JP3775261B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自車両が走行する車線等の道路環境をカメラ等で検知し、自車両が目標車線に追従するように操舵アクチュエータにより自動的に前輪を操舵する車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用操舵制御装置において、自動運転中にドライバの操舵介入を例えば、特開平10−194150号公報に記載のように、トルクセンサによりドライバの操舵トルクを検知することにより、ドライバの操舵介入を判断するものが知られている。
【0003】
また、操舵角や操舵角速度を検出してドライバの操舵介入を判断するものとして、特開平10−203394号公報に記載のものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トルクセンサを用いてドライバの操舵介入を判断する従来の車両用操舵制御装置にあっては、トルクセンサを車輪と操舵アクチュエータとの間にレイアウトすると、路面から操舵車輪への入力(路面反力トルク)等を検知してしまうので、ステアリングホイールと操舵アクチュエータとの間にトルクセンサをレイアウトする必要があるが、ステアリングコラム周りの例えばコンビネーションスイッチ近傍でのレイアウトは、スペース確保の上で難しい。また、トルクセンサの操舵系への設置は、検出精度向上のためにねじり剛性を低下させる必要があるため、操舵フィーリングの向上に課題となる場合が多い。
【0005】
また、操舵角や操舵角速度を用いてドライバの操舵介入を判断する従来の車両用操舵制御装置にあっては、車線追従制御の性能を確保しつつ、ドライバに操舵違和感を与えることなく、速やかに制御解除することが難しい。
すなわち、ドライバの操舵介入判断は、目標舵角と実舵角の偏差に応じた目標トルクを演算し、目標トルクと実際に検出されるトルクとの差が判断しきい値を超えた場合をドライバ操舵介入と判断するが、車線追従性能を上げると、例え瞬間にせよ大きなトルクが必要となるため、目標トルクが大きくなるときにも誤判断を防止するには前記判断しきい値を大きな値にせざるを得ない。その結果、小さい操舵トルクでのドライバ操舵介入を判断できないという問題がある。
【0006】
更に、実舵角の偏差が所定値を超過することによりドライバの操舵介入を判断する方法も知られているが、この場合においては、しきい値を大きく設定すると、ドライバ操舵介入と判断されるには大きい操舵力を必要とするし、また、しきい値を小さく設定すると、車線追従制御中にドライバ操舵介入判断による制御の誤解除が頻発することになる。
【0007】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、トルクセンサを用いる場合に比べて安価で、かつ、操舵フィーリングに影響を与えることなく、舵角偏差や舵角速度偏差により操舵介入判断を行う場合に比べ、ドライバに操舵違和感を与えない適切な操舵介入判断を行うことができる車両用操舵制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、
走行車線に沿って車両を走行させる車両用操舵制御装置において、
走行車線情報を検出する走行車線情報検出手段と、
操舵角を検出する操舵角検出手段と、
供給電流に応じた操舵トルクを発生させる操舵トルク発生手段と、
前記走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報及び前記操舵角検出手段で検出した操舵角とに基づいて、前記操舵トルク発生手段で走行車線に追従する操舵トルクを発生させる供給電流を出力する操舵トルク制御手段と、
前記操舵トルク制御手段から出力される操舵制御電流値に基づいて車両ヨーレート値を推測する車両ヨーレート値推測手段と、
車両走行状態に基づいて実車両ヨーレート値を演算する実車両ヨーレート値演算手段と、
前記実車両ヨーレート値演算手段で演算した実車両ヨーレート演算値と、前記車両ヨーレート値推測手段で演算した車両ヨーレート推測値との偏差が、設定された操舵介入判断しきい値より大きいとき、ドライバによる操舵介入と判断する操舵介入判断手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、走行車線に沿って車両を走行させる車両用操舵制御装置において、
走行車線情報を検出する走行車線情報検出手段と、
操舵角を検出する操舵角検出手段と、
供給電流に応じた操舵トルクを発生させる操舵トルク発生手段と、
前記走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報及び前記操舵角検出手段で検出した操舵角とに基づいて、前記操舵トルク発生手段で走行車線に追従する操舵トルクを発生させる供給電流を出力する操舵トルク制御手段と、
