JP3772092B2 - カラー表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CRT(Cathode Ray Tube)に代わり液晶を用いた非発光型カラー表示装置であるカラー液晶ディスプレイ(以下、カラーLCDとも云う)が普及しつつある。カラーLCDの一般的な構成は、図33に示すように、冷陰極蛍光管などの白色光源11、この光源11の光およびこの光の反射器12による反射光を面状に均一照明するためのライトガイド13、反射板14、および拡散集光フィルム15からなるバックライトユニット10と、画像を表示する液晶表示素子20と、から成っている。なお、液晶表示素子20は、入射側偏光板21と、RGBカラーフィルタ(図示せず)、液晶層(図示せず)、配向膜(図示せず)、および電極(図示せず)からなる液晶パネル22と、出射側偏光板29とを有している。バックライトユニット10から照明光として出射される白色光は、液晶表示素子20の入射側偏光板21を透過する際に無偏光から直線偏光に変換され、更に液晶パネル22内に画素毎に設けられたRGBカラーフィルタにより各RGB色に色分解される。RGB色に分解された入射偏光は、画素毎に電気的に制御された液晶分子の配列に従いその偏光状態が変調され、液晶表示素子20の出射面に設けられた出射側偏光板29を透過することでON、OFF表示が行われる。カラーフィルタは液晶層に対し、光入射側ではなく出射側に位置することも多い。
【0003】
このように、カラーLCDにおいて、色分解はRGBカラーフィルタにより行われるが、カラーフィルタの着色材は顔料もしくは染料であり、一般的に分光透過率が急峻ではないため、色純度の高いRGB色に色分解を行なうことが難しいという問題がある。そのため、白色光源としてRGB波長域各々に主発光ピークを有する蛍光材料を用いた、三波長型蛍光管が光源として一般的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カラーLCDの普及に伴い、テレビジョン用途など、従来よりも高い純度のRGB色が求められるようになってきており、従来の構成での最適化では十分な性能が得られないという問題が生じている。RGB色分解時の純度低下の原因としては、先に述べたRGBカラーフィルタの色分解性能以外に三波長蛍光管における主発光ピーク以外に生じるサブピークの存在が挙げられる。
【0005】
従来の構成の延長上にある色純度向上の方策としては、カラーフィルタ透過特性の最適化があるが、透過特性は材料起因の問題であり本質的改善は難しい。また、カラーフィルタの光学濃度を向上させることにより一定の効果が得られるが、透過率低下が生じ、光利用効率の点で望ましくない。一方、蛍光体組成の変更によりサブピークの発生を抑制することも可能であるが、主発光ピークの発光効率低下やピークシフトによる色純度低下の問題が生じ、本質的改善が困難である。
【0006】
もう一つの問題として、ディスプレイ周辺に存在する光源が画面に写り込む、所謂「写り込み」の問題が挙げられる。これはバックライトからの照明光よりも強い光が画面に入射することで、液晶表示素子表面での鏡面反射により観測者に視認されるものであり、著しい表示劣化を引き起こす。従来の構成における改善策では、表面コートや拡散反射処理により鏡面反射性を低下させることが行われている。
【0007】
本発明は、色再現域を広くすることができるとともに写り込みを可及的に低減させることのできるカラー表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカラー表示装置は、白色光源を有し、この白色光源を面状に照明を行なう平面型照明装置と、前記平面型照明装置から出力される光を照明光として受け、2次元平面的に配置された画素毎に前記照明光を三原色に分解する三原色分解手段を有し、透過率あるいは反射率を変調することにより画像を表示する非発光型カラー画像表示素子と、積層された複数の複屈折性フィルムおよび少なくとも1つの偏光素子を有し、前記白色光源の三原色の主発光ピークを強調する色強調フィルタと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
なお、非発光型カラー画像表示素子はカラーフィルタ及び偏光板を備えた液晶表示素子であっても良い。
【0010】
なお、偏光素子は積層された複数の複屈折性フィルムに対して白色光源側に位置し、液晶表示素子の光入射側に設けられた偏光板との組み合わせにおいて、450以上で540nm以下の範囲および560以上で600nm以下の範囲内にそれぞれ吸収域が存在するように構成することが好ましい。
【0011】
なお、積層された複数の複屈折性フィルム及び偏光素子は、白色光源と非発光型カラー画像表示素子との間に設けるように構成しても良い。
【0012】
なお、この場合、偏光素子は非吸収性偏光板であることが好ましい。
【0013】
なお、積層された複数の複屈折性フィルム及び偏光素子は、非発光型カラー画像表示素子の表示画面上に設けても良い。
【0014】
なお、白色光源は、三波長型光源であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明によるカラー表示装置の実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
