JP3771963B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号伝達方法および装置並びにX線CT装置に関し、特に、相対的に運動する2つの系の間で信号を伝達する方法および装置の改良並びにそのような信号伝達装置を利用したX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる第3世代のX線CT装置においては、X線照射器とX線検出器を回転枠上に互いに対向させて搭載し、これらX線照射器とX線検出器の対向空間に被検体を挿入し、扇状のX線ビームを照射しながら回転枠を回転(スキャン(scan))させて被検体を透過したX線を被検体の周囲の複数の方向(ビュー(view))において測定するようになっている。
【0003】
透過X線は多数のX線検出素子を扇状X線ビームの広がりの方向に配列した多チャンネルのX線検出器によって測定される。それら測定データは画像再構成装置に与えられ被検体の断層像の再構成に利用される。
【0004】
回転する支持枠に搭載されたX線検出器の測定データを非回転側にある画像再構成装置に伝達するために、スリップリング(slip ring) 機構が用いられる。スリップリング機構はスリップリングとブラシとの接触部を通じて回転側から非回転側へ電気信号の伝達を行なうようになっている。このため、回転側はエンドレス(endless) に回転できるようになり、回転側から非回転側に信号線を用いて信号伝達する場合に比べて遙かにスキャンの自由度が高くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
スリップリング機構はスリップリングとブラシとの接触部を通じて電気信号の伝達を行なうものであるから、この部分の接触抵抗は長期間にわたって安定したものでなければならない。さもないと電気信号の伝達が不安定になって測定データに誤差や欠落を生じ、結果として再構成画像の品質低下を招く。
【0006】
そこで、スリップリングとブラシの構造、材料、表面処理、接触機構等について種々の工夫がなされているが、多様な環境条件の下で長期にわたって安定な信号伝達を行なうスリップリング機構を実現することは容易でない。
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、相対的に運動する2つの系の間で非接触で信号伝達を行なう信号伝達方法および装置並びにX線CT装置を実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔1〕課題を解決するための第1の発明は、相対的に運動する2つの系の一方に前記相対的な運動の軌道に沿って導体を設け、前記導体を両端においてそれぞれ実質的に抵抗で終端し、前記相対的に運動する2つの系の他方から一方に前記導体の一部への非接触な高周波結合により電気信号を伝達することを特徴とする信号伝達方法である。
【0009】
課題を解決するための第1の発明によれば、相対的に運動する2つの系の一方に相対的な運動の軌道に沿って導体を設け、この導体の両端をそれぞれ抵抗で終端するとともに導体の一部への非接触な高周波結合により電気信号を伝達するようにしたので、相対的に運動する2つの系の間で非接触で信号伝達を行なう信号伝達方法を実現することができる。
【0010】
なお、課題を解決するための第1の発明において、「実質的に抵抗で終端」することの範疇には下記のものが含まれる。但し下記は例示であって限定を意味しない。
(1)実際に抵抗で終端すること
(2)導体に接続された電気回路等の等価入力抵抗で実質的に終端すること
(3)導体に接続された電気回路等の等価出力抵抗で実質的に終端すること
(4)導体に接続された電気回路等の等価内部抵抗で実質的に終端すること
【0011】
〔2〕課題を解決するための第2の発明は、相対的に運動する2つの系の一方に前記相対的な運動の軌道に沿って設けられ両端がそれぞれ実質的に抵抗で終端された導体と、前記相対的に運動する2つの系の他方に設けられ前記導体の一部に非接触で高周波結合する結合手段とを具備することを特徴とする信号伝達装置である。
【0012】
