JP3774196B2 - 細胞の増殖異常 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、細胞の増殖異常、特に潜在的に(又は実際に)癌性の細胞を検出する点で、組織、細胞又は流体のサンプル中の細胞の評価に関する。本発明の態様は、頸部細胞が異常である女性を検出するためのそれら女性からの頸管スミアのようなサンプルをスクリーニングするのに特に役立つ。本発明は、本明細書で実験的に示されるような、胸を含む他の組織サンプル中の細胞の評価にも適用できる。異常であることが見い出されたサンプルは、より詳細に検査することができ、その組織中の細胞の条件を更に研究することができる。より広範な診断手順の後に、悪性又は前悪性条件の同定の後に、適切な処置を行うことができる。
【0002】
本発明は、 DNA複製のプレイニシェーション複合体の特定のタンパク質に対する特定の結合分子が異常な細胞を検出するのに用いることができるという驚くべき発見に基づく。本発明において特に有用なのは、Cdc6に対する結合分子である。また、 MCMタンパク質、特にMCM5に対する結合分子も特に役立つ。本明細書に含まれる実験的証拠は、Cdc6に対する特定の結合分子、及びMCM2, MCM3, MCM4, MCM5, MCM6又はMCM7に対するものは、PCNA及びKi67に対する抗体より、組織サンプル中の細胞の増殖異常を選定することにおいて極めて有効である。従来は、Cdc6及び MCMのものはKi67及びPCNAと同様の結合となるであろうと予想したであろう。なぜならこれら全てのタンパク質は、“増殖マーカー”と考えることができるからである。抗原回復(加圧クッキング又はオートクレーブ)にかけた頸部サンプルに基づいて、以下の実験結果は実際に得られた結果はこれら全てについて同様であるが、頸管スミア及び凍結サンプルにおいて明らかな差があることを示す。スクリーニング目的のために一次的な関心があるこのようなサンプルは加圧クッキングにかけるのに十分に強固でない。スクリーニングの点で特に関心があるのは、異常細胞の高レベルの染色、及びLSILサンプルにおける十分に濃厚な染色を示す、抗Cdc6又は抗 MCM結合分子を用いる頸部サンプルの評価で得られた明らかな結果である。これは、頸部の上皮表面からとったスミアサンプルの評価における有用性を示しそして実際、これは本明細書において実験で確認される。十分に濃厚な染色もHSILサンプルについて見られる。
【0003】
胸組織、尿、血液及び血清の実験的評価は、本発明の態様の一般性を確認する。更なる証拠は、自動化することができる生化学的方法により、体液中の形成異常又は新生物細胞の存在の検出における同じ抗体の使用により供される、本明細書に示される例は、尿の分析による膀胱癌の検出並びに血液の分析による白血病及びリンパ腫の検出を含む。このような分析のための適切な方法は、Dissociation Enhanced Lanthanide Fluorescence Immunoassay, "DELFIA" である。血液でDELFIAによる肉腫及び癌腫の場合の検出の証明も含まれる。
【0004】
頸部の上皮は、2つの明確な細胞型:各々が解剖学的に組織のはっきりと識別される領域に位置した扁平上皮及び円柱上皮から本質的に構成される。扁平上皮は頸部開口部(OS)の外部面(子宮頸外部(ectocervix)に位置するが、円柱上皮は子宮頸外管(子宮頸内部(endocervix)に広がる。これら2つの明確な上皮細胞型は、扁平−円柱連結部において頸部のOSの近隣で接触する。扁平−円柱連結部は、それが悪性腫瘍の大部分が生じる領域であるので、臨床的に重要である。診断の妥当性のために、頸管スミアサンプルは、この領域からの細胞を含むべきである。これが達成されることを確実にするために、スミアは、扁平及び円柱上皮細胞を含むべきである。
【0005】
ほとんどの頸部腫瘍は、一定の再生下の多層化動力学的幹細胞システムである扁平上皮から扁平−円柱連結部において生ずる。その幹細胞の区画自体は、基底細胞層内の基底膜に隣接して位置する。幹細胞分割は、旁基底、中間、及び表面の細胞誘導を生じさせる。これらは、扁平上皮内の特徴的な形態及び位置の点で、慣用的に定義される。扁平上皮の最も深い層に位置した基底細胞からの、その表面の表面細胞への移行は、頸部表面における表面扁平上皮細胞が最終的に分化するまで、進行的な分化及び増殖の喪失と関連する。
形成異常においては、細胞が扁平上皮に進行するので、細胞の分化の減少に伴い、細胞の増殖の増加がある。典型的には慣用的な最初の例としては、頸部のスクリーニングは、上皮の表面からとったスミアの評価に関し、ここで細胞病理学者は、形成異常の結果として、分化の減少の代表である表面にある異常性を捜す。
【0006】
後期胎児期において、思春期において、及び妊娠中において、円柱上皮は、化生の過程により、連結部で扁平上皮に置き換わる。円柱上皮におきかわる化生扁平上皮は特に発癌性物質に弱い。正常な化生は、扁平上皮内で異常な異形成と混同すべきでなく、化生及び形成異常細胞の間を区別することができることはスクリーニングの情況において重要であり得る。
【0007】
徹底的かつ高価な国家的スクリーニングプログラムにもかかわらず、頸部の癌は、UKにおいて女性の8番目に最も一般的な悪性腫瘍であり、35歳未満の女性では最も一般的な悪性腫瘍である(Cancer Research Campaign, Cancer of the Cervix Uteri, 1994, CRC: London)。発展中の世界において、それは、35〜45歳の年齢の女性における最も一般的な悪性腫瘍及び死を引きおこす原因であり、毎年、 437,000の新しいケースがあると見積もられている(Cancer Research Campaign, Cancer-world perspectives, 1995, CRC: London) 。
【0008】
大部分の場合は扁平細胞癌(SCC) であり、16, 18及び31のようなヒトパピローマウイルスの‘危険性の高い’型での感染と強く関連している(Parkら、Cancer, 1995, 76 (10 Suppl.): p.1902〜13)。頸部癌は、それが十分に規定された非侵入的‘上皮内’段階を通して発達するので、集団スクリーニングによる予防に敏感である(Wrightら、Precancerous lesions of the cervix, in Blaustein's phathology of the female genital tract . R.J.Kurman, Editor. 1994, Springer-Verlag: New York. p.229〜78) 。扁平上皮内異常は、3層(CIN) 又は2層(Bethesda)システムを用いて分類することができる。異なる組織学的異常性は、感染性 HPVの型と、及びその障害の DNA倍数性、クローン数及び自然の変遷と広範囲で相関する。Bethesdaシステムにより分類されるように、CIN1及び頸部 HPV感染(HPVI)に対応する低グレード扁平上皮内障害(LSIL)は、侵入性の病気への進行の比較的低い危険性の生産性の HPV感染を一般に示す(Wright及びKurman. A critical review of the morphological classification systems of preinvasive lesions of the cervix: the scientific basis for shifting the paradigm, in Papillomavirus reviews: current research on papillomaviruses, C.Lacey, Editor. 1996, Leeds University Press: Leeds)。CIN2及びCIN3に対応する高グレード扁平上皮内障害(HSIL)は、CIN1(LSIL)より進行の危険が高いことを示し、両方とも悪性腫瘍の潜在的な前験体であるとみられている。上皮内障害の各々のカテゴリーについて悪性腫瘍の適当な危険性を評価することが可能であるが、個々のケースについての進行の適切な可能性を決定することは現在、可能でない。
【0009】
1943年に、 Papanicolau及び Troutは、女性において頸部癌の前駆体を検出するために Papスミア−テストを導入した。これは、細胞学的スクリーニングテストであり、おそらく、癌の予防のために導入された最も成功した公衆の健康の測定であると判明した。女性が3〜5年毎に少くとも1回、頸部スミア−テストを行う大規模スクリーニングプログラムは、頸部癌死亡率及び罹患率を減少させることにおいていくつかの国において極めて有効であると判明している。例えば、ブリティッシュコロンビア及びフィンランドにおいて、組織化したスクリーニングは、頸部癌による死亡率を70%だけ減少させた。早期に検出されれば、頸部癌は容易に治療される。
【0010】
これらの功績にかかわらず、全世界の状況の現実は低調である。例年、頸部癌を発達させた何千人の女性のうちの何百人のうち、50%超がその病気で死ぬであろう。このような女性の全ての75%は、開発途上国の人であろう。ここでは、財政的制約のため、利用できる方法を用いる大規模スクリーニングプログラムが実行できない。多くの先進国においてでさえ、過去10年、その病気の減少は微細なものであり、細胞学的スクリーニングのインパクトは予想よりかなり少なかった。更に、専門家は、定期的にスクリーニングされる患者、特に若い女性における侵入的頸部癌のケースの実質的な割合を観察している。
【0011】
細胞学的スクリーニングが頸部癌を検出するのに時々失敗する主な理由は、テスト間の間隔の大きさ及び多数の誤ったネガティブな結果(10〜30%)である(Pap Cytology screening: Most of the benefits reaped ? WHO 及び EUROGINが頸部癌抑制についての報告を公開する。 Press Release WHO/25, 1997年3月)。
【0012】
多数の誤ったネガティブな結果は、 Papスミアの解釈は、形態学的運動の最も困難なものの1つである。 Papスミアの結果は、スミア上の混合した細胞集団の複雑さ及び多様性並びに頸部でおこる広範囲の炎症及び修復過程のため、細針吸引、体液細胞学テスト又はバイオプシーより解釈するのが難しい。細胞集団内での周期的変化、妊娠誘導性変化及び閉経後期間におこる変化もある。婦人科学的細胞学は極めて難しいので、細胞技術者のためのトレーニング期間は長く;それらは訓練された研究生及び高程度の訓練並びにパターン認識技術を要求する。適切なトレーニングプログラムを完了した後でさえ、細胞技術者は、 Papスミアの結果が正常であるか異常であるかのような矛盾のない正確な判断をすることができる前に数年間の実際の経験を必要とする。同様に、病理学者は組織学的断片と解釈するために訓練され得るが、彼らは、細胞学研究室を組織化し、管理するため及び異常なスミアに関する適切な診断を行うために適切な技術を有するために細胞病理学的における特別の更なるトレーニングを必要とする。
【0013】
Papスクリーニングプログラムに関連する2つの主な問題は、見掛け上避けることができない誤ったネガティブな比率(10〜30%)及び比較的高いコストのスクリーニングである。それゆえ、頸部スクリーニングに対してかわりのアプローチが現在考えられている。2つの最も一般的に議論される提案は、一次スクリーニングモダリティーとして又は Papスミアへの補給として HPV DNAテスト及び検査を用いること、並びに慣用的に採取した Papスミアを自動的にスクリーニングすることができる装置を用い、これにより比較的高給の細胞技術者及び細胞病理学者の必要性を減少させることである(Richart, Cancer Supplement, 1995, 76(10): 1919〜1927; Birdsong, Human Pathology, 1996, 27 (5): 468〜481)。
【0014】
前者の方法には問題がある。 HPVのためのイン・シトウ法を用いる感度及びポジティブな予想値の問題である。 HPV DNA検出のための PCRの使用は一般的集団において HPV感染の高い割合を示し、 HPV DNAテストは臨床的スクリーニングのために問題となり得る使用のものと思われる。
【0015】
第2のアプローチは自動化に関する。いくつかの会社が現在、スクリーニング装置を開発し、市販している。一般に、このような装置は、像を捕獲するために高分解能ビデオスキャナーを用い、次にそれはデジタル化され、一連のアルゴリズムで分析され、次にそのデータはその機械が正常及び異常細胞構成物の間を区別するよう仕込まれているインターフェアレンスネットワークにかけられる。更なるソフトウェア及びハードウェアの開発、自動化されたスクリーニングが一次的スクリーニングのために考えられることが希望されており、現在、US FDAにより Papスミアのプレスクリーニング又は独立したスクリーニングのために認可されている装置はない。これらの会社は、慣用的な PAPスミアテストがこれらの問題の難しさ及び解決のための心からの必要性を示す問題を克服するための試みにおいてこのような高価かつ複雑なアプローチにおいて極めてきびしく投資する覚悟をする。
【0016】
細胞増殖マーカーの評価は、以前はこのような解決法のいずれかを供し、当該分野の専門家は、増殖マーカーが有用な臨床的情報を供するであろうことに懐疑的である(Hall及び Coates, Histopathology, 1995, 26: 105〜112)。細胞増殖の測定パラメータは腫瘍についての客観的情報を供するであろうと信じられるが、多数の研究にかかわらず、PCNA, Ki67等のような細胞増殖マーカーの使用は実際に、最適に用いられる組織学的評価に対する改良があることの直接的証拠はほとんどない、標準化された組織病理学的等級付け及び段階化と比較した増殖マーカーの相対値の重要な問題に着目した研究はほとんどない。
【0017】