まず、本発明の実施形態を説明する前に、本発明の基本原理について説明する。
【0017】
本発明は、複数の積層された複屈折性位相差フィルムと偏光素子により、カラー表示に必要なRGB光を透過させ、それ以外の不所望光を除去する光フィルタ機能を実現させた光学素子(色強調フィルタ)を備えたカラー表示装置である。
【0018】
本発明に係る上記光学素子と類似の目的及び機能を実現する手段としては、特開平5−178623号公報などに述べられているように、特定の不所望の波長域を吸収する着色フィルタを設ける方式や、投射型表示装置の色分解合成用ダイクロイックミラー、プリズムなどに多用されている誘電体多層膜を用いる方式が知られている。しかしながら、前者の方式はカラーフィルタと同様、急峻な透過率曲線を得ることが難しく、かつ効率的な選択的光透過フィルタリングを行なうことが難しい。後者の方式は、急峻な透過率曲線を得ることが可能であるが、蒸着やスパッタリングによる多層成膜が必要であり、大面積化が困難でしかも高価である。また、光の斜め入射に対し干渉域の波長シフトが生じるため、斜め方向からの視認性も要求される直視型ディスプレイには適さない。
【0019】
また、これら従来の方式に用いられる光学素子の波長選択域は、光の垂直入射に対し偏光選択性を有さない。従って、偏光利用デバイスであるカラーLCDにおいては、本発明のように偏光選択性のある光フィルタを使用することが効果的である。
【0020】
一方で、偏光選択性を用いた類似の従来例としては、特開平3−256020号公報に示すように、表示スクリーン上に偏光板と1/4位相差フィルムを設けることで周囲光の反射を低減し、明所での表示コントラストを向上させた例が知られている。しかしながら、この従来例では可視領域全域にわたって表示偏光光と周囲光の分離を行っているに過ぎず、波長選択性は持たない。従って、以下に述べるようにRGB色分離機能を改善して表示再現域を広域化する機能を有していない。
【0021】
積層された複屈折位相差フィルムと偏光素子を用いて、特定の透過率特性を得る一般的な手法は、例えば、I.Solc(J.Opt.Soc.America Vol.55(1965)、p621−625.)や、S.E.Harris(同、Vol.54(1964)、p1267−1279.)において述べられている。複屈折位相差フィルムの光学パラメータと透過率特性は次のような関係がなりたつ。すなわち、透過率の波長プロファイルは積層される位相差フィルムの位相軸の角度と偏光素子の偏光軸角により決定され、位相差フィルムのリタデーション値を変更することで透過特性は波長シフトする(厳密には波長の逆数に対してシフトするため、長波長域では透過特性が伸張され、短波長域では圧縮される)。また、積層数を増加させると透過特性は急峻となる。
【0022】
これらの設計手法を用いて、G.D.SharpらはRGB色分離カラーフィルタを提案している(米国特許明細書第5,751,384号公報参照)。また、米国特許明細書第5,929,946号公報には、RGB波長の境界領域を除去する透過フィルタの構成が明らかに開示されている。しかしながら、前者はRGB三原色のうち、特定の波長域のみを透過させる機能を持たせた透過フィルタであり、これらを例えば積層しても、RGB波長域の何れかが欠落するため、本発明の目的とする透過率特性は得られない。
【0023】
また、後者は、先に述べたSolcの狭帯域フィルタにおける設計手法(TYPEI)を、積層した層の前段と後段において位相角の符号を反転させることにより干渉域を高調域化して得られるものである。SolcおよびSharpの設計概念図を図27(a)および図27(b)にそれぞれ示す。上記設計手法では以下に述べるように、現在主に使用されている三波長光源の主発光波長ピークに合致せず、本目的を達成することはできない。
【0024】
その理由を具体的に明らかにするために、まず米国特許明細書第5,929,946号公報の図38、39(以下Sharpの設計と記す)において示されている構成をSolcの設計方法と対比させながら明らかにする。図28(a)、(b)は、Sharpの設計値(図28(b))およびSharpの設計値の原型となるSolcの設計値(図28(a))を示したものである。また、図29は複屈折波長フィルムとしてPC(ポリカーボネート)を使用した際の理想偏光板(透過軸透過率1.0、偏光度100%)間に挟まれたフィルタの透過率特性を示したものである。Solcのフィルタは「折り畳み型フィルタ(Folded Filter)」とよばれるフィルタ構成であり、複屈折フィルム層をN層とした際に、ρ=45°/Nとすると、偏光透過軸と進相軸とのなす角度として、第1層を角度ρ、第2層を−ρ、以下ρ、−ρ、・・・として得られる構成である。この場合、複屈折フィルムの複屈折をΔn(=n−n)、フィルム厚をdとしてリタデーション値Δn・dから定義されるリタデーション波長λ=Δn(λ)×d=440nmのフィルム2層を1単位としてN=3とすることで、ρ=15°となり、図28(a)に示す構成が得られる。なお、nは異常光線屈折率であり、nは常光線屈折率である。また、リタデーション波長λは、複屈折位相差フィルムを直交ニコル間に配置し、位相軸方位を偏光軸に対し45°方向とした場合に得られる透過率波長分散曲線の最大値をとる波長の1/2として測定される。
【0025】
