JP3773294B2 - ジアルキルカーボネートとジオールの製造方法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートとジオールの製造方法 Download PDF

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術的分野】
本発明は、環状カーボネートと脂肪族モノアルコールとを反応させてジアルキルカーボネートとジオールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
環状カーボネートと脂肪族モノアルコール類との反応から、ジアルキルカーボネートとジオール類を製造する方法については、いくつかの提案がなされているが、そのほとんどが触媒に関するものである。このような触媒として例えば、アルカリ金属またはアルカリ金属を含む塩基性化合物[米国特許第3,642,858号明細書、特開昭54−48715号公報(米国特許第4,181,676号明細書)]、3級脂肪族アミン[特開昭51−122025号公報(米国特許第4,062,884号明細書)]、
【0003】
タリウム化合物[特開昭54−48716号公報(米国特許第4,307,032号明細書)]、錫アルコキシド類(特開昭54−63023号公報)、亜鉛、アルミニウム、チタンの各アルコキンド(特開昭54−148726号公報)、ルイス酸と含窒素有機塩基から成る複合触媒(特開昭55−64550号公報)、ホスフィン化合物(特開昭55−64551号公報)、4級ホスホニウム塩(特開昭56−10144号公報)、環状アミジン(特開昭59−106436号公報)、ジルコニウム、チタンおよび錫の化合物[特開昭63−41432号公報(米国特許第4,661,609号明細書)]、
【0004】
4級アンモニウム基を有する固体強塩基性アニオン交換体(特開昭63−238043号公報)、3級アミンまたは4級アンモニウム基を有するイオン交換樹脂、強酸性または弱酸性イオン交換樹脂、シリカ中に含浸せしめられたアルカリ金属またはアルカリ土類金属のケイ酸塩、アンモニウム交換ゼオライトから選ばれた固体触媒[特開昭64−31737号公報(米国特許第4,691,041号明細書)]、3級ホスフィン、3級アルシン、3級スチビン、2価の硫黄またはセレン化合物から選ばれた均一系触媒(米国特許第4,734,518号明細書)などが提案されている。
【0005】
また、環状カーボネートと脂肪族モノアルコールとからジアルキルカーボネートとジオール類を製造するための反応方式としては、下記の4方式が提案されている。
(1)完全なバッチ反応方式
(2)蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いるバッチ反応方式
(3)管式リアクターを用いる液状流通反応方式
(4)反応蒸留方式
【0006】
また、原料に含まれる水が反応に影響を及ぼすことも知られており、特開平3−109358号公報には固体塩基性アニオン交換樹脂を触媒として用いる場合に、水分濃度が160ppm以下の原料を用いることで、比較的低い温度において高収率でかつ長時間安定してジアルキルカーボネートが製造できることが提案されている。
しかしながら、均一系触媒の存在下で環状カーボネートと脂肪族モノアルコールを反応させて、高反応率・高選択率でジアルキルカーボネートとジオールを製造しようとする場合の、水分濃度の影響についてはこれまで全く知られていなかった。
【0007】
また、環状カーボネートと脂肪族モノアルコールを反応する際に、反応系から完全に水を除くことは、脂肪族モノアルコールと水が高い親和性を有することから、非常に多くの段数を要する蒸留塔が必要となるために極めて困難であって、例えば工業的に実施する場合、0.0001重量%程度が限度である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、均一系触媒の存在下で環状カーボネートと脂肪族モノアルコールとからジアルキルカーボネートとジオールを高反応率・高選択率で製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、環状カーボネートと脂肪族モノアルコールを反応させてジアルキルカーボネートとジオールを製造するに際して、非常に高活性な均一系触媒を用いた場合、使用する触媒は極めて少量でよく、そのため、従来不均一系触媒を用いた系で知られている原料混合物中の重量濃度の上限160ppm以下であっても均一系触媒に対してはそれを失活させてしまう場合があるという事実を見出した。そこで、更に検討を重ねた結果、使用量が極めて少量でよい非常に高活性な均一系触媒を用いる場合、従来のように単に原料混合物中の重量濃度を制約するだけでは不十分で、原料混合物中の水の重量濃度と原料混合物に対する均一系触媒の重量濃度の比を特定の値以下に保って行なうことによって、高反応率・高選択率で反応が進行することを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)均一系触媒の存在下で、環状カーボネートと脂肪族モノアルコールを反応させてジアルキルカーボネートとジオールを製造するに際して、下記に定義されるuが以下で、かつ、Xが0.015重量%以下で行なうことを特徴とする、ジアルキルカーボネートの製造方法、