自動化スクリーニングと共に免疫細胞化学的又は免疫蛍光染色を用いる試みは、正常な細胞の非特異的染色により限定されている。例えば、上皮膜抗原(EMA) は、 CINで頸部からの新生物細胞を染色することが示されているが、正常な頸部からのいくつかの化生細胞の染色も報告された。それゆえ、免疫組織学的染色を測定するための技術は利用できるが、現在、免疫組織化学を用いる市販の又は進歩のある自動化スクリーニングの装置はない。
【0018】
最も広く研究されている増殖のマーカーは、未知の機能のタンパク質であるKi67及びPCNA(増殖性細胞核抗原)である(Yu及びFilipe, Histochemical Journal, 1993, 25: 843〜853)。PCNAは、 DNA複製の延長及び DNA修復のメカニズムに関連する。それゆえ、それは複製又は修復による実際の DNA合成の間に存在する。
本発明者らは、 DNA複製の初期の開始段階に関連するタンパク質を研究した。これらは、Cdc6及びMCM2〜7のファミリーのタンパク質(MCM2, MCM3, MCM4, MCM5, MCM6及びMCM7)である。Williamsら (1997)(Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 1997, 94: 142〜147)は、培養中のヒトHeLa細胞が、増殖中の細胞サイクルを通してCdc6を発現するが、WI38ヒト二倍体繊維芽細胞は血清飢餓により静止させた時にCdc6の発現を停止することを報告した。これらの観察結果は他の細胞系及び他の種に広げられることがここで示される。 MCMはG1期の核(DNA合成の前)に存在し、進行的に、 DNA合成の間、クロマチンから可溶性核質におきかえられる。それらも静止の間、クロマチンから欠如していることがここで示される。MCM5が、子宮頸及び胸の分化した細胞から欠如していることもここで示されている。
【0019】
これらの背景技術から、 MCM又はCdc6抗血清は、PCNA又はKi67の分布に似ていると予想されよう。この予想についての更なる証拠は、いくつかのヒト組織及び3つの型のヒト腫瘍においてPCNA及びMCM7(hCDC47)についての類似した免疫染色パターンを見い出した Hiraiwaら(Int. J.Cancer, 1997, 74: 180〜184)からもある。
しかしながら、驚くことに、本発明者らは、PCNA及びKi67と比較して MCM及びCDc6の潜在的な診断値において劇的な差があることを見い出した。
【0020】
本発明者は、頸部細胞学についてヒト MCMタンパク質及びヒトCdc6に対して生じた抗血清をテストした。彼らは、正常な及び病気のヒト子宮頸及び頸管スミアの断片を研究した。彼らは、PCNA及びKi67を用いて得られたものでの結果を比較した。Cdc6抗体又はMCM(例えばMCM5)抗体は、PCNA又はKi67に対する抗体より有効に頸部においてLSIL(HPVI/CIN1)障害を検出する。更に、本質的に全てのLSIL(HPVI/CIN1)又はHSIL (CIN213) 障害の細胞が染色される。これは、PCNAのような他の増殖マーカーによる染色と対照的である。それは、 DNA複製のプレイニシェーション複合体のタンパク質、特にCdc6又は MCMタンパク質(例えば、MCM5、しかし、本明細書において、MCM2, MCM3, MCM4, MCM6及びMCM7についても例示される)に対する特異的結合分子は異型性又は新生物の細胞の早期検出のための例外的な診断価値を有することを示す。抗原回復(加圧クッキング又はオートクレーブ)にかけた頸部サンプルに基づいて、これらのサンプルはホルマリンで固定され、パラフィンに浸され、抗Cdc6及び抗 MCM抗体はPCNAで得られたものと同様の染色のパターンを供するが、スミア、新しい及び凍結したサンプルでの優れた結果は明らかである。
【0021】
これにより、本発明は、広くは、個体の組織、流体又は細胞中の、通常は体から除去したサンプル中の、特定の標的ポリペプチド、又は標的ポリペプチドをコードするmRNAを検出するための方法及び手段の種々の態様に関する。
【0022】
本発明の標的ポリペプチド、例えばCdc6及び MCMタンパク質、例えばMCM5は、 DNA複製のプレイニシェーション複合体内に含まれることにより本発明に有用でない他の細胞増幅マーカーから区別され得る。それらは、静止及び分化の間にクロマチンにより置換されることにより区別され得る。例えば、本発明に用いるための標的でないORC2(Gavinら、 1995, Science 270, 1667〜1671)は、静止細胞中のクロマチンに結合し続けることにより、Cdc6及びMCM5のようなタンパク質から区別され得る。 ORC複合体の他の成分、例えばOrc1は異なる挙動をするが、Orc2は静止細胞中で下降制御されない。Cdc6は静止及び分化の間、迅速に下降制御される。48時間程度G0に止まった培養細胞はいずれの検出可能なCdc6タンパク質も含まない。Cdc6は、より長期間、試験管内で束縛された細胞中で、又は生体外で分化した細胞中で検出できない。
【0023】
血清飢餓又は接触阻害により試験管内に束縛された細胞は、細胞中の MCMの全レベルは少くとも14日間、はっきりと減少しないが、(数日後に)クロマチンに結合した MCMを失った。試験管内で分化を行う細胞(例えばDMSO又は TPAで分化するよう誘導された HL-60細胞)は、MCM3を下降制御するが、Orc2はしない(Musahl, Aussois Meeting on DNA Replication, Aussois, France, June 1997) 。生体外組織からの分化した細胞は、MCM2及びMCM5のような MCMタンパク質を発現しない。多重タンパク質からの6つの MCMタンパク質MCM2〜MCM7は、2つのサブグループ:MCM3及びMCM5ダイマー;MCM2-4-6-7テトラマーに分けられる。MCM3及びMCM5は、MCM2-4-6-7よりS期においてゆっくりとクロマチンからはなれ得る(Kubotaら、1997, EMBO J. 16, 3320〜3331)。 MCMはG1期にクロマチンに結合しており、S期及び核の間に置換されるが、G2期においてクロマチンに結合しない。Cdc6は、クロマチンからの置換に加えて、分解もされてタンパク質レベルがG1/S遷移において劇的に下降するが、イーストにおいて同様な挙動をする。 DNA複製のプレイニシェーション複合体の更なる構成物が本発明により含まれ得る。例えば、イースト構成物のヒト相同体、例えばCdc7プロテインキナーゼ(Chapman及びJohnston, Exp.Cell Res., 1989, 180 419-428(yeast), Saoら., 1997, EMBO J., 16, 4340-4351(human-down-regulated in quiescence)), Dbf4, Cdc7プロテインキナーゼの調節サブユニット(Jacksonら., 1993, Mol.Cell Biol. 13 2899-2908(yeast), Masaiら., Cold Spring Harbor Meeting on Eukaryotic DNA Replication, 3-7 September 1997 (human))、 Cdc14プロテインホスファターゼ(Hogan及びKoshland PNAS USA, 1992, 89, 3098-3102 (yeast)) 、 MCMに似た表現型と関連し、それを有するCdc45 (Zouら., Mol.Cell.Biol., 1997, 17, 553-563 (yeast), Takisawaら., Cold Spring Harbor Meeting On Eukaryotic DNA Replication, 3-7 September 1997(Xenopus)) 、 MCMと似た表現型と関連し、それを有するMCM10(Merchantら., 1997, Mol.Cell Biol. 17 3261-3271) である。本発明の標的ポリペプチドは、 DNAプレ複製複合体の構成物、細胞サイクル当りに1回、 DNA複製を制限することに関連する複製コンピテントクロマチンの構成物、クロマチンの1回の DNA複製を許可することに関連し、 DNA複製の開始前に、複製源においてアセンブルする複製ライセンスの構成物と多方向に呼ばれる。
【0024】
ヒトCdc6アミノ酸配列は、Williamsら., (1997, PNAS USA 94: 142-147, GenBank Acc. No.U77949) に開示される。
ヒトMCM2配列は、 Todorovら., (1994, J.Cell Sci., 107, 253-265, GenBank Acc. No.X67334)に開示される。
ヒトMCM3配列は、 Thommesら(1992, Nucl.Acid Res., 20, 1069-1074, GenBank Acc. No.P25205) に開示される。
ヒトMCM4配列は、Ishimiら., (1996, J.Biol.Chem., 271, 24115-24122, GenBank Acc. No.X74794) に開示される。
ヒトMCM5配列は、Huら(1993, Nucleic Acids Res., 21, 5289-5293, GenBank Acc. No.X74795) に開示される。
ヒトMCM6配列は、Holthoffら(1996, Genomics, 37, 131-134, GenBank Acc. No.U46838) に開示される。
ヒトMCM7配列は、Huら(1993, Nucleic Acids Res., 21, 5289-5293) に開示される。
【0025】
本発明の一態様によれば、個体からのサンプル中の異常に増殖する細胞又は細胞増殖異常性の存在又は欠如を決定する方法であって、議論されるように、サンプルを、標的ポリペプチドに対する特異的結合メンバーに接触させ、そして該サンプルに対する前記特異的結合メンバーの結合を決定することを含む方法を供する。
【0026】
本発明の他の態様は、(i)正常であるか又は(ii)潜在的にもしくは実際に前癌性もしくは癌性の、異形成もしくは新形成であるとして組織を類別する方法であって、議論されるように、標的ポリペプチドに対する特異的結合メンバーの組織のサンプルへの結合を決定することを含む方法を供する。結合のパターン又は程度は、周知の正常のサンプル及び/又は周知の異常なサンプルについてのものと比較することができる。
【0027】
ヒトCdc6は、本明細書に記載されるように、本発明者らにより独立してクローン化されたが、そのクローニングの最初の発表は、 Williamらによるものであった。その論文(PNAS USA 94: 142〜147, 1997)は全体のアミノ酸配列を供する。本明細書に実験的に証明されるように、抗Cdc6結合分子は種々の組織、特に頸部サンプル、好ましくはスミアにおいて異常性をマークすることにおいて極めて有効である。
【0028】
ヒトMCM5についてのアミノ酸配列は、Huら (1993, Nucleic Acids Res., 21, 5289〜5293, GenBank Acc. No.X74795) に開示される。ここに含まれる実験的証拠は、Cdc6のようなそれに対する結合分子が、種々の組織、特に頸部サンプル、好ましくはスミアにおいて異常性をマークすることにおいて極めて有効であることを示す。MCM5に対する高アフィニティー抗体を得ることは、より高い抗原性を反映し得るCdc6についてより容易であるようである。
【0029】
ここに含まれる更なる実験的証拠は、MCM2に対する、MCM3に対する、MCM4に対する、MCM6に対する又はMCM7に対する結合分子も、頸管スミアのような組織サンプルにおいて異常性をマークするのに有効であることを示す。抗MCM5抗体は、全体及び細胞の数の両方において抗MCM2及び抗MCM7より強力な染色パターンを供することが見い出されている。抗CDC6抗体は、抗MCM5と似た染色パターンを供することが見い出されている。
【0030】
これにより、(例えば)抗Cdc6又は抗 MCM特異的結合メンバーの、サンプルへの結合は、異常な、潜在的にもしくは実際に前癌性もしくは癌性の、異形成もしくは新形成であるとしてそれからサンプルが得られる組織を類別することを供する。 Papテストを用いて陽性の結果を得ることに基づく本実施に従って、陽性でテストされた個体は、例えばバイオプシーテスト及び/又はくり返しのスクリーニングにより更に研究することができる。前癌潜在性は実際に癌性の状態を生じないことは極めて一般的である。必要に応じて適切な及び時を得た治療による介入を許容するために、形成異常の進行又は退縮を追跡するために6ケ月に1回のスクリーニングが典型的に用いられる。
【0031】
組織が、本発明により、組織中の検出された異常性に基づいて、潜在的に又は実際に前癌性又は癌性であるとして類別されるなら、適切な診断及び/又は臨床的追跡調査が要求されよう。
本発明は、必要な前癌又は癌である細胞増殖異常の検出に限られないことに注目することができる。他の細胞の増殖の疾患は、以下の実験例により示されるように、検出することができる。これらには、乾癬(例えば以下の実施例24を参照のこと)及び炎症性腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病(実施例33及び34)である。独立して細胞増殖異常であることに加えて、炎症性腸疾患は、全の患者ではないが、癌状態への前駆体であり得、従って、本発明によるそれらの検出は、より密接なフォローアップのための価値ある結果を供するのに用いることができる。炎症性腸疾患において、便のサンプル及びこのようなサンプルからの細胞の調製物で分析が行われるのを許容する結腸及び腸の細胞の脱落がある。以下の実施例32は、便から細胞を回収することにより調製された便スミアの染色を記述する。
【0032】