前記操舵トルク制御手段から出力される操舵制御電流値に基づいて車両ヨーレート値を推測する車両ヨーレート値推測手段と、
実車両ヨーレート値を検出するヨーレートセンサと、
前記ヨーレートセンサで検出した実車両ヨーレート検出値と、前記車両ヨーレート値推測手段で演算した車両ヨーレート推測値との偏差が、設定された操舵介入判断しきい値より大きいとき、ドライバによる操舵介入と判断する操舵介入判断手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
車速を検出する車速検出手段を設け、
前記実車両ヨーレート値演算手段は、走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報と、前記操舵角検出手段で検出した操舵角と、前記車速検出手段で検出した車速とに基づいて、実車両ヨーレート演算値を求める手段であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵介入判断手段によりドライバによる操舵介入であるとの判断時、操舵トルク発生手段に出力する操舵制御電流値に制限を与える操舵介入処理手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明では、請求項1ないし請求項4の何れかに記載の車両用操舵制御装置において、
前記走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報により推定される目標ラインからの車両横変位のずれ量が大きくなるに従って、前記操舵介入判断しきい値を大きくする操舵介入判断しきい値設定手段を設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明では、請求項5に記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵介入判断手段は、前記走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報により推定される目標ラインからの車両横変位のずれ量が所定値以下の時に限りドライバによる操舵介入を判断する手段であることを特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】
請求項1に係る発明にあっては、走行車線に沿って車両を走行させる操舵制御時、操舵トルク制御手段において、走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報及び操舵角検出手段で検出した操舵角とに基づいて、操舵トルク発生手段で走行車線に追従する操舵トルクを発生させる供給電流が出力される。
そして、車両ヨーレート値推測手段において、操舵トルク制御手段から出力される操舵制御電流値に基づいて車両ヨーレート値が推測され、実車両ヨーレート値演算手段において、車両走行状態に基づいて実車両ヨーレート値が演算され、操舵介入判断手段において、実車両ヨーレート値演算手段で演算した実車両ヨーレート演算値と、車両ヨーレート値推測手段で演算した車両ヨーレート推測値との偏差が、設定された操舵介入判断しきい値より大きいとき、ドライバによる操舵介入と判断される。
すなわち、操舵制御電流値に基づいて車両ヨーレート値を推測し、車両走行状態に基づいて実車両ヨーレート値を演算し、これらのヨーレート偏差が操舵介入判断しきい値より大きいとき、ドライバによる操舵介入時であると判断するようにしたため、トルクセンサを用いる場合に比べて安価で、かつ、操舵フィーリングに影響を与えることなく、舵角偏差や舵角速度偏差により操舵介入判断を行う場合に比べ、ドライバに操舵違和感を与えない適切な操舵介入判断を行うことができる。
【0015】
請求項2に係る発明にあっては、走行車線に沿って車両を走行させる操舵制御時、操舵トルク制御手段において、走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報及び操舵角検出手段で検出した操舵角とに基づいて、操舵トルク発生手段で走行車線に追従する操舵トルクを発生させる供給電流が出力される。
そして、車両ヨーレート値推測手段において、操舵トルク制御手段から出力される操舵制御電流値に基づいて車両ヨーレート値が推測され、ヨーレートセンサにおいて、実車両ヨーレートが検出され、操舵介入判断手段において、ヨーレートセンサで検出した実車両ヨーレート検出値と、車両ヨーレート値推測手段で演算した車両ヨーレート推測値との偏差が、設定された操舵介入判断しきい値より大きいとき、ドライバによる操舵介入と判断される。
