JP3771852B2 - 水質測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検液の水質を電気化学的な手法により測定する水質測定装置に関し、詳しくは簡便な構成にて、安定した検出結果を得ることが容易な水質測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化還元電位を測定する酸化還元電位センサや、残留塩素測定用センサが広く市販されている。
【0003】
従来の一般的な酸化還元電位センサとしては、白金等の不溶性金属電極を作用電極とすると共に、銀−塩化銀電極を内部電極とする比較電極を対極として、両電極を被検液に浸漬し、両電極間で発生する相対電位差を酸化還元電位として出力するものがある。
【0004】
また、ポーラログラフ法を用いる残留塩素濃度測定センサとしては、飲料水内に二つの電極を対向させて配置し、この状態で電極間に一定の電圧を印加し、電極間に流れる電流により残留塩素濃度を測定するものがある。
【0005】
また、特開平9−113483号公報、特開平10−296240号公報、実公平4−22875号公報等には、酸化還元電位センサや残留塩素濃度センサの構造が開示されており、これらによれば、白金電極や銀電極は板状や太い棒状のものが設けられており、このような電極が、電極を支持する支持体から突出した構造となっている。
【0006】
このような水質測定器は、測定用の電極を被検液に浸漬し、電極間に発生する起電力等の基づいて水質を測定するものであるが、静水中に測定用の電極を浸漬しただけでは、測定用の電極間に安定した出力が得られない場合がある。これは被検液と電極との界面に電気化学的二重層が形成されるためと考えられる。このため、従来は、被検液をマグネチックスターラー等にて撹拌した状態で、被検液に測定用の電極を浸漬することにより、電極間に安定した出力を発生させることが行われていた。
【0007】
しかしながら、近年、環境問題や健康問題等に対する意識の高まりから、小型・可搬型の水質測定器が提供されるようになってきている。このような水質測定器は、簡便な方法で水質の測定を行えるようにすることが求めらることから、マグネチックスターラー等の撹拌装置を用いずに水質の測定を行う場合が殆どであり、このような場合、測定者が測定用の電極を被検液に浸漬した状態で水質測定器を揺振させるなどして、安定した出力が得られるようにしていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように測定者が水質測定器を揺動させる場合には、複数回の測定を行う場合に常に同一の条件で測定を行うことは困難であり、複数の測定結果を比較することが困難であった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、マグネチックスターラー等の撹拌装置を用いることなく被検液に流動を生じさせた状態で被検液の水質を測定することができ、簡便な構成にて、安定した検出結果を正確に得ることができる水質測定装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る水質測定装置は、外部に露出する測定用の端子電極2を具備し、被検液の水質を電気化学的に測定する測定器本体1と、内部に被検液を保持すると共に内部に端子電極2が配置された状態で測定器本体1を保持する測定容器3とから構成され、測定器本体1は、先端部に測定用の端子電極2が外部に露出するように設けられた測定端子部5を具備し、測定容器3は、被検液を保持する容器本体21と、容器本体21から下方に突出する被挿着部6とから構成され、被挿着部6は、容器本体21の底部で開口し測定端子部5が内部に装着される凹部7を有すると共にこの凹部7に測定端子部5が装着された状態で前記凹部7の内周面と測定端子部の外周面との間に被検液の流通路が形成されるものであり、この被挿着部6の下部に被挿着部6の外部と凹部7内とを連通する被検液流通用の細孔4を設けて成ることを特徴とするものである。
【0012】
また、測定端子部5の外周面に雄螺子部8を形成し、被挿着部6の凹部7の内周面に測定端子部5の雄螺子部8と螺合する雌螺子部9を形成することも好ましい。
【0013】
また、測定端子部5の外周面と被挿着部6の凹部7の内周面とに、互いに嵌合し合う嵌合部10,11を形成することも好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜4に示す実施形態では、測定器本体1は、ハウジング12にセンサ部、電源部、制御部、操作部及び表示部を備えた、携帯可能な小型のものとして形成されている。
