾性材で形成されており、本実施形態では、耐久性やコスト性、耐荷重性や耐水性、ばね特性等を考慮して、発泡弾性体としてのポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)が、採用されている。
【0027】
さらに、バンパスプリング16の外周面には、略U字形乃至は略V字形の断面形状で周方向に連続して延びる複数の外周凹溝52が、軸方向で相互に離隔して形成されていると共に、バンパスプリング16の内周面には、略円弧形の断面形状で周方向に連続して延びる複数の内周凹溝54が形成されている。そして、これら外周凹溝52と内周凹溝54が、軸方向で交互に位置せしめられることにより、バンパスプリング16が、軸方向荷重によって安定して圧縮変形せしめられるようになっている。なお、バンパスプリング16の軸方向下端近くの外周面には、ポリアミド樹脂等のバンパスプリング16自体よりも硬質材からなる拘束リング56が、内周部分を埋入された状態で配設固着されており、この拘束リング56によって、バンパスプリング16のばね特性の調節と、耐久性の向上が図られている。
【0028】
さらに、バンパスプリング16の軸方向上端部分は、軸方向上端部に行くに従って次第に大径化する逆テーパ状の外周面を備えた嵌合部58とされている。この嵌合部58は、ストッパゴム12に形成された嵌合穴34の筒壁部36の内周面40に略対応した内周面形状とされており、該筒壁部36の内周面40の内径寸法と略同じか僅かに大きな外径寸法状を有する外周面形状とされている。なお、嵌合部58には、周上の4箇所において、軸方向上端面を径方向の全長に亘って延びて外周面に至り、外周面を軸方向の全長に亘って延びる凹溝状のエア抜き溝60が形成されている。
【0029】
そして、かかるバンパスプリング16は、図1,4に示されているように、嵌合部58がストッパゴム12の嵌合穴34に嵌め込まれることによって、バンパスプリング16が、ダストカバー14内に収容されて、ストッパゴム12の嵌合穴34から軸方向下方に向かって中心軸上で延び出した状態で、ストッパゴム12に対して組み付けられている。なお、本実施形態では、バンパスプリング16の嵌合部58の軸方向長さが、ストッパゴム12の嵌合穴34の深さ寸法よりも僅かに短くされており、それによって、ストッパゴム12の嵌合穴34の筒壁部36のうち最も厚肉とされた開口側端部が、バンパスプリング16の外周凹溝52の開口部に位置せしめられて、バンパスプリング16に当接しないようにされている。
【0030】
而して、上述の如き構造とされたダストカバー付きストッパ10は、例えば、図2〜3に示されているように、車両の懸架系に装着されたショックアブソーバ18のピストンロッド22に外挿されて、車両ボデー62に固設された保持金具64によって吊り下げ状態で装着される。
【0031】
すなわち、ショックアブソーバ18は、公知の如く、シリンダ20の軸方向端部がサスペンションアーム(図示せず)に対してボルト等で固定される一方、ピストンロッド22の軸方向端部が、円環ブロック形状のストラットマウント66を介して、ボデー62に取り付けられる。また、ストラットマウント66において、ショックアブソーバ18のピストンロッド22に外挿されてボデー62に固定されるアウタハウジング68には、ベアリング80を介して、コイルスプリング78の上端部を支持する略円環板形状のアッパ受け金具82が組み付けられており、このアッパ受け金具82の内周縁部に対して、プレス成形等によって形成された保持金具64が溶接等で固着されている。
【0032】
かかる保持金具64は、下方に向かって開口する逆カップ形状を有しており、その上底部74の中央には、ショックアブソーバ18のピストンロッド22が挿通される透孔70が形成されている。また、保持金具64の筒壁部72は、湾曲して軸方向下方に延び出しており、該筒壁部72が上底部74側で径方向外方に膨らむと共に、開口部側で径方向内方に絞られていることによって、筒壁部72の内周面には、周方向に連続して延びる凹溝形状の環状係止溝76が形成されている。また、筒壁部72の開口端縁部は、円弧状に湾曲して径方向外方に延び出されている。
【0033】