本発明は、更なる分析の前にサンプルをプレスクリーニングするのに用いることができる。本発明は、 Papスミアテスト又はThin Prep 2000テストのような利用できる技術を用いて以前にテストされたサンプルのスクリーニング又は分析のために本発明を用いることができる。以下の実験は、 Pap染色分析及び適切な抗体を用いる本発明による分析を同じ調製物で行うことができることも示す。これにより、頸管スミアは、例えば、慣用的な Papスミアテスト及び本発明によるテストの両方を用いてテストすることができる。
【0033】
本発明の更なる態様は、組織サンプル内の異常細胞をマークする方法であって、サンプルを、議論されるような、Cdc6, MCM5又は他の MCMのような標的ポリペプチドに対する特異的結合メンバーに、該特異的結合メンバーが異常に増殖する細胞に結合し、正常な細胞に結合しない条件下で接触させることを含む方法を供する。特異的結合メンバーがサンプルに結合するか否かは、サンプル内で異常に増殖する細胞の存在を確認するために決定することができる。
更なる態様において、本発明は、組織又はそのサンプル中の、異常細胞増殖、細胞増殖異常、形成異常、新形成、又は潜在的にもしくは実際に前癌性もしくは癌性の状態の存在又は異常を決定、評価又は診断するための、議論されるような、標的ポリペプチドに対する特異的結合メンバーの使用を供する。
【0034】
特異的結合分子は、本発明による使用のための説明書を含み得るキットにおいて供され得る。このようなキットは、本発明の更なる態様として供される。1又は複数の他の試薬、例えば標識化分子等(以下参照)を含めることができる。試薬は、外部環境からそれらを保護する容器、例えば密閉バイアル内に供され得る。キットは、関心の組織によりテストサンプル自体を供するための1又は複数の部品、例えば口腔から細胞を除去するための綿棒、血液サンプルを除去するためのシリンジ、頸管スミアをとるためのスパチュラ、バイオプシーガン等(これらの部品は一般に滅菌される)を含み得る。キットは、非特異的染色を減少させるためのブロッキング剤、貯蔵の間、結合する分子の活性を保護するための保存緩衝液、抗体染色の間に用いるべき染色液及び/又は洗浄液、陽性対照、陰性対照等のいずれかの組合せ又は全てを含み得る。陽性及び陰性対照は、本発明により用いられ、キットにおいて供され得る試薬の活性及び正確な利用性を確認するのに用いることができる。対照には、標的、例えばCdc6又はMCM5の存在について陽性であるか陰性であるか知られている、組織断片、カバースリップ上に固定された細胞のようなサンプルを含み得る。対照のデザイン及び使用は標準的であり、当業者の慣用的な能力内で十分である。
【0035】
サンプルは、いずれかの慣用的な手段及び技術を用いて体から除去することができる。頸部スクリーニングのために、標準スミアサンプルを用いることができる。あるいは、Thin Prep 2000技術(Cytec Corp, Boxborough, Mass., USA) を用いることができる。これは、 Papスミア調製物の慣用的な方法の代わりとしてUS FPAにより明らかにされている。サンプルは、細胞をガラススライドに塗るかわりに液体媒体中に収集される。自動化プロセッサー(Thin Prep 2000装置)が、後に、その液体から細胞を収集するのに用いられ、そしてそれらを、分析のためにガラススライド上の薄層内におく。スパチュラ又は綿棒を、内皮細胞、例えば頸部又は口腔からのものを除去するのに用いることができる。血液及び他の流体サンプルは、シリンジ及び針を用いて除去することができる。他の組織サンプルは、バイオプシー又は組織断片により除去することができる。
【0036】
好ましい実施形態において、サンプルは、抗原回復又は加圧クッキング/オートクレーブにかけられない。抗原回復は当該技術において標準的であり、当業者に公知である。 Hiraiwaらは、典型的なアプローチを供するShinら(1991)(Lab.Invest. 64, 693〜702)に言及する。サンプルは新鮮であっても凍結したものでもよいが、一般には、ホルマリンで固定され又はパラフィンに浸されない。議論されるように、特に好ましい実施形態において、サンプルは頸管スミアである。頸管スミアは加圧クッキングにかけるのに十分に強くない。更に、抗原回復処理は、一般に、高スループットが要求されるスクリーニングの助けとならない。
【0037】
本明細書に含まれる本発明の態様の実験例は、頸管スミアを含む頸部、胸、尿路悪性腫瘍(バイオプシー組織サンプル及び尿細胞学スミアの両方でテストしたもの)、結腸、肺、膀胱、皮膚、喉頭、食道、気管支、リンパ節、及び血液学的悪性腫瘍、また、転移性肉腫及び癌腫の証拠のための血液及び血清への適用可能性を証明する。本発明は、頸部腺性上皮細胞の前悪性異常(腺性上皮内新形成、GIN)又は他の組織における前悪性異常の評価に更に用いることができる。それは、新生物細胞の検出又は反応性の変化を示す細胞からのそれらの区別が極めて難しい他の臨床試料の細胞学的又は生化学的評価に用いるために特に適切であり得る。このような試料は、唾液、気管支−歯槽洗浄試料、尿及び消化管(食道、胃及び膵臓、胆管及び膵臓管を含む)からのふきとり物を含む。本発明は、増殖の評価がより正確な臨床結果の予測、及び/又はより合理的な治療の選択を可能にし得る組織の組織学的又は生物学的評価に適用することができる。試料は、腺細胞(例えば、肺、胸、結腸、前立腺、胃)、扁平上皮細胞(例えば肺、皮膚、食道)又は他の上皮細胞型(例えば膀胱、尿管、腎臓、卵巣)の悪性腫瘍を含み得る。
【0038】
所定範囲の乳癌でテストした、抗Cdc6抗体並びに種々の抗MCM2、抗MCM3、抗MCM4、抗MCM5、抗MCM6及び抗MCM7抗体を含む抗 MCM抗体で、以下に記載される実験において観察された高い程度の特異性は、乳癌の診断のための免疫細胞学的及び生化学的アプローチを供する。これらは、胸バイオプシーもしくは細い針での吸引(FNA) 試料又は乳管からの流体のサンプリングに適用することができ、これらは、スクリーニングプログラムにおける使用を許容する。
【0039】
本発明の種々の態様に従って結合メンバーに接触させられるサンプルは、本発明の異なる実施形態に従って、特異的結合分子の標的ポリペプチド、例えば議論されるようなCdc5, MCM5又は他の MCMへの結合、核酸レベルの決定、酵素活性等を許容するいずれかの利用できる技術を用いて調製することができる。種々の技術、例えば Papテストのために細胞を固定するのに用いられるような(標的ポリペプチドに結合する抗体のような分子のためのもの)は当該技術分野において標準的である。
【0040】
抗体のような結合メンバーの、正常な及びテストサンプルの反応性は、いずれかの適切な手段により決定することができる。個々のリポーター分子での標識化は1つの可能性である。そのリポーター分子は、直接的に又は間接的に、検出可能な、好ましくは測定可能なシグナルを作り出すことができる。リポーター分子の連結は、直接又は間接的に、共有結合、例えばペプチド結合又は非共有結合であり得る。ペプチド結合による連結は、結合分子(例えば抗体)及びリポーター分子をコードする遺伝子様式の組換え発現の結果としてであり得る。
【0041】
1つの好ましい態様は、分光的に単離された吸光又は発光特性を有する個々の発蛍光団、リン光体又はレーザー染料との、各々の結合メンバーの共有結合による。適切な発蛍光団は、フルオレセイン、ロダミン、フィコエリトリン及びテキサスレッドを含む。適切な色原染料は、ジアミノベンジジンを含む。
【0042】
他のリポーターは、高分子コロイド状粒子又は粒子状材料、例えば色のついた、磁性もしくは常磁性のラテックスビーズ、検出可能なシグナルを直接的又は間接的に視覚的に観察できる、電気的に検出でき、その他記録できる生物学的もしくは化学的に活性な剤を含む。これらの分子は、例えば、色を展開しもしくは変化させ又は電気特性を変化させる反応を触媒する酵素であり得る。それらは、エネルギー状態間の電気転移が特徴的なスペクトル吸光又は発光を生ずるように、分子的に励起可能であり得る。それらは、バイオセンサーと共に用いられる化学的なものを含み得る。ビオチン/アビジン又はビオチン/ストレプトアビジン及びアルカリホスファターゼ検出システムを用いることができる。更なる例は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ及び化学ルミネセンスである。
【0043】
結合を決定する態様は本発明の特徴ではなく、当業者は、彼らの好み及び一般的な知識に従って、適切な態様を選択することができる。
【0044】
以下の実験において、セイヨウワサビペルオキシダーゼを用いた。アルカリホスファターゼを用いて更なる実験を行い、同様の結果を得た(例えば頸管スミア)。アルカリホスファターゼは、セイヨウワサビペルオキシダーゼより感度の高い検出システムであるが、その展開された色は PAP染色との適合性が低い。
【0045】
本発明の実施形態に用いた頸管スミアの抗体染色のためのプロトコルは以下の通りである。
【0046】
1.6つの新鮮なスミアを、50:50アセトン・メタノール中に5分、浸す。(スミアを以前に"Cytofix" で固定する代わりの出発点−スクリーニング中心への安全な輸送を許容するよう取った時にスミアサンプルを処理するためにUKにおいて標準的に用いられるアルコール及びワックス処理は、10分間、メチル化有機溶剤に浸漬することにより Cytofixを除去することである。スミアをいずれかの他の保護層で覆うなら、サンプルを抗体染色にさらすためにいずれかの適切な処理を用いることができる。)
【0047】
2.5分間、トリス緩衝塩類溶液(TBS) で洗う。
3.15分間、 TBS中4mMデオキシコール酸ナトリウム中に浸透させるように洗う。
4.5分間、 TBS+ 0.3% Triton X100で洗う。
5.ステップ4をくり返す。
6.5分間、 TBS+ 0.025% Triton X100で洗う。
【0048】
7.組織を乾燥させることなく、過剰な液体を排出する。
8.加湿チャンバー内にスライドを移し、各々のスライド上に、最少で2時間(又は一晩)、 TBS中10%ヤギ血清試薬 200マイクロリッターをおく。
9.組織を乾燥させることなく、過剰な液体を排出する。
【0049】
10. 0.1% Triton 及び1% BSAを含む TBS中に希釈した一次抗体 200ミリリッターを各々のスライド上におき、オービタルシェーカー上で4℃で一晩、放置する。
11.スライドをラックに移し、5分、 TBS+ 0.3% Triton X100中で洗う。
12. TBS+ 0.025% Triton X100中で5分、洗う。
13.ステップ12をくり返す。
14.組織を乾燥させることなく、過剰な液体を排出する。
【0050】
15.スライドを、加湿チャンバーに移し、各々のスライド上に、1% BSAを含む TBS中1:500 でビオチン化ヤギ抗ウサギ二次抗体(Dako)200マイクロリッターを2時間、おく。
16.スライドを二次抗体内に入れ、SABC溶液を作る。
17.スライドをラックに移し、 TBS中で5分、洗う。
18.スライドを、 0.6%過酸化水素と共に、内因性ペルオキシダーゼブロッキング剤に10分、入れる。
19. TBSで5分、洗う。
【0051】
20.ステップ19を2回、くり返す。
21.スライドを加湿チャンバーに移し、各々のスライド上に、 200マイクロリッターのSABC溶液を、30分、おく。
22.スライドをラックに移し、 TBS中で5分、洗う。
23.ステップ22をくり返す。
24.10分、 DAB溶液中に展開する。
【0052】
25.5分、水道水で洗う。
26.6秒、Harrisヘマトキシリン溶液にスライドを入れる。
27.1分、水道水で洗う。
28.1〜2秒、 0.5%塩酸中で区別化する。
29.5分、水道水で洗う。
【0053】
30.2分、50%メタノールをそそぐ。
31.2分、70%メタノールをそそぐ。
32.2分、90%メタノールをそそぐ。
33.2分、 100%メタノールをそそぐ。
34.2分、Orange G作業液に入れる。
【0054】
35.7秒、 100%メタノールをそそぎ、静かに撹拌する。
36.ステップ35をくり返す。
37.2分、EA50溶液に入れる。
38.7秒、 100%メタノールをそそぎ、静かに撹拌する。
39.ステップ38をくり返す。
【0055】
40.5分、キシレンにスライドを入れて透明にする。
41.ステップ40を2回、くり返す。
42. DEPEXマウンタントを用いてカバーガラスを適用する。
【0056】
免疫蛍光のためのスミアは、同様に調製することができる(そしてできている)。二次抗体の後、それらを、1時間、ストレプトアビジンFITC接合抗体中でインキュベートし、ヨウ化プロピジウム/RNAseA(両方とも Sigma、50ng/ml)で、 DNAについて対比染色し、次にグリセロール/PBS /フェニレンジアミン中にマウントした。
【0057】
本発明の態様に用いるための好ましい結合分子には、抗体、標的のための天然のリガンド、標的上の1又は複数のエピトープを標的にする小分子及びT細胞レセプター結合ドメインがある。
【0058】
関心の標的に特異的である抗体、例えばCdc6, MCM5又は他の MCMは、当該技術で標準的である技術を用いて得ることができる。抗体を生産する方法は、哺乳動物(例えばマウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、サル又はトリ、例えばニワトリ)を、タンパク質もしくはそのフラグメント又はタンパク質もしくはフラグメントを発現する細胞もしくはウイルスで免疫化することを含む標的ポリペプチドをコードする DNAでの免疫化も可能である。抗体は、当該技術で周知の種々の技術のいずれかを用いて、免疫化された動物から得ることができ、そして、好ましくは関心の抗原への抗体の結合を用いて、スクリーニングすることができる。例えば、ウエスタン・ブロッティング技術は免疫沈降法を用いることができる(Armitageら、1992, Nature 357: 80〜82) 。
【0059】