u=(X/Y)
X=原料混合物中の水の重量濃度
Y=原料混合物に対する均一系触媒の重量濃度
【0011】
(2)脂肪族モノアルコールが、炭素数1−4の脂肪族モノアルコールである上記(1)記載のジアルキルカーボネートとジオールの製造方法、
【0012】
(3)原料混合物中の環状カーボネートが、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートである上記(1)または(2)記載のジアルキルカーボネートとジオールの製造方法、
【0013】
)環状カーボネートがエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートであり、脂肪族モノアルコールがメタノールである上記(1)記載のジメチルカーボネートとジオールの製造方法、
)均一系触媒が、塩基性化合物である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のジアルキルカーボネートとジオールの製造方法、
)均一系触媒が、アルカリ金属化合物またはアミン類である上記(記載のジアルキルカーボネートとジオールの製造方法を提供するものである。
【0014】
以下に本発明の詳細を説明する。
本発明者らは、均一系触媒の存在下で、環状カーボネートと脂肪族モノアルコールを反応させてジアルキルカーボネートとジオールを製造する場合に、原料混合物中の水の重量濃度と原料混合物に対する均一系触媒の重量濃度の比によって反応率や選択率が大きく変化するという事実を見出した。
【0015】
さらに、本発明者らは、原料混合物中の水の重量濃度(X)と原料混合物に対する均一系触媒の重量濃度(Y)との比で定義されるuが4以下の場合、高反応率・高選択率でジアルキルカーボネートとジオールが得られることを見出した。本発明では、下記に定義されるuが通常4以下(u≦4)、好ましくは2以下 (u≦2)、さらに好ましくは1以下(u≦1)で行う。
u=X/Y
X=原料混合物中の水の重量濃度
Y=原料混合物に対する均一系触媒の重量濃度
【0016】
原料混合物中の水の重量濃度(X)は、通常5重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下で行う。但し、前述のとおり原料混合物から水を除去する場合、工業的にはその下限は0.0001重量%程度になる。本発明の原料混合物とは、環状カーボネートと脂肪族モノアルコールの混合物である。
また、上記uとXの範囲の組み合わせとして、Xが1重量%以下であり、かつuが2以下で行うのが好ましく、Xが0.1重量%以下であり、かつuが1以下で行うのがさらに好ましい。なお、uの下限は理論的には0でもよいが、実際には上記したXの下限に制約され0にはなり得ず、0に近い有限の値となる。
【0017】
本発明で用いられる環状カーボネートとは、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類や、1,3−ジオキサシクロヘキサ−2−オン、1,3−ジオキサシクロヘプタ−2−オンなどが好ましく用いられ、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが入手の容易さなどの点から特に好ましく使用される。
【0018】
もう一方の原料である脂肪族モノアルコール類とは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、アリルアルコール、ブタノール(各異性体)、3−ブテン−1−オール、アミルアルコール(各異性体)、ヘキシルアルコール(各異性体)、ヘプチルアルコール(各異性体)、オクチルアルコール (各異性体)、ノニルアルコール(各異性体)、デシルアルコール(各異性体)、ウンデシルアルコール(各異性体)、ドデシルアルコール(各異性体)、
【0019】
シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、メチルシクロペンタノール(各異性体)、エチルシクロペンタノール(各性体)、メチルシクロヘキサノール(各異性体)、エチルシクロヘキサノール(異性体)、ジメチルシクロヘキサノール(各異性体)、ジエチルシクロヘキサノール(各異性体)、フェニルシクロヘキサノール(各異性体)、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール(各異性体)、フェニルプロパノール(各異性体)どが挙げられ、さらにこれらの脂肪族モノアルコール類において、ハロゲン、低級アルコキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アシロキシ基、ニトロ基等の置換基によって置換されていてもよい。
【0020】
このような脂肪族モノアルコール類の中で、好ましく用いられるのは炭素数1−6のアルコール類であり、特に好ましいのはメタノール、エタノール、プロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)の炭素数1−4のアルコール類である。
また、環状カーボネートがエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートであり、脂肪族モノアルコールがメタノールである環状カーボネートと脂肪族モノアルコールの組み合わせが入手の容易さなどの点から好ましく用いられる。
【0021】
本発明において用いられる触媒としては、反応条件で原料混合物に可溶なものであれば、これまでに知られている種々のものを使用することができる。また、原料混合物に予め溶解させたものを用いてもよい。このような均一系触媒を形成する触媒種としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属類;アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、アルコキシド化物類、アリーロキシド化物類、アミド化物類等の塩基性化合物類;アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩類、重炭酸塩類、有機酸塩類等の塩基性化合物類;
【0022】
トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ベンジルジエチルアミン等の3級アミン類;N−アルキルピロール、N−アルキルインドール、オキサゾール、N−アルキルイミダゾール、N−アルキルピラゾール、オキサジアゾール、ピリジン、アルキルピリジン、キノリン、アルキルキノリン、イソキノリン、アルキルイソキノリン、アクリジン、アルキルアクリジン、フェナントロリン、アルキルフェナントロリン、ピリミジン、アルキルピリミジン、ピラジン、アルキルピラジン、トリアジン、アルキルトリアジン等の含窒素複素芳香族化合物類;ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)等の環状アミジン類;
【0023】
酸化タリウム、ハロゲン化タリウム、水酸化タリウム、炭酸タリウム、硝酸タリウム、硫酸タリウム、タリウムの有機酸塩類等のタリウム化合物類;トリブチルメトキシ錫、トリブチルエトキシ錫、ジブチルジメトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、ジブチルジエトキシ錫、ジブチルフェノキシ錫、ジフェニルメトキシ錫、酢酸ジブチル錫、塩化トリブチル錫、2−エチルヘキサン酸錫等の錫化合物類;ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、エチレンジオキシ亜鉛、ジブトキシ亜鉛等の亜鉛化合物類;アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウム化合物類;
【0024】
テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタン、ジクロロジメトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、酢酸チタン、チタンアセチルアセトナート等のチタン化合物類;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルメチルホスホニウムハライド、トリオクチルブチルホスホニウムハライド、トリフェニルメチルホスホニウムハライド等のリン化合物類;ハロゲン化ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアルコキシド、酢酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物類;
【0025】
