JPH10209780A - 信号処理回路 - Google Patents

信号処理回路

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JPH10209780A
JPH10209780A JP905197A JP905197A JPH10209780A JP H10209780 A JPH10209780 A JP H10209780A JP 905197 A JP905197 A JP 905197A JP 905197 A JP905197 A JP 905197A JP H10209780 A JPH10209780 A JP H10209780A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 利得調整手段を複数に分割した場合、それら
に常時電力を供給する必要があったため、消費電力が大
きかった。 【解決手段】 入力端子12-1,12-2,12-3からな
る第一の入力端子群13と、この第一の入力端子群13
の各端子に一対一で対応する出力端子14-1,14-2,
14-3からなる第一の出力端子群15と、入力端子16
-1,16-2,16-3からなる第二の入力端子群17と、
この第二の入力端子群17の各端子に一対一で対応する
出力端子18-1,18-2,18-3からなる第二の出力端
子群19とを有する信号切り替え回路11を、信号路制
御回路20により制御し、第二の出力端子群19と第二
の入力端子群17の間に接続された利得の異なる増幅器
22-1,22-2,22-3の1つを選択するか、又は信号
切り替え回路11内で第一の入力端子群13と第一の出
力端子群15の対応する入出力端子間を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばセルラー電
話に代表されるような、信号レベルが大きく変動するシ
ステムにおいて、信号レベルあるいは周波数に基づいて
複数の信号経路から最適な信号経路を選択する信号処理
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】セルラーなどの無線通信においては、基
地局との距離の変化、あるいは伝送路中に受けるフェー
ジングの影響等で時々刻々と信号レベルの変化が生ず
る。一般に、端末では、このようなレベル変動を生ずる
受信信号を、利得調整を行うことのできる増幅器あるい
は減衰器等の利得調整手段によってそのレベルの変動分
を吸収し、一定の信号レベルに調整してから、復調器に
信号を伝達することが行われる。また、送信において
は、基地局に一定の信号レベルを供給すべく、やはり利
得調整手段によって信号を所望のレベルに調整した後、
端末の信号出力として送信することが行われる。
【0003】このような要請を受けて、端末では一般
に、送受信共に何らかの利得調整手段を有することが必
須となっているが、その要求される利得の調整幅という
のは、各システムによって異なる。もしも、システムの
要求する利得の変化幅が80dB〜90dBにも亘るの
であれば、素子のアイソレーション、ダイナミックレン
ジなどの制限から、この信号の変化幅を一つの利得調整
手段によって実現することは、実現性あるいはコストの
面から考えて非常に困難となる。
【0004】そこで、従来から、この利得調整手段を複
数に分割して実現することが一般に行われてきた。この
従来例について、図9を用いて説明する。図9には、セ
ルラーなどの無線通信における送信システムにおける従
来例を示す。
【0005】今仮に、システムが送信信号の80dBの
利得調整を要求するものとすれば、送信アンテナ209
の入力端209aにおいて、80dBの信号のレベル変
化を生じなければならない。そこで、例えば、50dB
をIF(中間周波)段において、残りの30dBをRF
(高周波)段においてそれぞれ利得調整するように振り
分ける。
【0006】具体的には、端子201から入力された一
定レベルのIF信号がIF信号線202を介して第一の
利得可変増幅器203に供給され、この第一の利得可変
増幅器203によって50dBの幅において利得調整が
行われる。次に、周波数混合器204において、局部発
振周波数と混合されることによってRF信号に周波数変
換された後、帯域通過フィルタ205によってイメージ
信号などの不要周波数成分が除去される。
【0007】この帯域通過フィルタ205を経たRF信
号は、第二の利得可変増幅器206によって30dBの
幅において利得調整が行われ、続いて電力増幅器207
で一定の信号増幅を受けた後、帯域通過フィルタ208
を介して送信アンテナ209に所望の出力電力にて供給