【0016】
ハウジング12は樹脂成形品にて形成されており、内部に電源部及び制御部が内装されていると共に外面に操作部や表示部が設けられた本体部15と、本体部15の前部から前方に突出するように形成されると共に先端部に一対の端子電極2(2a,2b)からなるセンサ部が設けられている測定端子部5とから構成されている。このハウジング12は例えばABS樹脂等のような樹脂成形品にて形成される。
【0017】
図6は測定器本体1の装置構成を示すブロック図である。本体部15内に内装される電源部は制御部に対して駆動用の電力を供給するものであり、ボタン型アルカリ電池等の小型の電池を用いることができる。また制御部は回路形成されたプリント配線板に抵抗、トランジスタ、コンデンサ、ICチップ等の電子部品を実装するなどして構成されるものであり、センサ部からの出力が入力されて、この入力に基づいて水質の検知を行ない、この検知結果に基づいて表示部を制御するものである。
【0018】
表示部はセンサ部からの出力に基づいて制御部にて検出された水質の検知結果を、制御部からの指令に基づいて表示するものであり、図示の例では液晶表示パネル13にて構成され、センサ部による出力値をそのまま表示したり、あるいはセンサ部からの出力を制御部にて計数処理することにより導出される酸化還元電位等の値を表示するようにしたりすることもできる。またこの表示部を、複数個の発光ダイオードにて構成し、例えば表示部を構成する複数個の発光ダイオードのうち、制御部にて検出された水質に対応する特定の発光ダイオードが点灯するように制御されるものとすることもできる。
【0019】
また、操作部としては電源スイッチや測定モードを変更するための設定スイッチ等の操作スイッチ14を設けることができ、例えば押しボタン式のスイッチ等にて構成することができる。
【0020】
またハウジング12の測定端子部5は本体部15から突出する円柱状に形成されており、その内部は中空に形成されている。またこの測定端子部5は突出方向とは反対側の端部にて本体部15内に連通しており、また突出方向側の端面(先端面)は閉塞されて、平面状に形成されている。また、この測定端子部5には、その先端部に、センサ部を構成する端子電極2(2a,2b)が外部に露出するように設けられている。
【0021】
端子電極2(2a,2b)は、用途に応じて、銀線、白金線、銀線に塩化銀被膜を形成したもの等のような適宜の金属線からなるものや、容器内の0.1mol/LのKCl溶液等の標準液中に、銀に塩化銀被膜を形成したもの等の内部電極を配置すると共に標準液−被検液間の導通をとる液絡部を設けた標準電極等を設けることができる。
【0022】
各端子電極2(2a,2b)は少なくとも一対設けられるものであり、このとき異種の電極を設けることができる。例えば一方の端子電極2bを白金線で、他方の端子電極2aを銀線又は銀線に塩化銀被膜を形成したもので形成すると、被検液の酸化還元電位や遊離塩素濃度を電気化学的に測定する水質測定器を構成することができる。銀線に塩化銀被膜を設けて端子電極2aを形成する場合には、端子電極2aは先端面のみが外部に露出するものであるから、銀線の先端面のみに塩化銀被膜を設ければ良い。また、一方の端子電極2bを白金線等で、他方の端子電極2aを前記のような標準電極で形成することもできる。
【0023】
図示の例では、図3に示すように、端子電極2(2a,2b)は、金属線又は金属被覆を施した金属線で形成されたものが、測定端子部5の先端に一対設けられており、このとき各端子電極2(2a,2b)は、測定端子部5の先端面に露出すると共に、この先端面と、各端子電極2(2a,2b)の先端面が面一となるように形成される。このように端子電極2(2a,2b)を測定端子部5の先端部に埋設させると、変形が生じにくく、水質測定時に端子電極2が強い水流に曝されたり端子電極2が何らかの物体と接触したりすることによって変形したり破損したりすることが防止されることとなる。この端子電極2(2a,2b)は、測定端子部5の内部においてリード線に接続されており、このリード線を介して、端子電極2(2a,2b)からの出力が本体部15内の制御部に伝送されるようになっている。
【0024】
また、測定端子部5の外周面には、雄螺子が形成されている。この雄螺子は測定端子部5の外周面の全体に形成する必要はなく、測定端子部5の、後述する測定容器3の被挿着部6に挿着される領域において、この領域の少なくとも一部に形成すれば良い。
【0025】