よって、請求項1に係る発明と同様に、トルクセンサを用いる場合に比べて安価で、かつ、操舵フィーリングに影響を与えることなく、舵角偏差や舵角速度偏差により操舵介入判断を行う場合に比べ、ドライバに操舵違和感を与えない適切な操舵介入判断を行うことができる。
【0016】
請求項3に係る発明にあっては、実車両ヨーレート値演算手段において、走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報と、操舵角検出手段で検出した操舵角と、車速検出手段で検出した車速とに基づいて、実車両ヨーレート演算値が求められる。よって、実車両ヨーレート値の演算に車速を加えているため、より精度良く実車両ヨーレート値を演算することができる。
【0017】
請求項4に係る発明にあっては、操舵介入判断手段によりドライバによる操舵介入であるとの判断時、操舵介入処理手段において、操舵トルク発生手段に出力する操舵制御電流値に制限が与えられる。よって、操舵介入との判断時に自動操舵制御が解除されることがないため、自動操舵制御中にドライバが操舵介入を容易に行うことができるようになる。
【0018】
請求項5に係る発明にあっては、操舵介入判断しきい値設定手段において、走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報により推定される目標ラインからの車両横変位のずれ量が大きくなるに従って、操舵介入判断しきい値が大きくされるため、車両横変位のずれ量が大きくなるほど、つまり、車線逸脱余裕時間が少なくなるほど、操舵介入判断の誤認識の確率を低くすることができる。
【0019】
請求項6に係る発明にあっては、操舵介入判断手段において、走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報により推定される目標ラインからの車両横変位のずれ量が所定値以下の時に限りドライバによる操舵介入が判断される。言い換えると、車両横変位のずれ量が所定値を超えるような車線逸脱までの余裕時間が少ない状況においては、操舵介入判断が行われないため、車線逸脱を回避する操舵制御を確実に実施することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における車両用操舵制御装置を実現する実施の形態を、請求項1,3,4に対応する第1実施例と、請求項5に対応する第2実施例と、請求項6に対応する第3実施例に基づいて説明する。
【0021】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
図1は第1実施例の車両用操舵制御装置を示す全体システムであり、図中1FL,1FRは前輪、1RL,1RRは後輪、2はラック、3はピニオン、4はステアリングホイール、5はステアリングシャフト、10はコントロールユニット、13は自動操舵機構(操舵トルク発生手段)、14はドリブンギア、15はドライブギア、16は自動操舵用モータ、17はクラッチ機構、21は舵角センサ(操舵角検出手段)、22は車速センサ(車速検出手段)、23は横加速度センサ、25は単眼カメラ、26はカメラコントローラ(走行車線情報検出手段)である。
【0022】
前記前輪1FL,1FRには一般的なラックアンドピニオン式の操舵機構が配設されている。この操舵機構は、前輪1FL,1FRの操舵軸(タイロッド)に接続されるラック2と、これに噛合するピニオン3と、このピニオン3をステアリングホイール4に与えられる操舵トルクで回転させるステアリングシャフト5とを備えている。
【0023】
また、ステアリングシャフト5の上部には、前輪1FL,1FRを自動操舵するための操舵アクチュエータを構成する自動操舵機構13が配設されている。この自動操舵機構13は、ステアリングシャフト5と同軸に取り付けられたドリブンギア14と、これに噛合するドライブギア15と、このドライブギア15を回転駆動する自動操舵用モータ16とから構成されている。なお、自動操舵用モータ16とドライブギア15との間には、クラッチ機構17が介装されており、自動操舵制御時にのみクラッチ機構17が締結され、そうでないときには、クラッチ機構17が非締結状態となって自動操舵用モータ16の回転力がステアリングシャフト5に入力されないようにしている。
【0024】
また、車両には種々のセンサ類が取り付けられている。前記舵角センサ22は、ステアリングシャフト5の回転角から操舵角θを検出してコントロールユニット10に出力する。また、図示しない自動変速機の出力側に車速センサ22が取り付けられ、この車速センサ22で検出された車速Vもコントロールユニット10に出力される。ここで、操舵角センサ21から出力される操舵角θは、右操舵時に正値、左操舵時に負値となるように設定され、横加速度センサ23から出力される横加速度Gyは、左旋回時に正値、右旋回時に負値となるように設定されている。
