JP3774967B2 - インクジェット記録ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号に応じてノズルからインク滴を吐出し、記録紙等の記録媒体に付着させて画像を記録するインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクを収容するインクキャビティと、このインクキャビティに連通するノズルと、上記インクキャビティに対応して配置された圧電部材とを備え、電圧印加時の圧電部材の変形に基づきインクキャビティ内のインクを加圧し、ノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドが知られている。
【0003】
このようなインクジェット記録ヘッドでは、通常、マルチノズル化するために複数のインクキャビティが配列されており、これらインクキャビティに対応させるため、一枚の圧電板をダイサー等でカットして短冊状の圧電部材を形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようにして圧電部材を形成すると、圧電板を切削加工する工数がかかり、切削加工することにより圧電部材のアクチュエータとしての性能が劣化し、しかも各圧電部材は細長く形成されるために加工途中で折れやすく歩留まりが悪くなる等の問題があった。そのため、圧電板を切削加工せずに平板のままでインク滴吐出用アクチュエータとして使用する方法も提案されている。この場合には、圧電板についてインクキャビティに対応する部分だけ変形させるように電圧印加して電界を形成するものである。しかし、電界の回り込みによってインクキャビティに対応しない圧電板の部分も多少変位するため、この変位がインクキャビティの仕切壁等に伝わってインク滴を吐出するためのノズルの形成されたノズルプレートを変形させたり、隣接するインクキャビティの容積を変化させたりすることで、インク滴の吐出量や吐出方向が不安定になるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、これらの問題を解消するため、本発明のインクジェット記録ヘッドは、溝を介することなく平面状に連なる駆動部と非駆動部とを有した圧電板と、この圧電板の非駆動部に向かって突出しインクを収容するためのインクキャビティを形成するキャビティ形成壁を有する天板と、上記インクキャビティに連通するノズルとを備え、上記圧電板と上記天板との間にスペーサ部材を介在させることによって上記キャビティ形成壁と上記圧電板との間に緩衝部を設けたものである。
【0006】
このインクジェット記録ヘッドでは、上記緩衝部は、空間であってもよいし、充填材を満たした空間であってもよい。また、圧電体の駆動部分は、圧電体の一方の面に設けられた共通電極と他方の面に上記インクキャビティに対応して設けられた個別電極とにより形成することができる。
【0007】
【発明の作用および効果】
本発明のインクジェット記録ヘッドでは、圧電板をそのままインク滴吐出用アクチュエータとして用いるので、切削加工の工数が不要であり、アクチュエータとしての性能が劣化することもなく、歩留まりが格段に向上する。
加えて、上記圧電板のインクキャビティに対応しない部分の変位は圧電板とキャビティ形成壁との間の緩衝部で吸収されるので、この変位によってキャビティ形成壁やノズル近傍の変形等を引き起こすことがなく、ノズルからのインク滴の吐出を安定して行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1から図3は本発明の一実施形態であるインクジェット記録ヘッド10を示す。このヘッド10は、ノズルプレート16、キャビティ形成部材18、圧電板20および基板22を組み合わせて一体的に構成されている。また、後述する各構成要素は、ヘッド10の中央線34に関して対称に配置されている。
【0009】
ノズルプレート16は、天板を兼ねており、金属または合成樹脂等の薄板からなり、複数のノズル28が中央線34に沿って等ピッチで形成されている。ノズル28は、電鋳による金属薄板形成と同時に、または樹脂薄板へのエキシマレーザ加工等により形成され、後述するインクキャビティ26側が広くインク滴吐出側が狭くなったテーパ状断面を有している。
【0010】
キャビティ形成部材18は、金属、合成樹脂、またはセラミック等の平板からなり、ノズルプレート16の下部に固定されている。キャビティ形成部材18にはフォトリソグラフィ等の方法で上下に貫通する複数の長孔が形成されている。圧電板20は、後述するように所定の隙間をもってキャビティ形成部材18の下面に対向させてある。この構成により、キャビティ形成部材18の長孔は上下をノズルプレート16と圧電板20とで囲まれた空間を形成し、それらの内部がインクを収容する複数のインクキャビティ26と、補給用インクを収容するインク供給室30となっている。
【0011】
インクキャビティ26は、中央線34と直交する方向にそれぞれ平行に延びており、中央線34に沿って配列されている。インク供給室42はインクキャビティ26を挟んで中央線34の反対側に形成されており、図示しないインクタンクに接続されている。各インクキャビティ26は、キャビティ形成部材18に形成された細溝状のインクインレット32を介してインク供給室30にそれぞれ連通しており、そのインクインレットを介してインク供給室30から供給されたインクがそれぞれ収容されている。また、ノズルプレート16のノズル28は、インクキャビティ26の中央線34側の端部近傍にそれぞれ連通している。
【0012】
圧電板20は周知の圧電材料からなり、単層でかつ平板状に形成されている。また、圧電板20は高温下で高電圧を印加することにより、中央線34の両側のインクキャビティ26に対応する中央領域(図2中破線46,48で挟まれた領域)だけが分極処理され、電圧印加により変形する活性領域となっている。さらに、圧電板20は、図3に示すように、ヘッド10の両端側に配置された薄板状のスペーサ部材36を介してキャビティ形成部材18の下部に固定されている。これにより、キャビティ形成部材18の部分であって各インクキャビティ26を仕切る仕切壁24の先端面と圧電板20との間には、スペーサ部材36の厚みに相当する隙間38が形成されている。
【0013】
圧電板20の仕切壁24に対向する面には、インクキャビティ26に対応して導電性金属層からなる個別電極42が設けてあり、その反対面全面には同じく導電性金属層からなる共通電極44が設けてある。図4に示すように、個別電極42は圧電板20の側面まで延びており、そこから画像信号制御回路(図示せず。)にそれぞれ接続されている。一方、共通電極44は一か所でアースに接続されている。
【0014】