課題を解決するための第2の発明によれば、相対的に運動する2つの系の一方に相対的な運動の軌道に沿って導体を設けてこの導体の両端をそれぞれ抵抗で終端し、相対的に運動する2つの系の他方に導体の一部に非接触で高周波結合する結合手段を設けるようにしたので、相対的に運動する2つの系の間で非接触で信号伝達を行なう信号伝達装置を実現することができる。
【0013】
なお、課題を解決するための第2の発明において、「実質的に抵抗で終端」することの範疇は前述の通りである。
〔3〕課題を解決するための第3の発明は、X線照射手段と、X線検出手段と、前記X線照射手段と前記X線検出手段とを空間を隔てて互いに対向させて搭載した回転枠と、非回転側に配置され前記X線検出手段の検出信号に基づいて画像再構成を行う画像再構成手段とを有するX線CT装置において、前記回転枠の回転の軌道と同心の円に沿って前記非回転側に設けられ両端がそれぞれ実質的に抵抗で終端された導体と、前記回転枠側に設けられ前記導体の一部への非接触な高周波結合により前記X線検出器の検出信号に基づく信号を前記導体に供給する信号供給手段と、前記非回転側に設けられ前記導体に供給された信号を受信してそれに基づく出力信号を前記画像再構成手段に供給する受信手段とを具備することを特徴とするX線CT装置である。
【0014】
課題を解決するための第3の発明によれば、回転枠の回転の軌道と同心の円に沿って設けられ両端がそれぞれ抵抗で終端された導体を非回転側に設け、導体の一部への非接触な高周波結合によりX線検出器の検出信号に基づく信号を導体に供給する信号供給手段を回転枠側に設け、導体に供給された信号を受信してそれに基づく出力信号を画像再構成手段に供給する受信手段を非回転側に設けるようにしたので、X線検出器の測定データを回転枠側から非回転側に非接触で供給できるX線CT装置を実現することができる。
【0015】
なお、課題を解決するための第3の発明において、「実質的に抵抗で終端」することの範疇は前述の通りである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に信号伝達装置のブロック図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。なお、本装置の構成によって本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。また、本装置の動作によって本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0017】
図1において、11および12は1対の電気的な導体である。導体11および12は同心の円を描くように互いに平行に配置される。導体11および12の両端部は間隙gを隔てて対向するようになっている。導体11および12は本発明における導体の実施の形態の一例である。
【0018】
導体11および12の一端の線間に受信機20が接続される。受信機20は入力抵抗21を有し、この入力抵抗21によって導体11および12の一端が実質的に終端される。入力抵抗21は導体11および12からなる線路の特性インピーダンスに整合する、すなわち整合終端とすることが信号伝達の周波数帯域を広帯域化する点で好ましい。
【0019】
導体11および12の他端は抵抗22によって終端されている。抵抗22も整合抵抗とすることが信号伝達の周波数帯域を広帯域化する点で好ましい。
以上の導体11,12、受信機20および抵抗22からなる回路が受信系Rを構成する。受信系Rは本発明における2つの系のうちの一方の実施の形態である。
【0020】
30は送信機である。送信機30は高周波の送信信号を出力するものである。送信信号はループコイル40に供給される。ループコイル40は例えば矩形のループをなすように構成される。ループコイル40は1対の対辺41および42をそれぞれ導体11および12に概ね平行になるようにして導体11および12に近接して配置されている。ループコイル40は導体11および12とは非接触となっている。ループコイル40は本発明における結合手段の実施の形態の一例である。
【0021】
送信機30とループコイル40からなる回路が送信系Sを構成する。送信系Sは受信系Rは本発明における2つの系のうちの他方の実施の形態である。
送信系Sは受信系Rに対して導体11および12が形成する円と同心の円運動ができるようになっている。なお、この円運動は相対的なものであって、固定された受信系Rに関して送信系Sが円運動しても、あるいは固定された送信系Sに関して受信系Rが円運動しても、さらには両者がそれぞれの速度で円運動しそれらの差の速度で相対的に円運動するようにしても良い。