モノクローナル抗体の生産は当該技術で十分に確立されている。モノクローナル抗体は、組換え DNA技術にかけて、もとの抗体の特異性を保持する他の抗体又はキメラ分子を作ることができる。このような技術は、抗体のイムノグロブリン可変領域又は相補性決定領域(CDR) をコードする DNAを、異なるイムノグロブリンの定常領域又は定常領域+骨格領域に導入することに関連し得る。例えば、 EP 184187A, GB 2188638A又はEP-A-0239400を参照のこと。モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマは、生産される抗体の結合特異性を変えても変えなくてもよい遺伝子変異又は他の変化にかけることができる。
【0060】
ペプチドで哺乳動物を免疫化するためのかわりとして又はその補助として、標的に特異的な抗体を、例えばそれらの表面上に機能的イムノグロブリン結合ドメインを提示するラムダバクテリオファージ又は繊維状バクテリオファージを用いて、発現されたイムノグロブリン可変ドメインの組み換え生産されたライブラリーから得ることができる;例えば WO 92/01047 を参照のこと。そのライブラリーは、標的で免疫化されていない生物から得られた配列から作製されたネイティブであっても、又は関心の抗原(又はそのフラグメント)に露出された生物から得られた配列を用いて作製されたものであってもよい。
【0061】
抗体は、いくつかの方法で修飾することができる。実際、他に文脈で排除しなければ、用語“抗体”は、抗体−抗原結合ドメインを有するいずれの特異的な結合物質も包含するものとして解釈されるはずである。これにより、これは、天然であっても合成であってもイムノグロブリン結合ドメインを含むいずれかのポリペプチドを含む、抗体フラグメント、誘導体、及び機能的等価物を包含する。それゆえ、他のポリペプチドに融合された、イムノグロブリン結合ドメイン又は等価物を含むキメラ分子が含まれる。キメラ抗体のクローニング及び発現はEP-A-0120694及びEP-A-0125023に開示される。
【0062】
結合抗原の機能は、全体の抗体のフラグメントによって行うことができることが示されている。典型的な結合フラグメントは、(i)VL, VH, CL及びCH1ドメインからなる Fabフラグメント;(ii)VH及びCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iii )単一抗体のVL及びVHドメインからなるFvフラグメント;(iv)VHドメインからなる dAbフラグメント(Ward, E.S.ら、Nature 341, 544-546 (1989)) ;(v)単離された CDR領域;(vi)2つの連結した Fabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab′)2フラグメント;(vii )一本鎖Fv分子(scFV)(ここで、VHドメイン及びVLドメインが、これら2つのドメインが抗原結合部位を形成するように会合するのを許容するペプチドにより連結されている)(Birdら、 Science, 242, 423〜426, 1985; Huston ら、PNAS USA, 85, 5879〜5883, 1988);(viii)二種特異的一本鎖Fvダイマー(PCT/US92/09965)及び(ix)遺伝子融合により作製された多価又は多種特異的フラグメントである“ジアボディー(diabodies)"(WO 94/13804; P.Holliger ら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA 90, 6444〜6448, 1993) である。
【0063】
抗体及び抗体フラグメントを含むポリペプチドの組換え発現は当該技術で公知である。
【0064】
種々の異なる宿主細胞内でのポリペプチドのクローニング及び発現のためのシステムは公知である。適切な宿主細胞には、バクテリア、哺乳動物細胞、イースト及びバキュロウイルスシステムがある。異種ポリペプチドの発現のために当該技術で利用できる哺乳動物細胞系には、チャイニーズハムスター卵母細胞、HeLa細胞、ベイビーハムスター腎細胞及び多くの他のものがある。一般的な好ましいバクテリア宿主は大腸菌である。バキュロウイルス発現のための好ましい宿主はSF 細胞系のような昆虫細胞である。
【0065】
適切なベクターは、適切なら、プロモーター配列、ターミネーターフラグメント、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子及び他の配列を含む適切な調節配列を含むように選択され、作製され得る。更なる詳細については、例えば、Molecular Cloning: a Laboratory Manual: 2nd edition(Sambrookら、1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press)を参照のこと。形質転換手順は用いる宿主に依存するが、公知である。
【0066】
コーディング核酸からの発現による生産の後、Cdc6のような本発明に役立つ標的に対する抗体又は他の特異的結合分子は、回収し、そして単離することができ、必要に応じて適切な標識又はリポーターにコンジュゲートされ、そして開示される本発明に従って、組織サンプル、例えば頸管スミア中の細胞の増殖異常の存在又は欠如の決定に用いるために供される。
【0067】
腫瘍中のCdc6及び MCM発現のレベルは正常な組織中よりかなり高く、これらの抗原は(例えば腫瘍細胞の壊死により)血流又は他の体液、例えば尿、又は便に遊離され得る。特異的結合分子は、当業者に利用できるいずれかの技術、例えばDELFIA, ELISA, RIA、 Westernブロッティングを用いて、体液、例えば血清中で標的を検出するのに用いることができる。腫瘍の進行及び退縮は、例えば処理に対する応答において又は再発においてモニターすることができる。これにより、血液又は他の体液サンプル、例えば尿、前立腺液、乳頭液、漿液及び腹水流出物、脳脊髄液、及び便も、本発明に従って評価することができる。例えば、血液サンプルは、例えばWilliamsら(Clin.Chem.Acta, 1986, 155, 329〜344)に記載されるように、DELFIA, ELISA, RIAを用いて、MCM5及びCDC6のような標的ポリペプチドの存在についてアッセイすることができる。
【0068】
生体内標的への結合の測定は、体内の異常細胞の局在化を同定するのに用いることができる。本発明に従う標的に対する標識された結合分子は、個体に投与することができ、その体内での結合が測定される。ラジオヌクレオチド、例えばヨウ素−125 、インジウム−111 、タリウム−201 又はテクネチウム−99mを抗体に結合させた場合、その抗体が正常組織より腫瘍において優先的に局在化するなら、腫瘍組織中の放射性標識の存在を、ガンマカメラ又はシンチグラフィーを用いて定量することができる。得られた腫瘍の像の質はシグナル:ノイズ比に直接、相関する。テクネチウム−99mで放射能標識することは Pakら (1992)(Nucl.Med.Biol. 19; 699〜677)に記載される。抗 CEA抗体での癌像形成の報告は、Goldenberg D.M.(Int.J. of Biol.Markers 1992, 7; 183〜188)により供される。ヒト又は動物の体で行われるいずれかの方法が病気の実際の診断の方法であるなら、本発明は、もちろん、いずれかのこのような方法に用いるための、開示されるような標的ポリペプチドに対する特異的結合メンバーに広げられる。
【0069】
ATPase酵素活性がCdc6及び MCMタンパク質について報告されている(Zwerschkeら、 1994, J.Biol.Chem. 269, 23351〜23356; Ishimi ら、 Cold Spring Harbor Meeting on Eukaryotic DNA Replication, 3-7, 1997年9月)。これらのタンパク質は、他の酵素活性、例えばIshimiら(前掲)により報告されるヘリカーゼ活性を有し得る。本発明による標的タンパク質のレベルは、そのサンプル中の酵素活性の測定により評価することができる。例えば、特定の色原物質は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(ジアミノベンジジン)及びβ−ガラクトシダーゼ(X-GAL) のような酵素の酵素活性のために開発されている。
【0070】
Cdc6, MCM5又は他の標的タンパク質発現は、例えばmRNAレベルを決定することにより、核酸レベルにおいて評価することができる。 Williamら(Cold Spring Harbor Meeting On Eukaryotic DNA Replication, 3-7, 1997年9月)は、マウスの腸の腸陰窩の基部における Cdc6 mRNAの発現を報告している。 RNA検出のための方法はその分野で公知であり、ノーザンブロッティング、ドットブロッティング、イン・シトウハイブリダイゼーション、定量的RT-PCRがある。1又は複数の細胞又は細胞から単離及び/又は精製された核酸由来の核酸ライブラリー(例えば細胞から単離されたmRNA由来のcDNAライブラリー)から単離及び/又は精製された核酸は、選択的ハイブリダイゼーションのための条件下でプロービングされ、及び/又は特異的核酸増幅反応、例えばポリメラーゼ鎖反応(PCR) にかけることができる。プローブの標的核酸への結合は、当業者の自由に種々の技術のいずれかを用いて測定することができる。例えば、プローブは、放射能で、蛍光で、又は酵素により標識することができる。プローブの標識化を用いない他の方法には、制限フラグメント長多形性の検査、 PCRを用いる増幅、 RNase開裂及び対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプロービングがある。
【0071】
実施する目的のため、又はコストと時間を考慮した少くとも商業目的のために、タンパク質レベルにおける標的タンパク質発現の評価が、核酸レベルにおける評価より一般に好ましい。
【0072】
本発明の態様は、実験例を引用して詳述されよう。本発明の更なる態様及び実施形態は当業者に明らかであろう。
【0073】
実施例1−抗体の調製
Cdc6のための抗体を以下のプロトコルを用いて調製した。
ヒトCdc6様タンパク質のフラグメントをコードする発現された配列タグ(GenBankアクセス番号:T90351, H59204, N69246, AA045217, AA099980) を、ヒトOrc1及びイーストCdc6/Cdc18 に対するそれらの弱い配列相同性に基づいて同定した。対応するライブラリークローンを、IMAGE Consortium (Research Genetics Inc., USA)から得て、 ABI PRISM 377シーケンサー(Applied Biosystems) を用いて両方の鎖に基づいて配列決定した。全ての5つのクローンの共通配列が 536アミノ酸のオープン読み枠を含んでいた。後に公開されたヒトCdc6の配列とのアライメント(Williamsら、1997)は、タンパク質レベルでの99.7%の相同性を示した。アミノ酸 145〜360 及び 364〜547 に相当するヒトCdc6の2つの別個のフラグメントを、 Xba I− BamH フラグメントとしてpET23a発現ベクター(Novagen)にクローン化し、大腸菌CL41株中で発現させた。組換えタンパク質フラグメントを、Ni+2アガロースアフィニティークロマトグラフィー(Qiagen)により精製し、免疫化のために用いた。抗体を生じさせ、以前に記載されるように(Romanowskiら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 1996, 93: 10189〜10194)アフィニティー精製した。3つの抗体は、HeLa全細胞抽出物及び核抽出物中で62kDの主要なバンドを認識した。
【0074】
MCM5に対する抗体を次の通りに調製した:
【0075】
PCRプライマーを、ヒトMCM5の公開された配列に基づいてデザインした(Huら、1993、Nucl.Acid Res. 21 5289〜5293) 。アミノ酸 367〜582 に対応するMCM5コーディング配列のフラグメントを、逆転写した HeLa cDNAから増幅し、 SphI− BglIIフラグメントとして pQE70発現ベクター(Qiagen)にクローン化した。そのタンパク質をBL21大腸菌細胞中で発現させ、Ni2+アガロースアフィニティークロマトグラフィー(Qiagen)を用いて精製した。抗体は、Romanowskiら(Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 1996, 93: 10189〜10194)に記載されるように生じさせた。
【0076】
実施例2−Cdc6及びMCM5の細胞増殖との関係
不死のヒト細胞系HeLaが細胞サイクル全体を通してCdc6及びMCM5を発現することが以前にウエタスタンブロットにより示されている(Williamsら、Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 1997, 94: 142-147; Schulte ら、Eur.J.Biochem., 1996, 235, 144-151) 。現在、静止Wi38ヒト繊維芽細胞中でのCdc6の下降制御がWilliamsら、1997により報告されている。
【0077】
本発明者らは、マウス 3T3繊維芽細胞を接触阻害により静止させた時に、Cdc6発現が下降制御されることもウエスタン・ブロットにより示した(図1A)。
【0078】
NIH 3T3細胞系を、群集になるまで増殖させることにより拘束した。培養物を7日間、静止状態に維持した。細胞を、トリプシン分離及びリプレーティングによりG0拘束から解放した。可溶性(上清)及び核タンパク質(ペレット)抽出物を、3時間の間隔で調製し、両抽出物をヒトMCM5, Orc2及びCdc6に対する抗体で免疫化した。
【0079】
