JP3771611B2 - 多色刷輪転機の幅見当修正装置 - Google Patents

多色刷輪転機の幅見当修正装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多色刷輪転機の印刷ユニット間で発生する走行紙の幅方向の伸びに起因する見当ずれを修正する幅見当修正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
平版オフセット印刷方式によって紙の表裏を同時に印刷する多色刷輪転機には、同床面に1列に並べた複数台の印刷ユニットの上下に配設した相接する表裏ブランケット胴間に、巻き取り紙を水平方向に通して印刷する形式のものと、タワー状に積み重ねた複数台の印刷ユニットの左右に配設した相接する表裏ブランケット胴間に、巻き取り紙を垂直方向に通して印刷する形式のものがある。
【0003】
従来より、この種の輪転機では、走行紙が各印刷ユニットの表裏ブランケット胴間を通過するごとに、紙の表裏を同時に1色ずつ順次刷り合わせて多色刷りを行うので、走行紙は印刷ユニットを通過する度に湿し水を吸収し、特に紙幅方向に大きく伸びる。このため、走行紙は、後方の印刷ユニットに進むにつれて次第に扇形状に伸び、幅方向の見当が合わなくなる現象(以後ファンアウトと称す)が生じていた。したがってこのファンアウトに対処するため、この種の多色刷輪転機では、印刷ユニット間にエアノズルを設けたり、表面に複数の凸部を有する段付きローラを取り付けて、紙幅方向の伸びによる見当ずれを修正する装置が用いられるようになってきた。
【0004】
図10は、上記多色刷輪転機の一例として、複数台の印刷ユニットをタワー状に積み重ねた形式の平版オフセット印刷方式による多色刷輪転機の各印刷ユニット間に、段付きローラを用いた幅見当修正装置を取り付けた状態を示す図である。この輪転機は、4台の印刷ユニット2a,2b,2c,2dをタワー状に積み重ねたものである。1は走行紙、4は湿し装置である。印刷ユニット2aと2b間、2bと2c間、2cと2d間を走行する走行紙1に対し紙幅方向に複数の凸部を備えた段付きローラ10を当接するように配設し、この段付きローラ10には、走行紙面に対する押し込み量を調整する調整機構15が設けられている。
【0005】
図9は上記修正装置における段付きローラとその押し込み調整機構の平面図である。この段付きローラ10は、同図に示すごとく、最大紙幅に対応した長さを有する一体型のローラ11の表面に複数個のリング12を軸方向に所定の間隔をおいて取付け、段付きローラ表面の凸部を形成している。そしてこの凸部表面が印刷ユニット間を走行する紙面に当接するように配設されている。
【0006】
この段付きローラ10の両端の軸11a,11bは、走行紙面に対するローラ押込み量調整機構15の摺動部材16に固設したアーム13に回転自在に支持されている。そしてこのローラの駆動側の軸端11bは、印刷ユニットの駆動源につながる歯車14に連結している。前記押し込み量調整機構の摺動部材16と螺合する調整軸17bの先端にはモータ18が、他方の調整軸17aの先端にはポテンショメータ19が取付けられている。40は駆動連結軸であって、その両端には傘歯車が設けられ、調整軸17a,17bに設けられている傘歯車とそれぞれ噛み合っている。これによって、調整軸17aは、モータ18によって駆動される調整軸17bと同じ回転を行う。上記ポテンショメータ19は調整軸17aの回転を通じてローラ11の押込み量を計測するためのものである。41は上記各部を支えるフレームである。
【0007】
以上のように構成された幅見当修正装置では、モータ18によって調整軸17bを回転させると、調整軸17aも回転し、その回転方向に応じて摺動部材16が前・後進し、段付きローラ10は、印刷ユニット間を走行する紙面に対してほぼ直角方向に移動する。これによって、ローラの凸部表面が走行紙面に押し込まれる量を変えることができる。段付きローラ10を走行紙面に適量押し付けると、走行紙面に波打ち現象が発生して見掛け上の紙幅が縮小する。
【0008】