【0022】
それら何れの運動においてもループコイル40は導体11および12が形成する円に沿って相対的に移動する。
ループコイル40は、その1対の対辺41および42の長さdが導体11および12の両端が対向する間隙gの長さより長くなるように形成するのが好ましい。そうすることにより、ループコイル40が間隙gを通過するとき対辺41および42が間隙gを跨いで通過できるようになり、後に述べるように信号伝達が円滑になる。
【0023】
次に、このように構成された本装置の動作について説明する。
送信機30が高周波の送信信号を出力したとき、この送信信号はループコイル40の1対の対辺41および42と導体11および12とのそれぞれの電磁的な結合を通じて導体11および12の線間に印加される。そして、この送信信号に基づく電流が導体11および12からなる往復線路に流れる。
【0024】
導体11および12を流れる電流は、ループコイル40と導体11および12との結合点すなわち信号印加点から受信機20の入力抵抗21に向かう電流と同印加点から抵抗22に向かう電流の2つとなる。導体11および12の両端をそれぞれ入力抵抗21および抵抗22で整合終端したとき、これら2つの電流は値が等しいものとなる。
【0025】
このうち入力抵抗21に流れる電流が受信機20によって受信される。これによって、送信機30の出力信号が受信機20で受信されることになる。
このような信号の送受信はループコイル40が導体11および12上のどの位置にあっても行える。また、ループコイル40が導体11および12の両端部にかかる場合でも、ループコイル40の対辺41および42の長さが間隙gを跨げる長さとすることにより、電磁的な結合による送信信号は途切れることなく導体11および12に印加されるので、受信信号が途切れることがない。
【0026】
すなわち、相対的に回転する送信系S側の送信機30の送信信号を受信系R側の受信機20に非接触で伝達することができる。
送信機30の送信信号を導体11および12に印加する結合手段としては、ループコイル40の他に図2に示すような静電結合器を利用するようにしても良い。図2において、50が静電結合器であって、1対の電極板51および52からなる。その他の構成は図1に示したものと同様であり、同一の記号を付してある。静電結合器50は本発明における結合手段の実施の形態の一例である。
【0027】
1対の電極板51および52はそれぞれ導体11および12と近接して対向している。これら電極板51および52は導体11および12とは非接触である。電極板51および52は、導体11および12に沿った方向の長さdが導体11および12の両端の間隙gの長さよりも長くなるように構成するのが後述のように信号伝達の円滑化の点で好ましい。
【0028】
このような構成において、電極板51および52間に送信機30の高周波の出力信号が与えられと、この出力信号が電極板51と導体11との静電結合および電極板52と導体12との静電結合を通じて導体11および12の線間に印加される。それによって、図1の場合と同様に、信号印加点から受信機20の入力抵抗21に向かう電流と同印加点から抵抗22に向う電流がそれぞれ生じる。
【0029】
すなわち、図1の場合と同様に送信機30の出力信号を非接触で受信機20に伝達することができる。信号の伝達は電極板51および52が導体11および12上の何処にあっても行える。また、電極板51および52の長さを導体11および12の両端の間隙gの長さよりも長くすれば、電極板51および52が間隙gにかかる場合でも静電結合が維持され信号が途切れることがない。したがって、相対的に回転する送信系Sから受信系Rに信号を伝達することができる。
【0030】
図1に示す装置と図2に示す装置を比較すると、図1の装置はループコイル40を用いるのでコモンモードノイズ(common mode noise) に強い信号伝達が行える点で好ましい。図2に示す装置は静電結合器50を利用するので不要な電磁放射が少ない点で好ましい。
【0031】
送信機30が出力する信号は一般に搬送波(キャリヤ)を変調した信号である。そのため、送信機30には図示しない変調回路が設けられている。変調は周波数変調または位相変調がS/N(signal-to-noise ratio )の点で好ましいが、信号条件が良いときは振幅変調でも差し支えない。
