JP3774427B2 - 製鋼ダストのリサイクル処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鉄所で発生する製鋼ダスト(例えば、転炉細粒ダスト)を再利用するための製鋼ダストのリサイクル処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製鉄所で発生する転炉細粒ダスト等の製鋼ダストは、湿式回収され粗粒分離された後、沈殿槽を経由して、水分量が60〜70重量%程度のスラリーに処理され、更に結合剤と共に貯留槽に投入される。この貯留槽内のスラリー及び結合剤は、槽内で常時攪拌されているため、結合剤はスラリーと混合され、更にスラリー中に分散される。この結合剤が分散したスラリーを、フィルタープレスによって脱水し乾燥して、乾燥ケーキを製造していた。なお、スラリー中に分散した結合剤の作用、及び脱水したケーキの乾燥の程度によって、乾燥ケーキ中の製鋼ダストの各粒子同士の結合力が高められていた。これにより、この乾燥ケーキを、例えば鉄の原料として使用するため転炉に投入した場合、転炉投入の際に発生する乾燥ケーキの粉塵化を防止し、リサイクルの歩留りを向上させていた。
なお、結合剤としては、例えば、ベントナイト、珪酸ソーダ、化工澱粉、生石灰、レジン、ポリビニルアルコール等の工業的に造られた1次製品が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した製鋼ダストのリサイクル処理方法には以下の問題がある。
工業的に造られた前記結合剤は高価であり、乾燥ケーキの強度を向上させるために多く使用することは経済的でない。
また、前記結合剤は、付加価値の高い有効資源である。しかし、乾燥ケーキと共に転炉に投入された場合、結合剤は熱分解するので、再利用されることなく廃棄され経済的でない。
そして、前記結合剤は、発熱量が小さかったり、また発熱しないものもあるため、乾燥ケーキを転炉に投入した場合、転炉の温度が低下する可能性がある。このため、結合剤の添加量に応じて、炭材等の発熱材を添加する必要があるので、経済的でなく、しかも作業性が悪い。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、乾燥ケーキの強度を経済的に向上できる製鋼ダストのリサイクル処理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法は、製鉄所で発生する製鋼ダストを含有したスラリーを脱水した後乾燥して、塊状、バラス、又は粒状とする製鋼ダストのリサイクル処理方法において、
前記製鋼ダストは金属鉄を含む転炉細粒ダストであって、前記スラリーに結合剤として大きさが10mm以下の熱可塑性プラスチックを主体とする廃プラスチックを、前記製鋼ダスト量の1〜10重量%の範囲で添加し、該スラリーをフィルタープレスに注入し、その圧搾圧力を5MPa以上100MPa以下にして脱水した後、この脱水ケーキを乾燥炉に入れて、酸素濃度が0.2体積%以下の非酸化性ガスを用い、その炉内温度を220℃〜320℃として乾燥し、乾燥時の熱によって前記廃プラスチックを溶融させ、乾燥後の乾燥ケーキの強度を向上させる。これにより、産業廃棄物である廃プラスチックを、製鋼ダストの結合剤として再利用できる。
ここで、本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法において、スラリーに結合剤として更にベントナイトを添加することが好ましい。これにより、乾燥後の乾燥ケーキの強度を更に向上させることができる。
本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法において、乾燥ケーキを製鋼原料として使用することが好ましい。このとき、例えば転炉に投入される乾燥ケーキは、結合剤である廃プラスチックによって強度が高められているので、粉塵となる製鋼ダストの量を低減できる。
【0005】
本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法において、スラリーの脱水は、フィルタープレスを用いて行う。このように、フィルタープレスを用いてスラリーの脱水を行うので、短時間で多くのスラリーの処理ができると共に、スラリー中から予め多くの水分を除去できる。
本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法において、フィルタープレスによるスラリーの脱水時の圧搾圧力は、5MPa以上100MPa以下である。これにより、脱水ケーキの含水率を更に低減できる。
本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法において、スラリーを脱水した後の脱水ケーキの乾燥は、乾燥炉を用いて行い、乾燥時の熱によって廃プラスチックを溶融させる。