一方、Sharpの設計はρ/−ρ/ρというSolcの基本構成を、前段と、この前段と符号を反転させた後段との2段とし、前段と後段の結合部を一部変更した構成となっている。即ち、ρ/−ρ/ρという前段と−ρ/ρ/−ρという後段の合成ρ/−ρ/ρ/−ρ/ρ/−ρの中央部ρ/−ρを0°で置き換え、ρ/−ρ/0°/ρ/−ρとしたものであるということが分かる。この構成を取ることでSolcのフィルタにおける透過率特性に折り返しが生じ、「W」型の透過率特性が得られる。つまり、図27(a)、(b)において模式的に示したように、500〜600nmにおける2つの吸収波長は独立ではなく、一つの設計から一意に決まる値であることが分かる。
【0026】
これらのフィルタにおいて、複屈折フィルムの進相軸角は透過率プロファイルを与えるが、リタデーション値Δn・d及び複屈折の材料から決まる複屈折Δnの波長分散はフィルタのピーク波長を決定する。Solcによれば、フィルタの透過率プロファイルはω=2π・Δn・d/λで定義されるωの余弦関数和で表わされ、ピーク波長λはω=2π・K(K=0.5、1.5、2.5、・・・)を満たす場合、即ちΔn・d/λ=0.5、1.5、2.5、・・・により与えられる。ここで、Δn=Δn(λ)である。図29においては、λ=440nmとなるPC(ポリカーボネート)の膜厚は、その複屈折波長分散特性から545nmにおいてΔn・d=409nmとなる。そして、2層を1単位として扱うことでフィルム厚dは2倍になっていることに留意すると、409nm×2/545nm=1.5となるので、545nmがピーク波長となることが示される。図29に示す透過率特性をω/ωの関数として表した特性図を図30に示す。
【0027】
以上の議論から、位相差フィルムの枚数と進相軸方位がフィルタの透過率プロファイルを決定する本質的な設計パラメータであり、リタデーション波長λと位相差フィルムの波長分散Δn(λ)がピーク波長λやピークの半値幅などを決める付随的な設計パラメータとなっていることが分かる。
【0028】
ここまでの検討結果を用いて、Sharpの設計が今回の目的に合致しないことを示すことができる。三波長蛍光管の主発光ピークはB(青)が435nm(水銀(Hg)の輝線が435nm、蛍光体の主発光ピークが445nmとなっている)、G(緑)が543nm、R(赤)が610nmであり、λ=543nmである。B、Rの発光波長を透過域とするには、図30からλ=435nmにおいてω/ω>1.2、λ=610nmにおいてω/ω<0.8を満たさなくてはならない。ω/ω=(Δn(λ)・λ)/(Δn・λ)であるから、λ=435nmにおいて、Δn(λ)/Δn>0.96、λ=610nmにおいて、Δn(λ)/Δn<0.90となることが必要である。
【0029】
ここで、図31に様々な複屈折フィルム材料の複屈折波長分散をΔn(λ)/Δnとして、上記条件と併せて示す。図31から明らかなように、Rの主発光ピークが透過域となるような高波長分散の複屈折フィルム材料、すなわち543nmの複屈折値に対して610nmの値が0.90となるような材料を選択することは困難であり、仮にそのような複屈折材料が得られたとしても、Bの主発光ピークにおける最適値から大きく外れてしまう可能性が高い。
【0030】
図32に、図31に示した複屈折フィルム材料でSharpのフィルタ構成を実現した場合の透過率特性と、三波長蛍光管の発光特性101を示す。図32から分かるように、このような複屈折フィルム材料でSharpのフィルタを構成しても、Rの主発光ピーク波長610nmにおける透過率が大きく低下するため、光利用効率の低下及びホワイトバランスのシフトが生じ、本発明の目的には合致しないことが示される。
【0031】
本発明の目的に合致した透過特性を得るためには、次のような指針で設計を行なうことが望ましい。すなわち、RGB三波長ピーク間の2つの領域、B−G波長域とG−R波長域それぞれに吸収域を有し、他の波長域について全透過を行なうフィルタを合成するように積層する(図10(a)、(b)参照)。例えば図10(a)においては、B−G波長域に透過特性を有するフィルタ120と、G−R波長域に透過特性を有するフィルタ122とを合成するように積層し、図10(b)においては、B−G波長域に透過特性を有するフィルタ124と、G−R波長域に透過特性を有するフィルタ126とを合成するように積層する。このような吸収フィルタの透過率形状は、Solcらが提案した狭帯域フィルタ(ノッチフィルタとも云う)例えば図10(a)、(b)においてはフィルタ120,122,126や、台形状フィルタ例えば図10(b)においては、フィルタ124が望ましい。特に、後述するように通常用いられる三波長蛍光管材料においてはB−G波長域間が広く、G−R波長域間が狭いので、例えば図10(b)に示すように、前者を台形状フィルタ、後者を狭帯域フィルタで構成することが好適である。
【0032】
上記フィルタを実現する具体的手段のうち、狭帯域フィルタの設計方法はSolcらに開示されている方法に基づく。例えば、平行ニコル間に「折り畳み型」フィルタを配置する設計例を設計1〜9として図11(a)、(b)、(c)に示した。値は複屈折フィルムの各層における透過偏光軸に対する角度である。複屈折位相差フィルムの枚数をNとすると、進相軸方位を決めるパラメータρとαは、
N・ρ+(N−1)・α/4=45° (1)