【0032】
キャリヤの周波数の選択に際しては導体11および12によって構成される伝送線路の共振周波数を避けることが信号伝送の周波数を広帯域化する点で好ましい。その意味では、図1および図2に示すように受信機20の入力抵抗21および抵抗22を整合終端とすることが最も好ましい。
【0033】
共振防止用の抵抗は例えば図3に示すように導体11および12の線間の適宜の複数個所に設けるようにしても良い。図3において、抵抗61〜64が共振防止用の抵抗であり、その値は導体11および12を終端する受信機20の入力抵抗21および抵抗22の値よりも十分大きく選ばれる。
【0034】
また、キャリヤはその波長を導体11および12の長さの整数分の1となるように選ぶことが、導体11および12の両端部で信号の位相が互いに同一になる点で好ましい。これによって、電磁的結合用のループコイル40または静電結合器50が間隙gを通過するときの伝送信号の位相の不連続性を無くすことができる。そして、これによって連続的に相対的回転をする送信系S側から受信系R側に連続性の良い信号を伝達することができる。
【0035】
なお、ループコイル40または静電結合器50が間隙gを通過するときに送信機30の送信を止めるようにした場合は、上記のようなキャリヤ周波数に対する考慮は不要となる。
【0036】
したがって、間欠的な送信停止が許容できるときはそのようにすることがキャリヤ周波数についての制約が少ない点で好ましい。また、この場合、ループコイル40または静電結合器50の寸法を間隙gとの関係を考慮せずに決めることができる点でも好ましい。
【0037】
受信機20には、送信機30における変調回路に対応して図示しない復調回路が設けられ、それによってキャリヤに乗っている信号を復調する。受信機20にはさらにAGC(auto gain control) 回路を設け、回転中のループコイル40または静電結合器50と導体11および12の間の距離変化等に伴う信号レベルの変化を補正するのが安定な信号受信を行う点で好ましい。また、位相の変化を伴う場合はDPSK(digital phase sift keying) 回路を用いてそれを補正することができる。
【0038】
上記は導体11および12が円形の経路をなすように構成した例であるが、これら導体は送信系Sと受信系Rの相対運動の軌道に沿ったものであれば良く、必ずしも円形経路に限定されない。例えば、両系の相対運動が直線運動であればそれに合わせて導体11および12による導電経路を直線的に展開すれば良い。また、楕円や双曲線、その他任意の曲線の軌道についてもそれに合わせて導体11および12の経路を自在に構成することができる。
【0039】
上記のような信号伝達装置は、X線CT装置において、回転する支持枠に搭載されたX線検出器の測定データを非回転側にある画像再構成装置に伝達する装置として利用することができる。図4に、そのように構成したX線CT装置のブロック図を示す。
【0040】
図4において、X線照射器XSとX線検出器DTが支持枠FMによって互いに対向する位置関係に支持されている。X線照射器XSは本発明におけるX線照射手段の実施の形態の一例である。X線検出器DT本発明におけるX線検出手段の実施の形態の一例である。
【0041】
X線照射器XSはX線検出器DTに向けて扇状のX線ビームBMを照射するものである。X線検出器DTは複数(例えば1000個)のX線検出素子を有するものである。それら複数のX線検出素子は扇状のX線ビームBMの広がりの方向に配列されて多チャンネルのX線検出器DTを構成している。
【0042】
X線照射器XSとX線検出器DTが取り付けられた支持枠FMはX線CT装置のいわゆるガントリを構成する。支持枠FMは図示しない駆動装置によって駆動され、図4に示すxy面内で回転中心Oの周りを回転するようになっている。支持枠FMは本発明における回転枠の実施の形態の一例である。
【0043】
扇状のX線ビームBMの開き角の範囲内に被検体OBが配置される。被検体OBは支持板TB上に載置される。支持板TBは上下方向(y方向)に移動できるようになっており、これによって被検体OBの上下方向の位置が調節できるようになっている。支持板TBは、また、紙面に垂直な方向(z方向)に進退できるようになっており、それによって被検体OBをX線照射領域に搬入および搬出できるようになっている。