このように、脱水ケーキを乾燥炉によって乾燥させるので、強度を高めた乾燥ケーキを一度に多く製造できる。また、このとき、脱水ケーキ中の廃プラスチックを溶融させるので、隣合う製鋼ダストの各粒子間に溶融した廃プラスチックを行き渡らせることができる。
【0006】
本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法において、乾燥炉内の温度は、220℃〜320℃である。これにより、廃プラスチックを確実に溶融させることができるので、隣合う製鋼ダストの各粒子間に溶融した廃プラスチックを行き渡らせることができる。
本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法において、乾燥炉での乾燥時間は、30分以上であることが好ましい。これにより、乾燥ケーキ中の残留水分を大幅に低減できるので、乾燥ケーキの強度を、乾燥ケーキの粉塵化を抑制できる程度の強度まで上昇できる。
本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法において、結合剤の添加量は、製鋼ダスト量の1〜10重量%である。これにより、乾燥ケーキの強度を高めるために必要な結合剤量を、予め設定できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法の説明図、図2は本発明の一実施の形態に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法を適用する脱水ケーキの脱水乾燥処理設備の脱水ケーキ排出及び脱水ケーキ収納の状態を示す説明図、図3(a)、(b)はそれぞれ同脱水乾燥処理設備の脱水ケーキ搬出装置の平面図、側面図、図4は同脱水乾燥処理設備の脱水ケーキ乾燥時の状態を示す側面図、図5は同脱水乾燥処理設備の脱水ケーキ乾燥時の正面図、図6は同脱水乾燥処理設備の使用方法を説明する斜視図、図7は実施例に係る脱水ケーキ中の残留水分と圧搾圧力との関係を示す説明図、図8は実施例に係る脱ケーキ中の残留水分と乾燥時間との関係を示す説明図、図9は実施例に係る各乾燥ケーキの粉化率の説明図、図10は実施例に係る全鉄中に占める金属鉄の割合を示す説明図である。
【0008】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法は、製鉄所内の転炉で発生する平均粒径が例えば1μm程度の転炉細粒ダスト(製鋼ダストの一例)を含有したスラリー10(転炉細粒含有スラリー)を脱水した後乾燥して、塊状、バラス、又は粒状とする方法である。ここで、スラリー10には、結合剤として廃プラスチック11及びベントナイト(bentonite)11aが添加され、乾燥後の乾燥ケーキ12の強度を向上させている。以下、詳しく説明する。
【0009】
転炉で発生する転炉細粒ダストは、金属鉄(M−Fe)として鉄を例えば30重量%程度含有したものである。この転炉細粒ダストは、湿式回収され粗粒分離された後、沈殿槽(図示しない)を経由して、水分量が60〜70重量%程度のスラリー10に処理され、更に廃プラスチック11及びベントナイト11aと共に貯留槽(図示しない)に投入され、常時攪拌されている。これにより、スラリー10、廃プラスチック11、及びベントナイト11aは貯留槽内で混合され、廃プラスチック11及びベントナイト11aがスラリー10中に略均一に分散される。なお、スラリー10への廃プラスチック11及びベントナイト11aの添加は、同時に行うことなく個別に行うこともできる。
この廃プラスチック11は、大きさが例えば10mm以下の熱可塑性プラスチックを主体とする例えば、ペットボトル、日用品、玩具等の使用済み品である。また、ベントナイト11a(結合材)は、粒径が例えば1mm以下の粘土質の材料であり、陶磁器の原料に使用されているものである。この結合剤である廃プラスチック11及びベントナイト11aの添加量は、転炉細粒ダスト量の1〜10重量%である。なお、廃プラスチック11は、スラリー10中に均一に分散させるため、破砕又は粉砕して添加することも可能である。
【0010】
ここで、結合剤の添加量が1重量%未満の場合、転炉細粒ダストの各粒子同士を結合するために必要な量が確保できなく、乾燥ケーキの強度を向上させることができない。一方、結合剤の添加量が10重量%を超える場合、結合剤としての効果の更なる向上が顕著に現れず、また、乾燥ケーキ中に占める結合剤量が多くなり、1つの乾燥ケーキから回収可能な鉄の量が減少し、経済的でない。
従って、経済的に乾燥ケーキの強度を上昇させ、しかも回収可能な鉄の量を向上させるには、結合剤の添加量を、転炉細粒ダスト量の3〜10重量%、更には3〜8重量%とすることが好ましい。
【0011】