を満たすように決められる。αはフィルタ形状を決める補助パラメータであり、任意であるが、設計例として各N毎にα=0°、1°、ρとして示した。Nは複屈折フィルム層の層数であって、奇数からなり、Nを大きくするほどフィルタのサイドピークが滑らかになるが、実用上N=3〜9が適当である。
【0033】
図11に示した進相軸角を用い、三波長蛍光管の主発光ピーク間に吸収ピークが来るように、複屈折Δnの波長分散を考慮しながら複屈折位相差フィルムのリタデーション波長λを与えることで、本発明の目的を達成することができる。図12、図13、図14は、各設計例の構成について、三波長間のG、R主発光ピーク間にピーク波長が位置するよう、リタデーション波長λは、λ=820nmのPC(ポリカーボネート)を複屈折位相差フィルムとして用いた場合の透過率プロファイルである。図12、図13、図14から分かるように、N=7もしくは9、α=0〜1°が最適なパラメータ値であるといえる。なお、図12、図13、図14において、符号101は、三波長冷陰極蛍光管の発光スペクトル分光特性を示すグラフである。
【0034】
ここで、複屈折材料の波長分散特性を考慮しながら吸収ピーク波長が所望の波長となるようにリタデーション波長λを決める具体的方法について述べる。「折り畳み型」フィルタにおいて、吸収ピーク波長λ
K=Δn・d/λ=0.5、1.5、2.5、・・・ (2)
として与えられる。ここで、Δnはピーク波長λにおける複屈折、即ちΔn=Δn(λ)である。本設計例においてK=1.5、λ=580nmとすると、Δn・d=870nmとなる。
【0035】
一方、複屈折Δnの分散曲線は、例えば
Δn(λ)=(A・λ+B)/(λ−C) (3)
として、複屈折材料に依存するパラメータA、B、Cを用いて表わすことができる。(2)式と(3)式からフィルム厚dが求められるので、リタデーション波長の定義
λ=Δn(λ)×d (4)
から、3次方程式
λ −A・d・λ −C・λ−d・B=0 (5)
を解くことによりリタデーション波長λを求めることが可能となる。
【0036】
図15に、550nmにおける複屈折を1として各複屈折材料に対する波長分散パラメータ及び、λ=580nmとした場合に求められる各リタデーション波長λを表にして示す(各複屈折材料における波長分散特性は図31に示した)。また、各複屈折材料における設計例4の結果を図16に示す。このように、いかなる波長分散特性を有する複屈折材料を用いても、上記手続きに従ってフィルタを構成することで最適なフィルタ特性を得ることが可能となる。なお、図16において、符号101は、三波長冷陰極蛍光管の発光スペクトル分光特性を示すグラフである。
【0037】
次に、狭帯域フィルタを構成するもう一つの例として、直交ニコル間に「扇型フィルタ(Fan Filter)」を配置する設計例を設計10〜18として図17(a)、(b)、(c)に示す。図11と同様に、進相軸角パラメータρ、αは(1)式から決められる。ここで、偏光板透過軸は第1層(No.1)側を0°、第N層側を90°とした。「扇型」フィルタは「折り畳み型」フィルタに比べ吸収ピーク半値幅が広いため、B−G間の吸収フィルタとして使用すると都合が良い。「扇型」フィルタにおいてピーク波長λの条件は
K=Δn・d/λ=1、2、3、・・・ (6)
となる。従って、K=1とすると(4)式からピーク波長λがリタデーション波長λとなり、複屈折材料によらず所望する吸収ピーク波長をリタデーション波長として使用すればよい。λ=λ=480nmとして、複屈折材料にPCを用いた場合における設計例10〜18のフィルタ特性を図18、図19、図20に示す。また、各複屈折材料における設計例14のフィルタ特性を図21に示す。図18、図19、図20より、N=5もしくは7が最適なフィルム枚数であることが分かる。なお、図18、図19、図20において、符号101は、三波長冷陰極蛍光管の発光スペクトル分光特性を示すグラフである。
【0038】
B−G主発光ピーク間における吸収フィルタには、上記ノッチフィルタよりも波長域を広く取れる台形状フィルタがより適している。フィルタの急峻性においては台形状フィルタよりも矩形状フィルタの方が望ましいが、矩形状フィルタを限られた枚数の複屈折位相差フィルムで構成しようとすると透過域にフリンジが発生するため、実用的には台形状フィルタを用いるのが適している。
【0039】
台形状フィルタを設計する具体的手順は以下の通りである。まず第1に
ω=2π・Δn・d/λ (7)
で定義されるωに対する透過率曲線を決定する。ここで、台形関数にはフーリエ級数
【数1】
Figure 0003772092
を用いることにした。ここで、dとΔdは台形形状を決めるパラメータであり、mは1〜Nの有限フーリエ級数である。Nは複屈折位相差フィルム枚数であり奇数を取る。ωに対する(8)式の曲線の例を図22に示す。(8)、(9)式は上に凸の台形関数であるから、
|D(ω)|=1−T(ω) (10)
となる|D(ω)|が本発明の目的に合致した台形状吸収フィルタ特性を表わす。
【0040】
次に、用いる複屈折材料の複屈折波長分散特性に留意しながらピーク波長λと形状パラメータd、Δdを決めればよい。図22と(7)式より、ピーク波長は
K=Δn・d/λ=1、2、3、・・・ (11)
