JP3772431B2 - 信号処理回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばセルラー電話に代表されるような、信号レベルが大きく変動するシステムにおいて、信号レベルあるいは周波数に基づいて複数の信号経路から最適な信号経路を選択する信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルラーなどの無線通信においては、基地局との距離の変化、あるいは伝送路中に受けるフェージングの影響等で時々刻々と信号レベルの変化が生ずる。一般に、端末では、このようなレベル変動を生ずる受信信号を、利得調整を行うことのできる増幅器あるいは減衰器等の利得調整手段によってそのレベルの変動分を吸収し、一定の信号レベルに調整してから、復調器に信号を伝達することが行われる。また、送信においては、基地局に一定の信号レベルを供給すべく、やはり利得調整手段によって信号を所望のレベルに調整した後、端末の信号出力として送信することが行われる。
【0003】
このような要請を受けて、端末では一般に、送受信共に何らかの利得調整手段を有することが必須となっているが、その要求される利得の調整幅というのは、各システムによって異なる。もしも、システムの要求する利得の変化幅が80dB〜90dBにも亘るのであれば、素子のアイソレーション、ダイナミックレンジなどの制限から、この信号の変化幅を一つの利得調整手段によって実現することは、実現性あるいはコストの面から考えて非常に困難となる。
【0004】
そこで、従来から、この利得調整手段を複数に分割して実現することが一般に行われてきた。この従来例について、図9を用いて説明する。図9には、セルラーなどの無線通信における送信システムにおける従来例を示す。
【0005】
今仮に、システムが送信信号の80dBの利得調整を要求するものとすれば、送信アンテナ209の入力端209aにおいて、80dBの信号のレベル変化を生じなければならない。そこで、例えば、50dBをIF(中間周波)段において、残りの30dBをRF(高周波)段においてそれぞれ利得調整するように振り分ける。
【0006】
具体的には、端子201から入力された一定レベルのIF信号がIF信号線202を介して第一の利得可変増幅器203に供給され、この第一の利得可変増幅器203によって50dBの幅において利得調整が行われる。次に、周波数混合器204において、局部発振周波数と混合されることによってRF信号に周波数変換された後、帯域通過フィルタ205によってイメージ信号などの不要周波数成分が除去される。
【0007】
この帯域通過フィルタ205を経たRF信号は、第二の利得可変増幅器206によって30dBの幅において利得調整が行われ、続いて電力増幅器207で一定の信号増幅を受けた後、帯域通過フィルタ208を介して送信アンテナ209に所望の出力電力にて供給される。このとき、送信システムの入力端子201から送信アンテナ209の入力端209aに至るまでの各デバイスの送信信号の変化のレベル差を最大50dBとなるようにすることができる。
【0008】
このように、利得調整手段を第一の利得可変増幅器202と第二の利得可変増幅器206に分割し、送信システムの入力端子201から送信アンテナ209の入力端209aに至るまでの各ノードにおける信号の最大レベルと最小レベルとの差を圧縮することで、各素子のダイナミックレンジをより低減することが可能となるのである。
【0009】
また一方で、従来から、帯域通過フィルタの通過帯域を複数に分割した構成の送信システムも知られている。これは、図9の帯域通過フィルタ205,208を実現する際に、システムのフィルタに要求される周波数特性によっては、これを1素子で実現することを考えるときに、フィルタが物理的に非常に大きな容積を必要とし、電気的に通過帯域に大きな損失を生じてしまうなどの問題を生ずる場合があるからである。
【0010】