したがって、この幅見当修正装置を備えた輪転機では、ファンアウト量を目視しながら調整軸を押しボタン操作によって回転させ、段付きローラ10の押し込み量を調整して、走行紙面に皺が生じないように波打ち現象を起して短縮させた量が、前の印刷ユニットを通過して伸びた量と合致するように、次の印刷ユニットに進入する直前の走行紙の幅を修正して、紙の伸びによる幅方向の見当ずれを防ぐ。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したごとく、段付きローラを用いて紙幅方向の見当を修正する方法は、前の印刷ユニットを通過して幅方向に伸びた走行紙面に段付きローラを押し当てることにより、紙面に発生する波打ちによって、次の印刷をする直前の紙幅を縮小させた状態にするので、ファンアウトの修正は良好にできる。しかし、ファンアウト量は、版面に供給する湿し水の量、機械速度に大きく左右されるので、段付きローラの押し込み量を調整するだけでは、印刷状態の変化に対応して次の印刷ユニットに進入する直前の走行紙の縮小幅を、前の印刷ユニットを通過して伸びた幅と一致させ、しかも走行紙に皺が発生しない状態にすることは容易ではなく、この調整作業中に発生する損紙の量と時間を減らす必要があった。
【0010】
したがって本発明は、これらの問題点を改善し、印刷状態の変化に即応した適切な修正が、迅速かつ自動的にでき、常に高品質の印刷物が得られる幅見当修正装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決したものであって、多色刷輪転機の印刷ユニット間を走行する紙面に、紙幅方向に複数の凸部を有する段付きローラを当接するよう配置し、走行紙面に対する上記段付きローラの押し込み量を調整する調整機構を備えた多色刷輪転機の幅見当修正装置において、次の特徴を有する多色刷輪転機の幅見当修正装置に関するものである。
【0012】
(1)走行紙の幅方向の伸び量を検出する紙伸び検出装置と、同検出装置からの情報に基づいて走行紙に付与する張力の設定値を修正する設定張力制御装置と、上記走行紙の走行経路において同走行紙に係合されたダンサーローラとその加圧力調整用シリンダとによって上記の修正した設定値になるよう走行紙の張力を制御する張力制御装置とを設けた。
【0013】
(2)輪転機の速度情報に基づいて走行紙に付与する張力の設定値を修正する設定張力制御装置と、上記走行紙の走行経路において同走行紙に係合されたダンサーローラとその加圧力調整用シリンダとによって上記の修正した設定値になるよう走行紙の張力を制御する張力制御装置とを設けた。
【0015】
)上記(1)項又は(2)項に記載の多色刷輪転機の幅見当修正装置において、輪転機の速度情報に基づいて版面に付与する湿し水量を修正する制御回路を湿し水制御装置に付加した。
【0016】
)上記(1)項、(2)項、又は()項に記載の多色刷輪転機の幅見当修正装置において、段付きローラを走行紙の幅方向に2分割し、そのそれぞれの段付きローラに、走行紙面に対する押し込み量を調整する調整機構を備えた。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の第1形態に係る幅見当修正装置の構成図、図2は同実施形態に係る実験結果より得られたファンアウト修正量と設定張力との関係図である。図において2a,2b,2c,2dは各段の印刷ユニット、1は走行紙、10は段付きローラ、15は押し込み量調整装置であり、この構成は従来技術と同じである。7は最終段の印刷ユニット2dの出口に設けられた走行紙の幅方向の伸び量を検出する紙伸び検出装置、5は同検出装置に信号線を介して連なる設定張力制御装置であり、輪転機の給紙部から送り出されてくる走行紙1に付与している張力の設定値を、前記検出装置7で読み取ったファンアウト量の電気信号によって修正する装置である。6は張力制御装置であり、前記張力制御装置5によって修正した設定値になるよう走行紙1の張力を制御する装置である。37は電空変換器、30はエアシリンダ、3は走行紙の走行経路において走行紙に係合させてあるダンサーローラである。前記張力制御装置6は電空変換器37を介してダンサーローラ3のエアシリンダ30に供給するエア圧を制御するものである。上記以外の部分の構成および作用は従来技術(図9,図10)と同じである。
【0018】
本装置においては、輪転機の運転開始に先立って、押し込み量調整機構の調整軸17bをモータ18で回動して両側の摺動部材16を前・後進させ、段付きローラ11の凸部表面が、印刷ユニット間を走行する紙面に対して一定量押し込まれた状態にセットする。この押し込み量は、色数や、絵柄、紙厚などの印刷条件に基づく平均的な経験値であって、ポテンショメータ19によって押し込み量が確認できる。
【0019】