【0025】
さらに、車室内のインナーミラーステー等の固定部には、図1(a)に示すように、CCDカメラ等の単眼カメラ25が設置され、車両前方状況を撮像し、撮像した画像データをカメラコントローラ26に出力する。このカメラコントローラ26は、例えば、特開平11−102499号公報に記載されているように、単眼カメラ25の画像データを二値化等の処理により自車両近傍の白線を検出すると共に、所定の車両前方注視点での道路に対する車両の相対横変位y、車両の白線に対するヨー角φ、走行車線前方の道路曲率ρを算出し、これらをコントロールユニット10に出力する。
【0026】
前記コントロールユニット10は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成され、入力されたヨー角φ、相対横変位y、道路曲率ρに基づいてコーナーを通過する際に最適な目標操舵角θ*を算出し、操舵角センサ21で検出した実操舵角θを目標操舵角θ*に一致させるように自動操舵用モータ16に対する供給電流iMを算出し、この供給電流iMを電流制限処理してからパルス幅変調してパルス電流に変換して自動操舵用モータ16に出力することにより、自動操舵用モータ16をデューティ制御する。
【0027】
次に、作用を説明する。
【0028】
[自動操舵制御処理]
図2はコントロールユニット10で実行される自動操舵制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。この自動操舵制御処理は、所定時間(例えば、10msec)毎のタイマ割り込み処理として実行される。
【0029】
ステップS1では、操舵角センサ21で検出した操舵角θ、横加速度センサ23で検出した横加速度Gy、車速センサ18で検出した車速V、並びに、カメラコントローラ26で検出したヨー角φ、相対横変位y及び道路曲率ρを読み込んでからステップS2に移行する。
【0030】
ステップS2では、ヨー角φ、相対横変位y及び道路曲率ρに基づいて、下記の(1)式の演算を行って、今回の目標操舵角θ*(n)を算出し、これを今回目標操舵角記憶領域に記憶されている全開の目標操舵角θ*(n-1)を前回目標操舵角記憶領域に更新記憶すると共に、今回の目標操舵角θ*(n)を今回目標操舵角記憶領域に更新記憶する。
ステップS3では、下記の(2)式に従った演算を行って、操舵角θを目標操舵角θ*に一致させるPID制御を行って、自動操舵用モータ16に対するモータ供給電流iMを算出し、これをモータ供給電流記憶領域に更新記憶する。
ここで、Kviは電圧値を電流値に変換するための制御ゲイン、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、Kdは微分ゲインである。
この(2)式でモータ供給電流iMを算出する理由は、減算器で、目標操舵角θ*から操舵角θを減算して両者の偏差△θを算出し、これを演算器に供給して、PID制御演算を行って目標モータ制御電圧V*を算出し、この目標モータ制御電圧V*を電圧電流変換器に供給して、目標モータ制御電圧V*に制御ゲインKviを乗算してモータ供給電流iMを算出し、これを自動操舵用モータ16に供給するフィードバック制御系を構成した場合を考え、これと等価な演算を行うようにしたものである。
【0031】
ステップS4では、後述する演算により電流推定ヨーレート値dφ_I(車両ヨーレート推測値)と実車両ヨーレート値dφ_r(実車両ヨーレート演算値)を求め(車両ヨーレート値推測手段、実車両ヨーレート値演算手段)、これらの値の偏差の絶対値|dφ_r−dφ_i|が操舵介入判断しきい値Thより大きいかどうかを判断し、NOの場合はステップS5へ進み、YESの場合はステップS6へ進む(操舵介入判断手段)。
【0032】
ステップS5では、モータ供給電流iMに応じたパルス幅変調したパルス電流が自動操舵用モータ16に供給される(操舵トルク制御手段)。
【0033】
ステップS6では、ドライバ操舵介入処理として、モータ供給電流iMに応じたパルス幅変調したパルス電流にリミッタ処理した電流が自動操舵用モータ16に供給される(操舵介入処理手段)。
【0034】
[電流推定ヨーレート値dφ_iと実車両ヨーレート値dφ_rの演算]
まず、ヨーレート推定の方法を説明する。
車両を2輪モデル(図3)によって、近似的に同定する。このとき、運動方程式は、
となる。
さらに、操舵トルクは前輪のセルフアライニングトルクと釣り合うので、
これらを整理して、操舵トルク入力の状態方程式を導く。
但し、
I:ヨー慣性モーメント、m:車両重量、V:車速、β:車体横滑り角、