される。このとき、送信システムの入力端子201から
送信アンテナ209の入力端209aに至るまでの各デ
バイスの送信信号の変化のレベル差を最大50dBとな
るようにすることができる。
【0008】このように、利得調整手段を第一の利得可
変増幅器202と第二の利得可変増幅器206に分割
し、送信システムの入力端子201から送信アンテナ2
09の入力端209aに至るまでの各ノードにおける信
号の最大レベルと最小レベルとの差を圧縮することで、
各素子のダイナミックレンジをより低減することが可能
となるのである。
【0009】また一方で、従来から、帯域通過フィルタ
の通過帯域を複数に分割した構成の送信システムも知ら
れている。これは、図9の帯域通過フィルタ205,2
08を実現する際に、システムのフィルタに要求される
周波数特性によっては、これを1素子で実現することを
考えるときに、フィルタが物理的に非常に大きな容積を
必要とし、電気的に通過帯域に大きな損失を生じてしま
うなどの問題を生ずる場合があるからである。
【0010】すなわち、これらの問題を回避するため
に、図9の帯域通過フィルタ205,208の通過帯域
をそれぞれ2つに分割し、図10に示すように、通過帯
域の異なる2つずつの帯域通過フィルタ205a,20
5bと208a,208bを設けるとともに、それぞれ
の入出力側にSPDT(single pole double throw)スイ
ッチ210,211と212,213を設け、信号の周
波数に応じてどちらかの経路を選択する構成を採ってい
る。この場合、SPDTスイッチ210,211と21
2,213の容積、損失を割り引いても、低容積、低損
失のフィルタが実現可能となる場合があり、システム全
体として省スペース、省電力化の点で有利である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示した従来例のように、2つの利得可変増幅器203,
206によって利得調整を行う送信システムにおいて
は、これら2つの利得可変増幅器203,206に常時
電力を供給する必要がある。特に、電力増幅器207に
おいては、一般に、低信号入力レベルにおける電力負荷
効率は著しく悪化するので、たとえ利得可変増幅器20
6によって利得調整を行おうとも、消費電力のさらなる
損失を生ずる。これは、セルラーなどの無線通信システ
ムにおいて、端末の通話時間の確保という観点において
大きな問題となる。
【0012】また、図10に示した従来例では、帯域通
過フィルタ205a,205bと208a,208bを
それぞれ切り替えるために、2個ずつのSPDTスイッ
チ210,211と212,213を設ける必要がある
ため、部品点数や実装面積の増加を招く。これは、小型
化の要求が強い携帯端末にとって大きな問題となる。な
お、上述した各従来例においては、送信システムに適用
した場合を例にとって説明したが、受信システムに適用
した場合にも、全く同様のことが言える。
【0013】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、消費電力を大幅に低
減できるとともに、実装面積の低減、部品点数の削減お
よび低コスト化に寄与し得る信号処理回路を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による信号処理回
路は、少なくとも1つの入力端子からなる第一の入力端
子群と、この第一の入力端子群の各入力端子に一対一で
対応する出力端子からなる第一の出力端子群と、少なく
とも1つの入力端子からなる第二の入力端子群と、この
第二の入力端子群の各入力端子に一対一で対応する出力
端子からなる第二の出力端子群と、第一の入力端子群と
第一の出力端子群の対応する入出力端子間を選択的に接
続する第一のスイッチ群と、第一の入力端子群と第二の
出力端子群の入出力端子間を選択的に接続する第二のス
イッチ群と、第二の入力端子群と第一の出力端子群の入
出力端子間を選択的に接続する第三のスイッチ群とを有
する信号切り替え手段と、第一,第二および第三のスイ
ッチ群の各スイッチをオン/オフ制御する信号路制御手
段と、第二の出力端子群の各出力端子と第二の入力端子
群の各入力端子との間を接続する各々利得の異なる信号
路とを備えた構成となっている。
【0015】上記構成の信号処理回路において、信号路
制御手段は信号切り替え手段における第一,第二および
第三のスイッチ群の各スイッチを適宜オン/オフ制御す
る。すなわち、信号切り替え手段において、第一のスイ
ッチ群の所望のスイッチをオンさせることで、第一の入
力端子群と第一の出力端子群の対応する一対の入出力端
子を接続するか、または、第二および第三のスイッチ群