すなわち、これらの問題を回避するために、図9の帯域通過フィルタ205,208の通過帯域をそれぞれ2つに分割し、図10に示すように、通過帯域の異なる2つずつの帯域通過フィルタ205a,205bと208a,208bを設けるとともに、それぞれの入出力側にSPDT(single pole double throw)スイッチ210,211と212,213を設け、信号の周波数に応じてどちらかの経路を選択する構成を採っている。この場合、SPDTスイッチ210,211と212,213の容積、損失を割り引いても、低容積、低損失のフィルタが実現可能となる場合があり、システム全体として省スペース、省電力化の点で有利である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9に示した従来例のように、2つの利得可変増幅器203,206によって利得調整を行う送信システムにおいては、これら2つの利得可変増幅器203,206に常時電力を供給する必要がある。特に、電力増幅器207においては、一般に、低信号入力レベルにおける電力負荷効率は著しく悪化するので、たとえ利得可変増幅器206によって利得調整を行おうとも、消費電力のさらなる損失を生ずる。これは、セルラーなどの無線通信システムにおいて、端末の通話時間の確保という観点において大きな問題となる。
【0012】
また、図10に示した従来例では、帯域通過フィルタ205a,205bと208a,208bをそれぞれ切り替えるために、2個ずつのSPDTスイッチ210,211と212,213を設ける必要があるため、部品点数や実装面積の増加を招く。これは、小型化の要求が強い携帯端末にとって大きな問題となる。なお、上述した各従来例においては、送信システムに適用した場合を例にとって説明したが、受信システムに適用した場合にも、全く同様のことが言える。
【0013】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、消費電力を大幅に低減できるとともに、実装面積の低減、部品点数の削減および低コスト化に寄与し得る信号処理回路を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による信号処理回路は、
少なくとも1つの入力端子からなる第一の入力端子群と、この第一の入力端子群の各入力端子に一対一で対応する出力端子からなる第一の出力端子群と、少なくとも1つの入力端子からなる第二の入力端子群と、この第二の入力端子群の各入力端子に一対一で対応する出力端子からなる第二の出力端子群と、第一の入力端子群と第一の出力端子群の対応する入出力端子間を選択的に接続する第一のスイッチ群と、第一の入力端子群と第二の出力端子群の入出力端子間を選択的に接続する第二のスイッチ群と、第二の入力端子群と第一の出力端子群の入出力端子間を選択的に接続する第三のスイッチ群とを有する信号切り替え手段と、
第一,第二および第三のスイッチ群の各スイッチをオン/オフ制御する信号路制御手段と、
第二の出力端子群の各出力端子と第二の入力端子群の各入力端子との間を接続する各々利得の異なる信号路と
を備えた構成となっている。
【0015】
上記構成の信号処理回路において、信号路制御手段は信号切り替え手段における第一,第二および第三のスイッチ群の各スイッチを適宜オン/オフ制御する。すなわち、信号切り替え手段において、第一のスイッチ群の所望のスイッチをオンさせることで、第一の入力端子群と第一の出力端子群の対応する一対の入出力端子を接続するか、または、第二および第三のスイッチ群の対応するスイッチをオンさせることで、第一の入力端子群と第二の出力端子群の選択された入出力端子間を接続するとともに、第二の入力端子群と第一の出力端子群の選択された入出力端子間を接続する。
【0016】
すなわち、信号切り替え手段においては、信号路制御手段による制御により、利得の異なる信号路の内の1つが選択されるか、又は第一の入力端子群と第一の出力端子群の対応する一対の入出力端子間が直結される。その結果、第一の出力端子群から第一の入力端子群を眺めた利得は、第一の入力端子群と第一の出力端子群の対応する一対の入出力端子間の直結の場合0となり、第二および第三のスイッチ群の対応するスイッチをオンさせた場合には、信号路の選択に応じて変化する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明による信号処理回路の一実施形態を示すブロック図である。
【0018】
図1において、信号切り替え回路11は、後述するように化合物半導体FET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子の集合によって構成され、複数の入力端子12-1,12-2,12-3,……からなる第一の入力端子群13と、この第一の入力端子群13の各入力端子12-1,12-2,12-3,……に一対一で対応する出力端子14-1,14-2,14-3,……からなる第一の出力端子群15と、複数の入力端子16-1,16-2,16-3,……からなる第二の入力端子群17と、この第二の入力端子群17の各入力端子16-1,16-2,16-3,……に一対一で対応する出力端子18-1,18-2,18-3,……からなる第二の出力端子群19とを有している。