この状態で印刷運転を開始すると、段付きローラ10の凸部表面が走行紙面に適量押し込まれているので、走行紙面に波打ち現象が発生し、しかも皺が生じない状態で紙幅が縮小する。しかし、この縮小させる量、即ち、修正できるファンアウト量は、図2に示すごとく、走行紙に付与される設定張力の値によって左右される。
【0020】
一方、紙伸び検出装置7は最終印刷を終えた走行紙面を常時走査し、その電気信号を設定張力制御装置5に発信しているので、運転中におけるファンアウト量が許容範囲を超えると、設定張力制御装置5はその見当ずれ量を修正するに必要な設定張力の記憶値を読み出して、張力の設定値を修正する信号を紙張力の検出機構であるダンサーローラ3の加圧力調節用エアシリンダ30に連係する電空変換器37に送り、張力の設定値を自動的に修正し、張力制御装置6が走行紙の張力をその値になるように制御して、ファンアウトを許容範囲内におさめる。
【0021】
よって本実施形態においては、段付きローラの押し込み量を一定にしておいても、見当ずれ量に応じ、走行紙に付与する紙張力の設定値を自動的に修正してファンアウト量を常に許容範囲内におさめるので、運転の容易化と損紙の削減化および品質の安定化に貢献できる。
【0022】
図3は本発明の実施の第2形態に係る幅見当修正装置の構成図である。本装置は第1実施形態における幅方向紙伸び検出装置7の代りに、輪転機を駆動する主モータ8の回転数を検知するために設けられているタコジェネレータ38を利用するものであり、タコジェネレータ38の出力を電気信号線を介して設定張力制御装置5に接続したものである。設定張力制御装置5は、タコジェネレータ38からの電気信号に基づいて、走行紙1に付与する張力の設定値を演算し、輪転機の給紙部から送り出されてくる走行紙に付与されていた張力の設定値を修正する。この修正した設定値になるように走行紙1の張力を制御する張力制御装置6を、ダンサーローラ3のエアシリンダ30に供給するエア圧の制御系に連係させている。上記以外の部分の構成および作用は第1実施形態のものと同じである。
【0023】
この実施形態でも、輪転機の運転開始に先立って、上記第1実施形態と同じ要領で段付きローラの凸部表面が、印刷ユニット間を走行する紙面に対して一定量押し込んだ状態にセットする。
【0024】
この状態で印刷運転を開始すると、段付きローラの凸部表面が走行紙面に適量押し込まれているので、走行紙面に波打ち現象が発生し、しかも皺が生じない状態で紙幅が縮小する。しかし、この縮小させる量、即ち、修正すべきファンアウト量は、上記第1実施形態に記述したように、走行紙に付与される設定張力の値によって左右されるが、設定張力が一定の元では、ファンアウト量は印刷速度が上がると小さくなる。逆に、印刷速度を下げるとファンアウト量は大きくなる。
【0025】
一方、印刷運転中にはタコジェネレータ38から、常時、印刷速度情報の電気信号を設定張力制御装置5に発信しているので、減速するとファンアウトの大きくなる量を予測し、設定張力制御装置5はその見当ずれ量を修正するに必要な設定張力を演算して、張力の設定値を修正する信号をダンサーローラのエアシリンダに連係する電空変換器37に送り、張力の設定値を自動的に修正し、紙張力制御装置6が走行紙1の張力をその値になるように制御して許容範囲内におさめる。
【0026】
よって本実施形態においては、段付きローラの押し込み量を一定にしておいても、印刷速度が下がると、その減速された速度に応じて走行紙に付与している紙張力の設定値を自動的に修正するので、ファンアウト量を常に許容範囲内におさめることができる。
【0027】
図4は本発明に係り検討した検討例の幅見当修正装置の構成図、図5は本検討例に係る実験結果で、ファンアウト量を一定にする場合の単位面積当りの湿し水量と印刷速度との関係を示す関係図である。本検討例は、輪転機を駆動する主モータ8の回転数を検知するタコジェネレータ38からの電気信号に基づいて、輪転機の速度が上昇するに従って版面に付与する単位面積当たりの湿し水量を決められた関係で変化させる修正回路9aを湿し水制御装置9に付加したものである。上記以外の部分の構成及び作用は従来技術と同じである。
【0028】
この検討例においても、輪転機の運転開始に先立って、上記第1実施形態と同じ要領で段付きローラの凸部表面が印刷ユニット間を走行する紙面に対して一定量押し込まれた状態にセットする。
【0029】