鉛および鉛を含む化合物類、例えば、Pb(OH)2 、Pb3 2 (OH)2 、Pb2 [PbO2 (OH)2 ]、Pb2 O(OH)2 などの水酸化鉛類;Na2 PbO2 、K2 PbO2 、NaHPbO2 、KHPbO2 などの亜鉛酸塩類;Na2 PbO3 、Na2 2 PbO4 、K2 PbO3 、K2 [Pb(OH)6 ]、K4 PbO4 、Ca2 PbO4 、CaPbO3 などの鉛酸塩類;PbCO3 、2PbCO3 ・Pb(OH)2 などの鉛の炭酸塩およびその塩基性塩類;Pb(OCH3 2 、(CH3 O)Pb(OPh)、Pb(OPh)2 などのアルコキシ鉛類、アリールオキシ鉛類;
【0026】
Pb(OCOCH3 2 、Pb(OCOCH3 4 、Pb(OCOCH3 2 ・PbO・3H2 Oなどの有機酸の鉛塩およびその炭酸塩や塩基性塩類;Bu4 Pb、Ph4 Pb、Bu3 PbCl、Ph3 PbBr、Ph3 Pb(またはPh6 Pb2 )、Bu3 PbOH、Ph2 PbOなどの有機鉛化合物類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す);Pb−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−Sbなどの鉛の合金類;ホウエン鉱、センアエン鉱などの鉛鉱物類、およびこれらの鉛化合物の水和物類などが挙げられる。また、これらの触媒は原料混合物と反応させたものも触媒として用いることができる。
【0027】
以上の触媒のうち、好ましい触媒は塩基性化合物であり、さらに好ましくはアルカリ金属化合物またはアミン類が用いられ、その中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物が入手の容易さの点から特に好ましく用いられる。
【0028】
本発明で用いられる触媒の量は、使用する触媒の種類によっても異なるが、用いられる環状カーボネートとアルコールから成る原料混合物の合計重量に対する重量濃度(Y)で表わして、通常0.00001−15重量%、好ましくは0.0001−5重量%、さらに好ましくは0.001−0.5重量%で使用されるが、原料混合物中の水の重量濃度(X)に対して、(X/Y)の値(u)が4以下となるように使用される。
【0029】
本発明で用いる好ましい触媒は、高活性な均一系触媒であるため、従来の不均一系触媒を用いた場合に比べ、その使用量は極めて少なく、そのため従来の不均一系触媒では許容される160ppmの水分量でも失活してしまう恐れがある。したがって、本発明で用いる高活性の均一系触媒においては、原料混合物中の単なる水分量のコントロールだけでは不十分で、触媒量と関連した水分量のコントロール、即ちuの管理が必須であって、該uの範囲が本発明の最も重要な要件なのである。
【0030】
本発明の方法を適用できる反応様式としては、撹拌式のバッチ反応方式、蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いるバッチ反応方式、管状リアクターを用いる液状流通反応方式、反応蒸留方式等、一般に用いられる方法が挙げられる。
【0031】
反応温度は、用いる原料の種類や反応圧力によって異なるが、通常0−350℃、好ましくは20−200℃の範囲である。反応圧力は減圧、常圧、加圧いずれであってもよく、用いる原料の種類によっても異なるが、絶対圧力で表わして通常0.00001−100Kg/cm2 、好ましくは0.0001−50Kg/cm2 、より好ましくは0.001−20Kg/cm2 である。
反応時間は原料である環状カーボネートおよび脂肪族モノアルコールの種類および組成比や、反応温度、反応方法によっても変わり得るが、例えば、0.01−40時間、好ましくは0.1−20時間が使用される。
【0032】
原料である環状カーボネートと脂肪族モノアルコールの量比は、広い範囲で用いることができる。しかしながら、環状カーボネートに対する脂肪族モノアルコールとの比が大きすぎる場合には、回収する脂肪族モノアルコール量が過大となり現実的でない。また、モル比が小さすぎる場合には、環状カーボネートの転化率が低くなるため回収量が増大して、やはり現実的ではない。したがって、原料である環状カーボネートに対する脂肪族モノアルコールのモル比は、通常0.05−100が用いられ、好ましくは0.2−20が使用される。
【0033】
本発明においては、必ずしも溶媒を使用する必要はないが、(1)反応操作を容易にするためや、(2)共沸蒸留や抽出蒸留を行い、ジアルキルカーボネートやジオールを効率的に取得するため等の目的で、適当な不活性溶媒、例えば、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類等を反応溶媒、共沸形成剤、抽出剤などとして用いることができる。