次に、貯留槽で廃プラスチック11及びベントナイト11aが攪拌混合されたスラリー10は、スラリー輸送用ポンプにより、配管を介して下流側に設置された脱水ケーキの脱水乾燥処理設備(以下、単に脱水乾燥処理設備とも言う)13のフィルタープレス14に送られる(図2参照)。なお、廃プラスチック11及びベントナイト11aは、貯留槽でスラリー10に添加せず、この配管の途中で別の配管から、例えば液体(水)と共に添加することも可能である。これにより、スラリー10への廃プラスチック11及びベントナイト11aの添加を容易に行うことができる。
【0012】
ここで、脱水ケーキの脱水乾燥処理設備13について、図2〜図5を参照しながら説明する。
脱水ケーキの脱水乾燥処理設備13は、フィルタープレス14と、フィルタープレス14で形成した複数の脱水ケーキ15を収納する乾燥容器16と、フィルタープレス14よりケーキ形状を保存した状態で脱水ケーキ15を1個ずつ排出し乾燥容器16内に1個ずつ分離して搬出するケーキ搬出装置17と、乾燥作業場所で乾燥容器16に被せてケーキ乾燥用の温風を排気する温風排出手段18とを有する。
【0013】
フィルタープレス14は、市販の各種フィルタープレスから被処理物の特性、処理量等に応じて適宜選定して使用することができる。
フィルタープレス14から排出される脱水ケーキ15は、フィルタープレス14により被処理物から水分が除去され、フィルター間に形成される水分を15〜25重量%程度含んだ粉粒体からなる板状の固形物であり、粉粒間の摩擦力と含まれる水分による凝集力により板状の固形物としての形状と強度を保持している。そのため、ケーキ自体の強度は弱く、しかも壊れ易い。
【0014】
乾燥容器16は、例えば、耐食性を考慮していずれもステンレス鋼で構成され、上部が開放となって側壁下部にそれぞれケーキ乾燥用の温風が流入する温風流入通路19と、温風流入通路19の両端に設けられた温風給気口20と、乾燥済みの乾燥ケーキ12を排出する開閉機能を有する乾燥容器16の底面に設けられた両開きの開閉扉21とを有している。更に、収納した複数の脱水ケーキ15を1個ずつ隙間(例えば、形成された脱水ケーキ15の厚さの0.1〜2倍程度の隙間)を有して乾燥容器16に収納するための仕切り板22の両端が、乾燥容器16の側壁内面に取付けられている。
【0015】
図4、図5に示すように、温風排出手段18は、例えば、温風排気配管23と、温風排気配管23に接続し温風を乾燥容器16内から均等に流出させる図示しない多数のフィンを内部に備えたヘッダー24と、ヘッダー24に接続し乾燥容器16に被さる蓋25とを有している。乾燥容器16に上から被さる蓋25を設けることにより、乾燥容器16への温風排出手段18の取付けを容易にしている。また、図示しない温風供給手段から供給される温風を乾燥容器16内に導入するための温風給気口20、温風流入通路19を乾燥容器16に設けている。更に、仕切り板22を設けて各脱水ケーキ15を1個ずつ隙間を有して収納することを可能としているので、ケーキ乾燥用の温風が各脱水ケーキ15間を均一に流通することを保証している。なお、この乾燥容器16及び温風排出手段18により乾燥炉26が構成されている。
このように構成することで、ケーキ乾燥用の温風を乾燥炉26内で均一に流通させて排気することができ、乾燥炉26内に収納している複数の脱水ケーキ15を、同時に均一に短時間で乾燥させることができる。また、乾燥済みの乾燥ケーキ12の排出用の開閉扉21が設けられているため、乾燥終了後に乾燥炉26を移動させることなく、直ちに乾燥ケーキ12の排出を実施することができる。
【0016】
図2、図3に示すように、ケーキ搬出装置17はフィルタープレス14から乾燥容器16へ脱水ケーキ15が排出されるケーキ排出位置まで移動して停止する自動位置決め手段27と、フィルタープレス14から排出された脱水ケーキ15を乾燥容器16内に搬送する際、脱水ケーキ15を保持する保持手段28と、自動位置決め手段27及び保持手段28の動作を制御する図示しない制御手段とが設けられている。
この自動位置決め手段27は、例えば、フィルタープレス14のプレス方向と平行に、フィルタープレス14の下方に配置された2本の移動用レール29と、移動用レール29上に設けられ保持手段28を積載し前後の両側に車輪30を備えた台車31とを有している。また、この台車31は、台車31の前後に設けられ回転軸32を介して車輪30と接続している走行駆動用の電動機33と、フィルタープレス14のケーキ排出位置に対応してフィルタープレス14の下端に設けられている位置決め指示板34と連携してスイッチ動作を行なう非接触型のリミットスイッチ35とを有している。
【0017】
このように構成することで、保持手段28を積載した台車31は、移動用レール29上を走行して指定されたケーキ排出位置に到達することで、位置決め指示板34によりリミットスイッチ35が動作して台車31を停止させることができる。従って、制御手段にフィルタープレス14の各ケーキ排出位置を事前に指示しておくと、保持手段28を積載した台車31をフィルタープレス14の各ケーキ排出位置まで移動し停止する動作を順次行なうことができる。なお、制御手段としては、例えば、シーケンサーが使用できる。
【0018】
