JP3772940B2 - 工作機械 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主軸モータや送りモータのような駆動源をフレームに関連付けて配置する工作機械に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
工作機械は、主軸モータや送りモータのような種々の駆動源を有している。これらの駆動源、及び、被駆動部材の運動により、振動が発生する。つまり、このような駆動源は、工作機械の運転時に、振動源となる。
【０００３】
駆動源（振動源）に起因する振動により、工作機械のフレームが共振して無視できない振動が生じることがある。
【０００４】
フレームや工作機械各部が振動すると、加工精度の低下は避けられない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、主軸モータや送りモータのような駆動源（振動源）に起因するフレームの共振を防止することができる工作機械を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本願発明の解決手段は、運転時に振動源となる駆動源をフレームに関連付けて配置する工作機械において、フレームを構成するベッド、コラム、クロスレールの各部が袋状に形成されて中空構造になっていて、それらのベッド、コラム、クロスレールの各部の中に径の異なる複数種類の多数の鋼球（２１）が組み合わせて詰められており、そのことによってフレーム（１４）の固有振動数が調整されており、その結果、振動源の振動の周波数とフレームのベッド、コラム、クロスレールの各部の固有振動数との差が大きくされており、さらに、フレームの固有振動数を調整することにより、工作機械全体としての固有振動数も変化させ、駆動源の振動に起因するフレームの共振が防止される構成になっていることを特徴とする工作機械である。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の工作機械は、フレームを中空構造にし、その中に径の異なる多数の小径の鋼球を詰めてフレームの固有振動数を変化させる構成になっている。
【０００８】
フレームの固有振動数を変化させることにより、工作機械全体としての固有振動数も変化する。
【０００９】
フレームを構成するベッド、コラム、クロスレールに中空部を形成し、その中空部内に小径の鋼球を詰める。
【００１０】
小径の鋼球としては、径の異なる多種類のものを採用する。
【００１１】
小径の鋼球以外の小球を組み合せて用いることもできる。
【００１２】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【００１３】
図１は、本発明による工作機械を概略的に示す斜視図である。
【００１４】
工作機械１０はベッド１１を有し、ベッド１１上には縦方向にコラム１２が配置されている。両側のコラム１２の間には、クロスレール１３が張り渡されている。
【００１５】
これらのベッド１１、コラム１２、クロスレール１３が工作機械１０のフレーム１４を構成している。
【００１６】
ベッド１１には、ＸＹテーブル１９が水平面内で移動可能に設定されている。ＸＹテーブル１９は，Ｘ軸駆動機構とＹ軸駆動機構によってＸ・Ｙ方向に駆動される。
【００１７】
Ｘ・Ｙ軸駆動機構はサーボモータ１６、１７、ボールネジ、ボールナットから構成される。
【００１８】
クロスレール１３には、スピンドルヘッド１８がＺ方向（上下方向）に移動可能に設定されている。Ｚ軸移動機構もＸ・Ｙ軸移動機構と同様の構成を有している。
【００１９】
スピンドルヘッド１８にはスピンドル１５が配置されている。スピンドル１５は、駆動モータによって高速回転可能である。
【００２０】
これらのテーブル駆動用サーボモータ１６、１７やスピンドル駆動モータは工作機械の振動源となり得る。
【００２１】
防振のため、フレーム１４を構成するベッド１１、コラム１２、クロスレール１３が袋状に形成され、その中空部に多数の小径の鋼球が詰め込まれている。
【００２２】
小径の鋼球を詰め込むことにより、フレーム１４の固有振動数を調整することができる。
【００２３】
このように、共振周波数をズラして、機械の振動源の周波数から共振周波数を引き離すことにより、防振を行うことができる。
【００２４】
鋼球の径を変えることにより、周波数のズラし方を調整することができる。鋼球の総量も周波数に影響する。径の異なる何種類かの鋼球を組み合わせて用いる。
【００２５】
また、鋼以外の材質の小塊重りを組み合せて用いることもできる。小塊重りの材質を変えることにより、周波数のズラし方を調整できる。様々な種類の小塊重りを組み合わせて用いても良い。
【００２６】
フレーム１４に一連の溝又は複数の溝列を形成し、そこに小塊の重りを詰め込むこともできる。その場合、溝の太さや配置の仕方を変えることにより、周波数のズラし方を調整できる。
【００２７】
【発明の効果】
本発明の工作機械によれば、工作機械の振動源の周波数と、フレームの固有振動数との差を大きくすることができ、フレームや工作機械各部の共振を抑制することが可能となる。
【００２８】
このように、工作機械の振動を抑制することにより、加工精度を大幅に向上することができる。
【００２９】
なお、本発明は前述の実施例に限定されない。前述の実施例で示した工作機械は、あくまで一例にすぎず、本発明はあらゆる種類の工作機械に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の工作機械を概略的に示す斜視図。
【符号の説明】
１０ 工作機械
１１ ヘッド
１２ コラム
１３ クロスレール
１４ スレーム
１５ スピンドル
１６、１７ 送りモータ
１８ スピンドルヘッド
１９ ＸＹテーブル
２１ 小塊重り

Claims (1)

1. 運転時に振動源となる駆動源をフレームに関連付けて配置する工作機械において、フレームを構成するベッド、コラム、クロスレールの各部が袋状に形成されて中空構造になっていて、それらのベッド、コラム、クロスレールの各部の中に径の異なる複数種類の多数の鋼球（２１）が組み合わせて詰められており、そのことによってフレーム（１４）の固有振動数が調整されており、その結果、振動源の振動の周波数とフレームのベッド、コラム、クロスレールの各部の固有振動数との差が大きくされており、さらに、フレームの固有振動数を調整することにより、工作機械全体としての固有振動数も変化させ、駆動源の振動に起因するフレームの共振が防止される構成になっていることを特徴とする工作機械。

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