また測定端子部5の外周面には測定端子部5の突出方向に溝部16が凹設されている。この溝部16は、測定端子部5の、被挿着部6に挿着される領域に亘って形成されており、その一端が測定端子部5の先端面にて開口している。また溝部16の他端は、測定端子部5の、被挿着部6に挿着される領域よりも、本体部15側に位置するようになっている。
【0026】
このように形成される溝部16は、図3に示すように、雄螺子部8の螺子山及び螺子谷を横断するように形成されており、従って、溝部16が形成されている箇所においては、雄螺子部8の螺子山及び螺子谷が寸断されている。
【0027】
一方、測定容器3は、容器内部に被検出液を保持する機能と、容器内部に端子電極2が配置された状態で測定器本体1を着脱自在に保持する機能とを有するものであり、上方に開口する有底の容器本体21と、容器本体21の底部から下方に突出する被挿着部6とから構成される。
【0028】
被挿着部6は、測定器本体1の測定端子部5が挿着される凹部7を有するものであり、この凹部7は容器本体21内と連通するように形成される。図示の例では、被挿着部6は中空の筒状体であり、上端が容器本体21の底部で開口すると共に下端が閉塞された中空の円筒状に形成されている。この被挿着部6の凹部7の内径は、測定端子部5の外径よりも僅かに大きくなるように形成されている。また被挿着部6の底部には、この底部を上下に貫通して被挿着部6の外部と凹部7内とを連通する細孔4が形成されている。また、被挿着部6の凹部7の内周面には、測定端子部5の雄螺子部8と合致する雌螺子部9が形成されている。
【0029】
このように構成される水質測定装置を用いて被検液の水質を測定するにあたっては、まず測定器本体1を測定容器3に、この測定容器3内に端子電極2が配置されるように保持する。このとき、まず測定器本体1の測定端子部5を、その先端側から、容器本体21の底部に開口する凹部7の上部開口に挿入すると共に、測定器本体1を、測定端子部5の中心軸を中心にして、測定容器3に対して回転させて、測定端子部5の雄螺子部8と被挿着部6の雌螺子部9とを螺合させる。これにより測定容器3に対して測定器本体1が保持固定される。
【0030】
このとき、雄螺子部8と雌螺子部9との螺合により測定端子部5が被挿着部6に締結された状態では、測定端子部5の先端面(端子電極2の先端面)と、被挿着部6の凹部7の底面との間に隙間22が形成されるように、雄螺子部8と雌螺子部9を形成しておく。このとき測定端子部5の先端面と、被挿着部6の凹部7の底面との間の寸法が、0.6〜2mmとなるように形成することが好ましい。
【0031】
このように測定器本体1を測定容器3に保持させた状態では、被挿着部6の凹部7の内周面と測定端子部5の外周面との間には、溝部16によって被検液の流通路が形成されており、この流通路にて、被挿着部6の凹部7の底面との間の隙間22と、容器本体21内とが連通されている。
【0032】
そして、この状態で、容器本体21の上部開口から被検液を供給して、測定容器3内を被検液で満たす。また操作スイッチ14を操作して電源をオンにする。
【0033】
この状態では被挿着部6の凹部7の底面と測定端子部5の先端面との隙間22において、端子電極2(2a,2b)間に、被検液の酸化還元電位や遊離塩素濃度に起因した電位差が生じて起電力が発生し、制御部はこの端子電極2(2a,2b)間に生じた電圧を検出して、この検出結果に基づいて表示部(液晶表示パネル13)にて使用者に被検液の水質を知らせる。
【0034】
このようにして水質の測定を行うと、被挿着部6の凹部7の底面と測定端子部5の先端面との隙間22には、容器本体21から、溝部16からなる通水路を通じて被検液が供給されると共に、被検液の水圧によって細孔4を通じて被検液が外部に流出し、これによって被検液の流動が生じるものであり、このため、端子電極2間に安定した出力を発生し、しかもこのような簡便な構成でありながら、水質の測定を行うごとに、同一の条件で被検液を流動させた状態で測定を行うことができて、水質の測定精度が向上する。
【0035】
また、このとき凹部7の開口面積に対する、容器本体21の平面視の面積を大きく形成すると、水質を測定する過程における、容器本体21内の水圧変化が小さくなり、被挿着部6の凹部7の底面と測定端子部5の先端面との隙間22における流動の速度変化を抑制することができる。このようにすれば、水質測定時における測定条件の変化を抑制して、更に測定精度を向上することができる。また、細孔4から被検液が流出するにしたがって、容器本体21の上部開口から被検液を随時補充するようにすれば、容器本体21内の水圧変化が更に小さくなり、測定条件の変化が更に抑制される。
【0036】