Orc2(クローニングについて、 GavinらCScience(1995) 270, 1667〜1671) は、静止細胞内で結合したクロマチンを保持しており(G0)、細胞が細胞サイクルに入る時にはっきりと増加しない。対照的に、MCM5は、可溶性画分が大量のMCM5を含んでいたにもかかわらず、静止細胞のクロマチン結合画分(ペレット)内で検出することができなかった。MCM5と対照的に、Cdc6は静止細胞から完全に欠如していたが、このタンパク質の発現は、細胞が細胞サイクルに再び入る時に迅速に誘導された。ヒトEJ13細胞系(膀胱癌由来)でも同様の結果を得た。
【0080】
これらの結果は、静止細胞中のCdc6の欠如が一般的な現象であることを示す。
【0081】
これらの研究を、免疫蛍光並びに抗Cdc6及び抗MCM5抗体の完全な細胞への適用により拡張した。
Cdc6及びMCM5の発現は、新生のヒト繊維芽細胞(NHF) が接触阻害により静止状態になる時にも下降制御されることが見い出された。
【0082】
NHFを群集になるまで増殖させ、3日間、静止状態に維持した。細胞を、トリプシン分離及びリプレーティングによりG0拘束から解放した。次に完全な細胞を、S期に入るまで、解放後の複数の時点で収集した。ヨウ化プロピジウムでの染色を DNAを示すために用い、結果を、抗Cdc6及び抗MCM5抗体でのサンプルの染色と比較した。
静止(G0)細胞は、Cdc6免疫反応性を示さず、抗MCM5抗体で極めて弱いシグナルを示した。しかしながら、細胞サイクルに入る時及びS期の間に、Cdc6及びMCM5についての強力な核免疫反応性が観察された。
【0083】
これらの研究は、抗Cdc6抗体が、PCNA又はKi67と同様の細胞を増殖するためのマーカーを供し得るであろうことを示唆し得る。PCNAもKi67も頸部細胞学のために満足するものでないことが判明した。
【0084】
実施例3−抗 Cdc6 及び抗 MCM5 結合分子は PCNA 又は Ki67 抗体よりかなり有効に異常な(例えば腫瘍)細胞を検出する。
実施例2に概説される結果は、Cdc6発現が、頸部細胞学のためにいずれも満足いくものでないPCNA又はKi67のそれに類似し得ることを示唆する。本発明者らは、正常な又は病気の子宮頸の断片に基づいてこれらのタンパク質に対する抗体を比較した。
【0085】
慣用的な増殖マーカーPCNA及びKi67についての頸部 SILの免疫染色は、Cdc6又はMCM5についての染色と比較した時に異なるパターンの免疫反応性を示す。正常な頸部において、全ての4つの抗原に対する抗体は、基底及び旁基底層に制限された上皮細胞の陽性の免疫染色を示した。化生の、ストローマの、又は炎症性の細胞の免疫染色は観察されなかった。低及び高グレードSIL(LSIL及びHSIL)の両方において、Cdc6及びMcm5に対する抗体は、異常細胞の大部分(95%超)の陽性の免疫染色を示した。対照的に、PCNA及びKi67についての免疫染色は、両グレードの SILにおいて異常細胞の少数集団(30%未満)のみである。LSILの特徴であり、 HPVの細胞病理学的効果を反映するコイロサイト(koilocyte) は、全て、Cdc6及びMCM5で陽性の免疫染色を示したが、少数集団(20%)のみがPCNA又はKi67について陽性染色を示した。
【0086】
異常細胞の染色のかなり大きなレベルは、組織サンプルが上皮の表面からスミアによりほとんど直ちにとられる頸部スクリーニングにおいて、抗PCNA及び抗Ki67分子に優る、抗Cdc6又は抗MCM5結合分子を用いることについての明白な利点を供する。
【0087】
5μmセクションをガラススライド上に切り取り、キシレン中でワックスを除いた。内因性ペルオキシダーゼ活性を、室温中で、3〜5分、 100%メタノール中 0.6%過酸化水素中でのインキュベーションにより止めた。そのスライドを2×5分、リン酸緩衝塩類溶液中で洗い、次にリン酸緩衝塩類溶液(PBS) 中10%の胎児ウシ血清(FCS) のセクション当り約 100μlでブロックした。そのスライドをとり、過剰な血清をふき取った。一次抗体を 2.5% FCSを含む PBS中20に対して1に希釈し、25〜50μlを各々のセクションに加えた。インキュベーションを、加湿チャンバー内で室温で45分、行った。次にそのスライドを PBS中で3×5分、洗い、次に15分、 PBS中で、抗Ki67又は抗PCNAのために20%ウサギ血清で、及び抗Cdc6又は抗MCM5のために20%ロバ血清で、ブロッキングした。ブロッキング抗体を排出してスライドをふき取った後、10%の正常なヒト血清を含む PBS中 200に対して1の(抗Ki67又は抗PCNAのための)ビオチニル化ウサギ抗マウス二次抗体又は(抗Cdc6又は抗MCM5のための)ロバ抗ウサギ抗体を室温で30分、加えた。 PBS中で3×5分、洗った後、ストレプトアビジン−ビオチン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ複合体を、室温で30分、 PBS中で 500に対して1で加えた。3×5分の PBS洗浄の後、基質ジアミノベンジジンを、 0.005%過酸化水素を含む100mM Tris-Cl (pH 7.6)中1%で加え、室温で5分、インキュベートした。その反応を、水道水をそそぐことにより停止させ、スライドをGill'sヘモトキシリンで軽く染色し、特級エタノールにより脱水し、キシレン中で2×6分、洗った。カバースリップを DPXマウント媒体で適用した。
【0088】
正常な頸部の連続断片を、各々の抗体を用いて、PCNA, Ki67, MCM5及びCdc6について染色した。これら全ての抗体は、基底及び旁基底層のみに制限された陽性細胞と同様の免疫反応性のパターンを示した。
【0089】
低グレードSIL(CINI) 頸部の連続セクションを、各々抗体を用いてPCNA, Ki67, MCM5及びCdc6について染色した。形成異常は扁平上皮の下3分の1において支配的であり、 HPV関連のウイルスの変化(コイロサイト−シス)に関連しており、ここで後者は表面まで広がっていた。PCNA及びKi67は、上皮の下3分の1に制限された。パッチ様の焦点にある免疫反応性であって、不定型の細胞の小さな集団のみが陽性染色されているものを示した。対照的に、Cdc6及びMCM5は、上皮のより表面の層においてコイロサイトを含む全ての不定型の細胞の陽性染色と共に、十分に濃厚な免疫反応性を示す。
【0090】
高グレード SILの連続断片を、各々PCNA, Ki67, MCM5及びCdc6抗体を用いて染色した。上皮の全ての層全体に形成異常が存在する。PCNA及びKi67は、十分に濃厚な染色での同様のパターンの免疫反応性を示したが、不定型細胞の小数集団のみが陽性である(約30%まで)ことを示した。Cdc6及びMCM5も、上皮の十分に濃厚な染色を示す。しかしながら、PCNA及びKi67と著しく対照的に、Cdc6及びMCM5は全て不定型の細胞の陽性染色を示す。
【0091】
これらの結果は、スミアサンプルへの結合を決定することにより頸部の状態を評価することにおいて抗Cdc6又は抗MCM5特異的結合分子を用いることの特定の有用性の指標である。スミアサンプルのただ頸部からの頂上の表面層のみが、高レベルの染色を有することが重要である。抗PCNAでも抗Ki67でも示されない早期段階異常性(低グレードSIL, CINI)での抗Cdc6で及び抗MCM5で得られた高レベル染色は極めて重要である。更に、LSILサンプルで抗Cdc6及び抗MCM5抗体を用いて得られるが抗PCNAでも抗Ki67抗体でも得られない十分に濃厚な染色は、早期の段階の潜在的な前悪性腫瘍についてスミアサンプルを評価するために前者の特定の有用性を強調する。
【0092】
実施例4− Cdc6 及び MCM5 抗体は頸管スミアにおいて異常細胞を検出する。
実施例3は、子宮頸のセクションにおいて潜在的に前癌性の障害を検出するための抗Cdc6及び抗MCM5結合分子の価値を証明する。更なる実験結果は、それらが頸管スミア調製物中で異常細胞を検出するのに同じく有効であることを示す。
【0093】
頸管スミアは、(リン酸緩衝塩類溶液中のパラホルムアルデヒドから新しく調製した4%の)ホルムアルデヒド中で10分、固定化した。次にその固定化した材料を、抗Cdc6抗体(1:200)又は抗MCM5抗体(1:200)で、次にフルオレセインイソチオシアネートに接合させたロバ抗ウサギポリクローナル抗体(Amersham;1:100)で染色した。全 DNAをヨウ化プロピジウムにより標識した。走査性レーザー共焦顕微鏡(Bio-Rad MRC 1024)を用いて像を得た。これらの像において、全ての DNAは赤色であり、Cdc5又はMCM5免疫染色は緑色であり、免疫反応性の核は黄色に見えた。
【0094】
正常な頸管スミアの例は、平行に配列された頸部内部細胞の特徴的なストリップ並びに表面上及び化生扁平上皮細胞の混ぜ合わさった集団を示した。テストした抗体のいずれとの特定の抗Cdc6又は抗MCM5免疫反応性の証拠もなかった。
【0095】
異常核の細胞(不定型の扁平上皮細胞)を含む異常スミアは、3つの異なる抗Cdc6抗体で、及び抗MCM5抗体で陽性染色されることを示した。コイロサイト(Koilocytes)も、抗Cdc6及び抗MCM5抗体との強力な免疫反応性を示した。隣接した正常な表面の扁平上皮/化生細胞でCdc6又はMCM5免疫反応性を示したものはない。
【0096】
正常な頸部のスミアにおける極めて低いバックグラウンドに対して、又は異常な頸部からのスミア中の正常な細胞において、異なる抗Cdc6抗体を用いて、好ましくは、コイロサイトを含む、LSIL細胞を染色して、結果を得た。これらの結果を、抗MCM5抗体を用いても得た。
MCM5に対する抗体で同様の結果が見られた。
【0097】
実施例5− Cdc5 及び MCM5 抗体は胸において有利に癌細胞を染色する。
抗Cdc6及び抗MCM5抗体を、一般的な癌の他の部位、胸でテストした。胸組織固定化及び染色は頸管スミアについて実施例3及び4に記載されるように行った。
【0098】
抗Cdc6及び抗MCM5抗体を、所定範囲の乳癌でテストした。
正常な胸は、免疫染色の証拠を示さなかったが、低及び高グレードの侵入性導管癌を含む乳癌の種々の組織学的な型において抗Cdc6及び抗MCM5の両方で観察された。低グレード粘膜癌も両方の抗体で強力に陽性染色することを示した。重要なのは、癌に隣接した正常なストローマ細胞が陰性であったことであった。
【0099】
実施例6−血液サンプルの分析
散在性の化生の疾患を患う患者からの保管した血液サンプルを、Williamsら(Clin.Chem.Acta, 1986, 155, 329〜344)に記載されるように、酵素連結イムノソルベントアッセイを用いてMCM5及びCDC6の存在についてアッセイする。血清中の可溶性MCM5及びCDC6の量は腫瘍負荷と相関する。
【0100】
実施例7−抗原回復と共にパラフィンろうに浸した組織断片とのスミア及び凍結断片の比較
正常な頸部(7つのサンプル)、LSIL(5つのサンプル)、HSIL(6つのサンプル)及び扁平上皮細胞癌(6つのサンプル)のホルマリン固定したパラフィンろうに浸した組織断片の5μm断片のイムノペルオキシダーゼ染色を、Ki67, PCNA, MCM5及びCdc6に対する抗体で行った。
【0101】
5μm断片をガラススライド上に切断し、キシレン中でろうを除いた。内因性のペルオキシダーゼ活性を、室温で30分、 100%メタノール中 0.6%過酸化水素中でのインキュベーションにより止めた。そのスライドを超高純度の水で2分、洗い、次にクエン酸ナトリウム緩衝液中で2分、加圧クッキングした。そのスライドを、2×5分、Tris緩衝塩類溶液(TBS) で洗い、次に TBS中10%ヤギ血清の、断片当り約 100μlでブロックした。そのスライドをとり、過剰な血清をふきとった。一次抗体を、1% BSAを含む TBS中 200に対して1に希釈し、 100μlを各々の断片に加えた。加湿チャンバー内で、4℃で一晩、インキュベーションを行った。次にそのスライドを TBS中で3×5分、洗い、次に室温で30分、1% BSAを含む TBS中で 500に対して1でビオチニル化ヤギ抗ウサギ二次抗体で洗った。 TBSでの3×5分の洗浄の後、ストレプトアビジン−ビオチン−セイヨウワサビペルオキシダーゼ複合体を室温で30分、 TBS中で 500に対して1で加えた。3×5分の TBS洗浄の後、基質ジアミノベンジジンを、 0.005%過酸化水素を含む TBS中で1%で加え、室温で10分、インキュベートした。その反応を、水道水をそそぐことにより停止させ、スライドをヘマトキシリンで軽く染色し、特級エタノールにより脱水し、キシレン中で透明にした。カバースリップを、 DPXマウンティング媒体と共に適用した。
【0102】
正常な頸部(8つのサンプル)、HSIL(9つのサンプル)及びLSIL(8つのサンプル)の凍結組織断片のイムノペルオキシダーゼ染色を、PCNA, Ki67, MCM5及びCdc6に対する抗体で行った。
【0103】
凍結断片をアセトン中で10分、固定化した。内因性のペルオキシダーゼ活性を、30分、 100%メタノール中 0.6%過酸化水素中でのインキュベーションにより止めた。次に断片を TBSで洗い、 TBS中10%ヤキ血清で一晩、ブロックした。一次抗体を1% BSAを含む TBSで1/200 に希釈し、4℃で一晩、インキュベートした。次に固定化組織断片について上述されるように二次抗体手順を行った。
【0104】
抗MCM5及び抗Cdc6抗体での染色の感度は、凍結断片に適用した時に抗PCNA及び抗Ki67抗体でのものよりかなり高かった。
ホルマリンで固定し、パラフィンに浸し、そして加圧クッキングにかけた正常な、LSIL及び扁平上皮細胞癌腫組織に基づいて、抗PCNA、抗MCM7、抗MCM5及び抗Cdc6は同様の染色のパターンを供した。比較においてKi67は、LSIL及び扁平上皮細胞癌腫の唯一の焦点にある弱い染色で、かなり弱い感度であった。
【0105】
実施例8−凍結断片へ及び抗原回復にかけた組織への抗 MCM7 抗体での染色
HSILとして分類された頸部の4つの凍結断片を抗MCM7抗体で染色した。