保持手段28は、例えば、台車31上に設けられた対向する1対のガイドシュー36と、各ガイドシュー36の両側に取付けられたチョック37と、各チョック37に接続された駆動ロッド38を備えたエアシリンダー39とを有している。エアシリンダー39を駆動してガイドシュー36間の押しつけ力を調整することで、脱水ケーキ15とガイドシュー36間の摩擦力を調整して、脱水ケーキ15の落下速度を低下させることができる。
【0019】
上記した脱水乾燥処理設備13に送られた廃プラスチック11が添加されたスラリー10は、高圧ポンプ(図示しない)を用いてフィルタープレス14に注入され、圧搾されて脱水ケーキ15となる。この脱水ケーキ15は、例えば、幅1200mm、長さ1200mm、厚さ30mm程度の板状物であり、後工程でケーキ搬出装置17により自然落下しないように調整されながら乾燥容器16内に搬送される。しかし、脱水ケーキ15の上端がガイドシュー36を離れた瞬間から、脱水ケーキ15の下端が乾燥容器16の底に接触するまでの間は自然落下することになる。なお、この自然落下の距離は、例えば、200mm〜500mm程度である。このフィルタープレス14で形成される脱水ケーキ15の強度は、水分量が低下すれば向上するものであり、脱水ケーキ15の搬送(ハンドリング)等を考慮すれば、スラリー10の脱水時の圧搾圧力を5MPa以上とする。これにより、脱水ケーキ15の含水率を15%程度まで減少させると共に、脱水ケーキ15の強度を、脱水ケーキ15を搬送する場合においても、脱水ケーキ15が破損しない程度の強度にできる。
【0020】
ここで、フィルタープレス14によるスラリー10の脱水時の圧搾圧力が5MPa未満の場合、脱水ケーキ15の含水率が高く、脱水ケーキ15を搬送するときに破損する可能性がある。なお、脱水ケーキ15の強度は、脱水ケーキ15中の水分量が低下すれば向上するため、圧搾圧力の上限値について設定していないが、例えば、高圧ポンプの性能、生産性等を考慮すれば、圧搾圧力の上限値を100MPaとすることが好ましい。
従って、脱水ケーキ15が搬送時に破損しない程度の強度を備えると共に、生産性を良好にするには、脱水時の圧搾圧力を7〜50MPa、更には8〜30MPaとすることが好ましい。
このとき、フィルタープレス14による圧搾が終了する前に、乾燥容器16をフィルタープレス14の下方に配置する。
【0021】
フィルタープレス14内の開放するフィルター位置の指定を制御手段に入力することで、制御手段より、ケーキ搬出装置17の自動位置決め手段27に、保持手段28を積載した台車31を、開放するフィルター位置に走行させて停止する命令が出力される。自動位置決め手段27では、走行駆動用の電動機33が駆動して移動用レール29上に保持手段28を積載した台車31を走行させ、開放するフィルターのケーキ排出位置に対応してフィルタープレス14の下端に設けられている位置決め指示板34により台車31に設けられた非接触型のリミットスイッチ35が動作した時点で、台車31を停止させる。
ここで、図6に示すように、フィルタープレス14の指示したフィルターが開放されると、脱水ケーキ15はフィルター側面を徐々に滑り落ち、図示しないガイドロールに導かれ、脱水ケーキ15の下端が対向するガイドシュー36の間隙部分に進入していく。
【0022】
対向するガイドシュー36の間隔は、エアシリンダー39により調整されているため、脱水ケーキ15はガイドシュー36により一定圧力で挟まれる状態になっている。ここで、ガイドシュー36による脱水ケーキ15の押し付け力をF、ガイドシュー36と脱水ケーキ15との摩擦係数をa、脱水ケーキ15の重量をWとして、W>2aFの関係が成立するようにFの値を調整すれば、脱水ケーキ15はガイドシュー36で挟まれた状態で摩擦力に抗して下方に滑り落ちていく。従って、脱水ケーキ15の上端がガイドシュー36を離れて自然落下し、脱水ケーキ15の下端が乾燥容器16の底に接触した際に受ける衝撃力が、脱水ケーキ15の強度よりも小さくなるように押し付け力Fを調整する。これにより、脱水ケーキ15を破損させることなく乾燥容器16内に収納することができる。
脱水ケーキ15の上端がガイドシュー36の下端を通過したことが図示しない検知センサーにより検知されると、制御手段は次の脱水ケーキ15の排出待ちの状態、即ち、前記したようにフィルタープレス14内の開放するフィルター位置の指定が入力される状態に復帰する。このため、フィルタープレス14から全ての脱水ケーキ15が排出され乾燥容器16に収納されるまで、上記した操作を繰り返す。
【0023】
フィルタープレス14から全ての脱水ケーキ15を排出し、乾燥容器16内に収納する作業が終了すると、乾燥容器16を、例えば、リフトカー等の搬送車輛を使用して温風排出手段18が設けられている乾燥作業場所に移動させる。乾燥作業場所をフィルタープレス14の場所と分離することにより、フィルタープレス14の脱水作業と乾燥作業を同時に並行して行なうことができる。