の対応するスイッチをオンさせることで、第一の入力端
子群と第二の出力端子群の選択された入出力端子間を接
続するとともに、第二の入力端子群と第一の出力端子群
の選択された入出力端子間を接続する。
【0016】すなわち、信号切り替え手段においては、
信号路制御手段による制御により、利得の異なる信号路
の内の1つが選択されるか、又は第一の入力端子群と第
一の出力端子群の対応する一対の入出力端子間が直結さ
れる。その結果、第一の出力端子群から第一の入力端子
群を眺めた利得は、第一の入力端子群と第一の出力端子
群の対応する一対の入出力端子間の直結の場合0とな
り、第二および第三のスイッチ群の対応するスイッチを
オンさせた場合には、信号路の選択に応じて変化する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明によ
る信号処理回路の一実施形態を示すブロック図である。
【0018】図1において、信号切り替え回路11は、
後述するように化合物半導体FET(電界効果トランジ
スタ)等のスイッチング素子の集合によって構成され、
複数の入力端子12-1,12-2,12-3,……からなる
第一の入力端子群13と、この第一の入力端子群13の
各入力端子12-1,12-2,12-3,……に一対一で対
応する出力端子14-1,14-2,14-3,……からなる
第一の出力端子群15と、複数の入力端子16-1,16
-2,16-3,……からなる第二の入力端子群17と、こ
の第二の入力端子群17の各入力端子16-1,16-2,
16-3,……に一対一で対応する出力端子18-1,18
-2,18-3,……からなる第二の出力端子群19とを有
している。
【0019】この信号切り替え回路11は、信号路制御
回路20によって切り替え制御される。具体的には、第
一の入力端子群13中の1つの入力端子12-i(iは任
意の数)と、これと対の第一の出力端子群15中の出力
端子14-iとを選択し、これらを直接接続するか、また
は、第一の入力端子群13中の選択された入力端子12
-iと、これと対の第二の出力端子群19中の出力端子1
8-iとを接続するとともに、この出力端子18-iと対の
第二の入力端子群17中の入力端子16-iと、これと対
の第一の出力端子群15中の出力端子14-iとを接続す
るように、信号路の切り替え制御が行われる。
【0020】また、第二の出力端子群19の各出力端子
18-1,18-2,18-3,……と、第二の入力端子群1
7の各入力端子16-1,16-2,16-3,……との間の
信号路21-1,21-2,21-3,……には、互いに利得
の異なり、かつ利得に応じて消費電力が小さく抑えられ
てた増幅器22-1,22-2,22-3,……がそれぞれ挿
入されている。したがって、上述した信号切り替え回路
11における信号路の切り替えにより、第一の入力端子
群13の入力端子12-iと第一の出力端子群15の出力
端子14-iとの直結の場合には、利得が0になり、さら
に、異なる利得の増幅器22-1,22-2,22-3,……
の選択により、第一の入力端子群13と第一の出力端子
群15の間の利得を変化させることができる。
【0021】なお、本実施形態では、第一,第二の入力
端子群13,17および第一,第二の出力端子群15,
19を複数の端子によって構成するとしたが、端子数は
必ずしも複数である必要はなく、少なくとも1つあれば
良い。端子数が1つの場合には、利得が0か、ある利得
の増幅器を選択するかの2段階の切り替えとなる。ま
た、上述の如く選択された第一の入力端子群13と第二
の出力端子群19の内部接続が2経路以上ある場合にお
いて、そのうちの少なくとも1つの信号路中に、図2に
示すように、抵抗等の減衰器23を設けるようにしても
良い。
【0022】図3は、セルラーなどの無線通信システム
において、利得調整手段を複数に分割した構成の送信回
路に対して上記構成の信号処理回路を適用した場合の本
発明の第一適用例を示すブロック図である。なお、この
第一適用例では、図1の構成の信号処理回路において、
増幅器が1個、入出力端子数が1の場合を例にとってい
る。
【0023】図3において、端子31から入力された一
定レベルのIF信号がIF信号線32を介して利得可変
増幅器33に供給される。この利得可変増幅器33で利
得調整されたIF信号は、周波数混合器34において、
局部発振周波数と混合されることによってRF信号に周
波数変換され、続いて帯域通過フィルタ35によってイ
メージ信号などの不要周波数成分が除去される。
【0024】この帯域通過フィルタ35を経たRF信号
は、信号切り替え回路36を経た後帯域通過フィルタ3
7を介して送信アンテナ38に供給される。信号切り替