そして、この保持金具64の開口部から、ストッパゴム12の上端部が押し込まれて嵌め入れられることにより、ストッパゴム12の上端部が保持金具64によって支持されて装着されるようになっており、かかる装着状態下で、ストッパゴム12の軸方向下端面から下方に延び出したバンパスプリング16が、ショックアブソーバ18のシリンダ20の軸方向上端面に対して、所定距離を隔てて対向位置せしめられるようになっている。
【0034】
そこにおいて、ストッパゴム12は、保持金具64の深さ寸法よりも十分に大きな軸方向長さを有しており、本実施形態では、ストッパゴム12の小径外周面28だけの軸方向長さも、保持金具64の深さ寸法より大きくされている。また、ストッパゴム12の上端部外周面に突設された環状係止部32が、保持金具64の環状係止溝76に対応した形状とされており、該環状係止部32が保持金具64の環状係止溝76に嵌まり込むことによって、嵌め込み後におけるストッパゴム12の保持金具64による保持力が有利に発揮されるようになっている。更に、保持金具64に対するストッパゴム12の嵌め込み状態下で、保持金具64の筒壁部72の開口端縁部が、ストッパゴム12の外周面28から外方に離隔して位置せしめられるようになっており、筒壁部72におけるエッジ状の開口端縁部のストッパゴム12への当接も回避されるようになっている。
【0035】
従って、上述の如き構造とされたダストカバー付きストッパ10においては、装着状態下でストッパゴム12が保持金具64から軸方向下方に大きく突出せしめられることとなり、かかる突出部分には保持金具64による拘束力の直接的な作用が回避されることから、ストッパゴム12の保持金具64からの突出部分の大きさや形状等を適当に調節することによって、ダストカバー付きストッパ10におけるばね特性を大きな自由度をもって調節することが可能となるのである。
【0036】
また、かかるダストカバー付きストッパ10においては、ストッパゴム12においてバンパスプリング16の上端部を支持せしめる筒壁部36に対して、逆テーパ形状の内周面40が設定されていることに加えて、上底面42側の肉厚寸法よりも開口部側の肉厚寸法が大きく設定されていることから、外力が作用した場合でも、かかる筒壁部36の開口部分の拡径変形が有利に防止され得ることとなり、それによって、筒壁部36に対して逆テーパ形状をもって嵌め込まれたバンパスプリング16の嵌合部58に対して、有効な抜け止め保持力が安定して発揮され得るのである。
【0037】
特に本実施形態では、筒壁部36の外周面が略ストレートな円筒形状とされていることから、筒壁部36に略軸方向の外力が及ぼされた際に、筒壁部36が縮径方向に変形せしめられることとなり、それによって、バンパスプリング16の嵌合部58に対して優れた保持力が一層安定して発揮され得るのである。
【0038】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0039】
例えば、前記実施形態では、ストッパゴム12における環状係止部32と、保持金具28の筒壁部72における環状係止溝76が、何れも、周方向の全周に亘って連続して形成されていたが、環状係止部32、或いは環状係止部32と環状係止溝76を、周方向に分断された形態で形成しても良い。
【0040】
また、要求される緩衝特性やばね特性等に応じて、ストッパゴム12の適当な箇所に補強用の剛性リングを固着して配設することも可能である。
【0041】
さらに、前記実施形態では、自動車のフロント側ショックアブソーバに装着されるダストカバー付きストッパに対して本発明を適用したものの一具体例を示したが、本発明は、各種のサスペンション形式において採用されるショックアブソーバに装着されるダストカバー付きストッパに対して、何れも適用可能であることは、勿論であり、例えば、保持金具64がベアリング80を介することなくボデー側に直接的に取り付けられた構造や、保持金具64がストラットマウント66を介することなくショックアブソーバ18のピストンロッド22に対して直接的に取り付けられた構造等においても、本発明は、前記実施形態と同様に適用され得る。