抗Cdc6及び抗MCM5抗体での染色と同じパターンの染色が観察された。
【0106】
この結果は、抗原回復プロトコルにかけたいくつかのヒト組織及び3つの型のヒト腫瘍においてPCNA及びMCM7(hCDC47)について同様の免疫染色パターンを見い出した Hiraiwaら(Int.J.Cancer, 1997, 74: 180 184 )のものと異なる。
【0107】
しかしながら、正常な頸部、LSIL及び抗原回復にかけた扁平上皮細胞癌腫のパラフィンろうに浸した組織断片について得られた染色パターンが抗PCNA抗体について得られたものと同様であることが見い出された点で Hiraiwaらと一致した。実施例7に示す通り、このように調製した断片での抗MCM5及び抗Cdc6抗体についての染色パターンは、抗PCNA抗体についてのものとも似ていた。
【0108】
実施例9−抗 MCM2 抗体での染色
ウサギポリクローナル抗ヒトMCM2を、正常な頸部の2つの凍結断片及びHSILの4つの凍結断片(各々が正常な頸部上皮を含む)を染色するのに用いた。
正常な頸部外部は、表面の分化した細胞において発現はなく、基底層においてのみ核の染色を示した。対照的に、異常な上皮の厚みの全てにおいてHSIL細胞の核染色があった。頸部内部の細胞は陰性であった。
【0109】
実施例 10 −抗 MCM3 抗体での染色
ウサギポリクローナル抗ヒトMCM3を正常な頸部の凍結断片及びHSILの2つの凍結断片(各々が正常な頸部上皮を含む)を染色するのに用いた。
【0110】
正常な頸部外部は、表面の分化した細胞において核の発現がなく、基底層のみで核のむしろ粒状の染色を示した。角化細胞の細胞質の特定のバックグラウンド染色が見られた。対照的に、異常な上皮の厚みの全てにHSIL細胞の核の染色があった。頸部内部細胞の核は陰性であったが、頸部粘液のいくらかの染色があった。
【0111】
ポリクローナル抗ヒトMCM3を、HSILの4つのスミア及びLSILの2つのスミア(これら各々は正常な頸部細胞を含む)を染色するのにも用いた。各々の場合、 SIL細胞の核の染色があった。更に、用いた一次抗体の希釈において、角化細胞のバックグラウンドの細胞質染色及び頸部細胞核のいくらかの染色があった。
【0112】
ポリクローナル抗アフリカツメガエルMCM3をHSILの凍結断片を染色するのに用いた。抗アフリカツメガエルMCM3抗体のヒトMCM3との交差反応性をウエスタン・ブロッティング及び組織断片上での局在化により確認した。異常な上皮の厚み全体にHSIL細胞の核の染色があった。
【0113】
実施例 11 −抗 MCM4 抗体での染色
ウサギポリクローナル抗ヒトMCM4を、正常な頸部の凍結断片及びHSILの2つの凍結断片(各々が正常な頸部上皮を含む)を染色するのに用いた。
【0114】
正常な頸部外部は、表面の分化した細胞において核の発現はなく、基底層においてのみ核のむしろ粒状の染色を示した。角化細胞細胞質のいくらかのバックグラウンド染色が見られた。対照的に、表面の核の強力な染色と共に、異常な上皮の厚み全体にHSIL細胞の核の染色があった。用いた一次抗体の希釈において頸部内部細胞の弱い染色があった。
【0115】
ポリクローナル抗ヒトMCM4を、HSILの2つのスミア(各々が正常な頸部細胞を含む)を染色するのにも用いた。各々の場合にHSIL細胞の核の染色があった。更に、用いた一次抗体の希釈において、角質細胞のバックグラウンド細胞質染色及び頸部内部の細胞核のいくらかの染色があった。
【0116】
実施例 12 −抗 MCM6 抗体での染色
ウサギポリクローナル抗ヒトMCM6を、正常な頸部の凍結断片及びHSILの2つの凍結断片(各々が正常な頸部上皮を含む)を染色するのに用いた。
【0117】
正常な頸部外部は、表面の分化した細胞において核の発現はなく、基底層においてのみ核のむしろ粒状の染色を示した。対照的に、異常な上皮の厚み全体にHSIL細胞の強力な核の染色があった。頸部内部の粘液がいくらか染色されたが、頸部内部細胞核の染色は最小であった。
【0118】
ポリクローナル抗ヒトMCM6を、HSILの4つのスミア及びLSILの4つのスミア(各々が正常な頸部細胞を含む)を染色するのにも用いた。各々の場合に SIL細胞の核の染色があった。更に、用いた一次抗体の希釈において、角質細胞のバックグラウンド細胞質染色及び頸部内部の細胞核のいくらかの染色があった。
【0119】
実施例 13 −抗 MCM7 抗体での更なる染色実験
ウサギポリクローナル抗ヒトMCM7を、正常な頸部の3つの凍結断片、HSILの6つの凍結断片及び頸部 SCCの凍結断片(各々が正常な頸部上皮を含む)を染色するのに用いた。
正常な頸部外部は、表面の分化した細胞において核の発現はなく、基底層において核の染色を示した。角化細胞外質のいくらかのバックグラウンド染色が見られた。対照的に、異常な上皮の厚み全体にHSIL細胞の大部分の核の染色があった。用いた一次抗体の希釈において頸部内部粘膜のいくらかの染色、及び頸部内部細胞の弱い染色があった。
【0120】
ポリクローナル抗ヒトMCM7を、HSILの2つのスミア及びLSILの2つのスミア(各々が正常な頸部細胞を含む)を染色するのにも用いた。各々の場合に SIL細胞の核の染色があった。更に、用いた一次抗体の希釈において、角質細胞のバックグラウンド細胞質染色及び頸部内部の細胞核のいくらかの染色があった。
【0121】
ポリクローナル抗アフリカツメガエルMCM7(ウエスタン・ブロッティング及び組織断片での局在化によりヒトMCM7と交差反応することを確認したもの)を、HSILの凍結断片を染色するのに用いた。異常上皮の厚み全体にHSIL細胞の核の染色があった。
【0122】
方 法
頸管スミアの調製
新しいスミアを固定化し(50:50 アセトン:メタノール中5分)、空気乾燥させた。(上述のように)内因性ペルオキシダーゼ活性を止めた後、細胞を浸透性にし(4mMデオキシコール酸ナトリウム、10分)、洗浄し(0.25% Triton X-100 を含むTBS)、そして TBS中10%ヤギ血清で一晩ブロックした。一次抗体を、1% BSAを含む TBSで1/200 に希釈し、4℃で一晩、インキュベートした。次にそのスライドを TBSで3×5分、次に室温で30分、1% BSAを含む TBS中 500に対して1のビオチニル化ウサギ二次抗体(Dako)で洗浄した。 TBSでの3×5分の洗浄の後、ストレプトアビジンセイヨウワサビペルオキシダーゼ複合体(Dako)を、室温で30分、 TBS中 500に対して1で加えた。3×5分の TBS洗浄の後、基質ジアミノベンジジンを、 0.005%過酸化水素を含む TBS中に1%で加え、室温で10分、インキュベートした。その反応を、水道水をそそぐことにより停止させ、スライドをヘマトキシリンで対比染色し、特級エタノールで脱水し、キシレンで透明にした。カバースリップに DPXマウンティング媒体と供に適用した。
【0123】
免疫蛍光
新しく集めた頸管スミア材料を 0.5ml PBSに懸濁し、 0.5mlの8%ホルムアルデヒドを加えて固定化し、ポリスチレンカバースリップ上に広げた。カバースリップを、Romanowskiら(Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 1996, 93: 10189〜10194)に記載されるように処理した。5% BSA/PBS /Triton X-100及び SDSでのブロッキングの後、それらを一次抗体と共にインキュベートし、洗浄し、二次抗体(FITC接合抗ウサギ抗体Amersham 1:100)と共にインキュベートし、 DNAについてヨウ化プロピジウム/RNAseA(両方 Sigma、50mg/ml)で対比染色し、洗浄し、グリセロール/PBS /フェニレンジアミン中にマウントした。
【0124】
2チャンネル(FITC & Texas Red)法を用いて、 BioRad MRC 1024走査性レーザー共焦顕微鏡で、蛍光像を収集した。いくつかの像について、1〜2μmステップでの共焦の組を収集し、次に単一フレームとして投影した(図4a及びc)。正常な及び腫瘍の胸組織を乳房切除試料から新しく収集した。薄片(1mm未満)を30分、4%パラホルムアルデヒドに固定化し、次に両方の抗体インキュベーション及び洗浄をより長時間行った他は上述の通り処理した。
【0125】
実施例 14 −本発明の実施形態の、標準 Pap 染色とのブラインド比較
検出効率を比較するために、地方の病院において膣鏡診外来患者クリニックにかかっている女性から得たスミアで行った標準 Pap染色と共に、MCM5に対する抗体を用いてブラインド試験を行った。
表1は、慣用的な Pap染色により陽性として評価された26のケースのうち、26全てが本発明による抗体テストによっても陽性であると評価された。慣用的な Pap染色により陰性であると評価された16のケースのうち、13が抗体テストによっても陰性であると評価された。
【0126】
残りの3つのうち、1つが、炎症性バックグラウンドにおいて反応性の変化を示す染色された未成熟の化生扁平上皮細胞を含んだ。他の2つは Pap染色の再検査に基づき異常な(LSIL)細胞を含むとして確認され、即ちこれらは、本発明を用いて排除し得る種類の誤った陰性であった。
【0127】
これらの結果は、 Pap染色からの情報を失うことなく、本発明による抗体テストを用いて情報が得られることのみを証明する。これは、抗体テストのいずれかの失敗の可能性が、慣用的な Pap染色を用いて保証されることを許容する。
【0128】
実施例 15 −尿路悪性癌瘍を有する患者の尿サンプルの分析
解離増強ランタニド蛍光イムノアッセイ("DELFIA")を、2つの異なるウサギポリクローナル抗体 hMCM5抗血清を用いてヒトMCM5の検出のために確立した。
【0129】
サンドイッチアッセイの基本は、表面(ここでは、ポリスチレンマイクロタイターウエル)への過剰な特定の抗体の固定化−即ち“捕獲”抗体の固定化である。一次抗体結合反応の後、異なるエピトープ特異性を有する第2の(ここではユーロピウム)標識化抗体を過剰に加える。免疫反応を完了した後、過剰な材料を洗い落とし、増強溶液を加えた後、(Wallac Oy) 時間分割蛍光を時間分割蛍光計で測定する。そのシグナルは被検体の濃度に比例する。
【0130】
以下のアッセイを用いた:
1.ポリクローナルウサギ抗MCM5Ab (1600ng/ウエル)で一晩(4℃)でのコーティング;
2.DELFIA洗浄液(Wallac Oy) での3回の洗浄;
3.5% BSA/PBS 中で1時間のブロッキング;
4.DELFIA洗浄液(Wallac Oy) での3回の洗浄;
【0131】
5.一晩(4℃)の一次抗体結合反応(0.02% TWEENを含むWallacマルチ緩衝液中被検体の1:3希釈);
6.DELFIA洗浄液(Wallac Oy) での4回の洗浄;
7.ユーロピウム標識化ポリクローナルウサギ抗MCM5Ab(420Eu/IgG)との3時間の二次抗体結合反応;
8.DELFIA洗浄液(Wallac Oy) での6回の洗浄;
9.増強溶液の添加及び振とうしながら10分のインキュベーション。時間分割蛍光計(Wallac Oy) での時間分割蛍光の測定。
【0132】
被検体として2つの異なるウサギからのポリクローナルウサギ抗MCM5血清及び5% BSA/PBS 中の組換えヒトMCM5を用いて、13pM及び 41250pMの間の標準曲線を作った。試料中の hMCM5の濃度を、サンプルのDELFIAアッセイ計数の、組換えhMCM5 5% BSA/PBS から作った標準曲線との比較により決定した。モノクローナル抗体を用いる時にかなり高い感度が予想されるはずである。
【0133】
Addenbrookes Hospital, Cambridge, UKにおける尿路悪性腫瘍を有する患者からの尿試料を3000rpm(SIGMA 4K10、7分、4℃)で遠心し(50〜150ml)、その細胞ペレットからの可溶性画分を、低張膨潤させ、洗浄し、そして DNA結合タンパク質を塩抽出することにより作った。可溶性画分を、病院での泌尿器病理科についての診断報告と比較した MCM5 DELFIA及び生化学的データを用いてアッセイした。
【0134】
悪性腫瘍について陽性であると臨床的に判断された5つのサンプルのうち、本発明によるDELFIAを用いて陽性と判断された4つ(80%)はMCM5の測定可能な量を示した(29〜85pM)。悪性腫瘍について陰性であると臨床的に判断された6つのサンプルのうち、全てがDELFIAで0標準と同様の応答を供した。
【0135】
実施例 16 −急性及び慢性白血病/リンパ腫の患者の血液サンプルの分析
実施例15に記載されるDELFIAを、Addenbrookes Hospital, Cambridgeにおける急性及び慢性白血病/リンパ腫の患者から得た血液サンプルをテストするのに用いた。血液を3000rpm(SIGMA 4K10、7分、4℃)で遠心し、その細胞ペレットからの可溶性画分を、低張膨潤、洗浄及び DNA結合タンパク質の塩抽出により作った。次に可溶性画分をDELFIAを用いてアッセイした。
【0136】
6つの悪性腫瘍のケースのうち、本発明によるDELFIAを用いて陽性とテストされた5つ(83%)が、測定可能な量のMCM5(24〜1945pM)を示した。6つの対照サンプル(糖尿病の外来患者)のうち、全てが0標準と同様の応答を供した。
【0137】
実施例 17 −転移性悪性腫瘍の血清学的検出
Addenbrookes Hospital, Cambridge, UKにおける転移性乳癌及び卵巣癌の患者からの血清で、実施例15に記載されるDELFIAを用いてアッセイを行った。
2つの肉腫のケース及び3つの癌腫のケース(乳及び卵巣腺癌)は、測定可能な量のMCM5を示した。
【0138】
実施例 18 −本発明に用いるための "pan-MCM" ポリクローナル抗体の調製
MCM2, MCM3, MCM4, MCM5, MCM6及びMCM7に結合することができるポリクローナル抗体を次の通り得た。
MCMファミリーのタンパク質に共通する共通配列に対応するペプチド VVCIDEFDKMSDMRTACを t-BOC化学を用いて合成した。そのペプチドをPPD(精製したタンパク質誘導体−ツベルクリン)に連結した。