【0044】
X線制御部XCはX線照射器XSを制御するものである。これによってX線の強度、照射タイミング等が制御される。回転制御部RCは支持枠FMの回転を制御するものである。これによって支持枠FMの回転速度、起動および停止等が制御される。支持板制御部TCは支持板TBを制御するものである。これによって支持板TBのz方向の移動および上下移動が制御が制御される。
【0045】
データ収集部DASはX線検出器DTから出力される多チャンネルのX線検出信号を収集するものである。このデータ収集部DASはX線検出器DTと共に支持枠FM上に搭載されている。
【0046】
データ収集部DASの構成を図5に示す。図5に示すように、X線検出素子DTeの出力信号が積分器INTによって積分され、積分器INTの出力信号がマルチプレクサMXを通じてA/D(analog-to-digital) 変換器ADCに与えられ、ディジタル信号に変換されてメモリMEMに記憶される。
【0047】
マルチプレクサMXの入力側には他のチャンネルの積分器が複数個接続されており、それらが順次切り換えられてA/D変換器ADCに接続される。
制御装置CNTは積分器INTの動作を制御し、所定の周期で積分とリセットを行なわせる。すなわち、例えば図6に示すように、周期TsのうちTi時間で積分を行なわせTr時間でリセットを行なわせる。
【0048】
制御装置CNTはマルチプレクサMXを制御し、積分器INTがTi時間の積分を完了したタイミングでそれをA/D変換器ADCに接続する。制御装置CNTは、また、メモリMEMの書込アドレスを制御してA/D変換器ADCの出力信号をX線検出素子DTeチャンネル番号およびビュー番号に対応したアドレスに記憶する。
【0049】
メモリMEMに記憶された測定データは制御装置CNTによって所定のタイミングで逐次読み出され、次に述べる信号伝達部TRに出力される。
図4に戻って、信号伝達部TRはデータ収集部DASの出力データをコンピュータCOMに伝達するものであり、図1または図2に示したものと同様な基本構成を有する。
【0050】
これを図1および図2によって説明すれば、送信系Sが支持枠FM上に搭載され、受信系Rが固定側に設置される。送信系Sのループコイル40または静電結合器50は支持枠FMと共に回転し円軌道を描く。それに対応して、受信系Rの導体11および12はループコイル40または静電結合器50の回転の軌道に近接した円を描くように設置される。この場合、導体11および12は図示しない適宜の支持板機構によって支持される。
【0051】
送信機30にはデータ収集部DASの出力データが入力される。送信機30は例えば図7に示す構成により、入力されたデータをパラレル・シリアル変換器PSでシリアルデータに変換し、変調器MODでキャリヤを変調し、変調されたキキャリヤを増幅器AMPoで増幅してループコイル40または静電結合器50に出力する。送信器30とループコイル40または静電結合器50は本発明における信号供給手段の実施の形態の一例である。
【0052】
送信信号は前記の高周波結合を通じて非接触で受信系Rに伝達され受信機20で受信される。受信機20は例えば図8に示す構成により、受信信号を増幅器AMPiで増幅し、復調器DEMで復調し、シリアル・パラレル変換器SPでパラレルデータに変換する。このデータがコンピュータCOMに入力される。受信機20は本発明における受信手段の実施の形態の一例である。
【0053】
コンピュータCOMはX線制御部XC、回転制御部RCおよび支持板制御部TCを管制して所定のシーケンスに基づくスキャンを遂行し、データ収集部DASが収集したデータに基づいて被検体OBの断層像を再構成する。コンピュータCOMは本発明における画像再構成手段の実施の形態の一例である。再構成画像は画像出力部IMを通じて出力される。
【0054】
コンピュータCOMには表示部DISおよび操作部OPが接続される。これらは操作者のためのマンマシン・インタフェイス(man-machine interface) を構成する。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、課題を解決するための第1の発明によれば、相対的に運動する2つの系の一方に相対的な運動の軌道に沿って導体を設け、この導体の両端をそれぞれ抵抗で終端するとともに導体の一部への非接触な高周波結合により電気信号を伝達するようにしたので、相対的に運動する2つの系の間で非接触で信号伝達を行なう信号伝達方法を実現することができる。