【0042】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0043】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされたダストカバー付きストッパにおいては、ゴムブロックに対する保持金具の拘束が軽減されてゴムブロックの弾性特性の設計自由度が大きく確保され得ると共に、保持金具による拘束が軽減されたゴムブロックに対してもバウンドストッパを安定して保持せしめることが出来るのであり、それによって、バウンドストッパの脱落を防止しつつ、ゴムブロックの設計自由度の向上が達成され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのダストカバー付きストッパを示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたダストカバー付きストッパのショックアブソーバへの装着状態を示す縦断面であって、図3のII−II断面に相当する図である。
【図3】図2におけるIII −III 断面に相当する説明図である。
【図4】図1に示されたダストカバー付きストッパの要部拡大図である。
【符号の説明】
10 ダストカバー付きストッパ
12 ストッパゴム
14 ダストカバー
16 バンパスプリング
18 ショックアブソーバ
20 シリンダ
22 ピストンロッド
58 嵌合部
64 保持金具

Claims (5)

  1. ショックアブソーバのシリンダから突設されたピストンロッドに外挿されて、該ピストンロッドの先端部分に取り付けられた逆カップ状の保持金具に嵌め込まれて装着される厚肉筒状のゴムブロックに対して、外周縁部から軸方向下方に向かって延び出して該ピストンロッドを覆う薄肉筒状のダストカバーを一体成形すると共に、該ゴムブロックの下面において該ダストカバー内に開口する嵌合凹所を形成して、筒形バウンドストッパの上端部を該嵌合凹所に嵌め込むことにより、該筒形バウンドストッパを該ダストカバー内で該ゴムブロックから前記ショックアブソーバのシリンダに向かって突出配置せしめたダストカバー付きストッパにおいて、
    前記ゴムブロックの軸方向寸法を前記保持金具の深さ寸法より大きくして該ゴムブロックを該保持金具の開口部から軸方向下方に向かって該保持金具の深さ寸法よりも大きな突出高さで突出せしめる一方、該ゴムブロックの下面に開口する前記嵌合凹所の内周面に逆テーパを付して前記バウンドストッパの上端部外周面を支持せしめる筒状支持部を形成すると共に、該筒状支持部の肉厚寸法を該嵌合凹所の底部側よりも開口部側において大きくし、更に、
    該ゴムブロックの外径寸法を、該保持金具に嵌め込まれる部分よりも該保持金具の開口部から軸方向下方に突出せしめられる部分において大きくすることにより、該ゴムブロックの外周面において軸方向中央部分のテーパ外周面を挟んで軸方向上側を小径外周面とすると共に軸方向下側を大径外周面と為し、
    該ゴムブロックの該小径外周面を前記保持金具に嵌め込んで装着する一方、
    前記バウンドストッパの上端部外周面を支持せしめる前記筒状支持部の外周面をストレートな円筒形状とすると共に、該筒状支持部の外径寸法を該ゴムブロックの該大径外周面の外径寸法よりも小さくして、該ゴムブロックの下端面において外周縁部から所定距離だけ径方向内方に位置した部位から軸方向下方に向かって該筒状支持部を延び出させたことを特徴とするダストカバー付きストッパ。
  2. 前記筒状支持部において、前記嵌合凹所の底部側の肉厚寸法:Taの大きさと該嵌合凹所の開口部側の肉厚寸法:Tbの大きさを、Tb/Ta>1.5となるようにした請求項1に記載のダストカバー付きストッパ。
  3. 前記筒状支持部の外周面を略ストレートな円筒形状とすると共に、前記ダストカバーを、該筒状支持部の下端開口部から該筒状支持部の外径寸法よりも大きな外径寸法で軸方向下方に向かって延び出す蛇腹形状とした請求項1又は2に記載のダストカバー付きストッパ。
  4. 前記バウンドストッパが発泡弾性体によって形成されている請求項1乃至の何れかに記載のダストカバー付きストッパ。
  5. 前記ゴムブロックの軸方向上端部の外周面に対して、前記保持金具の周壁内周面に係止される凹凸係止部を形成して、該ゴムブロックに対して該保持金具による抜け方向の係止力が及ぼされるようにした請求項1乃至の何れかに記載のダストカバー付きストッパ。
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