え回路36は、各々単一の第一の入力端子39、第一の
出力端子40、第二の入力端子41および第二の出力端
子42を有しており、信号路制御回路43によって切り
替え制御される。この信号切り替え回路36の第二の出
力端子42と第二の入力端子41との間には、所定の利
得を持つ増幅器44が接続されている。
【0025】また、信号切り替え回路36の内部におい
て、第一の入力端子39と第一の出力端子40との間に
はスイッチS11が、第一の入力端子39と第二の出力
端子42との間にはスイッチS12が、第二の入力端子
41と第一の出力端子40との間にはスイッチS13が
それぞれ接続されている。この信号切り替え回路36内
の具体的な回路構成については後述する。
【0026】上記構成の第一適用例に係る送信回路にお
いて、送信アンテナ38で大きな出力が必要な場合は、
信号切り替え回路36において、スイッチS11をオフ
(開)状態とし、スイッチS12,S13をオン(閉)
状態とすることにより、増幅器44の信号路を選択す
る。一方、そうでない場合は、スイッチS11をオン状
態とし、スイッチS12,S13をオフ状態とすること
により、帯域通過フィルタ35と帯域通過フィルタ37
の間を直結する。
【0027】ここで、増幅器44の利得を例えば20d
Bとした場合、信号切り替え回路36での信号路の切り
替えにより、直結の利得0と増幅器44の利得の固定値
(20dB)の離散的な利得変化となる。このとき、I
F段における利得可変増幅器33は連続的に利得を調整
できる増幅器であることから、RF段での離散的な利得
変化を補うように利得可変増幅器33によって連続的に
利得を変化させることにより、IF段とRF段の2つの
利得調整手段の各利得の合計によって所望の利得を得る
ことができる。
【0028】図4は、信号切り替え回路36内の具体的
な回路構成を示す回路図であり、図中、図3と同等部分
には同一符号を付して示してある。図4において、図3
のスイッチS11,S12,S13を構成するスイッチ
ング素子として、ガリウム砒素(GaAs)等の化合物
半導体からなる例えばジャンクションFETQ11,Q
12,Q13が用いられている。そして、これらジャン
クションFETQ11,Q12,Q13の各ゲート電極
には、信号路制御回路43から各オン/オフ制御信号が
抵抗R11,R12,R13を介して与えられるように
なっている。
【0029】上述した信号切り替え回路36を構成する
各素子は、単一の半導体基板(1チップ)上に、マイク
ロ波を扱うMMIC(Monolithic Microwave Integrated
Circuit) として形成される。なお、本例では、図3の
スイッチS11,S12,S13を構成するスイッチン
グ素子として、ジャンクションFETを用いたが、これ
に限定されるものではなく、MES(Metal Semiconduct
or)-FETやピンダイオードなどを用いることも可能で
ある。
【0030】このように、利得を切り替える信号切り替
え回路36を、MMICからなる単一のスイッチとした
ことにより、実装面積を低減できるとともに、部品点数
の削減、さらには低コスト化に寄与できることになる。
また、MMIC化によって特に利得0の信号路の長さを
短くできるので、利得0を選択した際にこの信号路にお
ける信号の減衰をほぼ0に抑えることができる。
【0031】図5は、セルラーなどの無線通信システム
において、帯域通過フィルタの通過帯域を複数に分割し
た構成の送信回路に適用した場合の本発明の第二適用例
を示すブロック図である。なお、この第二適用例では、
図1の構成の信号処理回路において、増幅器が1個、入
出力端子数が2の場合を例にとっている。
【0032】図5において、端子51から入力された一
定レベルのIF信号がIF信号線52を介して利得可変
増幅器53に供給される。この利得可変増幅器53で利
得調整されたIF信号は、周波数混合器54において、
局部発振周波数と混合されることによってRF信号に周
波数変換される。その後、SPDTスイッチ55によっ
て通過帯域の異なる帯域通過フィルタ56又は帯域通過
フィルタ57に供給される。
【0033】帯域通過フィルタ56又は帯域通過フィル
タ57を通過したRF信号は、信号切り替え回路58を
経た後、再度通過帯域の異なる帯域通過フィルタ59又
は帯域通過フィルタ60に供給される。帯域通過フィル
タ59又は帯域通過フィルタ60を通過したRF信号
は、SPDTスイッチ61を経て送信アンテナ62に供
給される。
【0034】信号切り替え回路58は、各々2つの第一
の入力端子63,64および第一の出力端子65,66
と、各々1つの第二の入力端子67および第二の出力端