また、複数の温風排出手段18と、温風排出手段18の個数と同じ個数の乾燥容器16を準備することにより、フィルタープレス14の使用回転率を向上させることができるので、作業効率が上昇する。
【0024】
乾燥作業場所で上部が開放となっている乾燥容器16に蓋25を有した温風排出手段18を上から被せて取付ける。乾燥容器16に蓋25を設けることにより、乾燥容器16への温風排出手段18の取付けを容易にすると共に、乾燥炉26が構成される。
温風発生装置により得られた温風は、温風給気口20を通して温風流入通路19に供給され、温風流入通路19部分で乾燥炉26内に収納されている各脱水ケーキ15の上方に向けて均等に送風されるように調整される。また、乾燥容器16の上部に蓋25を介して、温風排気配管23が接続しているヘッダー24を取付け、図示しない排気装置を温風排気配管23に接続して乾燥炉26内の排気を行うことにより、各脱水ケーキ15の下方から供給された乾燥用の温風は1個ずつ隙間を有して収納されている各脱水ケーキ15の隙間を一様に流通してヘッダー24内に流れ込み、温風排気配管23より乾燥炉26外に排出される。このため、複数の脱水ケーキ15を同時に一様に乾燥させることができる。
【0025】
脱水ケーキ15の乾燥時間は、乾燥前の脱水ケーキ15の含水率、乾燥後の乾燥ケーキ12の目標含水率、乾燥に使用する温風の温度、温風流量や流速等により変化する。従って、乾燥後の乾燥ケーキ12の目標含水率を基に、必要とする乾燥時間の予測を行ない、脱水ケーキ15の乾燥を実施することが好ましい。
このように、脱水後の脱水ケーキ15の乾燥は、乾燥炉26を用いて行うが、これは、脱水ケーキ15を乾燥させるだけでなく、乾燥時の熱によって廃プラスチック11を溶融させる目的も有する。従って、乾燥炉26内の温度を、200〜350℃に調節して行うことで、廃プラスチック11を溶融させる。そして、この溶融した廃プラスチック11が、脱水ケーキ15内の微細な気孔中に広がった後、乾燥炉26内の温度を下げ廃プラスチック11を固化させることで、脱水ケーキ15内の転炉細粒ダストの各粒子同士の結合力を高めることができる。
【0026】
ここで、乾燥炉26内の温度が200℃未満の場合、廃プラスチック11を十分に溶融できないので、廃プラスチック11が転炉細粒ダストの各粒子間に行き渡らなかったり、また転炉細粒ダストと廃プラスチック11との結合力が弱くなる可能性がある。このため、乾燥ケーキ12の強度を高めることができない。一方、乾燥炉26内の温度が350℃を超える場合、乾燥時において脱水ケーキ15中から溶融した廃プラスチック11が流れ出す可能性がある。この場合においても、乾燥ケーキ12の強度を高めることができない。
従って、乾燥ケーキ12の強度を高めるためには、乾燥炉26内の温度を220〜320℃、更には250〜300℃とすることが好ましい。
また、製鋼ダストの乾燥では、ダスト中に含まれる鉄粉の酸化が生じる可能性が高いので、例えば、酸素濃度が0.2体積%以下の条件となるように、窒素ガス等の非酸化性ガスの温風、又は空気と非酸化性ガスとの混合ガスを温風として使用する。非酸化性の温風を使用することにより、従来よりも酸化度を抑えた乾燥を行なうことができる。
【0027】
なお、乾燥は脱水ケーキ15の表面から徐々に進行していくため、微粉の含有率が比較的高いスラリーから形成した脱水ケーキ15の乾燥を行なう場合、表層に緻密な乾燥層が形成されて内部で発生した水蒸気が飛散しにくくなる。この状態で乾燥を続けると、脱水ケーキ15内部には水分が蒸発して生成した水蒸気が蓄積されてくるため、水蒸気の圧力が上昇し、水蒸気圧力が脱水ケーキ15の表層強度よりも高くなると、脱水ケーキ15を内部から破壊する爆裂現象が発生する。ここで、1つの脱水ケーキ15において爆裂が発生すると、周囲の脱水ケーキ15は爆裂により飛散した脱水ケーキ15の破片によって連鎖的に破壊を起こし、乾燥容器16内で脱水ケーキ15の乾燥を続けることは不可能となる。このため、爆裂の発生は回避せねばならず、爆裂発生の可能性が高い脱水ケーキ15の乾燥は、例えば、80〜200℃の温風を使用し乾燥を徐々に行なって、最終的に200〜350℃に調節して行うことが好ましい。
【0028】
また、脱水ケーキ15の乾燥炉26内での乾燥時間は30分以上である。
乾燥時間が30分未満の場合、乾燥ケーキ12の乾燥が不十分となり、乾燥ケーキ12中の残留水分率を十分に低減できず、乾燥ケーキ12の強度を向上できない。これにより、乾燥ケーキ12を、例えば鉄の原料として使用するため転炉に投入した場合、転炉投入の際に発生する乾燥ケーキ12の粉塵化が生じ、リサイクルの歩留りが低下して経済的でない。なお、乾燥ケーキ12の強度も、脱水ケーキ15の場合と同様、乾燥ケーキ12中の水分量が低下すれば向上するため、乾燥時間の上限値について設定していない。しかし、脱水ケーキ15の乾燥を空気中で行う場合は、脱水ケーキ中の金属鉄が酸化鉄となり、リサイクルしにくい状態になるので、乾燥時間の上限値を120分とする。なお、前記したように、窒素ガス等の非酸化性ガスの温風、又は空気と非酸化性ガスとの混合ガスを温風として使用した場合、金属鉄の酸化を抑えることができるので、乾燥時間については、生産性のみを考慮すればよい。