dφ:ヨーレート、δ:前輪実舵角、
Cf(Cr):前(後)輪コーナリングパワー(二輪分)
lf(lr):重心〜前(後)輪間距離、Na:アクチュエータのギア比、
Ki:電流−トルク変換ゲイン、N:操舵系ギア比
この時、トルク(電流)からヨーレート、横滑り角の伝達関数は次のように書ける。
(7)式により、電流推定ヨーレート値dφ_Iが算出できる。
【0035】
次に、実車両ヨーレート値dφ_rを車両状態量により推定する方法を説明する。状態ベクトルを次の用に定義する。
ここで、dφはヨーレート、φrはヨー角、dycrは目標ラインから横変位ずれ速度、ycrは目標ラインから横変位ずれ、dθは操舵角速度、θは操舵角である。
車両モデルの状態方程式が次式で与えられる。
但し、
白線を認識するカメラユニットは、前方Ls[m]の注視点での目標軌道(車線中央)からの横変位を検出することができる。車両が目標軌道近傍を走行する場合、前方注視点での横変位ysrは目標軌道からの相対横変位ycr,相対ヨー角φrを用いて近似的に次式で表すことができる。
本システムでは、前記前方注視点での横変位の他にステアリングホイール角である操舵角θも検出し、次の観測出力方程式を得る。
ここで、
以上の状態方程式、出力方程式を基に、操舵角,画像データによる前方横変位データから、状態量をオブザーバにより推定できる。
そして、オブザーバにより推定される状態量の一つのヨーレート値を、実車両ヨーレート値dφ_rとして用いる。
【0036】
[自動操舵制御作用]
自動操舵制御による走行中、ドライバが操舵非介入である場合、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進む流れとなり、ステップS5では、モータ供給電流iMに応じたパルス幅変調したパルス電流が自動操舵用モータ16に供給される。
【0037】
自動操舵制御による走行中、ドライバが操舵介入した場合、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む流れとなり、ステップS4では、電流推定ヨーレート値dφ_Iと実車両ヨーレート値dφ_rの偏差の絶対値|dφ_r−dφ_i|が操舵介入判断しきい値Thより大きいことにより、操舵介入時であると判断され、ステップS6へ進み、ステップS6では、モータ供給電流iMに応じたパルス幅変調したパルス電流にリミッタ処理を加えた電流が自動操舵用モータ16に供給される。
【0038】
次に、効果を説明する。
【0039】
(1)自動操舵用モータ16に対するモータ供給電流iMに基づいて電流推定ヨーレート値dφ_Iを演算し、画像データを処理するカメラコントローラ26からの車両走行状態情報に基づいて実車両ヨーレート値dφ_rを演算し、これらのヨーレート偏差の絶対値|dφ_r−dφ_i|が操舵介入判断しきい値Thより大きいとき、ドライバによる操舵介入時であると判断するようにしたため、トルクセンサを用いる場合に比べて安価で、かつ、操舵フィーリングに影響を与えることなく、舵角偏差や舵角速度偏差により操舵介入判断を行う場合に比べ、ドライバに操舵違和感を与えない適切な操舵介入判断を行うことができる。
【0040】
(2)画像データを処理するカメラコントローラ26で検出した走行車線情報と、舵角センサ21で検出した操舵角θと、車速センサ22で検出した車速Vとに基づいて、実車両ヨーレート値dφ_rを演算するようにしたため、精度良く実車両ヨーレート値dφ_rを演算することができる。
【0041】
(3)操舵介入判断ステップであるステップS4によりドライバによる操舵介入であるとの判断時、操舵介入処理ステップであるステップS6において、自動操舵用モータ16に出力する制御電流に制限を与えるようにしているため、操舵介入との判断時に自動操舵制御が解除されることがなく、自動操舵制御中にドライバが操舵介入を容易に行うことができるようになる。
【0042】
(第2実施例)
第1実施例では、操舵介入判断しきい値Thを、自車両の車線中央からの横変位ycrにかかわらず、一定値で与える例としたのに対し、第2実施例は、操舵介入判断しきい値Thを、自車両の車線中央からの横変位ycrの関数により与えるようにした例である。
【0043】
第2実施例の構成は第1実施例と同様であり、また、作用についても操舵介入判断しきい値Thの設定に関する以外の作用は同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0044】
[操舵介入判断しきい値設定]
(9),(10)式から得られるオブザーバにより状態量の横変位ycrが大きいときは、車両が車線中央から離れている状態、すなわち、車線逸脱する余裕時間が少ない状況であるといえる。
【0045】