ここで、細孔4の開口径は、被検液の流通を確保するために十分な大きさに形成するものであるが、被検液の流通量が大きくなりすぎると被挿着部6の凹部7の底面と測定端子部5の先端面との隙間22における被検液の流速変化が大きくなるため、好ましくは開口径を0.3〜2mmに形成するものであり、0.5mm程度が最適である。
【0037】
また、水質の測定が終了した後は、測定器本体1を、測定端子部5の中心軸を中心にして、測定容器3に対して回転させて、測定端子部5の雄螺子部8と被挿着部6の雌螺子部9との螺合を解除することにより、測定容器3を測定器本体1から脱離させることができる。
【0038】
また、水質測定装置を用いて被検液の水質を測定方法の他例を示す。本方法では、まず上記の場合と同様に、測定器本体1を測定容器3に、この測定容器3内に端子電極2が配置されるように保持する。また、別の容器に、被検液を満たしておく。
【0039】
そして、この状態で、被検液を満たした容器内に、容器本体21を被挿入部側から差し入れて、容器本体21の上部開口が被検出液の液面よりも上方に配置されるようにして、容器本体21を被検液に浸漬する。また操作スイッチ14を操作して電源をオンにする。
【0040】
この状態では被挿着部6の凹部7の底面と測定端子部5の先端面との隙間22において、端子電極2(2a,2b)間に、被検液の酸化還元電位や遊離塩素濃度に起因した電位差が生じて起電力が発生し、制御部はこの端子電極2(2a,2b)間に生じた電圧を検出して、この検出結果に基づいて表示部(液晶表示パネル13)にて使用者に被検液の水質を知らせる。
【0041】
このようにして水質の測定を行うと、被挿着部6の凹部7の底面と測定端子部5の先端面との隙間22には、容器本体21の内外の圧力差によって容器本体21の外部から細孔4を通じて被検液が流入すると共に、溝部16からなる通水路を通じて被検液が容器本体21側へ流出することによって被検液の流動が生じるものであり、このため、端子電極2間に安定した出力を発生し、水質の測定精度が向上する。
【0042】
また、上記に示す実施形態では、測定容器3に対して測定器本体1を保持固定するための固定手段として、雄螺子部8と雌螺子部9とを設けているが、固定手段の形態はこのようなものに限られない。例えば図5に示すものでは、固定手段として、雄螺子部8と雌螺子部9に代えて、測定端子部5の外周面と、被挿着部6の凹部7の内周面に、それぞれ互いに嵌合しあう嵌合部10,11を形成している。
【0043】
図示の例では、測定端子部5における嵌合部10,11は、測定端子部5の外周面から突出する一つのリブ17にて形成されており、このリブ17は測定端子部5の外周面を輪状に取り巻くように形成されている。このとき、溝部16はリブ17を横断するように形成されており、従って、溝部16が形成されている箇所においては、リブ17が寸断されている。
【0044】
また、被挿着部6における嵌合部10,11は、被挿着部6の内周面から突出する二つのリブ18,19にて形成されている。このリブ18,19は被挿着部6の内周面を輪状に取り巻くように形成されており、上下にそれぞれ形成された二つのリブ18,19の間には、測定端子部5のリブ17が嵌合する嵌合溝20が形成されている。
【0045】
このように構成される水質測定装置では、測定器本体1を測定容器3に、この測定容器3内に端子電極2が配置されるように保持する際には、測定器本体1の測定端子部5を、その先端側から、容器本体21の底部に開口する被挿着部6の上部開口に挿入する。このとき、測定端子部5のリブ17が、被挿着部6の上側のリブ18を乗り越えて嵌合溝20と嵌合し、これにより測定容器3に対して測定器本体1が保持固定される。このとき、前記の場合と同様に、測定端子部5の先端面と、被挿着部6の凹部7の底面との間の寸法が、0.5〜2mmとなるように嵌合部10,11を形成することが好ましい。ここで、測定端子部5のリブ17が、被挿着部6の上側のリブ18を乗り越えるためには、測定端子部5と被挿着部6の少なくとも一方が弾性変形することが必要とされるものであり、このため、このような弾性変形が生じるように、測定端子部5及び被挿着部6の材質を選択する。
【0046】