このことから、乾燥ケーキ12を経済的に利用すると共に、金属鉄の回収率を向上させるには、脱水ケーキ15の乾燥炉26内での乾燥時間を35〜100分、更には40〜80分とすることが好ましい。
【0029】
予定された時間の乾燥が終了すると、乾燥容器16の下方に図示しない乾燥ケーキ回収用の容器を配置して、乾燥容器16の底面に設けられた開閉扉21を開けて、各乾燥ケーキ12を乾燥炉26から排出する。なお、乾燥ケーキ12排出後の乾燥容器16は開閉扉21を閉じて、フィルタープレス14の設置された作業場所に回送する。
排出された各乾燥ケーキ12は、そのままの状態、又は適度な大きさに破砕され、転炉40に装入される。これにより、乾燥ケーキ12を製鋼原料として使用できるので、鉄の回収率を向上させることができ、経済的である。
【0030】
【実施例】
本発明に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法を適用し、試験を行った結果について説明する。
図7に示すように、フィルタープレスによるスラリーの脱水時の圧搾圧力を10MPaとすることで、ラボテスト(◆:実験室レベルの試験)、パイロットプラント(■:中規模レベルの試験)と共に、脱水ケーキ中の残留水分率を15%程度にできることが分かった。
これにより、脱水ケーキは、例えば搬送時に脱水ケーキが破損しない程度の強度を備えることができる。
また、図8に示すように、乾燥炉による脱水ケーキの乾燥時間を60分程度とすることで、パイロットプラントでは、乾燥ケーキの残留水分率を5%以下にできることが分かった。なお、このときの脱水ケーキの圧搾圧力は10MPa、乾燥炉内の温度は250℃及び300℃、使用した結合剤は、ベントナイト(2%、5%)、廃プラスチック(4.1%)、PVA(5%:poly vinylalcohol)である。
これにより、乾燥ケーキは、粉塵化しない程度の強度を備えることができる。
【0031】
図9には、各乾燥ケーキの粉化率を示している。なお、粒径が1〜5mmの粒子を白塗りで、また粒径が1mm未満の粒子を斜線でそれぞれ示している。
まず、粉化率に及ぼす結合剤の種類の影響について、パイロットプラントを用い、圧搾圧力が10MPa、乾燥温度が300℃、乾燥時間が40分で試験を行った場合で検討する。ベントナイト(添加量5%)を使用したNo.6及びNo.7と、廃プラスチック(添加量4.1%)を使用したNo.8及びNo.9と、PVA(添加量5%)を使用したNo.10とで比較した場合、結合剤として廃プラスチックを使用することで、粉化率を3%以下まで低下できるが、結合剤としてベントナイトを使用することで、粉化率を1%程度まで低下できることが分かった。なお、結合剤として、廃プラスチックとベントナイトを使用した場合についても、結合剤にベントナイトを使用した場合と略同等の効果を得ることができる。
【0032】
また、粉化率に及ぼすベントナイトの添加量の影響について、パイロットプラントを用い、圧搾圧力が4MPa、乾燥温度が300℃、乾燥時間が40分で試験を行った場合で検討する。ベントナイトを添加していないNo.11と、ベントナイトの添加量が5%であるNo.12とで比較した場合、スラリーにベントナイトを添加して乾燥ケーキを製造することで、粉化率を11%程度から4%程度まで低下できることが分かった。
そして、粉化率に及ぼす圧搾圧力の影響について、パイロットプラントを用い、結合剤にベントナイトを使用して、乾燥温度が300℃、乾燥時間が40分で試験を行った場合で検討する。圧搾圧力が10MPaであるNo.6及びNo.7と、圧搾圧力が4MPaであるNo.12とで比較した場合、スラリーの圧搾圧力を4MPaから10MPaにすることで、粉化率を4%程度から1%程度まで低下できることが分かった。
【0033】
図10に示すように、スラリーを脱水(プレス)し、更に大気中で乾燥することにより、全鉄(T−Fe)中の金属鉄(M−Fe)の割合が低下している。しかし、乾燥時間を30分(図中の■)とすることで、乾燥時間を30分より長くした乾燥ケーキ(乾燥時間40分:▲、●、乾燥時間60分:◇)よりも、金属鉄の回収率を向上できる。なお、脱水ケーキの乾燥を、前記したように、窒素ガス等の非酸化性ガスの温風、又は空気と非酸化性ガスとの混合ガスを温風として使用することにより、従来よりも酸化度を抑えた乾燥を行なうことができる。
以上のことから、結合剤として廃プラスチック、又は廃プラスチック及びベントナイトが添加されたスラリーを、10MPaの圧力で圧搾して脱水ケーキを製造し、この脱水ケーキを乾燥温度250〜300℃で30分程度加熱して乾燥ケーキを製造し、この乾燥ケーキを、例えば鉄の原料として使用するため転炉に投入した場合、転炉投入の際に発生する乾燥ケーキの粉塵化を防止し、リサイクルの歩留りを向上できる。