【0056】
また、課題を解決するための第2の発明によれば、相対的に運動する2つの系の一方に相対的な運動の軌道に沿って導体を設けてこの導体の両端をそれぞれ抵抗で終端し、相対的に運動する2つの系の他方に導体の一部に非接触で高周波結合する結合手段を設けるようにしたので、相対的に運動する2つの系の間で非接触で信号伝達を行なう信号伝達装置を実現することができる。
【0057】
また、課題を解決するための第3の発明によれば、回転枠の回転の軌道と同心の円に沿って設けられ両端がそれぞれ抵抗で終端された導体を非回転側に設け、導体の一部への非接触な高周波結合によりX線検出器の検出信号に基づく信号を導体に供給する信号供給手段を回転枠側に設け、導体に供給された信号を受信してそれに基づく出力信号を画像再構成手段に供給する受信手段を非回転側に設けるようにしたので、X線検出器の測定データを回転枠側から非回転側に非接触で供給できるX線CT装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置におけるデータ収集部のブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置におけるデータ収集部の動作のタイムチャートである。
【図7】本発明の実施の形態の一例の装置における送信機のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例の装置における受信機のブロック図である。
【符号の説明】
11,12 導体
20 受信機
21 入力抵抗
22 抵抗
30 送信器
40 ループコイル
50 静電結合器
61〜64 抵抗
XS X線照射器
BM X線ビーム
DT X線検出器
DTe X線検出素子
FM 支持枠
OB 被検体
TB 支持板
XC X線制御部
TC 支持板制御部
RC 回転制御部
DAS データ収集部
COM コンピュータ
IM 画像出力部
DIS 表示部
OP 操作部
INT 積分器
MX マルチプレクサ
ADC アナログ・ディジタル変換器
MEM メモリ
CNT 制御装置
PS パラレル・シリアル変換器
MOD 変調器
AMPo,AMPi 増幅器
DEM 復調器
SP シリアル・パラレル変換器

Claims (3)

  1. X線照射手段と、X線検出手段と、前記X線照射手段と前記X線検出手段とを空間を隔てて互いに対向させて搭載した回転枠と、非回転側に配置され前記X線検出手段の検出信号に基づいて画像再構成を行う画像再構成手段とを有するX線CT装置において、
    前記回転枠の回転の軌道と同心の円に沿って前記非回転側に設けられ、両端がそれぞれ実質的に抵抗で終端された導体と、
    前記回転枠側に設けられ、前記導体の一部への非接触な静電結合器による高周波結合により前記X線検出器の検出信号に基づく信号を前記導体に供給する信号供給手段と、
    前記非回転側に設けられ、前記導体に供給された信号を受信してそれに基づく出力信号を前記画像再構成手段に供給する受信手段とを具備することを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記導体は、同心の円に沿った平行な2本の導体を有しており、前記2本の導体が設置された面上で前記2本の導体のそれぞれの一端同士が抵抗で終端され、前記2本の導体のそれぞれの他端同士が前記画像再構成手段側で実質的に抵抗で終端されており、
    前記信号供給手段は、前記同心の円に沿った2本の導体に近傍にそれぞれ配置された一対の電極板であり、
    前記2本の導体の円形状上の両端の隙間は、前記2本の導体の近傍を前記隙間を含んで円状に移動する前記一対の電極板の長さよりも短いことを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項2に記載のX線CT装置において、前記2本の導体の間に共振防止用の複数の抵抗を設置したことを特徴とするX線CT装置。
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