次に、上記構成からなるインクジェット記録ヘッド10のインク滴吐出動作について説明する。インクタンクからインク供給室30に供給されたインクは、インクインレット32を介して各インクキャビティ26に供給され充填されている。この状態で、画像信号制御回路から個別電極42に電圧が印加されると、個別電極42と共通電極44間の圧電板20の内部に電界が形成され、この電界に基づき圧電板20のインクキャビティ26に対応する領域が盛り上がるように変形する。この変形によりインクキャビティ26内のインクが加圧され、ノズル28からインク滴となって吐出される。このインク滴が記録媒体に付着してドットを形成し、このドットの集合により画像が形成される。
【0015】
図5に示すように、隣接する個別電極42に同時に電圧が印加されると、圧電板20について個別電極42を形成した部分だけでなく電界の回り込みによってインクキャビティ26の仕切壁24に対向する部分50にも変位が生じる。その変位量aは個別電極42の形成部分の最大変位量bに対して約20%程度である。しかし、本実施形態のヘッド10では、圧電板20と仕切壁24との間に上記変位量aに相当する程度の隙間38を設けてその部分50の変位を吸収するようにしてある。そのため、個別電極42間の変位が仕切壁24やノズルプレート16に伝わるのが防止され、ノズルプレート16の変形によってインク滴の吐出方向が乱れたり、あるいは、仕切壁24の振動によって他のインクキャビティ26からのインク滴吐出に影響することがない。したがって、インク滴の吐出を安定して行うことができる。
【0016】
また、本実施形態のヘッド10では、平板状の圧電板20をそのままインク滴吐出用アクチュエータとして用いるので、各インクキャビティ26に対応するように短冊状に切削する場合に比べて、切削加工が不要になり、切削によりアクチュエータとしての性能が劣化することがなく、しかも歩留まりが格段に向上する。
【0017】
上記ヘッド10では、個別電極42間の圧電板の変位を吸収するための緩衝部として仕切壁24と圧電板20との間に隙間38を設けたが、図6に示すヘッド12のように、上記隙間38に充填材50を充填してもよい。この充填材50は仕切壁24の材料に比べて充分に柔らかいことが好ましく、そのヤング率は仕切壁24のそれの数%以下であることが好ましい。また、具体的な材料としては、仕切壁24がニッケル、SUS等の金属からなる場合、充填材50には例えばエポキシ系接着剤などが好適に用いられる。
【0018】
上記ヘッド12では、圧電板20の個別電極42間の変位が柔らかい充填材50によって吸収されるので、上記ヘッド10と同様の効果がある。また、充填材50を充填するとインクキャビティ26が密閉される効果があり、各インクキャビティ間の連通が完全に遮断される。
【0019】
なお、以上に説明した各実施形態のヘッド10,12では、ノズルプレート16とキャビティ形成部材18とは別部材として構成したが、これらを一つの部材として形成してもよい。その場合には組み立て工数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる実施形態のインクジェット記録ヘッドをノズルプレート側から見た部分正面図である。
【図2】 図1におけるII−II線断面図である。
【図3】 図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】 圧電板の部分斜視図である。
【図5】 隣接する個別電極に電圧を印加したときに圧電板の個別電極間の部分が変位した状態を示す図である。
【図6】 圧電板と仕切壁との間の隙間に充填材を充填した別の実施形態のヘッドを示す部分断面図である。
【符号の説明】
10,12…インクジェット記録ヘッド、20…単層圧電板、24…仕切壁、26…インクキャビティ、38…隙間、42…個別電極、44…共通電極、50…充填材。
Claims (4)
- 溝を介することなく平面状に連なる駆動部と非駆動部とを有した圧電板と、この圧電板の非駆動部に向かって突出しインクを収容するためのインクキャビティを形成するキャビティ形成壁を有する天板と、上記インクキャビティに連通するノズルとを備え、上記圧電板と上記天板との間にスペーサ部材を介在させることによって上記キャビティ形成壁と上記圧電板との間に緩衝部を設けたインクジェット記録ヘッド。
- 上記緩衝部は空間である請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 上記緩衝部は充填材を満たした空間である請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 上記圧電板の駆動部は、圧電板の一方の面に設けられた共通電極と他方の面に上記インクキャビティに対応して設けられた個別電極とにより形成される請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57097A JP3774967B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | インクジェット記録ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP57097A JP3774967B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | インクジェット記録ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10193595A JPH10193595A (ja) | 1998-07-28 |
JP3774967B2 true JP3774967B2 (ja) | 2006-05-17 |
Family
ID=11477379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57097A Expired - Lifetime JP3774967B2 (ja) | 1997-01-07 | 1997-01-07 | インクジェット記録ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3774967B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5012043B2 (ja) | 2007-01-25 | 2012-08-29 | 富士ゼロックス株式会社 | 液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置 |
-
1997
- 1997-01-07 JP JP57097A patent/JP3774967B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10193595A (ja) | 1998-07-28 |
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