で与えられる。適当なKの値を選び、上述した方法でピーク波長λからリタデーション波長λを求めることにより、所望の台形状吸収フィルタ曲線を設計することが可能となる。K=2とし、ピーク波長λ=480nmとしてB−G吸収フィルタを図15の複屈折特性を有する複屈折材料で設計した例を図23〜26に示す。これらの特性より、N=3もしくは5枚で所望のフィルタ特性が得られることが分かる。また、図23〜26には複屈折位相差フィルム各層の進相軸方位と出射側偏光板(検光子)の透過偏光軸方位を併せて示した。これらの値は入射側偏光板の偏光透過軸方位を0°として示している。各進相軸方位の値は、(9)式で表わされる(8)の係数値C〜Cから、
【数2】
Figure 0003772092
で表わされる電場応答関数C(ω)、D(ω)の各係数A〜A、B〜Bを求め、Harrisらによって導かれたこれら係数の値と進相軸方位の関係式から求められる。例えば、出射側偏光板の透過偏光軸方位をθとすると、
【数3】
Figure 0003772092
のように表わされる。
【0041】
以上述べてきたように、本発明の目的である、三波長蛍光管の主発光ピーク以外の不所望成分を除去し、色再現範囲を拡大するという課題を解決するにあたり、従来提案されてきたフィルタでは問題を解決することが困難であり、課題を解決する新たな色強調フィルタの構成及びその具体的設計手法を示し、更にはそれを用いた新規なカラー表示装置の構成を提案するものである。以下、本発明で提案する新規なカラー表示装置の構成について述べる。
【0042】
本発明を構成する要素のうち、複屈折位相差フィルムはPC(ポリカーボネート)やPVA(ポリビニルアルコール)製の位相差フィルムを使用することが望ましいが、PSF(ポリスルフォン)やPMMA(ポリメチルメタアクリレート)など、他の材質を用いても複屈折の波長分散を考慮してリタデーション値を変更することにより同等の特性が実現できる。また、斜め方向からの視認性を考慮して、斜め入射においても一軸性位相差フィルムに比べリタデーション値が変化しにくい三次元補償フィルム(二軸性位相差フィルム)を用いることが望ましい。三次元補償フィルムは、例えば日東電工社製のNRZシリーズなどが使用可能である。
【0043】
偏光素子としては、通常のヨウ素系や染料系偏光板(例えば日東電工NPF−1425DUやポラテクノKNシリーズ)を用いることも可能であるが、複屈折位相差フィルム層に対し光源側に配置される場合は、非吸収性偏光板であることが光利用効率上望ましい。なぜなら、偏光板の吸収軸に吸収される光成分を再帰的に利用することが可能となるからである。非吸収性偏光板の条件は、直線偏光子であることが要求される。例えば、複屈折性ポリマーを積層し誘電体多層膜を形成した住友3M社のDBEFや、異方拡散反射性に基づく非吸収性偏光素子である同社製DRPF−Hなどが使用でき、偏光を分離する原理は問わない。但し、Merck社のTransMaxや日東電工社製のPCF300のようにコレステリック液晶ポリマーの円偏光選択性を利用した非吸収性偏光素子の場合には、出射円偏光を直線偏光に変換する1/4波長フィルムを複屈折位相差フィルム層と偏光板間に付加する必要がある(なお、製品によっては、非吸収性偏光素子に1/4波長フィルムが付加され直線偏光を出射するものもある)。または、円偏光を入射偏光として、透過率特性が仕様を満足するよう複屈折層の積層パラメータを設計することが必要となる。偏光素子の偏光度は高いほど望ましいが、先に述べた非吸収性偏光素子などのように、偏光度が90%以下の偏光素子を用いても十分に所望の効果を得ることができる。
【0044】
複屈折位相差フィルム層と偏光素子の位置は、光源と液晶表示素子、あるいは液晶表示素子の前面(観測面)側に設けられる。前者の配置において、例えば偏光素子を光源とライトガイドとの間、複屈折位相差フィルム層をライトガイドと液晶表示素子との間に配置するなど、近接していなくても構わないが、密接している方が偏光度を保つ点で望ましい。同様に、複屈折位相差フィルムの出射面と液晶表示素子の入射側偏光板も密接している方が望ましい。
【0045】
白色光源としては、カラーLCDにおいて一般的に使用される三波長冷陰極蛍光管を使用することが望ましい。蛍光材料としては、R用蛍光体として610nmの発光ピークを有するY:Eu3+、G用蛍光体として543nmに発光ピークを有するCeMgAl1119:Tb3+、LaPO:Ce3+,Tb3+、La・0.2SiO・0.9P:Ce3+,Tb3+、B用蛍光体として435〜452nmに発光ピークを有するBaMgSi:Eu2+、CaWO:Pb2+、BaMgAl1627:Eu2+、(Sr,Ca)10(POCl:Eu2+、3(Sr,Ca,Ba)(PO:Eu2+、(Sr,Ca,Ba)10(POCl・nB:Eu2+などを用いることができるが、上に述べた以外の蛍光体材料においても、主発光ピークが上に述べた範囲に含まれる蛍光体材料であれば本発明に使用可能であることは明らかである。平面型光源の形態としては、液晶表示素子直下に白色光源が配置された、所謂直下型構造でも、液晶表示素子下部にライトガイドを設けたサイドライト型構造でもどちらでも良い。
【0046】
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明の構成は実施形態に述べた限りではなく、本実施形態に述べた構成を様々に組み合わせて使用することが可能である。