【0019】
この信号切り替え回路11は、信号路制御回路20によって切り替え制御される。具体的には、第一の入力端子群13中の1つの入力端子12-i(iは任意の数)と、これと対の第一の出力端子群15中の出力端子14-iとを選択し、これらを直接接続するか、または、第一の入力端子群13中の選択された入力端子12-iと、これと対の第二の出力端子群19中の出力端子18-iとを接続するとともに、この出力端子18-iと対の第二の入力端子群17中の入力端子16-iと、これと対の第一の出力端子群15中の出力端子14-iとを接続するように、信号路の切り替え制御が行われる。
【0020】
また、第二の出力端子群19の各出力端子18-1,18-2,18-3,……と、第二の入力端子群17の各入力端子16-1,16-2,16-3,……との間の信号路21-1,21-2,21-3,……には、互いに利得の異なり、かつ利得に応じて消費電力が小さく抑えられてた増幅器22-1,22-2,22-3,……がそれぞれ挿入されている。したがって、上述した信号切り替え回路11における信号路の切り替えにより、第一の入力端子群13の入力端子12-iと第一の出力端子群15の出力端子14-iとの直結の場合には、利得が0になり、さらに、異なる利得の増幅器22-1,22-2,22-3,……の選択により、第一の入力端子群13と第一の出力端子群15の間の利得を変化させることができる。
【0021】
なお、本実施形態では、第一,第二の入力端子群13,17および第一,第二の出力端子群15,19を複数の端子によって構成するとしたが、端子数は必ずしも複数である必要はなく、少なくとも1つあれば良い。端子数が1つの場合には、利得が0か、ある利得の増幅器を選択するかの2段階の切り替えとなる。また、上述の如く選択された第一の入力端子群13と第二の出力端子群19の内部接続が2経路以上ある場合において、そのうちの少なくとも1つの信号路中に、図2に示すように、抵抗等の減衰器23を設けるようにしても良い。
【0022】
図3は、セルラーなどの無線通信システムにおいて、利得調整手段を複数に分割した構成の送信回路に対して上記構成の信号処理回路を適用した場合の本発明の第一適用例を示すブロック図である。なお、この第一適用例では、図1の構成の信号処理回路において、増幅器が1個、入出力端子数が1の場合を例にとっている。
【0023】
図3において、端子31から入力された一定レベルのIF信号がIF信号線32を介して利得可変増幅器33に供給される。この利得可変増幅器33で利得調整されたIF信号は、周波数混合器34において、局部発振周波数と混合されることによってRF信号に周波数変換され、続いて帯域通過フィルタ35によってイメージ信号などの不要周波数成分が除去される。
【0024】
この帯域通過フィルタ35を経たRF信号は、信号切り替え回路36を経た後帯域通過フィルタ37を介して送信アンテナ38に供給される。信号切り替え回路36は、各々単一の第一の入力端子39、第一の出力端子40、第二の入力端子41および第二の出力端子42を有しており、信号路制御回路43によって切り替え制御される。この信号切り替え回路36の第二の出力端子42と第二の入力端子41との間には、所定の利得を持つ増幅器44が接続されている。
【0025】
また、信号切り替え回路36の内部において、第一の入力端子39と第一の出力端子40との間にはスイッチS11が、第一の入力端子39と第二の出力端子42との間にはスイッチS12が、第二の入力端子41と第一の出力端子40との間にはスイッチS13がそれぞれ接続されている。この信号切り替え回路36内の具体的な回路構成については後述する。
【0026】
上記構成の第一適用例に係る送信回路において、送信アンテナ38で大きな出力が必要な場合は、信号切り替え回路36において、スイッチS11をオフ(開)状態とし、スイッチS12,S13をオン(閉)状態とすることにより、増幅器44の信号路を選択する。一方、そうでない場合は、スイッチS11をオン状態とし、スイッチS12,S13をオフ状態とすることにより、帯域通過フィルタ35と帯域通過フィルタ37の間を直結する。