本発明による操舵介入判断は、演算による推測で行うため、誤認識が無いとは言えない。そこで、車両逸脱余裕時間が少ない状態では、なるべく操舵介入判断を実施しない方が望ましい。
【0046】
そのため、操舵介入判断しきい値Thを、図4及び図5に示すように、自車両の車線中央からの横変位ycrの関数として与えるようにした(操舵介入判断しきい値設定手段)。
【0047】
図4では、自車両の車線中央からの横変位ycrが大きくなるに従って操舵介入判断しきい値Thを大きくする比例特性により、操舵介入判断しきい値Thを与えるようにしている。
【0048】
図5では、自車両の車線中央からの横変位ycrが、−ycro〜+ycroの範囲では操舵介入判断しきい値Thを一定値で与え、−ycroより小さい横変位領域と+ycroより大きい横変位領域では、比例特性により操舵介入判断しきい値Thを与えるようにしている。
【0049】
次に、効果を説明する。
【0050】
この第2実施例の車両用操舵制御装置にあっては、第1実施例の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0051】
(4)操舵介入判断しきい値Thの設定手段において、自車両の車線中央からの横変位ycrが大きくなるに従って操舵介入判断しきい値Thが大きくされるため、車線中央からの横変位ycrが大きくなるほど、つまり、車線逸脱余裕時間が少なくなるほど、操舵介入判断の誤認識の確率を低くすることができる。
なお、目標ライン付近を走行中には、小さな操舵介入トルクで操舵介入判断することで、操舵感を損ねることを抑えることができる。
【0052】
(第3実施例)
第1,2実施例は、車線中央からの横変位ycrの大きさにかかわらず必ず操舵介入判断を行う例であるのに対し、第3実施例は、自車両の車線中央からの横変位ycrが大きいときには操舵介入判断を行わないようにした例である。
【0053】
第3実施例の構成は第1実施例と同様であり、また、作用についても操舵介入判断しきい値Thの設定に関する以外の作用は同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0054】
[操舵介入判断しきい値設定]
操舵介入判断しきい値Thは、図6に示すように、自車両の車線中央からの横変位ycrが、−ycro〜+ycroの範囲では操舵介入判断しきい値Thを一定値で与え、−ycroより小さい横変位領域と+ycroより大きい横変位領域では、操舵介入判断しきい値Thを与えないようにしている。
【0055】
次に、効果を説明する。
【0056】
この第3実施例の車両用操舵制御装置では、第1実施例の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0057】
(5)自車両の車線中央からの横変位ycrが、−ycroより小さい横変位領域と+ycroより大きい横変位領域では、操舵介入判断を行わないようにしたため、車線中央からの横変位ycrが大きく車線逸脱までの余裕時間が少ない状況においては、車線逸脱を回避する操舵制御を確実に実施することができる。
なお、目標ライン付近を走行中には、小さな操舵介入トルクで操舵介入判断することで、操舵感を損ねることを抑えることができる。
【0058】
(他の実施例)
以上、本発明の車両用操舵制御装置を第1実施例〜第3実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0059】
例えば、第1〜第3実施例では、画像データを処理するカメラコントローラ26からの車両走行状態情報に基づいて実車両ヨーレート値dφ_rを演算により求める例を示したが、ヨーレートセンサをシステムに組み込み、実測により実車両ヨーレート値dφ_rを検出するようにしても良い(請求項2に係る発明)。
この場合にも、第1実施例と同様に、トルクセンサを用いる場合に比べて安価で、かつ、操舵フィーリングに影響を与えることなく、舵角偏差や舵角速度偏差により操舵介入判断を行う場合に比べ、ドライバに操舵違和感を与えない適切な操舵介入判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用操舵制御装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例の車両用操舵制御装置のコントロールユニットで実行される自動操舵制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1実施例の車両用操舵制御装置においてヨーレートの推定する場合、車両を近似的に同定する2輪モデルを示す図である。
【図4】第2実施例の車両用操舵制御装置における操舵介入しきい値の第1特性図である。