【0047】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態のカラー表示装置の構成を模式的に示した図である。この実施形態のカラー表示装置は、冷陰極蛍光管などの白色光源11、この光源11の光およびこの光の反射器12による反射光を面状に均一照明するためのライトガイド13、反射板14、拡散集光フィルム(住友3M製BEF)15、および拡散シート(図示せず)からなるバックライトユニット10と、画像を表示する液晶表示素子20と、複屈折位相差フィルム層30および非吸収性偏光板(住友3M製DBEF)40からなる色強調フィルタと、を備えている。液晶表示素子20は、入射側偏光板21と、RGBカラーフィルタ23と、液晶層25と、配向膜および電極24,26からなる液晶パネル22と、出射側偏光板29とを有している。バックライトユニット10から照明光として出射される白色光は、非吸収性偏光板40を透過する際に無偏光から直線偏光に変換され、複屈折位相差フィルム層30に入射する。非吸収性偏光板40を透過しない光成分は拡散集光フィルム15側に反射され、反射板14、ライトガイド13、拡散集光フィルム15、拡散シート(図示せず)の各界面における拡散反射により無偏光化され、再帰的に非吸収性偏光板40に入射する。複屈折位相差フィルム30に入射した直線偏光は波長毎に位相変調され、液晶表示素子20の入射側偏光板21を通過する際に、白色光源11に含まれる不所望光成分が吸収される。このように、主発光ピーク成分のみが液晶パネル22に入射し、更に液晶パネル22内に画素毎に設けられたRGBカラーフィルタ23により各RGB色に色分解される。RGB色に分解された入射偏光は、画素毎に電気的に制御された液晶分子の配列に従いその偏光状態が変調され、液晶表示素子20の出射面に設けられた出射側偏光板29を透過することでON、OFF表示が行われる。カラーフィルタは液晶層に対し、光入射側ではなく出射側に位置することも多い。
【0048】
図2に、液晶表示パネル22内に設けられたRGBカラーフィルタ分光特性102,103,104及び三波長冷陰極蛍光管の発光スペクトル101を示す。図33に示す従来のカラー表示装置では、図2の両者の分光特性及び、液晶パネル22内の液晶層25のリタデーションから図7に示すRGB色再現域110が決定される。なお、図7は、u’v’色度図であり、符号109は、本発明のカラー表示装置におけるRGB色再現域を示す。
【0049】
一方、本実施形態においては、色強調フィルタを構成する、複屈折位相差フィルム層30および非吸収性偏光板40は、バックライト10と液晶表示素子20の入射側偏光板21間に設けられている。複屈折位相差フィルム層30、非吸収性偏光板40、および液晶表示素子20の入射側偏光板21における光学配置を図3に示す。複屈折位相差フィルム層30は計12層からなり、日東電工製2軸補償フィルムNRZシリーズを用いた。これらは、5層のリタデーション850nmの複屈折位相差フィルム層と、7層から成るリタデーション820nmの複屈折位相差フィルム層とから構成されている。前者は三波長冷陰極蛍光管の主発光ピークBG間、後者はGR間のサブピーク吸収フィルタを目的として配置されている。三波長冷陰極蛍光管の主発光ピークはB:435nm、G:543nm、R:610nmであり、BG発光ピーク波長間隔がやや広いため、BG間の吸収フィルタは台形状、GR間吸収フィルタはノッチフィルタとしてそれぞれ設計した(図10(b)参照)。各々の吸収フィルタを偏光度100%の理想偏光板間で実現した設計値を図4に示す。各リタデーション値は複屈折の波長分散を考慮して決定した。図4において、符号101は、三波長冷陰極管の発光スペクトル分光特性を示すグラフ、符号105は、B−G間吸収フィルタ透過率特性を示すグラフ、符号106は、G−R間吸収フィルタ透過率特性を示すグラフである。
【0050】
図3の設計値を実際の非吸収性偏光板(DBEF)、入射側偏光板(日東電工EG1425DU)で構成した時の透過率特性107を図5に示す。各RGB主発光ピークは透過し、主発光ピーク間のサブピークを吸収する透過特性が実現できていることが分かる。本フィルタを通過後の発光スペクトルを図6に示す。図中矢印に示したサブピークが除かれ、液晶パネル20を照明する光は色純度に優れた主発光スペクトルのみになっていることが分かる。すなわち、本実施形態にかかる色強調フィルタは、白色光源11の三原色の主発光ピークを強調する構成となっている。
【0051】
以上述べたように、本実施形態により白色光源である三波長冷陰極蛍光管のサブピークを減少させることが可能となった。図2に示した特性のRGBカラーフィルタを用いてRGB表示した際の色再現域109を図7に示す。従来のカラー表示装置の色再現域110に比べ、RGB色再現域が増大していることが分かる。
【0052】
また、本実施形態における光利用効率を従来例と比較すると、非吸収性偏光板40を複屈折位相差フィルム層30の入射側偏光板に用いることにより、液晶パネル20の入射側偏光板で吸収される不所望偏光成分はバックライトユニット10側に反射されて、反射シート14などバックライト各界面における拡散反射時の偏光解消と再帰反射により入射側偏光板を透過する所望偏光成分に変換されるため、実効的な光束量は約1.6倍に増加する。複屈折位相差フィルム層30での主発光ピーク透過効率は約80%であるから、最終的な照明効率は従来の1.28倍となる。従って、本実施形態を用いることにより、照明効率は従来の構成と同等以上で、液晶表示素子20及びバックライトユニット10の構成を変更することなく色再現域を増大させることが可能となった。
【0053】