【0027】
ここで、増幅器44の利得を例えば20dBとした場合、信号切り替え回路36での信号路の切り替えにより、直結の利得0と増幅器44の利得の固定値(20dB)の離散的な利得変化となる。このとき、IF段における利得可変増幅器33は連続的に利得を調整できる増幅器であることから、RF段での離散的な利得変化を補うように利得可変増幅器33によって連続的に利得を変化させることにより、IF段とRF段の2つの利得調整手段の各利得の合計によって所望の利得を得ることができる。
【0028】
図4は、信号切り替え回路36内の具体的な回路構成を示す回路図であり、図中、図3と同等部分には同一符号を付して示してある。図4において、図3のスイッチS11,S12,S13を構成するスイッチング素子として、ガリウム砒素(GaAs)等の化合物半導体からなる例えばジャンクションFETQ11,Q12,Q13が用いられている。そして、これらジャンクションFETQ11,Q12,Q13の各ゲート電極には、信号路制御回路43から各オン/オフ制御信号が抵抗R11,R12,R13を介して与えられるようになっている。
【0029】
上述した信号切り替え回路36を構成する各素子は、単一の半導体基板(1チップ)上に、マイクロ波を扱うMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit) として形成される。なお、本例では、図3のスイッチS11,S12,S13を構成するスイッチング素子として、ジャンクションFETを用いたが、これに限定されるものではなく、MES(Metal Semiconductor)-FETやピンダイオードなどを用いることも可能である。
【0030】
このように、利得を切り替える信号切り替え回路36を、MMICからなる単一のスイッチとしたことにより、実装面積を低減できるとともに、部品点数の削減、さらには低コスト化に寄与できることになる。また、MMIC化によって特に利得0の信号路の長さを短くできるので、利得0を選択した際にこの信号路における信号の減衰をほぼ0に抑えることができる。
【0031】
図5は、セルラーなどの無線通信システムにおいて、帯域通過フィルタの通過帯域を複数に分割した構成の送信回路に適用した場合の本発明の第二適用例を示すブロック図である。なお、この第二適用例では、図1の構成の信号処理回路において、増幅器が1個、入出力端子数が2の場合を例にとっている。
【0032】
図5において、端子51から入力された一定レベルのIF信号がIF信号線52を介して利得可変増幅器53に供給される。この利得可変増幅器53で利得調整されたIF信号は、周波数混合器54において、局部発振周波数と混合されることによってRF信号に周波数変換される。その後、SPDTスイッチ55によって通過帯域の異なる帯域通過フィルタ56又は帯域通過フィルタ57に供給される。
【0033】
帯域通過フィルタ56又は帯域通過フィルタ57を通過したRF信号は、信号切り替え回路58を経た後、再度通過帯域の異なる帯域通過フィルタ59又は帯域通過フィルタ60に供給される。帯域通過フィルタ59又は帯域通過フィルタ60を通過したRF信号は、SPDTスイッチ61を経て送信アンテナ62に供給される。
【0034】
信号切り替え回路58は、各々2つの第一の入力端子63,64および第一の出力端子65,66と、各々1つの第二の入力端子67および第二の出力端子68を有しており、信号路制御回路69によって切り替え制御される。この信号切り替え回路58の第二の出力端子68と第二の入力端子67との間には、所定の利得を持つ増幅器70が接続されている。
【0035】
また、信号切り替え回路58の内部において、第一の入力端子63,64と第一の出力端子65,66との間にはスイッチS21,S22が、第一の入力端子63,64と第二の出力端子68との間にはスイッチS23,S24が、第二の入力端子67と第一の出力端子65,66との間にはスイッチS25,S26がそれぞれ接続されている。この信号切り替え回路58内の具体的な回路構成については後述する。
【0036】
上記構成の第二適用例に係る送信回路においては、送信周波数に伴う2系統の帯域通過フィルタ56,59と帯域通過フィルタ57,60の選択と増幅、又は帯域通過フィルタ56と帯域通過フィルタ59、帯域通過フィルタ57と帯域通過フィルタ60の直結の選択をSPDTスイッチ55,61と信号切り替え回路58によって行う。