この状態で印刷運転を開始すると、段付きローラの凸部表面が走行紙面に適量押し込まれているので、走行紙面に波打ち現象が発生し、しかも皺が生じない状態で紙幅が縮小する。しかし、この縮小させる量、即ち、修正すべきファンアウト量は、走行紙に付与される湿し水量によって大きく左右される。
【0030】
一方、湿し水の消費量は、印刷速度にほぼ比例して増加するので、従来より輪転機の湿し水制御装置9では、輪転機速度に追従して湿し水の供給量を増減させる運動制御が行われている。しかし、印刷速度が早くなると、走行紙1への湿し水の浸透度が相対的に遅くなるので、ファンアウト量は小さくなる。実験の結果、走行紙面に段付きローラ10を一定量押し込んだままの状態で、ファンアウト量を一定にする場合の単位面積当たりの湿し水量と印刷速度の関係は、第5図のグラフに示すごとき曲線となる。
【0031】
したがって、上記実験結果に基づく修正回路9aを従来の湿し水制御装置9に付加した本検討例では、タコジェネレータ38から速度情報の電気信号を受信した湿し水制御装置の修正回路9aは、輪転機の速度が上昇するに従って版面に供給する湿し水量を、この決められた関係で変化させるように修正して、ファンアウトを許容範囲内におさめる。
【0032】
よって本検討例においては、段付きローラの押し込み量を一定にしておいても、印刷速度に応じて版面を経由して走行紙面に付与される湿し水量を自動的に修正するので、人手を要せずファンアウト量を常に許容範囲内におさめることができる。
【0033】
図6は本発明の実施の第形態に係る幅見当修正装置の構成図である。本実施形態は、前述の第1実施形態と本発明に係る上記検討例の技術を共に従来技術の項で述べた多色刷輪転機(図9,図10)に適用したものである。
【0034】
即ち、段付きローラ10とその押し込み量調整機構15を具備した輪転機を駆動する主モータ8の回転数を検知するタコジェネレータ38からの電気信号に基づいて、輪転機の速度が上昇するに従って版面に付与する単位面積当たりの湿し水量を決められた関係で変化させる修正回路9aを湿し水制御装置9に付加するとともに、輪転機の最後の印刷ユニット2dの出口に、走行紙1の幅方向の伸び量を検出する紙伸び検出装置7を取り付ける。そして輪転機の給紙部から送り出されてくる走行紙1に付与している張力の設定値を、前記紙伸び検出装置7で読み取ったファンアウト量の電気信号によって修正するための設定張力制御装置5と、この修正した設定値になるように走行紙1の張力を制御する張力制御装置6を、ダンサーローラ3のエアシリンダ30に供給するエア圧の制御系に連係させたものである。
【0035】
この実施形態でも、輪転機の運転開始に先立って、上記第1実施形態と同じ要領で段付きローラの凸部表面が、印刷ユニット間を走行する紙面に対して一定量押し込まれた状態にセットする。そしてこの状態で印刷運転を開始すると、段付きローラの凸部表面が走行紙面に適量押し込まれているので、走行紙面に波打ち現象が発生し、しかも皺が生じない状態で紙幅が縮小する。この場合における段付きローラ10とその押し込み量調整機構15および紙伸び検出装置7と設定張力制御装置5と紙張力制御装置6の作用は上記第1実施形態の場合と同じである。また、速度情報による湿し水制御装置9の修正回路9aの作用は、上記検討例の場合と同じである。
【0036】
よって本実施形態においては段付きローラの押し込み量を一定にしておいても、印刷速度に応じて版面を経由して走行紙面に付与される湿し水量を自動的に修正するとともに、見当ずれ量に応じて走行紙に付与する紙張力の設定値を自動的に修正するので、ファンアウト量を常に許容範囲内におさめ、更に品質の安定した印刷ができる。
【0037】
図7は本発明の実施の第形態に係る幅見当修正装置の構成図である。本実施形態は、前述の第2実施形態と本発明に係る上記検討例の技術を共に従来技術の項で述べた多色刷輪転機(図9,図10)に適用したものである。
【0038】
即ち、輪転機を駆動する主モータ8の回転数を検知するタコジェネレータ38からの電気信号に基づいて、輪転機の速度が上昇するに従って版面に付与する単位面積当たりの湿し水量を決められた関係で変化させる修正回路9aを湿し水制御装置9に付加するとともに、前記タコジェネレータ38からの電気信号に基づいて、走行紙1に付与する張力の設定値を修正するための設定張力制御装置5と、この修正した設定値になるように走行紙1の張力を制御する張力制御装置6を、ダンサーローラ3のエアシリンダ30に供給するエア圧の制御系に連係させたものである。