(第2の実施形態)
図8に本発明によるカラー表示装置の第2の実施形態の構成を示す。本実施形態においては、バックライトユニット10Aは冷陰極蛍光管11が複数本、液晶表示素子20の直下に配置された直下型構造をしており、色強調フィルタを構成する、複屈折位相差フィルム層30および吸収性偏光板42は液晶表示素子20の上部に配置されている。複屈折位相差フィルム層30及び吸収性偏光板42の配置順とバックライトユニット10Aの構造には直接の関連性は無く、第1の実施形態のように側部に冷陰極蛍光管が配置されたサイドライト構造であっても全く構わない。この実施形態にかかる色強調フィルタも第1の実施形態の場合と同様に白色光源11の三原色の主発光ピークを強調する構成となっている。
【0054】
本実施形態では、色強調フィルタを構成する複屈折フィルム層30及び偏光板42が画面上部に配置されていることにより、これらの複屈折フィルム層30及び偏光板42は、周囲光の写りこみの低減、即ち液晶表示素子20の観測側からの照明光反射を効果的に低減する反射防止層としても機能する。これは、透過光に対してはRGB色強調フィルタとして機能し、液晶表示素子20の界面にて反射する反射光に対しては、複屈折位相差フィルム層30での偏光変換効果により最上部の偏光板42で反射光が吸収される効果によるものである。
【0055】
本実施形態の構成においては偏光板42が通常の吸収性偏光板であるために、透過率は従来の70%程度に低下するが、照明光となる蛍光体の波長成分のみを透過し、それ以外の波長成分を吸収する機能を果たすため、周囲の環境光からの表示画面への写り込みを実効的に減らすことが可能となり、実効的なコントラストを著しく向上させることが可能となる。
【0056】
なお、この第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、色再現域を広くすることができる。
【0057】
(第3の実施形態)
図9に本発明によるカラー表示装置の第3の実施形態の構成を示す。本実施形態のカラー表示装置は、第1の実施形態のカラー表示装置において、薄型化を図るため、色強調フィルタを構成する、複屈折位相差フィルム層30及び非吸収性偏光板40を白色光源11とライトガイド13間に配置したことを特徴とする。本実施形態の構成を取ることで、比較的積層数の多い複屈折位相差フィルム層30の必要面積を削減し、カラー表示装置の厚みを低減することが可能である。必須な偏光板40は白色光源11と複屈折位相差フィルム層30との間に配置されている。この実施形態にかかる色強調フィルタも第1の実施形態の場合と同様に白色光源11の三原色の主発光ピークを強調する構成となっている。なお、本実施形態においては、上記複屈折位相差フィルム層30及び非吸収性偏光板40の他に、複屈折位相差フィルム層30とライトガイド13間には偏光板44、ライトガイド13と液晶表示素子20間には非吸収性偏光板46、および非吸収性偏光板46と液晶表示素子20との間には1/2波長フィルム60が更に設けられた構成となっている。
【0058】
本実施形態では照明効率向上のために非吸収性偏光板40を配置したが、効率の点以外では一般的な吸収性偏光板であっても良い。非吸収性偏光板40の場合は反射された不所望偏光光が蛍光管11及びリフレクタ12での再帰反射により偏光解消され、透過効率が向上する。複屈折位相差フィルム層30とライトガイド13間に設けられた偏光板44、ライトガイド13と液晶表示素子20間にある非吸収性偏光板46は必須ではないが、ライトガイド13中での導光及び出射の際に偏光度が減少するため、特性保持の観点から設置が望ましい部材である。前者の偏光板44は吸収フィルタの透過率特性を確保し、後者の偏光板46はバックライトを出射した際の偏光度低下に起因する液晶パネル20の偏光板21での吸収を低減させるためのものである。
【0059】
また、ライトガイド中の導光時に偏光度が保存される望ましい出射偏光方向は、偏光面がライトガイドの底面に水平あるいは垂直である。従って、偏光度を保ったまま効率良く照明光が出射されるのは、画面に対し水平(0°)または垂直方向(90°)に偏光面がある場合である。一般的な液晶表示素子20の偏光板方位は視角の問題から45°方向に配置される場合が多く、1/2波長フィルム60は照明光の出射偏光方向(非吸収性偏光板の透過軸に一致)と液晶表示素子20の偏光板21の偏光透過軸方位を2分する方位に進相軸が配置されることにより所望の方位に偏光面を変換する機能を持つ。
【0060】
従って、入射側偏光板の透過軸方位が画面に対し水平あるいは垂直の場合、もしくはライトガイド中での偏光解消が大きく、照明効率の非吸収性偏光板方位依存性が無い場合などは1/2波長フィルム60を必要としない。
【0061】
また、1/2波長フィルム60はその波長分散を低減するために複数枚使用することもある。例えば、2枚使用する際は、照明光の出射偏光方向と液晶表示素子20の偏光板透過軸方位を4分し、それぞれ1/4、3/4の方位に配置すると良い。
【0062】
この第3の実施形態も第1の実施形態と同様に、色再現域を広くすることができるとともに、写り込みを可及的に少なくすることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、RGB色再現域を広くすることができるとともに写り込みを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカラー表示装置の第1の実施形態の構成を示した図。