【0037】
例えば、送信アンテナ62で大きな出力が必要な場合は、SPDTスイッチ55によって周波数混合器54と帯域通過フィルタ56を接続し、SPDTスイッチ61によって帯域通過フィルタ59と送信アンテナ62を接続する。さらに、信号切り替え回路58の内部の各スイッチS21〜S26によって増幅器70を帯域通過フィルタ56と帯域通過フィルタ59の間に接続する。
【0038】
他の状態の場合にも、SPDTスイッチ55,61および信号切り替え回路58の内部の各スイッチS21〜S26によって同様に信号路の切り替えが行われる。この信号切り替え回路58による利得切り替えの場合にも、第一適用例の場合と同様に、直結の利得0と増幅器70の利得の固定値の離散的な利得変化となる。したがって、このRF段での離散的な利得変化を補うようにIF段における利得可変増幅器53によって連続的に利得を変化させることにより、所望の出力電力を得ることができる。
【0039】
図6は、信号切り替え回路58内の具体的な回路構成を示す回路図であり、図中、図5と同等部分には同一符号を付して示してある。図6において、図5のスイッチS21〜S26を構成するスイッチング素子として、GaAs等の化合物半導体からなる例えばジャンクションFETQ21〜Q26が用いられている。そして、これらジャンクションFETQ21〜Q26の各ゲート電極には、信号路制御回路69から各オン/オフ制御信号が抵抗R21〜R26を介して与えられるようになっている。
【0040】
上述した信号切り替え回路58を構成する各素子は、第一適用例の場合と同様に、1チップ上にMMICとして形成される。なお、本例では、図5のスイッチS21〜S26を構成するスイッチング素子として、ジャンクションFETを用いたが、これに限定されるものではなく、MES‐FETやピンダイオードなどを用いることも可能である。
【0041】
図7は、セルラーなどの無線通信システムにおいて、利得調整手段を複数に分割した構成の受信回路に適用した場合の本発明の第三適用例を示すブロック図である。なお、この第三適用例では、図1の構成の信号処理回路において、増幅器が1個、入出力端子数が1の場合を例にとっている。
【0042】
図7において、受信アンテナ71から入力されたRF信号は、帯域通過フィルタ72を通過した後、信号切り替え回路73を経て帯域通過フィルタ74に供給される。この帯域通過フィルタ74を通過したRF信号は、周波数混合器75で局部発振周波数と混合されることによってIF信号に周波数変換された後、帯域通過フィルタ76によってイメージ信号などの不要周波数成分が除去され、さらに利得可変増幅器77において利得調整が行われる。そして、出力端子78から復調器(図示せず)へ出力される。
【0043】
信号切り替え回路73は、各々単一の第一の入力端子80、第一の出力端子81、第二の入力端子82および第二の出力端子83を有しており、信号路制御回路44によって切り替え制御される。この信号切り替え回路73の第二の出力端子83と第二の入力端子82との間には、所定の利得を持つ増幅器85が接続されている。
【0044】
また、信号切り替え回路73の内部において、第一の入力端子80と第一の出力端子81との間にはスイッチS31が、第一の入力端子80と第二の出力端子83との間にはスイッチS32が、第二の入力端子82と第一の出力端子81との間にはスイッチS33がそれぞれ接続されている。この信号切り替え回路73としては、図4に示す回路構成のものをそのまま用いることができる。
【0045】
上記構成の第三適用例に係る受信回路において、受信帯域内で大きな妨害波が受信アンテナ71に入力された場合には、信号切り替え回路73において、スイッチS31をオン状態とし、スイッチS32,S33をオフ状態とすることにより、帯域通過フィルタ72と帯域通過フィルタ74の間を直結する。一方、受信信号レベルが小さい場合は、スイッチS31をオフ状態とし、スイッチS32,S33をオン状態とすることにより、増幅器85の信号路を選択する。
【0046】
この信号切り替え回路73での信号路の切り替えにより、直結の利得0と増幅器85の利得の固定値の離散的な利得変化となる。このとき、IF段における利得可変増幅器78は連続的に利得を調整できる増幅器であることから、RF段での離散的な利得変化を補うように利得可変増幅器77によって連続的に利得を変化させることにより、IF段とRF段の2つの利得調整手段の各利得の合計によって所望の利得を得ることができる。