【図5】第2実施例の車両用操舵制御装置における操舵介入しきい値の第2特性図である。
【図6】第3実施例の車両用操舵制御装置における操舵介入しきい値特性図である。
【符号の説明】
1FL,1FR 前輪
1RL,1RR 後輪
2 ラック
3 ピニオン
4 ステアリングホイール
5 ステアリングシャフト
10 コントロールユニット
13 自動操舵機構(操舵トルク発生手段)
14 ドリブンギア
15 ドライブギア
16 自動操舵用モータ
17 クラッチ機構
21 舵角センサ(操舵角検出手段)
22 車速センサ(車速検出手段)
23 横加速度センサ
25 単眼カメラ
26 カメラコントローラ(走行車線情報検出手段)
Claims (6)
- 走行車線に沿って車両を走行させる車両用操舵制御装置において、
走行車線情報を検出する走行車線情報検出手段と、
操舵角を検出する操舵角検出手段と、
供給電流に応じた操舵トルクを発生させる操舵トルク発生手段と、
前記走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報及び前記操舵角検出手段で検出した操舵角とに基づいて、前記操舵トルク発生手段で走行車線に追従する操舵トルクを発生させる供給電流を出力する操舵トルク制御手段と、
前記操舵トルク制御手段から出力される操舵制御電流値に基づいて車両ヨーレート値を推測する車両ヨーレート値推測手段と、
車両走行状態に基づいて実車両ヨーレート値を演算する実車両ヨーレート値演算手段と、
前記実車両ヨーレート値演算手段で演算した実車両ヨーレート演算値と、前記車両ヨーレート値推測手段で演算した車両ヨーレート推測値との偏差が、設定された操舵介入判断しきい値より大きいとき、ドライバによる操舵介入と判断する操舵介入判断手段と、
を備えていることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 走行車線に沿って車両を走行させる車両用操舵制御装置において、
走行車線情報を検出する走行車線情報検出手段と、
操舵角を検出する操舵角検出手段と、
供給電流に応じた操舵トルクを発生させる操舵トルク発生手段と、
前記走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報及び前記操舵角検出手段で検出した操舵角とに基づいて、前記操舵トルク発生手段で走行車線に追従する操舵トルクを発生させる供給電流を出力する操舵トルク制御手段と、
前記操舵トルク制御手段から出力される操舵制御電流値に基づいて車両ヨーレート値を推測する車両ヨーレート値推測手段と、
実車両ヨーレート値を検出するヨーレートセンサと、
前記ヨーレートセンサで検出した実車両ヨーレート検出値と、前記車両ヨーレート値推測手段で演算した車両ヨーレート推測値との偏差が、設定された操舵介入判断しきい値より大きいとき、ドライバによる操舵介入と判断する操舵介入判断手段と、
を備えていることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
車速を検出する車速検出手段を設け、
前記実車両ヨーレート値演算手段は、走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報と、前記操舵角検出手段で検出した操舵角と、前記車速検出手段で検出した車速とに基づいて、実車両ヨーレート演算値を求める手段であることを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れかに記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵介入判断手段によりドライバによる操舵介入であるとの判断時、操舵トルク発生手段に出力する操舵制御電流値に制限を与える操舵介入処理手段を設けたことを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れかに記載の車両用操舵制御装置において、
前記走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報により推定される目標ラインからの車両横変位のずれ量が大きくなるに従って、前記操舵介入判断しきい値を大きくする操舵介入判断しきい値設定手段を設けたことを特徴とする車両用操舵制御装置。 - 請求項5に記載の車両用操舵制御装置において、
前記操舵介入判断手段は、前記走行車線情報検出手段で検出した走行車線情報により推定される目標ラインからの車両横変位のずれ量が所定値以下の時に限りドライバによる操舵介入を判断する手段であることを特徴とする車両用操舵制御装置。
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