子68を有しており、信号路制御回路69によって切り
替え制御される。この信号切り替え回路58の第二の出
力端子68と第二の入力端子67との間には、所定の利
得を持つ増幅器70が接続されている。
【0035】また、信号切り替え回路58の内部におい
て、第一の入力端子63,64と第一の出力端子65,
66との間にはスイッチS21,S22が、第一の入力
端子63,64と第二の出力端子68との間にはスイッ
チS23,S24が、第二の入力端子67と第一の出力
端子65,66との間にはスイッチS25,S26がそ
れぞれ接続されている。この信号切り替え回路58内の
具体的な回路構成については後述する。
【0036】上記構成の第二適用例に係る送信回路にお
いては、送信周波数に伴う2系統の帯域通過フィルタ5
6,59と帯域通過フィルタ57,60の選択と増幅、
又は帯域通過フィルタ56と帯域通過フィルタ59、帯
域通過フィルタ57と帯域通過フィルタ60の直結の選
択をSPDTスイッチ55,61と信号切り替え回路5
8によって行う。
【0037】例えば、送信アンテナ62で大きな出力が
必要な場合は、SPDTスイッチ55によって周波数混
合器54と帯域通過フィルタ56を接続し、SPDTス
イッチ61によって帯域通過フィルタ59と送信アンテ
ナ62を接続する。さらに、信号切り替え回路58の内
部の各スイッチS21〜S26によって増幅器70を帯
域通過フィルタ56と帯域通過フィルタ59の間に接続
する。
【0038】他の状態の場合にも、SPDTスイッチ5
5,61および信号切り替え回路58の内部の各スイッ
チS21〜S26によって同様に信号路の切り替えが行
われる。この信号切り替え回路58による利得切り替え
の場合にも、第一適用例の場合と同様に、直結の利得0
と増幅器70の利得の固定値の離散的な利得変化とな
る。したがって、このRF段での離散的な利得変化を補
うようにIF段における利得可変増幅器53によって連
続的に利得を変化させることにより、所望の出力電力を
得ることができる。
【0039】図6は、信号切り替え回路58内の具体的
な回路構成を示す回路図であり、図中、図5と同等部分
には同一符号を付して示してある。図6において、図5
のスイッチS21〜S26を構成するスイッチング素子
として、GaAs等の化合物半導体からなる例えばジャ
ンクションFETQ21〜Q26が用いられている。そ
して、これらジャンクションFETQ21〜Q26の各
ゲート電極には、信号路制御回路69から各オン/オフ
制御信号が抵抗R21〜R26を介して与えられるよう
になっている。
【0040】上述した信号切り替え回路58を構成する
各素子は、第一適用例の場合と同様に、1チップ上にM
MICとして形成される。なお、本例では、図5のスイ
ッチS21〜S26を構成するスイッチング素子とし
て、ジャンクションFETを用いたが、これに限定され
るものではなく、MES‐FETやピンダイオードなど
を用いることも可能である。
【0041】図7は、セルラーなどの無線通信システム
において、利得調整手段を複数に分割した構成の受信回
路に適用した場合の本発明の第三適用例を示すブロック
図である。なお、この第三適用例では、図1の構成の信
号処理回路において、増幅器が1個、入出力端子数が1
の場合を例にとっている。
【0042】図7において、受信アンテナ71から入力
されたRF信号は、帯域通過フィルタ72を通過した
後、信号切り替え回路73を経て帯域通過フィルタ74
に供給される。この帯域通過フィルタ74を通過したR
F信号は、周波数混合器75で局部発振周波数と混合さ
れることによってIF信号に周波数変換された後、帯域
通過フィルタ76によってイメージ信号などの不要周波
数成分が除去され、さらに利得可変増幅器77において
利得調整が行われる。そして、出力端子78から復調器
(図示せず)へ出力される。
【0043】信号切り替え回路73は、各々単一の第一
の入力端子80、第一の出力端子81、第二の入力端子
82および第二の出力端子83を有しており、信号路制
御回路44によって切り替え制御される。この信号切り
替え回路73の第二の出力端子83と第二の入力端子8
2との間には、所定の利得を持つ増幅器85が接続され
ている。
【0044】また、信号切り替え回路73の内部におい
て、第一の入力端子80と第一の出力端子81との間に
はスイッチS31が、第一の入力端子80と第二の出力
端子83との間にはスイッチS32が、第二の入力端子
82と第一の出力端子81との間にはスイッチS33が
それぞれ接続されている。この信号切り替え回路73と
しては、図4に示す回路構成のものをそのまま用いるこ
とができる。