【0047】
図8は、セルラーなどの無線通信システムにおいて、帯域通過フィルタの通過帯域を複数に分割した構成の受信回路に適用した場合の本発明の第四適用例を示すブロック図である。なお、この第四適用例では、図1の構成の信号処理回路において、増幅器が1個、入出力端子数が2の場合を例にとっている。
【0048】
図8において、受信アンテナ91から入力されたRF信号は、SPDTスイッチ92によって通過帯域の異なる帯域通過フィルタ93又は帯域通過フィルタ94に供給される。帯域通過フィルタ93又は帯域通過フィルタ94を通過したRF信号は、信号切り替え回路95を経た後、再度通過帯域の異なる帯域通過フィルタ96又は帯域通過フィルタ97に供給される。
【0049】
帯域通過フィルタ96又は帯域通過フィルタ97を通過したRF信号は、SPDTスイッチ98を経て周波数混合器99に供給され、この周波数混合器99において局部発振周波数と混合されることによってIF信号に周波数変換される。このIF信号は、帯域通過フィルタ100によってイメージ信号などの不要周波数成分が除去され、さらに利得可変増幅器101において利得調整が行われる。そして、出力端子102から復調器(図示せず)へ出力される。
【0050】
信号切り替え回路95は、各々2つの第一の入力端子103,104および第一の出力端子105,106と、各々1つの第二の入力端子107および第二の出力端子108を有しており、信号路制御回路109によって切り替え制御される。この信号切り替え回路95の第二の出力端子108と第二の入力端子107との間には、所定の利得を持つ増幅器110が接続されている。
【0051】
また、信号切り替え回路95の内部において、第一の入力端子103,104と第一の出力端子105,106との間にはスイッチS41,S42が、第一の入力端子103,104と第二の出力端子108との間にはスイッチS43,S44が、第二の入力端子107と第一の出力端子105,106との間にはスイッチS45,S46がそれぞれ接続されている。この信号切り替え回路95としては、図6に示す回路構成のものをそのまま用いることができる。
【0052】
上記構成の第四適用例に係る受信回路においては、受信周波数に伴う2系統の帯域通過フィルタ93,96と帯域通過フィルタ94,97の選択と増幅、又は帯域通過フィルタ93と帯域通過フィルタ96、帯域通過フィルタ94と帯域通過フィルタ97の直結の選択をSPDTスイッチ92,98と信号切り替え回路95によって行う。
【0053】
例えば、受信帯域で強い妨害波が発生した場合には、SPDTスイッチ92によって受信アンテナ91と帯域通過フィルタ93を接続するとともに、SPDTスイッチ98によって帯域通過フィルタ96と周波数混合器99を接続する。さらに、信号切り替え回路95の内部の各スイッチS41〜S46によって帯域通過フィルタ93と帯域通過フィルタ96を直接に接続する。
【0054】
他の状態の場合にも、SPDTスイッチ92,98および信号切り替え回路95の内部の各スイッチS41〜S46によって同様に信号路の切り替えが行われる。この信号切り替え回路95による利得切り替えの場合にも、第三適用例の場合と同様に、直結の利得0と増幅器110の利得の固定値の離散的な利得変化となる。したがって、このRF段での離散的な利得変化を補うようにIF段における利得可変増幅器101によって連続的に利得を変化させることにより、所望の利得を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、利得0又は利得が小さい信号路を選択したときにはそれ以外の信号路を遮断するようにしたので、信号路内の素子のダイナミックレンジの低減の効果を損なうことなく、システム全体の消費電力を大幅に低減できることになる。また、その利得の切り替えを行う手段を単一のスイッチ手段として構成できるので、実装面積の低減、部品点数の削減および低コスト化に起用できることにもなる。
【0056】
また、フィルタを複数に分割するなどの低損失な回路構成を実現する場合においても、同回路構成の利点を損なうことなく、低損失性を維持した回路構成を実現することが可能である。さらに、従来、非効率的な領域で動作させざるを得なかった増幅器を、同領域では動作を停止するようしているので、無線装置の端末の電池寿命を長くできるなど著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の変形例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一適用例を示すブロック図である。