また、反応に不活性な物質として窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させてもよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例における原料混合物中の水の重量濃度は、カールフィッシャー水分計を用いて測定した。測定した水の重量濃度は原料混合物の重量に対する水の重量の比であり、単位は重量%で表す。
【0035】
【実施例】
実施例1
よく乾燥させた500mlの3つ口フラスコに冷却管を取り付け、真空脱気ライン及び窒素ラインに接続して脱気・窒素置換を繰り返し、系内を十分に窒素置換する。該3つ口フラスコに原料として脱水メタノール79.1g、エチレンカーボネート(EC)36.2g、内部標準としてトルエンを窒素気流下で加え、マグネチックスターラーで十分に撹拌した(原料混合物中の水の重量濃度0.005重量%)。ここで用いたエチレンカーボネートはモレキュラーシーブスを用いて十分に脱水し、後に蒸留したものである。
【0036】
該3つ口フラスコを60℃のオイルバスに浸け、系内の温度が所定の温度になったところで、触媒として水酸化ナトリウム(NaOH)0.0115g(原料混合物に対して重量比で0.01重量%)をメタノール溶液とし、原料混合物に添加して反応を開始した。30分後に反応液の分析を、昇温ガスクロマトグラフにて行った結果、ECの反応率は67%、ジメチルカーボネート(DMC)およびエチレングリコール(EG)の選択率は99%以上であり、DMCはほぼ平衡収率を示した。また、ECの加水分解反応が副反応として進行する場合に生成すると考えられるCO2 の生成は認められなかった。
【0037】
実施例2
原料として用いたメタノール(MeOH)が実施例1のエチレンカーボネートと同様の方法で精製したものである他は、実施例1と同様の方法で行った。反応混合物中の水の重量濃度は0.002重量%であった。反応条件および結果を表1に示した。
【0038】
実施例3
原料として用いたメタノールの含水量が異なる他は、実施例1と同様の方法で行った。反応混合物中の水の重量濃度は0.015重量%であった。反応条件および結果を表1に示した。
【0039】
比較例1
原料として用いたメタノールの含水量が異なる他は、実施例1と同様の方法で行った。この時の反応混合物中の水の重量濃度は0.1重量%であった。反応条件および結果を表1に示した。
【0040】
実施例4〜9および比較例2〜4
触媒量および反応時間を表1に示したように変えた他は、実施例1、3および比較例1と同様の方法で行った。それらの反応条件および結果を表1に示した。
【0041】
実施例10
原料としてメタノールの代わりにエタノール(EtOH)を用いた他は、実施例2と同様の方法で行った。反応混合物中の水分量は0.002重量%であった。その反応条件および結果を表1に示した。
【0042】
実施例11〜15
触媒種および反応時間を表2に示したように変えた他は、実施例1と同様の方法で行った。それらの反応条件および結果を表2に示した。
【0043】
【表1】
Figure 0003773294
【0044】
【表2】
Figure 0003773294
【0045】
【発明の効果】
本発明の方法により、環状カーボネートと脂肪族モノアルコールを原料として、ジアルキルカーボネートを高反応率・高選択率で得ることができる。

Claims (6)

  1. 均一系触媒の存在下で環状カーボネートと脂肪族モノアルコールを反応させてジアルキルカーボネートとジオールを製造するに際して、下記に定義されるuが以下で、かつ、Xが0.015重量%以下で行なうことを特徴とするジアルキルカーボネートとジオールの製造方法。
    u=(X/Y)
    X=原料混合物中の水の重量濃度
    Y=原料混合物に対する均一系触媒の重量濃度
  2. 脂肪族モノアルコールが、炭素数1−4の脂肪族モノアルコールである請求項記載のジアルキルカーボネートとジオールの製造方法。
  3. 環状カーボネートが、エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートである請求項1または2記載のジアルキルカーボネートとジオールの製造方法。
  4. 環状カーボネートがエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートであり、脂肪族モノアルコールがメタノールである請求項記載のジメチルカーボネートとジオールの製造方法。
  5. 均一系触媒が、塩基性化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のジアルキルカーボネートとジオールの製造方法。
  6. 均一系触媒が、アルカリ金属化合物またはアミン類である請求項記載のジアルキルカーボネートとジオールの製造方法。
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