【0034】
また、廃プラスチックを結合剤として添加した転炉細粒ダストの脱水ケーキの乾燥品(乾燥ケーキ)を、直径70mm、厚み23〜25mmのテストピースに加工し、落下試験を行った。このテストピースを、1.5mの高さから、厚さ16mmの鉄板に落下させた結果、破砕したテストピースの篩い目4.75mmの通過率は5重量%以下となった。
この結果、廃プラスチックを結合剤として添加した転炉細粒ダストの脱水ケーキの乾燥品を転炉へ装入した場合、粉塵化し集塵機に吸引される量を低減でき、鉄としてのリサイクルの歩留の悪化を招くことなく、転炉細粒ダストを転炉へ投入できるので、鉄の原料として再利用でき経済的である。
【0035】
以上、本発明を、一実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の製鋼ダストのリサイクル処理方法を構成する場合にも本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、乾燥ケーキを転炉へ投入し、鉄の原料として使用した場合について説明した。しかし、乾燥ケーキを、塊状(粒径が、例えば20cm以上程度)、バラス(粒径が、例えば5cm以上20cm未満程度)、粒状(粒径が、例えば5cm未満程度)とし、例えば鉄の原料、路盤材等に使用することも可能である。
【0036】
また、前記実施の形態においては、乾燥容器にステンレス鋼を使用した場合について説明したが、他の材料、例えば、耐熱性のファイバー強化プラスチックを使用することも可能である。
そして、前記実施の形態においては、保持手段にガイドシューを使用した場合について説明したが、1対の回転ロール又は1対のエンドレスベルトを使用することもできる。ここで、回転ロールの回転数、エンドレスベルトの移動速度を調整することにより、脱水ケーキの排出速度をより厳密に制御することが可能となる。
更に、制御手段をマイクロコンピュータと連携させることにより、フィルタープレスへのスラリー供給から乾燥終了後のケーキの排出までの全作業を自動化することもできる。
【0037】
【発明の効果】
請求項1〜4記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、産業廃棄物である廃プラスチックを、製鋼スラグの結合剤として再利用できる。従って、安価な廃プラスチックを利用できるので、従来のように高価な結合剤を使用することなく経済的に強度を高めた乾燥ケーキを製造できる。また、従来廃棄物として熱分解される素材である廃プラスチックを、製鋼ダストの各粒子同士を結合するための結合剤として利用できるので、資源の有効活用ができ、従来の結合剤を使用した場合と比較して、CO2ガス発生量の削減、環境保護、循環型社会への貢献が期待できる。そして、廃プラスチックは発熱量が大きいため、製鋼ダストを例えば転炉へ投入する際、炭材等の発熱剤の投入量を、従来の結合剤を使用した場合と比較して減少させることができ、経済的であると共に、炭材の投入作業が少なくなり作業性も良好となる。
特に、請求項2記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、スラリーに更にベントナイトを加えることで、乾燥後の乾燥ケーキの強度を更に向上させることができ、乾燥ケーキの粉塵化を抑制できる。
請求項3記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、例えば転炉に投入される乾燥ケーキは、結合剤である廃プラスチックによって強度が高められているので、粉塵となる製鋼ダストの量を低減できる。従って、粉塵化されて集塵機で回収される製鋼ダスト量を低減できるので、リサイクルの歩留を向上させ、製鋼ダストを鉄の原料として再利用でき経済的である。
【0038】
請求項1記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、フィルタープレスを用いてスラリーの脱水を行うので、短時間で多くのスラリーの処理ができると共に、スラリー中から予め多くの水分を除去できる。このように、脱水ケーキ中の含水量を低減した脱水ケーキを後工程に送るので、後工程の乾燥作業を短時間にできると共に、乾燥に必要な熱エネルギーも低減でき経済的である。
請求項1記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、フィルタープレスによるスラリーの脱水時の圧搾圧力を5MPa以上にするので、脱水ケーキの含水率を更に低減できる。従って、乾燥時における脱水ケーキの乾燥時間を短縮でき、乾燥ケーキの生産性を向上できると共に、金属鉄の回収率を高めることができる。