ウサギを、21日間隔での注入により免疫化した。3回目の免疫化の後10日に、血清を収集し、後の実験に用いた(以下の実験例において"pan-MCM" 抗体と呼ぶ)。
【0139】
実施例 19 −抗 CDC6 、抗 MCM2 、抗 MCM5 、抗 MCM7 及び pan-MCM 抗体での正常な乳及び乳癌の染色
正常な胸(前胸部切除手術を受けた人)及びバイオプシーで証明された導管及び小葉性癌腫の組織学的試料を、CDC6, MCM2, MCM5及びMCM7に対する抗体並びに pan-MCM抗体で染色した。抗MCM2抗体は、 Transduction Laboratoriesから市販されるBM28マウスモノクローナル抗体(1998 Antibody Catalogを参照のこと)であった。記載されるように、各々の抗体について個々に染色を行った。
【0140】
加圧クッキングにかけたホルマリン固定しパラフィンに浸漬した試料、及び凍結した試料の両方を検査した。
診断バイオプシーのために又はAddenbrooke's Hospitalでの切除後に得られたホルマリン固定し、パラフィン浸漬したヒト組織を病院により認可された倫理学的ガイドラインに従って利用した。これらの組織から5ミクロン断片を、APES(アミノプロピルトリエトキシシラン)がコートされたスライドに切り取り、キシレン中でろうを除き、アルコールを通して水にとった。その組織を、エピトープ回復を容易にするためにクエン酸緩衝液中で加圧クッキングし、次にTris緩衝塩類溶液(TBS) 中で洗った。内因性ペルオキシダーゼ活性を、30分、 TBS中 0.6%過酸化水素中でのインキュベーションにより止めた。
【0141】
断片を TBSで洗い、2時間まで、 TBS中10%ヤギ血清でブロックした。一次抗体を、 0.1% Triton 及び1%ウシ血清アルブミン(BSA) を含む TBSで希釈した。各々の断片に 100マイクロリッターを加え、そのスライドを加湿チャンバー内で4℃でインキュベートした。
【0142】
次にそのスライドを 0.025% Triton を含む TBSで洗い、室温で1時間、1% BSAを含む TBS中1:500 で、ビオチニル化ヤギ抗ウサギ二次抗体(DAKO)中でインキュベートした。 TBS中で洗った後、基質ジアミノベンジジンを用いるストレプトアビジンセイヨウワサビペルオキシドシステムをスライドを染色するのに用いた。その反応を、水をそそぐことにより停止し、 Harris'ヘマトキシリンで軽く対比染色し、特級エタノールで脱水し、キシレンで透明にした。カバースリップを、 DEPEXマウンティング媒体と共に適用した。
凍結断片を、10%ヤギ血清でのブロッキングを一晩でなく30分、行った以外は実施例7に上述される通り調製した。
【0143】
正常な乳組織においては、導管及び小葉性細胞の1〜3%のみが陽性に染色された。ストローマ細胞は陰性であった。
低及び高グレードの障害並びに小葉性及び導管性の型を含む種々の乳癌における異常細胞の50〜80%が、陽性に染色され、周囲のストローマ細胞及び炎症細胞は未染色のままであった。
【0144】
これらの結果は、各々の抗体で個々に得た。
抗PCNA及び抗Ki67抗体で比較を行った。パラフィン断片において、抗PCNA染色は抗MCM5及び抗CDC6と同様の結果を供したが、抗Ki67抗体は弱く焦点の染色しか供さなかった。凍結断片において、抗 MCM及び抗CDC6での染色は、抗PCNA又は抗Ki67抗体よりかなり優れた結果を供した。
【0145】
実施例 20 MCM5, MCM7 及び pan-MCM に対する抗体を用いる正常な前立腺及び前立腺の腺癌の染色
実施例19において胸組織について記載されるように調製した正常な組織及び前立腺の腺癌のパラフィン浸漬組織学的試料を、別個の実験において抗MCM5、抗MCM7及び pan-MCM抗体で染色した。
【0146】
正常なケースは、各々の抗体で細胞の10%未満の陽性染色を示したが、腺癌は、腫瘍細胞の30〜50%の染色を示し、周囲のストローマ細胞及び炎症細胞は未染色のままであった。
【0147】
実施例 21 MCM2, MCM5, MCM7, pan-MCM 及び CDC6 に対する抗体を用いる正常な結腸及び結腸への癌腫の染色
結腸癌腫及び管状絨毛腺腫の組織学的切除試料を、 MCM2, MCM5, MCM7, pan-MCM及びCDC6に対する抗体で別個に染色した。正常な試料もこれらの抗体で染色した。
正常な組織において、各々の抗体についての染色が、結腸の陰窩の下3分の1においてのみ見られ、その陰窩内のより表面の分化した細胞は未染色のままであった。
【0148】
管状絨毛腺腫及び腺腫組織の両方において、腫瘍細胞の50%超が各々の抗体での染色について陽性であり、周囲の結合組織の要素の染色はなかった。
【0149】
凍結乾燥した及びパラフィン浸漬したサンプルの両方を、胸組織について実施例19に記載されるように検査した。結果は、一方で抗 MCM及び抗CDC6抗体並びに他方で抗PCNA及び抗Ki67抗体の間と同様であった。即ち、凍結サンプルにおいて、抗 MCM及び抗CDC6抗体での染色は、抗PCNA及び抗Ki67抗体で得られたものに優っていた。
【0150】
実施例 22 MCM2, MCM5, MCM7 及び pan-MCM に対する抗体での正常な組織及び肺 の癌の染色
肺の扁平上皮細胞癌腫又は腺腫の患者からのバイオプシー又は切除物のパラフィン浸漬した組織学的試料を抗MCM2、抗MCM5、抗MCM7及び pan-MCM抗体で別個に染色した。その試料は、実施例19に胸組織について記載される通り調製した。染色を、正常な実質肺組織での染色と比較した。
正常な組織において、染色された増殖性画分は極めて低かった。
全ての癌腫において、腫瘍細胞の30%超が陽性であり、周囲の炎症又は結合組織細胞は染色されなかった。
【0151】
実施例 23 −抗 MCM2 、抗 MCM5 、抗 MCM7 pan-MCM 及び抗 CDC6 抗体での正常及び癌腫の両方の膀胱の染色
膀胱鏡でとった移行細胞癌腫のバイオプシーからの組織学的試料を抗MCM2、抗MCM5、抗MCM7、 pan MCM及び抗CDC6抗体で染色した。
正常な膀胱組織において、移行上皮の基底層の強力な染色があり、より表面の分化した細胞は未染色のままであった。
その場に癌腫を含むフラグメントにおいて、形成異常細胞の厚み全体が陽性に染色された。
【0152】
侵入性の移行細胞癌腫のケースは、腫瘍細胞の50〜100 %核染色を示し、ストローマ及び炎症性成分は陰性であった。
凍結した及びパラフィン浸漬したサンプルの両方を、実施例19に胸組織について記載されるように検査した。結果は、一方で抗 MCM及び抗CDC6抗体並びに他方で抗PCNA及び抗Ki67抗体の間と同様であった。即ち、凍結サンプルにおいて、抗 MCM及び抗CDC6抗体での染色は抗PCNA及び抗Ki67抗体を用いて得られたものに優った。
【0153】
実施例 24 −抗 MCM5 抗体での種々の皮膚サンプルの染色
正常な皮膚、過形成状態(乾癬を含む)、日光性角化症、ボーエン病及び侵入性扁平上皮細胞癌腫からの組織学的サンプルを抗MCM5抗体で染色した。
正常な皮膚は、主に上皮の基底層の染色を示し、表皮の下3分の1の細胞も時たま染色されたが、より表面の分化した細胞は未染色のままであった。
乾癬の場合、表皮上の下から3〜4層においてより支配的に染色され、これは皮膚のターンオーバー比の増加を反映した。
日光性角化症及びボーエン病(内癌腫)は、全厚みまでの表皮内の全ての異常形成細胞の染色を示した。
侵入性扁平上皮細胞癌は、細胞の70%超の染色を示し、十分に分化した腫瘍は、ケラチン真珠の近くの陰性の分化した細胞の小さな中心を示した。
【0154】
実施例 25 −抗 MCM5 抗体での喉頭の染色
実施例19に胸組織のパラフィン浸漬試料について記載されるように調製した正常な及び癌の喉頭の組織学的サンプルを、抗MCM5抗体で染色した。
正常なケースは、基底の増殖性上皮細胞のみの染色を示した(10%未満)。
癌腫は、核染色で50%超の細胞を示した。ストローマ及び炎症細胞は全体を通して陰性であった。
【0155】
実施例 26 −抗 MCM5 抗体での食道の染色
実施例19に記載される胸組織のパラフィン浸漬試料についてと同様に調製した正常な及び癌腫の食道の組織学的サンプルを、抗MCM5抗体で染色した。
正常なケースは、基底の増殖性上皮細胞のみの染色を示した(10%未満)。
癌腫は、核染色で50%超の細胞を示した。ストローマ及び炎症性細胞は全体を通して陰性であった。
【0156】
実施例 27 −抗 MCM5 抗体での気管支の染色
実施例19に記載される胸組織のパラフィン浸漬試料と同様に調製した正常な及び癌腫の気管支の組織学的サンプルを、抗MCM5抗体で染色した。
正常なケースは、基底の増殖性上皮細胞のみの染色を示した(10%未満)。
癌腫は、核染色で50%超の細胞を示した。ストローマ及び炎症細胞は全体を通して陰性であった。
【0157】
実施例 28 −抗 MCM5 抗体を用いる正常なもの及び所定範囲のリンパ腫の両方のリンパ節の染色
凍結した及びパラフィン浸漬した組織学的サンプルの両方を、実施例19において胸組織について記載されるように、反応性リンパ節、並びに所定範囲のホジキン及び非ホジキンリンパ腫から調製した。
反応性リンパ節は、リンパ小節の胚中心における細胞の強力な染色及び旁ろ胞領域における時折の分散した陽性細胞を示した。
リンパ腫は、悪性リンパ腫細胞の50%超の核染色を示した。
【0158】
実施例 29 −抗 MCM5 抗体での尿細胞学スミアの分析
尿サンプルを、周知の移行細胞癌腫の患者から及び泌尿器科クリニックにかかっている正常な患者から収集した。尿20ミリリッターを10分、 3,000gで遠心して、その上清を除き、ペレットを50マイクロリッターの上清に再度懸濁した。これを、APESスライドにぬり、アルコール中で固定化した。
【0159】
そのスライドをTris緩衝塩類溶液(TBS) で洗い、次に10分、4mMデオキシコール酸ナトリウム中で浸透性にした。それらを TBS+ 0.025% Triton で洗い、 TBS中の10%ヤギ血清で2時間、ブロックした。予め吸着させた抗MCM5抗体を、 0.1% Triton 及び1% BSAを含む TBSで希釈し、 200ミリリッターを各々のスライドに加えた。オービタルシェーカー上で加湿チャンバー内で4℃で一晩、インキュベーションを行った。
【0160】
そのスライドを 0.025% Triton を含む TBSで洗い、次に室温で1時間、1% BSAを含む TBS中で1:500 で、ビオチニル化ヤギ抗ウサギ二次抗体(DAKO)中でインキュベートした。内因性ペルオキシダーゼを10分、 TBS中 0.6%過酸化水素でブロックし、次に TBSで洗った。基質ジアミノベンジジンを用いるストレプトアビジンセイヨウワサビペルオキシダーゼシステムをスライドを染色するのに用いた。その反応を、水をそそぐことによりその反応を停止させ、そのスライドを Harris'ヘマトキシリンで軽く染色し、次にOrange G及びEA50(PAP染色) で染色した。
【0161】
移行細胞癌腫の6つのケースにおいて、この方法で調製し、抗MCM5抗体で染色した尿細胞学スミアは、全ての悪性移行細胞の強力な染色を示し、バックグラウンドにおいて炎症性及び扁平上皮細胞は染色しなかった。泌尿器科学クリニックにかよう正常な人々の尿から作った同様のスミアは、扁平上皮又は正常な移行細胞の染色を示さなかった。
【0162】
実施例 30 −正常な頸部サンプル及び扁平上皮内障害の患者からの頸部サンプルの DELFIA
解離増強ランタニド蛍光イムノアッセイ(DELFIA)を、上述の実施例15に記載されるように、2つの異なるウサギポリクローナル抗MCM5抗血清を用いてヒトMCM5の検出のために確立した。
正常な頸部の2つのサンプル及びHSIL頸部の2つのサンプルを分析した。それら組織サンプルを、低張膨潤して洗浄することにより可溶化し、次に DNA結合粒子を塩抽出した。
【0163】
2つの正常なサンプルは、0標準と同様の応答を供した。
2つのHSILサンプルは陽性であると評価され、このことは頸部サンプル中の異常性が、イムノアッセイを用いて検出できることを示す。
【0164】
実施例 31 −抗 MCM5 抗体での種々の癌腫の染色
種々の癌腫及び白血病の骨髄の組織学的試料を抗MCM5抗体で染色した。結果は次の通りであった:
胃癌は、50%超の腫瘍細胞の染色を示した。
腎臓癌は、30〜50%の腫瘍細胞の染色を示した。
卵巣癌は、30〜50%の腫瘍細胞の染色を示した。
精巣癌は、30〜50%の腫瘍細胞の染色を示した。
急性白血病の骨髄は、90%超の腫瘍細胞の染色を示した。
【0165】
実施例 32 −結腸スミアの染色
便の材料を健康な患者から収集し、表面剥離した結腸細胞を、 WO 97/09600 に記載される方法を用いて、Dynal AS (Oslo, Norway) により供される上皮特異的抗体がコートされた磁気ビーズにより、便のサンプルから抽出した。
【0166】
その抽出された磁気ビーズ及び上皮細胞の混合物を、 0.025% Triton を含むTBS(Tris緩衝塩類溶液)中で洗った。4%の緩衝パラホルムアルデヒドでの固定化の後、細胞を TBS中で洗い、生じた細胞ペレットからスミアを作った。次にこれらを尿サンプルからのスミアについてと同様に処理した。
【0167】
PAP染色したスミアは、磁気ビーズ、いくらかのセルロース及び細胞デブリスの混合物を示し;結腸からの多くの円柱上皮細胞及び肛門管からのいくらかの扁平細胞が存在した。
抗MCM5抗体での染色に基づき、膀胱又は頸部についてと同様の結果が正常及び異常細胞について得られる。
【0168】
実施例 33 −潰瘍性大腸炎の患者の腸断片の染色
活性な潰瘍性大腸炎のケースからの腸のパラフィン浸漬した断片をMCM5に対する抗体で染色した。
テストした断片全てにおいて、表面上皮細胞の約50%がはれ上がった領域内にMCM5の核発現を示した。活性な潰瘍性大腸炎中に多数のリンパ球が存在し、これらの細胞もMCM5の頻繁な核発現を示した。