【0039】
この実施形態においても輪転機の運転開始に先立って、上記第1実施形態と同じ要領で段付きローラの凸部表面が、印刷ユニット間を走行する紙面に対して一定量押し込まれた状態にセットする。そしてこの状態で印刷運転を開始すると、段付きローラの凸部表面が走行紙面に適量押し込まれているので、走行紙面に波打ち現象が発生し、しかも皺が生じない状態で紙幅が縮小する。この場合における速度情報による設定張力制御装置5と、張力制御装置6の作用は上記第2実施形態の場合と同じである。また、速度情報による湿し水制御装置9の修正回路9aの作用は、上記検討例の場合と同じである。
【0040】
よって本実施形態においては、段付きローラの押し込み量を一定にしておいても、印刷速度に応じて版面を経由して走行紙面に付与される湿し水量を自動的に修正するとともに、減速時の印刷速度に応じて走行紙に付与する紙張力の設定値を自動的に修正するので、ファンアウト量を常に許容範囲内におさめ、更に品質の安定した印刷ができる。
【0041】
図8は本発明の実施の第形態に係る幅見当修正装置における段付きローラとその押し込み調整機構の平面図である。本装置は前述の第1〜第実施形態がその適用対象とした図9の段付きローラとその押し込み調整機構に替えて、適用対象として用いられるものである。即ち、多色刷輪転機の印刷ユニット間を走行する紙面に当接するように配設した段付きローラを、図8に示すように紙幅方向に2分割し、この2分割したそれぞれの段付きローラに、走行紙面に対する押し込み量を調整する調整機構を具備させたものである。
【0042】
上記分割型段付きローラ20は、最大紙幅の中央で2分割した長さを有する分割型ローラ21の各々の表面に複数個のリング22を軸方向に一定の間隔をおいて取り付け、段付きローラ表面の凸部を形成している。そして各ローラの両端の軸21a,21bは、同図に示すごとく、2分割した中空軸24に固設したアーム23a,23bに回転自在に支持されている。それぞれの中空軸24,24はこの中空軸内を貫通するそれぞれの支持軸31,31に回転自在に保持されている。また、それぞれの支持軸の中央側軸端は、フレーム41間を連結するステイ42の中央に固設した中間部材32に回転自在に保持され、それぞれの支持軸のフレーム側軸端は、フレームに取り付けの支持部材に軸着している。そしてローラ軸を保持するフレーム側のアーム23aに固設の作動片26は、押し込み量調整用の調整軸27に螺合し、それぞれの調整軸の先端にはモータ28が取り付けられている。さらに前記押し込み量調整用の作動片26は、ポテンショメータ29に係合している。
【0043】
この実施形態では、輪転機の運転開始に先立って、分割型段付きローラのそれぞれの押し込み量調整機構の調整軸27をモータ28で回動してアーム23aを旋回させ、段付きローラの凸部表面が、印刷ユニット間を走行する紙面に対して一定量押し込まれた状態でセットする。この押し込み量は、色数や絵柄などの印刷条件に基づく平均的な経験値であるが、特に紙面の操作側と駆動側の色数や絵柄などが極端に相違する場合は、操作側と駆動側の押し込み量を僅かに変え、その押し込み量はそれぞれのポテンショメータ29によって確認できる。この状態で印刷運転を開始すると、それぞれの段付きローラの凸部表面が走行紙面に適量押し込まれているので、走行紙面に波打ち現象が発生し、しかも皺が生じない状態で紙幅が縮小する。
【0044】
本実施形態における分割式段付きローラ20とその押し込み量調整機構25以外の作用は、上記第1〜第実施形態に記載のものと同じである。よって本実施形態においては、紙面の操作側と駆動側の色数や絵柄などが極端に相違するような場合でも、それぞれの段付きローラの押し込み量を微量に変えられ、適量に設定しておけば、運転中は印刷条件に応じて走行紙に付与する張力の設定値や版面に供給する湿し水量を自動的に修正するので、人手を要せず、ファンアウト量を常に許容範囲内におさめ、高品質の安定した印刷ができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の多色刷輪転機の幅見当修正装置は、以上のように印刷ユニット間を走行する紙面に段付きローラの凸部を押し込むことによって、前の印刷ユニットを通過して伸びた紙幅分を、波打ちによって次の印刷ユニットに進入する直前に縮小させて、ファンアウト量を許容範囲内におさめるものであるが、ファンアウト量は、版面に供給する湿し水の量、機械速度、走行紙に付与する張力の設定値などの運転状態に左右される現象に着目し、その実験結果を本修正装置に反映させているので、以下に示すような効果を奏する。