請求項1記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、脱水ケーキを乾燥炉によって乾燥させるので、強度を高めた乾燥ケーキを一度に多く製造できる。また、このとき、脱水ケーキ中の廃プラスチックを溶融させるので、隣合う製鋼ダストの各粒子間に溶融した廃プラスチックを行き渡らせることができる。このため、乾燥炉による乾燥と、溶融した廃プラスチックの固化により、経済的に強度を向上させた乾燥ケーキを製造できる。従って、例えば乾燥ケーキを鉄の原料として転炉に投入する場合、粉塵となる製鋼ダストの量を低減できるので、より多くの鉄を回収でき経済的で、しかも作業環境も良好にでき作業性が良好となる。
【0039】
請求項1記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、廃プラスチックを溶融させることができるので、隣合う製鋼ダストの各粒子間に溶融した廃プラスチックを行き渡らせることができる。従って、更に強度を上昇させた乾燥ケーキを容易に製造できる。
請求項4記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、脱水ケーキの乾燥時間を30分以上にするので、乾燥ケーキ中の残留水分を大幅に低減でき、乾燥ケーキの強度を、乾燥ケーキの粉塵化を抑制できる程度の強度まで上昇できる。これにより、例えば乾燥ケーキを鉄の原料として転炉に投入する場合、更に多くの鉄を回収でき経済的である。
請求項1記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法においては、乾燥ケーキの強度を高めるために必要な結合剤量を予め設定できるので、常時強度を向上させた乾燥ケーキを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法の説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る製鋼ダストのリサイクル処理方法を適用する脱水ケーキの脱水乾燥処理設備の脱水ケーキ排出及び脱水ケーキ収納の状態を示す説明図である。
【図3】(a)、(b)はそれぞれ同脱水乾燥処理設備の脱水ケーキ搬出装置の平面図、側面図である。
【図4】同脱水乾燥処理設備の脱水ケーキ乾燥時の状態を示す側面図である。
【図5】同脱水乾燥処理設備の脱水ケーキ乾燥時の正面図である。
【図6】同脱水乾燥処理設備の使用方法を説明する斜視図である。
【図7】実施例に係る脱水ケーキ中の残留水分と圧搾圧力との関係を示す説明図である。
【図8】実施例に係る脱ケーキ中の残留水分と乾燥時間との関係を示す説明図である。
【図9】実施例に係る各乾燥ケーキの粉化率の説明図である。
【図10】実施例に係る全鉄中に占める金属鉄の割合を示す説明図である。
【符号の説明】
10:スラリー、11:廃プラスチック、11a:ベントナイト、12:乾燥ケーキ、13:脱水ケーキの脱水乾燥処理設備、14:フィルタープレス、15:脱水ケーキ、16:乾燥容器、17:ケーキ搬出装置、18:温風排出手段、19:温風流入通路、20:温風給気口、21:開閉扉、22:仕切り板、23:温風排気配管、24:ヘッダー、25:蓋、26:乾燥炉、27:自動位置決め手段、28:保持手段、29:移動用レール、30:車輪、31:台車、32:回転軸、33:電動機、34:位置決め指示板、35:リミットスイッチ、36:ガイドシュー、37:チョック、38:駆動ロッド、39:エアシリンダー、40:転炉
Claims (4)
- 製鉄所で発生する製鋼ダストを含有したスラリーを脱水した後乾燥して、塊状、バラス、又は粒状とする製鋼ダストのリサイクル処理方法において、
前記製鋼ダストは金属鉄を含む転炉細粒ダストであって、前記スラリーに結合剤として大きさが10mm以下の熱可塑性プラスチックを主体とする廃プラスチックを、前記製鋼ダスト量の1〜10重量%の範囲で添加し、該スラリーをフィルタープレスに注入し、その圧搾圧力を5MPa以上100MPa以下にして脱水した後、この脱水ケーキを乾燥炉に入れて、酸素濃度が0.2体積%以下の非酸化性ガスを用い、その炉内温度を220℃〜320℃として乾燥し、乾燥時の熱によって前記廃プラスチックを溶融させ、乾燥後の乾燥ケーキの強度を向上させることを特徴とする製鋼ダストのリサイクル処理方法。 - 請求項1記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法において、前記スラリーに前記結合剤として更にベントナイトを添加することを特徴とする製鋼ダストのリサイクル処理方法。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法において、前記乾燥ケーキを製鋼原料として使用することを特徴とする製鋼ダストのリサイクル処理方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製鋼ダストのリサイクル処理方法において、前記乾燥炉での乾燥時間は、30分以上であることを特徴とする製鋼ダストのリサイクル処理方法。
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