鎮静した潰瘍性大腸炎の断片(即ち活性な炎症のないもの)も分析した。これらの全てにおいて、表面上皮細胞はMCM5について染色を示さなかった。鎮静した潰瘍性大腸炎中に存在する少数のリンパ球のうち、ごくまれな細胞がMCM5について核染色を示した。
パラフィンに浸した断片において、活性な及び鎮静した潰瘍性大腸炎の染色は、MCM5及びPCNAについてと同様であることが見い出された。
【0169】
実施例 34 −クローン病の患者の腸断片の染色
パラフィンに浸漬した活性クローン病の腸の断片の染色は、潰瘍及び炎症の領域に隣接した表面上皮細胞におけるMCM5の核発現を示した。はれ上がった組織中のリンパ球も、MCM5の頻繁な核発現を示した。
【0170】
鎮静したクローン病の腸組織もテストし、表面上皮細胞及び存在する少数のリンパ球の両方がMCM5について陰性であった。
活性及び鎮静したクローン病気のパラフィン浸漬したケースに基づいて抗MCM5抗体について、抗PCNA抗体と同様な発見が得られた。
凍結断片及びパラフィン浸漬した断片に基づいて行った抗MCM5及び抗PCNA染色の間の比較は、凍結断片において、抗MCM5抗体での染色が抗PCNA抗体での染色より優れており、より核が染色されることを示す。
【0171】
実施例 35 −抗 MCM5 抗体での、正常な及び癌性の子宮内膜の染色
正常な及び癌性の子宮内膜の凍結した及びパラフィン浸漬した断片を抗MCM5抗体で染色した。
正常な組織と比べて癌性子宮内膜において良好な染色が示され、パラフィン浸漬したものより凍結したものにおいて優れていた。
【0172】
実施例 36 −頸管スミア細胞単層の染色 (Thin Prep)
APESスライド上にスミアを作った後、頸管スミアをとるために用いたブラシ/スパチュラを75%メタノールに入れ、残った細胞をボルテキシングにより除去した。細胞の懸濁液を20%スクロース上に重層し、MSE Harrier セントリフュージ内で2分、1,000rpmで遠心し、一番上の層を除去して捨てた。残りの層を3,000rpmで5分、遠心し、その細胞ペレットを 200マイクロリッターの水に再度懸濁した。50マイクロリッターを各々のスライド上におき、細胞を沈降させ、水を除去した。次にそのスライドを実施例29(尿細胞学スミア)と同様に処理し、 PAP染色した。
【0173】
種々の実験において、単層スミアで得られた結果は、慣用的なスミアで得られたものと同じであった。単層調製物の使用は、粘液及び炎症細胞の大部分が除去される点で有利であり得る。
【0174】
議 論
本明細書に記載される結果は、Cdc6及びMCM5は、両方とも、生体内の正常な分化した組織において下降制御され、培養において静止した哺乳動物細胞の範囲においてクロマチンから欠如することを示す。これは、これらのタンパク質が細胞増殖マーカーとして潜在的な価値を有し得ることを示唆する。 Hiraiwaらは、MCM7は、種々の腫瘍型、例えば良性皮膚腫瘍並びに胃、膵臓及び結腸の悪性腫瘍において、PCNAと同様の分布で免疫局在化し得ることを示した。彼らは、MCM7免疫局在化は、組織断片における細胞増殖の指標として適用し得ると結論づけた。しかしながら、既に上述したように、病理学の分野の専門家は、PCNA及びKi67のようなマーカーによる腫瘍における細胞増殖率の測定は、いずれかの臨床的に用いられるであろうか疑いを持っている。なぜなら、このようなマーカーが、最適に適用された時に段級づけ及び段階づけのような慣用的な組織学的評価に基づく実際の改良であるという直接的な証拠がほとんどないからである。
【0175】
本明細書に報告される観察結果は、Cdc6, MCM5及びMCM7に対する特異的結合分子は、PCNA及びKi67のような慣用的な増殖マーカーより、新しい及び凍結した頸部 SILにおける潜在的な前悪性細胞について極めて高い特異性を示すことを示す。抗Cdc6及び抗MCM5は、LSIL及びHSILにおける異常細胞を、頸部内部の、頸部外部の、化生の、及びストローマの細胞を含む隣接する正常な細胞から明らかに識別することができる。
【0176】
この点において、記載されるように、抗Cdc6及び抗 MCM抗体を、 SILの患者及び病気のない患者からとった頸管スミアに適用した。結果は、これらのタンパク質について観察された著しい程度の特異性及びセンシティビティーにおいて驚くべきものであった。新生物細胞及び HPV感染したコイロサイトの両方において強力な核及び細胞質染色が観察された。境界線上の異常性を示す化生扁平細胞(重要性の不確かな不定型扁平細胞)においても陽性染色が同定された。しかしながら、頸部外部細胞、頸部内部細胞、扁平化生細胞及び炎症性細胞(リンパ球及び好中球の両方)を含むスミア内の残りの混合した集団は、Cdc6及び MCM免疫染色について陰性であった。
【0177】
抗MCM5、抗Cdc6及び抗MCM7の感度は、頸管スミア及び凍結断片に適用した時に抗PCNAよりかなり高いが、ホルマリン内で固定化され、パラフィン浸漬され、及び加圧クッキングにより抗原回復にかけられた組織に適用した時に、このような抗体により同様の染色のパターンが供される。頸管スミア及び他の細胞学的サンプル並びに凍結断片はホルマリン固定され、パラフィン浸漬された組織断片より弱いので、加圧クッキングにかけることができない。
【0178】
頸管スミアに適用した時のCdc6及び MCM抗体の驚くべき特異性及び感染は、生化学的/免疫細胞学的アプローチの、大量の自動化頸部スクリーニングへの導入を供する。更に、これらの抗体は、現在、頸部細胞学の分野における専門家の間でさえ段級づけにおいて観察者内及び観察者間にバリエーションがあるLSILの検出及び分類を改善する助けとなり得る。これらの抗体の使用は、より優れた精度及び客観性でHSILを同定する助けともなり、これにより包括的な頸部スクリーニングプログラムに関連する主な問題である多数の誤った陰性の結果を減らす助けともなるであろう。
【0179】
注目すべきは、胸組織、胃、腎臓、卵巣、精巣及び直腸、尿サンプル及び血液サンプル(白血病/リンパ腫の患者並びに転移性肉腫及び癌腫の患者の両方)、炎症性の腸疾患、例えば潰瘍性大腸炎及びクローン病、並びに便のスミアの評価の更なる実験例は、頸部サンプル、特に頸管スミアの評価による頸部スクリーニングを超える本発明の態様の一般性を示し、それは種々の実施形態において好ましい。細胞学に加えて、生化学的技術の適用も証明される。
【0180】
先の実施例14に記載される、標準 PAPスミアを用いる頸管スミアの評価と、本発明の実施形態を比較するブラインド試験の結果は、本発明の興奮させる利用性を確認する。
本明細書に言及される全ての文献は引用により組み込まれる。
【0181】
【表1】
Figure 0003774196

Claims (36)

  1. 個体からの細胞を含むサンプル中の異常に増殖する細胞又は細胞の増殖異常性の存在又は不在を決定する方法であって、当該方法が、当該サンプル中で標的ポリペプチドを検出することを含み、ここで、当該標的ポリペプチドが、CDC6、MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、MCM7、Cdc7プロテイン・キナーゼ、Dbf4、 Cdc14プロテイン・ホスファターゼ、 Cdc45、及び MCM10から成る群から選ばれる DNA複製のプレイニシェーション複合体のメンバーであり、ここで、当該サンプルは、唾液、気管支−肺胞洗浄試料、尿、乳管液、消化管からのふきとり物、及び頸管スミア、便スミア又は尿細胞学スミアから成る群から選ばれる試料を含む、前記方法。
  2. 前記標的ポリペプチドが、CDC6、MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、及びMCM7から成る群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記標的ポリペプチドがCDC6である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記標的ポリペプチドがMCM2である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記標的ポリペプチドがMCM3である、請求項2に記載の方法。
  6. 前記標的ポリペプチドがMCM4である、請求項2に記載の方法。
  7. 前記標的ポリペプチドがMCM5である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記標的ポリペプチドがMCM6である、請求項2に記載の方法。
  9. 前記標的ポリペプチドがMCM7である、請求項2に記載の方法。
  10. 前記方法が、標的ポリペプチドに対する1又は複数の特異的結合メンバーに前記サンプルを接触させ、そして当該1又は複数の特異的結合メンバーの前記サンプルへの結合を決定することを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記1又は複数の特異的結合メンバーが、複数の前記標的ポリペプチドに対するものである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記サンプルが、前記個体から採取された液体から提供される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 細胞のサンプルが、前記液体から提供される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記液体が尿である、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 個体の集団がスクリーニングされる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 個体が、(i)正常な組織、又は(ii)潜在的に又は実際に前癌性もしくは癌性、形成異常又は新生物形成細胞を含む異常な組織を有するとして分類される、請求項15に記載の方法。
  17. 異常な組織を有するとして分類された個体の組織又は細胞を、さらなる検査又は分析にかける、請求項16に記載の方法。
  18. 個体からの頸管スミア中の、異常に増殖する細胞又は細胞の増殖異常性の存在又は不在を決定する方法であって、当該方法が、標的ポリペプチドに対する1又は複数の特異的結合メンバーに前記サンプルを接触させ、そして当該1又は複数の特異的結合メンバーの前記サンプルへの結合を決定することを含み、ここで、当該標的ポリペプチドが、 DNA複製のプレイニシェーション複合体のメンバーである、前記方法。
  19. 前記標的ポリペプチドが、CDC6、MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、MCM7、Cdc7プロテイン・キナーゼ、Dbf4、 Cdc14プロテイン・ホスファターゼ、 Cdc45、及び MCM10から成る群から選ばれる、請求項18に記載の方法。
  20. 前記標的ポリペプチドが、CDC6、MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、及びMCM7から成る群から選ばれる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記標的ポリペプチドがCDC6である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記標的ポリペプチドがMCM2である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記標的ポリペプチドがMCM3である、請求項20に記載の方法。
  24. 前記標的ポリペプチドがMCM4である、請求項20に記載の方法。
  25. 前記標的ポリペプチドがMCM5である、請求項20に記載の方法。
  26. 前記標的ポリペプチドがMCM6である、請求項20に記載の方法。
  27. 前記標的ポリペプチドがMCM7である、請求項20に記載の方法。
  28. 前記1又は複数の特異的結合メンバーが、複数の前記標的ポリペプチドに対するものである、請求項18〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 個体の集団がスクリーニングされる、請求項18〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 個体が、(i)正常な組織、又は(ii)潜在的に又は実際に前癌性もしくは癌性、形成異常又は新生物形成細胞を含む異常な組織を有するとして分類される、請求項29に記載の方法。
  31. 異常な組織を有するとして分類された個体の組織又は細胞を、さらなる検査又は分析にかける、請求項30に記載の方法。
  32. 異常に増殖する細胞又は細胞の増殖異常の個体内での存在又は不在を決定する方法であって、当該方法が、当該個体からの細胞を含むサンプル中の、標的ポリペプチドをコードするmRNAを検出することを含み、ここで当該標的ポリペプチドは DNA複製のプレイニシェーション複合体のメンバーであり、ここで、当該サンプルは、唾液、気管支−肺胞洗浄試料、尿、乳管液、消化管からのふきとり物、及び頸管スミア、便スミア又は尿細胞学スミアから成る群から選ばれる試料を含む、前記方法。
  33. 前記サンプルが、前記個体から採取された液体から提供される、請求項32に記載の方法。
  34. 個体の集団がスクリーニングされる、請求項32又は33に記載の方法。
  35. 個体が、(i)正常な組織、又は(ii)潜在的に又は実際に前癌性もしくは癌性、形成異常又は新生物形成細胞を含む異常な組織を有するとして分類される、請求項34に記載の方法。
  36. 異常な組織を有するとして分類された個体の組織又は細胞を、さらなる検査又は分析にかける、請求項35に記載の方法。
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