(1)段付きローラの押し込み量は、運転開始前に印刷条件に応じて設定しておくだけで、運転中の状態変化に対しては、ファンアウト量に影響する因子の制御系を自動的に修正することによって対応するので、押し込み量を調整する必要がなくなり、運転条件が容易になり、省力効果が大である。
(2)運転中に段付きローラの押し込み量を調整する必要がなくなるので、調整過程で発生する皺の問題から解放されるとともに、損紙が減少する効果が大である。
(3)上記(1)項より運転状態の変化に対応して、直ちに効果的な自動修正が行われるので、ファンアウト量を常に許容範囲内に収めることができ、安定した高品質の印刷物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の第1形態に係る幅見当修正装置の構成図。
【図2】 同実施形態に係る実験結果より得られたファンアウト修正量と設定張力との関係図。
【図3】 本発明の実施の第2形態に係る幅見当修正装置の構成図。
【図4】 本発明に係り検討した検討例の幅見当修正装置の構成図。
【図5】 同検討例に係る実験結果より得られた印刷速度と単位面積当りの湿し水量の関係図。
【図6】 本発明の実施の第形態に係る幅見当修正装置の構成図。
【図7】 本発明の実施の第形態に係る幅見当修正装置の構成図。
【図8】 本発明の実施の第形態に係る幅見当修正装置における段付きローラとその押し込み調整機構の平面図。
【図9】 従来の段付きローラとその押し込み調整機構の平面図。
【図10】 従来の多色刷輪転機の構成図であり、印刷ユニットに段付きローラを配設した状態を示す図。
【符号の説明】
1 走行紙
2a,2b,2c,2d 印刷ユニット
3 ダンサーローラ
4 湿し装置
5 設定張力制御装置
6 張力制御装置
7 紙伸び検出装置
8 主モータ
9 湿し水制御装置
9a 修正回路
10,20 段付きローラ
11,21 ローラ
12,22 リング
13,23a,23b アーム
14 歯車
15,25 押し込み量調整機構
16 摺動部材
17a,17b,27 調整軸
18,28 モータ
19,29 ポテンショメータ
24 中空軸
26 作動片
30 エアシリンダ
31 支持軸
32 中間部材
37 電空変換器
38 タコジェネレータ
40 駆動連結軸
41 フレーム
42 ステイ

Claims (4)

  1. 多色刷輪転機の印刷ユニット間を走行する紙面に、紙幅方向に複数の凸部を有する段付きローラを当接するよう配置し、走行紙面に対する上記段付きローラの押し込み量を調整する調整機構を備えた多色刷輪転機の幅見当修正装置において、走行紙の幅方向の伸び量を検出する紙伸び検出装置と、同検出装置からの情報に基づいて走行紙に付与する張力の設定値を修正する設定張力制御装置と、上記走行紙の走行経路において同走行紙に係合されたダンサーローラとその加圧力調整用シリンダとによって上記の修正した設定値になるよう同走行紙の張力を制御する張力制御装置とを設けたことを特徴とする多色刷輪転機の幅見当修正装置。
  2. 多色刷輪転機の印刷ユニット間を走行する紙面に、紙幅方向に複数の凸部を有する段付きローラを当接するよう配置し、走行紙面に対する上記段付きローラの押し込み量を調整する調整機構を備えた多色刷輪転機の幅見当修正装置において、上記輪転機の速度情報に基づいて走行紙に付与する張力の設定値を修正する設定張力制御装置と、上記走行紙の走行経路において同走行紙に係合されたダンサーローラとその加圧力調整用シリンダとによって上記の修正した設定値になるよう同走行紙の張力を制御する張力制御装置とを設けたことを特徴とする多色刷輪転機の幅見当修正装置。
  3. 転機の速度情報に基づいて版面に付与する湿し水量を修正する制御回路を湿し水制御装置に付加したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多色刷輪転機の幅見当修正装置。
  4. 段付きローラを走行紙の幅方向に2分割し、そのそれぞれの段付きローラに、走行紙面に対する押し込み量を調整する調整機構を備えたこと特徴とする請求項1請求項2、又は請求項3に記載の多色刷輪転機の幅見当修正装置。
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