【図4】第一適用例に係る信号切り替え回路の回路構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第二適用例を示すブロック図である。
【図6】第二適用例に係る信号切り替え回路の回路構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第三適用例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第四適用例を示すブロック図である。
【図9】一従来例を示すブロック図である。
【図10】他の従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11,36,58,73,95 信号切り替え回路
13 第一の入力端子群 15 第一の出力端子群
17 第二の入力端子群 19 第二の出力端子群
20,43,69,84,109 信号路選択回路
21-1,21-2,21-3 信号路
22-1,22-2,22-3,44,70,85,110 増幅器
Claims (5)
- 少なくとも1つの入力端子からなる第一の入力端子群と、この第一の入力端子群の各入力端子に一対一で対応する出力端子からなる第一の出力端子群と、少なくとも1つの入力端子からなる第二の入力端子群と、この第二の入力端子群の各入力端子に一対一で対応する出力端子からなる第二の出力端子群と、前記第一の入力端子群と前記第一の出力端子群の対応する入出力端子間を選択的に接続する第一のスイッチ群と、前記第一の入力端子群と前記第二の出力端子群の入出力端子間を選択的に接続する第二のスイッチ群と、前記第二の入力端子群と前記第一の出力端子群の入出力端子間を選択的に接続する第三のスイッチ群とを有する信号切り替え手段と、
前記第一,第二および第三のスイッチ群の各スイッチをオン/オフ制御する信号路制御手段と、
前記第二の出力端子群の各出力端子と前記第二の入力端子群の各入力端子との間を接続する各々利得の異なる信号路と
を備えたことを特徴とする信号処理回路。 - 前記第一,第二および第三のスイッチ群の各スイッチを構成するスイッチング素子が化合物半導体からなる電界効果トランジスタである
ことを特徴とする請求項1記載の信号処理回路。 - 前記第一,第二および第三のスイッチ群の各スイッチを構成するスイッチング素子が単一の半導体基板上に形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の信号処理回路。 - 高周波の信号を送信する送信回路において、利得を調整する利得調整手段として用いられた
ことを特徴とする請求項1記載の信号処理回路。 - 高周波の信号を受信する受信回路において、利得を調整する利得調整手段として用いられた
ことを特徴とする請求項1記載の信号処理回路。
Priority Applications (2)
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JP00905197A JP3772431B2 (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 信号処理回路 |
US09/010,041 US5917362A (en) | 1996-01-29 | 1998-01-21 | Switching circuit |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00905197A JP3772431B2 (ja) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | 信号処理回路 |
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Family Applications (1)
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-
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