【図2】第1の実施形態及び従来例において、光源の発光スペクトルとRGBカラーフィルタの分光特性を示した図。
【図3】第1の実施形態における各光学素子の光学パラメータを示した図。
【図4】第1の実施形態における吸収フィルタの設計値を示した図。
【図5】第1の実施形態において吸収フィルタの透過率特性を示した図。
【図6】第1の実施形態において吸収フィルタ透過後の発光スペクトルを示した図。
【図7】第1の実施形態及び従来例のRGB色再現域を示した図。
【図8】本発明によるカラー表示装置の第2の実施形態における構成を示した図。
【図9】本発明によるカラー表示装置の第3の実施形態における構成を示した図。
【図10】本発明の吸収フィルタ設計概念を示した図。
【図11】本発明に用いられる第1のフィルタ設計例を示した図。
【図12】図11に示されたフィルタ設計例の特性図。
【図13】図11に示されたフィルタ設計例の特性図。
【図14】図11に示されたフィルタ設計例の特性図。
【図15】複屈折材料の波長分散特性パラメータを示した図表。
【図16】図11に示されたフィルタ設計例において、図15に示された複屈折材料におけるフィルタ特性図。
【図17】本発明に用いられる第2のフィルタ設計例を示した図表。
【図18】図17に示されたフィルタ設計例の特性図。
【図19】図17に示されたフィルタ設計例の特性図。
【図20】図17に示されたフィルタ設計例の特性図。
【図21】図17に示されたフィルタ設計例において、図15に示された複屈折材料におけるフィルタ特性図。
【図22】本発明に用いられる第3のフィルタ設計における基本フィルタ特性を示した図。
【図23】第3のフィルタ設計における第1の設計例を示した図。
【図24】第3のフィルタ設計における第2の設計例を示した図。
【図25】第3のフィルタ設計における第3の設計例を示した図。
【図26】第3のフィルタ設計における第4の設計例を示した図。
【図27】従来における吸収フィルタ設計概念を示した図。
【図28】従来の吸収フィルタにおける設計例を示した図。
【図29】図28の設計例におけるフィルタ特性を示した図。
【図30】図29のフィルタ特性をωの関数として示した図。
【図31】各種複屈折材料における複屈折の波長分散と従来のフィルタ設計に必要とされる値を示した図。
【図32】従来の吸収フィルタにおいて、複屈折材料を変えてフィルタを構成した場合のフィルタ特性を示した図。
【図33】従来のカラー表示装置の構成を示した図。
【符号の説明】
10 バックライトユニット
11 白色光源
12 反射器
13 ライトガイド
14 反射板
15 拡散集光フィルム
20 液晶表示素子
21 入射側偏光板
22 液晶パネル
23 RGBカラーフィルタ
24,26 配向膜および透明電極
25 液晶層
29 出射側偏光板
30 複屈折位相差フィルム
40、46 非吸収性偏光板
42 吸収性偏光板
44 偏光板
60 1/2波長フィルム
101 三波長冷陰極蛍光管の発光スペクトル分光特性
102 ブルーカラーフィルタ分光透過率特性
103 グリーンカラーフィルタ分光透過率特性
104 レッドカラーフィルタ分光透過率特性
105 BG間吸収フィルタ透過率特性
106 GR間吸収フィルタ透過率特性
107 第1の実施形態における吸収フィルタ透過率特性
108 吸収フィルタ透過後の発光スペクトル分光特性
109 本発明のカラー表示装置における色再現域
110 従来のカラー表示装置における色再現域

Claims (4)

  1. 三波長型光源を有し、この三波長型光源光を面状に照明する平面型照明装置と、
    前記平面型照明装置から出力される光を照明光として受け、2次元平面的に配置された画素毎に前記照明光を三原色に分解する三原色分解手段を有し、透過率あるいは反射率を変調することにより画像を表示する非発光型カラー画像表示素子と、
    積層された複数の複屈折性フィルムおよび少なくとも一つの偏光素子を有し、前記三波長型光源の三原色の主発光ピークを強調する色強調フィルタと、
    を備え、前記非発光型カラー画像表示素子はカラーフィルタおよび偏光板を備えた液晶表示素子であり、前記偏光素子は前記積層された複数の複屈折性フィルムに対し前記三波長型光源側に位置し、前記積層された複数の複屈折性フィルムは、前記偏光素子と前記液晶表示素子の光入射側に設けられた前記偏光板との組み合わせにおいて、450nm以上540nm以下の範囲に吸収域を有する台形フィルタとなる複数枚の第1複屈折性フィルム層と、560nm以上600nm以下の範囲に吸収域を有する狭帯域フィルタとなる複数枚の第2複屈折性フィルム層と、を備えていることを特徴とするカラー表示装置。
  2. 前記積層された複数の複屈折性フィルムおよび前記偏光素子は、前記三波長型光源と前記非発光型カラー画像表示素子との間に設けられたことを特徴とする請求項1記載のカラー表示装置。
  3. 前記偏光素子は非吸収性偏光板であることを特徴とする請求項2記載のカラー表示装置。
  4. 前記積層された複数の複屈折性フィルムおよび前記偏光素子は、前記非発光型カラー画像表示素子の表示画面上に設けられたことを特徴とする請求項1記載のカラー表示装置。
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