また、水質の測定が終了した後は、測定器本体1を測定容器3から引っ張ることにより、嵌合部10,11同士の嵌合を解除して、測定容器3を測定器本体1から脱離させることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る水質測定装置は、外部に露出する測定用の端子電極を具備し、被検液の水質を電気化学的に測定する測定器本体と、内部に被検液を保持すると共に内部に端子電極が配置された状態で測定器本体を保持する測定容器とから構成され、測定器本体は、先端部に測定用の端子電極が外部に露出するように設けられた測定端子部を具備し、測定容器は、被検液を保持する容器本体と、容器本体から下方に突出する被挿着部とから構成され、被挿着部は、容器本体の底部で開口し測定端子部が内部に装着される凹部を有すると共にこの凹部に測定端子部が装着された状態で前記凹部の内周面と測定端子部の外周面との間に被検液の流通路が形成されるものであり、この被挿着部の下部に被挿着部の外部と凹部内とを連通する被検液流通用の細孔を設けるため、測定器本体を測定容器に保持させた状態で、測定容器に被検液をいれてこの被検液を細孔から外部に流出させ、あるいは細孔から測定容器内に被検液を流入させることにより、端子電極を被検液と接触させると共にこの被検液を流動させることができるものであり、簡便な構成にて被検液を流動させた状態で被検液の水質を電気化学的に測定することができ、これにより安定した検知出力が得られて、また水質の測定を行うごとに、同一の条件で被検液を流動させた状態で測定を行うことができて、水質の測定精度を向上することができるものである。
【0048】
また、測定器本体は、測定器本体を測定容器に保持させた状態で、測定容器に被検液をいれた場合には被検液の水圧により被検液が細孔から外部に容易に流出し、また細孔から測定容器内に被検液を流入させる場合には測定容器の内外の圧力差によって測定容器内に被検液を容易に流入させることができるものであり、これにより、測定容器内に被検液の流動を容易に生じさせることができるものである。
【0049】
また、測定端子部の外周面に雄螺子部を形成し、被挿着部の凹部の内周面に測定端子部の雄螺子部と螺合する雌螺子部を形成すると、この雄螺子部と雌螺子部との螺合によって、測定器本体を測定容器に容易に着脱自在に保持させることができるものである。
【0050】
また、測定端子部の外周面と被挿着部の凹部の内周面とに、互いに嵌合し合う嵌合部を形成すると、この嵌合部同士の嵌合によって、測定器本体を測定容器に容易に着脱自在に保持させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す、一部破断した正面図である。
【図2】図1に示される実施の形態における、測定器本体を示す正面図である。
【図3】同上の一部の斜視図である。
【図4】図1に示される実施の形態における、測定容器を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の他例を示す、一部破断した正面図である。
【図6】測定器本体の装置構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 測定器本体
2 端子電極
3 測定容器
4 細孔
5 測定端子部
6 被挿着部
7 凹部
8 雄螺子部
9 雌螺子部
10,11 嵌合部
Claims (4)
- 外部に露出する測定用の端子電極を具備し、被検液の水質を電気化学的に測定する測定器本体と、内部に被検液を保持すると共に内部に端子電極が配置された状態で測定器本体を保持する測定容器とから構成され、測定器本体は、先端部に測定用の端子電極が外部に露出するように設けられた測定端子部を具備し、測定容器は、被検液を保持する容器本体と、容器本体から下方に突出する被挿着部とから構成され、被挿着部は、容器本体の底部で開口し測定端子部が内部に装着される凹部を有すると共にこの凹部に測定端子部が装着された状態で前記凹部の内周面と測定端子部の外周面との間に被検液の流通路が形成されるものであり、この被挿着部の下部に被挿着部の外部と凹部内とを連通する被検液流通用の細孔を設けて成ることを特徴とする水質測定装置。
- 測定端子部の外周面に雄螺子部を形成し、被挿着部の凹部の内周面に測定端子部の雄螺子部と螺合する雌螺子部を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の水質測定装置。
- 測定端子部の外周面と被挿着部の凹部の内周面とに、互いに嵌合し合う嵌合部を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の水質測定装置。
- 測定端子部の外周面に、測定端子部が被挿着部に挿着された状態で被検液が通過する通路を構成する溝部を設けて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水質測定装置。
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