【0045】上記構成の第三適用例に係る受信回路にお
いて、受信帯域内で大きな妨害波が受信アンテナ71に
入力された場合には、信号切り替え回路73において、
スイッチS31をオン状態とし、スイッチS32,S3
3をオフ状態とすることにより、帯域通過フィルタ72
と帯域通過フィルタ74の間を直結する。一方、受信信
号レベルが小さい場合は、スイッチS31をオフ状態と
し、スイッチS32,S33をオン状態とすることによ
り、増幅器85の信号路を選択する。
【0046】この信号切り替え回路73での信号路の切
り替えにより、直結の利得0と増幅器85の利得の固定
値の離散的な利得変化となる。このとき、IF段におけ
る利得可変増幅器78は連続的に利得を調整できる増幅
器であることから、RF段での離散的な利得変化を補う
ように利得可変増幅器77によって連続的に利得を変化
させることにより、IF段とRF段の2つの利得調整手
段の各利得の合計によって所望の利得を得ることができ
る。
【0047】図8は、セルラーなどの無線通信システム
において、帯域通過フィルタの通過帯域を複数に分割し
た構成の受信回路に適用した場合の本発明の第四適用例
を示すブロック図である。なお、この第四適用例では、
図1の構成の信号処理回路において、増幅器が1個、入
出力端子数が2の場合を例にとっている。
【0048】図8において、受信アンテナ91から入力
されたRF信号は、SPDTスイッチ92によって通過
帯域の異なる帯域通過フィルタ93又は帯域通過フィル
タ94に供給される。帯域通過フィルタ93又は帯域通
過フィルタ94を通過したRF信号は、信号切り替え回
路95を経た後、再度通過帯域の異なる帯域通過フィル
タ96又は帯域通過フィルタ97に供給される。
【0049】帯域通過フィルタ96又は帯域通過フィル
タ97を通過したRF信号は、SPDTスイッチ98を
経て周波数混合器99に供給され、この周波数混合器9
9において局部発振周波数と混合されることによってI
F信号に周波数変換される。このIF信号は、帯域通過
フィルタ100によってイメージ信号などの不要周波数
成分が除去され、さらに利得可変増幅器101において
利得調整が行われる。そして、出力端子102から復調
器(図示せず)へ出力される。
【0050】信号切り替え回路95は、各々2つの第一
の入力端子103,104および第一の出力端子10
5,106と、各々1つの第二の入力端子107および
第二の出力端子108を有しており、信号路制御回路1
09によって切り替え制御される。この信号切り替え回
路95の第二の出力端子108と第二の入力端子107
との間には、所定の利得を持つ増幅器110が接続され
ている。
【0051】また、信号切り替え回路95の内部におい
て、第一の入力端子103,104と第一の出力端子1
05,106との間にはスイッチS41,S42が、第
一の入力端子103,104と第二の出力端子108と
の間にはスイッチS43,S44が、第二の入力端子1
07と第一の出力端子105,106との間にはスイッ
チS45,S46がそれぞれ接続されている。この信号
切り替え回路95としては、図6に示す回路構成のもの
をそのまま用いることができる。
【0052】上記構成の第四適用例に係る受信回路にお
いては、受信周波数に伴う2系統の帯域通過フィルタ9
3,96と帯域通過フィルタ94,97の選択と増幅、
又は帯域通過フィルタ93と帯域通過フィルタ96、帯
域通過フィルタ94と帯域通過フィルタ97の直結の選
択をSPDTスイッチ92,98と信号切り替え回路9
5によって行う。
【0053】例えば、受信帯域で強い妨害波が発生した
場合には、SPDTスイッチ55によって受信アンテナ
91と帯域通過フィルタ93を接続するとともに、SP
DTスイッチ98によって帯域通過フィルタ96と周波
数混合器99を接続する。さらに、信号切り替え回路9
5の内部の各スイッチS41〜S46によって帯域通過
フィルタ93と帯域通過フィルタ96を直接に接続す
る。
【0054】他の状態の場合にも、SPDTスイッチ9
2,98および信号切り替え回路95の内部の各スイッ
チS41〜S46によって同様に信号路の切り替えが行
われる。この信号切り替え回路95による利得切り替え
の場合にも、第三適用例の場合と同様に、直結の利得0
と増幅器110の利得の固定値の離散的な利得変化とな
る。したがって、このRF段での離散的な利得変化を補
うようにIF段における利得可変増幅器101によって
連続的に利得を変化させることにより、所望の利得を得
ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
利得0又は利得が小さい信号路を選択したときにはそれ
以外の信号路を遮断するようにしたので、信号路内の素
子のダイナミックレンジの低減の効果を損なうことな
く、システム全体の消費電力を大幅に低減できることに
なる。また、その利得の切り替えを行う手段を単一のス
イッチ手段として構成できるので、実装面積の低減、部
品点数の削減および低コスト化に起用できることにもな
る。
【0056】また、フィルタを複数に分割するなどの低
損失な回路構成を実現する場合においても、同回路構成
の利点を損なうことなく、低損失性を維持した回路構成
を実現することが可能である。さらに、従来、非効率的
な領域で動作させざるを得なかった増幅器を、同領域で
は動作を停止するようしているので、無線装置の端末の
電池寿命を長くできるなど著しい効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の変形例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一適用例を示すブロック図である。
【図4】第一適用例に係る信号切り替え回路の回路構成
を示す回路図である。
【図5】本発明の第二適用例を示すブロック図である。
【図6】第二適用例に係る信号切り替え回路の回路構成
を示す回路図である。
【図7】本発明の第三適用例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第四適用例を示すブロック図である。
【図9】一従来例を示すブロック図である。
【図10】他の従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11,36,58,73,95 信号切り替え回路 13 第一の入力端子群 15 第一の出力端子群 17 第二の入力端子群 19 第二の出力端子群 20,43,69,84,109 信号路選択回路 21-1,21-2,21-3 信号路 22-1,22-2,22-3,44,70,85,110
増幅器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの入力端子からなる第一
    の入力端子群と、この第一の入力端子群の各入力端子に
    一対一で対応する出力端子からなる第一の出力端子群
    と、少なくとも1つの入力端子からなる第二の入力端子
    群と、この第二の入力端子群の各入力端子に一対一で対
    応する出力端子からなる第二の出力端子群と、前記第一
    の入力端子群と前記第一の出力端子群の対応する入出力
    端子間を選択的に接続する第一のスイッチ群と、前記第
    一の入力端子群と前記第二の出力端子群の入出力端子間
    を選択的に接続する第二のスイッチ群と、前記第二の入
    力端子群と前記第一の出力端子群の入出力端子間を選択
    的に接続する第三のスイッチ群とを有する信号切り替え
    手段と、 前記第一,第二および第三のスイッチ群の各スイッチを
    オン/オフ制御する信号路制御手段と、 前記第二の出力端子群の各出力端子と前記第二の入力端
    子群の各入力端子との間を接続する各々利得の異なる信
    号路とを備えたことを特徴とする信号処理回路。
  2. 【請求項2】 前記第一,第二および第三のスイッチ群
    の各スイッチを構成するスイッチング素子が化合物半導
    体からなる電界効果トランジスタであることを特徴とす
    る請求項1記載の信号処理回路。
  3. 【請求項3】 前記第一,第二および第三のスイッチ群
    の各スイッチを構成するスイッチング素子が単一の半導
    体基板上に形成されていることを特徴とする請求項2記
    載の信号処理回路。
  4. 【請求項4】 高周波の信号を送信する送信回路におい
    て、利得を調整する利得調整手段として用いられたこと
    を特徴とする請求項1記載の信号処理回路。
  5. 【請求項5】 高周波の信号を受信する受信回路におい
    て、利得を調整する利得調整手段として用いられたこと
    を特徴とする請求項1記載の信号処理回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6081701A (en) * 1997-04-21 2000-06-27 Nec Corporation Gain controller
JP2006094532A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Realtek Semiconductor Corp 低ノイズ増幅器及びその方法

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